説明

液晶表示装置

【課題】液晶表示装置において正面方向は勿論のこと斜め方向から見た時も赤みを帯びることなく自然で高品位なカラー表示の実現を可能にする光拡散性光学部材を提供する。
【解決手段】本発明の光拡散性光学部材3は、反射型偏光分離フィルム40に積層一体化されて使用されるものであり、透明材料中に光拡散粒子が分散されてなり、透明材料の屈折率と光拡散粒子の屈折率の差の絶対値を「Δn」とし、光拡散粒子の累積50%粒子径を「D50」(μm)としたとき、0.01≦Δn×D50≦0.25の関係式が成立することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、正面方向は勿論のこと斜め方向から見た時も赤みを帯びることなく自然なカラー表示を実現できるVA型液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置として、一対の透明電極間に封入された液晶分子を、電圧を印加しない状態時において略垂直方向に配向させる一方、電圧を印加した状態時において略水平方向に配向させる垂直配向(Vertical Alignment)液晶セルを用いた構成のものが公知である(特許文献1参照)。この垂直配向液晶セル(VA型液晶セル)を用いた液晶表示装置は、コントラストが高く、応答速度が速いという利点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−365636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のVA型液晶表示装置は、正面方向から見た時には自然なカラー表示となるものの、斜め方向から見た時には赤みを帯びたカラー表示となるという問題があった。即ち、斜め方向から見た画像表示は赤みを帯びていて高品位なものが得られないという問題があった。
【0005】
また、一般に、光源として発光ダイオードを用いた構成では、他の種類の光源を用いた場合と比較して、斜め方向から見た時の赤みがより顕著になる傾向があることから、光源として発光ダイオードを用いた場合であっても斜め方向から見た時の赤みを十分に抑制できることが求められていた。
【0006】
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、正面方向は勿論のこと斜め方向から見た時も赤みを帯びることなく自然で高品位なカラー表示を実現できると共に高い輝度が得られる液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
【0008】
[1]第1光拡散性光学部材と、該第1光拡散性光学部材の背面側に配置された光源装置と、前記第1光拡散性光学部材の前面側に配置された液晶パネルとを備え、
前記液晶パネルは、相互に離間して配置された一対の透明電極の間に液晶が封入されてなる液晶セルを有し、前記液晶分子は、前記一対の透明電極間に電圧を印加しない状態時において、該透明電極に対して略垂直方向に配向するものであり、
前記第1光拡散性光学部材は、透明材料中に光拡散粒子が分散されてなり、
前記透明材料の屈折率と前記光拡散粒子の屈折率の差の絶対値を「Δn」とし、前記光拡散粒子の累積50%粒子径を「D50」(μm)としたとき、0.01≦Δn×D50≦0.25の関係式が成立し、
前記第1光拡散性光学部材と前記液晶パネルとの間に反射型偏光分離フィルムが配置されていることを特徴とする液晶表示装置。
【0009】
[2]前記第1光拡散性光学部材と前記光源装置との間に集光性光学部材が配置されている前項1に記載の液晶表示装置。
【0010】
[3]第1光拡散性光学部材と、該第1光拡散性光学部材の背面側に配置された光源装置と、前記第1光拡散性光学部材の前面側に配置された液晶パネルとを備え、
前記液晶パネルは、相互に離間して配置された一対の透明電極の間に液晶が封入されてなる液晶セルを有し、前記液晶分子は、前記一対の透明電極間に電圧を印加しない状態時において、該透明電極に対して略垂直方向に配向するものであり、
前記第1光拡散性光学部材は、透明材料中に光拡散粒子が分散されてなり、
前記透明材料の屈折率と前記光拡散粒子の屈折率の差の絶対値を「Δn」とし、前記光拡散粒子の累積50%粒子径を「D50」(μm)としたとき、0.01≦Δn×D50≦0.25の関係式が成立し、
前記第1光拡散性光学部材と前記光源装置との間に反射型偏光分離フィルムが配置されていることを特徴とする液晶表示装置。
【0011】
[4]前記反射型偏光分離フィルムと前記光源装置との間に集光性光学部材が配置されている前項3に記載の液晶表示装置。
【0012】
[5]前後一対の第1光拡散性光学部材と、該一対のうちの背面側の第1光拡散性光学部材の背面側に配置された光源装置と、前記一対のうちの前面側の第1光拡散性光学部材の前面側に配置された液晶パネルとを備え、
前記液晶パネルは、相互に離間して配置された一対の透明電極の間に液晶が封入されてなる液晶セルを有し、前記液晶分子は、前記一対の透明電極間に電圧を印加しない状態時において、該透明電極に対して略垂直方向に配向するものであり、
前記第1光拡散性光学部材は、透明材料中に光拡散粒子が分散されてなり、
前記透明材料の屈折率と前記光拡散粒子の屈折率の差の絶対値を「Δn」とし、前記光拡散粒子の累積50%粒子径を「D50」(μm)としたとき、0.01≦Δn×D50≦0.25の関係式が成立し、
前記前後一対の第1光拡散性光学部材の間に反射型偏光分離フィルムが配置されていることを特徴とする液晶表示装置。
【0013】
[6]前記一対の第1光拡散性光学部材のうちの背面側の第1光拡散性光学部材と、前記光源装置との間に集光性光学部材が配置されている前項5に記載の液晶表示装置。
【0014】
[7]前記集光性光学部材と前記光源装置との間に第2光拡散性光学部材が配置されていることを特徴とする前項2、4または6に記載の液晶表示装置。
【0015】
[8]前記集光性光学部材は、入射光の入射角度毎の各輝度を示す入射角−輝度曲線において輝度の極大値の1/2の大きさに相当する2点間の角度範囲の半分である半値半幅が60°以上である入射光を該集光性光学部材に入射させた時に、該集光性光学部材から出射される出射光の出射角−輝度曲線における半値半幅が、前記入射光の半値半幅よりも10°以上小さくなる集光性能を備えたものであることを特徴とする前項2、4、6または7に記載の液晶表示装置。
【0016】
[9]前記集光性光学部材は、プリズムシートからなり、
前記プリズムシートは、入射光の入射角度毎の各輝度を示す入射角−輝度曲線において輝度の極大値の1/2の大きさに相当する2点間の角度範囲の半分である半値半幅が60°以上である入射光を該プリズムシートに入射させた時に、該プリズムシートから出射される出射光の出射角−輝度曲線における半値半幅が、前記入射光の半値半幅よりも10°以上小さくなる集光性能を備えたものであることを特徴とする前項2、4、6または7に記載の液晶表示装置。
【0017】
[10]前記集光性光学部材は、光拡散シートからなり、
前記光拡散シートは、入射光の入射角度毎の各輝度を示す入射角−輝度曲線において輝度の極大値の1/2の大きさに相当する2点間の角度範囲の半分である半値半幅が60°以上である入射光を該光拡散シートに入射させた時に、該光拡散シートから出射される出射光の出射角−輝度曲線における半値半幅が、前記入射光の半値半幅よりも10°以上小さくなる集光性能を備えたものであることを特徴とする前項2、4、6または7に記載の液晶表示装置。
【0018】
[11]前記集光性光学部材は、表面賦形光拡散性光学部材からなり、
前記表面賦形光拡散性光学部材は、入射光の入射角度毎の各輝度を示す入射角−輝度曲線において輝度の極大値の1/2の大きさに相当する2点間の角度範囲の半分である半値半幅が60°以上である入射光を該表面賦形光拡散性光学部材に入射させた時に、該表面賦形光拡散性光学部材から出射される出射光の出射角−輝度曲線における半値半幅が、前記入射光の半値半幅よりも10°以上小さくなる集光性能を備えたものであることを特徴とする前項2、4、6または7に記載の液晶表示装置。
【0019】
[12]前記光源装置は、前記第1光拡散性光学部材の背面側に配置された導光板と、該導光板の少なくとも一側面の側方位置に配置された光源とを備えてなる前項1〜11のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【0020】
[13]前記光源装置は、前記第1光拡散性光学部材の背面側に配置された複数の光源を備えてなる前項1〜11のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【0021】
[14]前記光源が発光ダイオードである前項12または13に記載の液晶表示装置。
【0022】
[15]第1光拡散性光学部材に反射型偏光分離フィルムが積層一体化されてなり、
前記第1光拡散性光学部材は、透明材料中に光拡散粒子が分散されてなり、
前記透明材料の屈折率と前記光拡散粒子の屈折率の差の絶対値を「Δn」とし、前記光拡散粒子の累積50%粒子径を「D50」(μm)としたとき、0.01≦Δn×D50≦0.25の関係式が成立することを特徴とする積層光学部材。
【発明の効果】
【0023】
[1]の発明では、第1光拡散性光学部材において0.01≦Δn×D50≦0.25の関係式が成立することにより第1光拡散性光学部材を斜め方向に透過する拡散光は青みを帯びたものとなるから、この後に光がVA型の液晶パネルを斜め方向に透過することで赤みが付与される現象とで色合い(青・赤)が互いに相殺(補償)され、その結果、正面方向は勿論のこと斜め方向から見た時も赤みを帯びることなく自然で高品位なカラー表示が実現される液晶表示装置が提供される。更に、第1光拡散性光学部材と液晶パネルとの間に反射型偏光分離フィルムが配置されているから、液晶表示装置の画面の輝度を向上させることができる。
【0024】
[2]の発明では、第1光拡散性光学部材と光源装置との間に集光性光学部材が配置されているから、斜め方向から見た時の赤み抑制効果をさらに高めることができる。
【0025】
[3]の発明では、第1光拡散性光学部材において0.01≦Δn×D50≦0.25の関係式が成立することにより第1光拡散性光学部材を斜め方向に透過する拡散光は青みを帯びたものとなるから、この後に光がVA型の液晶パネルを斜め方向に透過することで赤みが付与される現象とで色合い(青・赤)が互いに相殺(補償)され、その結果、正面方向は勿論のこと斜め方向から見た時も赤みを帯びることなく自然で高品位なカラー表示が実現される液晶表示装置が提供される。更に、第1光拡散性光学部材と光源装置との間に反射型偏光分離フィルムが配置されているから、液晶表示装置の画面の輝度を向上させることができる。
