液晶表示装置
【課題】 光の利用効率を向上させつつ、偏光サングラスをかけた利用者が表示画像を容易に認識することのできる液晶表示装置を提供する。
【解決手段】 光源10に近い側から順に、拡散板11と、プリズムシート12と、位相差板13と、選択反射偏光板14と、第1パネル側偏光板15と、液晶パネル16と、第2パネル側偏光板17とを備えている。プリズムの稜線と、選択反射偏光板14および第1パネル側偏光板15の透過軸とは、水平方向に設けられている。プリズムシート12を透過した光は、位相差板13に入射すると、その偏光が回転する。第2パネル側偏光板17の透過軸を垂直方向としたまま、選択反射偏光板14における透過率を向上させることができる。
【解決手段】 光源10に近い側から順に、拡散板11と、プリズムシート12と、位相差板13と、選択反射偏光板14と、第1パネル側偏光板15と、液晶パネル16と、第2パネル側偏光板17とを備えている。プリズムの稜線と、選択反射偏光板14および第1パネル側偏光板15の透過軸とは、水平方向に設けられている。プリズムシート12を透過した光は、位相差板13に入射すると、その偏光が回転する。第2パネル側偏光板17の透過軸を垂直方向としたまま、選択反射偏光板14における透過率を向上させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の方向に振動する偏光を利用して表示を行う液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶テレビ等の液晶表示装置において、高画質化への要求が高まっている。一般的に利用されている液晶表示装置は、図10に示したように、光源100と、拡散板101と、プリズムシート102と、選択反射偏光板103と、液晶パネル105に入射する光の偏光成分を特定する偏光板104と、画像データに基づいて表示を行う液晶パネル105と、液晶パネル105から出射する光の偏光成分を特定する偏光板106とを、この順に積層した構造となっている。このような構成において、利用者からみて、最も奥に配置されるものが光源100であり、最も手前(利用者側)に配置されるものが、偏光板106である。
【0003】
光源100としては、蛍光管等の線状光源を一定間隔で配置したものが主流となっており、このような光源100から射出する光を分散して輝度分布の均一化が図るために拡散板101が設けられている。
【0004】
プリズムシート102は、一般的に、三角柱状のプリズムが連続的に配置されたものである。プリズムシート102に入射する光は、このプリズムの斜面で屈折透過あるいは反射されることにより、プリズムの稜線に直交する方向に入射する光のみが正面方向に集光される。なお、通常、プリズムの稜線は水平方向(液晶パネルの表示面に対して左右方向)となっている。これは、テレビ等の場合、垂直方向(液晶パネルの表示面に対して上下方向)から視聴する可能性が低いのに対し、水平方向からの視聴はごく一般的であるためである。
【0005】
選択反射偏光板103は、特定の偏光成分のみを透過させ、これに直交する偏光成分を反射させて再利用することにより光の利用効率の向上を図るものである。これにより、およそ20〜30%の輝度改善効果を図ることができる。このような選択反射偏光板103の透過軸は、水平方向に設けられている。
【0006】
液晶パネル105としては、VA(Vertical Alignment)モードやIPS(In Plane Switching)モード等がTV用途では主流となっている。この場合、液晶パネル105を介して対向配置される偏光板104と偏光板106とは、互いにその透過軸が直交するように設けられ、偏光板104の透過軸は水平方向、偏光板106の透過軸方向は垂直方向(液晶パネルの表示面に対して上下方向)となっている。
【0007】
図11は、図10に示したII−II線の方向からみた、上述のプリズムシート102および選択反射偏光板103における光の透過・反射の状況を、偏光を考慮して図示したものである。光源100から拡散板101を介して、プリズムシート102に入射する光は無偏光であるため、プリズムの稜線に平行な方向に振動する光(S偏光とする)と、これに直交する方向に振動する光(P偏光とする)とをほぼ均等に含んでいる。ところが、プリズムシート102に入射し、プリズムの斜面にぶつかった光は、プリズムシートの上方に透過する光と、下方に反射される光に分離する。このとき、図6に示したように、S偏光は反射しやすく、P偏光は透過しやすいという性質があるため、結果的にプリズムシート102を透過した光は、S偏光よりもP偏光を多く含むこととなる。なお、液晶パネルの表示面に対して、S偏光は水平方向の偏光であり、P偏光は垂直方向の偏光である。
【0008】
一方、選択反射偏光板103の透過軸は、上述のように、水平方向となっているため、プリズムの稜線に平行な方向となる。このため、選択反射偏光板103では、S偏光が透過され、P偏光は反射される。従って、プリズムシート102を透過して選択反射偏光板103に入射した偏光が、選択反射偏光板103をほとんど透過することができず、光利用効率の向上を阻害する要因となっていた。
【0009】
そこで、図12に示したように、選択反射偏光板203の透過軸をプリズムの稜線と直交する方向(垂直方向)に設けることにより、P偏光透過率を向上させて、光利用効率を上げることが考えられる。発明者らの実験によれば、これにより、5〜8%の改善効果が得られることがわかっている。また、選択反射偏光板203の透過軸と偏光板204の透過軸とは一致するように設けられることから、偏光板204の透過軸は垂直方向となり、偏光板206の透過軸は水平方向となる。
【0010】
しかしながら、偏光板206の透過軸が水平方向となると、水平方向の偏光を吸収する偏光サングラスをかけた利用者が画像を認識しづらくなってしまうという問題があった。
【特許文献1】特開2000−19325号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、光の利用効率を向上させつつ、偏光サングラスをかけた利用者が表示画像を容易に認識することができる液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る第1の液晶表示装置は、光源に近い側から順に、稜線が水平方向となるように平面に沿って配置された複数のプリズムを有し、光源から入射した光を集光して透過させるプリズム層と、プリズム層を透過した光を、その偏光状態を変化させて透過させる位相差板と、位相差板を透過した光のうち、水平方向に振動する第1偏光を透過させる第1パネル側偏光板と、第1パネル側偏光板を透過した第1偏光を、画像データに基づいて変調する液晶パネルと、液晶パネルによって変調された光を、垂直方向に振動する第2偏光として透過させる第2パネル側偏光板とを備えたものである。
【0013】
本発明に係る第2の液晶表示装置は、光源に近い側から順に、稜線が水平方向となるように平面に沿って配置された複数のプリズムを有し、光源から入射した光を集光して透過させるプリズム層と、プリズム層を透過した光のうち、垂直方向に振動する第2偏光を透過させる第1パネル側偏光板と、第1パネル側偏光板を透過した第2偏光を、画像データに基づいて変調する液晶パネルと、液晶パネルによって変調された光を、水平方向に振動する第1偏光として透過させる第2パネル側偏光板と、第2パネル側偏光板を透過した第1偏光の偏光状態を変化させて透過させる位相差板とを備えたものである。
【0014】
ただし、「水平方向」とは、表示画面を正面から観た場合の左右方向を示し、「垂直方向」とは、表示画面を正面から観た場合の上下方向を示すものとする。また、「第1偏光」がP偏光である場合には、「第2偏光」とはS偏光を意味し、逆に「第1偏光」がS偏光である場合には、「第2偏光」とはP偏光を意味するものとする。また、プリズム層における「平面」とは、光軸に対して直交する面であるものとする。
【0015】
本発明に係る第1の液晶表示装置では、プリズム層と第1パネル側偏光板との間に、偏光状態を変化させる位相差板が設けられていることにより、第1パネル側偏光板に入射する光の第1偏光の割合が増加する。これにより、第2パネル側偏光板の透過軸を垂直方向としたまま、第1パネル側偏光板における透過率を向上させることができる。
