説明

液晶表示装置

【課題】複数のLEDから成るLEDバックライトを備える液晶表示装置において、各LEDの寿命を管理する。
【解決手段】液晶表示装置100において、光源の各々に複数のLEDを備え、算出手段は、光源毎に、対応するサブ表示領域内の画素の画像信号から当該光源の輝度を算出し、決定手段は、光源毎に、算出手段により算出された輝度を得るために最低限必要なLEDの数を決定し、決定した数分のLEDを、複数のLEDのうちから所定の順番で決定し、発光制御手段は、決定手段により決定されたLEDのみを発光させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDバックライトを用いた液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置では、液晶パネルの背面側からバックライト光を照射することで、液晶パネル上に画像を映出する。
このような液晶表示装置に用いるバックライトとして、近年、液晶パネルの直下に、複数のLED(Light Emitting Diode)を配列するLEDバックライトの開発が進められている(例えば、特許文献1参照)。
また、このようなLEDバックライトを、複数のLEDから成るグループに分け、各LEDの電流値の変化幅が小さくなるように、グループ毎にLEDの発光輝度を制御する液晶表示装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
ところで、LEDには、長期間使用すると発光輝度が低下する特性がある。経年変化によって寿命を迎えたLEDは、発光輝度が大幅に(例えば、70%)低下し、画質に多大な悪影響を及ぼすため、液晶表示装置の普及に伴い、LEDの長寿命化を図る技術が求められている。
ここで、LEDは、発熱によって発光効率が低下する難点がある。そのため、LEDの発光後に、少なくともLEDが十分に放熱できるまでLEDを非発光とすると、LEDの発光効率の低下を防止することができる。すなわち、LEDに流す電流値を低下させつつ常時LEDを発光させる場合よりも、LEDに流す電流値を低下させずに、発光時間と非発光時間とを繰り返して、LEDを休ませる時間を確保しながら断続的に発光させる場合の方が、LEDの長寿命化には有効である。
【特許文献1】特開2007−287422号公報
【特許文献2】特開2007−141715号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献2は、LEDの分光特性の変化による色再現性の悪化を防止するために、LEDバックライトにおける各LEDの電流値の変化幅が小さくなるように制御する技術であって、LEDを休ませるように制御してLEDの長寿命化を図る等、LEDの寿命を管理するものではなかった。
【0005】
本発明の課題は、複数のLEDから成るLEDバックライトを備える液晶表示装置において、各LEDの寿命を管理することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、複数のサブ表示領域に分割された液晶パネルと、当該サブ表示領域の各々に対応する複数の光源から成るLEDバックライトと、を備える液晶表示装置において、
前記光源の各々は、複数のLEDを備え、
前記光源毎に、対応する前記サブ表示領域内の画素の画像信号から当該光源の必要とする輝度を算出する算出手段と、
前記光源毎に、前記算出手段により算出された輝度を得るために最低限必要なLEDの数を決定し、決定した数分のLEDを、前記複数のLEDのうちから所定の順番で決定する決定手段と、
前記決定手段により決定されたLEDのみを発光させる発光制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の液晶表示装置において、前記光源毎に、各LEDの累積発光時間を記憶する記憶手段を備え、
前記決定手段は、前記記憶手段に基づいて、光源毎に、各LEDの累積発光時間の差が小さくなるように、LEDを決定することを特徴とする
【0008】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の液晶表示装置において、前記発光制御手段は、
前記記憶手段に記憶されたLEDの累積発光時間が、予め設定された基準時間を超えた場合に、前記算出手段により算出された前記輝度よりも光源の輝度が高くなるように、LEDの発光輝度を高くする制御を行う発光輝度制御手段を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか一項に記載の液晶表示装置において、前記光源内における各LEDの配置位置を記憶する第2記憶手段と、
前記第2記憶手段に基づいて、前記決定手段により決定されたLEDの配置位置を特定し、特定した配置位置に基づいて、各サブ表示領域における各画素の輝度値を、発光するLEDからの距離により生じる輝度の過不足分を補填するように補正する補正手段と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明によれば、複数のサブ表示領域に分割された液晶パネルと、当該サブ表示領域の各々に対応する複数の光源から成るLEDバックライトと、を備える液晶表示装置において、
前記光源の各々は、複数のLEDを備え、
前記光源毎に、各LEDの累積発光時間を記憶する第1記憶手段と、
前記光源内における各LEDの配置位置を記憶する第2記憶手段と、
前記光源毎に、対応する前記サブ表示領域内の画素の画像信号から当該光源の必要とする輝度を算出する算出手段と、
前記光源毎に、前記算出手段により算出された輝度を得るために最低限必要なLEDの数を決定し、前記第1記憶手段に基づいて、決定した数分のLEDを、各LEDの累積発光時間の差が小さくなるように、前記複数のLEDのうちから決定する決定手段と、