【0026】
[4]の発明では、反射型偏光分離フィルムと光源装置との間に集光性光学部材が配置されているから、斜め方向から見た時の赤み抑制効果をさらに高めることができる。
【0027】
[5]の発明では、第1光拡散性光学部材において0.01≦Δn×D50≦0.25の関係式が成立することにより第1光拡散性光学部材を斜め方向に透過する拡散光は青みを帯びたものとなるから、この後に光がVA型の液晶パネルを斜め方向に透過することで赤みが付与される現象とで色合い(青・赤)が互いに相殺(補償)され、その結果、正面方向は勿論のこと斜め方向から見た時も赤みを帯びることなく自然で高品位なカラー表示が実現される液晶表示装置が提供される。更に、前後一対の第1光拡散性光学部材の間に反射型偏光分離フィルムが配置されているから、液晶表示装置の画面の輝度を向上させることができる。
【0028】
[6]の発明では、一対の第1光拡散性光学部材のうちの背面側の第1光拡散性光学部材と、光源装置との間に集光性光学部材が配置されているから、斜め方向から見た時の赤み抑制効果をさらに高めることができる。
【0029】
[7]の発明では、集光性光学部材と光源装置との間に更に第2光拡散性光学部材が配置されているから、液晶パネルの面内で明るさがより均一な画像を得ることができる。
【0030】
[8]〜[11]の発明では、集光性光学部材は、入射角−輝度曲線において半値半幅が60°以上である入射光を該集光性光学部材に入射させた時に、該集光性光学部材から出射される出射光の出射角−輝度曲線における半値半幅が、前記入射光の半値半幅よりも10°以上小さくなる集光性能を備えたものであるから、斜め方向から見た時の赤み抑制効果をより高めることができる。
【0031】
また、[10][11]の発明では、集光性光学部材は、集光機能と共に光拡散性能も備えているから、斜め方向から見た時の赤み抑制効果をより高めることができると共に、光をより拡散させることができる。
【0032】
[12]の発明では、正面方向は勿論のこと斜め方向から見た時も赤みを帯びることなく自然で高品位なカラー表示が実現される高輝度のエッジライト型液晶表示装置が提供される。
【0033】
[13]の発明では、正面方向は勿論のこと斜め方向から見た時も赤みを帯びることなく自然で高品位なカラー表示が実現される高輝度の直下型液晶表示装置が提供される。
【0034】
[14]の発明では、光源として発光ダイオードを用いているにもかかわらず、正面方向は勿論のこと斜め方向から見た時も赤みを帯びることなく自然で高品位なカラー表示が実現される。
【0035】
[15]の発明(積層光学部材)では、第1光拡散性光学部材において0.01≦Δn×D50≦0.25の関係式が成立することにより第1光拡散性光学部材を斜め方向に透過する拡散光は青みを帯びたものとなるから、この後に光がVA型の液晶パネルを斜め方向に透過することで赤みが付与される現象とで色合い(青・赤)が互いに相殺(補償)され、その結果、正面方向は勿論のこと斜め方向から見た時も赤みを帯びることなく自然で高品位なカラー表示の実現が可能となる。更に、第1光拡散性光学部材に反射型偏光分離フィルムが積層一体化されているから、該積層光学部材を用いて構成された液晶表示装置は画面が高輝度のものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る液晶表示装置の一実施形態を示す模式的側面図である。
【図2】本発明に係る液晶表示装置の他の実施形態を示す模式的側面図である。
【図3】本発明に係る液晶表示装置のさらに他の実施形態を示す模式的側面図である。
【図4】本発明に係る液晶表示装置のさらに他の実施形態を示す模式的側面図である。
【図5】本発明に係る液晶表示装置のさらに他の実施形態を示す模式的側面図である。
【図6】本発明に係る液晶表示装置のさらに他の実施形態を示す模式的側面図である。
【図7】本発明に係る液晶表示装置のさらに他の実施形態を示す模式的側面図である。
【図8】本発明に係る液晶表示装置のさらに他の実施形態を示す模式的側面図である。
【図9】本発明に係る液晶表示装置のさらに他の実施形態を示す模式的側面図である。
【図10】本発明に係る液晶表示装置のさらに他の実施形態を示す模式的側面図である。
【図11】本発明に係る液晶表示装置のさらに他の実施形態を示す模式的側面図である。
【図12】本発明に係る液晶表示装置のさらに他の実施形態を示す模式的側面図である。
【図13】本発明で用いる集光性光学部材についての入射角−輝度曲線と出射角−輝度曲線の一例を示す図である。この図13において、「M」は入射光の半値半幅を示し、「N」は出射光の半値半幅を示す。これら入射角−輝度曲線及び出射角−輝度曲線は、いずれも左右の片側だけを示したものであるが、いずれの曲線も角度0°の縦線を中心にして左右略線対称になっている。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明に係る液晶表示装置(1)の一実施形態を図1に示す。この液晶表示装置(1)は、面光源装置(9)と、該面光源装置(9)の前面側に配置された液晶パネル(30)とを備えている。前記面光源装置(9)は、第1光拡散性光学部材(3)と、該第1光拡散性光学部材(3)の背面側に配置された光源装置(50)とを備えている。
【0038】
前記液晶パネル(30)は、相互に離間して平行状に配置された上下一対の透明電極(12)(13)の間に液晶(11)が封入されてなる液晶セル(20)と、該液晶セル(20)の上下両側に配置された偏光板(14)(15)とを備えてなる。これら構成部材(11)(12)(13)(14)(15)によって画像表示部が構成されている。なお、前記透明電極(12)(13)の内面(液晶側の面)にはそれぞれ配向膜(図示しない)が積層されている。
【0039】
前記液晶(11)の分子は、前記一対の透明電極(12)(13)間に電圧を印加しない状態時においては該透明電極(12)(13)に対して略垂直方向(垂直方向を含む)に配向するものである一方、前記一対の透明電極(12)(13)間に電圧を印加した状態時においては該透明電極(12)(13)に対して略平行状(平行状を含む)に配向する(略水平方向に配向する)ものである。即ち、前記液晶セル(20)として、垂直配向(Vertical Alignment)液晶セルが用いられている。
【0040】
前記面光源装置(9)は、前記下側の偏光板(15)の下面側(背面側)に配置されている。この面光源装置(9)は、平面視矩形状で上面側(前面側)が開放された薄箱型形状のランプボックス(5)と、該ランプボックス(5)内に相互に離間して配置された複数の光源(2)と、これら複数の光源(2)の上方側(前面側)に配置された第1光拡散性光学部材(3)と、該第1光拡散性光学部材(3)と前記液晶パネル(30)との間に配置された反射型偏光分離フィルム(40)と、前記第1光拡散性光学部材(3)と前記光源(2)との間に配置された集光性光学部材(4)とを備えている。前記第1光拡散性光学部材(3)及び前記集光性光学部材(4)は、前記ランプボックス(5)に対してその開放面を塞ぐように載置されて固定されている。前記反射型偏光分離フィルム(40)は、接着剤層(41)を介して前記第1光拡散性光学部材(3)の前面に積層一体化されて、前記第1光拡散性光学部材(3)とともに積層光学部材を構成している。前記ランプボックス(5)の内面には光反射層(図示しない)が設けられている。図1の実施形態では、前記光源装置(50)は、前記第1光拡散性光学部材(3)の背面側に配置された複数の光源(2)と、ランプボックス(5)とで構成されている。
【0041】
前記実施形態では、前記第1光拡散性光学部材(3)と前記集光性光学部材(4)とが接触状態に重ね合わされた配置態様(図1参照)が採用されているが、特にこのような配置態様に限定されるものではなく、例えば前記第1光拡散性光学部材(3)と前記集光性光学部材(4)との間に僅かな空気層を介して両部材(3)(4)が互いに非接触状態で平行状に配置された構成を採用しても良い。
【0042】
前記第1光拡散性光学部材(3)は、透明材料中に光拡散粒子が分散されてなる組成物のシート、フィルム等からなる。
【0043】
また、前記第1光拡散性光学部材(3)は、次のような関係式が成立するように構成されている。即ち、前記透明材料の屈折率と前記光拡散粒子の屈折率の差の絶対値を「Δn」とし、前記光拡散粒子の累積50%粒子径を「D50」(μm)としたとき、0.01≦Δn×D50≦0.25の関係式が成立する。即ち、このような関係式を満足する透明材料および光拡散粒子により前記第1光拡散性光学部材(3)が構成されている。
【0044】
上記構成に係るVA型液晶表示装置(1)では、第1光拡散性光学部材(3)において0.01≦Δn×D50≦0.25の関係式が成立する構成であることにより、第1光拡散性光学部材(3)を斜め方向に透過する拡散光は青みを帯びたものとなるから、この後に光が液晶パネル(30)を斜め方向に透過することで赤みが付与される現象とで色合い(青・赤)が互いに相殺(補償)され、その結果、液晶パネル(30)を斜め方向から見た時に赤みを帯びることなく自然で高品位なカラー表示が実現される。加えて、第1光拡散性光学部材(3)と光源(2)との間に集光性光学部材(4)が配置されているから、斜め方向から見た時の赤み抑制効果をさらに高めることができる。また、上記構成の第1光拡散性光学部材(3)を正面方向に透過する拡散光は白色であるから、液晶パネル(30)を正面方向から見た時にも自然で高品位なカラー表示が実現される。更に、第1光拡散性光学部材(3)と液晶パネルと(30)の間に反射型偏光分離フィルム(40)が配置されているから、液晶表示装置(1)の画面の輝度を向上させることができる。
【0045】
なお、第1光拡散性光学部材においてΔn×D50<0.01または0.25<Δn×D50の関係式が成立する場合には、VA型液晶表示装置を斜め方向から見た時には赤みを帯びたカラー表示となる。
【0046】
次に、本発明に係る液晶表示装置(1)の他の実施形態を図3に示す。この実施形態では、図1の液晶表示装置において面光源装置(9)として下記構成のものが採用されている。他の構成は、前記図1の実施形態と同一である。
【0047】