【0016】
本発明に係る第2の液晶表示装置では、光源の一面側に、プリズムの稜線が水平方向に設けられたプリズム層と、垂直方向に振動する第2偏光を透過させる第1パネル側偏光板と、水平方向に振動する第1偏光を透過させる第2パネル側偏光板と、この第1偏光の偏光状態を変化させる位相差板とを備えることにより、プリズム層を透過した光が、第1パネル側偏光板において透過されやすくなる。一方、第2パネル側偏光板を透過した第1偏光は、位相差板により、その偏光状態が変化する。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る第1の液晶表示装置によれば、光源に近い側から順に、稜線が水平方向となるように平面に沿って配置された複数のプリズムを有し、光源から入射した光を集光して透過させるプリズム層と、プリズム層を透過した光を、その偏光状態を変化させて透過させる位相差板と、位相差板を透過した光のうち、水平方向に振動する第1偏光を透過させる第1パネル側偏光板と、第1パネル側偏光板を透過した第1偏光を、画像データに基づいて変調する液晶パネルと、液晶パネルによって変調された光を、垂直方向に振動する第2偏光として透過させる第2パネル側偏光板とを備えるようにしたので、光利用効率を向上させつつ、偏光サングラスをかけた利用者が表示画像を容易に認識することが可能となる。
【0018】
本発明に係る第2の液晶表示装置によれば、光源に近い側から順に、稜線が水平方向となるように平面に沿って配置された複数のプリズムを有し、光源から入射した光を集光して透過させるプリズム層と、プリズム層を透過した光のうち、垂直方向に振動する第2偏光を透過させる第1パネル側偏光板と、第1パネル側偏光板を透過した第2偏光を、画像データに基づいて変調する液晶パネルと、液晶パネルによって変調された光を、水平方向に振動する第1偏光として透過させる第2パネル側偏光板と、第2パネル側偏光板を透過した第1偏光の偏光状態を変化させて透過させる位相差板とを備えるようにしたので、光利用効率を向上させつつ、偏光サングラスをかけた利用者が表示画像を容易に認識することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示装置の積層構造を模式的に表すものである。この液晶表示装置1は、光源10の一面側に、拡散板11と、プリズムシート12と、位相差板13と、選択反射偏光板14と、第1パネル側偏光板15と、液晶パネル16と、第2パネル側偏光板17とを、この順に備えている。利用者からみて、最も奥側に光源10が配置され、最も手前に、第2パネル側偏光板17が配置されている。なお、図1において、各構成要素の面内に描かれた線は、それぞれの光学軸を表している。例えば、プリズムシート12ではプリズムの稜線、位相差板13では遅相軸、選択反射偏光板14、第1パネル側偏光板15および第2パネル側偏光板17では透過軸を表している。
【0021】
光源10は、例えば、直下型のバックライトとして機能し、液晶パネル15の表示面とは反対側に光を照射するものである。この光源10では、例えば、複数の線状光源が一定の間隔で配置されることにより、全体として面発光が行われる。線状光源としては、例えば、冷陰極管(CCFL;Cold Cathode Fluorescent Lamp)等の蛍光管が用いられる。なお、線状光源に限らず、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の点光源であってもよい。また、有機EL(EL;Electro Luminescence)素子等の平面型の光源を用いるようにしてもよい。
【0022】
拡散板11は、光源10から出射した光を拡散し、輝度分布を均一化する機能を有するものである。通常、光源10における線状光源は、輝度やコスト等の観点から、20mm程度の間隔で配置されることが多く、この場合、光源10の直上では輝度分布に大きなむらが生じてしまうためである。この拡散板11は、例えば、屈折率の異なる高分子材料や樹脂材料等を組み合わせて構成されている。なお、拡散板11の厚みは、必要とされる拡散性や構成材料によって決定され、板状のものに限らず、フィルム状やシート状のものも含まれる。また、光源10として、有機EL素子等の平面型の光源を用いた場合には、輝度分布にむらが生じることがないため、拡散板11は設けられていなくともよい。
【0023】
プリズムシート12は、拡散板11によって拡散された光を、正面方向(シート面に垂直な方向)に集光して透過させる機能を有するものである。このプリズムシート12は、その表面に、例えば三角柱等の柱状突起(プリズム)を複数有している。これらのプリズムは、その稜線が互いに平行となるように連続的に設けられている。特に、プリズムの稜線方向は、液晶パネルの表示面に対して左右方向(水平方向)となっている。これにより、この稜線に直交する方向(垂直方向)における光は正面方向に集光される一方で、水平方向における光は拡散する。従って、水平方向の視野角を確保しつつ、正面輝度を向上させることができる。なお、プリズムの形状は三角柱状に限らず、その他の多角柱状、円柱状であってもよく、また非球面等の処理が施されていてもよい。
【0024】
ここで、図2に、プリズムシート12の断面拡大図を示す。プリズム12aの斜面S1,S2がつくる頂角α(°)は、好ましくは、90°<α≦120°の範囲を満たし、より好ましくは、100°である。このような構成において、プリズム12aの斜面(例えば、S1)に入射する入射光L0は、透過光L1と反射光L2に分離される。
【0025】
位相差板13は、その光学軸(遅相軸)が、プリズムの稜線方向と所定の角度をなすように配置され、透過する偏光を回転させる機能を有するものである。位相差板13としては、例えば、1/2波長板、1/4波長板等が用いられ、好ましくは、1/2波長板が用いられる。また、1/2波長板を用いた場合、その光学軸が、プリズムの稜線方向に対して45°の角度を有するように配置されていることが好ましい。
【0026】
選択反射偏光板14は、特定の方向に振動する偏光を透過させると共に、これに直交する方向に振動する偏光を反射させる機能を有しており、光の利用効率を高めるために設けられるものである。反射した偏光は、光源10側へ戻り、図示しない反射板等により反射されて再利用される。この選択反射偏光板14は、その透過軸が水平方向となるように配置されている。
【0027】
第1パネル側偏光板15は、特定の方向に振動する偏光を透過させる機能を有しており、その透過軸が、選択反射偏光板14の透過軸と一致するように、すなわち、水平方向となるように配置されている。
【0028】
液晶パネル16は、画像データに基づいて、光を変調させて表示を行う表示素子である。この液晶パネル16は、例えば、図示しない画素電極やTFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)スイッチング素子等が設けられたTFT基板と、対向電極やカラーフィルタ等が設けられたカラーフィルタ基板と、これらTFT基板とカラーフィルタ基板との間に含浸された液晶層とを有している。
【0029】
第2パネル側偏光板17は、特定の方向に振動する偏光を透過させる機能を有しており、その透過軸が、第1パネル側偏光板15の透過軸と直交するように配置されている。すなわち、第2パネル側偏光板17の透過軸は、垂直方向となっている。この第2パネル側偏光板17を透過して出射された光が、利用者によって観測される。
【0030】
次に、このような構成の液晶表示装置1の作用、効果について、図3を参照して詳細に説明する。なお、図3は、図1のII−II線の方向からみた、プリズムシート12、位相差板13および選択反射偏光板14における光の透過、反射の状況を偏光を考慮して図示したものである。また、S偏光およびP偏光を、それぞれ矢印で模式的に表し、各偏光の度合いを、その矢印の長さで表している。
【0031】
液晶表示装置1では、光源10から拡散板11に入射した光は、拡散板11を透過する際に拡散され、輝度分布が均一化される。この拡散された光(L0)は、無偏光であり、S偏光とP偏光とを均等に含んでいる。この光L0がプリズムシート12のプリズムの斜面に入射すると、この斜面を透過する光L1と反射する光L2とに分離される。このとき、透過した光L1は、S偏光に比べてP偏光を多く含んでいる。一方、反射された光L2は、P偏光よりもS偏光を多く含み、光源10側へ戻り再利用される。
