説明

液滴射出集成体

液滴射出器は液体流を制御するための複数の突起を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板上への液滴の被着に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンタは基板上に液滴を被着するための装置の一種である。インクジェットプリンタは一般にインク源からノズル路へのインク路を備える。ノズル路は、インク液滴が射出されるノズル開口で終端する。インク液滴射出は一般に、例えば、圧電偏向器、熱バブルジェット(登録商標)発生器または静電偏向素子とすることができる、アクチュエータでインク路にあるインクに圧力を加えることによって制御される。一般的なプリント集成体は対応するノズル開口及び付帯するアクチュエータをもつインク路のアレイを有する。それぞれのノズル開口からの液滴射出は独立に制御することができる。オンデマンド液滴射出プリント集成体においては、プリント集成体及び印刷基板が互いに対して移動するとともに画像の特定の画素位置に液滴を選択的に射出するためにそれぞれのアクチュエータが起動される。高性能プリント集成体において、ノズル開口は一般に50μmないしそれより小さい、例えば約25μmの直径を有し、100〜300ノズル/インチ(3.9〜11.8ノズル/mm)のピッチで隔てられ、100〜3000dpi(3.9〜118.1ドット/mm)ないしそれより高い解像度を有し、約1〜120ピコリットル(pL)ないしそれより少ない体積の液滴を供給する。液滴射出頻度は一般に10kHzないしそれより高い。
【0003】
ホイジングトン(Hoisington)等の特許文献1は半導体の構体及び圧電アクチュエータを有するプリント集成体を説明している。構体はエッチングでインクチャンバが画成されたシリコンでつくられる。ノズル開口はシリコンの構体に取り付けられた個別のノズルプレートによって画成される。圧電アクチュエータは、印加電圧に応答して形状寸法を変える、すなわち曲がる、圧電材料層を有する。圧電層の曲がりがインク路に沿って配置されたポンプチャンバ内のインクに圧力を加える。圧電インクジェットプリント集成体は、フィッシュベック(Fishbeck)等の特許文献2,ハイン(Hine)の特許文献3,モイニハン(Moynihan)等の特許文献4及びホイジングトンの特許文献5にも説明されており、これらの特許文献の全内容は本明細書に参照として含まれる。
【特許文献1】米国特許第5265315号明細書
【特許文献2】米国特許第4825227号明細書
【特許文献3】米国特許第4937598号明細書
【特許文献4】米国特許第5659346号明細書
【特許文献5】米国特許第5757391号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題はインクジェットプリンタのプリントヘッドにおいて液滴の射出性能を高める手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様において、本発明の特徴はノズル開口から液滴を射出するためにその中で液体に圧力が加えられる流路を備える液滴射出器である。ノズル開口に隣接して、ノズル開口の平面に交わる方向に延びる複数の突起がある。
【0006】
別の態様において、本発明の特徴はノズル開口を通る射出のためにその中で液体に圧力が加えられる流路を備える液滴射出器である。ノズル開口近傍に、ノズル開口の平面に交わる方向に延びる少なくとも4本の立柱がある。立柱及びノズル開口は共通の構体内に画成される。
【0007】
別の態様において、本発明の特徴はノズル開口を通る射出のためにその中で液体に圧力が加えられる流路を備えるプリントヘッドを提供することによる液体射出である。ノズル開口近傍に、ノズル開口の平面に交わる方向に延びる複数の突起がある。突起で画成される空間に毛管作用力によって吸い込まれる液体が供給される。
【0008】
別の態様において、本発明の特徴はノズル開口から液滴を射出するためにその中で液体に圧力が加えられる流路を備える液滴射出器である。ノズル開口に隣接して、ノズル開口の平面に交わる方向に延びる複数の突起がある。ノズル開口及び突起はシリコン材料でつくられた共通の構体内に画成され、ノズル開口は壇上に配置され、突起は壇の近傍に配置される。
【0009】
