説明

液面接触検知方法および装置

【課題】一以上のプローブをもって試料の分注を行うような処理を伴う分析機器等における試料液面検知、液面接触検知などに適用してこれを実施するのに好適ならしめた方法および装置を提供する。
【解決手段】プローブ(1)が複数であり、静電容量変化で容器中の試料液面を検出してプローブの下降動作を停止し、各プローブでの吸引動作後、各プローブを上昇する際、液面を離れることを検出するに当り、各プローブの上昇開始タイミングを変える。この場合は、プローブが液面を検知するだけでなく、試料採取後も液に接触してたかを判定することで、プローブによる吸引動作を保証し、吸引量不足を即時に知ることが可能で、安定した試料採取を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液面接触検知方法および装置に関するものであり、特に、一以上のプローブをもって試料の分注を行うような処理を伴う分析機器等における試料液面検知、液面接触検知などに適用してこれを実施するのに好適ならしめた方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、静電容量変化を利用してたとえば試料液面の検知をすることは既知であって、種々の方法、装置がある。ここに、たとえば、試料容器と分注用のプローブを使用する場合でいえば、基本的には、プローブと容器近傍の電極間の静電容量変化によって液面を検知することが可能で、プローブを導電性材質によるものとし、かかる導電性材質のプローブと容器近傍に設置した電極間の静電容量変化で容器中の試料液面を検出することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−290941号公報
【特許文献2】特開平8−114604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかして、本発明者による以下のような観点からの考察によると、次のようなことを指摘することができる。
【0005】
(イ)容器中の試料液面を静電容量変化によって検出しようとする場合、試料液面を検出したと判断する比較回路を使用してこれを行うようにすることができる。ところで、これまでの従来例によるものでは、静電容量変化によって液面を検知することは多数提案がなされているが、液面検知と判断する比較回路中の閾値につき、所定の条件に応じて、たとえば試料容器の形状、試料の液性、複数プローブの同時動作など条件に応じて設定される値を用いることについては触れられていない。なお、自動分析装置分野では分注量範囲の異なる多様な検体に応じて各種試料カップが用いられるのが通常であり、かように各種試料カップがあるため、その種別を装置に入力し、カップ種別に対応してサンプル機構が所定量下降する、というものに特開平4−290941号公報(文献1)に開示のものがあるが、これにとどまる(もとより、上記のごとき比較回路における閾値を各種条件に応じて複数設定し、各条件ごとの閾値を用いて液面を検出しようというものではない)。
【0006】
(ロ)しかして、容器中の試料液面を、導電性材質のプローブと容器近傍に置かれた電極間の静電容量変化によって検出せんとする当たり、上記に例示したごとき各種条件によって静電容量が異なる結果、斯く条件が異なる場合に液面の安定な検出が左右され、それゆえに、安定した試料採取を実現しにくく、したがってまた、プローブをもって試料の分注を行うような用途の場合では、試料の正確な分注を妨げる一因ともなる。
【0007】
(ニ)これを図を参照してさらに説明にすると、図6、図7〜図10は、後記本発明実施例でも参照される考察図であって、図6は、試料容器の形状、試料の種類などの条件によって静電容量が異なる場合を、また、図7〜10は、プローブ動作本数などの条件によって静電容量が異なる場合を、それぞれ例示したものである。ここに、図中、101はプローブ(導電性プローブ)、106は試料容器、107はラック、108は容器近傍の電極ともなる導電性受台、109は該電極に接続された発振電圧源(発振回路)をそれぞれ示す。考察図6左部において、図中に併記されるごとくにそれぞれの容器106中の液体誘電率εの関係が、たとえば、
ε1>ε2=ε2 ・・・〔式1〕
である場合、一般に、静電容量Cは、
C=ε・(s/d)・・・〔式2〕
(ε:誘電率、s:電極面積、d:電極間距離)
で表されることから、図6右部の等価図に一例が示されるように、条件が異なることでそれぞれその容量値C1,C2,C3が異なる場合が生ずる。
