説明

液晶表示装置

【課題】冷陰極蛍光管を点灯させるインバータの容量を低減したバックライトを備えた液晶表示装置を提供することにある。
【解決手段】 複数枚の液晶表示パネルを繋ぎ合わせて1枚の透明材料からなる前面板に装着したパネルユニットと、各液晶表示パネルに対応して同数のバックライトを繋ぎ合わせたバックライトユニットを1枚の背面板に装着したバックライトユニットとを備え、各バックライトは、光源に複数本の冷陰極蛍光管L0を用い、各冷陰極蛍光管の一方の電極をバックライトユニットの外周囲に、他方の電極を各バックライトの継ぎ目側に位置するように所定の間隔を空けて併設し、冷陰極蛍光管を点灯させるインバータIV出力のうち、高圧側を一方の電極に、低圧側を他の電極に接続して、各ユニットを離して対向配設した液晶表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に係り、更に詳しくは、複数枚の液晶表示パネルを繋ぎ合わせて一つの大型画面を形成した液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、他の表示装置、例えばブラウン管(CRT)、プラズマ表示装置(PDP)等の表示装置等に比べて、軽量で且つ薄型化ができ、しかも低消費電力でフルカラー化が容易であることから、これらの利点を生かして、複数枚の液晶表示パネルを繋ぎ合わせて一つの大型画面を形成し、個々の画面にそれぞれ独立した画像、あるいは全てに同一の画像を表示する、いわゆるマルチ表示方式で画面表示ができるようにした液晶表示装置が開発されている。(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図18は、下記特許文献1に記載された液晶表示装置を示し、図18(a)は正面図、図18(b)は図18(a)のA−A断面図である。
【0004】
この液晶表示装置10’は、図18に示すように、4枚の液晶パネルPNL1〜PNL4を互いに隣接して配列したものであって、4枚の液晶表示パネルPNL1〜PNL4を共通面上に隣接して配置するとともに、これらの液晶表示パネルPNL1〜PNL4の背面に複数本の線状光源CFLを配置し、各線状光源CFLの発光領域端縁にある電極近傍の両端を折り曲げてほぼコ字状にしてフレームREFに固定したものである。
【0005】
具体的な構造は、その一部を図18(b)に示すように、2枚の透明基板SUB1、SUB2の間に液晶を封入した液晶表示パネルPNLと、これらの液晶表示パネルPNLを照射する複数本の線状光源CFLと、各線状光源CFLへ電力を供給するインバータ中継板INV−S1、INV−S2、INV−S3を設けた裏フレームFLBと、これらの液晶表示パネルPNL、線状光源CFL、及び裏フレームFLB等を収容する区画された収容室を有するフレームFLFとを備え、各液晶表示パネルPNLをそれぞれの収容室に収納し、線状光源CFLを中間フレームFLRに設けられたホルダHLDに各線状光源の電極部分がそれぞれ埋め込まれた構造になっている。
【0006】
また、上記の液晶表示装置のように、複数枚の液晶表示パネルを複数個の収容室に収納することなく1枚の大型基板上に取り付けた液晶表示装置も知られている。(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
図19は、下記特許文献2に記載された液晶表示装置を示し、図19(a)は平面図、図19(b)は図19(a)のK−K’断面図である。
【0008】
この液晶表示装置1は、図19(b)に示すように、アクティブマトリックス型のカラー液晶表示パネル10A、10Bの一辺を隣接させて、それらを対向する2枚の補強基板9A、9B間で挟持して、各表示パネル10A、10Bの繋ぎ合せ部分を樹脂材により固定したものである。そして、各液晶表示パネル10A、10Bは、薄膜トランジスタ(TFT)をマトリックス状に形成したTFT基板と、カラーフィルターCFをマトリックス状に形成したCF基板とを備え、各基板間に液晶5を封入し、スペーサー6を介して貼り合わせた構造となっている。なお、補強基板9A、9Bは、2枚の表示パネル10A、10Bを配列できる大きさの大型基板で形成されている。
【特許文献1】特開2002−91347号公報(図1、2 段落[0039]〜[0043])
【特許文献2】特開平8−286204号公報(図1、2 段落[0032]〜[0037])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、これらの特許文献に記載された液晶表示装置は、それぞれ以下の課題を有している。
【0010】
上記特許文献1に記載された液晶表示装置は、4枚の液晶表示パネルPNL、複数本(実施例では6本となっている)の線状光源CFL、及び裏フレームFLB等をフレームFLFのそれぞれの収容室に収納している。しかし、更に大型の画面が要求されると、個々の液晶表示パネルが大型になり、線状光源の本数も増加するので、これに伴って、装置全体の重量及び線状光源から放出される発熱量が大きくなり、上記のようなフレームで支持固定することが極めて困難であり、発熱量の増大にも対応できない。
【0011】
例えば、一枚の液晶表示パネルに40インチ型のものを用いると、この種のサイズの液晶表示パネルを照射するには、線状光源が約32本必要となる。そうすると、このような大型液晶表示パネルを4枚、線状光源を128本(4×32)、及びこれを支えることができる板厚の支持基板等で大型画面を有する液晶表示装置を製作しようとすると、その総重量は数百キログラムになり、かつ128本の光源から放出される熱量も膨大となり、上記特許文献1に記載されているようなフレームで支持固定することは不可能となる。
【0012】
また、4枚の液晶表示パネルは、それぞれ区画された収容室を有するフレームに収納されるので、各液晶表示パネル同士の外周部が隣接する部分のフレーム幅が幅広となってしまう。このため、全画面に一つの画像を表示させると、各表示画面の液晶表示パネルの継ぎ目が出現し画像が分断された状態で観察されるので、画面の一体感が損なわれてしまう恐れがある。