前記決定手段により決定されたLEDのみを発光させる発光制御手段と、
前記第2記憶手段に基づいて、前記決定手段により決定されたLEDの配置位置を特定し、特定した配置位置に基づいて、各サブ表示領域における各画素の輝度値を、発光するLEDからの距離により生じる輝度の過不足分を補填するように補正する補正手段と、
を備え、
前記発光制御手段は、
前記第1記憶手段に記憶されたLEDの累積発光時間が、予め設定された基準時間を超えた場合に、前記算出手段により算出された前記輝度よりも光源の輝度が高くなるように、LEDの発光輝度を高くする制御を行う発光輝度制御手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数のサブ表示領域に分割された液晶パネルと、当該サブ表示領域の各々に対応する複数の光源から成るLEDバックライトと、を備える液晶表示装置において、光源の各々には、複数のLEDが備わり、算出手段により、光源毎に、対応するサブ表示領域内の画素の画像信号から当該光源の必要とする輝度が算出され、決定手段により、光源毎に、算出手段により算出された輝度を得るために最低限必要なLEDの数が決定され、決定した数分のLEDが、前記複数のLEDのうちから所定の順番で決定され、発光制御手段により、決定手段により決定されたLEDのみが発光される。
すなわち、LEDバックライトを構成する各光源に備わる複数のLEDのうち、算出手段により算出された輝度を得るために最低限必要な数のLEDのみが発光されることとなるため、なるべく少ない数のLEDだけを発光させることができる。また、発光されるLEDは、その光源に備わる複数のLEDのうちから所定の順番で決定されたLEDであるため、各LEDの非発光時間を確保して放熱させることができる。したがって、全てのLEDを常時発光させる場合と比較して各LEDの寿命を延ばすことができ、LEDの寿命を管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、発明の範囲は図示例に限定されない。
【0013】
図1は、本実施形態の液晶表示装置の要部構成を示すブロック図である。
本実施形態の液晶表示装置100は、例えば、図1に示すように、信号入力部1、映像処理部2、タイミング制御部3、フレームメモリ4、輝度算出部5、液晶パネル6、走査線駆動部7、信号線駆動部8、LEDバックライト9、バックライト制御部10、補正部11、制御部12等を備える。
【0014】
本実施形態の液晶パネル6は、その表示領域を予め定められた分割方法で分割した複数のサブ表示領域S・・・から構成されている。また、液晶パネル6の背面側に配置されているLEDバックライト9も同様に、各サブ表示領域S・・・に対応する複数の光源L・・・から構成されている。
【0015】
図2(a)は、本実施形態の液晶パネル6の表示領域を構成するサブ表示領域Sを説明するための図であり、図2(b)は、本実施形態のLEDバックライト9を構成する光源Lを説明するための図である。
図2(a)に示すように、本実施形態の液晶表示装置100では、液晶パネル6の表示領域が、縦n個×横m個のサブ表示領域S・・・にマトリクス状に等分割されている。また、図2(b)に示すように、LEDバックライト9が、サブ表示領域Sのそれぞれに対応する縦n個×横m個の光源L・・・から構成されている。すなわち、液晶パネル6を構成する各サブ表示領域Sと、LEDバックライト9を構成する各光源Lとは、一対一の対応関係にある。
後述するように、LEDバックライト9を構成するこれらの光源Lの各々は、対応するサブ表示領域S内の画素の画像信号から算出された輝度で発光されるようになっている。また、これらの各光源Lは、複数のLEDを備えており、複数のLEDのうち、制御部12により指定されたLEDのみが発光されるようになっている。
【0016】
なお、以下では、左上のサブ表示領域をS(1、1)、右上のサブ表示領域をS(m、1)、左下のサブ表示領域をS(1、n)、右下のサブ表示領域をS(m、n)として説明する。また、サブ表示領域S(1、1)に対応する左上の光源をL(1、1)、サブ表示領域S(m、1)に対応する右上の光源をL(m、1)、サブ表示領域S(1、n)に対応する左下の光源をL(1、n)、サブ表示領域S(m、n)に対応する右下の光源をL(m、n)として説明する。また、その他のサブ表示領域S及び光源Lについても、同様の方法で符号を割り当てることとする。
【0017】
信号入力部1は、例えば、テレビジョン放送信号を受信するアンテナ及びチューナや、外部装置からの画像信号を受信する各種映像端子等を備えて構成され、入力される画像信号を受信して、映像処理部2に出力する。
【0018】
映像処理部2は、A/D変換回路、RGB生成回路、画質調整回路等を備えて構成され、信号入力部1から供給される画像信号に基づいて、RGBのデジタル画像信号を生成し、液晶パネル6の画素数に応じたスケーリング処理を行って、1フレーム分の画像信号を生成する。さらに、1フレーム分の画像信号に対して、制御部12から出力される画質調整信号に基づいて、ブライトネス、コントラスト、色の濃さ、色合い、シャープネス等の各種画質調整を行った後に、フレームメモリ4に出力する。
【0019】
タイミング制御部3は、信号入力部1から供給される画像信号に基づいて、1ライン期間を示すタイミング信号と、1フレーム期間を示すタイミング信号とを生成して、液晶表示装置100の各部に供給する。
【0020】
フレームメモリ4は、映像処理部2から入力される画像信号をフレーム単位で蓄積する。
輝度算出部5は、後述する算出プログラム125aの実行において、フレームメモリ4に蓄積された1フレーム分の画像信号に基づいて、サブ表示領域S毎に、サブ表示領域S内の画素の画像信号を構成する輝度信号から、各サブ表示領域Sに対応する各光源Lに必要な輝度を算出し、算出した輝度を制御部12に出力する。
