説明

液晶表示装置

【課題】表示領域が複数のエリアに分割された液晶表示装置において、各エリアの大きさを表示映像に基づいて変えることにより、消費電力の低減を図る。
【解決手段】液晶表示装置において、各エリアAに含まれるサブエリアSの各々に対応する複数のLED91から構成される光源Lと、分割された複数のエリアと同数設けられ、各エリアに対応する光源を駆動する駆動回路Dと、を備え、駆動回路Dの各々を対応するエリア内の複数のLEDと互いに隣接するエリア内のLEDとを駆動可能に構成する。また、所定数のエリアから成るブロック領域を予め定められた複数の分割パターンで分割エリアに分割した場合における所定の判別値を算出し、算出した判別値が最も小さくなる分割パターンを特定し、特定した分割パターンによりブロック領域を分割エリアに分割する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置として、表示領域を複数のエリアに分割し、エリア毎に対応する光源を必要な輝度で発光させることにより、消費電力の低減と画質の向上を図るものが知られている。
また、複数のLEDを光源とする液晶表示装置において、複数のLEDの明るさを点灯するための駆動回路と、各LEDの短絡を行うためのスイッチを設け、スイッチの開閉により任意の短絡を制御することにより、駆動回路をLED毎に備えずとも、エリア毎の明るさ制御を実現する発光ダイオードの点灯制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2008−58367号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、消費電力の低減や画質向上を図るためには、表示映像に基づいて液晶パネルの表示領域を最適なエリアに区分し、その上で区分したエリアに合わせて各LEDを駆動させることにより、初めて消費電力の低減や画質向上という目的が達成される。
しかしながら、上記特許文献1は、単にスイッチの開閉によりLEDの点灯・消灯を制御する技術に過ぎず、消費電力の低減や画質向上を図るための具体的な手法を有するものではなかった。
【0004】
本発明の課題は、表示領域が複数のエリアに分割された液晶表示装置において、各エリアの大きさを表示映像に基づいて変えることにより、消費電力の低減と画質の向上を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、複数のエリアに分割された液晶パネルと、当該エリアに一対一で対応する複数の光源を備えるLEDバックライトと、当該エリアと同数設けられ、各エリアに対応する光源を駆動する駆動回路と、を備える液晶表示装置において、
前記エリアの各々には、複数のサブエリアが含まれ、
前記光源の各々は、前記サブエリアの各々に対応する複数のLEDから構成され、
前記駆動回路の各々は、対応するエリア内の複数のLEDと、互いに隣接するエリア内のLEDとを駆動可能に構成され、
映像信号に基づいて、前記サブエリア毎に必要な輝度を算出する算出手段と、
所定数の前記エリアから成るブロック領域を、予め定められた複数の分割パターンで分割エリアに分割した場合における所定の判別値を算出し、前記複数の分割パターンの中から、算出した判別値が最も小さくなる分割パターンを特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された分割パターンにより、前記ブロック領域を前記分割エリアに分割し、前記駆動回路の各々が担当する当該分割エリアを特定する分割手段と、
前記分割手段により分割された前記分割エリア内のサブエリアの輝度に基づいて、当該分割エリア内のLEDの発光強度を算出する発光強度算出手段と、
前記駆動回路の各々により、前記分割手段により特定された当該駆動回路の各々が担当する分割エリア内の前記LEDを、前記発光強度算出手段により算出された発光強度で発光させる制御手段と、
前記分割手段により分割された各分割エリアに属する画素の映像信号を、前記発光強度算出手段により算出された当該分割エリア内の前記LEDの発光強度に応じて補正する補正手段と、
を備え、
前記分割パターンの各々は、各ブロック領域に含まれる前記エリアの数と同数の分割エリアにより構成され、
前記判別値は、前記算出手段により算出された前記サブエリア毎の輝度に基づいて、一のブロック領域に含まれる分割エリア毎に、その分割エリアに含まれる前記サブエリアの最小輝度と最大輝度の差分値を算出し、算出された当該差分値を、前記一のブロック領域に含まれる分割エリア間で合計若しくは平均化した値であることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、複数のエリアに分割された液晶パネルと、当該エリアに一対一で対応する複数の光源を備えるLEDバックライトと、当該エリアと同数設けられ、各エリアに対応する光源を駆動する駆動回路と、を備える液晶表示装置において、
前記エリアの各々には、第1サブエリアと第2サブエリアとが含まれ、
前記光源の各々は、前記第1サブエリアに対応する第1LEDと、前記第2サブエリアに対応する第2LEDと、から構成され、
前記駆動回路の各々は、対応するエリア内の第1LED及び第2LEDと、互いに隣接するエリア内の第1LED又は第2LEDのうちの隣接する側に配されているLEDと、を駆動可能に構成され、
映像信号に基づいて、前記第1サブエリア及び前記第2サブエリア毎に必要な輝度を算出する算出手段と、
3つの前記エリアから成るブロック領域を、予め定められた8つの分割パターンで3つの分割エリアに分割した場合における所定の判別値を算出し、前記8つの分割パターンの中から、算出した判別値が最も小さくなる分割パターンを特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された分割パターンにより、前記ブロック領域を前記分割エリアに分割し、前記駆動回路の各々が担当する当該分割エリアを特定する分割手段と、
前記分割手段により分割された分割エリア内における前記第1サブエリア及び前記第2サブエリアの輝度に基づいて、当該分割エリア内のLEDの発光強度を算出する発光強度算出手段と、
前記駆動回路の各々により、前記分割手段により特定された当該駆動回路の各々が担当する分割エリア内の前記LEDを、前記発光強度算出手段により算出された発光強度で、発光させる制御手段と、
前記特定手段により特定された分割エリアに属する画素の映像信号を、前記発光強度算出手段により算出された当該分割エリア内の前記LEDの発光強度に応じて補正する補正手段と、
を備え、