即ち、図3の実施形態では、面光源装置(9)は、平面視矩形状で上面側(前面側)が開放された薄箱型形状のランプボックス(5)と、側面から入射する光を前面(7b)から出射させる導光板(7)と、該導光板(7)の一側面の側方位置に該側面に対向して配置された光源(2)と、前記導光板(7)の上方側(前面側)に配置された第1光拡散性光学部材(3)と、該第1光拡散性光学部材(3)と前記液晶パネル(30)との間に配置された反射型偏光分離フィルム(40)と、前記第1光拡散性光学部材(3)と前記導光板(7)との間に配置された集光性光学部材(4)とを備えている。前記第1光拡散性光学部材(3)及び前記集光性光学部材(4)は、前記ランプボックス(5)に対してその開放面を塞ぐように載置されて固定されている。前記反射型偏光分離フィルム(40)は、接着剤層(41)を介して前記第1光拡散性光学部材(3)の前面に積層一体化されて、該第1光拡散性光学部材(3)とともに積層光学部材を構成している。前記導光板(7)及び前記光源(2)は、前記ランプボックス(5)内に収容されている。前記ランプボックス(5)は、白色の樹脂板又は白色の樹脂フィルムで製作されている。この図3の実施形態では、前記光源装置(50)は、前記第1光拡散性光学部材(3)の背面側に配置された導光板(7)と、該導光板(7)の一側面の側方位置に配置された光源(2)と、前記ランプボックス(5)とで構成されている。
【0048】
前記導光板(7)は、該導光板(7)の側面から入射する光(光源からの光)を導光板の前面(7b)から均一に出射し得るように光を導く光学部材である。前記導光板(7)は、透明樹脂または透明樹脂組成物の板状体からなる。本実施形態では、前記導光板(7)の背面(7a)には白色インクによるドット印刷部(ドットパターン)が形成されていて、前記光源(2)から導光板(7)内にその一側面から入射した光を該ドット印刷部により反射させることによって、導光板の前面、即ち光出射面(7b)から光を均一に出射できるものとなされている。前記導光板(7)の背面(7a)には、白色インクによるドット印刷部以外のドットパターンが形成されていてもよい。例えば前記導光板(7)の背面(7a)にレーザー光による凹凸パターンが形成されていてもよい。前記導光板(7)は、前記透明樹脂中に微粒子が分散されていてもよい。
【0049】
前記第1光拡散性光学部材(3)は、透明材料中に光拡散粒子が分散されてなる組成物のシート、フィルム等からなる。
【0050】
また、前記第1光拡散性光学部材(3)は、次のような関係式が成立するように構成されている。即ち、前記透明材料の屈折率と前記光拡散粒子の屈折率の差の絶対値を「Δn」とし、前記光拡散粒子の累積50%粒子径を「D50」(μm)としたとき、0.01≦Δn×D50≦0.25の関係式が成立する。即ち、このような関係式を満足する透明材料および光拡散粒子により前記第1光拡散性光学部材(3)が構成されている。
【0051】
前記導光板(7)の前面(7b)から出射された光は、前記集光性光学部材(4)、前記第1光拡散性光学部材(3)、前記接着剤層(41)、前記反射型偏光分離フィルム(40)をこの順に透過して前記液晶パネル(30)を均一に照明する。
【0052】
なお、前記実施形態では、前記第1光拡散性光学部材(3)と前記集光性光学部材(4)とが接触状態に重ね合わされた配置態様(図3参照)が採用されているが、特にこのような配置態様に限定されるものではなく、例えば前記第1光拡散性光学部材(3)と前記集光性光学部材(4)との間に僅かな空気層を介して両部材(3)(4)が互いに非接触状態で平行状に配置された構成を採用しても良い。
【0053】
図3のVA型液晶表示装置(1)では、第1光拡散性光学部材(3)において0.01≦Δn×D50≦0.25の関係式が成立する構成であることにより、第1光拡散性光学部材(3)を斜め方向に透過する拡散光は青みを帯びたものとなるから、この後に光が液晶パネル(30)を斜め方向に透過することで赤みが付与される現象とで色合い(青・赤)が互いに相殺(補償)され、その結果、液晶パネル(30)を斜め方向から見た時に赤みを帯びることなく自然で高品位なカラー表示が実現される。加えて、第1光拡散性光学部材(3)と導光板(7)との間に集光性光学部材(4)が配置されているから、斜め方向から見た時の赤み抑制効果をさらに高めることができる。また、上記構成の第1光拡散性光学部材(3)を正面方向に透過する拡散光は白色であるから、液晶パネル(30)を正面方向から見た時にも自然で高品位なカラー表示が実現される。更に、第1光拡散性光学部材(3)と液晶パネルと(30)の間に反射型偏光分離フィルム(40)が配置されているから、液晶表示装置(1)の画面の輝度を向上させることができる。
【0054】
なお、第1光拡散性光学部材においてΔn×D50<0.01または0.25<Δn×D50の関係式が成立する場合には、VA型液晶表示装置を斜め方向から見た時には赤みを帯びたカラー表示となる。
【0055】
次に、本発明に係る液晶表示装置(1)のさらに他の実施形態を図2に示す。この実施形態では、図1の液晶表示装置において前記集光性光学部材(4)と前記光源(2)との間にさらに第2光拡散性光学部材(6)が配置された構成が採用されている。他の構成は、前記図1の実施形態と同一である。
【0056】
この図2の液晶表示装置(1)では、上述した効果(斜め方向から見た時に赤みを帯びることなく自然で高品位なカラー表示が実現される)を奏することに加えて、集光性光学部材(4)と光源(2)との間に第2光拡散性光学部材(6)が配置されているから、液晶パネル(30)の面内で明るさがより均一な画像を得ることができる。
【0057】
次に、本発明に係る液晶表示装置(1)のさらに他の実施形態を図4に示す。この実施形態では、図3の液晶表示装置において前記集光性光学部材(4)と前記導光板(7)との間にさらに第2光拡散性光学部材(6)が配置された構成が採用されている。他の構成は、前記図3の実施形態と同一である。
【0058】
この図4の液晶表示装置(1)では、上述した効果(斜め方向から見た時に赤みを帯びることなく自然で高品位なカラー表示が実現される)を奏することに加えて、集光性光学部材(4)と導光板(7)との間に第2光拡散性光学部材(6)が配置されているから、液晶パネル(30)の面内で明るさがより均一な画像を得ることができる。
【0059】
次に、本発明に係る液晶表示装置(1)のさらに他の実施形態を図5に示す。この実施形態では、図1の液晶表示装置において第1光拡散性光学部材(3)と反射型偏光分離フィルム(40)が相互に位置を入れ替えた構成が採用されている。即ち、集光性光学部材(4)の前面側に反射型偏光分離フィルム(40)が配置され、該反射型偏光分離フィルム(40)の前面に接着剤層(41)を介して第1光拡散性光学部材(3)が積層一体化されている。他の構成は、前記図1の実施形態と同一である。図5に示す構成の液晶表示装置(1)は、図1に示す構成の液晶表示装置(1)と同等の効果を奏する。
【0060】
次に、本発明に係る液晶表示装置(1)のさらに他の実施形態を図6に示す。この実施形態では、図1の液晶表示装置において反射型偏光分離フィルム(40)の前面にさらに接着剤層(42)を介して第1光拡散性光学部材(3)が積層一体化された構成が採用されている。即ち、集光性光学部材(4)の前面側に背面側第1光拡散性光学部材(3)が配置され、該背面側第1光拡散性光学部材(3)の前面に接着剤層(41)を介して反射型偏光分離フィルム(40)が積層一体化され、該反射型偏光分離フィルム(40)の前面に接着剤層(42)を介して前面側第1光拡散性光学部材(3)が積層一体化されている。他の構成は、前記図1の実施形態と同一である。図6に示す構成の液晶表示装置(1)は、図1に示す構成の液晶表示装置(1)と同等の効果を奏する。
【0061】
次に、本発明に係る液晶表示装置(1)のさらに他の実施形態を図7に示す。この実施形態では、図2の液晶表示装置において第1光拡散性光学部材(3)と反射型偏光分離フィルム(40)が相互に位置を入れ替えた構成が採用されている。即ち、集光性光学部材(4)の背面側に第2光拡散性光学部材(6)が配置され、該集光性光学部材(4)の前面側に反射型偏光分離フィルム(40)が配置され、該反射型偏光分離フィルム(40)の前面に接着剤層(41)を介して第1光拡散性光学部材(3)が積層一体化されている。他の構成は、前記図2の実施形態と同一である。図7に示す構成の液晶表示装置(1)は、図2に示す構成の液晶表示装置(1)と同等の効果を奏する。
【0062】
次に、本発明に係る液晶表示装置(1)のさらに他の実施形態を図8に示す。この実施形態では、図2の液晶表示装置において反射型偏光分離フィルム(40)の前面にさらに接着剤層(42)を介して第1光拡散性光学部材(3)が積層一体化された構成が採用されている。即ち、集光性光学部材(4)の背面側に第2光拡散性光学部材(6)が配置され、該集光性光学部材(4)の前面側に背面側第1光拡散性光学部材(3)が配置され、該背面側第1光拡散性光学部材(3)の前面に接着剤層(41)を介して反射型偏光分離フィルム(40)が積層一体化され、該反射型偏光分離フィルム(40)の前面に接着剤層(42)を介して前面側第1光拡散性光学部材(3)が積層一体化されている。他の構成は、前記図2の実施形態と同一である。図8に示す構成の液晶表示装置(1)は、図2に示す構成の液晶表示装置(1)と同等の効果を奏する。
【0063】
次に、本発明に係る液晶表示装置(1)のさらに他の実施形態を図9に示す。この実施形態では、図3の液晶表示装置において第1光拡散性光学部材(3)と反射型偏光分離フィルム(40)が相互に位置を入れ替えた構成が採用されている。即ち、集光性光学部材(4)の前面側に反射型偏光分離フィルム(40)が配置され、該反射型偏光分離フィルム(40)の前面に接着剤層(41)を介して第1光拡散性光学部材(3)が積層一体化されている。他の構成は、前記図3の実施形態と同一である。図9に示す構成の液晶表示装置(1)は、図3に示す構成の液晶表示装置(1)と同等の効果を奏する。
【0064】
次に、本発明に係る液晶表示装置(1)のさらに他の実施形態を図10に示す。この実施形態では、図3の液晶表示装置において反射型偏光分離フィルム(40)の前面にさらに接着剤層(42)を介して第1光拡散性光学部材(3)が積層一体化された構成が採用されている。即ち、集光性光学部材(4)の前面側に背面側第1光拡散性光学部材(3)が配置され、該背面側第1光拡散性光学部材(3)の前面に接着剤層(41)を介して反射型偏光分離フィルム(40)が積層一体化され、該反射型偏光分離フィルム(40)の前面に接着剤層(42)を介して前面側第1光拡散性光学部材(3)が積層一体化されている。他の構成は、前記図3の実施形態と同一である。図10に示す構成の液晶表示装置(1)は、図3に示す構成の液晶表示装置(1)と同等の効果を奏する。
