説明

液晶表示装置

【課題】横電界方式の液晶表示装置であって、室外においても鮮明な表示を可能とする携帯電子機器用モニターを提供することを課題とする。
【解決手段】横電界方式の液晶表示装置において、反射電極を設ける。反射電極を設けることにより、室外において、効率よく自然光を反射することができ、鮮明な表示を提供することができる。さらに反射電極に凹凸を設けると、反射率を高めることができる。このような室外においても鮮明な表示を可能とする横電界方式の液晶表示装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室外においても鮮明な表示を可能とする横電界方式の液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置には、液晶の駆動方法に、基板に対して垂直に電圧を印加する縦電界方式、
基板に対して平行に電圧を印加する横電界方式がある。縦電界方式と、横電界方式は、互
いに利点、及び欠点を有する。例えば、横電界方式はTN方式に代表される縦電界方式に
比べて、広視野角、高コントラスト、高中間調表示といった特性を有し、モニターやテレ
ビ用途として使用されている。このような各液晶表示装置は、液晶分野において共存して
おり、製品開発が行われている。また横電界方式用の液晶材料、縦電界方式用の液晶材料
はそれぞれ開発が行われ、電圧の印加方向によって異なる材料特性を有する。
【0003】
さらに横電界方式の液晶表示装置には、IPS(In−Plane Switching
)方式と、FFS(Fringe Field Switching)方式がある。従来
のFFS方式の液晶表示装置において、1画素内に透過領域と反射領域とを備えたものが
ある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−107489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の横電界方式の液晶表示装置は、コンピュータ用モニターに使用されることが多く、
携帯電話機等の携帯電子機器用モニターに使用されることがなかった。携帯用機器に適用
すると、自然光下で使用することがあり、所謂反射型の液晶パネルが採用され、高い反射
率を達成するため反射電極の面積を大きくする設計がされている。しかしながら、横電界
方式の場合、共通電極や画素電極を反射電極とし、その面積を大きくすると、反射電極上
の液晶分子へ印加する電界が弱くなり、強いては該液晶分子が動作不良を起こす。その結
果、横電界方式の液晶表示装置であって、反射型の開発はあまりされてこなかった。
【0006】
そこで本発明は、横電界方式の液晶表示装置であって、室外においても鮮明な表示を可能
とする携帯電子機器用モニターを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を鑑み本発明は、横電界方式の液晶表示装置において、反射電極を設けることを
特徴とする。反射電極を設けることにより、室外において、自然光を反射することができ
、鮮明な表示を行う横電界方式の液晶表示装置を提供することができる。
【0008】
以下に本発明の具体的な構成を示す。
【0009】
本発明の一形態は、互いに対向配置された一対の基板の間に挟持され液晶分子により構成
された液晶層と、一対の基板の一方に、光反射性の共通電極と、共通電極上に絶縁層を介
して設けられた透光性の画素電極とを有し、共通電極と、画素電極との間に電界を生じさ
せ、横電界方式で液晶を駆動する液晶表示装置である。
【0010】
本発明の別形態は、互いに対向配置された一対の基板の間に挟持され液晶分子により構成
された液晶層と、一対の基板の一方に、光反射性の共通電極と、共通電極上に絶縁層を介
して設けられた透光性の画素電極とを有し、共通電極は、凹凸形状を有する第2の絶縁層
上に設けられ、共通電極の表面は凹凸形状に沿う形状を有し、共通電極と、画素電極との
間に電界を生じさせ、横電界方式で液晶を駆動する液晶表示装置である。
【0011】
本発明の別形態は、互いに対向配置された一対の基板の間に挟持され液晶分子により構成
された液晶層と、一対の基板の一方に、光反射性の共通電極と、共通電極上に絶縁層を介
して設けられた透光性の画素電極とを有し、共通電極は、凹凸形状を有する第2の絶縁層
上に設けられ、共通電極の表面は凹凸形状に沿う形状を有し、第3の絶縁層からなる平坦
化膜が前記共通電極上に設けられ、前記第3の絶縁層上に前記第1の絶縁層が設けられ、
共通電極と、画素電極との間に電界を生じさせ、横電界方式で液晶を駆動する液晶表示装
置である。
【0012】
本発明の別形態は、互いに対向配置された一対の基板の間に挟持され液晶分子により構成
された液晶層と、一対の基板の一方に、透光性の共通電極と、共通電極上に第1の絶縁層
を介して設けられた透光性の画素電極と、一対の基板の他方の液晶層が設けられていない
側に、反射電極とを有し、反射電極は、凹凸形状を有する第2の絶縁層上に設けられ、反
射電極の表面は前記凹凸形状に沿う形状を有し、共通電極と、画素電極との間に電界を生
じさせ、横電界方式で前記液晶層を駆動する液晶表示装置である。
【0013】
本発明の別形態は、互いに対向配置された一対の基板の間に挟持され液晶分子により構成
された液晶層と、一対の基板の一方に、透光性の共通電極と、共通電極上に第1の絶縁層
を介して設けられた透光性の画素電極と、一対の基板の他方の前記液晶層に接する側に、
反射電極とを有し、反射電極は、凹凸形状を有する第2の絶縁層上に設けられ、反射電極
の表面は前記凹凸形状に沿う形状を有し、第3の絶縁層からなる平坦化膜が反射電極上に
設けられ、共通電極と、画素電極との間に電界を生じさせ、横電界方式で前記液晶層を駆
動する液晶表示装置である。
【0014】
本発明の別形態は、互いに対向配置された一対の基板の間に挟持され液晶分子により構成
された液晶層と、一対の基板の一方に、透光性の共通電極と、共通電極上の反射電極と、
反射電極上に第1の絶縁層を介して設けられた透光性の画素電極とを有し、共通電極は、
凹凸形状を有する第2の絶縁層上に設けられ、共通電極の表面は凹凸形状に沿う形状を有
