説明

液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置

【課題】複雑な構造にすることなく、インクの多色化(液滴の多種類化)及びチップサイズの小型化を両立させるとともに、共通インク室間の隔壁の剛性を確保することでインク等の液滴の吐出特性の安定化及び印刷等の動作の高速化を実現した液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】液滴吐出ヘッド100は、複数のノズル孔8を配列したノズル列と、ノズル孔8のそれぞれに連通し、液体を溜めてノズル孔8から吐出させる複数のインク圧力室5と、インク圧力室5の全てと連通し、インク圧力室5に液体を供給する共通インク室23と、からなる液体吐出機構を複数設け、複数の液体吐出機構は、ノズル列のそれぞれが同一面内で略直線上に配置され、共通インク室23がノズル列の両側に交互に配置されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクやその他の液滴を吐出する液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置に関し、特に複雑な構造とすることなくノズル密度の高密度化及び印刷高速化を実現可能とした液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液滴を吐出するための装置として、たとえばインクジェット記録装置に搭載されるインクジェットヘッドが知られている。一般に、このインクジェットヘッドは、インク滴を吐出するための複数のノズル孔が形成されたノズル基板と、このノズル基板に接合されノズル孔に連通する吐出室や、リザーバ等のインク流路が形成されたキャビティ基板とを備え、吐出室に圧力を加えることによりインク滴を選択されたノズル孔より吐出するように構成されている。このようにインク滴を吐出させる方式としては、静電気力を利用する静電駆動方式や、圧電素子による圧電(PZT)方式、発熱素子を利用するバブルジェット(登録商標)方式等がある。
【0003】
このうち、静電駆動方式のインクジェットヘッドにおいては、吐出室の底部を振動板としたキャビティ基板と、この振動板に所定のギャップ(空隙)を介して対向する個別電極を形成した電極ガラス基板とを接合させた構成となっている。インク滴を吐出する際には、個別電極に駆動電圧を印加してプラスに帯電させ、対応する振動板に駆動電圧を印加してマイナスに帯電させる。そうすると、この時に生じる静電引力により振動板が個別電極側に弾性変形する。そして、この駆動電圧をオフにすると、振動板が復元する。このとき、吐出室の内部の圧力が急激に上昇し、吐出室内のインクの一部をインク滴としてノズル孔から吐出されることになる。
【0004】
近年、静電駆動方式のインクジェットヘッドでは、高解像度画像の高速印刷及び多色印刷を目的として、ノズル密度の高密度化及び多列化が進んでおり、それに伴って1列当たりのノズル及び吐出室の数が増加し、ノズル列の長尺化が進んでいる。確かに、インクジェットプリンタ(以下、単にプリンタと称する)において、印刷の高速化にはノズル数を増やすことが効果的であるが、多ノズル化はヘッドサイズを大きくすることになる。また、インクジェットヘッドのサイズが大きくなれば、プリンタのサイズも増大させることになってしまう。
【0005】
特に、ヘッド走査方向のサイズ(以下、単に幅と称する)の拡大は、プリンタにおいて、印刷のためのヘッドの走査距離から更にヘッドサイズ分のスペースの確保が必要になる。そして、プリンタのクリーニング等を行うためのスペースとして、更にまたそのヘッドサイズの分を確保しなければならない。すなわち、幅の拡大は、プリンタの幅(ヘッド走査方向)に大きく影響することになる。このことは、通常、幅方向に大きくなっているプリンタにとって、省スペース化を妨げる大きな要因になる。ヘッドチップにおいて、幅を大きくする要因には、多色化のためのノズル列の多列構成が挙げられる。そこで、幅を小さくするために、ノズル列を減らし、1つの列に複数の色を配置する構成が考えられる。
【0006】
そのようなものとして、「ノズル開口に連通する圧力発生室が形成される流路形成基板と、前記圧力発生室内に圧力変化を生じさせる圧力発生素子とを具備するインクジェット式記録ヘッドにおいて、前記ノズル開口がヘッドの移動方向である主走査方向に交差する方向である副走査方向に沿って並設されたノズル列を主走査方向に複数列具備すると共に各ノズル列のノズル開口が前記圧力発生室に少なくとも一つ置きに連通して前記ノズル開口の副走査方向で互いに異なる第1の位置と第2の位置とに配置され、前記第1又は第2の位置のそれぞれのノズル列からは、色濃度の異なるインクが吐出するインクジェット式記録ヘッド」が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0007】
また、「複数のノズル孔を有するノズル列と、前記それぞれのノズル孔と連通する複数の圧力室を備えた液滴圧力室と、該液滴圧力室の各圧力室と連通されそれぞれの圧力室に液体を供給する共通液滴室と、前記液滴圧力室の壁面の一部に形成された振動板と、該振動板を変位させて前記液滴圧力室の液体を前記ノズル孔から吐出させる駆動手段とを有する液滴吐出ヘッドであって、前記共通液滴室が積層して複数設けられ、それぞれの前記共通液滴室が前記液滴圧力室の各圧力室に連通される液滴吐出ヘッド」が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献1】特開2001−191524号公報(第4頁及び第2図)