【0021】
液晶パネル6は、所定の間隔を隔てて配設された一対の基板の間に液晶が封入されて成る。これら一対の基板は、偏光軸が直交した2枚の偏光板で挟まれ、背面側にはLEDバックライト9が配設されている。
基板の上面には、p行の走査線X(X〜X)及びq列の信号線Y(Y〜Y)が互いに直交するように配列されている。この液晶パネル6は、例えば、アクティブマトリクス駆動方式を採用しており、走査線Xと信号線Yの各交点の画素に、アクティブ素子としての薄膜トランジスタ(TFT: Thin Film Transistor)が配設されている。各画素には画素電極が形成され、画素電極に対向して、対向する基板に対向電極が形成されている。また、画素電極と対向電極との対向面にはそれぞれ配向膜が形成されている。
【0022】
走査線駆動部7は、液晶パネル6における走査線X(X〜X)の各々に対応して設けられており、タイミング制御部3からのタイミング信号に従って、各走査線Xを順に選択して、同一の走査線X上に連なるTFTをオン/オフさせる。
信号線駆動部8は、液晶パネル6における信号線Y(Y〜Y)の各々に対応して設けられており、走査線駆動部7による各走査線Xの走査に同期して、映像処理部2から入力される画像信号に応じた電圧を信号線Yに対して印加する。
走査線駆動部7及び信号線駆動部8により走査線Xと信号線Yとが駆動されると、それらの交点にある画素のTFTがオンとなって画素電極に電荷が蓄積され、その画素電極と対向電極との間に挟持されている液晶の配列方向が変化して、配向膜と偏光板とともに、液晶パネル6の背面側に設けられたLEDバックライト9から照射される光を画素単位で通過或いは遮断させる。
【0023】
上述したように、本実施形態の液晶パネル6の表示領域は、縦n個×横m個のサブ表示領域S・・・にマトリクス状に分割されている。また、液晶パネル6の背面側に設けられたLEDバックライト9は、液晶パネル6の各サブ表示領域Sに対応する縦n個×横m個の光源L・・・から構成されている。
例えば、本実施形態の液晶パネル6が、768行(p行)×1024列(q列)の画素から成る場合に、64行×64列の画素を含む領域を一つのサブ表示領域Sとして表示領域を分割すると、液晶パネル6の表示領域全体が、縦12個(n個)×横16個(m個)のサブ表示領域Sから構成されることとなる。また、LEDバックライト9も同様に、縦12個(n個)×横16個(m個)の光源Lから構成されることとなる。
【0024】
図3及び図4に、本実施形態のLEDバックライト9を構成する光源Lの一つを模式的に示す。図3及び図4に示すように、光源L(例えば、光源L(1、1))は、その基板上に4つのLEDを備えている。図3において、4つのLEDは、光源Lの中央領域に集められるように配置されている。一方、図4において、4つのLEDは、光源Lにおける4つの端部領域にそれぞれ配置されている。
なお、以下の説明では、図3及び図4に示すように、光源L(1、1)に備わる4つのLEDの中で、左上に位置するLEDを「L(1、1)a」、右上に位置するLEDを「L(1、1)b」、左下に位置するLEDを「L(1、1)c」、右下に位置するLEDを「L(1、1)d」とする。また、その他の各光源Lに備わるLEDについても、同様の方法で符号を割り当てて説明する。
【0025】
ここで、光源Lに備わる各LEDは、出力可能な最大輝度が予め定められており、予め定められた最大輝度を示すデータが図示しない記憶領域に記憶されている。
前述のように、輝度算出部5において各光源Lに必要な輝度が算出されて制御部12に出力されると、これを受けて、制御部12は、後述する決定プログラム125bを実行することにより、算出された輝度と各LEDが出力可能な最大輝度とに基づいて、輝度算出部5により算出された輝度を得るために最低限必要なLEDの数を決定する。
また、最低限必要なLEDの数を決定すると、制御部12は、次に、決定した数分のLEDを、光源Lに備わるLEDの中から選択し、発光させるLEDとして決定する。また、このとき、制御部12は、第1記憶手段としての管理テーブル123に基づいて、光源Lに備わる各LEDの累積発光時間の差が小さくなるように、発光させるLEDを決定する。
発光させるLEDを決定すると、さらに、制御部12は、後述する発光制御プログラム125cを実行して、バックライト制御部10に、発光させるLEDとして決定したLEDのみを発光させることにより、輝度算出部5により算出された輝度で光源Lを発光させる制御を実行させる。
これにより、光源Lが、なるべく少ない数のLEDにより、輝度算出部5において算出された必要な輝度で発光されることとなる。なお、管理テーブル123に基づいて、発光させるLEDを決定する方法については後述する。
【0026】
バックライト制御部10は、制御部12からの指示にしたがって、LEDバックライト9を構成する各光源Lに備わる複数のLEDのうち、制御部12から指示されたLEDのみを発光させ、各光源Lを、対応関係にあるサブ表示領域S内の画素の画像信号から算出された輝度で発光させる。
【0027】
ここで、図3のように、光源Lの中央領域にLEDを集合させて配置する配置パターンでは、全てのLEDを発光させなくても、サブ表示領域Sの画像の輝度ムラが生じないか、或いは、輝度ムラの発生を抑制することができる。例えば、光源L(1、1)において、中央部左上に配置されたLED「L(1、1)a」のみを発光させたとしても、対応するサブ表示領域S(1、1)の画像における輝度の片寄りは少ない。
【0028】