すなわち、C1,C2では、式1,2より、誘電率の関係(ε1はε2に比し大)で静電容量C1の方がその静電容量(容量値C1)は大きい。一方、C2,C3では、式1,2より、底から電極までの距離、容器断面積、液量の関係で静電容量C2の方がその静電容量(容量値C2)は大きい。
かように、条件いかんで静電容量が異なるものとなる。
【0008】
(ホ)また、考察図7以下に示すごとくに、たとえば、複数の独立懸架のプローブ101を備え、導電性材質の該プローブと容器106近傍に設置した電極(受け台108)間の静電容量変化で容器中の試料液面を検出するようなとき、(仮に、たとえ対象とする試料容器の形状、試料の種類(試料の液性(液体の誘電率)を含む)などの、上記のごとくにその条件いかんで静電容量が異なる場合のある当該他の条件が、同じであったとしても、)静電容量が異なる場合があり、これに左右されるケースが発生する場合がある。
すなわち、図7左部および右部の等価図に示すように、同時に複数(図示例では4本)のプローブが上下動(図示矢印方向)すると、プローブ間でコンデンサを構成するためその分容量値が取られ(右部等価図に表されるごとくに静電容量を取られる)、プローブ単体時(たとえば考察図8のケ−ス)に比べ静電容量は小さい。よって、静電容量変化は小さい。
対するに、もし考察図8のように、プローブ1本(たとえば左から2番目のプローブ1本のみ)が動作すると、図7右部等価図の場合とは異なり、プローブ間でコンデンサを構成しないため(図8の等価図に表されるごとくにプローブ間では静電容量は取られない)、プローブ複数時(図7のケ−ス)に比べ静電容量は大きい。よって、静電容量変化は大きい。
一方、考察図9の等価図に表されるごとく、このプローブ(左から2番目のプローブ)は他の容器の液体(左から1番目と3番目の各隣接するプローブそれぞれに対応する各容器中の液体)ともコンデンサを構成する。
そして、考察図10の等価図に表されるごとく、このプローブ(1本単独で下降した左から2番目のプローブ)は他のプローブ(左から1番目,3番目,4番目のプローブ)が液面に着く(下降する)ことで他の容器構成していたコンデンサがなくなる(他のプローブにそのコンデンサ分が取られる)。
【0009】
(ヘ)かくて、本発明者の上述のような考察によれば、容器中の試料液面を、導電性材質のプローブと容器近傍に置かれた電極間の静電容量変化によって検出する際、図6のように試料容器の形状、試料の液性(液体の誘電率)、図7〜10のようにプローブ動作本数(隣接するプローブの干渉の影響)などの条件によって静電容量が異なるため、その変化量の処理結果に対して比較回路の閥値を1つにするのは困難なことが明らかになったものである。
【0010】
(ト)よって、望ましいのは、上記条件が異なる場合にも液面を安定して検出することができることであり、望ましいのはまた、試料容器、試料の種類、プローブ動作本数などの、静電容量に影響を与えることのある一以上の条件に因らず、またそれら条件の組み合わせに因らず、これを実現し得て、安定した試料採取を可能ならしめることであり、したがってまた、試料の正確な分注を可能ならしめることである。
【0011】
(チ)また、既に触れたように、プローブ(導電性材質プローブ)と容器近傍の電極間の静電容量変化によって液面を検知する技術は既知で、これまでに、多数提案もされているが、ここで、さらに一歩考察を進めると、静電容量変化によってプローブが試料液に付いていたことを判定することについての提案はいまだ見いだせない。
ここに、吸引を開始してから所定時間プローブが試料液と接触し続けたかどうかを判定するものに特開平8−114604号公報(文献2)があるところ、これまでの方式では、プローブが1本であることから、液面検知の際、静電容量の変化によって液面検知信号を発生し、かつブロープが試料液面に接触している状態もその信号をモニターすることで確認することができたものである。
【0012】
(リ)しかして、多数の(複数の)導電性材質プローブでの場合の液面接触検知を考えるに、これも既に触れたごとく、それぞれ個々に上下動可能な独立懸架の導電性プローブを有してこれと容器近傍に設置した電極間の静電容量変化で容器中の試料液面を検出する等、液面検知機能を必要とするプローブが2本以上ある場合、物理現象として互いのプローブ間で液面検知信号が干渉してしまうため、これまでの回路方式では、安定した液面及び液面接触を検知できないことが明らかになったものである。ここに、プローブが液面に接触していたことを検知できないと、吸引量不足といった問題が生じるおそれがある。つまり、試料を所定量採取できたか確認できないことになる。