【0013】
更に、上記特許文献2に記載された液晶表示装置は、2枚の液晶表示パネルの一辺を隣接させて、対向する2枚の補強基板間に介在させ樹脂材により連結固定しているが、これらの液晶表示パネルを基板上に直接取り付けるには、液晶表示パネル端面の加工及び基板上での位置決めに、高い精度が要求され極めて困難な作業となっている。例えば、液晶表示パネルの位置決めの公差は、0.15mm程度が要求されるので、このような公差に収めることが非常に難しく、高度で熟練した技能が必要され、一方で、作業効率も悪く不良品続出の原因にもなっている。
【0014】
また、液晶表示パネルの継ぎ目で各表示パネル端面同士が樹脂材で補強基板に一体に固定されると、個々の液晶表示パネルを単独で取外すことができず、故障した表示パネルを単独で交換又はメンテナンスするのが不可能になる。更に、この液晶表示装置では、一方の補強基板に偏光板を介在させてバックライトが装着されるようになっているが、このようなバックライトの装着は、2枚の表示パネル同士の外周部を隣接して配列するような比較的小型な画面を備えた装置に限定され、これより大型の画面を形成しようとすると、基板の下方に直接バックライトを装着することができない。その理由は、大型化された場合、大型液晶表示装置の重量及び放出熱量に対応できないからである。
【0015】
更に、液晶表示装置は、バックライトの光源として、熱陰極蛍光管、冷陰極蛍光管等が使用され、画面の大型化に伴って、その本数も増大し、上記のような大型液晶表示装置になると、例えば128本も必要になり、これらの蛍光管へ電力を供給する電源設計も容易でなく種々の課題が出現してくる。
【0016】
すなわち、多数本の蛍光管には、それぞれの蛍光管毎にインバータが必要となるので、上記の大型液晶表示装置では、128本の蛍光管に対して128個のインバータが必要となる。このため、それらの設置スペースが増大し、配線スペースの確保も難しくなり、バックライトユニットが大型になってしまう等の課題がある。
【0017】
本発明は、上記従来技術が抱える課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、冷陰極蛍光管を点灯させるインバータの容量を低減したバックライトを備えた液晶表示装置を提供することにある。
【0018】
本発明の他の目的は、複数枚の液晶表示パネルを繋ぎ合せた継ぎ目部分の表示ムラを低減した液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の液晶表示装置の発明は、複数枚の液晶表示パネルを繋ぎ合わせたパネルユニットを1枚の透明材料からなる前面板に装着したパネルユニットと、前記各液晶表示パネルに対応した同数のバックライトを繋ぎ合わせたバックライトユニットを1枚の背面板に装着したバックライトユニットとを備え、前記各バックライトは、光源に複数本の冷陰極蛍光管を用い、前記各冷陰極蛍光管の一方の電極を前記バックライトユニットの外周囲に、他方の電極を前記各バックライトの継ぎ目側に位置するように所定の間隔を空けて併設し、前記各冷陰極蛍光管を点灯させるインバータ出力のうち、高圧側を前記一方の電極に、低圧側を前記他の電極にそれぞれ接続して、前記各ユニットを離して対向配設したことを特徴とする。
【0020】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の液晶表示装置に係り、前記各液晶表示パネルは、前記前面板の表面に装着され、前記各バックライトは、透明材料からなる前記背面板の裏面に装着されていることを特徴とする。
【0021】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の液晶表示装置に係り、前記継ぎ目側に配設した前記各冷陰極蛍光管の他方の電極は、共通の導電部材に接続したことを特徴とする。
【0022】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の液晶表示装置に係り、前記バックライトユニットは、前記バックライトの継ぎ目に沿って補助光源を配設したことを特徴とする。
【0023】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の液晶表示装置に係り、前記補助光源に、冷陰極蛍光管を用い、前記冷陰極蛍光管の一方の電極を前記バックライトユニットの外周囲に、他方の電極を前記継ぎ目部分に位置させて配設し、前記各冷陰極蛍光管をそれぞれ点灯させるインバータ出力のうち、高圧側を前記一方の電極に、低圧側を前記他方の電極に接続したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
請求項1の発明によれば、バックライトに冷陰極蛍光管を用いると、この冷陰極蛍光管を点灯させるインバータの容量が問題になるが、各冷陰極蛍光管の高圧側をバックライトユニットの外周囲側へ配設することにより、インバータの高圧側の配線長を、冷陰極蛍光管の高圧側をユニット内側に位置させるときより短くでき、インバータ電力の省電力化が可能になる。
【0025】
すなわち、冷陰極蛍光管の高圧側がユニットの内側に位置すると、インバータへの配線が長くなるので浮遊容量が大きくなり、そのため漏れ電流が大きくなるため、大容量のインバータが必要となる。また、高圧側をユニットの内側に位置させると、インバータへの配線を短くするには、バックライトユニットの背面にインバータを配置することで可能となるが、この構造をとるとインバータを取り付けた表示パネルの厚みが増大してしまう。しかし、このような課題は上記の構成にすることにより解消できる。
【0026】
また、パネルユニットとバックライトユニットとはそれぞれ別々のユニットとなっているので、各ユニットを個別に組立作製ができ超大型画面を有する液晶表示装置の製造が簡単になる。
【0027】