一方、図4のように、光源Lの4つの端部領域にLEDを分散させて配置するパターンでは、全てのLEDを発光させずに何れか1〜3個のLEDを発光させると、サブ表示領域Sの画像に輝度ムラが発生してしまう可能性が高い。例えば、光源L(1、1)において、左上端部に配置されたLED「L(1、1)a」のみを発光させると、対応するサブ表示領域S(1、1)の画像において、左上端部の領域から離れるほど(特に、右下のLED「L(1、1)d」に対応する領域において)輝度が不足し、輝度の片寄りが目立つ。
図4に示すような輝度ムラが生じる配置パターンでは、後述する補正部11がサブ表示領域S内の画像信号の輝度を調整して、輝度ムラを補填する。なお、図3に示す配置パターンであっても、補正部11による画像信号の輝度の調整を行っても良い。
【0029】
補正部11は、発光させるLEDの配置位置に起因して生じる輝度ムラを補填するように、サブ表示領域S内の画素の輝度を調整する。
具体的には、補正部11は、サブ表示領域Sの画像において、光源Lからの光の輝度が、目標の輝度に達していない領域については、その領域内の画素の輝度を高くする補正を行うことで輝度の不足分を補填する。一方、光源Lからの光の輝度が、目標の輝度を超える領域については、その領域内の画素の輝度を低くする補正を行うことで輝度の過多分を補填する。これにより、LEDをどのように配置しても、また、どのLEDを発光させても、輝度ムラを抑制して各画素の必要な輝度に即した適切な表示を行うことができる。
【0030】
制御部12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)121、CPU121のワークエリアとして用いられるRAM(Random Access Memory)122、データの書換え及び消去が可能なEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)からなる第1記憶手段(記憶手段)としての管理テーブル123及び第2記憶手段としての配置位置記憶部124、CPU121によって実行される各種プログラムを格納するROM125(Read Only Memory)等を備えて構成される。
【0031】
CPU121は、液晶表示装置100の各部から入力される入力信号に応じて、ROM125に格納された各種プログラムを実行するとともに、実行にかかるプログラムに基づいて各部に出力信号を出力することにより、液晶表示装置100の動作全般を統括制御する。
【0032】
管理テーブル123は、LEDバックライト9を構成する光源L毎に、LEDの累積発光時間を記憶している。
図5に、管理テーブル123の一例を示す。図5に例示する管理テーブル123では、光源L(1、1)に備わるLED「L(1、1)a」の累積発光時間は「805時間」、LED「L(1、1)b」の累積発光時間は「800時間」、LED「L(1、1)c」の累積発光時間は「840時間」、LED「L(1、1)d」の累積発光時間は「810時間」と記憶されている。
管理テーブル123における各LEDの累積発光時間は、画像表示時における所定のタイミングで更新される。
【0033】
また、管理テーブル123は、LEDバックライト9を構成する各光源LにおけるLEDの優先順位を記憶している。この優先順位は、後述する優先順位決定タイミングにおける累積発光時間が少ない順に各LEDに付与したものであり、発光させるLEDとして選択される順番を示している。
例えば、優先順位決定タイミングの時点において、光源L(m、n)について、LED「L(m、n)a」の累積発光時間が「900時間」、LED「L(m、n)b」の累積発光時間が「925時間」、LED「L(m、n)c」の累積発光時間が「930時間」、LED「L(m、n)d」の累積発光時間が「905時間」である場合、制御部12は、LED「L(m、n)a」の優先順位を1位、LED「L(m、n)b」の優先順位を3位、LED「L(m、n)c」の優先順位を4位、LED「L(m、n)d」の優先順位を2位と決定する。
【0034】
また、この優先順位は、優先順位決定タイミングにおける各LEDの累積発光時間に基づいて決定された後は、次の優先順位決定タイミングが到来するまで保持される。
ここで、優先順位決定タイミングは、例えば、前回の優先順位決定タイミングから24時間以上経過したタイミングである。制御部12は、図示しない計時部により計時される時刻データに基づいて、前回の優先順位決定タイミングから24時間以上経過したか否かを判断し、24時間以上経過したと判断すると、優先順位決定タイミングであるとして、n個×m個の光源Lの各々について、管理テーブル123に記憶された各LEDの累積発光時間に基づいて、LEDの優先順位を決定する。すなわち、各光源Lについて、LEDの優先順位が一旦決定されると、24時間以上経過するまで、この順位が更新されずに保持されることとなる。この方法によれば、1日毎に、全光源Lについて一斉にLEDの優先順位が更新されることとなる。
【0035】
管理テーブル123に記憶された上述の優先順位は、後述する決定プログラム125bの実行において、発光させるLEDを決定するための順番として用いられる。
例えば、図5の管理テーブル123の例において、最低限必要なLEDの数が「1」である場合には、光源L(1、1)に備わる4つのLEDのうち、優先順位が1位のLED「L(1、1)b」が発光させるLEDとして決定される。また、最低限必要なLEDの数が「2」である場合には、LED「L(1、1)b」に加えて、優先順位2位のLED「L(1、1)a」が発光させるLEDとして決定される。また、最低限必要なLEDの数が「3」である場合には、LED「L(1、1)b」とLED「L(1、1)a」とに加えて、優先順位3位のLED「L(1、1)d」が発光させるLEDとして決定される。さらに、最低限必要なLEDの数が「4」である場合には、光源L(1、1)に備わる4つのLED「L(1、1)a」〜LED「L(1、1)d」が全て発光させるLEDとして決定される。