複数のプローブ間での液面検知信号の干渉に起因して、静電容量変化によってプローブが試料液面についていた(液に接触していた)ことの判定が適切に行えないときは、プローブによる吸引動作を保障する上からも、安定した試料採取を実現する上からも、これらを妨げる要因となり、また、得られるデータの信頼性にも影響を与えることともなる。
【0013】
(ヌ)よって、望ましいのは、静電容量変化を利用する液面検知機能をもつプローブが複数ある場合でも対応可能で、プローブが液面を検知するだけでなく、液に接触していたかを適切に判定することができることであり、望ましいのはまた、複数のプローブ間での液面検知信号の干渉は、回避できない物理現象であることから、この干渉はありながらもプローブが吸引動作後も液面に接触していることを検出し、吸引量不足などの不利等が生ずるのを防ぐことを可能ならしめることであり、したがってまた、多数の導電性材質プローブを備える分注機における液面接触検知の方法、装置として好適な方式、装置を実現することができることである。
【0014】
本発明は、以上のような考察に基づき、また後述する考察にも基づき、これらの点から改善を加えようというものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によって、下記の液面接触検知方法および装置が提供される。すなわち、複数の導電性材質の独立懸架プローブを備え、プローブと容器近傍に設置した電極間の静電容量変化で容器中の試料液面を検出してプローブの下降を停止し、プローブに接続した分注器で試料をプローブ内に吸引した後、プローブを上昇する際、液面を離れることを検出するに当り、各プローブの上昇開始タイミングを変えることを特徴とする液面接触検知方法である(請求項1)。
【0016】
また、複数の導電性材質の独立懸架プローブを備え、プローブと容器近傍に設置した電極間の静電容量変化で容器中の試料液面を検出してプローブの下降を停止し、プローブに接続した分注器で試料をプローブ内に吸引した後、プローブを上昇する際、液面を離れることを検出するに当り、各プローブの上昇開始タイミングを変えるよう構成してなることを特徴とする液面接触検知装置である(請求項2)。
【0017】
本発明においては、容器中の試料液面を静電容量変化によって検出する場合、試料液面を検出したと判断する比較回路における各種閾値を条件に応じて複数設定し、各条件ごとの閾値を用いて液面を検出する液面検知を実現することができ、条件が異なる場合にも液面を安定して検出するのを可能ならしめる方法および装置を提供することができる。本発明に従う液面検知によれば、試料容器、試料の種類、プローブ動作本数などの、静電容量に影響を与えることのある一以上の条件に因らず、またそれら条件の組み合わせに因らず、これを実現し得る。
【0018】
好適実施例においては、試料容器、試料の種類、プローブ動作本数、などの条件の組み合わせで信号変化量が異なっても、予め該当する条件に応じた閾値電圧に設定することで、プローブが液面についてから検知するまでの応答時間のバラツキを最小限に抑えることが可能で、よって、液面を安定して検出することができるため、試料の正確な分注が可能となる。ここに、プローブが試料液面を検知して、たとえばその駆動手段が減速停止した後、プローブ先端の試料液面からの潜り込み量は、対象の試料容器、試料の種類、プローブ動作本数の条件の組み合わせに因らず、そのバラツキを最小限に抑さえられているので、常に安定した試料採取を実現することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明において、静電容量変化を利用するプローブが複数ある場合に好適な液面接触検知を実現することができ、たとえば、1本プローブの場合には、干渉がないので液面から離れる際の静電容量変化の信号量を増幅し、或る閾値電圧よりも大きくすることでプローブが液についていたことを検出し得るものの、複数のプローブではたとえば試料容器、液量等によって静電容量変化の信号量より干渉による減衰量の方が大きい場合もあることから、それを回避するべく各プローブが液から離れるタイミングをずらすことで対応可能であるとの着想のもと、これを具現化した液面接触検知方法および装置を提供することができる。本発明に従う液面接触検知によれば、これにより、斯く上昇開始タイミングを変えられた各プローブ単体が液から離れる際の静電容量変化のみを取り扱うことが可能で、結果、プローブが吸引動作後も液面に接触していることを適切に検出し、吸引量不足などの不利等が生ずるのを防ぐことを可能ならしめる。