【特許文献2】特開2007−223190号公報(第6頁及び第3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載のインクジェット式記録ヘッドは、異なる共通インク室(リザーバ)からインクを吐出するノズルを交互に並べたものである。つまり、1つのノズル列に対して2色のインクが交互に吐出できるようになっている。しかしながら、このようなインクジェット式記録ヘッドでは、1つのノズル列から3色以上のインクを吐出させることは考慮されておらず、1つのノズル列から3色以上のインクを吐出させることは困難である。したがって、インクの多色化及びチップサイズの小型化を両立させるための更なる工夫が要求される。
【0010】
特許文献2に記載の液滴吐出ヘッドは、第1の共通インク室(第1のリザーバ)と第2の共通インク室(第2のリザーバ)とをヘッドチップの厚さ方向に積層するようになっている。つまり、異なる色のインクを貯留する複数の共通インク室が上下に積層されているのである。しかしながら、このような液滴吐出ヘッドでも、インクの色が増加するほどに構造が複雑化してしまい、それに伴って高コスト化を招いてしまうことになる。したがって、高コスト化を招かずに、インクの多色化及びチップサイズの小型化を両立させるための更なる工夫が要求される。
【0011】
また、複数の共通インク室を1列に設けるようにする場合、その共通インク室もノズルと同用に並列に並べることになり、隣接する共通インク室間の隔壁は、ノズル毎に設けられたインク圧力室の隔壁と同等の厚さとなる。つまり、ノズルの高密度化に伴い、インク圧力室の隔壁も薄くなるため、共通インク室間の隔壁も薄くなってしまう。共通インク室の深さがインク圧力室と同等であれば、共通インク室間の隔壁は、インク圧力室の隔壁と同じ厚さでもよい。しかしながら、共通インク室の容積確保(つまり、コンプライアンス確保)及び流路抵抗低減のために共通インク室をインク圧力室よりも深くする場合、そのような細い隔壁を欠損なく作製することが困難になり、更に剛性が低いためにインクの圧力により余計に振動してしまう可能性もある。
【0012】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、複雑な構造にすることなく、インクの多色化(液滴の多種類化)及びチップサイズの小型化を両立させるとともに、共通インク室間の隔壁の剛性を確保することでインク等の液滴の吐出特性の安定化及び印刷等の動作の高速化を実現した液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る液滴吐出ヘッドは、複数のノズル孔を配列したノズル列と、ノズル孔のそれぞれに連通し、液体を溜めてノズル孔から吐出させる複数の液体圧力室と、液体圧力室の全部と連通し、液体圧力室に液体を供給する共通液体室と、からなる液体吐出機構を複数設け、複数の液体吐出機構は、ノズル列のそれぞれが同一面内で略直線上に配置され、共通液体室がノズル列の両側に交互に配置されることを特徴とする。したがって、各共通液体室間の隔壁を厚くして剛性を確保することができるとともに、隣接する共通液体室に余計な悪影響を与えなくて済むので、液滴の吐出特性の安定化を実現できる。また、隣接する共通液体室間の距離を確保するようなスペースを設けなくて済むので、チップサイズの小型化を実現することができる。
【0014】
本発明に係る液滴吐出ヘッドは、略直線上に配置されたノズル列を同一面内に複数列形成したことを特徴とする。したがって、複雑な構成にすることなく、共通液体室を高密度に配置することができる。
【0015】
本発明に係る液滴吐出ヘッドは、液体圧力室と共通液体室とを異なる基板に作製したことを特徴とする。したがって、液体圧力室と共通液体室との容積を変えることができ、その場合に各共通液体室間の隔壁を厚くして剛性を確保することができる。
【0016】
本発明に係る液滴吐出ヘッドは、ノズル列が形成されたノズル基板と、共通液体室、及び、液体圧力室からノズル列への連通孔が形成されたリザーバ基板と、液体圧力室が底壁を振動板として形成されたキャビティ基板と、振動板にギャップを隔てて対向して駆動する個別電極が形成された電極ガラス基板と、を備えたことを特徴とする。したがって、4層構造の液滴吐出ヘッドとすることによって、複雑な構造とすることなく、チップサイズの小型化を図ることができる。
【0017】
本発明に係る液滴吐出ヘッドは、リザーバ基板を結晶方位面(110)のシリコン基板で構成し、シリコン基板をウエットエッチングして共通液体室を形成したことを特徴とする。したがって、簡易な方法で共通液体室を形成できるので、製造に要する手間や費用の節約が可能になる。
【0018】
また、本発明に係る液滴吐出装置は、上記の液滴吐出ヘッドを搭載したことを特徴とする。したがって、上述の液滴吐出ヘッドの効果をすべて有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
実施の形態1.