また、各ユニットが別ユニットであることから、バックライトユニットと他のパネルユニットとの距離を変更することができ、バックライトからの放熱調節が容易になる。すなわち、液晶表示装置の超大型化に伴い、駆動時に複数個のバックライトから発散される発熱量が大幅に増加するが、各ユニット間の距離を調節し、この空間を利用して熱の放散を効率よく行うことができる。このため、バックライトの発熱による液晶表示パネルの表示ムラが低減でき、更に周辺部品への悪影響を防止できる。
【0028】
請求項2の発明によれば、前面板の表面に液晶表示パネル、透明材料からなる背面板の裏面にバックライトをそれぞれ装着し、前面板と背面板との隙間間隔の変更が可能になるので、放熱設計及び表示品質の向上を図ることができる。
【0029】
例えば、前面板の表面に液晶表示パネル、背面板の裏面にバックライトを装着すると、前面板と裏面板との間にバックライトが介在されない。そのため、背面板を通してバックライトからの熱が背面板の表面側へ伝わっても、前面板の表面に装着されている液晶表示パネルへ伝導することが殆どなくすることができる。また、前面板と背面板の間隔は、放熱対策を主にして決める必要がなく、表示品質、例えば表示画面に背面板の影等が映らないようにすること等を主にして間隔の調整が可能になる。さらに、前面板と背面板との隙間を広くできるので、この間に光拡散部材あるいは補助光源等の配設が容易になる。
【0030】
また、前面板の裏面に液晶表示パネル、背面板の表面にバックライトを装着した場合は、前面板と背面板との間にバックライトが介在されるが、前面板と裏面板との間隔を調整することにより、上記の作用効果を奏することができる。
【0031】
請求項3の発明によれば、複数個のバックライトを繋ぎ合せた継ぎ目部分に冷陰極蛍光管の低圧側を集束できるので配線の共通化が可能になる。したがって、この低圧側の電極を共通の導電部材、例えば一枚の導電性シートで接続することにより、複数個の低圧側電極からそれぞれリード線を導出し、これらのリード線を配線する必要がなくなり、バックライトの繋ぎ合せ部の寸法を低減でき、配線のコンパクト化が可能になる。
【0032】
請求項4の発明によれば、補助光源をバックライトの継ぎ目に沿って配設することにより、バックライトの継ぎ目部分の非発光領域が無くなり、表示画面の表示ムラを無くすることができる。
【0033】
請求項5の発明によれば、インバータは、その高出力側をバックライトユニットの外周囲側に配設した冷陰極蛍光管の電極に、低圧側を継ぎ目側に位置する電極にそれぞれ接続するので、インバータの高圧側の負荷を冷陰極蛍光管の高圧側がユニット内側に位置するときより低減でき、インバータ電力の省電力化が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための液晶表示装置を例示するものであって、本発明をこの液晶表示装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適応し得るものである。
【実施例1】
【0035】
図1は、本発明の第1実施例に係る液晶表示装置を示し、図1(a)は正面図、図1(b)は図1(a)の矢印Aからみた側面図、図2は、パネルユニットを示し、図2(a)はパネルユニットの外観斜視図、図2(b)はパネルユニットを構成する1枚の液晶表示パネルの平面図、図2(c)は図2(b)のw−w断面図、図3は、図2(a)のパネルユニットの分解斜視図、図4は、図2(a)のA−A断面図である。
【0036】
液晶表示装置10は、図1、図2、図3に示すように、4枚の液晶表示パネルP1〜P4を1枚の前面板11に装着し、押さえ板12で固定したパネルユニットPUと、各液晶表示パネルP1〜P4に対応した4個のバックライトB1〜B4BUを1枚の背面板20に装着したバックライトユニットBUとを備え、パネルユニットPUとバックライトユニットBUとの間に、光拡散部材DP及び補助光源SBを介在し、各ユニットPU、BUを所定の間隔を空け、対向するように立設させ、各ユニットPU、BUの両側部を一対の支持台40a、40bで固定した構成を有する。
【0037】
以下に、この液晶表示装置10を構成するパネルユニットPU、光拡散部材DP、バックライトユニットBU、及び各支持台40a、40bについて説明する。
【0038】
パネルユニットPUは、図2、図3に示すように、透明材料からなる大型の前面板11に4枚の液晶表示パネルP1〜P4の外周部を隣接させて配列し、押さえ板12で固定した構成を有する。
【0039】
前面板11は、ほぼ矩形状をなし4枚の液晶表示パネルP1〜P4を装着しても撓み等が発生せず、しかも振動等にも強い機械的強度を有する板厚及び材料で形成する。例えば、40インチ(101.6cm)型の液晶表示パネル4枚を繋ぎ合わせて80インチ(約203.2cm)型の大型画面を形成する場合は、相当の機械的強度が必要になるので、前面板11の厚さは15mm程度が好ましい。また、前面板材にはアクリル樹脂が好ましい。
【0040】
また、4枚の液晶表示パネルP1〜P4は、それぞれ同一の構造を有し、繋ぎ合せたとき配線基板TCPの取り付け位置が異なる。そのうちの1枚の液晶表示パネルPN(N=1、2、3、4)は、図2(b)、(c)に示すように、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を搭載した背面ガラス基板ARとカラーフィルターを装着した前面ガラス基板CFとの間に液晶LCを封入し、背面ガラス基板ARの背面に背面偏光板F1、前面ガラス基板CFの前面に前面偏光板F2を付設した構成を有する。
【0041】
液晶LCは、背面ガラス基板ARの前面及び前面ガラス基板CFの背面並びに接着シール材SLによって形成された空間に封入されている。したがって、液晶表示パネルPNは、接着シール材SLの設けられている周辺の領域が非表示領域NE、NE’となり、この非表示領域NE、NE’に囲まれた内部の領域、すなわち液晶LCが封入された領域が表示領域Pnとなる。ちなみに配線基板TCPが設けられた部分の非表示領域NE’は、配線基板TCPが設けられていない部分の非表示領域NEに比べて広くなっている。これは、他の液晶表示パネルが近接して設けられる外周部の非表示領域NEが、他の部分(つまり非表示領域NE’)に比べて短く加工されるために広さが異なるからである。