【0020】
この場合において、好適実施例によれば、プローブが液面を検知するだけでなく、分注器による試料採取後も液に接触してたかを判定することで、プローブによる吸引動作を保証することができ、したがって吸引量不足を即時に知ることができ、常に安定した試料採取を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例の説明に供する図で、本発明に従う方法および装置を実施するための具体例を示す全体的な概略構成図である。
【図2】図1の部分構成図にして、プローブ、容器、試料等に係わる部分の等価回路を示すとともに、受信回路部分の内容の一例を示すもので、液面検知の際、容器中の試料が静電容量を構成する等価回路とそれに接続される受信回路による信号処理系を例示する図である。
【図3】適用できる比較回路部分の内容の一例と、閾値設定に係わる構成部分の一例を含めて示す図である。
【図4】プローブが液面につく場合に得られる微分回路の出力の一例を、閾値(レベル可変)との関連で示す図である。
【図5】同じく、微分回路の出力の他の例を、閾値(レベル可変)との関連で示す図である。
【図6】背景説明に供する考察図である。
【図7】同じく、考察図である。
【図8】同じく、考察図である。
【図9】同じく、考察図である。
【図10】同じく、考察図である。
【図11】他の態様に基づく図1の部分構成図にして、プローブ、容器、試料等に係わる部分の等価回路を示すとともに、受信回路部分の内容の他の構成例を示すもので、液の接触検知の際、容器中の試料が静電容量を構成する等価回路とそれに接続される受信回路の信号処理系を例示する図である。
【図12】プローブが試料液面から離れる場合に得られる微分回路の出力の一例を示す図である。
【図13】同出力の反転出力を示す図である。
【図14】図13と対比して示す、減衰がある場合の比較例の図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1〜図14は、本発明の実施例の説明に供する図で、このうち、図1は、本発明に従う方法および装置を実施するための具体例を示す全体的な概略構成図である。また、図2は、図1の部分構成図にして、プローブ、容器、試料等に係わる部分の等価回路を示すとともに、受信回路部分の内容の一例を示すもので、液面検知の際、容器中の試料が静電容量を構成する等価回路とそれに接続される受信回路による信号処理系を例示する図であり、図3は、適用できる比較回路部分の内容の一例と、閾値設定に係わる構成部分の一例を含めて示す図であり、図4は、プローブが液面につく場合に得られる微分回路の出力の一例を、閾値(レベル可変)との関連で示し、図5は、微分回路の出力の他の例を、閾値(レベル可変)との関連で示すものである。また、後記でも再度触れるが、図11は、他の態様に基づく図1の部分構成図にして、プローブ、容器、試料等に係わる部分の等価回路を示すとともに、受信回路部分の内容の他の構成例を示すもので、液の接触検知の際、容器中の試料が静電容量を構成する等価回路とそれに接続される受信回路の信号処理系を例示する図であり、図12は、プローブが試料液面から離れる場合に得られる微分回路の出力の一例を示し、図13は、同出力の反転出力を示すものである。
【0023】
本発明の方法を実施するための具体例を示す図1において、本例では、プローブ1、配管2、分注器3、シールド線4、受信回路5、容器6(試料容器)、ラック7、容器受け台8、および発振回路9を有して、これら要素を図示のごとくに設けて構成することができる。
【0024】
ここに、プローブは、導電性のもので、複数(図示例では4本)の独立懸架プローブとして備える構成とすることができる。導電性プローブ1は、試料収容用の試料容器6、容器受け台8に対して上下可動し(図1,2中の矢印)、配管2によって分注器3と、またプローブそれぞれに接続された接続線がシールド線4によって覆われて受信回路5と接続される構成とすることができる。受信回路の構成等については、さらに後記で述べられる。
【0025】
プローブ1は受け台8に対して上下動できる駆動手段(図示せず)に搭載されていて、独立懸架プローブを構成し、ここでは、試料液の液面および液の接触を検出できるよう材質は導電性でかつ液面検出後に分注器3の駆動により発生する配管2の圧力によって試料液を吸引、排出する構成とすることができる。分注器3には必要吸引量動作するパルスモータ(図示せず)が搭載される構成を採用することができる。ここでは、上記によって、各独立懸架プローブに接続した定量分注器で所定の試料をプローブ内に吸引する構成を実現するものとし、また、該吸引後、各独立懸架プローブを上昇させる構成を実現するものとする。