図1は、液滴吐出ヘッド100が組み立てられた状態の縦断面図を示している。図1に基づいて、液滴吐出ヘッド100の構成及び動作について説明する。この液滴吐出ヘッド100は、静電駆動方式の静電アクチュエータの代表として、ノズル基板1の表面側に設けられたノズル孔8から液滴を吐出するフェイスイジェクトタイプの液滴吐出ヘッドを表している。なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
【0020】
図1に示すように、この液滴吐出ヘッド100は、複数のノズル孔8が所定のピッチで配列されてノズル列を構成しているノズル基板1と、各ノズル孔8から吐出するインク等の液滴を貯留する共通インク室(共通液体室)23が設けられたリザーバ基板2と、共通インク室23に連通し、各ノズル孔8に対して独立にインク供給路(インク圧力室5)が設けられたキャビティ基板3と、キャビティ基板3のインク圧力室5底壁を形成する振動板6に対向して個別電極7が配設された電極ガラス基板4とが順に積層されて構成されている。つまり、リザーバ基板2の一方の面にはノズル基板1が、リザーバ基板2の他方の面にはキャビティ基板3が接合されており、キャビティ基板3のリザーバ基板2が接合された面の反対面には、電極ガラス基板4が接合されている。
【0021】
[ノズル基板1]
ノズル基板1は、たとえば厚さ50[μm](マイクロメートル)のシリコン単結晶基板(以下、単にシリコン基板という)を主要な材料として構成されている。ノズル基板1には、所定のピッチで設けられている複数のノズル孔8でノズル列が構成されている。各ノズル孔8は、後述する各ノズル連通孔22から移送された液体を液滴として外部に吐出する機能を有している。なお、ノズル孔8を複数段(たとえば、図1に示すような2段)で形成したり、テーパ形状で形成したりすると、液滴を吐出する際の直進性の向上が期待できる。なお、ノズル基板1を上面とし、電極ガラス基板4を下面としているが、実際に用いられる場合には、ノズル基板1の方が電極ガラス基板4よりも下面となることが多い。
【0022】
[リザーバ基板2]
リザーバ基板2は、たとえば厚さ180[μm]で結晶方位面(110)を有するシリコン基板を主要な材料として構成されている。このリザーバ基板2には、リザーバ基板2に垂直に貫通し、各ノズル孔8に独立して連通するノズル連通孔22が複数形成されている。このノズル連通孔22は、ノズル孔8の径よりも少し大きい径で形成するとよい。また、リザーバ基板2には、各インク圧力室5に液体を供給するための共通インク室23が各インク圧力室5に共通して形成されている。この共通インク室23は、水酸化カリウム水溶液(KOH)等を用いた異方性ウエットエッチングによって形成されるため、ノズル基板1との接着面側に拡径した断面形状となっている。
【0023】
共通インク室23の底面には、共通インク室23の底面を垂直に貫通し、共通インク室23から各インク圧力室5へ液体を移送するための供給口9が各インク圧力室5の位置に合わせて形成されている。すなわち、共通インク室23は、各供給口9を介して各ノズル連通孔22及びノズル孔8と連通するようになっている。また、共通インク室23の底面には、共通インク室23の底面を垂直に貫通し、図示省略の外部のインクタンクから共通インク室23に供給される液体を取り入れる流路となるインク供給孔24aが形成されている。なお、共通インク室23の平面形状について図2で詳細に説明するものとする。
【0024】
[キャビティ基板3]
キャビティ基板3は、たとえば厚さ約50μmで結晶方位面(110)を有するシリコン基板を主要な材料として構成されている。このシリコン基板にドライエッチングまたは異方性ウエットエッチングのいずれかあるいは双方を行い、底壁が可撓性を有する振動板6となるインク圧力室(液体圧力室や吐出室とも称される)5が複数形成されている。このインク圧力室5は、個別電極7の電極列に対応して形成されており、液体が保持されて吐出圧が加えられるようになっている。また、インク圧力室5は、紙面手前側から奥側にかけて平行に並んで形成されているものとする。
【0025】
この振動板6は、高濃度のボロンドープ層で形成するようにしてもよい。KOH等のアルカリ溶液による単結晶シリコンのエッチングにおけるエッチングレートは、ドーパントがボロンの場合、約5×1019atoms/cm3 以上の高濃度の領域において、非常に小さくなる。このため、振動板6の部分を高濃度のボロンドープ層とし、アルカリ溶液による異方性エッチングによってインク圧力室5を形成する際に、ボロンドープ層が露出してエッチングレートが極端に小さくなる、いわゆるエッチングストップ技術を用いることにより、振動板6を所望の厚さに形成することができる。