【0036】
配置位置記憶部124は、縦n個×横m個の各光源Lに備わるLEDの配置位置を記憶する。図6及び図7に、配置位置記憶部124の一例を示す。
図6は、図3の配置パターンでLEDを配置した場合の配置位置を記憶する配置位置記憶部124の一例であり、光源L(1、1)に備わるLED「L(1、1)a」の配置位置は「中央部左上」、LED「L(1、1)b」の配置位置は「中央部右上」、LED「L(1、1)c」の配置位置は「中央部左下」、LED「L(1、1)d」の配置位置は「中央部右下」と記憶されている。
【0037】
また、図7は、図4の配置パターンでLEDを配置した場合の配置位置を記憶する配置位置記憶部124の一例であり、光源L(1、1)に備わるLED「L(1、1)a」の配置位置は「左上端部」、LED「L(1、1)b」の配置位置は「右上端部」、LED「L(1、1)c」の配置位置は「左下端部」、LED「L(1、1)d」の配置位置は「右下端部」と記憶されている。
なお、LEDの配置位置は、LEDバックライト9/光源Lにおける何らかの数値データにより記憶されていても良い。
【0038】
また、図示は省略するが、制御部12における所定の記憶領域には、予め設定された基準時間が記憶されている。
ここで、基準時間とは、後述する発光制御プログラムにおいて、LEDの発光輝度を高める制御を開始する基準点となる時間であり、LEDの累積発光時間が当該基準時間を超えた時点以降は、LEDがより高い輝度で発光される。
この基準時間は、例えば、LEDが耐え得ると予測される耐用発光時間を示しており、LEDの累積発光時間がこの基準時間を超えると、少なくとも耐用発光時間分は発光したものとして、その後は、LEDに流す電流値を上げて、高輝度での画像表示が行われることとなる。
なお、基準時間は、例えば、耐用発光時間(例えば、5000時間)より短い時間(例えば、4500時間)が設定されてもよい。この場合、基準時間以降、LEDを高輝度で発光することにより、耐用発光時間付近でLEDの寿命を尽きさせることができる。
【0039】
ROM125は、プログラム格納エリア内に、例えば、算出手段としての算出プログラム125a、決定手段としての決定プログラム125b、発光制御手段としての発光制御プログラム125c、補正手段としての補正プログラム125d等を備えている。
【0040】
算出プログラム125aは、例えば、CPU121に、光源L毎に、対応するサブ表示領域S内の画素の画像信号から光源Lの必要とする輝度を算出する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU121は、輝度算出部5において、1フレーム分の画像信号を分割した各サブ表示領域S内の画素の画像信号から、対応する光源Lに必要な輝度を算出する。
CPU121は、かかる算出プログラム125aを実行することにより、輝度算出部5とともに算出手段として機能する。
【0041】
決定プログラム125bは、例えば、CPU121に、光源L毎に、算出プログラム125aの実行により算出された輝度を得るために最低限必要なLEDの数を決定し、管理テーブル123に基づいて、決定した数分のLEDを、各LEDの累積発光時間の差が小さくなるように、複数のLEDのうちから決定する機能を実現させるためのプログラムである。
CPU121は、かかる決定プログラム125bを実行することにより、決定手段として機能する。
【0042】
ここで、決定プログラム125bの実行における発光させるLEDの決定処理について、より具体的に説明する。
【0043】
CPU121は、算出プログラム125aの実行により、光源L毎に必要な輝度が算出されると、その輝度を得るための最低限必要なLEDの数を決定する。
例えば、各LEDが出力可能な最大輝度が「50」である場合に、サブ表示領域S(1、1)の画像信号から、対応する光源L(1、1)の必要な輝度が「80」と算出されると、CPU121は、算出された輝度「80」と各LEDが出力可能な最大輝度(例えば、「50」)とに基づいて、輝度算出部5により算出された輝度を得るために最低限必要なLEDの数を「2」と決定する。
【0044】
次に、CPU121は、決定した数分のLED、すなわち2つのLEDを、光源Lに備わる4つのLEDの中から決定する。このとき、CPU121は、管理テーブル123に記憶された優先順位を参照して、優先順位の高いLEDから順に2つのLEDを選択して、これらを発光させるLEDとして決定する。
例えば、図5に示すように、光源L(1、1)について、LED「L(1、1)a」の優先順位が2位、LED「L(1、1)b」の優先順位が1位、LED「L(1、1)c」の優先順位が4位、LED「L(1、1)d」の優先順位が3位である場合、CPU121は、優先順位1位のLED「L(1、1)b」と、優先順位2位のLED「L(1、1)a」とを、発光させるLEDとして決定する。
【0045】
上述したように、管理テーブル123に記憶された優先順位は、所定の優先順位決定タイミングにおいて、累積発光時間が少ないLEDから順に高い順位を付与したものであるため、管理テーブル123に記憶された優先順位の高いLEDから順に発光させるLEDとして決定することにより、累積発光時間の少ないLEDを優先的に発光させることができる。すなわち、前回の優先順位決定タイミングの時点で累積発光時間が少なかったLEDほど、次の優先順位決定タイミングまでは優先的に発光させることができる。その一方で、前回の優先順位決定タイミングの時点で累積発光時間が多かったLEDほど、次の優先順位決定タイミングまではなるべく発光させずに休ませることが可能となる。
【0046】
ここで、LEDバックライト9に備わるLEDを、単純に必要な時間だけ発光させていくと、次第に各LEDの累積発光時間に片寄りが生じて、早くに寿命を迎えるLEDが生じ、その結果、LEDバックライト9全体の寿命が短くなる恐れがある。