前記判別値は、前記算出手段により算出された前記サブエリア毎の輝度に基づいて、一のブロック領域に含まれる分割エリア毎に、その分割エリアに含まれる前記サブエリアの最小輝度と最大輝度の差分値を算出し、算出された当該差分値を、前記一のブロック領域に含まれる分割エリア間で合計若しくは平均化した値であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数のエリアに分割された液晶パネルと、エリアに一対一で対応する複数の光源を備えるLEDバックライトと、エリアと同数設けられ、各エリアに対応する光源を駆動する駆動回路と、を備える液晶表示装置において、エリアの各々には、複数のサブエリアが含まれ、光源の各々は、サブエリアの各々に対応する複数のLEDから構成され、駆動回路の各々は、対応するエリア内の複数のLEDと、互いに隣接するエリア内のLEDとを駆動可能に構成される。また、算出手段により、映像信号に基づいて、サブエリア毎に必要な輝度が算出され、特定手段により、所定数のエリアから成るブロック領域を、予め定められた複数の分割パターンで分割エリアに分割した場合における所定の判別値が算出され、複数の分割パターンの中から、算出した判別値が最も小さくなる分割パターンが特定され、特定手段により特定された分割パターンにより、ブロック領域が分割エリアに分割され、駆動回路の各々が担当する分割エリアが特定される。また、発光強度算出手段により、分割手段により分割された分割エリア内のサブエリアの輝度に基づいて、分割エリア内のLEDの発光強度が算出され、制御手段により、駆動回路の各々により、分割手段により特定された駆動回路の各々が担当する分割エリア内のLEDが、発光強度算出手段により算出された発光強度で発光され、補正手段により、分割手段により分割された各分割エリアに属する画素の映像信号が、発光強度算出手段により算出された当該分割エリア内のLEDの発光強度に応じて補正される。また、分割パターンの各々は、各ブロック領域に含まれるエリアの数と同数の分割エリアにより構成され、判別値は、算出手段により算出されたサブエリア毎の輝度に基づいて、一のブロック領域に含まれる分割エリア毎に、その分割エリアに含まれる前記サブエリアの最小輝度と最大輝度の差分値を算出し、算出された当該差分値を、前記一のブロック領域に含まれる分割エリア間で合計若しくは平均化した値である。
すなわち、映像信号に基づいて、複数のエリアから成るブロック領域が、予め定められた複数の分割パターンのうち、そのブロック領域に含まれる各分割エリア内のサブエリアの輝度の差分の分割エリア全体での総和若しくは平均値が最も小さくなる分割パターンにより分割され、各駆動回路により、ブロック領域内のLEDが、分割エリア単位で発光されることとなる。したがって、表示領域が複数のエリアに分割された液晶表示装置において、各エリアの大きさが表示映像に基づく適切な大きさに変わることとなり、常に固定されたエリア単位で各光源を発光させる場合と比較して、消費電力の低減と画質の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、発明の範囲は図示例に限定されない。
【0009】
図1は、本実施形態の液晶表示装置100の要部構成を示すブロック図である。
本実施形態の液晶表示装置100は、例えば、図1に示すように、信号入力部1、映像処理部2、タイミング制御部3、フレームメモリ4、算出手段としての輝度算出部5、液晶パネル6、走査線駆動部7、信号線駆動部8、LEDバックライト9、バックライト駆動部10、バックライト制御部11、補正手段としての補正部12、制御部13等を備える。
【0010】
信号入力部1は、例えば、テレビジョン放送信号を受信するアンテナ及びチューナや、外部装置からの画像信号を受信する各種映像端子等を備えて構成され、入力される画像信号を受信して、映像処理部2に出力する。
【0011】
映像処理部2は、A/D変換回路、RGB生成回路、画質調整回路等を備えて構成され、信号入力部1から供給される画像信号に基づいて、RGBのデジタル画像信号を生成し、液晶パネル6の画素数に応じたスケーリング処理を行って、1フレーム分の画像信号を生成する。さらに、1フレーム分の画像信号に対して、制御部13から出力される画質調整信号に基づいて、ブライトネス、コントラスト、色の濃さ、色合い、シャープネス等の各種画質調整を行った後に、フレームメモリ4に出力する。
【0012】
タイミング制御部3は、信号入力部1から供給される画像信号に基づいて、1ライン期間を示すタイミング信号と、1フレーム期間を示すタイミング信号とを生成して、液晶表示装置100の各部に供給する。
【0013】
フレームメモリ4は、映像処理部2から入力される画像信号をフレーム単位で蓄積する。
輝度算出部5は、後述する輝度算出プログラム134aの実行において、フレームメモリ4に蓄積された1フレーム分の画像信号に基づいて、後述するサブエリアS(第1サブエリアS1及び第2サブエリアS2)毎に、サブエリアS内の画素の画像信号から、各サブエリアSに対応する各光源Lに必要な輝度を算出し、算出した輝度を制御部13に出力する。
【0014】
液晶パネル6は、所定の間隔を隔てて配設された一対の基板の間に液晶が封入されて成る。これら一対の基板は、偏光軸が直交した2枚の偏光板で挟まれ、背面側にはLEDバックライト9が配設されている。
基板の上面には、p行の走査線X(X〜X)及びq列の信号線Y(Y〜Y)が互いに直交するように配列されている。この液晶パネル6は、例えば、アクティブマトリクス駆動方式を採用しており、走査線Xと信号線Yの各交点の画素に、アクティブ素子としての薄膜トランジスタ(TFT: Thin Film Transistor)が配設されている。各画素には画素電極が形成され、画素電極に対向して、対向する基板に対向電極が形成されている。また、画素電極と対向電極との対向面にはそれぞれ配向膜が形成されている。
【0015】
走査線駆動部7は、液晶パネル6における走査線X(X〜X)の各々に対応して設けられており、タイミング制御部3からのタイミング信号に従って、各走査線Xを順に選択して、同一の走査線X上に連なるTFTをオン/オフさせる。
信号線駆動部8は、液晶パネル6における信号線Y(Y〜Y)の各々に対応して設けられており、走査線駆動部7による各走査線Xの走査に同期して、映像処理部2から入力される画像信号に応じた電圧を信号線Yに対して印加する。
走査線駆動部7及び信号線駆動部8により走査線Xと信号線Yとが駆動されると、それらの交点にある画素のTFTがオンとなって画素電極に電荷が蓄積され、その画素電極と対向電極との間に挟持されている液晶の配列方向が変化して、配向膜と偏光板とともに、液晶パネル6の背面側に設けられたLEDバックライト9から照射される光を画素単位で通過或いは遮断させる。
【0016】
本実施形態において、液晶パネル6は複数のエリアAに分割されている。
また、液晶パネル6の背面側に配置されているLEDバックライト9が、液晶パネル6を構成する複数のエリアAに一対一で対応する複数の光源Lから構成されている。
ここで、図2(a)は、本実施形態の液晶パネル6の表示領域を模式的に示す図であり、図2(b)は、本実施形態のLEDバックライト9を模式的に示す図である。また、図3(a)は、液晶パネル6を構成する複数のエリアAのうちの一つのエリアAを模式的に示す図であり、図3(b)は、図3(a)のエリアAに対応する一つの光源Lを模式的に示す図である。さらに、図3(c)は、図3(a)のエリアAと図3(b)の光源Lとを重ね合わせた図である。