【0065】
次に、本発明に係る液晶表示装置(1)のさらに他の実施形態を図11に示す。この実施形態では、図4の液晶表示装置において第1光拡散性光学部材(3)と反射型偏光分離フィルム(40)が相互に位置を入れ替えた構成が採用されている。即ち、集光性光学部材(4)の背面側に第2光拡散性光学部材(6)が配置され、該集光性光学部材(4)の前面側に反射型偏光分離フィルム(40)が配置され、該反射型偏光分離フィルム(40)の前面に接着剤層(41)を介して第1光拡散性光学部材(3)が積層一体化されている。他の構成は、前記図4の実施形態と同一である。図11に示す構成の液晶表示装置(1)は、図4に示す構成の液晶表示装置(1)と同等の効果を奏する。
【0066】
次に、本発明に係る液晶表示装置(1)のさらに他の実施形態を図12に示す。この実施形態では、図4の液晶表示装置において反射型偏光分離フィルム(40)の前面にさらに接着剤層(42)を介して第1光拡散性光学部材(3)が積層一体化された構成が採用されている。即ち、集光性光学部材(4)の背面側に第2光拡散性光学部材(6)が配置され、該集光性光学部材(4)の前面側に背面側第1光拡散性光学部材(3)が配置され、該背面側第1光拡散性光学部材(3)の前面に接着剤層(41)を介して反射型偏光分離フィルム(40)が積層一体化され、該反射型偏光分離フィルム(40)の前面に接着剤層(42)を介して前面側第1光拡散性光学部材(3)が積層一体化されている。他の構成は、前記図4の実施形態と同一である。図12に示す構成の液晶表示装置(1)は、図4に示す構成の液晶表示装置(1)と同等の効果を奏する。
【0067】
なお、図2、4、7、8、11、12では、前記集光性光学部材(4)と前記第2光拡散性光学部材(6)とが接触状態に重ね合わされた配置態様が採用されているが、特にこのような配置態様に限定されるものではなく、例えば前記集光性光学部材(4)と前記第2光拡散性光学部材(6)との間に僅かな空気層を介して両部材(4)(6)が互いに非接触状態で平行状に配置された構成を採用しても良い。
【0068】
本発明において、前記導光板(7)としては、厚さ1〜30mmの平面視矩形状の導光板が好ましく用いられる。中でも、前記導光板(7)の厚さは1〜10mmであるのが特に好ましい。前記導光板(7)の側面は、研磨処理等により平滑面に形成されているのが好ましい。また、前記導光板(7)としては、通常、屈折率1.4〜1.7の導光板が用いられる。このような屈折率を有する導光板材料としては、特に限定されるものではないが、例えばアクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート等の無色透明の樹脂等を例示できる。例えば、アクリル樹脂の一例であるPMMA(ポリメチルメタアクリレート)の屈折率は1.49である。
【0069】
前記第1光拡散性光学部材(3)としては、透明材料中に光拡散粒子が分散されてなる組成物のシート、フィルム等であれば特に限定されずどのようなものでも使用できる。前記第1光拡散性光学部材(3)の厚さは、特に限定されないが、通常は0.05〜15mmであり、好ましくは0.05〜3mmであり、より好ましくは0.05〜1mmである。特に0.2mm以下に設定されるのが好ましい。
【0070】
前記第1光拡散性光学部材(3)を構成する透明材料としては、特に限定されるものではないが、例えばガラス、透明樹脂等が挙げられる。前記透明樹脂としては、例えばポリカーボネート樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体樹脂)、メタクリル樹脂、MS樹脂(メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂)、ポリスチレン樹脂、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂)、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン樹脂等)などが挙げられる。
【0071】
前記第1光拡散性光学部材(3)を構成する光拡散粒子(光拡散剤)としては、該第1光拡散性光学部材(3)を構成する透明材料と屈折率が相違する粒子であって透過光を拡散し得るものであれば特に限定されずどのようなものでも使用できる。例えば、ガラスビーズ、シリカ粒子、水酸化アルミニウム粒子、炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、酸化チタン粒子、タルク等の無機粒子や、スチレン系重合体粒子、アクリル系重合体粒子、シロキサン系重合体粒子等の樹脂粒子などが挙げられる。
【0072】
前記光拡散粒子の添加量は、前記透明材料100質量部に対して0.01〜20質量部、さらには0.03〜10質量部、特には5質量部以下の範囲に設定されるのが好ましい。0.01質量部以上とすることで十分な光拡散機能を確保できると共に20質量部以下であることで第1光拡散性光学部材を斜め方向に透過する拡散光の青みの程度が不十分になるのを防止できる。
【0073】
前記光拡散粒子の累積50%粒子径(D50)は、通常10μm以下であり、好ましくは0.3〜8μmである。
【0074】
前記透明材料の屈折率と前記光拡散粒子の屈折率の差の絶対値Δnは、通常0.01〜0.20に設定されるが、好適な範囲は0.02〜0.18である。
【0075】
前記第1光拡散性光学部材(3)には、例えば紫外線吸収剤、熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、光安定剤、蛍光増白剤、加工安定剤等の各種添加剤を添加含有せしめても良い。また、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、前記特定の関係式を満足する光拡散粒子以外の他の光拡散粒子を添加することもできる。
【0076】
また、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、前記第1光拡散性光学部材(3)の表面にコーティング層を形成しても良い。前記コーティング層の厚さは、前記第1光拡散性光学部材(3)の厚さの20%以下に設定されるのが好ましく、特に好ましいのは前記第1光拡散性光学部材(3)の厚さの10%以下である。
【0077】
前記第1光拡散性光学部材(3)の製造方法としては、樹脂板の成形方法として公知の成形法を用いることができ、特に限定されないが、例えば熱プレス法、溶融押出法、射出成形法等が挙げられる。
【0078】
前記反射型偏光分離フィルム(40)は、ある種の偏光光を透過し、それと逆の性質を有する偏光光を反射する性質を有するものである。具体的には、特定振動方向の直線偏光光を透過し、それと直交する振動方向の直線偏光光を反射する反射型直線偏光分離フィルムや、ある回転方向の円偏光を透過し、それと逆の方向に回転する円偏光を反射する反射型円偏光分離フィルムがある。前記反射型直線偏光分離フィルムの市販品としては、例えばスリーエム社製の「DBEF(Dual Brightness Enhancement Film)」、日東電工社製の「NIPOX」等が挙げられる。
【0079】
前記反射型偏光分離フィルム(40)の厚さは、通常、0.02〜5mmであり、好ましくは0.02〜2mmである。
【0080】
前記反射型偏光分離フィルム(40)は、接着剤層(41)(42)を介して前記第1光拡散性光学部材(3)の前面又は背面に積層一体化されているのが好ましい(図1〜12参照)。このような構成を採用した場合には、第1光拡散性光学部材(3)や反射型偏光分離フィルム(40)の傷付き(互いの擦れ合い等による傷付き)を防止できる。
【0081】
前記接着剤層(41)(42)を形成する材料としては、特に限定されるものではないが、例えばアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等の粘着剤のほか、該粘着剤以外のその他の接着剤等が挙げられる。これらの中でも、無色透明の粘着剤を用いるのが、より高品質の表示画像を形成できる点で、好ましい。また、前記接着剤としては、感圧型接着剤が好適に用いられる。
【0082】
前記接着剤層(41)(42)の厚さは、1〜30μmの範囲に設定されるのが好ましい。1μm以上であることで十分な貼合強度を確保することができる。前記接着剤層(41)(42)は、前記反射型偏光分離フィルム(40)の背面の略全面に又は前面の略全面に隙間なく積層されているのが好ましい。
【0083】
前記集光性光学部材(4)としては、前記直下型液晶表示装置(図1、2、5〜8)を構成する場合には、光源(2)からの入射光を正面方向に集める集光機能を備えた部材であれば特に限定されずどのようなものでも使用でき、前記エッジライト型液晶表示装置(図3、4、9〜12)を構成する場合には、前記導光板(7)の前面(7b)からの入射光を正面方向に集める集光機能を備えた部材であれば特に限定されずどのようなものでも使用できる。例えば、入射光を正面方向に集める集光機能を備えたプリズムシート(フィルムを含む)、入射光を正面方向に集める集光機能を備えた光拡散シート(フィルムを含む)、入射光を正面方向に集める集光機能を備えた表面賦形光拡散性光学部材等が挙げられる。
【0084】
中でも、前記集光性光学部材(4)としては、次のような集光性能を備えたものを用いるのが好ましい。即ち、入射光の入射角度毎の各輝度を示す入射角−輝度曲線(横軸:入射角、縦軸:輝度)において輝度の極大値の1/2の大きさに相当する2点間の角度範囲の半分である半値半幅(M)が60°以上である入射光を該集光性光学部材に入射させた時に、該集光性光学部材から出射される出射光の出射角−輝度曲線(横軸:出射角、縦軸:輝度)における半値半幅(N)が、前記入射光の半値半幅よりも10°以上小さくなる集光性能(以下、「特定の集光性能」という場合がある)を備えた集光性光学部材を用いるのが好ましい(図13参照)。例えば、前記特定の集光性能を有したプリズムシート(フィルムを含む)、前記特定の集光性能を有した光拡散シート(フィルムを含む)、前記特定の集光性能を有した表面賦形光拡散性光学部材等が挙げられる。
【0085】
さらに、前記集光性光学部材(4)としては、入射光の入射角度毎の各輝度を示す入射角−輝度曲線において輝度の極大値の1/2の大きさに相当する2点間の角度範囲の半分である半値半幅(M)が60°以上である入射光を該集光性光学部材に入射させた時に、該集光性光学部材から出射される出射光の出射角−輝度曲線における半値半幅(N)が、前記入射光の半値半幅(M)よりも15°以上小さくなる集光性能を備えたものであるのが特に好ましい。