【0032】
プリズムシート12を透過した光L1は、位相差板13に入射すると、位相差が付与されて、その偏光軸が回転する。これにより、位相差板13を透過する光L3のS偏光の割合が増加する。
【0033】
位相差板13を透過した光L3は、選択反射偏光板14に入射すると、選択反射偏光板14の透過軸に平行な方向に振動する偏光が透過され、これに直交する方向に振動する偏光が反射される。このとき、選択反射偏光板14の透過軸が、水平方向、すなわちプリズムの稜線に平行な方向となるように配置されているので、S偏光が透過され、P偏光が反射される。
【0034】
ここで、図10に示したような従来の構成では、プリズムシート102を透過した光は、その偏光状態のまま、選択反射偏光板103に入射する。このため、選択反射偏光板103へ入射する光は、S偏光に比べてP偏光が多い状態となっていた。従って、透過する光量よりも反射する光量の方が多く、光利用効率が不十分であった。これに対し、本実施の形態では、選択反射偏光板14に入射する光L3は、上述したように、S偏光の割合が増加しているので、選択反射偏光板14を透過する光(L4)の量を従来よりも増大させることができる。
【0035】
選択反射偏光板14を透過した光L4は、第1パネル側偏光板15に入射すると、第1パネル側偏光板15の透過軸が、選択反射偏光板14の透過軸と一致しているため、反射されることなく透過される。第1パネル側偏光板15を透過した光は、液晶パネル16に入射し、液晶パネル16によって変調される。
【0036】
液晶パネル16によって変調された光は、第2パネル側偏光板17より出射する。このとき、第2パネル側偏光板17の透過軸が、第1パネル側偏光板15の透過軸と直交しているため、第2パネル側偏光板17より出射する光は、P偏光、すなわち垂直方向に振動する偏光となっている。従って、水平方向に振動する偏光を吸収する偏光サングラスによって、光が吸収されにくくなる。
【0037】
以上のように、本実施の形態では、プリズムシート12と選択反射偏光板14との間に、偏光を回転させる位相差板13を設けるようにしたので、光の利用効率を高めると共に、水平方向の偏光を吸収する偏光サングラスをかけた利用者であっても、表示画像を認識し易くなる。
【0038】
また、位相差板13として1/2波長板を用い、その光学軸が、プリズムの稜線と45°の角度をなすように配置すれば、位相差板13を透過する際、偏光が90°回転する。これにより、P偏光はS偏光となり、S偏光はP偏光となるため、位相差板13を透過する光L3は、P偏光よりもS偏光を多く含むこととなる。従って、より透過率が増加し、光利用効率を従来に比べて5〜8%程度向上させることができる。
【0039】
さらに、プリズム12aの頂角αが、90°<α≦120°を満たすようにすれば、正面方向の輝度をより向上させることができる。以下、この理由について、図2および図7を参照して説明する。
【0040】
通常、プリズム12aの頂角αは、光再利用の観点から90°に設定されている。この場合、シート面に対して垂直に入射する光L0は、プリズムの斜面S1に対して、入射角θ=45°で入射することになる。ここで、図7に、プリズムの材料として一般的に用いられる屈折率1.52の媒質から、空気等の屈折率1.0の媒質へ入射する光の入射角θ(°)に対する反射率(%)の関係を示す。これによれば、プリズムの斜面S1への入射角θが45°の場合、P偏光、S偏光共にほぼ全反射となることがわかる。また、P偏光の反射率が0となる入射角、すなわちブリュースター角(33.34°)の近傍において、S偏光に対してP偏光が透過する割合が大きくなることがわかる。なお、入射角θとは、入射光と、それぞれの媒質の界面(プリズムの斜面)に下ろした垂線とのなす角度とする。
【0041】
図7の関係より、プリズム12aの斜面S1に入射する光L0の入射角θが、ブリュースター角の近傍、例えば、30°≦θ<45°であることにより、入射角θが45°である場合に比べて、偏光度が高くなり、その結果、輝度が向上する。これより、プリズムシート12のプリズムの頂角αは、90°<α≦120°となるように設定されていることが好ましいことがわかる。
【0042】
また特に、プリズム12aの頂角αが100°であることにより、表示面に対して垂直となる方向(真正面)において、偏光度を高めることができるため、正面方向の輝度をより効果的に向上させることができる。
【0043】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0044】
上記第1の実施の形態においては、プリズムシートと選択反射偏光板との間に、位相差板を配置する場合について説明したが、本実施の形態では、最も利用者側に、位相差板を配置する液晶表示装置について説明する。なお、説明の簡潔化を図るため、以下、第1の実施の形態と同様の部位については、同じ符号を付して、適宜説明を省略する。
【0045】
図4は、本実施の形態に係る液晶表示装置2の積層構造を模式的に表すものである。この液晶表示装置2は、光源10の一面側に、拡散板11と、プリズムシート12と、選択反射偏光板20と、第1パネル側偏光板21と、液晶パネル16と、第2パネル側偏光板22と、位相差板23とを、この順に備えている。利用者からみて、最も奥側に光源10が配置され、最も手前に、位相差板23が配置されている。
【0046】
選択反射偏光板20は、特定の方向に振動する偏光を透過させると共に、これに直交する方向に振動する偏光を反射させる機能を有しており、光の利用効率を高めるために設けられるものである。この選択反射偏光板20は、その透過軸がプリズムシート12のプリズムの稜線と直交する方向(垂直方向)となるように配置されている。
【0047】
第1パネル側偏光板21は、特定の方向に振動する偏光を透過させる機能を有しており、その透過軸が、選択反射偏光板20の透過軸と一致するように、すなわち、垂直方向となるように配置されている。
【0048】
第2パネル側偏光板22は、特定の方向に振動する偏光を透過させる機能を有しており、その透過軸が、第1パネル側偏光板21の透過軸と直交するように、すなわち、水平方向となるように配置されている。
【0049】
位相差板23は、その光学軸(遅相軸)が、第2パネル側偏光板22の透過軸と所定の角度をなすように配置され、透過する偏光を回転させる機能を有するものである。位相差板23としては、例えば、1/2波長板、1/4波長板、1/8波長板等が用いられ、好ましくは、1/4波長板が用いられる。また、1/4波長板を用いた場合、その光学軸が、プリズムの稜線方向に対して45°の角度を有するように配置されていることが好ましい。この位相差板23から出射された光が、利用者によって観測される。次に、図5を参照して、液晶表示装置2の作用、効果について説明する。
【0050】
液晶表示装置2では、プリズムシート12を透過した光L1が、選択反射偏光板20に入射すると、選択反射偏光板20の透過軸に平行な方向に振動する偏光が透過され、これに直交する方向に振動する偏光が反射される。このとき、選択反射偏光板20の透過軸が、垂直方向、すなわちプリズムの稜線に直交する方向となるように配置されているので、P偏光が透過され、S偏光が反射される。ここで、プリズムシート12を透過した光L1は、上述のように、S偏光よりもP偏光を多く含んでいるので、透過する光の量が、反射する光の量よりも多くなる。
【0051】
選択反射偏光板20を透過した光L5は、第1パネル側偏光板21に入射したのち、液晶パネル16によって変調され、第2パネル側偏光板22を透過する。第2パネル側偏光板22を透過した光L6は、第1パネル側偏光板21を透過する偏光と直交する偏光となっているため、S偏光、すなわち水平方向に振動する光となっている。
【0052】
第2パネル側偏光板22を透過した光L6は、位相差板23に入射すると、位相差が付与され、偏光が回転する。これにより、位相差板23を透過した光L7は、水平方向に振動する偏光を吸収する偏光サングラスによって、光が吸収されにくくなる。
【0053】
以上のように、本実施の形態では、選択反射偏光板20を、その透過軸がプリズムの稜線と直交する方向となるように配置し、最も利用者側に、位相差板23を配置することにより、光の利用効率を高めると共に、水平方向の偏光を吸収する偏光サングラスをかけた利用者であっても、表示画像を認識し易くなる。