【0017】
図2(a)に示すように、本実施形態の液晶表示装置100は、液晶パネル6の表示領域が、縦n個×横m個のエリアA・・・にマトリクス状に等分割されている。また、図2(b)に示すように、LEDバックライト9が、液晶パネル6を構成するエリアA・・・に一対一で対応する縦n個×横m個の光源L・・・から構成されている。
【0018】
以下では、液晶パネル6を構成するエリアAのうち、左上端部に位置するエリアにA(1、1)、右上端部に位置するエリアにA(m、1)、左下端部に位置するエリアにA(1、n)、右下端部に位置するエリアにA(m、n)の符号を付して説明する。
また、LEDバックライト9を構成する光源Lのうち、エリアA(1、1)に対応する左上端部に位置する光源にL(1、1)、エリアA(m、1)に対応する右上端部に位置する光源にL(m、1)、エリアA(1、n)に対応する左下端部に位置する光源にL(1、n)、エリアA(m、n)に対応する右下端部に位置する光源にL(m、n)の符号を付して説明する。
また、その他のエリアA及び光源Lについても、同様の方法で符号を割り当てることとする。
【0019】
また、図3(a)に示すように、液晶パネル6を構成する各エリアAは、上下2つの第1サブエリアS1(サブエリアS)と第2サブエリアS2(サブエリアS)とから構成されている。
また、図3(b)に示すように、LEDバックライト9を構成する各光源Lは、上下に配置された第1LED91a(LED91)と第2LED91b(LED91)とを備えて構成されている。そして、図3(c)に示すように、第1LED91aは、第1サブエリアS1に対応するように、第1サブエリアS1の略中央部に対応する位置に配置され、第2LED91bは、第2サブエリアS2に対応するように、第2サブエリアS2の略中央部に対応する位置に配置されている。
【0020】
上述した各エリアAと各光源Lとの対応関係と、各サブエリアS(第1サブエリアS1及び第2サブエリアS2)と各LED91(第1LED91a及び第2LED91b)との対応関係とは、後述するEEPROM133内に予め記憶されている。
【0021】
バックライト駆動部10は、液晶パネル6のエリアAと同数のn個×m個の駆動回路Dを備え、これらの駆動回路Dが各エリアAに一対一で対応付けられている。
以下では、バックライト駆動部10を構成する各駆動回路Dのうち、エリアA(1、1)に対応する駆動回路にD(1、1)、エリアA(m、1)に対応する駆動回路にD(m、1)、エリアA(1、n)に対応する駆動回路にD(1、n)、エリアA(m、n)に対応する駆動回路にD(m、n)の符号を付して説明する。また、その他の駆動回路Dについても、同様の方法で符号を割り当てることとする。
【0022】
各駆動回路Dは、対応するエリアA内の第1LED91a及び第2LED91bを駆動可能に構成されている。さらに、各駆動回路Dは、対応するエリアA内の第1LED91a及び第2LED91bだけでなく、そのエリアAに隣接するエリア内の第1LED91a及び第2LED91bのうちの隣接する側に配されているLED91を駆動可能に構成されている。
【0023】
ここで、図4を参照しながら、駆動回路Dの回路構成について具体的に説明する。
図4に例示する駆動回路Dは、バックライト駆動部10を構成する駆動回路Dのうち、図2(a)に例示する液晶パネル6内の左側端部上側に位置する三つのエリアA(1、1)、A(1、2)、A(1、3)に対応する3つの駆動回路D(1、1)、D(1、2)、D(1、3)である。これら3つのエリアA(1、1)、A(1、2)、A(1、3)は、液晶パネル6において並んで配置されたエリアAであり、これらの3つのエリアA(1、1)、A(1、2)、A(1、3)が一つのブロック領域Bを構成している(図2(a)参照)。
【0024】
エリアA(1、1)、A(1、2)、A(1、3)のそれぞれには、第1LED91aと第2LED91bの2つのLED91が配置されている。2つのLED91の各々は、そのLED91が配されたエリアに対応する駆動回路Dによって駆動可能となっている。
すなわち、エリアA(1、1)内の第1LED91a及び第2LED91bは、エリアA(1、1)に対応する駆動回路D(1、1)によって駆動可能であり、エリアA(1、2)内の第1LED91a及び第2LED91bは、エリアA(1、2)に対応する駆動回路D(1、2)によって駆動可能であり、エリアA(1、3)内の第1LED91a及び第2LED91bは、エリアA(1、3)に対応する駆動回路D(1、3)によって駆動可能である。
【0025】
また、各LED91の両側には、スイッチSWが設けられており、これらのスイッチSWを切り換えることにより、同じエリアA内に配置された第1LED91aと第2LED91bとが接続可能となっている。
さらに、各エリアA内のLED91のそれぞれは、スイッチSWの切り換えにより、そのエリアAに隣接するエリア内の2つLED91のうち、隣接する側に配されているLED91と接続可能となっている。すなわち、スイッチSWを切り換えることにより、各エリアA内の下側に位置する第2LED91bと、そのエリアの一つ下のエリアA内の上側に位置する第1LED91aとを、接続したり、または、非接続とすることができる。例えば、エリアA(1、1)において下側に配されている第2LED91bは、エリアA(1、2)において上側に配されている第1LED91aと、2つのスイッチSWを切り換えることにより、接続/非接続される。
【0026】
各LED91の両側に配されたスイッチSWは、例えば、MOS−FET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor;電界効果トランジスタ)等であり、バックライト制御部11からの制御信号によって切り換えられる。そして、これらのスイッチSWの切り換えにより、ブロック領域B内で並んで配置されているLED91同士を所望の接続パターンで接続することができる。
【0027】
したがって、スイッチSWを切り換えて、ある接続パターンで連続するLED91同士を接続することにより、各LED91が、そのLED91が配されているエリアAに対応する駆動回路D、又は、そのLED91に隣接する側のエリアAに対応する駆動回路Dの何れかにより駆動されることとなる。
すなわち、エリアA(1、1)内の第2LED91bは、エリアA(1、1)に対応する駆動回路D(1、1)だけでなく、エリアA(1、2)に対応する駆動回路D(1、2)によっても駆動可能に構成されている。また、エリア(1、2)内の第1LED91aは、エリアBに対応する駆動回路D(1、2)だけでなく、エリアA(1、1)に対応する駆動回路D(1、1)によっても駆動可能に構成されている。また、エリアA(1、2)内の第2LED91bは、エリアA(1、2)に対応する駆動回路D(1、2)だけでなく、エリアA(1、3)に対応する駆動回路D(1、3)によっても駆動可能に構成されている。また、エリアA(1、3)内の第1LED91aは、エリアA(1、3)に対応する駆動回路D(1、3)だけでなく、エリアA(1、2)に対応する駆動回路D(1、2)によっても駆動可能に構成されている。