【0086】
なお、前記入射角−輝度曲線において、入射角度「0°」は、集光性光学部材(4)の表面(背面)に対して垂直な方向である。また、前記出射角−輝度曲線において、出射角度「0°」は、集光性光学部材(4)の表面(前面)に対して垂直な方向である(図13参照)。
【0087】
前記プリズムシート(フィルムを含む)(4)は、通常、透明樹脂材料からなるものであり、特に限定されるものではないが、例えば微細なプリズムレンズや、微細な凸レンズ、レンチキュラーレンズ等の微細な集光性レンズが片面の全面にわたって設けられたシート(フィルムを含む)等を例示できる。
【0088】
前記プリズムシート(フィルムを含む)(4)としては、例えばポリカーボネート樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂などの熱可塑性樹脂を基材とするものが用いられる。前記プリズムフィルム(4)の市販品としては、特に限定されるものではないが、例えば住友スリーエム社製「BEF(Brightness Enhancement Film)」(商品名)(厚さ125μmのポリエステルフィルム上に厚さ30μmのアクリル系樹脂層が形成され、このアクリル系樹脂層の表面に、深さが25μm、溝底部の開き角度が90度のV溝がピッチ間隔50μmで形成されたもの)、積水フィルム社製「エスティナ」(商品名)、GEプラスチックス社製「イルミネックスADFフィルム」(商品名)等が挙げられる。
【0089】
前記光拡散シート(フィルムを含む)(4)としては、特に限定されるものではないが、例えば透明材料中に光拡散粒子が分散されてなる光拡散シート(フィルムを含む)、透明材料からなる基材シートの表面に光拡散粒子をバインダーと共に塗布した光拡散シート(フィルムを含む)等が挙げられる。
【0090】
前記光拡散シート(フィルムを含む)(4)を構成する透明材料としては、特に限定されるものではないが、例えば無機ガラス、透明樹脂等が用いられる。前記透明樹脂としては、成形が容易である点で、透明な熱可塑性樹脂が好ましい。前記透明な熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えばポリカーボネート樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂等のポリオレフィン樹脂などが挙げられる。
【0091】
前記光拡散シート(フィルムを含む)(4)を構成する光拡散粒子としては、前記透明材料に対して非相溶性で、該透明材料とは異なる屈折率を示し、該光拡散シート(4)を透過する透過光を拡散させる機能を有する粒子(粉末を含む)であれば特に限定されず、例えば無機材料からなる無機粒子であっても良いし、有機材料からなる有機粒子であっても良い。前記無機粒子を構成する無機材料としては、特に限定されるものではないが、例えばシリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、無機ガラス、マイカ、タルク、ホワイトカーボン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等が挙げられる。前記有機粒子を構成する有機材料としては、特に限定されるものではないが、例えばメタクリル系架橋樹脂、メタクリル系高分子量樹脂、スチレン系架橋樹脂、スチレン系高分子量樹脂、シロキサン系重合体等が挙げられる。前記光拡散剤として使用される無機粒子、有機粒子の粒子径は、通常0.1〜50μmである。前記光拡散粒子の使用量は、目的とする透過光の拡散の程度により異なるが、透明樹脂100質量部に対して、通常は0.01〜20質量部、好ましくは0.1〜10質量部である。
【0092】
前記表面賦形光拡散性光学部材(4)としては、特に限定されるものではないが、例えば、樹脂シート(フィルムを含む)の表面に断面形状が半円形状の半円凸部または断面形状が略楕円形状の略楕円凸部が多数個突設形成されてなるもの、樹脂シート(フィルムを含む)の表面に断面形状が三角形の三角凸条が複数個相互に平行状に一方向に沿って設けられたもの(1次元タイプ)、樹脂シート(フィルムを含む)の表面に断面形状が三角形の三角凸条が異なる二方向(例えば互いに直交する二方向)に沿って設けられたもの(2次元タイプ)等が挙げられる。
【0093】
前記集光性光学部材(4)の厚さは、通常、0.02〜5mmであり、好ましくは0.02〜2mm、さらに好ましくは0.05mm〜1mmである。
【0094】
前記第2光拡散性光学部材(6)としては、特に限定されるものではないが、例えば、透明材料中に光拡散粒子が分散されてなる光拡散シート(フィルムを含む)等が挙げられる。
【0095】
前記光拡散シート(フィルムを含む)(6)を構成する透明材料としては、特に限定されるものではないが、例えば無機ガラス、透明樹脂等が用いられる。前記透明樹脂としては、成形が容易である点で、透明な熱可塑性樹脂が好ましい。前記透明な熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えばポリカーボネート樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、環状ポリオレフィン等のポリオレフィン樹脂などが挙げられる。
【0096】
前記光拡散シート(フィルムを含む)(6)を構成する光拡散粒子としては、前記透明材料に対して非相溶性で、該透明材料とは異なる屈折率を示し、該光拡散シート(6)を透過する透過光を拡散させる機能を有する粒子(粉末を含む)であれば特に限定されず、例えば無機材料からなる無機粒子であっても良いし、有機材料からなる有機粒子であっても良い。前記無機粒子を構成する無機材料としては、特に限定されるものではないが、例えばシリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、無機ガラス、マイカ、タルク、ホワイトカーボン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等が挙げられる。前記有機粒子を構成する有機材料としては、特に限定されるものではないが、例えばメタクリル系架橋樹脂、メタクリル系高分子量樹脂、スチレン系架橋樹脂、スチレン系高分子量樹脂、シロキサン系重合体等が挙げられる。前記光拡散剤として使用される無機粒子、有機粒子の粒子径は、通常0.1〜50μmである。前記光拡散粒子の使用量は、目的とする透過光の拡散の程度により異なるが、透明樹脂100質量部に対して、通常は0.01〜20質量部、好ましくは0.1〜10質量部である。
【0097】
前記光源(2)としては、特に限定されないが、例えば、赤色光(R)、緑色光(G)及び青色光(B)を含む光源が挙げられ、具体的には、例えば蛍光管、ハロゲンランプ、タングステンランプ、赤色光、緑色光及び青色光を発光するRGBタイプの発光ダイオード等が挙げられる。
【0098】
前記直下型液晶表示装置(図1、2、5〜8)において、隣り合う光源(2)(2)同士の間隔(L)は、省電力化の観点から、10mm以上に設定されるのが好ましく、また前記集光性光学部材(4)と前記光源(2)との距離(D)は、薄型化の観点から、50mm以下に設定されるのが好ましい。また、D:Lは1:5〜5:1であるのが好ましい。中でも、前記隣り合う光源(2)(2)同士の間隔(L)は、10〜100mmに設定されるのがより好ましい。また、前記集光性光学部材(4)と前記光源(2)との距離(D)は、10〜50mmに設定されるのが特に好ましい(図1、2、5〜8参照)。
【0099】
前記エッジライト型液晶表示装置(図3、4、9〜12)において、前記光源(2)は、直管型である場合には、前記導光板(7)の側面に沿って平行状に配置される。前記光源(2)と前記導光板(7)の側面との距離(d)は、通常、1mm〜15mmに設定され、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下である(図3、4、9〜12参照)。
【0100】
前記エッジライト型液晶表示装置(図3、4、9〜12)において、前記光源(2)として直管型の光源を用いる場合、この直管型光源の外径(t)は、面光源装置(9)の小型化を図る観点から、8mm以下であるのが好ましく、さらには4mm以下であるのが特に好ましい(図3、4、9〜12参照)。また、前記直管型光源の外径(t)は、機械的強度確保、長寿命化の観点から、1mm以上であるのが好ましい(図3、4、9〜12参照)。
【0101】
前記エッジライト型液晶表示装置(図3、4、9〜12)において、前記光源(2)として、発光ダイオード、ハロゲンランプ、タングステンランプ等の点光源を用いる場合には、複数の光源が並べて用いられ、この時、隣り合う光源(2)(2)同士の間隔は、通常、1〜25mmに設定され、省電力化の観点から10mm以下に設定されるのが好ましい。
【0102】
前記透明電極(12)(13)としては、特に限定されるものではないが、例えばITO(酸化インジウム・スズ)等が挙げられる。
【0103】
なお、上記実施形態(図3、4、9〜12)に係るエッジライト型液晶表示装置(1)では、導光板(7)の4つの側面のうち一側面側のみに光源(2)が配置された構成が採用されていたが、特にこのような構成に限定されるものではなく、例えば、導光板(7)における対向する一対の側面にそれぞれ光源(2)が配置された構成を採用してもよいし、導光板(7)における4つの側面の全てに光源(2)がそれぞれ配置された構成を採用してもよい。
【0104】
本発明に係る液晶表示装置(1)は、上記実施形態のものに特に限定されるものではなく、請求の範囲内であれば、その精神を逸脱するものでない限りいかなる設計的変更をも許容するものである。
【実施例】
【0105】
次に、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれら実施例のものに特に限定されるものではない。なお、以下で用いる光拡散粒子の累積50%粒子径の数値は、下記測定方法により求められた値である。
【0106】
<光拡散粒子の累積50%粒子径の測定方法>