そのため、本実施形態の液晶表示装置100では、なるべく少ない数のLEDを発光させる制御を行うことに加え、上述のように、LEDバックライト9における各LEDの累積発光時間の差が小さくなるように発光させるLEDを決定することで、各LEDの累積発光時間の片寄りを防止することとした。これにより、各LEDの寿命が平均化され、LEDバックライト9全体の長寿命化を図ることができる。
【0047】
また、優先順位決定タイミングの間隔が十分に長くない場合、優先順位が次々と更新され、累積発光時間の多いLEDを、放熱が完了するまで十分に休ませることができない可能性がある。
そのため、本実施形態の液晶表示装置100では、上述したように、優先順位決定タイミングにおいて優先順位を決定すると、24時間以上経過するまでは優先順位を更新せずに保持することとした。このように、優先順位決定の間隔を長く設定することで、累積発光時間が多いLEDの非発光時間を十分に確保することが可能となり、各LEDの寿命を延ばしてLEDバックライト9の更なる長寿命化を図ることができる。
【0048】
発光制御プログラム125cは、例えば、CPU121に、決定プログラム125bにより決定されたLEDのみを発光させる機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU121は、決定プログラム125bの実行において、光源L(1、1)について、優先順位決定タイミングにおける累積発光時間の少ないLEDから順に、LED「L(1、1)b」と、LED「L(1、1)a」とが、発光させるLEDとして決定されると、バックライト制御部10により、これら2つのLEDのみを発光させ、輝度算出部5により算出された必要な輝度で光源L(1、1)を発光させる。
このとき、CPU121は、LED「L(1、1)b」、LED「L(1、1)a」を、必要な輝度をLEDの数で等分割した同じ輝度で発光させても良い。或いは、優先順位が高いLEDを、そのLEDが出力可能な最大輝度で発光させ、必要な輝度に達しない分の輝度を、優先順位の低いLEDで補うように発光させても良い。
【0049】
また、発光制御プログラム125cは、CPU121に、管理テーブル123に記憶されたLEDの累積発光時間が、予め設定された基準時間を超えた場合に、算出プログラム125aにより算出された輝度よりも光源Lの輝度が高くなるようにLEDの発光輝度を高くする制御を行う機能を実現させるためのプログラムである。
上述したように、予め設定された基準時間(例えば、4500時間)は、LEDの発光輝度を高くする制御を開始する時点を規定しており、例えば、LEDバックライト9に備わる全LEDの累積発光時間が基準時間を超えた場合に、LEDがより高い輝度で発光される制御が開始される。これにより、LEDの累積発光時間が、予め設定された基準時間を超えた後は、高輝度での画像表示が行われることとなる。また、LEDの発光輝度を上げることにより、LEDの輝度を上げずに駆動する場合と比較して、LEDの残りの耐用発光時間が短くすることができるため、LEDの実際の耐用発光時間を予め設定された耐用発光時間に近づけることができる。
【0050】
なお、LEDの累積発光時間が基準時間を超えたか否かの判断は、全LEDの累積発光時間が基準時間を超えたとの判断でなくともよく、例えば、累積発光時間が基準時間を超えたLEDが一つでも存在する場合に、LEDの累積発光時間が基準時間を超えたと判断しても良い。また、LEDバックライト9に備わる全LEDの累積発光時間に基づく所定の統計値(例えば、平均値)が基準時間を超えた場合に、LEDの累積発光時間が基準時間を超えたと判断しても良い。
CPU121は、かかる発光制御プログラム125cを実行することにより、バックライト制御部10とともに、発光制御手段及び発光輝度制御手段として機能する。
【0051】
補正プログラム125dは、例えば、CPU121に、配置位置記憶部124に基づいて、決定プログラム125bにより決定されたLEDの配置位置を特定し、特定した配置位置に基づいて、各サブ表示領域Sにおける各画素の輝度値を、発光するLEDからの距離により生じる輝度の過不足分を補填するように補正する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU121は、上述したように、光源Lに備わる全てのLEDを発光させない場合において、発光させるLEDの配置位置に起因するサブ表示領域Sの画像の輝度ムラを補填するように、サブ表示領域S内の画素の輝度を調整する。
例えば、図4に示すように、光源L(1、1)において、4つのLEDを光源Lの端部領域に分散させるように配置した配置パターンにおいて、左上のLED「L(1、1)a」のみを発光させた場合、対応するサブ表示領域S(1、1)の画像において、左上端部の領域から離れるほど輝度が不足する。このような場合、CPU121は、補正部11に、サブ表示領域S(1、1)の画像信号に対して、左上端部の領域から離れるほど画像信号の輝度を高くする補正を行わせる。また、サブ表示領域Sの画像において目標の輝度よりも輝度が高くなる領域がある場合には、CPU121は、補正部11に、その領域における画像信号の輝度を低くする補正を行わせる。
CPU121は、かかる補正プログラム125dを実行することにより、補正手段として機能する。
【0052】
次に、図8のフローチャートを参照しながら、本実施形態の液晶表示装置100において行われる発光制御処理の流れについて説明する。なお、ここでは、互いに対応関係にある一組のサブ表示領域S及び光源Lに対する処理のみについて説明する。
【0053】
まず、CPU121は、ステップS1において、輝度算出部5により、サブ表示領域S内の画素の画像信号から、光源Lに必要な輝度を算出する。