【0054】
また、位相差板23として1/2波長板を用い、その光学軸が、プリズムの稜線と45°の角度をなすように配置すれば、位相差板23を透過する偏光は90°回転する。これにより、第2パネル側偏光板22を透過したS偏光は、P偏光となる。従って、最終的な表示光は、垂直偏光のみを有することとなるため、偏光サングラスをかけた利用者が、正面から表示画面を観た場合、より明るい画像として認識することができる。
【0055】
あるいは、位相差板23として1/4波長板を用い、その光学軸が、プリズムの稜線と45°の角度をなすように配置すれば、位相差板23を透過する偏光は45°回転する。これにより、第2パネル側偏光板22を透過したS偏光は、円偏光となる。従って、例えば、偏光サングラスをかけた利用者が、表示画面のいずれの角度から観測した場合であっても、表示画像を認識することができる。
【実施例】
【0056】
次に、本発明の実施例について説明する。
【0057】
図1に示した液晶表示装置1を作製し、表示画像の評価を行った。この際、プリズムシート12としては、住友3M製のものを用い、位相差板13としては、1/4波長板を用いた。なお、用いたプリズムシート12のプリズムの頂角αは、90°に設定されている。作製した液晶表示装置1において、表示画面を正面方向および右斜め下方から撮影した。結果を図7(A)(正面方向)および図7(B)(右斜め下方)に示す。
【0058】
図7(A)および図7(B)の結果より、正面方向よりも、右斜め下方から観た画像の方が、輝度が向上していることがわかる。以下、この理由について説明する。
【0059】
まず、図6に示した関係を考慮して、プリズムシート12を透過した光について、プリズムの稜線に直交する角度方向(垂直方向)における偏光度のシミュレーションを行った。結果を図8に示す。なお、図8において、極角(°)とは、シート面に垂直な方向(正面方向)を0°として、垂直方向に傾斜した角度(±0°〜60°)とする。また、偏光度とは、(1−クロスニコルの透過率/パラニコルの透過率)で表されるものである。なお、(クロスニコルの透過率/パラニコルの透過率)は、最大コントラスト(偏光を乱す要因が皆無の場合の理想値)の逆数であり、クロスニコルは偏光板の偏光方向を直交させて重ねる場合、パラニコルは偏光板の偏光方向を平行にして重ねる場合を示す。
【0060】
図8に示したように、正面方向(極角0°付近)における偏光度は低く、正面方向から±5度程度傾いたところでピークとなり、更に傾くにつれて低下する傾向となった。本発明の液晶表示装置1は、偏光効果を利用して表示を行うものであるため、この偏光度が高い程、集光性が高まり、高輝度が実現される。このため、プリズムの頂角が90°である場合、厳密には、真正面方向よりも、垂直方向に少し傾いた角度方向において、輝度が高くなる。従って、図7(A)および図7(B)に示したように、正面方向よりも、斜め下方向において、輝度が高くなったものと考えられる。
【0061】
ところで、プリズムシート12を設けることの本来の目的は、垂直方向に拡散する光を集光し、正面方向の輝度を向上させることにある。従って、正面方向における偏光度を高める、すなわち正面方向に偏光度のピークがくるように、頂角αを設定することが、より好ましい。
【0062】
図9に、プリズムの頂角αを100°とした場合の極角(°)に対する偏光度の関係をシミュレーションした結果を、頂角αを90°とした場合と共に示す。頂角αを100°とした場合、頂角αを90°とした場合に比べて、偏光度のピーク値は若干低下するものの、偏光度がピークとなる位置が正面方向(極角0°)に移動していることがわかる。この結果から、プリズムの頂角を100°とすることにより、真正面方向における輝度が向上する。従って、プリズムの頂角αを100°とすることにより、より効果的に正面方向の輝度を向上させることができる。
【0063】
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、上記実施の形態等に限定されず、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態等では、液晶表示装置の構成を具体的に挙げて説明したが、必要に応じて、拡散性を有する層や反射機能を有する層等、他の層を備えていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示装置の積層構造を表す模式図である。
【図2】図1に示したプリズムシートの断面拡大図である。
【図3】図1に示した液晶表示装置において、透過光の偏光状態を説明するための模式図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る液晶表示装置の積層構造を表す模式図である。
【図5】図2に示した液晶表示装置において、透過光の偏光状態を説明するための模式図である。
【図6】入射角θ(°)に対する反射率(%)の関係を示した特性図である。
【図7】本実施例に係る表示画面の撮影写真であり、(A)は正面方向、(B)は斜め下方向から撮影した写真である。
【図8】垂直方向における傾き(極角)に対する偏光度の関係を示す特性図である。
【図9】垂直方向における傾き(極角)に対する偏光度の関係を示す特性図である。
【図10】従来の液晶表示装置の積層構造を表す模式図である。
【図11】図10に示した液晶表示装置において、透過光の偏光状態を説明するための模式図である。
【図12】従来の他の液晶表示装置の積層構造を表す模式図である。
【符号の説明】
【0065】
1,2…液晶表示装置、10…光源、11…拡散板、12…プリズムシート、13,23…位相差板、14,20…選択反射偏光板、15,21…第1パネル側偏光板、16…液晶パネル、17,22…第2パネル側偏光板。
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の方向に振動する偏光を利用して表示を行う液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶テレビ等の液晶表示装置において、高画質化への要求が高まっている。一般的に利用されている液晶表示装置は、図10に示したように、光源100と、拡散板101と、プリズムシート102と、選択反射偏光板103と、液晶パネル105に入射する光の偏光成分を特定する偏光板104と、画像データに基づいて表示を行う液晶パネル105と、液晶パネル105から出射する光の偏光成分を特定する偏光板106とを、この順に積層した構造となっている。このような構成において、利用者からみて、最も奥に配置されるものが光源100であり、最も手前(利用者側)に配置されるものが、偏光板106である。
【0003】
光源100としては、蛍光管等の線状光源を一定間隔で配置したものが主流となっており、このような光源100から射出する光を分散して輝度分布の均一化が図るために拡散板101が設けられている。
【0004】
プリズムシート102は、一般的に、三角柱状のプリズムが連続的に配置されたものである。プリズムシート102に入射する光は、このプリズムの斜面で屈折透過あるいは反射されることにより、プリズムの稜線に直交する方向に入射する光のみが正面方向に集光される。なお、通常、プリズムの稜線は水平方向(液晶パネルの表示面に対して左右方向)となっている。これは、テレビ等の場合、垂直方向(液晶パネルの表示面に対して上下方向)から視聴する可能性が低いのに対し、水平方向からの視聴はごく一般的であるためである。
【0005】
選択反射偏光板103は、特定の偏光成分のみを透過させ、これに直交する偏光成分を反射させて再利用することにより光の利用効率の向上を図るものである。これにより、およそ20〜30%の輝度改善効果を図ることができる。このような選択反射偏光板103の透過軸は、水平方向に設けられている。
【0006】
液晶パネル105としては、VA(Vertical Alignment)モードやIPS(In Plane Switching)モード等がTV用途では主流となっている。この場合、液晶パネル105を介して対向配置される偏光板104と偏光板106とは、互いにその透過軸が直交するように設けられ、偏光板104の透過軸は水平方向、偏光板106の透過軸方向は垂直方向(液晶パネルの表示面に対して上下方向)となっている。