その他の態様または実施形態は上記の態様の特徴及び以下の1つまたはそれより多くの特徴の組合せを有することができる。ノズル開口は突起で囲まれる。突起は立柱であるかまたは壁体形である。突起はパターンに配列される。パターンは行列アレイを画成し、あるいは円弧を画成する。パターンはインク溜り空間を画成する。突起はノズル開口幅の約2倍ないしそれより小さい幅を有する。突起とノズル開口の周縁との間隔はノズル開口幅の約20%ないしそれより大きい。突起の間隔はノズル開口幅の約2倍ないしそれより小さい。突起の数は4個ないしそれより多い。突起の高さはノズル開口の平面に実質的に等しいか、あるいは突起の高さはノズル開口の平面より低い。
【0010】
ノズル開口及び突起は共通の構体内に画成され、構体はシリコン材料である。液滴射出器は突起近傍にチャネルを備える。液滴射出器は突起近傍に真空源または吸上材料を備える。ノズル開口はウエル内に配置され、ウエルは突起を有する。ノズル開口は壇上に配置され、突起は壇近傍に配置される。ノズル開口は200μmないしそれより小さい。液滴射出器は圧電アクチュエータを備える。
【0011】
実施形態は以下の利点の1つまたはそれより多くを有することができる。液滴形成及び射出との干渉を低減するようにノズルプレートの面の周りの廃インク液が制御されるから、プリントヘッド動作は頑強及び確実である。基板上の精確な場所に小ノズルの大アレイがインクを正確に射出しなければならない高性能プリントヘッドにおいて、液滴の速度及び軌道直線性が維持される。突起は廃インク液を制御し、粘度及び表面張力特性が変わるインクのような、様々な液体を噴射する望ましい噴射特性及びノズル開口における圧力特性が変わるヘッドを可能にする。突起は頑強であり、可動部品を必要とせず、経済的に、例えばシリコン材料のような半導体材料に、エッチングで実施することができる。
【0012】
さらに別の態様、特徴及び利点は以下に示される。例えば、特定の態様は以下に論じられるような突起寸法、特性及び動作条件を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1を参照すれば、インクジェット装置10は、供給インク12を入れている液溜め11及び液溜め11から圧力チャンバ14に通じる液路13を備える。アクチュエータ15,例えば圧電変換器が圧力チャンバ14の壁の1つを形成する。アクチュエータは、インクに力を加えて圧力チャンバ14からノズルプレート18のノズル開口17に通じる液路16を通し、ノズル17から基板20に向けてインク液滴19を射出させるために使用できる。動作中、インクジェット装置10及び基板20は互いに対して移動させることができる。例えば、基板はロール22及び23の間を移動させられる連続ウエブとすることができる。ノズルプレート18のノズル17のアレイからの液滴の選択的射出により、所望の画像が基板20上につくられる。
【0014】
インクジェット装置は、システムが液滴を射出していないときのノズル開口近傍のインクメニスカスにおける動作圧力も制御する。メニスカス圧力の変動は、プリントエラー及び滴下を生じさせ得る液滴の体積または速度の変動をおこさせ得る。図示される実施形態において、圧力制御は、液溜め11内のインク12の上方のヘッドスペース9に真空を与える、メカニカルポンプのような真空源30によって与えられる。真空は、重力によってノズル開口17を通るインクの滴下を防止するために、インクを介してノズル開口17に伝えられる。コントローラ32,例えばコンピュータコントローラが、液溜め11のインク上方の真空を監視し、液溜めを所望の真空に維持するために真空源30を調節する。別の実施形態において、真空源はインク液溜めをノズル開口の下に配置してノズル開口近傍に真空を生じさせることによって与えられる。インクレベルモニタ(図示せず)が、プリント動作中にインクが消費されるとともに低下し、よってノズルにおける真空を高める、インクレベルを検出する。コントローラがインクレベルを監視し、インクが所望のレベルより低下したときに真空を所望の動作範囲内に維持するために、大量容器から液溜めにインクを補充する。メニスカスの真空がノズルの毛管作用力に打ち勝つのに十分に離してノズルの下方に液溜めが配置されている、別の実施形態においては、インクに圧力を加えてノズル開口近傍のメニスカスを維持することができる。実施形態において、動作真空は約0.5〜約10インチ水柱(1インチ水柱=249Pa)に維持される。
【0015】