【0026】
シールド線4は、プローブ1と受信器(受信回路)間でノイズの影響を受けないよう使用され、受信基板(受信回路)は、プローブ1からの信号を処理して後述のごとくにデジタル変換がなされる。
【0027】
試料容器6には、ラック7に載る試験管あるいは格子状に配列されたマイクロプレート等を使用することができる。受け台8は電極の一端を構成するよう材質は導電性で、たとえば一定振幅、周波数(角周波数ω)の正弦波電圧を出力する発振回路9が接続されて、かつラック7に載った容器6などを受ける。かくして、ここでは、該導電性の受け台は、試料容器6の受け台であるとともに、導電性材質のプローブ1と容器近傍に設置した電極間の静電容量変化で容器中の試料液面を検出する場合における、当該容器近傍に設置の電極としても機能する。
【0028】
本例において、容器6中の試料液面の検出は、これを静電容量変化によって検出するが、この場合において、試料液面を検出したと判断する比較回路を有して、当該比較回路における閾値を試料容器の形状、試料の液性、複数プローブの同時動作などの条件に応じて設定し、斯く設定した条件ごとの閾値を用いて液面を検出するようになす。
【0029】
図2には、液面検知の際、試料容器中の試料が静電容量を構成する等価回路とそれに接続された受信回路内の信号処理過程を示す。また、図3には、適用できる比較回路部分の内容の具体例と、閾値設定に係わる構成部分の具体例が示されている。信号処理系は、ここでは、たとえば、等価回路部分の静電容量Cに対応してプローブに流れる電流を電圧に変換するI−V(電流−電圧)変換回路10、該回路の出力を増幅する増幅回路11、該回路の出力を微分する微分回路12を有するとともに、斯く設けられる微分回路の後段に、該微分回路の出力(たとえば図4参照)を用いる回路として、非反転増幅回路13、および閾値を有する比較回路14を設け、さらには図3に併せて示すごとくのMPU15(ホストMPU)を備える構成とすることができる。
【0030】
ホストMPU15(インターフェース)は、後記制御機能のほか、ここでは、各種条件に応じて比較回路14で適用すべきレベル可変の閾値電圧(たとえば図4,5参照)に関するデータを予め記憶させるとともに該当する条件に対応してこれを読み出すのに使用できるシステム(たとえば、図3図示のごとくのパソコン(パーソナルコンピュータ)16および記憶装置17)から読み出された読出しデータ(閾値電圧情報)を当該比較回路14に与えるようにする手段としても用いられもので、図3に併せて示されるように、その比較回路の構成としては、かかるMPU15を通して得られる閾値電圧のための閾値設定回路18と、上記非反転増幅回路13からの出力および該閾値設定回路18の出力(D−Aコンバータ出力)を各入力としてそれらの比較結果をホストMPU15に送出するコンパレータCOMとを有する構成を採用することができる。ホストMPUは、こうした比較回路14で得られる比較結果に基づき、各独立懸架プローブ1それぞれの上下動に際しての図示しない既述の駆動手段によるプローブ下降、上昇動作等(減速停止、上昇開始動作の制御を含むことができる)に関する制御をはじめ、たとえばこれも既述の試料分注に際しての分注器3の駆動(先に触れた必要吸引量動作するパルスモータに対する制御等を含むことができる)に関する制御など、被制御対象を制御する場合の本実施例装置全体のコントロールを司る機能をも有する制御手段として構成することができ、液面検知回路は、上記のような比較回路14を含んで構成することができる。なお、図示のごとくディスプレイを含むパソコン16は、オペレータ(本装置のユーザー)に対する種々の表示(入出力表示)や、警告等の用にも供することができる。
【0031】
ここに、分注による試料容器6からの試料採取にあたって、オペレータ、使用者)は、たとえば、各試料容器、試料の種類、プローブ動作本数、などの条件の組み合わせ毎で複数の閾値電圧情報を予め記憶装置17に入力しておくことができる。また、試料容器6の種別の認識は、予め記憶装置17に入力しておくか、たとえば、装置の動作中にセンサーで検出する等の手段で行い、プローブ1が液面検知によって停止する下降動作の開始直前までには完了しているものとするのが、良い。また、試料の種類、プローブ動作本数の設定は、たとえばオペレータによって、装置の動作開始までに記憶装置17に入力しておくものとすることができる。装置(実際は装置を動作させるプログラム)は、動作中プローブが液面検知によって停止する下降動作を開始する直前までに、記憶装置17から該当する条件の組み合わせを読み出し、それをもとに液面検知回路内の比較回路14に閾値電圧を設定する。