し、反射電極の表面は凹凸形状に沿う形状を有し、共通電極と、画素電極との間に電界を
生じさせ、横電界方式で前記液晶層を駆動する液晶表示装置である。
【0015】
本発明の別形態は、互いに対向配置された一対の基板の間に挟持され液晶分子により構成
された液晶層と、一対の基板の一方に、反射電極と、反射電極上に第1の絶縁層を介して
設けられた透光性の共通電極と、共通電極上に第2の絶縁層を介して設けられた透光性の
画素電極とを有し、反射電極は、凹凸形状を有する第3の絶縁層上に設けられ、反射電極
の表面は前記凹凸形状に沿う形状を有し、第1の絶縁層は平坦化層であり、共通電極と、
画素電極との間に電界を生じさせ、横電界方式で前記液晶層を駆動する液晶表示装置であ
る。
【0016】
本発明において、画素電極は酸化インジウムスズ(ITO)を有することができる。
【0017】
本発明において、画素電極にはトランジスタが接続されており、画素電極の電圧の制御を
行うことができる。
【0018】
本発明において、上面からみた所謂画素レイアウトでは、画素電極の形状は矩形状を有す
ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の反射電極を設けた横電界方式の液晶表示装置により、室外において、自然光を効
率よく反射することができ、鮮明な表示を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の液晶表示装置を示した断面図である
【図2】本発明の液晶表示装置を示した断面図である
【図3】本発明の液晶表示装置を示した断面図である
【図4】本発明の液晶表示装置を示した断面図である
【図5】本発明の液晶表示装置を示した断面図である
【図6】本発明の液晶表示装置を示した断面図である
【図7】本発明の液晶表示装置を示した断面図である
【図8】本発明の液晶表示装置を示した断面図である
【図9】本発明の液晶表示装置を示した上面図である
【図10】本発明の液晶表示装置を示した上面図である
【図11】本発明の液晶表示装置を示した断面図である
【図12】本発明の液晶表示装置を示した断面図である
【図13】本発明の電子機器を示した図である
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。但し、本発明は多くの異なる態
様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形
態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施
の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するため
の全図において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り
返しの説明は省略する。
【0022】
(実施の形態1)
本実施の形態では、横電界方式の液晶表示装置の構成について説明する。
【0023】
図1には、FFS方式の液晶表示装置の断面図を示す。絶縁表面を有する基板(以下、絶
縁基板と記す)100上に、液晶表示装置の共通電極102として機能する導電層が設け
られている。絶縁基板100には、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板等が挙げら
れる。例えば、プラスチック基板を用いると、柔軟性が高く、軽量な液晶表示装置を提供
することができる。またガラス基板を研磨等により薄くすることによって、薄型な液晶表
示装置を提供することもできる。さらには、金属等の導電性基板又はシリコン等の半導体
性基板上に、絶縁性を有する層を形成した基板を、絶縁基板として用いることも可能であ
る。
【0024】
本実施の形態では、共通電極102に反射性のある導電性材料を用いる。このような反射
性のある導電性材料を有する電極を反射電極とも記す。このような反射性のある導電材料
を例示すると、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(
Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、銀(Ag)等から選ばれた元素、また
は当該元素を主成分とする合金材料が挙げられる。共通電極102は、単層構造又は積層
構造をとることができ、積層構造を適用する場合、最上層が反射性のある材料を用いて形
成されていればよい。その他の層では、反射性ではなく抵抗の低い材料を用いることがで
きる。その結果、反射性があり且つ抵抗の低い共通電極102を形成することができる。
このような共通電極102は、電気的に接続された駆動回路により制御される。
【0025】
共通電極102上方に画素電極105を形成する。画素電極105の幅は、液晶材料の分
子のサイズによって決定することができる。画素電極105の幅が液晶材料の分子サイズ
に対して広すぎると、画素電極上の分子に電界を印加することが難しくなるため、10μ
m乃至15μmの間で液晶材料の分子サイズに応じて決定すればよい。また共通電極10
2と、画素電極105とが短絡することを防止するため、絶縁層103を形成する。また
絶縁層103は、絶縁基板100からの不純物汚染を防ぐ、下地膜としても機能する。共
通電極102は絶縁基板の画素部全面に渡って形成されるが、画素電極105は絶縁層1
03上に選択的に形成される。このように全面に形成された共通電極102と、選択的に
形成された画素電極105との間に電界を印加することができる。その結果、液晶層の分
子を制御することができる。画素電極105は透光性、又は反射性を有する材料から形成
することができる。画素電極105を透光性の材料から形成することにより、開口率を高
めることができ、反射性の材料から形成することにより反射率を高めることができる。画
素電極を反射性の材料から形成するとき、その幅を広くすることによって、さらに反射率
を高めることもできる。
【0026】
絶縁層103は無機材料又は有機材料から形成することができる。無機材料の場合、シリ
コン酸化物、シリコン窒化物を用いることができる。シリコン酸化物やシリコン窒化物は