【0026】
インク圧力室5は、リザーバ基板2のノズル連通孔22のそれぞれに独立して連通するように形成されている。また、キャビティ基板3の下面(電極ガラス基板4と対向する面)には、振動板6と個別電極7との間を電気的に絶縁するためのTEOS膜(ここでは、Tetraethyl orthosilicate Tetraethoxysilane:テトラエトキシシラン(珪酸エチル)を用いてできるSiO2 膜をいう)である絶縁膜(図示省略)をプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition:TEOS−pCVDともいう)法を用いて、0.1[μm]形成するとよい。
【0027】
このような絶縁膜を形成することで、振動板6の駆動時における絶縁破壊及びショートを防止できるとともに、液体によるキャビティ基板3のエッチングを防止できる。また、絶縁膜をTEOS膜に限定するものではなく、絶縁性能が向上する物質、たとえばAl23(酸化アルミニウム(アルミナ))等を用いてもよい。さらに、キャビティ基板3の上面には、図示省略の液体保護膜となるSiO2 膜(TEOS膜を含む)を、プラズマCVD法又はスパッタリング法により成膜するとよい。この液体保護膜を成膜することで、インク滴で流路が腐食されるのを防止できる。また、この液体保護膜の応力と絶縁膜の応力とを相殺させ、振動板6の反りを小さくできるという効果もある。
【0028】
また、キャビティ基板3には、キャビティ基板3を垂直に貫通し、リザーバ基板2のインク供給孔24a及び後述する電極ガラス基板4のインク供給孔24cと連通するインク供給孔24bが形成されている。なお、キャビティ基板3には、図示省略の電力供給手段から電荷を供給する際の端子となる共通電極端子16が形成されているものとする。つまり、キャビティ基板3は、共通電極として機能するものであり、共通電極端子16を介して駆動制御回路15から個別電極7に供給される電荷と反対の極性の電荷が振動板6に供給されるようになっているのである。なお、駆動制御回路15には、図示省略の制御部から駆動信号(パルス電圧)が供給されている。
【0029】
[電極ガラス基板4]
電極ガラス基板4は、たとえば、厚さ1[mm]のガラス材を主要な材料として形成するとよい。中でも、キャビティ基板3を構成するシリコン材と熱膨張係数の近い硼珪酸系の耐熱硬質ガラスで形成するのが好ましい。この硼珪酸系の耐熱硬質ガラスで電極ガラス基板4を形成すれば、電極ガラス基板4とキャビティ基板3とを陽極接合する際、両基板の熱膨張係数が近いため、電極ガラス基板4とキャビティ基板3との間に生じる応力を低減することができ、その結果、剥離等の問題を生じることなく、電極ガラス基板4とキャビティ基板3とを強固に接合することができる。なお、電極ガラス基板4がガラス材で形成されている場合を例に示すが、単結晶シリコンで形成してもよい。
【0030】
この電極ガラス基板4の表面には、キャビティ基板3の各インク圧力室5の形状に応じた凹部(ガラス溝)25が形成されている。この凹部25は、たとえばエッチングにより深さ0.3μm程度で形成するとよい。この凹部25の内部(特に底部)には、固定電極となる個別電極7が、一定の間隔を有してキャビティ基板3の各インク圧力室5の底面を形成する振動板6と対向するように作製されている。つまり、凹部25は、その一部に個別電極7を装着できるように、これらの形状に類似したやや大きめの形状にパターン形成されている。
【0031】
個別電極7は、たとえばITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)を0.1μmの厚さでスパッタして作製することができる。このようにITOで個別電極7作製すると、透明なので放電したかどうかの確認が行いやすいという利点がある。なお、個別電極7をITOで作製した場合を例に示したが、これに限定するものではなく、IZO(Indium Zinc Oxide)あるいは金、銅、クロム等の金属等で作製してもよい。また、個別電極7は、リード部及び端子部が一体となって作製されている。そして、個別電極7の一端(端子部)が電力供給手段である駆動制御回路15と接続されており、その駆動制御回路15から個別電極7に駆動信号(パルス電圧)が供給されるようになっている。