【0032】
これによれば、試料容器、試料の種類、プローブ動作本数、などの条件の組み合わせで信号変化量が異なっても、予め該当する条件に応じた閾値電圧に設定することで、プローブが液面に着いてから検知するまでの応答時間のバラツキを最小限に抑えることができる。よって、液面を安定して検出することができるため、試料の正確な分注が可能となる。
【0033】
以下、さらに、上述した構成の装置による液面検知方法について、図4以下をも参照して説明をする。
【0034】
プローブ1は、ホストMPU15のコントロールのもと、受け台8に対し上下動できる駆動手段によって試料容器6中の試料に向けて下降する。プローブ1先端が試料液面に付く際、プローブ1と受け台8間の静電容量Cが上昇することで、等価回路部のインピーダンス(1/ωC)は減少する(なお、ωは発振回路9の角周波数で一定のものとすることができる)。
【0035】
ここに、プローブ1に流れる電流、およびI−V変換回路10、増幅回路11の各出力電圧は上昇するため、微分回路12は図4のようなAC成分のみ出力する。なお、図4は、プローブ1が液面につく場合に得られる微分回路の出力の一例を示してあり、それぞれ図示の出力微分波形に基づく、液面につくタイミングと液面を検知するタイミング(微分波形が閾値電圧(レベル可変)を超えるタイミング)とが示されている(図5はまた、微分回路の出力の他の例(図4の場合とは微分波形の出力波形が異なる例)を、同様に閾値電圧(レベル可変)との関連で示すものである)。
【0036】
かくて微分回路12は上記のようなAC成分のみ出力するが、そのAC成分を比較回路14で閾値電圧との比較でデジタル変換する。この結果をホストMPU15に送り、プローブ1先端が液面を検知したかが判定される。MPU15はプローブ1が液面を検知したと判定するとその駆動手段を減速停止し、プローブ1の下降動作は終了する。
【0037】
ここで、先に触れたごとく、比較回路14の閾値電圧は試料容器、試料の種類、プローブ動作本数などの条件の組み合わせで予め決まっていて、その値は記憶装置17に予め記憶されている。また、これも先に触れたごとく、パソコン16は、プローブ1が試料容器6に向けて下降動作するまでに、該当する条件の組み合わせに対応した閾値電圧を記憶装置17から読み出し、それを比較回路14内の閾値設定回路18に出力する。かくして、上記微分回路12の出力と上記閾値設定回路18による設定閾値電圧との比較がコンパレータCOMによってなされることとなる。
【0038】
このような方法を採ることで、該当する条件の組み合わせによって微分回路12による微分波形の出力波形が異なっても図4、5のように閾値電圧までの応答性のバラツキを最小限に抑さえることができるので、比較回路14で安定した液面検知を判定し、デジタル変換結果をホストMPU15に送ることができる。また、プローブ1が複数本の場合でも隣接するプローブの干渉の影響を減少させて安定した液面検知を実現することができる。
【0039】
対象の試料容器、試料の種類、プローブ動作本数の条件の組み合わせに対応して比較回路14の閾値電圧を変更できるようにすることで、比較回路14で安定した液面検知を判定し、プローブ1先端の試料液面からの潜り込み量のバラツキを最小限に抑さえることができる本発明に従う本実施例装置並びに方法は、プローブをもって試料の分注を行うような処理を伴う分析機器等における試料液面検知に適用してこれを実施するのに好適で、明細書冒頭の考察事項(イ)〜(ト)で述べた観点からの良好な解決策を提供でき、条件が異なる場合にも液面を安定して検出することができ、試料容器、試料の種類、プローブ動作本数などの、静電容量Cに影響を与えることのある一以上の条件に因らず、またそれら条件の組み合わせに因らず、これを実現し得て、安定した試料採取が可能であり、試料の正確な分注が可能である。
【0040】
本発明非採用の場合なら、試料容器中の試料液面を、導電性材質のプローブと容器近傍に設置された電極間の静電容量変化で検出する際、考察図6のように試料容器の形状、試料の液性(液体の誘電率)、考察図7〜10のようにプローブ動作本数(隣接するプローブの干渉の影響)などの条件によって静電容量が異なるがゆえに、その変化量の処理結果に対して比較回路の閥値が一つでは対応が不充分なものとなり、よって上記条件が異なる場合に液面を安定して検出すること等が困難であるのに対し、本発明に従う液面検知方法、装置によれば、そのようなこともなく、プローブ1が試料液面を検知してその駆動手段が減速停止した後、プローブ1先端の試料液面からの潜り込み量は、対象の試料容器、試料の種類、プローブ動作本数の条件の組み合わせに因らず、そのバラツキを最小限に抑さえられているので、常に安定した試料採取を実現することができる。