、CVD法やスパッタリング法を用いて形成することができる。有機材料の場合、アクリ
ル樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリアミ
ド(ナイロン)、フラン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の化合物を用いることができる
。アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の粘性の高い材料は、塗布法、スピンコーティング法
、液滴吐出法により形成することができる。液滴吐出法とは、調製された組成物を、電気
信号に応じてノズルから噴出して微量な液滴を作り、所定の位置に付着させる方法であり
、インクジェット法とも呼ばれる。画素電極105は、開口率を高めるために、透光性材
料から形成するとよい。例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、
酸化インジウム亜鉛(IZO)、又はガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)等の透光性
導電材料を用いることが可能である。さらに酸化珪素を含む酸化インジウムスズ(以下、
ITSOと記す)、ITOに酸化亜鉛(ZnO)を混合したものを用いることができる。
【0027】
画素電極105は、電気的に接続されたトランジスタを介して制御される。トランジスタ
としては、薄膜半導体層を有する薄膜トランジスタ(TFTとも記す)を用いることがで
きる。
【0028】
また絶縁基板100に対向する基板(以下、対向基板と記す)108を用意する。対向基
板108には、フルカラー表示を行うために、カラーフィルタが設けられている。カラー
フィルタは、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)を有することができ、これらを直交し
て配列し、半画素ずれて配置された所謂デルタ配列をとることができる。
【0029】
絶縁基板100と対向基板108とで、液晶材料を有する層(以下、液晶層と記す)10
6を挟持することにより表示を行うことができる。液晶材料は、正又は負の誘電率異方性
を有する液晶材料を用いることができる。このような液晶材料を用いた横電界方式は、電
圧保持特性が高いため、シアノ基を有する化合物を適用することができる。その他、ネマ
チック液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶などを適用しても構わない。絶縁基板100
と対向基板108の挟持には、シール材を用い、間隔を維持するために柱状スペーサ、球
状スペーサを配置する。柱状スペーサの場合絶縁層を形成して所定の形状に加工したもの
を使用でき、球状スペーサの場合シリカビーズを使用することができる。これらスペーサ
に乾燥剤としての機能を持たせても良い。なお液晶層106の界面には、ラビング処理さ
れた配向膜が設けられている。配向膜により、液晶分子の最初の傾き、所謂プレチルト角
を決定することができる。
【0030】
基板全体に渡って形成された共通電極102と、形状加工された画素電極105と間の横
方向電界により液晶分子が傾きを変えることにより表示を行うことができる。共通電極1
02と、画素電極105との横方向電界によって、表示を可能とする液晶表示装置の方式
をFFS方式と呼ぶ。
【0031】
このようなFFS方式に対して、反射型の液晶表示装置を適用することができる。その結
果、室外においても鮮明な表示を可能とする携帯電子機器用モニターを提供することがで
きる。
【0032】
FFSを代表とする横電界方式液晶表示装置は、視野角が広い点、対向基板側に電極を形
成しないため構成が簡便である点を利点とし、縦方向電界によって表示を可能とする液晶
表示装置とすみ分けられている。
【0033】
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なる横電界方式の液晶表示装置の構成について説
明する。
【0034】
図2に示すように、本実施の形態では凹凸形状を有する共通電極102上に、該凹凸形状
を沿う絶縁層103を形成する。反射性を有する共通電極102を凹凸形状とする結果、
反射率を高めることができる。
【0035】
次に、凹凸形状の作製工程について説明する。まず、絶縁基板100上に、凹凸形状を形
成するための絶縁層121を形成する。絶縁層121には有機材料又は無機材料を用いる
ことができる。有機材料としては、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアセタール
、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリアミド(ナイロン)、フラン樹脂、ジアリルフタレ
ート樹脂等の化合物を用いることができる。また無機材料として、シリコン酸化物、シリ
コン窒化物を用いることができる。
【0036】
そして絶縁層121の形状を加工する。例えば、絶縁層121上に設けられたマスクを用
いてエッチングし、加工することができる。また絶縁層121に有機材料を用いる場合、
露光することにより凹凸形状、積極的に凸部を有する形状を形成する。凹凸形状は、レジ
ストを用い露光強度や露光時間を制御することにより形成することができる。
フォトレジストには、ポジ型があり、露光された部分のレジストが現像液で除去される。
またネガ型もあり、露光されなかった部分のレジストが現像液で除去される。このような
レジストを用いて凹凸形状を作製することができる。ポジ型のレジストを用いて凹凸形状
を作製する場合、凸部にレジストを残すように選択的に光を照射して露光する。その後、
加熱処理を行うことにより、レジストに丸みを帯びさせることができる。このような丸み
を帯びたレジストを用いて、ドライエッチング、又はウェットエッチングすることにより
凹凸形状を有することができる。段階的に凹凸形状を有するためには、露光強度を制御す
るため、レジストを段階的に露光する、所謂ハーフトーン技術を用いてもよい。
【0037】