【0042】
また、液晶表示パネルPNは、外周部の2辺の端縁部にポリイミド等からなるフレキシブル基板上に駆動集積回路を搭載した配線基板TCP(Tape Carrier Package)が接続されている。更に、このパネルユニットPUの押さえ板12の背面には押さえ板12とほぼ同じ大きさの光拡散部材DPが設けられ、この光拡散部材DPは周知のレンズシート、拡散シート等の積層体により構成される。
【0043】
次に、図2、図3を参照して、パネルユニットPUの組立方法を説明する。
【0044】
パネルユニットPUは、上記の構造を有する液晶表示パネルPNを4枚使用し、図3に示すように、先ず、透明材料からなる補助基板15を用い、この補助基板15には予め対角線上に2枚の液晶表示パネルP1、P4を収容できる大きさの開口部15a、15bを設けておき、この補助基板15を押さえ板12上に載置して、各開口部15a、15bに液晶表示パネルP1、P4を収容する。このような補助基板を用いると表示パネルの位置決め固定が容易になる。
【0045】
補助基板15内の対角線上に2枚の液晶表示パネルP1、P4を取り付けた後に、前記補助基板15と同様の手順で、他の2枚の液晶表示パネルP2、P3を収容可能な開口部17a、17bを有する補助基板17に液晶表示パネルP2、P3を載置する。ただし、前記補助基板15に載置された液晶表示パネルP1、P4が、図中の左上、及び右下に載置されているので、補助基板17に載置される液晶表示パネルP2、P3は、前記液晶表示パネルP1、P4と重ならない位置、すなわち図中左下、及び右上に位置するように、補助基板17の開口部17a、17bを設けてある。このように補助基板15、17を用いて液晶表示パネルP1〜P4の設置を行うことにより、液晶表示パネルの交換、メンテナンスが容易になる。
【0046】
4枚の液晶表示パネルP1〜P4を上記のように配設した後に、前面板11の裏面11a上に載置し、押さえ板12で挟持して、これらを固定する。この固定には、押さえ板12を取り外し可能な固定手段を用いて固定するのが好ましい。したがって、4枚の液晶表示パネルP1〜P4のうち、2枚の液晶表示パネルP1、P4は、対角線上に継ぎ目が当たることなく段差を経て配設されるため、他の2枚の液晶表示パネルP2、P3も対角線上に継ぎ目が当たることなく段差を経て配設され、側面からみると、2枚の液晶表示パネルP1、P2は2段に、同様に他の2枚の液晶表示パネルP3、P4も2段に配設されている。
【0047】
すなわち、2枚の液晶表示パネルP2、P4は、図4に示すように、液晶表示パネル同士の最も近接する側辺同士が接合されず段違いとなり、各非表示領域NEも重なることがない。同様に、他の2枚の液晶表示パネルP1、P3も最も近接する側辺同士は接合されず段違いとなり、各非表示領域NEも重ならない。
【0048】
したがって、押さえ板12上の1段目の液晶表示パネルP1、P4と、2段目の液晶表示パネルP2、P3の視差(液晶表示装置を正面から見た際の距離の差)は、1段目の前面ガラス基板及び2段目の背面ガラス基板の合計の厚さ、つまり偏光板を除いた液晶パネル1枚の厚さとほぼ同じになる。また、継ぎ目の非表示領域の長さは、各液晶表示パネルの継ぎ目部分の非表示領域NEのほぼ2倍となる。ただし、各液晶表示パネルP1〜P4の継ぎ目部分の非表示領域NEは、他の周縁部の非表示領域よりできる限り小さくなるように設けられており、例えば継ぎ目部分の非表示領域NEは、周縁部の非表示領域に比べて約半分の大きさになっている。
【0049】
上記の表示パネルのような配置とすれば、それぞれの液晶表示パネルを高精度に位置決め及び固定ができ、任意の液晶表示パネルを単独で容易に交換又はメンテナンスできる。また、各液晶表示パネルP1〜P4は、段差を持って2段に配設されるので、各表示パネルの対向する端面同士が衝突することがないので、端面の欠けを防止できる。なお、本実施例においては、液晶表示パネルを4枚用いたが、4枚に限定されずそれ以下ないし以上の枚数を繋ぎ合わせてもよい。
【0050】
また、以下には液晶表示パネルの変形例として各表示パネルP1〜P4が対向する隅部を一部切除することにより、非表示領域の幅を小さくできるパネルユニットPU’を説明する。
【0051】
図5は、この変形例のパネルユニットを示し、図5(a)は外観斜視図、図5(b)はパネルユニットを構成する1枚の液晶表示パネルの平面図、図5(c)は図5(b)のx−x断面図、図6は図5(a)のパネルユニットの分解斜視図、図7は、図5(a)のB−B断面図である。
【0052】
前面板11、押さえ板12は上述のものと同様のものを使用するので同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。ここで使用する液晶表示パネルP1〜P4は、図5(b)に示すように各表示パネルが対向する部分、すなわちパネルのセンターに位置する隅部を45度の角度で切除されている。この切除された端面(以降、切除部とする)PSは、図6に示すようにパネルユニットPU’を組み立てる際に、対角線上に位置する液晶表示パネル(図中ではP1とP4、あるいはP2とP3の組み合わせ)同士で当接されるようになっている。
【0053】
次にこのパネルユニットPU’の組立方法を説明する。
【0054】
先ず、対角線上に位置する液晶表示パネルP1、P4の切除部PSを当接させ、厚さが液晶表示パネルの厚さと等しく、辺の長さがLA、及びLBからなる矩形状の補助基板15A、15Bを、その各辺を接合させた液晶表示パネルP1、P4のTCPが設けられていない辺に当接するように設ける。また、同様の方法で液晶表示パネルP2、P3も補助基板17A、17Bと共に液晶表示パネルP2、P3が前記液晶表示パネルP1、P4と重ならない位置となるように組み立てる。このようにして組み立てられた2段の液晶表示パネルを積層し前面板11と押さえ板12とで挟み込むことによりパネルユニットPU’が組み立てられる。