次いで、CPU121は、ステップS2において、輝度算出部5により算出された輝度と各LEDが出力可能な最大輝度とに基づいて、光源Lにおける最低限必要なLEDの数を決定する。
次いで、CPU121は、ステップS3において、管理テーブル123を参照して、管理テーブル123に記憶された優先順位の高いLEDから順に、ステップS2において決定された数のLEDを発光させるLEDとして決定する。
次いで、CPU121は、ステップS4において、発光させるLEDが光源Lに備わる全てのLEDでない場合に、配置位置記憶部124に基づいて、発光させるLEDの配置位置を特定し、特定した配置位置に基づいて、補正部11により、サブ表示領域S内の画素の輝度値を補正する。
次いで、CPU121は、ステップS5において、液晶パネル6の走査と同期して、バックライト制御部10により、ステップS3において決定されたLEDを発光させ、各サブ表示領域S内の画素の画像信号から算出された輝度で各光源Lを発光させ、本処理を終了する。
【0054】
以上説明した本実施形態における液晶表示装置100によれば、複数のサブ表示領域Sに分割された液晶パネル6と、当該サブ表示領域Sの各々に対応する複数の光源Lから成るLEDバックライト9と、が備わり、光源Lの各々には、複数のLEDが備わり、第1記憶手段(記憶手段)(管理テーブル123)により、光源L毎に、各LEDの累積発光時間が記憶され、第2記憶手段(配置位置記憶部124)により、光源L内における各LEDの配置位置が記憶される。また、算出手段(輝度算出部5、CPU121、算出プログラム125a)により、光源L毎に、対応するサブ表示領域S内の画素の画像信号から当該光源Lの必要とする輝度が算出され、決定手段(CPU121、決定プログラム125b)により、光源L毎に、算出手段(輝度算出部5、CPU121、算出プログラム125a)により算出された輝度を得るために最低限必要なLEDの数が決定され、第1記憶手段(記憶手段)(管理テーブル123)に基づいて、決定した数分のLEDが、各LEDの累積発光時間の差が小さくなるように、複数のLEDのうちから決定され、発光制御手段(バックライト制御部10、CPU121、発光制御プログラム125c)により、決定手段(CPU121、決定プログラム125b)により決定されたLEDのみが発光され、補正手段(CPU121、補正プログラム125d)により、第2記憶手段(配置位置記憶部124)に基づいて、決定手段(CPU121、決定プログラム125b)により決定されたLEDの配置位置が特定され、特定された配置位置に基づいて、各サブ表示領域Sにおける各画素の輝度値が、発光するLEDからの距離により生じる輝度の過不足分を補填するように補正される。さらに、発光制御手段(CPU121、発光制御プログラム125c)に備わる発光輝度制御手段(バックライト制御部10、CPU121、発光制御プログラム125c)により、第1記憶手段(管理テーブル123)に記憶されたLEDの累積発光時間が、予め設定された基準時間を超えた場合に、算出手段(輝度算出部5、CPU121、算出プログラム125a)により算出された輝度よりも光源Lの輝度が高くなるように、LEDの発光輝度を高くする制御が行われる。
すなわち、LEDバックライト9を構成する各光源Lに備わる複数のLEDのうち、算出手段により算出された輝度を得るために最低限必要な数のLEDのみが発光されることとなるため、なるべく少ない数のLEDだけを発光させることができる。また、発光されるLEDは、その光源に備わる複数のLEDのうちから所定の順番で決定されたLEDであるため、各LEDの非発光時間を確保して放熱させることができる。したがって、全てのLEDを常時発光させる場合と比較して各LEDの寿命を延ばすことができ、LEDの寿命を管理することができる。
【0055】
また、発光させるLEDは、光源Lに備わる複数のLEDの累積発光時間の差が小さくなるように決定されるため、各LEDの累積発光時間を平均化することができる。したがって、LEDバックライト9を構成する各LEDの寿命を平均化して、LEDバックライト9の長寿命化を確実に図ることができる。
【0056】
また、LEDの累積発光時間が、予め設定された基準時間を超えた後は、発光制御手段によりLEDの発光輝度が予め設定された設定値よりも高められ、高輝度での画像表示が行われることとなる。さらに、LEDの発光輝度を上げることにより、LEDの輝度を上げずに駆動する場合と比較して、LEDの残りの耐用発光時間が短くして、LEDの実際の耐用発光時間を予め設定された耐用発光時間に近づけることができ、LEDの寿命をより細かく管理することができる。
【0057】
また、光源Lにおける各LEDに基づいて、対応するサブ表示領域Sの画素の輝度値が、発光するLEDからの距離による輝度の過不足分を補填するように補正されるため、LEDをどのように配置しても、発光させるLEDの配置位置に起因する画質への悪影響を防止して、適切な画像表示が可能となる。
【0058】
なお、本発明の範囲は上記実施形態に限られることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
【0059】
例えば、サブ表示領域S及び光源Lの分割数及び分割方法は任意であり、少なくとも2つ以上の領域に分割されればよく、また、等分割でなくとも良い。
また、光源Lに備わるLEDの数及び配置位置は、上記実施形態の例に限られない。
【0060】
また、上記実施形態では、優先順位決定タイミングを、前回の優先順位決定タイミングから24時間以上経過したタイミングとしたが、優先順位決定タイミングはこれに限られず、前回の優先順位決定タイミングから少なくともLEDの熱を十分に放熱させるだけの時間が経過したタイミングであれば良い。