絶縁層121に形成される凹凸形状は、凹部と凸部を有し、凸部の高さは、0.1μm乃
至1μm、凸部の間隔は5乃至10μmとする。凸部の間隔を小さくするほど、凹凸形状
を単位面積当たり多く形成することができ、反射率を高めることができる。
【0038】
凹凸形状を有する絶縁層121上に、共通電極102を形成する。共通電極102は非常
に薄いこともあり、該凹凸形状に沿うように凹凸形状を有する。その結果、凹凸形状を有
する共通電極を形成することができ、反射率を高めることができる。
【0039】
共通電極102上に凹凸形状を沿う絶縁層103を形成する。絶縁層103は、その膜厚
を薄くすれば有機材料又は無機材料から形成することができる。代表的には、絶縁層10
3を無機材料から形成することにより凹凸形状を有するように形成することができる。有
機材料や無機材料は、上記実施の形態で示した中から選択することができる。
【0040】
その後、画素電極105も上記凹凸形状に沿うように形成する。画素電極105の膜厚を
薄くすることにより、凹凸形状に沿うように画素電極105を形成することができる。な
お画素電極105の材料や作製方法は、上記実施の形態と同様であり、透光性を有するこ
とができる。その他の構成は、上記実施の形態と同様であって、絶縁基板100、絶縁層
121、共通電極102、絶縁層103、凹凸形状を有する画素電極105があり、対向
基板108、液晶層106を有する。なお画素電極105は透光性、又は反射性を有する
材料のから形成することができる。画素電極105を透光性の材料から形成することによ
り、開口率を高めることができ、反射性の材料から形成することにより反射率を高めるこ
とができる。
【0041】
このように画素電極105にも凹凸形状を設けることにより、反射率を高めることができ
る。
【0042】
このようにFFS方式に対して、反射型の液晶表示装置を適用することができる。その結
果、室外においても鮮明な表示を可能とする携帯電子機器用モニターを提供することがで
きる。
【0043】
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なる横電界方式の液晶表示装置の構成について説
明する。
【0044】
図3に示すように、本実施の形態では共通電極102を凹凸形状とし、画素電極105は
平坦なものとする。画素電極105は透光性、又は反射性を有する材料のから形成するこ
とができる。画素電極105を透光性の材料から形成することにより、開口率を高めるこ
とができ、反射性の材料から形成することにより反射率を高めることができる。
【0045】
但し、電極に凹凸形状をつけると、液晶層へ印加する電界に乱れを生じる恐れがある。そ
こで、凹凸形状を有する共通電極102上には、その表面を平坦化できる絶縁層(以下、
平坦化膜と記す)120を設け、平坦化膜120上に画素電極を形成するとよい。その結
果、反射性を有する共通電極の反射率を高めることができ、平坦な画素電極105により
適切な電界を液晶層に印加することができる。
【0046】
平坦化膜120は有機材料を用いることができる。有機材料としては、アクリル樹脂、ポ
リイミド樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリアミド(ナイロ
ン)、フラン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の有機化合物、シリカガラスに代表される
シロキサンポリマー系材料を出発材料として形成された珪素、酸素、水素からなる化合物
のうちSi−O−Si結合を含む無機シロキサンポリマー、又はアルキルシロキサンポリ
マー、アルキルシルセスキオキサンポリマー、水素化シルセスキオキサンポリマー、水素
化アルキルシルセスキオキサンポリマーに代表される珪素に結合される水素がメチルやフ
ェニルのような有機基によって置換された有機シロキサンポリマーで形成される。このよ
うな有機材料を用いて、塗布法、スピンコート法、液滴吐出法等により平坦化膜120を
形成することができる。
【0047】
また平坦化膜120に無機材料を用いてもよく、表面をCMP(Chemical Me
chanical Polishing)法によって研磨し、平坦化を持たせることがで
きる。無機材料としては、シリコン酸化物、シリコン窒化物が挙げられる。このような無
機材料を用いて、CVD法やスパッタリング法により平坦化膜120を形成することがで
きる。
【0048】
平坦化膜120は単層構造又は積層構造を用いることもできる。例えば、有機材料を形成
し、その上に無機材料を形成してもよい。有機材料による平坦化の向上と、無機材料によ
る不純物侵入防止の効果を奏することができる。また無機材料自体を積層してもよく、シ
リコン酸化物とシリコン窒化物とを任意に積層することができる。
【0049】
さらに平坦化膜120に、カラーフィルタ材料を用いることができる。その結果、対向基
板ではなく絶縁基板側にカラーフィルタを形成することができ、位置あわせが簡便となり
、薄型化を図ることができ、工程数を減らすことができる、フルカラー表示を行う液晶表
示装置を提供することができる。カラーフィルタは、同上にRGBが直交する配列やデル
タ配列を適用することができる。勿論、カラーフィルタは対向基板108側に形成しても
よい。
【0050】
その他の構成は、実施の形態1で示したものと同様であり、平坦化膜120上に絶縁層1
03、画素電極105を有し、絶縁基板100と対向基板108とにより挟持された液晶
層106を有する。
【0051】
本実施の形態の液晶表示装置は、実施の形態1に記載した効果に加え、反射率が高まると
いった効果を奏することができる。
【0052】
このようにFFS方式に対して、反射型の液晶表示装置を適用することができる。その結
果、室外においても鮮明な表示を可能とする携帯電子機器用モニターを提供することがで
きる。
【0053】
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なる横電界方式の液晶表示装置の構成について説
明する。
【0054】