【0055】
液晶表示パネルP1〜P4の切除部PSは、図5に示すように表示領域の近傍に設けることが好ましく、このような切除部PSを設けることにより外周部を隣接して配置される液晶表示パネルP1〜P4の十字状の非表示領域P0(図12のX1、Y1参照)を小さくすることができる。詳述すると、図4に示すパネルユニットPUでは、縦方向の非表示領域の幅(Y1)が近接する液晶表示パネルP2、P4の非表示領域NEを合わせた領域の幅であるが、図7に示すパネルユニットPU’は、図中後方に位置する液晶表示パネルP4の非表示領域NEが、図中前方に位置する液晶表示パネルP2と重なるため、実際の非表示領域の幅(Y1)となるのは図中前方に位置する液晶表示パネルP2(P3)の非表示領域NE1個分の幅となる。このため、パネルユニットPU’の非表示領域の幅(Y1)を前記パネルユニットPUに比べて半分程度に抑えることができる。また、ここでは縦方向の非表示領域の幅(Y1)について説明したが、横方向の非表示領域の幅についても、同様にその幅を抑えることができる。
【0056】
また、このようにして組み立てられたパネルユニットPU’は、液晶表示パネルP1〜P4に切除部PSを設けたことにより、液晶表示パネル自身の重み等でパネルあるいは補助基板自体がずれる危険性を削減でき、また、上述のように補助基板を矩形状の板体とすることができるため、補助基板の加工も容易になる。
【0057】
さらに、上記のパネルユニットPU(PU’)は、補助基板を用いて複数枚の液晶表示パネルを配設したが、補助基板を使用せずに、液晶表示パネル同士を繋ぎ合わせてもよい。
【0058】
図8は、他の変形例として補助基板を使用せず4枚の液晶表示パネル同士を繋ぎ合わせたパネルユニットPU”を示し、図8(a)は外観斜視図、図8(b)はパネルユニットを構成する1枚の液晶表示パネルの平面図、図8(c)は図8(b)のy−y断面図、図9は、図8(a)のパネルユニットの分解斜視図、図10は、図8(a)のC−C断面図である。
【0059】
4枚の液晶表示パネルは、前記液晶表示パネルP1〜P4と同じ構造を有している。そこで説明を簡潔にするために同一の符号を付して説明する。各液晶表示パネルは、図8(c)に示すように、薄膜トランジスタを搭載した背面ガラス基板ARとカラーフィルターを装着した前面ガラス基板CFとの間に液晶LCを封入し、背面ガラス基板ARの背面に背面偏光板F1、前面ガラス基板CFの前面に前面偏光板F2を付設した構成を有する。そして、液晶表示パネルの外周部の各辺のうち、他の液晶表示パネルに近接していない2辺の端縁部に配線基板TCPが接続されている。
【0060】
この液晶表示パネルP1〜P4を4枚用いて繋ぎ合わせる場合、液晶表示パネルP1〜P4の配線基板TCPが接続されていない外周部の各辺同士が接するように配設し、前面板11と押さえ板12で挟み込んで保持する。このような構成にすることにより、液晶表示パネルP1〜P4を支える補助基板を用いずにパネルユニットPU”を形成することができるようになり、部品点数を削減でき、安価にパネルユニットPU”を製造することができるようになる。ちなみに、例えば4枚のうち2枚の表示パネルP1、P4は、図9上の右下がりの対角線上にお互いに一隅部がほぼ当接するように配設する。次いで、この対角線と交差する図上の右上がりの対角線上に他の表示パネルP2、P3を表裏逆にして配設し、前面板11及び押さえ板12で挟持し、各パネルP2、P3の配線基板TCPが繋ぎ合せたパネルユニットの外周縁に位置するようにして、4枚のパネルP1〜P4を繋ぎ合わせることもできる。このように繋ぎ合わせれば、配線基板TCPの取り付け箇所の異なる液晶表示パネルを用意する必要がなく、1種類の液晶表示パネルのみでこのパネルユニットPU”を製造することができ、より安価に液晶表示装置を製造することができるようになる。
【0061】
次いで、図1、図11、図12(b)、図13を参照して、バックライトユニットBUについて説明する。
【0062】
図11は、バックライトユニットを示し、図11(a)はバックライトユニットの平面図、図11(b)は図11(a)のバックライトユニットを構成する1個のバックライトを示す斜視図、図11(c)は図11(b)のz−z断面図、図12(b)はバックライトにインバータを接続した状態の平面図である。
【0063】
バックライトユニットBUは、図1、図11に示すように、4枚の液晶表示パネルP1〜P4にそれぞれ対応した4個のバックライトB1〜B4と、これらのバックライトを装着できる大きさを有する背面板20とからなる。
【0064】
背面板20は、前面板11とほぼ同じ大きさを有し、バックライトユニットBUを装着しても機械的強度が保持できる厚さ及び大きさを有する。例えば、厚さ15mmのアクリル板を用いることが好ましい。
【0065】
バックライトユニットBUは、4枚の液晶表示パネルP1〜P4にそれぞれ対応した4個のバックライトB1〜B4をその外周部の各辺同士が近接するように配設したものからなり、これら4個のバックライトB1〜B4は、それぞれ同じ構造を有している。これらのバックライトは、その1個を図11(b)、図11(c)に示すように、液晶表示パネルPNより若干大きい開口部を有する矩形状で浅底のハウジングHを用い、このハウジングHの底壁に反射板Rを敷設し、その反射板Rの上方に複数本の線状光源L0、複数枚の光学シート(レンズシート、拡散シート等)Oを配設した構造を有している。
【0066】
線状光源L0には、冷陰極蛍光管、あるいは熱陰極蛍光管等を使用し、それぞれの蛍光管の両端には、図12(b)に示すように、それぞれランプホルダLHを装着し、これらのランプホルダを利用して線状光源L0をハウジングHに取り付ける。また、各冷陰極蛍光管からそれぞれリード線を導出し、それぞれインバータIVに接続する。すなわち、図12(b)に示すように、各バックライトB1〜B4は、それぞれ複数本の線状光源(冷陰極蛍光管)L0で構成し、これらのバックライトを繋ぎ合せたバックライトユニットBUの外周囲にインバータIVを設け、各線状光源(冷陰極蛍光管)L0をそれぞれインバータIVに接続する。