光拡散粒子の累積50%粒子径(D50)は、日機装株式会社製マイクロトラック粒度分析計(モデル9220FRA)を用いてレーザー光源前方散乱光のフラウンホーファ回折法により測定した。測定に際しては、0.1g程度の光拡散粒子をメタノール中に分散させて分散液を得、この分散液に超音波を5分間照射した後、該分散液を前記マイクロトラック粒度分析計のサンプル投入口に投入して測定を行った。なお、累積50%粒子径(D50)は、全粒子の粒子径及び体積を測定し、小さい粒子径のものから順次体積を積算し、該積算体積が全粒子の合計体積に対して50%となる粒子の粒子径である。
【0107】
<実施例1>
ポリスチレン樹脂100質量部、シリコーン樹脂粒子(信越化学工業株式会社製の「XC99−A8808」)(光拡散粒子)2.4質量部をヘンシェルミキサーで混合した後、押出機で溶融混練して押出すことによって、厚さ0.1mmのシートからなる第1光拡散性光学部材(3)を製作する。前記ポリスチレン樹脂の屈折率は1.59であり、前記シリコーン樹脂粒子の屈折率は1.43であり、両者の屈折率差の絶対値(Δn)は0.16である。また、前記シリコーン樹脂粒子の累積50%粒子径(D50)は0.6(μm)である。
【0108】
次に、この第1光拡散性光学部材(3)を用いて前述した図1に示す構成のVA型液晶表示装置(1)を製作する。なお、光源(2)として、R(赤色光)、G(緑色光)、B(青色光)を含む白色光を発光する直管型蛍光管を用いる。スリーエム社製の「DBEF−M」(厚さ242μm)からなる反射型偏光分離フィルム(40)を、両面にアクリル系粘着剤が付与された粘着シート(41)を介して第1光拡散性光学部材(3)の前面に積層一体化する。また、集光性光学部材(4)として、プリズム三角形の頂角が90°、隣り合うプリズムのピッチ間隔が48μm、厚さが230μmのプリズムフィルムAを用いる。このプリズムフィルムAは、前述した特定の集光性能を有する(即ち入射光の入射角度毎の各輝度を示す入射角−輝度曲線において輝度の極大値の1/2の大きさに相当する2点間の角度範囲の半分である半値半幅が67°である入射光を該プリズムフィルムに入射させた時に、該プリズムフィルムから出射される出射光の出射角−輝度曲線における半値半幅は48°である)。
【0109】
実施例1のVA型液晶表示装置において光源を点灯した状態でパターンジェネレーターにより液晶パネルを白表示状態にすると、正面方向は勿論のこと斜め方向から見た時も赤みを帯びることなく自然な高輝度白画面表示を見ることができる。
【0110】
<実施例2>
実施例1と同じ第1光拡散性光学部材(3)を用いて前述した図2に示す構成のVA型液晶表示装置(1)を製作する。なお、光源(2)として、R、G、Bを含む白色光を発光する直管型蛍光管を用いる。スリーエム社製の「DBEF−M」(厚さ242μm)からなる反射型偏光分離フィルム(40)を、両面にアクリル系粘着剤が付与された粘着シート(41)を介して第1光拡散性光学部材(3)の前面に積層一体化する。また、集光性光学部材(4)として、プリズム三角形の頂角が90°、隣り合うプリズムのピッチ間隔が48μm、厚さが230μmのプリズムフィルムAを用い、第2光拡散性光学部材(6)として住友化学社製「スミペックスE RM802S」(商品名)を用いる。
【0111】
実施例2のVA型液晶表示装置において光源を点灯した状態でパターンジェネレーターにより液晶パネルを白表示状態にすると、正面方向は勿論のこと斜め方向から見た時も赤みを帯びることなく自然な高輝度白画面表示を見ることができる。
【0112】
<実施例3>
実施例1と同じ第1光拡散性光学部材(3)を用いて前述した図3に示す構成のVA型液晶表示装置(1)を製作する。なお、光源(2)として、R、G、Bを含む白色光を発光する直管型蛍光管を用いる。導光板(7)として透明な熱可塑性樹脂からなる導光板を用いる。スリーエム社製の「DBEF−M」(厚さ242μm)からなる反射型偏光分離フィルム(40)を、両面にアクリル系粘着剤が付与された粘着シート(41)を介して第1光拡散性光学部材(3)の前面に積層一体化する。また、集光性光学部材(4)として、プリズム三角形の頂角が90°、隣り合うプリズムのピッチ間隔が48μm、厚さが230μmのプリズムフィルムAを用いる。
【0113】
実施例3のVA型液晶表示装置において光源を点灯した状態でパターンジェネレーターにより液晶パネルを白表示状態にすると、正面方向は勿論のこと斜め方向から見た時も赤みを帯びることなく自然な高輝度白画面表示を見ることができる。
【0114】
<実施例4>
実施例1と同じ第1光拡散性光学部材(3)を用いて前述した図4に示す構成のVA型液晶表示装置(1)を製作する。なお、光源(2)として、R、G、Bを含む白色光を発光する直管型蛍光管を用いる。導光板(7)として透明な熱可塑性樹脂からなる導光板を用いる。スリーエム社製の「DBEF−M」(厚さ242μm)からなる反射型偏光分離フィルム(40)を、両面にアクリル系粘着剤が付与された粘着シート(41)を介して第1光拡散性光学部材(3)の前面に積層一体化する。また、集光性光学部材(4)として、プリズム三角形の頂角が90°、隣り合うプリズムのピッチ間隔が48μm、厚さが230μmのプリズムフィルムAを用い、第2光拡散性光学部材(6)として住友化学社製「スミペックスE RM802S」(商品名)を用いる。
【0115】
実施例4のVA型液晶表示装置において光源を点灯した状態でパターンジェネレーターにより液晶パネルを白表示状態にすると、正面方向は勿論のこと斜め方向から見た時も赤みを帯びることなく自然な高輝度白画面表示を見ることができる。
【0116】
<実施例5>
ポリカーボネート樹脂100質量部、アクリル樹脂粒子(光拡散粒子)2.5質量部をヘンシェルミキサーで混合した後、押出機で溶融混練して押出すことによって、厚さ0.1mmのシートからなる第1光拡散性光学部材(3)を製作する。前記ポリカーボネート樹脂の屈折率は1.59であり、前記アクリル樹脂粒子の屈折率は1.49であり、両者の屈折率差の絶対値(Δn)は0.10である。また、前記アクリル樹脂粒子の累積50%粒子径(D50)は0.9(μm)である。
【0117】
次に、この第1光拡散性光学部材(3)を用いて前述した図2に示す構成のVA型液晶表示装置(1)を製作する。なお、光源(2)、反射型偏光分離フィルム(40)、粘着シート(41)、集光性光学部材(4)および第2光拡散性光学部材(6)は、実施例2と同じものを用いる。
【0118】
実施例5のVA型液晶表示装置において光源を点灯した状態でパターンジェネレーターにより液晶パネルを白表示状態にすると、正面方向は勿論のこと斜め方向から見た時も赤みを帯びることなく自然な高輝度白画面表示を見ることができる。
【0119】
<実施例6>
ポリカーボネート樹脂100質量部、アクリル樹脂粒子(光拡散粒子)5.0質量部をヘンシェルミキサーで混合した後、押出機で溶融混練して押出すことによって、厚さ0.1mmのシートからなる第1光拡散性光学部材(3)を製作する。前記ポリカーボネート樹脂の屈折率は1.59であり、前記アクリル樹脂粒子の屈折率は1.49であり、両者の屈折率差の絶対値(Δn)は0.10である。また、前記アクリル樹脂粒子の累積50%粒子径(D50)は0.9(μm)である。
【0120】
次に、この第1光拡散性光学部材(3)を用いて前述した図4に示す構成のVA型液晶表示装置(1)を製作する。なお、光源(2)、反射型偏光分離フィルム(40)、粘着シート(41)、集光性光学部材(4)、第2光拡散性光学部材(6)および導光板(7)は、実施例4と同じものを用いる。
【0121】
実施例6のVA型液晶表示装置において光源を点灯した状態でパターンジェネレーターにより液晶パネルを白表示状態にすると、正面方向は勿論のこと斜め方向から見た時も赤みを帯びることなく自然な高輝度白画面表示を見ることができる。
【0122】
<実施例7>
ポリカーボネート樹脂100質量部、アクリル樹脂粒子(光拡散粒子)5.6質量部をヘンシェルミキサーで混合した後、押出機で溶融混練して押出すことによって、厚さ0.1mmのシートからなる第1光拡散性光学部材(3)を製作した。前記ポリカーボネート樹脂の屈折率は1.59であり、前記アクリル樹脂粒子の屈折率は1.49であり、両者の屈折率差の絶対値(Δn)は0.10である。また、前記アクリル樹脂粒子の累積50%粒子径(D50)は0.9(μm)である。
【0123】
次に、この第1光拡散性光学部材(3)を用いて前述した図4に示す構成のVA型液晶表示装置(1)を製作する。なお、光源(2)、反射型偏光分離フィルム(40)、粘着シート(41)、集光性光学部材(4)、第2光拡散性光学部材(6)および導光板(7)は、実施例4と同じものを用いる。
【0124】
実施例7のVA型液晶表示装置において光源を点灯した状態でパターンジェネレーターにより液晶パネルを白表示状態にすると、正面方向は勿論のこと斜め方向から見た時も赤みを帯びることなく自然な高輝度白画面表示を見ることができる。
【0125】
<実施例8>
ポリカーボネート樹脂100質量部、アクリル樹脂粒子(積水化成品工業株式会社製「テクポリマーMBX−2」(光拡散粒子)0.5質量部をヘンシェルミキサーで混合した後、押出機で溶融混練して押出すことによって、厚さ0.1mmのシートからなる第1光拡散性光学部材(3)を製作した。前記ポリカーボネート樹脂の屈折率は1.59であり、前記アクリル樹脂粒子の屈折率は1.49であり、両者の屈折率差の絶対値(Δn)は0.10である。また、前記アクリル樹脂粒子の累積50%粒子径(D50)は2.4(μm)である。
【0126】
次に、この第1光拡散性光学部材(3)を用いて前述した図4に示す構成のVA型液晶表示装置(1)を製作する。なお、光源(2)、反射型偏光分離フィルム(40)、粘着シート(41)、集光性光学部材(4)、第2光拡散性光学部材(6)および導光板(7)は、実施例4と同じものを用いる。
【0127】
実施例8のVA型液晶表示装置において光源を点灯した状態でパターンジェネレーターにより液晶パネルを白表示状態にすると、正面方向は勿論のこと斜め方向から見た時も赤みを帯びることなく自然な高輝度白画面表示を見ることができる。
【0128】
<実施例9>
ポリカーボネート樹脂100質量部、MS樹脂粒子(メタクリル酸メチル−スチレン共重合体粒子)(光拡散粒子)5.0質量部をヘンシェルミキサーで混合した後、押出機で溶融混練して押出すことによって、厚さ0.1mmのシートからなる第1光拡散性光学部材(3)を製作した。前記ポリカーボネート樹脂の屈折率は1.59であり、前記MS樹脂粒子の屈折率は1.54であり、両者の屈折率差の絶対値(Δn)は0.05であった。また、前記MS樹脂粒子の累積50%粒子径(D50)は1.6(μm)であった。
【0129】