図4に示すように、本実施の形態では絶縁層103に平坦化膜の機能を兼ねた構成とする
。絶縁層103に平坦化膜の機能を持たせるには、その材料に有機材料を用いればよい。
さらには、無機材料を用いる場合であっても、CMP法により表面を研磨し、平坦性を持
たせることができる。その結果、平坦化膜120を形成する必要がなくなり、工程数を低
減させることができる。
【0055】
その他の構成は、上記実施の形態と同様であって、絶縁基板100上に絶縁層121、共
通電極102、平坦化機能を有する絶縁層103があり、絶縁層103上に画素電極10
5を有し、対向基板108と絶縁基板100に挟持される液晶層106を有する。画素電
極105は透光性、又は反射性を有する材料のから形成することができる。画素電極10
5を透光性の材料から形成することにより、開口率を高めることができ、反射性の材料か
ら形成することにより反射率を高めることができる。
【0056】
また本実施の形態の構成は、上記実施の形態で示した構成と同様に、平坦性が向上する。
その結果、共通電極と画素電極との電界が乱れてしまうことを抑制することができる。
【0057】
このように絶縁層103に平坦化膜の機能を持たせることにより、平坦化膜を形成する必
要がなくなり、工程数を減らすことができる。その結果、液晶表示装置の量産性を高める
ことができる。勿論、凹凸形状を有する共通電極102により、反射率を高めることがで
きる。
【0058】
(実施の形態5)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なる横電界方式の液晶表示装置の構成について説
明する。
【0059】
図5に示すように、本実施の形態では対向基板108側の電極(以下、対向電極と記す)
130を凹凸形状とする。具体的には、対向基板108上に、凹凸形状を有する絶縁層1
22を形成し、絶縁層122上に対向電極130を形成する。凹凸形状を有する絶縁層1
22は、上記実施の形態の絶縁層121と同様に形成することができる。
【0060】
その後、対向電極130上には、平坦性を高めるために平坦化膜120を形成するとよい
。平坦化膜120は上記実施の形態と同様に作製することができる。対向電極130が凹
凸形状を有する場合では、液晶層106へ印加する電界に乱れを生じる恐れがあるが、平
坦化膜120によりこれを防止することができる。
【0061】
その他の構成は、上記実施の形態で示したものと同様であって、絶縁基板100上に共通
電極102、絶縁層103、画素電極105が形成されている。但し、対向電極130に
反射性を持たせると、絶縁基板100側から表示を認識する液晶表示装置となるため、共
通電極102、画素電極105には透光性材料を用いるとよい。
【0062】
このようにFFS方式液晶表示装置に対向電極を形成することができ、当該対向電極に凹
凸形状を持たせることができる。そして対向電極には反射性のある導電層を用いる、つま
り対向電極に反射電極を用いることにより、反射性の高い液晶表示装置を提供することが
できる。また対向電極を制御することにより、横方向電界と縦方向電界を液晶層に印加す
ることができ、液晶層を別な方向から制御することができる。
【0063】
(実施の形態6)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なる横電界方式の液晶表示装置の構成について説
明する。
【0064】
図6に示すように、本実施の形態では対向電極130を液晶層106とは反対側、つまり
液晶層106と接しないように設ける。その他の構成は、上記実施の形態と同様であり、
絶縁基板100上に共通電極102、絶縁層103、画素電極105、絶縁基板100と
対向基板108に挟持される液晶層106を有する。
【0065】
このように対向電極130を液晶層106とは反対側に設けたことにより、液晶へ印加さ
れる電界を乱すことなく反射膜を設けることができ、外部からの電界、例えば静電気を遮
蔽するといった効果を奏する。また上記実施の形態と同様に、反射性の高い液晶表示装置
を提供することができる。
【0066】
(実施の形態7)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なる横電界方式の液晶表示装置の構成について説
明する。
【0067】
図7に示すように、本実施の形態では凹凸形状を有する共通電極102上に、反射電極1
31を設け、反射電極131は選択的に形成することを特徴とする。反射電極131は、
画素の一部に配置するように形成し、共通電極102を透光性の材料から形成する。する
と、透光性の材料からなる共通電極102と、選択的に形成された反射電極131を有す
る半透過型の液晶表示装置となる。選択的に形成された反射電極131の大きさ、つまり
凹凸形状の間隔や高さを変えることにより反射率を制御することができる。例えば凹凸形
状の間隔を狭くし単位面積あたりの凹凸形状を増やし、反射する表面積を増加させると、
反射率を高めることができる。また画素電極105は反射性の材料から形成することもで
き、反射率を高めることができる。
【0068】
その他の構成は、上記実施の形態と同様に絶縁基板100上に絶縁層121、凹凸形状を
有する共通電極102、選択的に形成された反射電極131、平坦化機能を有する絶縁層
103があり、画素電極105を有し、対向基板108と絶縁基板100に挟持される液
晶層106を有する。
【0069】
共通電極102と反射電極131とは電気的に接続されるため、同電位となる。その結果
、反射電極131の電位を制御することができ、静電気等による不要な電圧が液晶層10
6に印加されることがない。
【0070】
このように、選択的に形成された反射電極131と、透光性の材料からなる共通電極10
2、画素電極105を有する半透過型の液晶表示装置となる。このような半透過型の液晶
表示装置は、室内ではバックライトによる表示を行い、室外では反射電極を用いて表示を
行うことができる。
【0071】
(実施の形態8)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なる横電界方式の液晶表示装置の構成について説
明する。