【0028】
また、このとき、各駆動回路Dからの駆動信号は、スイッチSWを介して接続されている複数のLED91に流れることとなるため、各駆動回路Dは、対応するエリア内の第1LED91a及び第2LED91bと、一つ上のエリア内の第2LED91bと、一つ下のエリア内の第1LED91aとの4つのLED91の中から、互いに接続された1つ〜4つのLED91を同じ発光強度で駆動することとなる。
【0029】
また、本実施形態では、液晶パネル6が複数の分割エリアに分割されるようになっている。
ここで、分割エリアとは、一つの駆動回路Dにより同じ発光強度で駆動されるLED91が配されているサブエリアSの集合である。また、一つの駆動回路Dにより駆動されるLED91が一つである場合には、当該一つのLED91が配置されているサブエリアSが分割エリアを構成する。
すなわち、複数のエリアAから成るブロック領域B内のスイッチSWを切り換えて、ブロック領域B内のLED91同士をある接続パターンで接続すると、互いに接続された複数のLED91が配置されているサブエリアSの集合と、他のLED91と接続されていない単独のLED91が配置されているサブエリアSと、がそれぞれ一つの分割エリアを構成することとなり、ブロック領域Bが複数の分割エリアに分割されることとなる。
【0030】
上述のように、各駆動回路Dは、対応するエリアA内の第1LED91a及び第2LED91bと、一つ上のエリアA内の第2LED91bと、一つ下のエリアA内の第1LED91aとの4つのLED91の中から、互いに接続された1つ〜4つのLED91を駆動するように構成されている。そのため、ブロック領域BにおけるLED91の接続パターンは8通りあり、よって、3つのエリアAから成るブロック領域Bを3つの分割エリアに分割するための分割パターンは8つである。
【0031】
図5に、3つのエリアA(1、1)、A(1、2)、A(1、3)から成るブロック領域Bを3つの分割エリアに分割するための8つの分割パターンを示す。なお、図5では、網掛け表示された領域が2つ目の分割エリアであり、網掛け表示された領域よりも上側の領域が1つ目の分割エリア、網掛け表示された領域よりも下側の領域が3つ目の分割エリアとなっている。
例えば、図5(a)の分割パターンでは、エリアA(1、1)の第1サブエリアS1を1つ目の分割エリアに区分し、エリアA(1、1)の第2サブエリアS2とエリアA(1、2)の第1サブエリアS1とを2つ目の分割エリアに区分し、エリアA(1、2)の第2サブエリアS2とエリアA(1、3)の第1サブエリアS1及び第2サブエリアS2とを3つ目の分割エリアに区分している。
また、例えば、図5(c)の分割パターンでは、エリアA(1、1)の第1サブエリアS1を1つ目の分割エリアに区分し、エリアA(1、1)の第2サブエリアS2とエリアA(1、2)の第1サブエリアS1及び第2サブエリアS2とエリアA(1、3)の第1サブエリアS1とを2つ目の分割エリアに区分し、エリアA(1、3)の第2サブエリアS2を3つ目の分割エリアに区分している。
また、例えば、図5(e)の分割パターンでは、エリアA(1、1)の第1サブエリアS1及び第2サブエリアS2を1つ目の分割エリアに区分し、エリアA(1、2)の第1サブエリアS1及び第2サブエリアS2を2つ目の分割エリアに区分し、エリアA(1、3)の第1サブエリアS1及び第2サブエリアS2を3つ目の分割エリアに区分している。なお、図5(e)の分割パターンは、エリアAの分割方法と同じである。
【0032】
バックライト制御部11は、制御部13からの指示にしたがって、LED91の両側に配置されたスイッチSWを切り換えてLED91同士を接続するととともに、駆動回路Dの各々を駆動させることにより、LEDバックライト9の各光源Lに備わるLED91を、互いに接続されたLED91単位、すなわち、分割エリア単位で駆動させる制御を行う。
【0033】
補正部12は、制御部13からの制御にしたがって、分割エリアに属する画素の画像信号を、その分割エリア内のLED91の発光強度に応じて補正する。
【0034】
制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)131、CPU131のワークエリアとして用いられるRAM(Random Access Memory)132、データの書換え及び消去が可能なEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)133、CPU131によって実行される各種プログラムを格納するROM(Read Only Memory)134等を備えて構成される。
【0035】
CPU131は、液晶表示装置100の各部から入力される入力信号に応じて、ROM134に格納された各種プログラムを実行するとともに、実行にかかるプログラムに基づいて各部に出力信号を出力することにより、液晶表示装置100の動作全般を統括制御する。
【0036】
ROM134は、プログラム格納エリア内に、例えば、算出手段としての輝度算出プログラム134a、特定手段としての特定プログラム134b、分割手段としての分割プログラム134c、発光強度算出手段としての発光強度算出プログラム134d、制御手段としての発光制御プログラム134e、補正手段としての補正プログラム134f等を備えている。
【0037】
輝度算出プログラム134aは、例えば、CPU131に、映像信号に基づいて、サブエリアS(第1サブエリアS1及び第2サブエリアS2)毎に必要な輝度を算出する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、輝度算出プログラム134aを実行するCPU131は、輝度算出部5において、フレームメモリ4から入力される映像信号に基づいて、液晶パネル6を構成するサブエリアS毎に、そのサブエリアSにおける映像表示に必要な輝度を算出させる。
CPU131は、かかる輝度算出プログラム134aを実行することにより、輝度算出部5とともに算出手段として機能する。
【0038】
特定プログラム134bは、例えば、CPU131に、3つのエリアAから成るブロック領域Bを、予め定められた8つの分割パターンで分割した場合における各分割パターンの所定の判別値を算出し、8つの分割パターンの中から、算出した判別値が最も小さくなる分割パターンを特定する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、特定プログラム134bを実行するCPU131は、初めに、3つのエリアAからなるブロック領域Bを予め定められた8つの分割パターンで分割する。次に、ブロック領域Bを一つの分割パターンで分割した場合について、輝度算出プログラム134aの実行により算出されたサブエリアS毎の輝度に基づいて、そのブロック領域Bに含まれる分割エリア毎に、その分割エリアに含まれるサブエリアSの最小輝度と最大輝度の差分値を算出する。次に、算出した差分値を、そのブロック領域Bに含まれる分割エリア間で合計若しくは平均化し、これをその分割パターンにおける所定の判別値とする。さらに、所定の判別値を算出する処理を、8つの分割バターンのそれぞれについて実行し、8つの判別値を比較する。そして、8つの分割パターンの中から、判別値が最も小さくなる分割パターンを特定する。