図2を参照すれば、ノズルプレート部90は、高壇92及び壇92の中心に配置されたノズル開口94を有する。壇92及びノズル開口94の近傍に、ノズル開口94の平面に交わる方向にノズルプレートの床面から延びる円柱の形態のインク制御突起96の領域がある。インク噴射中、ノズルプレート18上にインクが溜り得る。インク溜りが制御されていなければ、時間がたつにつれて、インクはプリントエラーを生じさせる液塊を形成し得る。例えば、ノズル開口の縁端近傍の液塊は、射出される液滴の軌道、速度または体積に影響を与え得る。また、液塊は印刷基板上に滴下して無意味なマークを生じさせるような十分な大きさになることができよう。液塊はノズルプレート面から十分遠くに突き出し、印刷基板に接触して、印刷基板に汚れを生じさせることもできるであろう。突起96は廃液をノズルプレートの周りに広げ、よって、例えばノズルプレートから印刷基板上に滴下し得る、厚い液塊の成長を抑える。初め、液塊は壇92上に形成され、次いで、壇92から壇92の近傍の突起96の領域に移動する。突起96は、毛管作用力によって廃液がノズル開口94から離れる方向に吸い取られるような空間98を画成する。
【0016】
図3を参照すれば、ノズルプレートの2つの領域90,90'は図示されるように2つの隣接ノズル開口94,94'を有する。領域90,90'のそれぞれはノズル開口を囲む突起の領域を有する。突起領域は空白領域114,115及び117,及び廃液チャネル119,112によって境界が画成される。チャネル119,122はドレインアパーチャ121を有する。突起のパターンはインクをノズルから離してチャネルに向ける。ノズルプレートが水平方向に配置されている(ノズル開口が上方または下方を向く)場合、廃インク液塊は初め毛管作用の影響の下で突起−突起間から、4つの概略方向112,116,118及び120を含む、可能なあらゆる方向に移動する。廃インク液が空白領域114,115または117に達すると、毛管作用力が廃インク液をそれまでと同じ方向に移動させ続けるには突起96の間隔が大きすぎるから、廃インク液の同じ方向への移動は阻止される。廃インク液の移動はチャネル119,122に出合うまで続き、チャネル119,122が廃インク液を受け止める。実施形態において、アパーチャ121は、廃インクをそれぞれのチャネルから引き出すため、例えばメカニカル真空装置(図示せず)と通じていることで、減圧下に維持される。あるいは、アパーチャには、それぞれのチャネル119から廃インク液を除去するために吸上材料、例えば、発泡ウレタンまたはその他の吸収材料を充填することができる。実施形態において、突起幅に対する突起高の比は、約0.2から約1ないしそれより大きく、例えば約5ないしそれより大きい。ノズルプレートが垂直方向に配置されている場合、廃インク液は重力及び毛管作用力の影響の下で突起−突起間から、ノズルプレート110の配置方向に依存して、巨視的には単一方向112,116,118または120に、移動する。適するチャネルは2003年12月30日に出願された米国特許出願第10/749833号の明細書に説明され、適するアパーチャは2003年12月30日に出願された米国特許出願第10/749829号の明細書に説明されており、これらの明細書の全開示は本明細書に参照として含まれる。
【0017】
突起の間隔、寸法、位置、形状、数及びパターンは、ノズル開口周りの領域におけるノズルプレートの表面積を大きくすることによってノズル表面上のインクの過剰な溜りを防止するように選ばれる。突起の間隔Gの寸法は、毛管作用力によって液体が突起間空間に引き込まれて保持されるであろうような寸法である。実施形態において、間隔Gはノズル開口幅Wの約20%ないしそれより大きい値とノズル開口幅Wの約2倍ないしそれより小さい値の間である。実施形態において、突起のパターンは複数組の行及び列を画成する。実施形態において、パターンは円弧を画成する。突起のパターンは廃インク液をノズルプレート上の所望の方向に誘導するように配置することができる。
【0018】
突起の幅Wは、表面積のかなりの増大を与えるのに十分に小さいが、実質的に頑強であるのに十分に大きい。さらに、突起の幅は上面に過剰な廃インク液が溜るほど大きくはない。実施形態において、突起の幅はノズル開口幅の約2倍ないしそれより小さい。突起の高さHはノズル開口の平面より高いか、平面に等しいかあるいは平面より低い。突起が長くなるほど、得られる表面積が大きくなるから、保持できる廃インク液の量が多くなる。ノズル開口平面より低い突起は損傷を受け難い。ノズル開口平面に等しい突起は、いくつかの場合において、例えばエッチングによる作成がより容易である。
【0019】
突起はノズルプレート上の廃インク液が溜り得る場所に配置される。実施形態において、突起はノズル開口を実質的に囲む。実施形態において、突起は、液滴射出に影響を与え得るノズル開口に近すぎる場所での廃インク液の溜りを抑えるために、ノズル開口から隔てられる。実施形態において、ノズル開口幅Wの約20%ないし200%よりノズル開口の周縁に突起が近づくことはない。