【0072】
図8に示すように、本実施の形態では凹凸形状を有する絶縁層121上に選択的に反射電
極131を形成する。反射電極131は、該凹凸形状を沿うように形成される。ここで電
界の乱れを防ぐために、平坦化膜120を設けるとよい。平坦化膜120の作製方法等は
上記実施の形態を参照することができる。反射電極131は、画素の一部に配置するよう
に形成する。なお、半透過型の液晶表示装置とするため、共通電極102は透光性の材料
から形成する。また画素電極105は反射性の材料から形成することができ、反射率を高
めることができる。
【0073】
その他の構成は、上記実施の形態と同様に絶縁基板100上に絶縁層121、反射電極1
31、平坦化膜120、共通電極102、絶縁層103、画素電極105があり、対向基
板108に挟持される液晶層106を有する。画素電極105は透光性、又は反射性を有
する材料のから形成することができる。画素電極105を透光性の材料から形成すること
により、開口率を高めることができ、反射性の材料から形成することにより反射率を高め
ることができる。
【0074】
このように、選択的に形成された反射電極131と、透光性の材料からなる共通電極10
2、画素電極105を有する半透過型の液晶表示装置となる。このような半透過型の液晶
表示装置は、室内ではバックライトによる表示を行い、室外では反射電極を用いて表示を
行うことができる。
【0075】
(実施の形態9)
本実施の形態では、液晶表示装置の画素の上面図の一例について説明する。
【0076】
図9には、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(TFT)を有する画素の上面図を
示す。TFT180は、画素電極105と電気的に接続されている。例えば、TFTのソ
ース電極又はドレイン電極と、画素電極105がコンタクトホールを介して接続される。
ソース電極及びドレイン電極と同一材料の導電層を形状加工することによって、ソース信
号線162が形成される。
【0077】
またTFT180は、ゲート電極161aや半導体層170を有する。ゲート電極161
aへ信号を入力するゲート信号線161bは、ゲート電極161aと同一材料の導電層を
形状加工することによって形成することができる。ゲート信号線161bは、ソース信号
線162と格子状になるように配置されている。
【0078】
ゲート電極161aやゲート信号線161bと同一層に、共通電極102は形成される。
言い換えると、ゲート電極161aやゲート信号線161bと、共通電極102とは同一
絶縁層上に形成されている。但し、ゲート電極161aやゲート信号線161bと、共通
電極102とは、電気的に接続されない。共通電極102は、ゲート電極とは一般的に異
なる電圧が印加されるためである。隣接する共通電極102は、ソース信号線162方向
では、配線を介して接続され(領域C参照)、ゲート信号線161b方向ではコンタクト
ホールを介して配線により接続される(領域D参照)。領域Dに示すように、画素電極1
05と同一材料の導電層を形状加工することによって、該配線とすることができる。この
ようにして全画素の共通電極102を同電位とすることができる。
【0079】
このような画素において、反射性の高い電極を用いるため、室外においても鮮明な表示を
提供することができる。
【0080】
(実施の形態10)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なる上面図について説明する。
【0081】
図10に示す画素は、画素電極105の上面形状が矩形状を有する点で、上記実施の形態
と異なる。その他の構成は、上記実施の形態と同様である。矩形状とは、図10に示すよ
うに、一定の角度で繰り返し折れ曲がった状態を指し、所謂ジグザグ形状となっている。
一定の角度は鈍角であればよく、折れ曲がり回数は画素の面積に応じて決定することがで
きる。
【0082】
このように画素電極105の上面形状を矩形状とすることにより、さらに視野角を広くす
ることができ好ましい。矩形状の画素電極の第1の方向に沿う液晶分子と、第2の方向に
沿う液晶分子が存在するからである。
【0083】
同様の効果を得るために、画素の中心部から2つの領域にわけ、第1の領域では直線状の
画素電極が一定の角度をもって配置されており、第2の領域では中心部を線対称とするよ
うに直線状の画素電極が配置される形態であってもよい。
【0084】
また同様の効果を得るために、直線状の画素電極を配置するのではなく、画素全面に画素
電極となる導電層を形成し、第1の領域では直線状の開口部を一定の角度をもって形成し
、第2の領域では中心部を線対称とするように直線状の開口部が形成された形態であって
もよい。
【0085】
このような画素において、反射性の高い電極を用いるため、室外においても鮮明な表示を
提供することができる。
【0086】
(実施の形態11)
本実施の形態では、薄膜トランジスタまで含めた画素の断面図について説明する。なお本
実施の形態では、薄膜トランジスタに非晶質半導体層を有するボトムゲート型の構成を示
す。
【0087】
図11に示す画素は、図9に示すA−B間の断面図に相当する。絶縁基板100上に下地
としても機能する絶縁層103を介してTFT180、及び共通電極102が設けられて
いる。TFT180は、半導体層170やゲート電極161aを有する。本実施の形態で
は非晶質シリコン層を用いたTFTを示すため、TFTはさらに、ゲート電極161aを
覆ってゲート絶縁層172、半導体層170、半導体層170上方にN型不純物層173
を有し、該N型不純物層に接するようにソース電極174及びドレイン電極175を有す
る。ゲート絶縁層は、無機絶縁材料を用いることができ、例えばシリコン酸化物やシリコ
ン窒化物がある。ゲート絶縁層はこれら材料の単層構造、または積層構造をとることがで
きる。ゲート電極は、ゲート信号線と同一材料から形成することができる。また非晶質半
導体層を有するTFTは、図11に示すようなチャネル部が一部エッチングされたチャネ
ルエッチ型と、チャネル部に保護膜を設けたチャネル保護型がある。このようなTFTを