【0007】
図11は、図10に示したII−II線の方向からみた、上述のプリズムシート102および選択反射偏光板103における光の透過・反射の状況を、偏光を考慮して図示したものである。光源100から拡散板101を介して、プリズムシート102に入射する光は無偏光であるため、プリズムの稜線に平行な方向に振動する光(S偏光とする)と、これに直交する方向に振動する光(P偏光とする)とをほぼ均等に含んでいる。ところが、プリズムシート102に入射し、プリズムの斜面にぶつかった光は、プリズムシートの上方に透過する光と、下方に反射される光に分離する。このとき、図6に示したように、S偏光は反射しやすく、P偏光は透過しやすいという性質があるため、結果的にプリズムシート102を透過した光は、S偏光よりもP偏光を多く含むこととなる。なお、液晶パネルの表示面に対して、S偏光は水平方向の偏光であり、P偏光は垂直方向の偏光である。
【0008】
一方、選択反射偏光板103の透過軸は、上述のように、水平方向となっているため、プリズムの稜線に平行な方向となる。このため、選択反射偏光板103では、S偏光が透過され、P偏光は反射される。従って、プリズムシート102を透過して選択反射偏光板103に入射した偏光が、選択反射偏光板103をほとんど透過することができず、光利用効率の向上を阻害する要因となっていた。
【0009】
そこで、図12に示したように、選択反射偏光板203の透過軸をプリズムの稜線と直交する方向(垂直方向)に設けることにより、P偏光透過率を向上させて、光利用効率を上げることが考えられる。発明者らの実験によれば、これにより、5〜8%の改善効果が得られることがわかっている。また、選択反射偏光板203の透過軸と偏光板204の透過軸とは一致するように設けられることから、偏光板204の透過軸は垂直方向となり、偏光板206の透過軸は水平方向となる。
【0010】
しかしながら、偏光板206の透過軸が水平方向となると、水平方向の偏光を吸収する偏光サングラスをかけた利用者が画像を認識しづらくなってしまうという問題があった。
【特許文献1】特開2000−19325号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、光の利用効率を向上させつつ、偏光サングラスをかけた利用者が表示画像を容易に認識することができる液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る第1の液晶表示装置は、光源に近い側から順に、稜線が水平方向となるように平面に沿って配置された複数のプリズムを有し、光源から入射した光を集光して透過させるプリズム層と、プリズム層を透過した光を、その偏光状態を変化させて透過させる位相差板と、位相差板を透過した光のうち、水平方向に振動する第1偏光を透過させる第1パネル側偏光板と、第1パネル側偏光板を透過した第1偏光を、画像データに基づいて変調する液晶パネルと、液晶パネルによって変調された光を、垂直方向に振動する第2偏光として透過させる第2パネル側偏光板とを備えたものである。
【0013】
本発明に係る第2の液晶表示装置は、光源に近い側から順に、稜線が水平方向となるように平面に沿って配置された複数のプリズムを有し、光源から入射した光を集光して透過させるプリズム層と、プリズム層を透過した光のうち、垂直方向に振動する第2偏光を透過させる第1パネル側偏光板と、第1パネル側偏光板を透過した第2偏光を、画像データに基づいて変調する液晶パネルと、液晶パネルによって変調された光を、水平方向に振動する第1偏光として透過させる第2パネル側偏光板と、第2パネル側偏光板を透過した第1偏光の偏光状態を変化させて透過させる位相差板とを備えたものである。
【0014】
ただし、「水平方向」とは、表示画面を正面から観た場合の左右方向を示し、「垂直方向」とは、表示画面を正面から観た場合の上下方向を示すものとする。また、「第1偏光」がP偏光である場合には、「第2偏光」とはS偏光を意味し、逆に「第1偏光」がS偏光である場合には、「第2偏光」とはP偏光を意味するものとする。また、プリズム層における「平面」とは、光軸に対して直交する面であるものとする。
【0015】
本発明に係る第1の液晶表示装置では、プリズム層と第1パネル側偏光板との間に、偏光状態を変化させる位相差板が設けられていることにより、第1パネル側偏光板に入射する光の第1偏光の割合が増加する。これにより、第2パネル側偏光板の透過軸を垂直方向としたまま、第1パネル側偏光板における透過率を向上させることができる。
【0016】
本発明に係る第2の液晶表示装置では、光源の一面側に、プリズムの稜線が水平方向に設けられたプリズム層と、垂直方向に振動する第2偏光を透過させる第1パネル側偏光板と、水平方向に振動する第1偏光を透過させる第2パネル側偏光板と、この第1偏光の偏光状態を変化させる位相差板とを備えることにより、プリズム層を透過した光が、第1パネル側偏光板において透過されやすくなる。一方、第2パネル側偏光板を透過した第1偏光は、位相差板により、その偏光状態が変化する。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る第1の液晶表示装置によれば、光源に近い側から順に、稜線が水平方向となるように平面に沿って配置された複数のプリズムを有し、光源から入射した光を集光して透過させるプリズム層と、プリズム層を透過した光を、その偏光状態を変化させて透過させる位相差板と、位相差板を透過した光のうち、水平方向に振動する第1偏光を透過させる第1パネル側偏光板と、第1パネル側偏光板を透過した第1偏光を、画像データに基づいて変調する液晶パネルと、液晶パネルによって変調された光を、垂直方向に振動する第2偏光として透過させる第2パネル側偏光板とを備えるようにしたので、光利用効率を向上させつつ、偏光サングラスをかけた利用者が表示画像を容易に認識することが可能となる。
【0018】
本発明に係る第2の液晶表示装置によれば、光源に近い側から順に、稜線が水平方向となるように平面に沿って配置された複数のプリズムを有し、光源から入射した光を集光して透過させるプリズム層と、プリズム層を透過した光のうち、垂直方向に振動する第2偏光を透過させる第1パネル側偏光板と、第1パネル側偏光板を透過した第2偏光を、画像データに基づいて変調する液晶パネルと、液晶パネルによって変調された光を、水平方向に振動する第1偏光として透過させる第2パネル側偏光板と、第2パネル側偏光板を透過した第1偏光の偏光状態を変化させて透過させる位相差板とを備えるようにしたので、光利用効率を向上させつつ、偏光サングラスをかけた利用者が表示画像を容易に認識することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示装置の積層構造を模式的に表すものである。この液晶表示装置1は、光源10の一面側に、拡散板11と、プリズムシート12と、位相差板13と、選択反射偏光板14と、第1パネル側偏光板15と、液晶パネル16と、第2パネル側偏光板17とを、この順に備えている。利用者からみて、最も奥側に光源10が配置され、最も手前に、第2パネル側偏光板17が配置されている。なお、図1において、各構成要素の面内に描かれた線は、それぞれの光学軸を表している。例えば、プリズムシート12ではプリズムの稜線、位相差板13では遅相軸、選択反射偏光板14、第1パネル側偏光板15および第2パネル側偏光板17では透過軸を表している。
【0021】
光源10は、例えば、直下型のバックライトとして機能し、液晶パネル15の表示面とは反対側に光を照射するものである。この光源10では、例えば、複数の線状光源が一定の間隔で配置されることにより、全体として面発光が行われる。線状光源としては、例えば、冷陰極管(CCFL;Cold Cathode Fluorescent Lamp)等の蛍光管が用いられる。なお、線状光源に限らず、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の点光源であってもよい。また、有機EL(EL;Electro Luminescence)素子等の平面型の光源を用いるようにしてもよい。
【0022】