【0032】
以上のように構成された電極ガラス基板4とキャビティ基板3とを陽極接合により接合して積層体を形成すると、振動板6と個別電極7との間には、振動板6を撓ませる(変位させる)ことができる一定のギャップ(空隙)21が、電極ガラス基板4の凹部25により形成されるようになっている。ここでは、ギャップ21が0.2[μm]となっている。このギャップ21は、凹部25の深さ、個別電極7及び振動板6の厚さにより決まることになる。このギャップ21は、液滴吐出ヘッド100の吐出特性に大きく影響するため、厳格な精度管理が要求される。
【0033】
また、このギャップ21の開放端部に、たとえばエポキシ接着剤等からなる封止部14を形成し、ギャップ21内に異物や湿気等が侵入するのを防止するとよい。なお、封止部14に使用する材料を特に限定するものではなく、ギャップ21を気密に封止できるものであればよい。たとえば、水分透過性の低い酸化シリコン(SiO2 )や、酸化アルミニウム(Al23)、酸窒化シリコン(SiON)、窒化シリコン(SiN)、ポリパラキシリレン等で封止部14を形成するとよい。なお、ギャップ21は、電極ガラス基板4に凹部25を形成する他に、キャビティ基板3となるシリコン基板に凹部を形成したり、スペーサを挟むことによって設けたりすることも可能である。
【0034】
なお、電極ガラス基板4には、図示省略の外部のインクタンクから供給される液体を取り入れ、この液体をリザーバ基板2に形成されている共通インク室23に供給する流路となるインク供給孔24c(キャビティ基板3に形成されているインク供給孔24b及びリザーバ基板2に形成されているインク供給孔24aと連通する)が電極ガラス基板4を貫通するように形成されている。つまり、リザーバ基板2のインク供給孔24a、キャビティ基板3のこのインク供給孔24b及び電極ガラス基板4のインク供給孔24cが連通することでインク供給孔24を構成しているのである。
【0035】
そして、キャビティ基板3の電極ガラス基板4の接合面とは反対側の面にリザーバ基板2を接着剤を用いて直接接合し、リザーバ基板2のキャビティ基板3の接合面とは反対側の面にノズル基板1を接着剤を用いて直接接合することによって、液滴吐出ヘッド100が作製される。なお、個別電極7にパルス電圧を供給する駆動制御回路15を備えたドライバIC等を電極ガラス基板4に形成した凹部25の中央部等に実装するとよい。また、電極ガラス基板4には、FPCを実装するためのFPC実装部を形成するとよい。さらに、ここで示した凹部25の深さやギャップ21の長さ、個別電極7の厚さは一例であり、ここで示す値に限定するものではない。
【0036】
ここで、液滴吐出ヘッド100の動作について説明する。リザーバ基板2の共通インク室23には、インク供給孔24を介して外部から液体が供給されている。また、インク圧力室5には、供給口9を介して共通インク室23から液体が供給されている。インク圧力室5内の液体は、ノズル連通孔22を介してノズル孔8の先端まで満たされている。そして、各個別電極7と共通電極端子16との間に接続された駆動制御回路15によって選択された個別電極7には0[V]〜40[V]程度のパルス電圧が印加され、その個別電極7を正に帯電させる。
【0037】
このとき、対応するキャビティ基板3の振動板6には共通電極端子16を介して負の極性を有する電荷が印加され、正に帯電された個別電極7に対応する振動板6を相対的に負に帯電させる。そのため、選択された個別電極7と振動板6との間では静電気力(クーロン力)が発生することになる。そうすると、振動板6は、静電気力によって個別電極7側に引き寄せられて撓み、個別電極7に当接することになる。これによってインク圧力室5の容積が増大し、共通インク室23の内部に溜まっていた液体がインク圧力室5に流れ込む。
【0038】
その後、個別電極7への電荷の供給を止めると、振動板6と個別電極7との間の静電気力がなくなり、振動板6はその弾性力により元の状態に復元する。このとき、インク圧力室5の容積が急激に減少するため、インク圧力室5内部の圧力が急激に上昇する。これにより、インク圧力室5内の液体の一部が液滴としてノズル孔8より吐出されることになる。この液滴が、たとえば記録紙に着弾することによって印刷等が行われるようになっている。その後、液体が共通インク室23から供給口9を通じてインク圧力室5内に補給され、初期状態に戻る。