次に、この第1光拡散性光学部材(3)を用いて前述した図2に示す構成のVA型液晶表示装置(1)を製作する。なお、光源(2)、反射型偏光分離フィルム(40)、粘着シート(41)、集光性光学部材(4)および第2光拡散性光学部材(6)は、実施例2と同じものを用いる。
【0130】
実施例9のVA型液晶表示装置において光源を点灯した状態でパターンジェネレーターにより液晶パネルを白表示状態にすると、正面方向は勿論のこと斜め方向から見た時も赤みを帯びることなく自然な高輝度白画面表示を見ることができる。
【0131】
<実施例10>
ポリカーボネート樹脂100質量部、MS樹脂粒子(メタクリル酸メチル−スチレン共重合体粒子)(光拡散粒子)12.0質量部をヘンシェルミキサーで混合した後、押出機で溶融混練して押出すことによって、厚さ0.1mmのシートからなる第1光拡散性光学部材(3)を製作する。前記ポリカーボネート樹脂の屈折率は1.59であり、前記MS樹脂粒子の屈折率は1.54であり、両者の屈折率差の絶対値(Δn)は0.05である。また、前記MS樹脂粒子の累積50%粒子径(D50)は1.6(μm)である。
【0132】
次に、この第1光拡散性光学部材(3)を用いて前述した図4に示す構成のVA型液晶表示装置(1)を製作する。なお、光源(2)、反射型偏光分離フィルム(40)、粘着シート(41)、集光性光学部材(4)、第2光拡散性光学部材(6)および導光板(7)は、実施例4と同じものを用いる。
【0133】
実施例10のVA型液晶表示装置において光源を点灯した状態でパターンジェネレーターにより液晶パネルを白表示状態にすると、正面方向は勿論のこと斜め方向から見た時も赤みを帯びることなく自然な高輝度白画面表示を見ることができる。
【0134】
<実施例11>
実施例1のVA型液晶表示装置において集光性光学部材(4)を配置しない(削除した)構成とする以外は、実施例1と同様にしてVA型液晶表示装置を製作する。
【0135】
実施例11のVA型液晶表示装置において光源を点灯した状態でパターンジェネレーターにより液晶パネルを白表示状態にすると、正面方向は赤みを帯びることなく自然な高輝度白画面表示を見ることができ、斜め方向から見た時は赤みの少ない自然な高輝度白画面表示となる。
【0136】
<実施例12>
実施例3のVA型液晶表示装置において集光性光学部材(4)を配置しない(削除した)構成とする以外は、実施例3と同様にしてVA型液晶表示装置を製作する。
【0137】
実施例12のVA型液晶表示装置において光源を点灯した状態でパターンジェネレーターにより液晶パネルを白表示状態にすると、正面方向は赤みを帯びることなく自然な高輝度白画面表示を見ることができ、斜め方向から見た時は赤みの少ない自然な高輝度白画面表示となる。
【0138】
<比較例1>
ポリスチレン樹脂100質量部、シリコーン樹脂粒子(東芝シリコーン株式会社製の「トスパール120」)(光拡散粒子)6.0質量部をヘンシェルミキサーで混合した後、押出機で溶融混練して押出すことによって、厚さ0.1mmのシートからなる第1光拡散性光学部材(3)を製作する。前記ポリスチレン樹脂の屈折率は1.59であり、前記シリコーン樹脂粒子の屈折率は1.43であり、両者の屈折率差の絶対値(Δn)は0.16である。また、前記シリコーン樹脂粒子の累積50%粒子径(D50)は1.7(μm)である。
【0139】
次に、この第1光拡散性光学部材(3)を用いて前述した図1に示す構成のVA型液晶表示装置(1)を製作する。なお、光源(2)として、R、G、Bを含む白色光を発光する直管型蛍光管を用いる。スリーエム社製の「DBEF−M」(厚さ242μm)からなる反射型偏光分離フィルム(40)を、両面にアクリル系粘着剤が付与された粘着シート(41)を介して第1光拡散性光学部材(3)の前面に積層一体化する。また、集光性光学部材(4)として、プリズム三角形の頂角が90°、隣り合うプリズムのピッチ間隔が48μm、厚さが230μmのプリズムフィルムAを用いる。
【0140】
比較例1のVA型液晶表示装置において光源を点灯した状態でパターンジェネレーターにより液晶パネルを白表示状態にすると、正面方向では赤みを帯びることなく自然な白画面表示を見ることができるものの、斜め方向から見た時は赤みを帯びた高輝度白画面表示となる。
【0141】
<比較例2>
比較例1と同じ第1光拡散性光学部材(3)を用いて前述した図2に示す構成のVA型液晶表示装置(1)を製作する。なお、光源(2)として、R、G、Bを含む白色光を発光する直管型蛍光管を用いる。スリーエム社製の「DBEF−M」(厚さ242μm)からなる反射型偏光分離フィルム(40)を、両面にアクリル系粘着剤が付与された粘着シート(41)を介して第1光拡散性光学部材(3)の前面に積層一体化する。また、集光性光学部材(4)として、プリズム三角形の頂角が90°、隣り合うプリズムのピッチ間隔が48μm、厚さが230μmのプリズムフィルムAを用い、第2光拡散性光学部材(6)として住友化学社製「スミペックスE RM802S」(商品名)を用いる。
【0142】
比較例2のVA型液晶表示装置において光源を点灯した状態でパターンジェネレーターにより液晶パネルを白表示状態にすると、正面方向では赤みを帯びることなく自然な白画面表示を見ることができるものの、斜め方向から見た時は赤みを帯びた高輝度白画面表示となる。
【0143】
<比較例3>
比較例1と同じ第1光拡散性光学部材(3)を用いて前述した図3に示す構成のVA型液晶表示装置(1)を製作する。なお、光源(2)として、R、G、Bを含む白色光を発光する直管型蛍光管を用いる。導光板(7)として透明な熱可塑性樹脂からなる導光板を用いる。スリーエム社製の「DBEF−M」(厚さ242μm)からなる反射型偏光分離フィルム(40)を、両面にアクリル系粘着剤が付与された粘着シート(41)を介して第1光拡散性光学部材(3)の前面に積層一体化する。また、集光性光学部材(4)として、プリズム三角形の頂角が90°、隣り合うプリズムのピッチ間隔が48μm、厚さが230μmのプリズムフィルムAを用いる。
【0144】
比較例3のVA型液晶表示装置において光源を点灯した状態でパターンジェネレーターにより液晶パネルを白表示状態にすると、正面方向では赤みを帯びることなく自然な白画面表示を見ることができるものの、斜め方向から見た時は赤みを帯びた高輝度白画面表示となる。
【0145】
<比較例4>
比較例1と同じ第1光拡散性光学部材(3)を用いて前述した図4に示す構成のVA型液晶表示装置(1)を製作する。なお、光源(2)として、R、G、Bを含む白色光を発光する直管型蛍光管を用いる。導光板(7)として透明な熱可塑性樹脂からなる導光板を用いる。スリーエム社製の「DBEF−M」(厚さ242μm)からなる反射型偏光分離フィルム(40)を、両面にアクリル系粘着剤が付与された粘着シート(41)を介して第1光拡散性光学部材(3)の前面に積層一体化する。また、集光性光学部材(4)として、プリズム三角形の頂角が90°、隣り合うプリズムのピッチ間隔が48μm、厚さが230μmのプリズムフィルムAを用い、第2光拡散性光学部材(6)として住友化学社製「スミペックスE RM802S」(商品名)を用いる。
【0146】
比較例4のVA型液晶表示装置において光源を点灯した状態でパターンジェネレーターにより液晶パネルを白表示状態にすると、正面方向では赤みを帯びることなく自然な白画面表示を見ることができるものの、斜め方向から見た時は赤みを帯びた高輝度白画面表示となる。
【0147】
<比較例5>
ポリスチレン樹脂100質量部、アクリル樹脂粒子(積水化成品工業株式会社製の「テクポリマーMBX−8」)(光拡散粒子)40質量部をヘンシェルミキサーで混合した後、押出機で溶融混練して押出すことによって、厚さ0.1mmのシートからなる第1光拡散性光学部材(3)を製作した。前記ポリスチレン樹脂の屈折率は1.59であり、前記アクリル樹脂粒子の屈折率は1.49であり、両者の屈折率差の絶対値(Δn)は0.10である。また、前記アクリル樹脂粒子の累積50%粒子径(D50)は6.0(μm)である。
【0148】
次に、この第1光拡散性光学部材(3)を用いて前述した図1に示す構成のVA型液晶表示装置(1)を製作する。なお、光源(2)として、R、G、Bを含む白色光を発光する直管型蛍光管を用いる。スリーエム社製の「DBEF−M」(厚さ242μm)からなる反射型偏光分離フィルム(40)を、両面にアクリル系粘着剤が付与された粘着シート(41)を介して第1光拡散性光学部材(3)の前面に積層一体化する。また、集光性光学部材(4)として、プリズム三角形の頂角が90°、隣り合うプリズムのピッチ間隔が48μm、厚さが230μmのプリズムフィルムAを用いる。
【0149】
比較例5のVA型液晶表示装置において光源を点灯した状態でパターンジェネレーターにより液晶パネルを白表示状態にすると、正面方向では赤みを帯びることなく自然な白画面表示を見ることができるものの、斜め方向から見た時は赤みを帯びた高輝度白画面表示となる。
【0150】
<比較例6>
比較例5と同じ第1光拡散性光学部材(3)を用いて前述した図2に示す構成のVA型液晶表示装置(1)を製作する。なお、光源(2)として、R、G、Bを含む白色光を発光する直管型蛍光管を用いる。スリーエム社製の「DBEF−M」(厚さ242μm)からなる反射型偏光分離フィルム(40)を、両面にアクリル系粘着剤が付与された粘着シート(41)を介して第1光拡散性光学部材(3)の前面に積層一体化する。また、集光性光学部材(4)として、プリズム三角形の頂角が90°、隣り合うプリズムのピッチ間隔が48μm、厚さが230μmのプリズムフィルムAを用い、第2光拡散性光学部材(6)として住友化学社製「スミペックスE RM802S」(商品名)を用いる。
【0151】
比較例6のVA型液晶表示装置において光源を点灯した状態でパターンジェネレーターにより液晶パネルを白表示状態にすると、正面方向では赤みを帯びることなく自然な白画面表示を見ることができるものの、斜め方向から見た時は赤みを帯びた高輝度白画面表示となる。
【0152】
<比較例7>
比較例5と同じ第1光拡散性光学部材(3)を用いて前述した図3に示す構成のVA型液晶表示装置(1)を製作する。なお、光源(2)として、R、G、Bを含む白色光を発光する直管型蛍光管を用いる。導光板(7)として透明な熱可塑性樹脂からなる導光板を用いる。スリーエム社製の「DBEF−M」(厚さ242μm)からなる反射型偏光分離フィルム(40)を、両面にアクリル系粘着剤が付与された粘着シート(41)を介して第1光拡散性光学部材(3)の前面に積層一体化する。また、集光性光学部材(4)として、プリズム三角形の頂角が90°、隣り合うプリズムのピッチ間隔が48μm、厚さが230μmのプリズムフィルムAを用いる。