【0041】
次に例をもって示すものは、上記実施例による態様のものが、容器中の試料液面を静電容量変化によって検出するものにおいて、試料液面を検出したと判断する比較回路における閾値を各種条件に応じて複数設定し、各条件ごとの閾値を用いて液面を検出する場合の例であったのに対し、以下の液面接触検知の例では、プローブが液面を検知するだけでなく、分注器による試料採取後も液に接触してたかを判定することで、プローブによる吸引動作を保証し、もって吸引量不足を即時に知ることが可能で、常に安定した試料採取を実現することを狙って、複数の導電性材質の独立懸架プローブを有してプローブと容器近傍に設置した電極間の静電容量変化で容器中の試料液面を検出してプローブの下降を停止し、プローブに接続した分注器で試料をプローブ内に吸引した後、プローブを上昇する際、液面を離れることを検出するに当り、各プローブの上昇開始タイミングを変えるようにしようというものである。
【0042】
ここに、上記のように各プローブが液から離れるタイミングをずらす処理を伴う本例でも、基本的な構成、手法は、上記実施例によるものと同様であってよく、本発明に従う液面接触検知方法および装置を実施するための具体例を示す全体的な概略構成図も図1と同様で、また後記説明からも明らかになるように、その受信回路内の信号処理系の一部、その他の構成部分も同様の構成を採用することができるものであり、これらについては、既に述べてきたところと同じであるので、重ねての詳細な説明は省略するものとし、以下、本実施例の要部について説明する。
【0043】
図11には、液の接触検知の際、試料容器中の試料が静電容量Cを構成する等価回路とそれに接続される受信回路5内の信号処理過程が示される。ここに、本実施例の場合も、図1に示した全体的な概略構成中の受信回路5による信号処理系は、前記図2の場合と同じく、I−V変換回路10、該回路の出力を増幅する増幅回路11、該回路の出力を微分する微分回路12を有する。
【0044】
その一方、本実施例の場合は、図11のごとく、微分回路12の後段には、図2の場合と異なり、反転回路23が設けられるものであり、そして、その後段に、閾値を有する比較回路14を設け、さらにはMPU15(ホストMPU)を備える構成とすることができることは、前記実施例と同様である。
【0045】
ここに、ホストMPU15は、比較回路14で得られる比較結果に基づき、図1の複数の独立懸架プローブ1それぞれの上下動に際しての図示しない駆動手段によるプローブ下降、上昇動作等(減速停止、上昇開始動作の制御を含むことができる)に関する制御や、分注器3の駆動(必要吸引量動作するパルスモータに対する制御等を含む)に関する制御など、装置全体のコントロールを司る機能をも有することについては既に述べたが、本実施例では、さらに、プローブ上昇制御に関してよりきめの細かなものを組み込むべく、静電容量変化で容器6中の試料液面を検出してプローブの下降動作を停止し、プローブでの吸引動作後、各プローブを上昇させんとする際、液面を離れることを検出するに当り、各プローブの上昇開始タイミングを変えるよう、駆動手段に対する制御を実行する制御機能をも、加味させる。
【0046】
これは、次のような見地に基づくものである。すなわち、プローブが液面に接触していたことの検知に関し、先に触れたように、1本プローブの場合、干渉がないので液面から離れる際の静電容量変化の信号量を増幅し、或る閾値電圧よとも大きくすることでプローブが液に付いていたことを検出することは可能であった。しかし、図1の例のごとく複数(ここでは、4本)のプローブ1では、液面を離れることを検出するに当り、たとえば適用する試料容器(6)、容器内の液量いかんで、そのときの試料容器、液量によって静電容量変化の信号量より干渉による減衰量の方が大きい場合もあることから(たとえば、干渉の影響による減衰の様子の例を示す図15参照)、そこで、かかる認識のもと、これを踏まえて、本実施例では、それを回避するために各プローブ1が液から離れるタイミングをずらすことで対応する。これによって、各プローブ1単体が液から離れる際の静電容量変化のみを取り扱えるため、その信号量を増幅し、或る閾値電圧よりも大きくすることでプローブ1が液に付いていたことを検出する。