【0039】
図2は、液滴吐出ヘッド100の一部を透視して上から見た状態を示した平面図である。図2に基づいて、実施の形態1の特徴部分である共通インク室23の平面形状について説明する。図2では、リザーバ基板2に6個の共通インク室23が形成されている場合を例に示している。そして、各共通インク室23は、たとえば6個のインク圧力室5が供給口9を介して連通し、各インク圧力室5は、各ノズル孔8と連通している。各共通インク室23と、この共通インク室23に連通するインク圧力室5と、このインク圧力室5に連通するノズル孔8とで液体吐出機構を構成している。つまり、図2には、6個の液体吐出機構が設けられている場合を例に示している。
【0040】
このインク圧力室5は、所定個数ごとに1つのノズル列の両側に交互に形成されている。各共通インク室23に貯留されている液体は、6個のノズル孔8から吐出されるようになっている。また、複数のノズル孔8は、所定のピッチでノズル列(ここでは、2つのノズル列(ノズル列8a、ノズル列8b))を構成している場合を例に示している。換言すると、複数の液体吐出機構は、各液体吐出機構を構成するノズル列のそれぞれが同一面内で略直線上に配置され、共通インク室23がノズル列の両側(ノズル列を中心として左右)に交互に配置されるようになっている。なお、ノズル列を同一面内で略直線上に配置する場合を例に示しているが、ノズル列を構成するノズル孔8が多少ずれて形成されたことにより、ノズル列が厳密に直線上に配置されていない場合も含むものとする。
【0041】
リザーバ基板2の共通インク室23は、インク圧力室5に対応するようにノズル基板1に形成されたノズル列を軸として、そのノズル列の両側に交互に配置されるように形成されている。たとえば、図2に示すように、(1)の共通インク室23、(2)の共通インク室23及び(3)の共通インク室23は、ノズル列8aを軸として、そのノズル列8aの両側に交互、つまり(1)の共通インク室23及び(3)の共通インク室23が紙面右側、(2)の共通インク室23が紙面左側に配置され、(4)の共通インク室23、(5)の共通インク室23及び(6)の共通インク室23は、ノズル列8bを軸として、そのノズル列8bの両側に交互、つまり(4)の共通インク室23及び(6)の共通インク室23が紙面右側、(5)の共通インク室23が紙面左側に配置されている。
【0042】
上述したように、リザーバ基板2は、結晶方位面が(110)のシリコン基板で形成されており、共通インク室23は異方性ウエットエッチングによって形成されている。つまり、共通インク室23は、結晶方位面が(110)のシリコン基板の化学的な性質を利用して形成されているのである。したがって、図2に示すように、各共通インク室23は、台形と、この台形の長い方の底辺を長辺とした長方形とが組み合わされたような平面形状を特徴としている。
【0043】
この共通インク室23は、容積確保(コンプライアンス確保)及び流路抵抗低減のため、インク圧力室5が形成されるキャビティ基板3とは別のリザーバ基板2に形成している。また、共通インク室23を1つのノズル列に対して片側だけに形成すると、各共通インク室23の間の隔壁が細くなってしまう。そのような細い隔壁を有した共通インク室23を欠損なく作製することが困難になるとともに、隔壁部分の剛性が低いために内部に貯留される液体の圧力により余計に振動し、隣接する共通インク室23に悪影響を与える可能性もある。
【0044】
そこで、液滴吐出ヘッド100では、共通インク室23がノズル列を軸として、そのノズル列の両側に交互に配置されるように形成しているのである。このように各共通インク室23を配置しておけば、各共通インク室23の間の隔壁を厚くすることができるので、隣接する共通インク室23間の隔壁の剛性を確保することができ、隣接する共通インク室23に余計な振動等の悪影響を与えなくて済む。また、共通インク室23は、特別な製造方法によって形成する必要がないので、製造に要する手間及び費用を節約できるという利点もある。
【0045】
さらに、共通インク室23をノズル列を軸として両側に交互に配置されるように形成すれば、隣接する共通インク室23間の隔壁の剛性を確保しながら、共通インク室23を省スペースで形成できる。つまり、隣接する共通インク室23間の距離を確保するようなスペースを設ける必要がなく、液滴吐出ヘッド100のサイズを大きくしなくて済むのである。したがって、複雑な工程を要することなく、共通インク室23を高密度に配置することができる。また、各共通インク室23が隣接する共通インク室23に影響しないので、インク吐出特性の安定化及び高速印刷化を図ることができる。