【0020】
実施形態において、突起の形状は細長い立柱である。立柱は、例えば断面が円形であるかまたは断面が不規則であり得る。立柱は、ノズル開口の平面に実質的に垂直であるかまたは直角とは別の角度をなしてノズル開口平面に交わり得る。別の実施形態において、突起は壁体構造である。壁体構造はかなりの面積を覆ってノズルプレートに付けることができ、よって、レジストを除去してノズルプレートを別の構体、例えば基板に接触させるべきである。
【0021】
立柱の数は、上で論じたように、所望の噴射液体体積を制御するかまたは所望のパターンをつくるように選ばれる。突起がノズル開口を囲む実施形態においては、4個ないしそれより多くの、例えば6個ないしそれより多くの立柱がある。
【0022】
特定の実施形態において、突起の高さHは例えば約5μmから約100μmないしそれより大きく、例えば200μmである。最近接立柱から壇の縁端までの間隔Sは例えば約10μmから約20μmであり、突起間の隙間Gは例えば約5μmから約25μmである。突起の幅Wは例えば約5μmから約20μmである。実施形態において、ノズル開口幅は約200μmないしそれより小さく、例えば10〜50μmであり、ノズルピッチは約25ノズル/インチ(約0.98ノズル/mm)ないしそれより短く、例えば約100〜300ノズル/インチ(約3.9〜11.8ノズル/mm)であり、インク液滴体積は約1〜70pLであって、圧電アクチュエータによって液体に圧力が加えられる。実施形態において、噴射液体は約20〜50ダイン/cm(1ダイン/cm=10−3N/m)の表面張力を有する。実施形態において、噴射液体はインクである。実施形態において、噴射液体は生物学的液体である。
【0023】
次に図4を参照すれば、ノズルプレート領域120はウエル124内に配置されたノズル開口126を有し、ノズル開口126はノズル開口126近傍の円柱の形態の突起125によって囲まれている。突起125はウエル内に廃インク液を対称に広げる。時間が経つにつれて、ウエル124は噴射液体である程度満たされて、ノズル開口を覆うメニスカスが形成される。液体の噴射を容易にするためのウエルの使用は、本明細書と同時に出願され、譲渡された、2003年12月30日に出願され、名称を「液滴射出集成体(DROP EJECTION ASSEMBLY)」とする、米国特許出願第10/749622号の明細書に説明されており、この明細書の開示はその全体が本明細書に参照として含まれる。
【0024】
図5〜5Bを参照すれば、ノズルプレート領域200は、高壇204の周りに断続的な同心表面を形成する壁体の形態の複数の円弧突起202及び壇204の中心に配置されたノズル開口206を有する。高壇204の周りの突起202は、ノズル開口202の平面に交わる方向に延びる。高壇204の縁端203と高壇204の周りの第1の断続する同心表面を形成する第1の円弧突起202の列の間に第1の空間207が形成される。ノズル開口206の中心から径方向に等距離にある突起202の間に第2の空間210が形成され、隣接する断続同心表面上の突起202の間に第3の空間212が形成される。壇204上に形成されるインク液塊は突起202の領域に移動する。インクは第1の空間207に吸い込まれ、次いで毛管作用力の下で第2の空間210に出合うまで移動し、次いで壇204から径方向に離れるように移動し始める。第3の空間に出合うと、廃インク液は第3の空間210内に移動するかあるいはノズル開口206から径方向に離れるように移動し続ける。廃インク液がしたがう経路は第1の空間207,第2の空間210及び第3の空間212の相対寸法に依存する。実施形態において、壇204の周りの断続同心表面の数は、例えば、2,4,6,10ないしそれより多い。突起間隔は、上述したように、液体が突起間空間に引き込まれて毛管作用力によって保持されるであろうような間隔である。実施形態において、円弧突起はノズル開口206の平面より高い。
【0025】
上述した実施形態のいずれの突起及び/またはノズル開口も、機械加工、電鋳、レーザアブレーション及び化学エッチングまたはプラズマエッチングで形成することができる。突起は成形で形成することもでき、例えば射出成形されたプラスチック突起とすることができる。突起及びノズル開口は、共通の構体内にまたは組み立てられる別々の構体内に形成することができる。例えば、ノズル開口はインク流路の別のコンポーネントを画成する構体内に形成することができ、ウエルはノズル開口を画成する構体と組み立てられる別の構体内に形成することができる。別の実施形態において、突起、ノズル開口及び圧力チャンバは共通の構体内に形成される。構体は金属、炭素または、シリコン材料、例えばシリコンまたは二酸化ケイ素のような、エッチング可能な材料とすることができる。エッチング法を用いるプリントヘッドコンポーネントの形成は、2002年7月3日に出願された米国特許出願第10/189947号の明細書、及び2003年10月10日に出願された米国特許出願第60/510459号の明細書に詳細に説明されており、それぞれの明細書の全内容は本明細書に参照として含まれる。