CPU131は、かかる特定プログラム134bを実行することにより、特定手段として機能する。
【0039】
ここで、具体例を用いて、輝度算出プログラム134a及び特定プログラム134bの実行において、CPU131により実行される処理を説明する。
【0040】
例えば、図6に示すように、ブロック領域Bを構成する3つのエリアAのうち、上に位置するエリアA(1、1)の第1サブエリアS1の輝度が「20」、第2サブエリアS2の輝度が「90」であり、真ん中に位置するエリアA(1、2)の第1サブエリアS1の輝度が「90」、第2サブエリアS2の輝度が「80」であり、下に位置するエリアA(1、3)の第1サブエリアS1の輝度が「80」、第2サブエリアS2の輝度が「40」と算出された場合について説明する。
【0041】
まず、CPU131は、このようなブロック領域Bを、図5(a)に示す分割パターンで、3つの分割エリアに分割し、分割エリア毎に、その分割エリアに含まれるサブエリアSの最小輝度と最大輝度の差分値を算出する。このとき、CPU131は、分割エリアに一つのサブエリアSしか含まれていない場合と、分割エリアに含まれるサブエリアS同士の輝度が同じ値である場合には、差分値を「0」とする。
すると、上側に位置する1つ目の分割エリアには一つのサブエリアSのみが含まれているため、1つ目の分割エリアの差分値が「0」と算出される。また、真ん中に位置する2つ目の分割エリアには、同一輝度「90」のサブエリアSが二つ含まれているため、2つ目の分割エリアの差分値が「0」とされる。また、下側に位置する3つ目の分割エリアには、輝度「80」のサブエリアSが二つ含まれ、輝度「40」のサブエリアSが一つ含まれているため、最大輝度「80」と最大輝度「40」との演算により、3つめの分割エリアの差分値が「40」とされる。
さらに、CPU131は、各分割エリア内のサブエリアSの輝度から算出された差分値を、3つの分割エリア間で合計し、合計値「40」を、図5(a)の分割パターンにおける判別値と決定する。
【0042】
次に、CPU131は、ブロック領域Bを、図5(b)に示す分割パターンで、3つの分割エリアに分割し、分割エリア毎に、その分割エリアに含まれるサブエリアSの最小輝度と最大輝度の差分値を算出する。
すると、1つ目の分割エリアの差分値は「0」、2つ目の分割エリアの差分値は「10」、3つめの分割エリアの差分値は「40」と算出され、各分割エリア内のサブエリアSの輝度から算出された差分値の合計は「50」とされる。
これにより、CPU131は、図5(b)の分割パターンにおける判別値を「50」と決定する。
【0043】
次に、CPU131は、ブロック領域Bを、図5(c)に示す分割パターンで、3つの分割エリアに分割し、分割エリア毎に、その分割エリアに含まれるサブエリアSの最小輝度と最大輝度の差分値を算出する。
すると、1つ目の分割エリアの差分値は「0」、2つ目の分割エリアの差分値は「10」、3つめの分割エリアの差分値は「0」と算出され、各分割エリア内のサブエリアSの輝度から算出された差分値の合計は「10」とされる。
これにより、CPU131は、図5(c)の分割パターンにおける判別値を「10」と決定する。
【0044】
次に、CPU131は、ブロック領域Bを、図5(d)に示す分割パターンで、3つの分割エリアに分割し、分割エリア毎に、その分割エリアに含まれるサブエリアSの最小輝度と最大輝度の差分値を算出する。
すると、1つ目の分割エリアの差分値は「70」、2つ目の分割エリアの差分値は「0」、3つめの分割エリアの差分値は「40」と算出され、各分割エリア内のサブエリアSの輝度から算出された差分値の合計は「110」とされる。
これにより、CPU131は、図5(d)の分割パターンにおける判別値を「110」と決定する。
【0045】
次に、CPU131は、ブロック領域Bを、図5(e)に示す分割パターンで、3つの分割エリアに分割し、分割エリア毎に、その分割エリアに含まれるサブエリアSの最小輝度と最大輝度の差分値を算出する。
すると、1つ目の分割エリアの差分値は「70」、2つ目の分割エリアの差分値は「10」、3つめの分割エリアの差分値は「40」と算出され、各分割エリア内のサブエリアSの輝度から算出された差分値の合計は「120」とされる。
これにより、CPU131は、図5(e)の分割パターンにおける判別値を「120」と決定する。
【0046】
次に、CPU131は、ブロック領域Bを、図5(f)に示す分割パターンで、3つの分割エリアに分割し、分割エリア毎に、その分割エリアに含まれるサブエリアSの最小輝度と最大輝度の差分値を算出する。
すると、1つ目の分割エリアの差分値は「70」、2つ目の分割エリアの差分値は「10」、3つめの分割エリアの差分値は「0」と算出され、各分割エリア内のサブエリアSの輝度から算出された差分値の合計は「80」とされる。
これにより、CPU131は、図5(f)の分割パターンにおける判別値を「80」と決定する。
【0047】
次に、CPU131は、ブロック領域Bを、図5(g)に示す分割パターンで、3つの分割エリアに分割し、分割エリア毎に、その分割エリアに含まれるサブエリアSの最小輝度と最大輝度の差分値を算出する。
すると、1つ目の分割エリアの差分値は「70」、2つ目の分割エリアの差分値は「0」、3つめの分割エリアの差分値は「40」と算出され、各分割エリア内のサブエリアSの輝度から算出された差分値の合計は「110」とされる。
これにより、CPU131は、図5(g)の分割パターンにおける判別値を「110」と決定する。
【0048】
次に、CPU131は、ブロック領域Bを、図5(h)に示す分割パターンで、3つの分割エリアに分割し、分割エリア毎に、その分割エリアに含まれるサブエリアSの最小輝度と最大輝度の差分値を算出する。
すると、1つ目の分割エリアの差分値は「70」、2つ目の分割エリアの差分値は「0」、3つめの分割エリアの差分値は「0」と算出され、各分割エリア内のサブエリアSの輝度から算出された差分値の合計は「70」とされる。
これにより、CPU131は、図5(h)の分割パターンにおける判別値を「70」と決定する。
【0049】
以上の処理により8つの分割パターンの判別値を算出すると、CPU131は、算出した8つの判別値を比較し、判別値が最も小さい分割パターンを特定する。
これにより、8つの分割パターンのうち、判別値「10」の図5(c)の分割パターンが、判別値が最小となる分割パターンとして特定される。
【0050】