【0061】
また、上記実施形態では、発光させるLEDの決定基準となる優先順位を、光源Lにおける各LEDの累積発光時間に基づいて決定することとしたが、累積発光時間以外に、LEDの寿命を左右する他の要因(例えば、LEDに印加した電圧値、発光間隔等)に基づいて、優先順位を決定することとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本実施形態における液晶表示装置の要部構成を例示するブロック図である。
【図2】図2(a)は、液晶パネルの表示領域を構成するサブ表示領域について説明する図であり、図2(b)は、各サブ表示領域に対応して設けられた光源について説明する図である。
【図3】本実施形態のLEDバックライトを構成する光源の一つを模式的に示す図である。
【図4】本実施形態のLEDバックライトを構成する光源の一つを模式的に示す図である。
【図5】管理テーブルの一例である。
【図6】図3の光源に対応する配置位置記憶部の一例である。
【図7】図4の光源に対応する配置位置記憶部の一例である。
【図8】本実施形態の液晶表示装置において行われる発光制御処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0063】
100 液晶表示装置
6 液晶パネル
9 LEDバックライト
10 バックライト制御部(発光制御手段)
11 補正部(補正手段)
121 CPU(算出手段、決定手段、発光制御手段、補正手段)
123 管理テーブル(第1記憶手段、記憶手段)
124 配置位置記憶部(第2記憶手段)
125a 算出プログラム(算出手段)
125b 決定プログラム(決定手段)
125c 発光制御プログラム(発光制御手段)
125d 補正プログラム(補正手段)
L(1、1)〜L(m、n) 光源
L(1、1)a〜L(m、n)d LED
S(1、1)〜S(m、n) サブ表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサブ表示領域に分割された液晶パネルと、当該サブ表示領域の各々に対応する複数の光源から成るLEDバックライトと、を備える液晶表示装置において、
前記光源の各々は、複数のLEDを備え、
前記光源毎に、対応する前記サブ表示領域内の画素の画像信号から当該光源の必要とする輝度を算出する算出手段と、
前記光源毎に、前記算出手段により算出された輝度を得るために最低限必要なLEDの数を決定し、決定した数分のLEDを、前記複数のLEDのうちから所定の順番で決定する決定手段と、
前記決定手段により決定されたLEDのみを発光させる発光制御手段と、
を備えることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記光源毎に、各LEDの累積発光時間を記憶する記憶手段を備え、
前記決定手段は、前記記憶手段に基づいて、光源毎に、各LEDの累積発光時間の差が小さくなるように、LEDを決定することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記発光制御手段は、
前記記憶手段に記憶されたLEDの累積発光時間が、予め設定された基準時間を超えた場合に、前記算出手段により算出された前記輝度よりも光源の輝度が高くなるように、LEDの発光輝度を高くする制御を行う発光輝度制御手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記光源内における各LEDの配置位置を記憶する第2記憶手段と、
前記第2記憶手段に基づいて、前記決定手段により決定されたLEDの配置位置を特定し、特定した配置位置に基づいて、各サブ表示領域における各画素の輝度値を、発光するLEDからの距離により生じる輝度の過不足分を補填するように補正する補正手段と、
を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
複数のサブ表示領域に分割された液晶パネルと、当該サブ表示領域の各々に対応する複数の光源から成るLEDバックライトと、を備える液晶表示装置において、
前記光源の各々は、複数のLEDを備え、
前記光源毎に、各LEDの累積発光時間を記憶する第1記憶手段と、
前記光源内における各LEDの配置位置を記憶する第2記憶手段と、
前記光源毎に、対応する前記サブ表示領域内の画素の画像信号から当該光源の必要とする輝度を算出する算出手段と、
前記光源毎に、前記算出手段により算出された輝度を得るために最低限必要なLEDの数を決定し、前記第1記憶手段に基づいて、決定した数分のLEDを、各LEDの累積発光時間の差が小さくなるように、前記複数のLEDのうちから決定する決定手段と、
前記決定手段により決定されたLEDのみを発光させる発光制御手段と、
前記第2記憶手段に基づいて、前記決定手段により決定されたLEDの配置位置を特定し、特定した配置位置に基づいて、各サブ表示領域における各画素の輝度値を、発光するLEDからの距離により生じる輝度の過不足分を補填するように補正する補正手段と、
を備え、
前記発光制御手段は、
前記第1記憶手段に記憶されたLEDの累積発光時間が、予め設定された基準時間を超えた場合に、前記算出手段により算出された前記輝度よりも光源の輝度が高くなるように、LEDの発光輝度を高くする制御を行う発光輝度制御手段を備えることを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−26208(P2010−26208A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−186906(P2008−186906)
【出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】