【0153】
比較例7のVA型液晶表示装置において光源を点灯した状態でパターンジェネレーターにより液晶パネルを白表示状態にすると、正面方向では赤みを帯びることなく自然な白画面表示を見ることができるものの、斜め方向から見た時は赤みを帯びた高輝度白画面表示となる。
【0154】
<比較例8>
比較例5と同じ第1光拡散性光学部材(3)を用いて前述した図4に示す構成のVA型液晶表示装置(1)を製作する。なお、光源(2)として、R、G、Bを含む白色光を発光する直管型蛍光管を用いる。導光板(7)として透明な熱可塑性樹脂からなる導光板を用いる。スリーエム社製の「DBEF−M」(厚さ242μm)からなる反射型偏光分離フィルム(40)を、両面にアクリル系粘着剤が付与された粘着シート(41)を介して第1光拡散性光学部材(3)の前面に積層一体化する。また、集光性光学部材(4)として、プリズム三角形の頂角が90°、隣り合うプリズムのピッチ間隔が48μm、厚さが230μmのプリズムフィルムAを用い、第2光拡散性光学部材(6)として住友化学社製「スミペックスE RM802S」(商品名)を用いる。
【0155】
比較例8のVA型液晶表示装置において光源を点灯した状態でパターンジェネレーターにより液晶パネルを白表示状態にすると、正面方向では赤みを帯びることなく自然な白画面表示を見ることができるものの、斜め方向から見た時は赤みを帯びた高輝度白画面表示となる。
【0156】
<比較例9>
ポリスチレン樹脂100質量部、シリコーン樹脂粒子(東芝シリコーン株式会社製の「トスパール145」)(光拡散粒子)10質量部をヘンシェルミキサーで混合した後、押出機で溶融混練して押出すことによって、厚さ0.1mmのシートからなる第1光拡散性光学部材(3)を製作する。前記ポリスチレン樹脂の屈折率は1.59であり、前記シリコーン樹脂粒子の屈折率は1.43であり、両者の屈折率差の絶対値(Δn)は0.16である。また、前記シリコーン樹脂粒子の累積50%粒子径(D50)は3.9(μm)である。
【0157】
次に、この第1光拡散性光学部材(3)を用いて前述した図1に示す構成のVA型液晶表示装置(1)を製作する。なお、光源(2)として、R、G、Bを含む白色光を発光する直管型蛍光管を用いる。スリーエム社製の「DBEF−M」(厚さ242μm)からなる反射型偏光分離フィルム(40)を、両面にアクリル系粘着剤が付与された粘着シート(41)を介して第1光拡散性光学部材(3)の前面に積層一体化する。また、集光性光学部材(4)として、プリズム三角形の頂角が90°、隣り合うプリズムのピッチ間隔が48μm、厚さが230μmのプリズムフィルムAを用いる。
【0158】
比較例9のVA型液晶表示装置において光源を点灯した状態でパターンジェネレーターにより液晶パネルを白表示状態にすると、正面方向では赤みを帯びることなく自然な白画面表示を見ることができるものの、斜め方向から見た時は赤みを帯びた高輝度白画面表示となる。
【0159】
<比較例10>
比較例9と同じ第1光拡散性光学部材(3)を用いて前述した図2に示す構成のVA型液晶表示装置(1)を製作する。なお、光源(2)として、R、G、Bを含む白色光を発光する直管型蛍光管を用いる。スリーエム社製の「DBEF−M」(厚さ242μm)からなる反射型偏光分離フィルム(40)を、両面にアクリル系粘着剤が付与された粘着シート(41)を介して第1光拡散性光学部材(3)の前面に積層一体化する。また、集光性光学部材(4)として、プリズム三角形の頂角が90°、隣り合うプリズムのピッチ間隔が48μm、厚さが230μmのプリズムフィルムAを用い、第2光拡散性光学部材(6)として住友化学社製「スミペックスE RM802S」(商品名)を用いる。
【0160】
比較例10のVA型液晶表示装置において光源を点灯した状態でパターンジェネレーターにより液晶パネルを白表示状態にすると、正面方向では赤みを帯びることなく自然な白画面表示を見ることができるものの、斜め方向から見た時は赤みを帯びた高輝度白画面表示となる。
【0161】
<比較例11>
比較例9と同じ第1光拡散性光学部材(3)を用いて前述した図3に示す構成のVA型液晶表示装置(1)を製作する。なお、光源(2)として、R、G、Bを含む白色光を発光する直管型蛍光管を用いる。導光板(7)として透明な熱可塑性樹脂からなる導光板を用いる。スリーエム社製の「DBEF−M」(厚さ242μm)からなる反射型偏光分離フィルム(40)を、両面にアクリル系粘着剤が付与された粘着シート(41)を介して第1光拡散性光学部材(3)の前面に積層一体化する。また、集光性光学部材(4)として、プリズム三角形の頂角が90°、隣り合うプリズムのピッチ間隔が48μm、厚さが230μmのプリズムフィルムAを用いる。
【0162】
比較例11のVA型液晶表示装置において光源を点灯した状態でパターンジェネレーターにより液晶パネルを白表示状態にすると、正面方向では赤みを帯びることなく自然な白画面表示を見ることができるものの、斜め方向から見た時は赤みを帯びた高輝度白画面表示となる。
【0163】
<比較例12>
比較例9と同じ第1光拡散性光学部材(3)を用いて前述した図4に示す構成のVA型液晶表示装置(1)を製作する。なお、光源(2)として、R、G、Bを含む白色光を発光する直管型蛍光管を用いる。導光板(7)として透明な熱可塑性樹脂からなる導光板を用いる。スリーエム社製の「DBEF−M」(厚さ242μm)からなる反射型偏光分離フィルム(40)を、両面にアクリル系粘着剤が付与された粘着シート(41)を介して第1光拡散性光学部材(3)の前面に積層一体化する。また、集光性光学部材(4)として、プリズム三角形の頂角が90°、隣り合うプリズムのピッチ間隔が48μm、厚さが230μmのプリズムフィルムAを用い、第2光拡散性光学部材(6)として住友化学社製「スミペックスE RM802S」(商品名)を用いる。
【0164】
比較例12のVA型液晶表示装置において光源を点灯した状態でパターンジェネレーターにより液晶パネルを白表示状態にすると、正面方向では赤みを帯びることなく自然な白画面表示を見ることができるものの、斜め方向から見た時は赤みを帯びた高輝度白画面表示となる。
【0165】
<比較例13>
実施例1のVA型液晶表示装置において反射型偏光分離フィルム(40)及び接着剤層(41)を配置しない(削除した)構成とする以外は、実施例1と同様にしてVA型液晶表示装置を製作する。
【0166】
比較例13のVA型液晶表示装置において光源を点灯した状態でパターンジェネレーターにより液晶パネルを白表示状態にすると、正面方向、斜め方向から見た時に赤みを帯びることなく自然な白画面表示を見ることができるものの、実施例1と比較すると輝度が不十分である。
【0167】
<比較例14>
実施例2のVA型液晶表示装置において反射型偏光分離フィルム(40)及び接着剤層(41)を配置しない(削除した)構成とする以外は、実施例2と同様にしてVA型液晶表示装置を製作する。
【0168】
比較例14のVA型液晶表示装置において光源を点灯した状態でパターンジェネレーターにより液晶パネルを白表示状態にすると、正面方向、斜め方向から見た時に赤みを帯びることなく自然な白画面表示を見ることができるものの、実施例2と比較すると輝度が不十分である。
【0169】
<比較例15>
実施例3のVA型液晶表示装置において反射型偏光分離フィルム(40)及び接着剤層(41)を配置しない(削除した)構成とする以外は、実施例3と同様にしてVA型液晶表示装置を製作する。
【0170】
比較例15のVA型液晶表示装置において光源を点灯した状態でパターンジェネレーターにより液晶パネルを白表示状態にすると、正面方向、斜め方向から見た時に赤みを帯びることなく自然な白画面表示を見ることができるものの、実施例3と比較すると輝度が不十分である。
【0171】
<比較例16>
実施例4のVA型液晶表示装置において反射型偏光分離フィルム(40)及び接着剤層(41)を配置しない(削除した)構成とする以外は、実施例4と同様にしてVA型液晶表示装置を製作する。
【0172】
比較例16のVA型液晶表示装置において光源を点灯した状態でパターンジェネレーターにより液晶パネルを白表示状態にすると、正面方向、斜め方向から見た時に赤みを帯びることなく自然な白画面表示を見ることができるものの、実施例4と比較すると輝度が不十分である。
【0173】
本発明の実施例1〜10の液晶表示装置は、正面方向は勿論のこと斜め方向から見た時も赤みを帯びることなく自然で高品位、高輝度のカラー表示を実現できる。
【0174】
また本発明の実施例11、12の液晶表示装置は、正面方向は赤みを帯びることなく自然で高品位、高輝度のカラー表示を実現でき、斜め方向は赤みの少ない自然で高輝度のカラー表示を実現できる。
【0175】
これに対し、本発明の規定範囲を逸脱する比較例1〜12の液晶表示装置では、斜め方向から見た時には赤みを帯びたカラー表示となる。また、反射型偏光分離フィルムを備えていない比較例13〜16の液晶表示装置では、正面方向、斜め方向から見た時に赤みを帯びることなく自然なカラー表示となるものの、実施例1〜4と比べると輝度が不十分である。
【符号の説明】
【0176】
1…液晶表示装置
2…光源
3…第1光拡散性光学部材
4…集光性光学部材
6…第2光拡散性光学部材
7…導光板
11…液晶
12…透明電極
13…透明電極
20…液晶セル
30…液晶パネル
40…反射型偏光分離フィルム
50…光源装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射型偏光分離フィルムに積層一体化されて使用される光拡散性光学部材であり、
透明材料中に光拡散粒子が分散されてなり、
前記透明材料の屈折率と前記光拡散粒子の屈折率の差の絶対値を「Δn」とし、前記光拡散粒子の累積50%粒子径を「D50」(μm)としたとき、0.01≦Δn×D50≦0.25の関係式が成立することを特徴とする光拡散性光学部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−145951(P2012−145951A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−34981(P2012−34981)
【出願日】平成24年2月21日(2012.2.21)
【分割の表示】特願2010−249624(P2010−249624)の分割
【原出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】