【0026】
実施形態において、液滴射出システムはインク以外の液体を射出するために利用することができる。被着される液滴はインクまたはその他の材料とすることができる。例えば、被着される液滴はUV硬化性またはその他の輻射線硬化性の材料、あるいは液滴として送出され得るその他の材料、例えば生物学的液体とすることができる。例えば、説明される装置は、精密計量分配システムの一部とすることができよう。突起は、表面積を増大させ、よって突起の廃インク液取扱能力を高めるため、多孔質材料、例えば多孔質シリコンまたは多孔質金属で形成することができる。突起は、ノズルプレートから廃インク液を吸い取るために役立ち得る、吸収材料で形成することができる。
【0027】
突起は、2003年12月30日に出願された米国特許出願第10/749829号の明細書に説明されるアパーチャ、2003年12月30日に出願された米国特許出願第10/749622号の明細書に説明されるウエル及び/または2003年12月30日に出願された米国特許出願第10/749833号の明細書に説明されるチャネルのような、その他の廃液制御態様と組み合わせて用いることができる。例えば、一連のチャネルを突起近傍のノズル面に設けることができる。クリーニング構造を、クリーニング液がノズルプレートに与えられ、拭い取られる、手動または自動の洗浄及び拭取りシステムと組み合わせることができる。クリーニング構造は噴射後の廃インク液ではなくクリーニング液及び屑を集めることができる。
【0028】
その他の実施形態は添付される特許請求の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】液滴射出集成体の略図である
【図2】突起をもつノズルプレートの一部の斜視図である
【図3】突起をもつノズルプレートの一部の上面図である
【図4】ノズル開口及び突起がウエル内に配置されたノズルプレートの一部の斜視図である
【図5−1】図5は円弧状の突起をもつノズルプレートの一部の斜視図である
【図5−2】図5Aは図5に示されるノズルプレートの一部の上面図である
【図5−3】図5Bは線5B−5Bに沿ってとられた図5Aに示されるノズルプレート部分の断面図である
【符号の説明】
【0030】
9 ヘッドスペース
10 インクジェット装置
11 液溜め
12 インク
13,16 液路
14 圧力チャンバ
15 アクチュエータ
17 ノズル
18 ノズルプレート
19 インク液滴
20 基板
22,23 ロール
30 真空源
32 コントローラ
96 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴射出器において、
ノズル開口から液滴を射出するためにその中で液体に圧力が加えられる流路、及び
前記ノズル開口近傍の、前記ノズル開口の平面に交わる方向に延びる複数の突起、
を備えることを特徴とする液滴射出器。
【請求項2】
前記ノズル開口が前記突起によって囲まれることを特徴とする請求項1に記載の液滴射出器。
【請求項3】
前記突起が立柱であることを特徴とする請求項1に記載の液滴射出器。
【請求項4】
前記突起が壁体形であることを特徴とする請求項1に記載の液滴射出器。
【請求項5】
前記突起がパターンに配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液滴射出器。
【請求項6】
前記パターンが行列アレイを画成することを特徴とする請求項5に記載の液滴射出器。
【請求項7】
前記パターンが円弧を画成することを特徴とする請求項5に記載の液滴射出器。
【請求項8】
前記パターンが同心インク溜り空間を画成することを特徴とする請求項5に記載の液滴射出器。
【請求項9】
前記突起が前記ノズル開口の幅の約2倍ないしそれより小さい幅を有することを特徴とする請求項1に記載の液滴射出器。
【請求項10】
前記突起と前記ノズル開口の周縁との間隔が前記ノズル開口の幅の約20%ないしそれより大きいことを特徴とする請求項1に記載の液滴射出器。
【請求項11】
前記突起の間隔が前記ノズル開口の幅の約2倍ないしそれより小さいことを特徴とする請求項1に記載の液滴射出器。