【0067】
ところが、複数本の線状光源(冷陰極蛍光管)L0をそれぞれ個々のインバータIVに接続する際に、高圧側の配線長が長くなると浮遊容量による漏れ電流が大きくなるため、高容量のインバータが必要になり、あるいはこれら多数のインバータ及び配線スペースが必要になる。
【0068】
図14は、線状光源の冷陰極蛍光管とインバータとの接続を示す図である。
【0069】
バックライトユニットBUを構成するそれぞれの線状光源(冷陰極蛍光管)L0は、図12(b)に示すように、一方の電極をバックライトユニットBUの外周囲に、他方の電極を各バックライトB1〜B4の継ぎ目側に位置するように所定の間隔を空けて併設し、それぞれの線状光源(冷陰極蛍光管)L0に接続する各インバータIVは、その出力の高圧側をバックライトユニットBUの外周囲に位置する電極に、低圧側を継ぎ目側に、それぞれリード線a、bで接続する。また、リード線aは共通導体cを介して、各インバータIVの低圧側に接続する。共通導体cには、導電性シート材(図示省略)を用いるのが好ましい。共通導体に接続することにより、個々にリード線を配線する必要がなくなり、配線のコンパクト化が可能となる。
【0070】
図16は、各冷陰極蛍光管に接続する1個のインバータを示した回路図である。
【0071】
インバータIVは、例えばプッシュプル電圧共振回路で構成される。この電圧共振回路は、所定の巻線比を有する変圧器Tと、スイッチングトランジスタQ1、Q2と、線状光源(冷陰極蛍光管)L0に直列に挿入されたコンデンサC0とからなり、線状光源(冷陰極蛍光管)L0の両端に、高周波例えば30〜70kHZの正負対称な正弦波の高電圧、例えば放電電圧1000〜1500ボルトを出力するものである。線状光源(冷陰極蛍光管)L0の放電開始電圧は、通常、500〜1000ボルトである。なお、この電圧共振回路は周知であるので詳細な動作説明は省略する。
【0072】
複数本の線状光源(冷陰極蛍光管)L0とインバータIVとの接続を図14に示すようにすると、インバータIVの高圧側の配線長を、線状光源(冷陰極蛍光管)L0の高圧側がユニット内側に位置するときより短くでき、インバータ電力の省電力化ができる。
【0073】
すなわち、冷陰極蛍光管の高圧側がユニットの内側に位置すると、インバータへの配線aが長くなるので負荷が大きくなり、大容量のインバータが必要となる。また、高圧側をユニットの内側に位置させると、インバータへの配線aを短くするには、バックライトユニットの背面にインバータを配置することで可能となるが、この構造をとるとインバータを取り付けた表示パネルの厚みが増大することになる。しかし、このような課題は、上記の回路構成により、解消できる。
【0074】
図12は、パネルユニットとバックライトユニットとの関係を説明する説明図であって、図12(a)はパネルユニットの平面図、図12(b)はバックライトユニットの平面図である。なお、図12(a)、図12(b)では前面板、背面板が省略されており、また図12(b)は、光学シートも省略されている。
【0075】
パネルユニットPUは、4枚の液晶表示パネルP1〜P4がその外周部が近接するように配設されるので、図12(a)に示すように、各表示パネルP1〜P4の外周部同士が隣接する箇所に所定の幅長を持った十字状の非表示領域P0が有効表示領域中にできてしまう。この十字状の非表示領域P0は、垂直方向にY1、水平方向にX1の幅長からなり、各幅長Y1、X1は、隣接する2つの液晶表示パネルの接着シール材SLの幅長に相当する。したがって、この非表示領域X1、Y1は、図4に示すように、各非表示領域NEが合計された幅長となる。
【0076】
この合計した非表示領域の幅長2NEは、各接着シール材SLの幅長NEが外周部分の非表示領域NE’より狭く、且つ、各液晶表示パネルP1〜P4は、図4に示すように、繋ぎ合せた継ぎ目部分に従来技術(図18、図19参照)のように樹脂材が使用されていないので幅長は比較的狭くなっている。
【0077】
また、バックライトユニットBUは、図12(b)に示すように、各バックライトB1〜B4の外周部同士が隣接する箇所に所定の幅長を有する十字状の非発光領域B0が有効表示領域中にできてしまう。この十字状の非発光領域B0は、垂直方向にY2、水平方向にX2の幅長を有し、幅長Y2は、バックライトB1(B2)とバックライトB4(B3)の近接する側の最端に設けられた線状光源(冷陰極蛍光管)L0間の長さであり、幅長X2は、バックライトB1(B3)とバックライトB2(B4)の線状光源L0の近接する側のランプホルダLH間の長さである。
【0078】
これらの幅長X2、Y2は、線状光源L0の両端がランプホルダLHで支持され、併設された両端の線状光源はハウジングHから少し離れた位置で固定されているのでこれらの幅長は比較的幅広になっている。
【0079】
そこで、十字状の非表示領域P0とバックライトユニットBUの十字状の非発光領域B0とを比較すると、それぞれの幅長Y1、Y2及びX1、X2との関係は、Y1<Y2、X1<X2の関係となる。
【0080】
そして、十字状の非発光領域B0が大きくなると、十字状の非表示領域P0には光源が存在しないので、バックライトユニットBUでパネルユニットPUを照射したとき、各液晶表示パネルP1〜P4の継ぎ目部分の非表示領域POが暗くなり、表示画面に輝度のバラツキが発生し見難くなってしまう。
【0081】
このような不都合を解消するために、バックライトユニットBUの繋ぎ目に補助光源ユニットSBを配設する。
【0082】
図13は、補助光源を取り付けたバックライトユニットを示し、図13(a)は平面図、図13(b)は図13(a)のD−D断面図、図15は、補助光源の冷陰極蛍光管とインバータとの接続を示す図である。
【0083】
補助光源L1は、バックライトユニットBUの十字状の非発光領域B0幅に沿って配設する。補助光源L1には、直線状の冷陰極蛍光管を非発光領域の幅長に合せて1本ないし複数本用いる。
【0084】