分割プログラム134cは、例えば、CPU131に、特定プログラム134bの実行により特定された分割パターンで、ブロック領域Bを分割エリアに分割し、駆動回路Dの各々が担当する分割エリアを特定する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、分割プログラム134cを実行するCPU131は、特定プログラム134bの実行において、判別値が最小となる分割パターンが特定されると、バックライト制御部11を介して、各駆動回路DのスイッチSWの切り換え処理を行って、ブロック領域Bに含まれるLED91を、その分割パターンの分割エリア単位で接続させることにより、ブロック領域Bを分割エリアに分割する。
【0051】
例えば、図5(c)の分割パターンでブロック領域Bを分割する場合、CPU131は、ブロック領域B内のスイッチSWを、図7に例示する接続パターンで切り換えて、図5(c)の分割パターンにおける各分割エリア単位でLED91同士を接続させる。
図7の駆動回路Dでは、エリアA(1、1)内の第1LED91aが、駆動回路D(1、1)によって駆動されるようになっている。また、エリアA(1、1)内の第2LED91bと、エリアA(1、2)内の第1LED91a及び第2LED91bと、エリアA(1、3)内の第1LED91aとが、一つの駆動回路D(1、2)によって駆動されるようになっている。さらに、エリアA(1、3)内の第2LED91bが、駆動回路D(1、3)によって駆動されるようになっている。
上述したように、一つの駆動回路Dにより駆動されるLED91は同一の駆動信号により同一輝度で駆動されることとなるため、一つの駆動回路Dにより駆動されるLED91の位置するサブエリアSの集合が、一つの分割エリアを構成することとなる。
したがって、図6に示すLED91の接続パターンでブロック領域B内の各駆動回路Dを駆動することにより、エリアA(1、1)内の第1LED91aが配置された第1サブエリアS1が1つ目の分割エリアに分割され、エリアA(1、1)内の第2LED91b、エリアA(1、2)内の第1LED91a及び第2LED91b、エリアA(1、3)内の第1LED91aが配置された4つのサブエリアから成る領域が2つめの分割エリアに分割され、エリア(1、3)内の第2LED91bが配置された第2サブエリアS2が3つ目の分割エリアに分割されることとなる。
【0052】
そして、ブロック領域Bを分割エリアに分割すると、このブロック領域Bを構成する各エリアAに対応する駆動回路Dのそれぞれが担当する分割エリアが特定されることとなる。
すなわち、駆動回路D(1、1)は、エリアA(1、1)の第1サブエリアS1から成る1つ目の分割エリアを担当すると特定される。また、駆動回路D(1、2)は、エリアA(1、1)内の第2サブエリアS2、エリアA(1、2)内の第1サブエリアS1及び第2サブエリアS2、エリアA(1、3)内の第1サブエリアS1から成る2つ目の分割エリアを担当すると特定される。また、駆動回路D(1、3)は、エリア(1、3)内の第2サブエリアS2から成る3つ目の分割エリアを担当すると特定される。
CPU131は、かかる分割プログラム134cを実行することにより、分割手段として機能する。
【0053】
発光強度算出プログラム134dは、例えば、CPU131に、分割プログラム134cの実行により分割された分割エリア内におけるサブエリアS(第1サブエリアS1及び第2サブエリアS2)の輝度に基づいて、分割エリア内のLED91(第1LED91a及び第2LED91b)の発光強度を算出する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、発光強度算出プログラム134dを実行するCPU131は、分割プログラム134cの実行において分割された分割エリアのそれぞれについて、例えば、その分割エリアに含まれる各サブエリアSの輝度のうちの最大輝度を、その分割エリア内のLED91の発光強度として決定する。
すなわち、例えば、エリアA(1、1)の第1サブエリアS1の輝度が「20」、第2サブエリアS2の輝度が「90」、エリアA(1、2)の第1サブエリアS1の輝度が「90」、第2サブエリアS2の輝度が「80」、エリアA(1、3)の第1サブエリアS1の輝度が「80」、第2サブエリアS2の輝度が「40」と算出されたブロック領域B(図6参照)が、図5(c)の分割パターンで分割される場合、1つ目の分割エリア内のLED91の発光強度は「20」、2つ目の分割エリア内のLED91の発光強度は「90」、3つ目の分割エリア内のLED91の発光強度は「40」と算出される。
なお、各分割エリアにおけるLED91の発光強度の算出方法は、サブエリアSの最大輝度に基づくものに限られず、その他任意の算出方法を用いることができる。
CPU131は、かかる発光強度算出プログラム134dを実行することにより、発光強度算出手段として機能する。
【0054】
発光制御プログラム134eは、例えば、CPU131に、駆動回路Dの各々により、分割プログラム134cの実行により特定された駆動回路Dの各々が担当する分割エリア内のLED91を、発光強度算出プログラム134dの実行により算出された発光強度で発光させる機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、発光制御プログラム134eを実行するCPU131は、バックライト制御部11を介して、各駆動回路Dに、分割パターンに応じて互いに接続された各分割エリア内のLED91を、各分割エリアの発光強度で発光させる。これにより、ブロック領域B内のLED91が、分割エリア毎に同一輝度で発光されることとなる。
例えば、駆動回路D(1、1)が、1つ目の分割エリアを担当すると特定され、駆動回路D(1、2)が、2つ目の分割エリアを担当すると特定され、駆動回路D(1、3)が、3つ目の分割エリアを担当すると特定され、さらに、1つ目の分割エリア内のLED91の発光強度が「20」、2つ目の分割エリア内のLED91の発光強度が「90」、3つ目の分割エリア内のLED91の発光強度が「40」と算出された場合、CPU131は、駆動回路D(1、1)により、1つ目の分割エリア内のLED91を発光強度「20」で発光させ、駆動回路D(1、2)により、2つ目の分割エリア内のLED91を発光強度「90」で発光させ、駆動回路D(1、3)により、3つ目の分割エリア内のLED91を発光強度「40」で発光させる。
CPU131は、かかる発光制御プログラム134eを実行することにより、バックライト制御部11とともに、発光制御手段として機能する。
【0055】