拡散板11は、光源10から出射した光を拡散し、輝度分布を均一化する機能を有するものである。通常、光源10における線状光源は、輝度やコスト等の観点から、20mm程度の間隔で配置されることが多く、この場合、光源10の直上では輝度分布に大きなむらが生じてしまうためである。この拡散板11は、例えば、屈折率の異なる高分子材料や樹脂材料等を組み合わせて構成されている。なお、拡散板11の厚みは、必要とされる拡散性や構成材料によって決定され、板状のものに限らず、フィルム状やシート状のものも含まれる。また、光源10として、有機EL素子等の平面型の光源を用いた場合には、輝度分布にむらが生じることがないため、拡散板11は設けられていなくともよい。
【0023】
プリズムシート12は、拡散板11によって拡散された光を、正面方向(シート面に垂直な方向)に集光して透過させる機能を有するものである。このプリズムシート12は、その表面に、例えば三角柱等の柱状突起(プリズム)を複数有している。これらのプリズムは、その稜線が互いに平行となるように連続的に設けられている。特に、プリズムの稜線方向は、液晶パネルの表示面に対して左右方向(水平方向)となっている。これにより、この稜線に直交する方向(垂直方向)における光は正面方向に集光される一方で、水平方向における光は拡散する。従って、水平方向の視野角を確保しつつ、正面輝度を向上させることができる。なお、プリズムの形状は三角柱状に限らず、その他の多角柱状、円柱状であってもよく、また非球面等の処理が施されていてもよい。
【0024】
ここで、図2に、プリズムシート12の断面拡大図を示す。プリズム12aの斜面S1,S2がつくる頂角α(°)は、好ましくは、90°<α≦120°の範囲を満たし、より好ましくは、100°である。このような構成において、プリズム12aの斜面(例えば、S1)に入射する入射光L0は、透過光L1と反射光L2に分離される。
【0025】
位相差板13は、その光学軸(遅相軸)が、プリズムの稜線方向と所定の角度をなすように配置され、透過する偏光を回転させる機能を有するものである。位相差板13としては、例えば、1/2波長板、1/4波長板等が用いられ、好ましくは、1/2波長板が用いられる。また、1/2波長板を用いた場合、その光学軸が、プリズムの稜線方向に対して45°の角度を有するように配置されていることが好ましい。
【0026】
選択反射偏光板14は、特定の方向に振動する偏光を透過させると共に、これに直交する方向に振動する偏光を反射させる機能を有しており、光の利用効率を高めるために設けられるものである。反射した偏光は、光源10側へ戻り、図示しない反射板等により反射されて再利用される。この選択反射偏光板14は、その透過軸が水平方向となるように配置されている。
【0027】
第1パネル側偏光板15は、特定の方向に振動する偏光を透過させる機能を有しており、その透過軸が、選択反射偏光板14の透過軸と一致するように、すなわち、水平方向となるように配置されている。
【0028】
液晶パネル16は、画像データに基づいて、光を変調させて表示を行う表示素子である。この液晶パネル16は、例えば、図示しない画素電極やTFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)スイッチング素子等が設けられたTFT基板と、対向電極やカラーフィルタ等が設けられたカラーフィルタ基板と、これらTFT基板とカラーフィルタ基板との間に含浸された液晶層とを有している。
【0029】
第2パネル側偏光板17は、特定の方向に振動する偏光を透過させる機能を有しており、その透過軸が、第1パネル側偏光板15の透過軸と直交するように配置されている。すなわち、第2パネル側偏光板17の透過軸は、垂直方向となっている。この第2パネル側偏光板17を透過して出射された光が、利用者によって観測される。
【0030】
次に、このような構成の液晶表示装置1の作用、効果について、図3を参照して詳細に説明する。なお、図3は、図1のII−II線の方向からみた、プリズムシート12、位相差板13および選択反射偏光板14における光の透過、反射の状況を偏光を考慮して図示したものである。また、S偏光およびP偏光を、それぞれ矢印で模式的に表し、各偏光の度合いを、その矢印の長さで表している。
【0031】
液晶表示装置1では、光源10から拡散板11に入射した光は、拡散板11を透過する際に拡散され、輝度分布が均一化される。この拡散された光(L0)は、無偏光であり、S偏光とP偏光とを均等に含んでいる。この光L0がプリズムシート12のプリズムの斜面に入射すると、この斜面を透過する光L1と反射する光L2とに分離される。このとき、透過した光L1は、S偏光に比べてP偏光を多く含んでいる。一方、反射された光L2は、P偏光よりもS偏光を多く含み、光源10側へ戻り再利用される。
【0032】
プリズムシート12を透過した光L1は、位相差板13に入射すると、位相差が付与されて、その偏光軸が回転する。これにより、位相差板13を透過する光L3のS偏光の割合が増加する。
【0033】
位相差板13を透過した光L3は、選択反射偏光板14に入射すると、選択反射偏光板14の透過軸に平行な方向に振動する偏光が透過され、これに直交する方向に振動する偏光が反射される。このとき、選択反射偏光板14の透過軸が、水平方向、すなわちプリズムの稜線に平行な方向となるように配置されているので、S偏光が透過され、P偏光が反射される。
【0034】
ここで、図10に示したような従来の構成では、プリズムシート102を透過した光は、その偏光状態のまま、選択反射偏光板103に入射する。このため、選択反射偏光板103へ入射する光は、S偏光に比べてP偏光が多い状態となっていた。従って、透過する光量よりも反射する光量の方が多く、光利用効率が不十分であった。これに対し、本実施の形態では、選択反射偏光板14に入射する光L3は、上述したように、S偏光の割合が増加しているので、選択反射偏光板14を透過する光(L4)の量を従来よりも増大させることができる。
【0035】
選択反射偏光板14を透過した光L4は、第1パネル側偏光板15に入射すると、第1パネル側偏光板15の透過軸が、選択反射偏光板14の透過軸と一致しているため、反射されることなく透過される。第1パネル側偏光板15を透過した光は、液晶パネル16に入射し、液晶パネル16によって変調される。
【0036】
液晶パネル16によって変調された光は、第2パネル側偏光板17より出射する。このとき、第2パネル側偏光板17の透過軸が、第1パネル側偏光板15の透過軸と直交しているため、第2パネル側偏光板17より出射する光は、P偏光、すなわち垂直方向に振動する偏光となっている。従って、水平方向に振動する偏光を吸収する偏光サングラスによって、光が吸収されにくくなる。
【0037】
以上のように、本実施の形態では、プリズムシート12と選択反射偏光板14との間に、偏光を回転させる位相差板13を設けるようにしたので、光の利用効率を高めると共に、水平方向の偏光を吸収する偏光サングラスをかけた利用者であっても、表示画像を認識し易くなる。
【0038】
また、位相差板13として1/2波長板を用い、その光学軸が、プリズムの稜線と45°の角度をなすように配置すれば、位相差板13を透過する際、偏光が90°回転する。これにより、P偏光はS偏光となり、S偏光はP偏光となるため、位相差板13を透過する光L3は、P偏光よりもS偏光を多く含むこととなる。従って、より透過率が増加し、光利用効率を従来に比べて5〜8%程度向上させることができる。
【0039】
さらに、プリズム12aの頂角αが、90°<α≦120°を満たすようにすれば、正面方向の輝度をより向上させることができる。以下、この理由について、図2および図7を参照して説明する。
【0040】
通常、プリズム12aの頂角αは、光再利用の観点から90°に設定されている。この場合、シート面に対して垂直に入射する光L0は、プリズムの斜面S1に対して、入射角θ=45°で入射することになる。ここで、図7に、プリズムの材料として一般的に用いられる屈折率1.52の媒質から、空気等の屈折率1.0の媒質へ入射する光の入射角θ(°)に対する反射率(%)の関係を示す。これによれば、プリズムの斜面S1への入射角θが45°の場合、P偏光、S偏光共にほぼ全反射となることがわかる。また、P偏光の反射率が0となる入射角、すなわちブリュースター角(33.34°)の近傍において、S偏光に対してP偏光が透過する割合が大きくなることがわかる。なお、入射角θとは、入射光と、それぞれの媒質の界面(プリズムの斜面)に下ろした垂線とのなす角度とする。