各補助光源(冷陰極蛍光管)L1は、両端にランプホルダLHを固定し、各ランプホルダLHを利用して、バックライトユニットBUの非発光領域に取り付けられている。また、各補助光源(冷陰極蛍光管)L1は、図13(b)に示すように、樋状の拡散板32で覆うのが好ましい。これは光源を拡散板で覆うことにより、補助光源の形状を見え難くすると共に線状光源から発せられる光を拡散させて、液晶表示パネルの十字状の非表示領域P0を均一に照射することができるためである。
【0085】
更に、補助光源(冷陰極蛍光管)L1は、バックライトユニットBUの継ぎ目部分に直接取り付けてもよく、また、図13(b)に示すように、バックライトユニットBUの表面側に継ぎ目の非発光領域とほぼ等しい幅長の反射材からなる基材(以降、単に反射材という)33を設け、この反射材33の上に補助光源を配設した補助光源ユニットを設けるようにしてもよい。このようにすることにより補助光源の取り付けが容易になり、且つ反射板を利用して効率よくパネルユニットPUを照射できる。
【0086】
また、補助光源(冷陰極蛍光管)L1はインバータIVに接続されており、インバータIVは、その高圧側出力をバックライトユニットBUの外周囲側に位置する各補助光源(冷陰極蛍光管)L1の電極に接続するのが好ましい。
【0087】
すなわち、図15に示すように、各インバータIVの高出力側をバックライトユニットBUの外周囲に位置する各補助光源(冷陰極蛍光管)L1の電極に、低圧側を十字状に配設した中心部に集まった電極に接続する。この配線により、各インバータIVの高圧側から導出されるリード線aの長さが短くなり、かつ、インバータ電力の省電力化が可能になる。また、十字状の中心部のリード線bは、一括して接続するのが好ましい。
【0088】
なお、光源は、冷陰極蛍光管に限定されず、他の熱陰極蛍光管、その他の光源を使用してもよい。また、その形状は、長尺な陰極管、U字型、L字型等任意の形状のものを使用してもよい。
【0089】
また、補助光源は、バックライトユニットBUの継ぎ目部分に直接取り付けるのでなく、所定形状の基板に装着して、この基板をバックライトユニットに取り付けるようにしてもよい。
【0090】
液晶表示装置10に取り付けられる支持台40a、40bは、図1に示すように、所定の高さ及び底辺を有するほぼ台形状の支持基板43a、43bと、この支持基板43a、43bの一面から直角に起立し所定の長さを有する取付基板41a、42a(41b、42b)とからなり、数百キログラムとなる各ユニットPU、BUを支持できるように、板厚な板材で形成される。例えば、支持基板43a、43bは、その高さ及び底辺の長さが前面板11を起立させた高さのほぼ二分の一であり、板厚は20mmのアクリル材が好ましい。
【0091】
支持台40a、40bに、各ユニットPU、BUを取り付ける場合、図1に示すように、先ず台形状の各支持台40a、40bの一面から突出した取付基板41a、42a(41b、42b)の外側面を前面板11及び背面板20に当接させて、パネルユニットPUとバックライトユニットBUとを固定する。前面板11と背面板20の間隔は、例えば約100mm離して、各支持台で固定する。パネルユニットPUとバックライトユニットBUとを組み立てる際、各ユニット間の距離を取付基板41a、42a(41b、42b)の位置を変更することにより所定の長さに調整する。前記所定長さとは、補助光源が液晶表示パネルに接触ないし接近し過ぎると、補助光源の形状が前面板の表示画面から影となって見えてしまうことから、この影が見えない位置まで離した長さが好ましい。
【実施例2】
【0092】
図17は、本発明の第2の実施例に係る液晶表示装置を示し、図17(a)は正面図、図17(b)は図17(a)の矢印Bからみた側面図である。
【0093】
この液晶表示装置101は、上記液晶表示装置10と比べて、液晶表示パネル及びバックライトを前面板と背面板との間でなく、外に設けた構成が異なっている。すなわち、上記第1実施例の液晶表示装置10では、液晶表示パネル及びバックライトが対向する前面板と背面板の間に設けられているが、実施例2の液晶表示装置101は、これらを前面板と背面板の外側に設けたものである。そこで、両装置に共通する構成には、同一符号を付して、その説明を援用し、その部分の重複説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0094】
この液晶表示装置101は、パネルユニットPUが前面板11の表面11aに、またバックライトユニットBUが背面板20の裏面20bにそれぞれ装着した構成を有する。前面板11及び背面板20は、透明材料で形成される。
【0095】
前面板11への液晶表示パネルP1〜P4の取り付け、及び背面板20へのバックライトB1〜B4への取り付け方法は、第1実施例に採用されている方法、あるいは公知の取り付け手段を採用する。
【0096】
また、前面板11の裏面11bには、光拡散部材DPを設ける。更に、背面板の表面20aには、補助光源SBを設ける。すなわち、背面板20の裏面20bに4個のバックライトB1〜B4を装着すると、背面板20の裏面20b側において各バックライトB1〜B4の繋ぎ目に非発光領域が形成される。この非発光領域は、背面板20の表面20a側でも、各バックライトで照射される領域に比べると照度が落ちているので、背面板の表面20a側から、この非発光領域内に沿って補助光源を配設する。各バックライト配列・固定及び補助光源の取り付けは、第1実施例と同じである。
【0097】
この構成によると、前面板11と背面板20との間に、液晶表示パネルP1〜P4及びバックライトB1〜B4が配設されないので、両パネル間の放熱設計が容易になる。すなわち、背面板を通してバックライトからの熱が背面板の表面20a側へ伝わっても、前面板の表面に装着されている液晶表示パネルへ伝導することが殆どなくなる。また、両パネルの間隔は、放熱対策を主にして決める必要がなく、表示品質、例えば表示画面に背面板の影等が映らないようにすることを主にして間隔の調整が可能になる。更に、両パネル間を広くできるので、この間に光拡散部材あるいは補助光源等の配設が容易になる。