【請求項12】
前記突起の数が4個ないしそれより多いことを特徴とする請求項1に記載の液滴射出器。
【請求項13】
前記突起の高さが前記ノズル開口の平面に実質的に等しいことを特徴とする請求項1に記載の液滴射出器。
【請求項14】
前記突起の高さが前記ノズル開口の平面より低いことを特徴とする請求項1に記載の液滴射出器。
【請求項15】
前記突起の高さが前記ノズル開口の平面より高いことを特徴とする請求項1に記載の液滴射出器。
【請求項16】
前記ノズル開口及び前記突起が共通の構体内に画成されることを特徴とする請求項1に記載の液滴射出器。
【請求項17】
前記構体がシリコン材料であることを特徴とする請求項16に記載の液滴射出器。
【請求項18】
前記突起の近傍にチャネルを備えることを特徴とする請求項1に記載の液滴射出器。
【請求項19】
前記突起の近傍に真空源または吸上材料を備えることを特徴とする請求項1に記載の液滴射出器。
【請求項20】
前記ノズル開口がウエル内に配置され、前記ウエルが前記突起を有することを特徴とする請求項1に記載の液滴射出器。
【請求項21】
前記ノズルが壇上に配置され、前記突起が前記壇の近傍に配置されることを特徴とする請求項1に記載の液滴射出器。
【請求項22】
複数のノズル開口を有し、前記ノズル開口のそれぞれの近傍に複数の突起を有し、前記ノズル開口及び前記突起が共通の構体内に画成されることを特徴とする請求項1に記載の液滴射出器。
【請求項23】
前記ノズル開口の幅が約200μmないしそれより小さいことを特徴とする請求項1に記載の液滴射出器。
【請求項24】
圧電アクチュエータを備えることを特徴とする請求項1に記載の液滴射出器。
【請求項25】
液滴射出器において、
ノズル開口を通る射出のためにその中で液体に圧力が加えられる流路、及び
前記ノズル開口近傍の、前記ノズル開口の平面に交わる方向に延びる少なくとも4個の立柱、
を備え、
前記立柱及び前記ノズル開口が共通の構体内に画成される、
ことを特徴とする液滴射出器。
【請求項26】
前記立柱の間隔が、前記ノズル開口の幅の約10%ないしそれより大きく、前記ノズル開口幅の2倍ないしそれより小さいことを特徴とする請求項25に記載の液滴射出器。
【請求項27】
前記突起が前記ノズル開口の幅の約2倍ないしそれより小さい幅を有することを特徴とする請求項25に記載の液滴射出器。
【請求項28】
液体射出の方法において、
ノズル開口を通る射出のためにその中で圧力が加えられる流路を有し、前記ノズル開口の近傍に、前記ノズル開口の平面に交わる方向に延びる複数の突起を有し、前記突起が前記ノズル開口の平面に交わる空間を画成する、プリントヘッドを提供する工程、
前記突起によって画成される前記空間に毛管作用力によって吸い込まれる液体を供給する工程、及び
前記流路内の前記液体に圧力を加えることによって前記ノズル開口を通して前記液体を射出する工程、
を有してなることを特徴とする方法。
【請求項29】
前記液体が約20〜50ダイン/cm(1ダイン/cm=10−3N/m)の表面張力を有することを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記液体が約1〜40センチポアズ(1センチポアズ=10−11N・秒/m)の粘度を有することを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項31】
液滴射出器において、
ノズル開口から液滴を射出するためにその中で液体に圧力が加えられる流路、
及び
前記ノズル開口近傍の、前記ノズル開口の平面に交わる方向に延びている複数の突起、
を備え、
前記ノズル開口及び前記突起がシリコン材料でつくられた共通の構体内に画成され、
前記ノズル開口が壇上に配置され、前記突起が前記壇の近傍に配置される、
ことを特徴とする液滴射出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2007−516878(P2007−516878A)
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−547520(P2006−547520)
【出願日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/043776
【国際公開番号】WO2005/065331
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(505456458)フジフィルム ディマティックス,インコーポレイテッド (33)
【Fターム(参考)】