覆って、保護膜を形成すると、不純物の侵入を防ぎ、TFTの電気特性の経時変化を防ぐ
ことができる。特に、チャネルエッチ型の場合、チャネル部が露出してしまうため、保護
膜を形成するとよい。このような保護膜には、窒素を含む珪素膜、つまり窒化珪素膜、酸
化窒化珪素膜を用いるとよい。
【0088】
TFT180及び共通電極102を覆って、絶縁層181が設けられ、該絶縁層181を
介して画素電極105が設けられている。そして、共通電極102、絶縁層181、画素
電極105によって容量182が形成される。そのため、本発明の液晶表示装置の画素に
おいて、容量素子を設けることなく、容量として機能する領域を得ることができる。
【0089】
絶縁層181は、有機材料、無機絶縁材料またはシロキサン系材料から形成されたSi−
O−Si結合を含む絶縁物(以下、シロキサン系絶縁物と記す)を用いて形成することが
できる。なおシロキサンとは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成
される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水
素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少
なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。また絶縁層181に、低誘
電率材料(low−k材料)と呼ばれる材料を用いてもよい。
【0090】
本実施の形態の画素電極は、上記実施の形態9又は10で示した形状を有することができ
る。
【0091】
このような画素において、反射性の高い電極を用いるため、室外においても鮮明な表示を
提供することができる。
【0092】
(実施の形態12)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なる断面図について説明する。
【0093】
図12に示す画素は、上記実施の形態とは、TFTに結晶性半導体層を有するトップゲー
ト型の構成で異なる。その他の構成である、ゲート電極161a、ゲート絶縁層172、
ソース電極174及びドレイン電極175は上記実施の形態と同様な材料を用いて作製す
ることができる。
【0094】
次に、結晶性半導体層について説明する。まず、厚さが10nm乃至200nmであって
、島状に分離された結晶性半導体層を形成する。半導体層は、結晶性半導体層でなく微結
晶半導体層であってもよい。半導体層の材料としてシリコン、シリコンとゲルマニウムの
混合物が挙げられる。結晶性半導体層の作製方法として、例えば非晶質半導体層を形成し
、加熱処理により結晶化された結晶性半導体層を得る方法がある。加熱処理とは、加熱炉
、レーザー照射、若しくはレーザー光の代わりにランプから発する光の照射(以下、ラン
プアニールと記す)、又はそれらを組み合わせて用いることができる。
【0095】
レーザー照射を用いる場合、連続発振型のレーザー(CWレーザー)やパルス発振型のレ
ーザー(パルスレーザー)を用いることができる。
【0096】
またさらにレーザーの入射角θを、半導体層に対して(0°<θ<90°)となるように
してもよい。その結果、レーザー光の干渉を防止することができる。
【0097】
なお連続発振の基本波のレーザー光と連続発振の高調波のレーザー光とを照射するように
してもよいし、連続発振の基本波のレーザー光とパルス発振の高調波のレーザー光とを照
射するようにしてもよい。複数のレーザー光を照射することにより、エネルギーを補うこ
とができる。
【0098】
またパルス発振型のレーザーであって、半導体層がレーザー光によって溶融してから固化
するまでに、次のパルスのレーザー光を照射できるような繰り返し周波数でレーザー光を
発振させることで、走査方向に向かって連続的に成長した結晶粒を得ることができる。す
なわち、パルス発振の周期が、半導体層が溶融してから完全に固化するまでの時間よりも
短くなるように、繰り返し周波数の下限を定めたパルスビームを使用することができる。
実際に用いることができるパルスビームの発振周波数は10MHz以上であって、通常用
いられている数十Hz乃至数百Hzの周波数帯よりも著しく高い周波数帯を使用する。
【0099】
その他の加熱処理として、加熱炉を用いる場合、非晶質半導体層を500乃至550℃で
2乃至20時間かけて加熱する。このとき、徐々に高温となるように温度を500乃至5
50℃の範囲で多段階に設定するとよい。最初の低温加熱工程により、非晶質半導体層の
水素等が出てくるため、結晶化の際の膜荒れを低減する、いわゆる水素だしを行うことが
できる。さらに、結晶化を促進させる金属元素、例えばNiを非晶質半導体層上に形成す
ると、加熱温度を低減することができ好ましい。このような金属元素を用いた結晶化であ
っても、600乃至950℃に加熱しても構わない。
【0100】
但し、金属元素を形成する場合、半導体素子の電気特性に悪影響を及ぼすことが懸念され
るので、該金属元素を低減又は除去するためのゲッタリング工程を施す必要が生じる。例
えば、非晶質半導体層をゲッタリングシンクとして金属元素を捕獲するよう工程を行えば
よい。
【0101】
さらにTFT180は、該半導体層を覆うゲート絶縁層、ゲート電極、ゲート電極上に絶
縁層181が設けられている。
【0102】
このような半導体層170に不純物領域を形成すると、不純物領域の間にはチャネル形成
領域が形成される。TFTは、半導体層が高濃度不純物領域のみを有するシングルドレイ
ン構造、半導体層が低濃度不純物領域、及び高濃度不純物領域を有するLDD(低濃度ド
レイン)構造をとることができる。
【0103】
このようにして結晶性半導体層を有するTFTを形成することができる。その後、不純物
領域と、画素電極105とを電気的に接続するため、絶縁層181にコンタクトホールを
形成する。
【0104】
本実施の形態の画素電極は、上記実施の形態9又は10で示した形状を有することができ
る。
【0105】
(実施の形態13)
本発明の液晶表示装置を用いた電子機器として、テレビジョン装置(テレビ、テレビジョ