【0098】
実施例2の液晶表示装置101では、液晶表示パネルP1〜P4及びバックライトB1〜B4を対向する前面板11と背面板20の間に設けたが、前面板11の表面11aに液晶表示パネルP1〜P4を装着し、バックライトB1〜B4を背面板20の表面20aに装着してもよく、あるいは、前面板11の裏面11bに液晶表示パネルP1〜P4を装着し、バックライトB1〜B4を背面板の裏面20bに装着してもよい。
【0099】
これらの構成にすることにより、上記液晶表示装置101とほぼ同じ作用効果を奏することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の実施例1に係る液晶表示装置を示し、図1(a)は正面図、図1(b)は図1(a)の矢印Aからみた側面図
【図2】パネルユニットを示し、図2(a)はパネルユニットの外観斜視図、図2(b)はパネルユニットを構成する1枚の液晶表示パネルの平面図、図2(c)は図2(b)のw−w断面図
【図3】図2(a)のパネルユニットの分解斜視図
【図4】図2(a)のA−A断面図
【図5】変形例のパネルユニットを示し、図5(a)は外観斜視図、図5(b)はパネルユニットを構成する1枚の液晶表示パネルの平面図、図5(c)は図5(b)のx−x断面図
【図6】図5(a)のパネルユニットの分解斜視図
【図7】図5(a)のB−B断面図
【図8】他の変形例のパネルユニットを示し、図8(a)は外観斜視図、図8(b)はパネルユニットを構成する1枚の液晶表示パネルの平面図、図8(c)は図8(b)のy−y断面図
【図9】図8(a)のパネルユニットの分解斜視図
【図10】図8(a)のC−C断面図
【図11】バックライトユニットを示し、図11(a)はバックライトユニットの平面図、図11(b)は図11(a)のバックライトユニットを構成する1個のバックライトを示す斜視図、図11(c)は図11(b)のz−z断面図
【図12】パネルユニットとバックライトユニットとの関係を説明する説明図であって、図12(a)はパネルユニットの平面図、図12(b)はバックライトユニットの平面図、
【図13】補助光源を取り付けたバックライトユニットを示し、図13(a)は平面図、図13(b)は図13(a)のD−D断面図
【図14】線状光源の冷陰極蛍光管とインバータとの接続を示す配線図
【図15】補助光源の冷陰極蛍光管とインバータとの接続を示す配線図
【図16】各冷陰極蛍光管に接続する1個のインバータを示した回路図
【図17】本発明の実施例2に係る液晶表示装置を示し、図17(a)は正面図、図17(b)は図17(a)の矢印Bからみた側面図
【図18】特許文献1に記載された液晶表示装置を示し、図18(a)は正面図、図18(b)は図18(a)のA−A断面図
【図19】特許文献2に記載された液晶表示装置を示し、図19(a)は平面図、図19(b)は図19(a)のK−K’断面図
【符号の説明】
【0101】
10、101 液晶表示装置
P1〜P4 液晶表示パネル
PU パネルユニット
11 前面板
B1〜B4 バックライト
BU バックライトユニット
SB 補助光源
20 背面板
40a、40b 支持台
41a〜42b 取付基板
CF 前面ガラス基板
AR 背面ガラス基板
LC 液晶
F1、F2 偏光板
NE 非表示領域
SL 接着シール材
Pn 表示領域
L0 線状光源(冷陰極蛍光管)
LH ランプホルダ
IV インバータ
a、b リード線
SBU 補助光源ユニット
L1 補助光源(冷陰極蛍光管)
30 基板
32 拡散板
DP 光拡散部材
DS 拡散シート
LF レンズフィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の液晶表示パネルを繋ぎ合わせて1枚の透明材料からなる前面板に装着したパネルユニットと、前記各液晶表示パネルに対応した同数のバックライトを繋ぎ合わせて1枚の背面板に装着したバックライトユニットとを備え、前記各バックライトは、光源に複数本の冷陰極蛍光管を用い、前記各冷陰極蛍光管の一方の電極を前記バックライトユニットの外周囲に、他方の電極を前記各バックライトの継ぎ目側に位置するように所定の間隔を空けて併設し、前記各冷陰極蛍光管を点灯させるインバータ出力のうち、高圧側を前記一方の電極に、低圧側を前記他方の電極にそれぞれ接続して、前記各ユニットを離して対向配設したことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記各液晶表示パネルは、前記前面板の表面に装着され、前記各バックライトは、透明材料からなる前記背面板の裏面に装着されていることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記継ぎ目側に配設した前記各冷陰極蛍光管の他方の電極は、共通の導電部材に接続したことを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記バックライトユニットは、前記バックライトの継ぎ目に沿って補助光源を配設したことを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記補助光源に、冷陰極蛍光管を用い、前記冷陰極蛍光管の一方の電極を前記バックライトユニットの外周囲に、他方の電極を前記継ぎ目部分に位置させて配設し、前記各冷陰極蛍光管を点灯させるインバータ出力のうち、高圧側を前記一方の電極に、低圧側を前記他方の電極にそれぞれ接続したことを特徴とする請求項4記載液晶表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2006−47798(P2006−47798A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−230182(P2004−230182)
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】