【0041】
図7の関係より、プリズム12aの斜面S1に入射する光L0の入射角θが、ブリュースター角の近傍、例えば、30°≦θ<45°であることにより、入射角θが45°である場合に比べて、偏光度が高くなり、その結果、輝度が向上する。これより、プリズムシート12のプリズムの頂角αは、90°<α≦120°となるように設定されていることが好ましいことがわかる。
【0042】
また特に、プリズム12aの頂角αが100°であることにより、表示面に対して垂直となる方向(真正面)において、偏光度を高めることができるため、正面方向の輝度をより効果的に向上させることができる。
【0043】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0044】
上記第1の実施の形態においては、プリズムシートと選択反射偏光板との間に、位相差板を配置する場合について説明したが、本実施の形態では、最も利用者側に、位相差板を配置する液晶表示装置について説明する。なお、説明の簡潔化を図るため、以下、第1の実施の形態と同様の部位については、同じ符号を付して、適宜説明を省略する。
【0045】
図4は、本実施の形態に係る液晶表示装置2の積層構造を模式的に表すものである。この液晶表示装置2は、光源10の一面側に、拡散板11と、プリズムシート12と、選択反射偏光板20と、第1パネル側偏光板21と、液晶パネル16と、第2パネル側偏光板22と、位相差板23とを、この順に備えている。利用者からみて、最も奥側に光源10が配置され、最も手前に、位相差板23が配置されている。
【0046】
選択反射偏光板20は、特定の方向に振動する偏光を透過させると共に、これに直交する方向に振動する偏光を反射させる機能を有しており、光の利用効率を高めるために設けられるものである。この選択反射偏光板20は、その透過軸がプリズムシート12のプリズムの稜線と直交する方向(垂直方向)となるように配置されている。
【0047】
第1パネル側偏光板21は、特定の方向に振動する偏光を透過させる機能を有しており、その透過軸が、選択反射偏光板20の透過軸と一致するように、すなわち、垂直方向となるように配置されている。
【0048】
第2パネル側偏光板22は、特定の方向に振動する偏光を透過させる機能を有しており、その透過軸が、第1パネル側偏光板21の透過軸と直交するように、すなわち、水平方向となるように配置されている。
【0049】
位相差板23は、その光学軸(遅相軸)が、第2パネル側偏光板22の透過軸と所定の角度をなすように配置され、透過する偏光を回転させる機能を有するものである。位相差板23としては、例えば、1/2波長板、1/4波長板、1/8波長板等が用いられ、好ましくは、1/4波長板が用いられる。また、1/4波長板を用いた場合、その光学軸が、プリズムの稜線方向に対して45°の角度を有するように配置されていることが好ましい。この位相差板23から出射された光が、利用者によって観測される。次に、図5を参照して、液晶表示装置2の作用、効果について説明する。
【0050】
液晶表示装置2では、プリズムシート12を透過した光L1が、選択反射偏光板20に入射すると、選択反射偏光板20の透過軸に平行な方向に振動する偏光が透過され、これに直交する方向に振動する偏光が反射される。このとき、選択反射偏光板20の透過軸が、垂直方向、すなわちプリズムの稜線に直交する方向となるように配置されているので、P偏光が透過され、S偏光が反射される。ここで、プリズムシート12を透過した光L1は、上述のように、S偏光よりもP偏光を多く含んでいるので、透過する光の量が、反射する光の量よりも多くなる。
【0051】
選択反射偏光板20を透過した光L5は、第1パネル側偏光板21に入射したのち、液晶パネル16によって変調され、第2パネル側偏光板22を透過する。第2パネル側偏光板22を透過した光L6は、第1パネル側偏光板21を透過する偏光と直交する偏光となっているため、S偏光、すなわち水平方向に振動する光となっている。
【0052】
第2パネル側偏光板22を透過した光L6は、位相差板23に入射すると、位相差が付与され、偏光が回転する。これにより、位相差板23を透過した光L7は、水平方向に振動する偏光を吸収する偏光サングラスによって、光が吸収されにくくなる。
【0053】
以上のように、本実施の形態では、選択反射偏光板20を、その透過軸がプリズムの稜線と直交する方向となるように配置し、最も利用者側に、位相差板23を配置することにより、光の利用効率を高めると共に、水平方向の偏光を吸収する偏光サングラスをかけた利用者であっても、表示画像を認識し易くなる。
【0054】
また、位相差板23として1/2波長板を用い、その光学軸が、プリズムの稜線と45°の角度をなすように配置すれば、位相差板23を透過する偏光は90°回転する。これにより、第2パネル側偏光板22を透過したS偏光は、P偏光となる。従って、最終的な表示光は、垂直偏光のみを有することとなるため、偏光サングラスをかけた利用者が、正面から表示画面を観た場合、より明るい画像として認識することができる。
【0055】
あるいは、位相差板23として1/4波長板を用い、その光学軸が、プリズムの稜線と45°の角度をなすように配置すれば、位相差板23を透過する偏光は45°回転する。これにより、第2パネル側偏光板22を透過したS偏光は、円偏光となる。従って、例えば、偏光サングラスをかけた利用者が、表示画面のいずれの角度から観測した場合であっても、表示画像を認識することができる。
【実施例】
【0056】
次に、本発明の実施例について説明する。
【0057】
図1に示した液晶表示装置1を作製し、表示画像の評価を行った。この際、プリズムシート12としては、住友3M製のものを用い、位相差板13としては、1/4波長板を用いた。なお、用いたプリズムシート12のプリズムの頂角αは、90°に設定されている。作製した液晶表示装置1において、表示画面を正面方向および右斜め下方から撮影した。結果を図7(A)(正面方向)および図7(B)(右斜め下方)に示す。
【0058】
図7(A)および図7(B)の結果より、正面方向よりも、右斜め下方から観た画像の方が、輝度が向上していることがわかる。以下、この理由について説明する。
【0059】
まず、図6に示した関係を考慮して、プリズムシート12を透過した光について、プリズムの稜線に直交する角度方向(垂直方向)における偏光度のシミュレーションを行った。結果を図8に示す。なお、図8において、極角(°)とは、シート面に垂直な方向(正面方向)を0°として、垂直方向に傾斜した角度(±0°〜60°)とする。また、偏光度とは、(1−クロスニコルの透過率/パラニコルの透過率)で表されるものである。なお、(クロスニコルの透過率/パラニコルの透過率)は、最大コントラスト(偏光を乱す要因が皆無の場合の理想値)の逆数であり、クロスニコルは偏光板の偏光方向を直交させて重ねる場合、パラニコルは偏光板の偏光方向を平行にして重ねる場合を示す。
【0060】
図8に示したように、正面方向(極角0°付近)における偏光度は低く、正面方向から±5度程度傾いたところでピークとなり、更に傾くにつれて低下する傾向となった。本発明の液晶表示装置1は、偏光効果を利用して表示を行うものであるため、この偏光度が高い程、集光性が高まり、高輝度が実現される。このため、プリズムの頂角が90°である場合、厳密には、真正面方向よりも、垂直方向に少し傾いた角度方向において、輝度が高くなる。従って、図7(A)および図7(B)に示したように、正面方向よりも、斜め下方向において、輝度が高くなったものと考えられる。
【0061】
ところで、プリズムシート12を設けることの本来の目的は、垂直方向に拡散する光を集光し、正面方向の輝度を向上させることにある。従って、正面方向における偏光度を高める、すなわち正面方向に偏光度のピークがくるように、頂角αを設定することが、より好ましい。
【0062】