ン受信機)、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話装置(携帯電話機)、P
DA等の携帯情報端末、携帯型ゲーム機、モニター、コンピュータ、カーオーディオ等の
音響再生装置、家庭用ゲーム機等の記録媒体を備えた画像再生装置等が挙げられる。その
具体例について、図13を参照して説明する。
【0106】
図13(A)に示す本発明の液晶表示装置を用いた携帯情報端末は、本体9201、表示
部9202等を含む。本発明により、室外において、自然光を効率よく反射することがで
き、鮮明な表示が行える携帯情報端末を提供することができる。
【0107】
図13(B)に示す本発明の液晶表示装置を用いたデジタルビデオカメラは、表示部97
01、9702等を含む。本発明により、室外において、自然光を効率よく反射すること
ができ、鮮明な表示が行えるデジタルビデオカメを提供することができる。
【0108】
図13(C)に示す本発明の液晶表示装置を用いた携帯端末は、本体9101、表示部9
102等を含む。本発明により、室外において、自然光を効率よく反射することができ、
鮮明な表示が行える携帯端末を提供することができる。
【0109】
図13(D)に示す本発明の液晶表示装置を用いた携帯型のテレビジョン装置は、本体9
301、表示部9302等を含む。本発明により、室外において、自然光を効率よく反射
することができ、鮮明な表示が行える携帯型のテレビジョン装置を提供することができる

【0110】
図13(E)に示す本発明の液晶表示装置を用いた携帯型のコンピュータは、本体940
1、表示部9402等を含む。本発明により、室外において、自然光を効率よく反射する
ことができ、鮮明な表示が行える携帯型のコンピュータを提供することができる。
【0111】
以上のように、本発明の表示装置は、あらゆる電子機器に適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の絶縁基板と、
前記第1の絶縁基板上で、表面に凹凸形状を有する第1の絶縁層と、
前記第1の絶縁層上の透光性の共通電極と、
前記共通電極上に選択的に形成された反射電極と、
前記共通電極、および前記反射電極上の第2の絶縁層と、
前記第2の絶縁層上の画素電極と、
前記画素電極上の液晶層と、
前記液晶層上の第2の絶縁基板と、を有し、
前記共通電極の表面は、前記凹凸形状に沿う形状を有し、
前記反射電極の表面は、前記凹凸形状に沿う形状を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
第1の絶縁基板と、
前記第1の絶縁基板上で、表面に凹凸形状を有する第1の絶縁層と、
前記第1の絶縁層上に選択的に形成された反射電極と、
前記反射電極上の第2の絶縁層と、
前記第2の絶縁層上の透光性の共通電極と、
前記共通電極上の第3の絶縁層と、
前記第3の絶縁層上の画素電極と、
前記画素電極上の液晶層と、
前記液晶層上の第2の絶縁基板と、を有し、
前記第1の絶縁層の表面は、凹凸形状を有し、
前記反射電極の表面は、前記凹凸形状に沿う形状を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
請求項3又は4において、前記共通電極は、タンタル、タングステン、チタン、モリブデン、アルミニウム、クロム、または銀から選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料からなることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項4】
請求項3又は4において、前記画素電極は、光反射性の電極であることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至7のいずれか一において、前記画素電極は、透光性の電極であることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項6】
請求項9において、前記画素電極はITOでなることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項7】
請求項1乃至10のいずれか一において、前記画素電極にはトランジスタが接続されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項8】
請求項1乃至11のいずれか一において、前記画素電極の幅は、10μm乃至15μmであることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項9】
請求項1乃至12のいずれか一において、前記画素電極は選択的に形成されることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項10】
請求項1乃至13のいずれか一において、前記凹凸形状の凸部の高さは、0.1μm乃至1μm、凸部の間隔は5乃至10μmであることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項11】
請求項1乃至14のいずれか一において、前記液晶表示装置は、テレビ、携帯型のテレビジョン装置、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話機、携帯情報端末、携帯型ゲーム機、モニター、コンピュータ、カーオーディオ、または記録媒体を備えた画像再生装置のいずれか一に用いられることを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−194593(P2012−194593A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−158207(P2012−158207)
【出願日】平成24年7月16日(2012.7.16)
【分割の表示】特願2012−47734(P2012−47734)の分割
【原出願日】平成18年10月16日(2006.10.16)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】