【0046】
図3は、ノズル列の一列に複数の色を配置した状態の一例を説明するための説明図である。図3に基づいて、ノズル列の一列に複数の色(たとえば、ノズル列一例に対して3色)を配置した状態の一例について説明する。図3に示すように、1つのノズル列が18個のノズル孔8で構成されており、6個のノズル孔8を1組として複数の色が配置されている。そして、各組は、図2で説明した共通インク室23のそれぞれに連通するようになっている。すなわち、リザーバ基板2に形成した複数の共通インク室23には、それぞれ異なる色の液体が貯留されているのである。
【0047】
たとえば、各共通インク室23に貯留される液体の色としては、シアン((1)の共通インク室23)、マゼンタ((2)の共通インク室23)、イエロー((3)の共通インク室23)、黒((4)の共通インク室23)、ライトシアン((5)の共通インク室23)、ライトマゼンタ((6)の共通インク室23)等がある。そして、液滴吐出ヘッド100では、1列のノズル列から複数色の液体を液滴として吐出できるようになっている。
【0048】
このようにすれば、ノズル列を減らすことができるので、液滴吐出ヘッド100の走査方向(ノズル列方向)のサイズを小さくすることができる。また、1つのノズル列に複数色を配置できるので、液体の多色化を実現することもできる。すなわち、液滴吐出ヘッド100は、複雑な構造にすることなく、インクの多色化及びチップサイズの小型化を両立させることを可能にしているのである。また、液滴吐出ヘッド100は、ノズル列の各列の配色を種々変更することができるので、用途に応じた印刷を容易に実現することができる。
【0049】
図4は、ノズル列の一列に複数の色を配置した状態の他の一例を説明するための説明図である。図4に基づいて、ノズル列の一列に複数の色を配置した状態の他の一例について説明する。図4では、(4)の共通インク室23及び(5)の共通インク室23に、黒の液体を貯留している場合を例に示している。このように、1つのノズル列で隣接する共通インク室23に同じ色の液体を貯留することもできる。つまり、共通インク室23の異なる隣接するノズル孔8の間を広くする必要がなく、一様のピッチで色を配置できるため、液滴吐出ヘッド100の種々の用途に容易に対応することができるのである。
【0050】
たとえば、図4に示すように、(4)の共通インク室23及び(5)の共通インク室23に同色(たとえば、黒)の液体を貯留、つまりテキスト印刷用の黒インクを吐出するノズル孔8の個数を、他の色のインクを吐出するノズル孔8の2倍の個数を割り当てることによって、特に印刷速度が求められるような場合に、容易に対応することができるのである。なお、割り当てるノズル孔8の個数を2倍とした場合を例に説明したが、これに限定するものではなく、液滴吐出ヘッド100の用途に応じて割り当てるノズル孔8の個数を3倍以上としてもよい。また、液滴吐出ヘッド100は、色の割り当ての増減をユーザが任意に選択することもでき、ユーザニーズに幅広く対応できる。
【0051】
以上のように、液滴吐出ヘッド100では、複数の共通インク室23を1つのノズル列を軸として、そのノズル列の両側に交互に配置されるようになっているので、各共通インク室23の間の隔壁を厚くして剛性を確保することができるとともに、隣接する共通インク室23に余計な悪影響を与えなくて済むので、液滴の吐出特性の安定化を実現できる。また、各共通インク室23を、簡易な方法で形成できるので、製造に要する手間及び費用の節約にも寄与できる。
【0052】
液滴吐出ヘッド100は、1つのノズル列に複数の色を配置できるので、ヘッドの走査方向(ノズル列方向)のサイズを小さくすることができるとともに、隣接する共通インク室23間の距離を確保するようなスペースを設けなくて済むので、チップサイズの小型化を実現することができる。また、1つのノズル列に複数色を配置できるので、液体の多色化を実現することもできる。さらに、液滴吐出ヘッド100は、各共通インク室23に貯留する色を任意に変更することができるので、たとえば印刷高速化等の様々なユーザニーズに容易に対応することができる。なお、ノズル孔8の個数や、ノズル列の本数、共通インク室23の個数、共通インク室23に連通させるインク圧力室5の個数等の数値を特に限定するものではない。
【0053】
実施の形態2.