図9に、プリズムの頂角αを100°とした場合の極角(°)に対する偏光度の関係をシミュレーションした結果を、頂角αを90°とした場合と共に示す。頂角αを100°とした場合、頂角αを90°とした場合に比べて、偏光度のピーク値は若干低下するものの、偏光度がピークとなる位置が正面方向(極角0°)に移動していることがわかる。この結果から、プリズムの頂角を100°とすることにより、真正面方向における輝度が向上する。従って、プリズムの頂角αを100°とすることにより、より効果的に正面方向の輝度を向上させることができる。
【0063】
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、上記実施の形態等に限定されず、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態等では、液晶表示装置の構成を具体的に挙げて説明したが、必要に応じて、拡散性を有する層や反射機能を有する層等、他の層を備えていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示装置の積層構造を表す模式図である。
【図2】図1に示したプリズムシートの断面拡大図である。
【図3】図1に示した液晶表示装置において、透過光の偏光状態を説明するための模式図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る液晶表示装置の積層構造を表す模式図である。
【図5】図2に示した液晶表示装置において、透過光の偏光状態を説明するための模式図である。
【図6】入射角θ(°)に対する反射率(%)の関係を示した特性図である。
【図7】本実施例に係る表示画面の撮影写真であり、(A)は正面方向、(B)は斜め下方向から撮影した写真である。
【図8】垂直方向における傾き(極角)に対する偏光度の関係を示す特性図である。
【図9】垂直方向における傾き(極角)に対する偏光度の関係を示す特性図である。
【図10】従来の液晶表示装置の積層構造を表す模式図である。
【図11】図10に示した液晶表示装置において、透過光の偏光状態を説明するための模式図である。
【図12】従来の他の液晶表示装置の積層構造を表す模式図である。
【符号の説明】
【0065】
1,2…液晶表示装置、10…光源、11…拡散板、12…プリズムシート、13,23…位相差板、14,20…選択反射偏光板、15,21…第1パネル側偏光板、16…液晶パネル、17,22…第2パネル側偏光板。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源に近い側から順に、
稜線が水平方向となるように平面に沿って配置された複数のプリズムを有し、前記光源から入射した光を集光して透過させるプリズム層と、
前記プリズム層を透過した光を、その偏光状態を変化させて透過させる位相差板と、
前記位相差板を透過した光のうち、水平方向に振動する第1偏光を透過させる第1パネル側偏光板と、
前記第1パネル側偏光板を透過した第1偏光を、画像データに基づいて変調する液晶パネルと、
前記液晶パネルによって変調された光を、垂直方向に振動する第2偏光として透過させる第2パネル側偏光板とを備えた
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記位相差板と第1パネル側偏光板との間に、水平方向に振動する第1偏光を透過させると共に、垂直方向に振動する第2偏光を反射させる選択反射偏光板を備えた
ことを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記光源と前記プリズム層との間に、光を拡散させる拡散層を備えた
ことを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記位相差板は、1/2波長板である
ことを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記プリズムが三角柱状であり、その頂角が90°より大きく120°以下である
ことを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記頂角が100°である
ことを特徴とする請求項5記載の液晶表示装置。
【請求項7】
光源に近い側から順に、
稜線が水平方向となるように平面に沿って配置された複数のプリズムを有し、前記光源から入射した光を集光して透過させるプリズム層と、
前記プリズム層を透過した光のうち、垂直方向に振動する第2偏光を透過させる第1パネル側偏光板と、
前記第1パネル側偏光板を透過した第2偏光を、画像データに基づいて変調する液晶パネルと、
前記液晶パネルによって変調された光を、水平方向に振動する第1偏光として透過させる第2パネル側偏光板と、
前記第2パネル側偏光板を透過した第1偏光の偏光状態を変化させて透過させる位相差板とを備えた
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項8】
前記位相差板が、1/4波長板である
ことを特徴とする請求項7記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記位相差板が、1/2波長板である
ことを特徴とする請求項7記載の液晶表示装置。
【請求項1】
光源に近い側から順に、
稜線が水平方向となるように平面に沿って配置された複数のプリズムを有し、前記光源から入射した光を集光して透過させるプリズム層と、
前記プリズム層を透過した光を、その偏光状態を変化させて透過させる位相差板と、
前記位相差板を透過した光のうち、水平方向に振動する第1偏光を透過させる第1パネル側偏光板と、
前記第1パネル側偏光板を透過した第1偏光を、画像データに基づいて変調する液晶パネルと、
前記液晶パネルによって変調された光を、垂直方向に振動する第2偏光として透過させる第2パネル側偏光板とを備えた
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記位相差板と第1パネル側偏光板との間に、水平方向に振動する第1偏光を透過させると共に、垂直方向に振動する第2偏光を反射させる選択反射偏光板を備えた
ことを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記光源と前記プリズム層との間に、光を拡散させる拡散層を備えた
ことを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記位相差板は、1/2波長板である
ことを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記プリズムが三角柱状であり、その頂角が90°より大きく120°以下である
ことを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記頂角が100°である
ことを特徴とする請求項5記載の液晶表示装置。
【請求項7】
光源に近い側から順に、
稜線が水平方向となるように平面に沿って配置された複数のプリズムを有し、前記光源から入射した光を集光して透過させるプリズム層と、
前記プリズム層を透過した光のうち、垂直方向に振動する第2偏光を透過させる第1パネル側偏光板と、
前記第1パネル側偏光板を透過した第2偏光を、画像データに基づいて変調する液晶パネルと、
前記液晶パネルによって変調された光を、水平方向に振動する第1偏光として透過させる第2パネル側偏光板と、
前記第2パネル側偏光板を透過した第1偏光の偏光状態を変化させて透過させる位相差板とを備えた
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項8】
前記位相差板が、1/4波長板である
ことを特徴とする請求項7記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記位相差板が、1/2波長板である
ことを特徴とする請求項7記載の液晶表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−176059(P2008−176059A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−9415(P2007−9415)
【出願日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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