補正プログラム134fは、例えば、CPU131に、特定プログラムの実行により特定された分割エリアに属する画素の映像信号を、発光強度算出プログラム134dの実行により算出された当該分割エリア内のLED91の発光強度に応じて補正する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、補正プログラム134fを実行するCPU131は、各分割エリアに属する画素の映像信号の輝度値と、その分割エリア内のLED91の発光強度とに基づいて、画素毎に、LED91の発光強度と目標の輝度を比較する。そして、LED91の発光強度が目標の輝度に達していない画素については、補正部12において、その画素の輝度を高くする補正を行うことで輝度の不足分を補填する。一方、LED91の発光強度が目標の輝度を超える画素については、補正部12において、その画素の輝度を低くする補正を行うことで輝度の過多分を補填する。
CPU131は、かかる補正プログラム134fを実行することにより、補正部12とともに補正手段として機能する。
【0056】
次に、図8のフローチャートを参照しながら、本実施形態において実行される映像表示処理の流れについて説明する。
【0057】
初めに、ステップS101において、CPU131は、輝度算出部5において、入力される映像信号に基づいて、サブエリアS毎に、そのサブエリアSでの映像表示に必要な輝度を算出させる。
次に、ステップS102において、CPU131は、3つのエリアAから成るブロック領域Bを予め定められた8つの分割パターンで分割する。そして、各分割パターンで分割した場合のそれぞれについて、ブロック領域Bに含まれる分割エリア毎に、その分割エリアに含まれるサブエリアSの最小輝度と最大輝度の差分値を算出し、算出した差分値を分割エリア間で合計又は平均化することにより、所定の判別値を算出する。
次に、ステップS103において、CPU131は、ステップS102の処理により算出された各分割パターンの所定の判別値に基づいて、8つの分割パターンのうち、所定の判別値が最も小さくなる分割パターンを特定する。
次に、ステップS104において、CPU131は、ブロック領域Bに対応する各駆動回路Dに備わるスイッチSWの切り換え処理を行って、ステップS103の処理において特定した分割パターンでブロック領域Bを分割するとともに、ブロック領域Bに対応する各駆動回路Dが担当する分割エリアを特定する。
次に、ステップS105において、CPU131は、ブロック領域B内の各サブエリアSに必要な輝度に基づいて、各分割エリア内のLED91の発光強度を算出する。
次に、ステップS106において、CPU131は、バックライト制御部11により、各駆動回路Dに、各々が担当する分割エリア内のLED91を、ステップS105の処理により算出された発光強度で発光させる。
次に、ステップS107において、CPU131は、補正部12により、ブロック領域B内の画素の映像信号を、その画素が属する分割エリア内のLED91の発光強度に応じて補正し、本処理を終了する。
【0058】
以上説明した本発明を適用した本実施形態の液晶表示装置100によれば、複数のエリアAに分割された液晶パネル6と、当該エリアAに一対一で対応する複数の光源Lを備えるLEDバックライト9と、当該エリアAと同数設けられ、各エリアAに対応する光源Lを駆動する駆動回路Dと、が備わり、エリアAの各々には、第1サブエリアS1と第2サブエリアS2とが含まれ、光源Lの各々は、第1サブエリアS1に対応する第1LED91aと、第2サブエリアS2に対応する第2LED91bと、から構成され、駆動回路Dの各々は、対応するエリアA内の第1LED91a及び第2LED91bと、互いに隣接するエリアA内の第1LED91a又は第2LED91bのうちの隣接する側に配されているLED91と、を駆動可能に構成される。また、輝度算出プログラム134aの実行により、映像信号に基づいて、第1サブエリアS1及び第2サブエリアS2毎に必要な輝度が算出され、特定プログラム134bの実行により、3つのエリアAから成るブロック領域Bが、予め定められた8つの分割パターンで3つの分割エリアに分割した場合における所定の判別値が算出され、8つの分割パターンの中から、算出した判別値が最も小さくなる分割パターンが特定される。また、分割プログラム134cの実行により、特定プログラム134bの実行により特定された分割パターンにより、ブロック領域Bが分割エリアに分割され、駆動回路Dの各々が担当する分割エリアが特定され、発光強度算出プログラム134dの実行により、分割プログラム134cの実行により分割された分割エリア内における第1サブエリアS1及び第2サブエリアS2の輝度に基づいて、当該分割エリア内のLED91の発光強度が算出される。また、発光制御プログラム134eの実行により、駆動回路Dの各々により、分割プログラム134cの実行により特定された当該駆動回路Dの各々が担当する分割エリア内のLED91が、発光強度算出プログラム134dの実行により算出された発光強度で発光され、補正プログラム134fの実行により、分割プログラム134cの実行により分割された分割エリアに属する画素の映像信号が、発光強度算出プログラム134dの実行により算出された当該分割エリア内のLED91の発光強度に応じて補正される。また、判別値は、輝度算出プログラム134aの実行により算出されたサブエリアS毎の輝度に基づいて、一のブロック領域Bに含まれる分割エリア毎に、その分割エリアに含まれるサブエリアSの最小輝度と最大輝度の差分値を算出し、算出した当該差分値を、一のブロック領域Bに含まれる分割エリア間で合計若しくは平均化した値である。
すなわち、映像信号に基づいて、3つのエリアAから成るブロック領域Bが、予め定められた8つの分割パターンのうち、そのブロック領域Bに含まれる各分割エリア内のサブエリアSの輝度の差分の分割エリア全体での総和若しくは平均値が最も小さくなる分割パターンにより分割され、各駆動回路Dにより、ブロック領域B内のLED91が、分割エリア単位で発光されることとなる。したがって、表示領域が複数のエリアAに分割された液晶表示装置100において、各エリアAの大きさが表示映像に基づく適切な大きさに変わることとなり、常に固定されたエリア単位で各光源Lを発光させる場合と比較して、消費電力の低減と画質の向上を図ることができる。
【0059】
なお、本発明の範囲は上記実施形態に限られることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
【0060】
例えば、上記実施形態では、3つのエリアから成るブロック領域Bのみを対象として説明したが、ブロック領域Bに含まれるエリアAの数は幾つであっても良く、液晶パネル6における任意の領域をブロック領域Bとすることができる。例えば、縦一列分のエリアAや、横一列分のエリアAを一つのブロック領域Bとしても良い。また例えば、液晶パネル6全体を一つのブロック領域Bとしても良い。なお、予め定められた分割パターンの数も8つに限られず、一つのブロック領域Bに含まれるエリアAの数に対応する数となる。
また、上記実施形態では、1つのブロック領域Bを対象とする処理についてのみ説明したが、液晶パネル6内に複数のブロック領域Bを設ける場合には、各ブロック領域Bについて上記の処理を実行することができる。