図5は、上述した液滴吐出ヘッド100を搭載した液滴吐出装置150の一例を示した斜視図である。図5に示す液滴吐出装置150は、一般的なインクジェットプリンタである。なお、この液滴吐出装置150は、周知の製造方法によって製造することができる。上述した液滴吐出ヘッド100は、インクの多色化及びチップサイズの小型化を両立させるとともに、共通インク室23間の隔壁の剛性を確保することでインク吐出特性の安定化及び印刷高速化を可能にしたものである。
【0054】
したがって、液滴吐出装置150は、複数の共通インク室23を1つのノズル列を軸として、そのノズル列の両側に交互に配置されるようになっている液滴吐出ヘッド100を備えているので、インク滴の吐出特性の安定化を実現できる。また、簡易な方法で共通インク室23を形成できる液滴吐出ヘッド100を備えているので、製造に要する手間及び費用の節約にも寄与できる。また、液滴吐出装置150は、1つのノズル列に複数の色を配置できる液滴吐出ヘッド100を備えているので、小型化、インク滴の多色化及び印刷高速化を実現することができる。
【0055】
なお、液滴吐出ヘッド100は、図5に示す液滴吐出装置150の他に、吐出させる液滴を種々変更することで、液晶ディスプレイのカラーフィルタの製造、有機EL表示装置の発光部分の形成、生体液体の吐出等にも適用することができる。また、液滴吐出ヘッド100は、圧電駆動方式の液滴吐出装置や、バブルジェット(登録商標)方式の液滴吐出装置にも使用できる。たとえば、液滴吐出ヘッド100をディスペンサとし、生体分子のマイクロアレイとなる基板に吐出する用途に用いる場合では、DNA(Deoxyribo Nucleic Acids:デオキシリボ核酸)、他の核酸(例えば、Ribo Nucleic Acid:リボ核酸、Peptide Nucleic Acids:ペプチド核酸等)タンパク質等のプローブを含む液滴を吐出させるようにしてもよい。
【0056】
また、液滴吐出ヘッド100に搭載されている静電アクチュエータは、たとえば光通信や光演算、光記憶装置、光プリンタ、映像表示装置等に用いられている光スイッチ、ミラーデバイス、レーザプリンタのレーザ操作ミラーの駆動部、その他の微細加工の素子(デバイス)、あるいは装置等にも適用することも可能である。いずれに適用される場合であっても、液体の多種類化及びチップサイズの小型化を両立させるとともに、共通インク室23間の隔壁の剛性を確保することで液滴の吐出特性の安定化及び吐出の高速化を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】実施の形態1に係る液滴吐出ヘッドを分解した状態を示す分解斜視図である。
【図2】液滴吐出ヘッドが組み立てられた状態のA−A断面図である。
【図3】液滴吐出ヘッドが搭載された液滴吐出装置の制御系を示す概略ブロック図である。
【図4】ドライバIC及びCOM発生回路の内部構成の一例を示す概略ブロック図である。
【図5】液滴吐出ヘッドを搭載した液滴吐出装置の一例を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0058】
1 ノズル基板、2 リザーバ基板、3 キャビティ基板、4 電極ガラス基板、5 インク圧力室、6 振動板、7 個別電極、8 ノズル孔、8a ノズル列、8b ノズル列、9 供給口、14 封止部、15 駆動制御回路、16 共通電極端子、21 ギャップ、22 ノズル連通孔、23 共通インク室、24 インク供給孔、24a インク供給孔、24b インク供給孔、24c インク供給孔、25 凹部、100 液滴吐出ヘッド、150 液滴吐出装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノズル孔を配列したノズル列と、
前記ノズル孔のそれぞれに連通し、液体を溜めて前記ノズル孔から吐出させる複数の液体圧力室と、
前記液体圧力室の全てと連通し、前記液体圧力室に前記液体を供給する共通液体室と、からなる液体吐出機構を複数設け、
前記複数の液体吐出機構は、
前記ノズル列のそれぞれが同一面内で略直線上に配置され、前記共通液体室が前記ノズル列の両側に交互に配置される
ことを特徴とする液滴吐出ヘッド。
【請求項2】
略直線上に配置された前記ノズル列を前記同一面内に複数列形成した
ことを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項3】
前記液体圧力室と前記共通液体室とを異なる基板に作製した
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項4】
前記ノズル列が形成されたノズル基板と、
前記共通液体室、及び、前記液体圧力室から前記ノズル列への連通孔が形成されたリザーバ基板と、
前記液体圧力室が底壁を振動板として形成されたキャビティ基板と、
前記振動板にギャップを隔てて対向して駆動する個別電極が形成された電極ガラス基板と、を備えた
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項5】
前記リザーバ基板を結晶方位面(110)のシリコン基板で構成し、
前記シリコン基板をウエットエッチングして前記共通液体室を形成した
ことを特徴とする請求項4に記載の液滴吐出ヘッド。
【請求項6】
前記請求項1〜5のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドを搭載した
ことを特徴とする液滴吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−226905(P2009−226905A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−78671(P2008−78671)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】