さらに、一のエリアAを構成するサブエリアSの数も2つに限らず、3つ以上であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明を適用した本実施形態の液晶表示装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】図2(a)は、本実施形態の液晶パネルの表示領域を模式的に示す図であり、図2(b)は、本実施形態のLEDバックライトを模式的に示す図である。
【図3】図3(a)は、液晶パネルを構成する複数のエリアのうちの一つのエリアを模式的に示す図であり、図3(b)は、図3(a)のエリアに対応する一つの光源を模式的に示す図であり、図3(c)は、図3(a)のエリアと図3(b)の光源とを重ね合わせた図である。
【図4】ブロック領域に対応する駆動回路の例示である。
【図5】3つのエリアから成るブロック領域を3つの分割エリアに分割するための8つの分割パターンである。
【図6】ブロック領域内の各サブエリアの輝度の一例を示す図である。
【図7】ブロック領域を図5(c)の分割パターンで分割する場合の駆動回路である。
【図8】本実施形態において実行される映像表示処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
100 液晶表示装置
5 輝度算出部(算出手段)
9 LEDバックライト
91 LED
91a 第1LED
91b 第2LED
12 補正部(補正手段)
131 CPU(算出手段、特定手段、分割手段、発光強度算出手段、補正手段、制御手段)
134a 輝度算出プログラム(算出手段)
134b 特定プログラム(特定手段)
134c 分割プログラム(分割手段)
134d 発光強度算出プログラム(発光強度算出手段)
134e 発光制御プログラム(発光制御手段)
134f 補正プログラム(補正手段)
A(A(1、1)〜A(m、n)) エリア
D(D(1、1)〜D(m、n)) 駆動回路
L(L(1、1)〜L(m、n)) 光源
S サブエリア
S1 第1サブエリア
S2 第2サブエリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のエリアに分割された液晶パネルと、当該エリアに一対一で対応する複数の光源を備えるLEDバックライトと、当該エリアと同数設けられ、各エリアに対応する光源を駆動する駆動回路と、を備える液晶表示装置において、
前記エリアの各々には、複数のサブエリアが含まれ、
前記光源の各々は、前記サブエリアの各々に対応する複数のLEDから構成され、
前記駆動回路の各々は、対応するエリア内の複数のLEDと、互いに隣接するエリア内のLEDとを駆動可能に構成され、
映像信号に基づいて、前記サブエリア毎に必要な輝度を算出する算出手段と、
所定数の前記エリアから成るブロック領域を、予め定められた複数の分割パターンで分割エリアに分割した場合における所定の判別値を算出し、前記複数の分割パターンの中から、算出した判別値が最も小さくなる分割パターンを特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された分割パターンにより、前記ブロック領域を前記分割エリアに分割し、前記駆動回路の各々が担当する当該分割エリアを特定する分割手段と、
前記分割手段により分割された前記分割エリア内のサブエリアの輝度に基づいて、当該分割エリア内のLEDの発光強度を算出する発光強度算出手段と、
前記駆動回路の各々により、前記分割手段により特定された当該駆動回路の各々が担当する分割エリア内の前記LEDを、前記発光強度算出手段により算出された発光強度で発光させる制御手段と、
前記分割手段により分割された各分割エリアに属する画素の映像信号を、前記発光強度算出手段により算出された当該分割エリア内の前記LEDの発光強度に応じて補正する補正手段と、
を備え、
前記分割パターンの各々は、各ブロック領域に含まれる前記エリアの数と同数の分割エリアにより構成され、
前記判別値は、前記算出手段により算出された前記サブエリア毎の輝度に基づいて、一のブロック領域に含まれる分割エリア毎に、その分割エリアに含まれる前記サブエリアの最小輝度と最大輝度の差分値を算出し、算出された当該差分値を、前記一のブロック領域に含まれる分割エリア間で合計若しくは平均化した値であることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
複数のエリアに分割された液晶パネルと、当該エリアに一対一で対応する複数の光源を備えるLEDバックライトと、当該エリアと同数設けられ、各エリアに対応する光源を駆動する駆動回路と、を備える液晶表示装置において、
前記エリアの各々には、第1サブエリアと第2サブエリアとが含まれ、
前記光源の各々は、前記第1サブエリアに対応する第1LEDと、前記第2サブエリアに対応する第2LEDと、から構成され、
前記駆動回路の各々は、対応するエリア内の第1LED及び第2LEDと、互いに隣接するエリア内の第1LED又は第2LEDのうちの隣接する側に配されているLEDと、を駆動可能に構成され、
映像信号に基づいて、前記第1サブエリア及び前記第2サブエリア毎に必要な輝度を算出する算出手段と、
3つの前記エリアから成るブロック領域を、予め定められた8つの分割パターンで3つの分割エリアに分割した場合における所定の判別値を算出し、前記8つの分割パターンの中から、算出した判別値が最も小さくなる分割パターンを特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された分割パターンにより、前記ブロック領域を前記分割エリアに分割し、前記駆動回路の各々が担当する当該分割エリアを特定する分割手段と、
前記分割手段により分割された分割エリア内における前記第1サブエリア及び前記第2サブエリアの輝度に基づいて、当該分割エリア内のLEDの発光強度を算出する発光強度算出手段と、
前記駆動回路の各々により、前記分割手段により特定された当該駆動回路の各々が担当する分割エリア内の前記LEDを、前記発光強度算出手段により算出された発光強度で、発光させる制御手段と、
前記特定手段により特定された分割エリアに属する画素の映像信号を、前記発光強度算出手段により算出された当該分割エリア内の前記LEDの発光強度に応じて補正する補正手段と、
を備え、
前記判別値は、前記算出手段により算出された前記サブエリア毎の輝度に基づいて、一のブロック領域に含まれる分割エリア毎に、その分割エリアに含まれる前記サブエリアの最小輝度と最大輝度の差分値を算出し、算出された当該差分値を、前記一のブロック領域に含まれる分割エリア間で合計若しくは平均化した値であることを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−102019(P2010−102019A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−271927(P2008−271927)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】