【0047】
これによれば、複数のプローブ1を備える装置構成の図1の場合にも、各プローブ1が試料から離れる際の静電容量変化によって発生した電圧が閾値電圧を超えることで、各プローブが試料液面を検知し,試料の吸引動作を終了し,そして上昇動作する直前までの間、該当するプローブ1が試料液に接触し続けていたかを適切に判定することを確保することができる。プローブ1が試料液に接触していたかを検出することで吸引量不足を防ぐことができ、かつまた、これがため、データの信頼性を向上することができる。接触し続けたと判定すれば、そのプローブ1は所定量の吸引を完了したと装置は認識し、以降の動作を続ける。接触し続けなかったと判定すれば、装置は異常と判断し、オペレータに異常を通知し、同一容器についての吸引動作を中止する。次の容器については動作を再開する。こうした処理に関しても、たとえばホストMPU15の制御下で実行させる構成とするができる。
【0048】
以下、さらに、上述した構成の装置による液面接触検知方法について、プローブが試料液面から離れる場合に得られる微分回路12の出力の一例を示す図12、同出力の反転出力を示す図13、並びにこれと対比して示す、減衰がある場合の比較例の図14をも参照して説明をする。最初にプローブが1本で動作する場合を述べ、次にプローブが2本以上で動作する場合について述べる。
【0049】
まずはプローブが1本で上下動する場合の説明をするに、前記実施例でも述べてきたように、プローブ1の試料容器6へ向けての下降は液面を検知して停止し、分注器3による吸引動作後、駆動手段で上昇する。一方、プローブ1が容器6中の試料液面から離れる際、この場合は、前記実施例の液面検知で述べたのとは逆に、プローブ1と受け台8間の静電容量Cが減少することで、等価回路部のインピーダンス(1/jωC)は上昇する。
【0050】
よって、プローブ1に流れる電流、およびI−V変換回路10、増幅回路11の各出力電圧は減少するため、液面から離れるタイミングで、微分回路12は図12のようなAC成分のみ出力する。ここで、本例では、そのAC成分を、図13の波形のように反転回路13で反転させる。こうすると、後続の比較回路14への入力として、前記実施例での図14のものと同じ極性のものとして扱うことができる。
【0051】
かくして上記AC成分を図13のように反転回路13で反転出力し、比較回路14で閾値電圧との比較でデジタル変換する。この結果をホストMPUに送り、プローブ1が液面に接触していたかが判定される。
【0052】
次にプローブが2本以上で上下動する場合の説明をする。各プローブは、たとえばそれぞれ図11と同様な回路が接続されるものとすることができる。いま、上記と同じ試料で液量も同じ場合、もし、2本以上同時にプローブ1が液面から離れるとすると、反転回路13の出力は、比較例の考察図14のように干渉の影響で減衰する。しかるに本例で狙いとするような干渉の影響を回避する場合では、各プローブ1は液面検知機能で停止し、分注器3による吸引動作後の上昇の際は、各プローブ1が1本ずつタイミングをずらして順に上昇する。かくして、たとえ4本のプローブ1を備える場合でも、各プローブ1での吸引動作後、各プローブ1を上昇する際、対応容器6中の液面を離れることを検出するに当り、各プローブ1の上昇開始タイミングを変え得て、当該検出を行うことができる。
【0053】
このような動作をさせることで、各プローブ1からの信号は、図13のように減衰せず(したがって、比較例14の場合のような不利は回避し得て、最初に述べたプローブ1本の動作の場合に得られるものと同等のものとなり)、結果、比較回路14で安定した液面接触の検出を判定し、デジタル変換結果をホストMPU15に送ることができる。そして、接触し続けたと判定すれば、対応するプローブ1は所定量の吸引を完了したと装置は認識し、以降の動作を続けることができ、接触し続けなかったと判定すれば、装置は異常と判断し、オペレータに異常を通知し、同一容器についての吸引動作を中止する一方、次の容器については動作を再開することができる。
【0054】
プローブが試料液に接触していたかを検出することで吸引量不足を防ぐことができ、これがためデータの信頼性を向上することのできる本実施例装置並びに方法は、複数のプローブをもって試料の分注を行うような処理を伴う分析機器等における液面接触検知に適用してこれを実施するのに好適で、明細書冒頭の考察事項(チ)〜(ヌ)で述べた観点からの良好な解決策を提供でき、静電容量変化を利用する液面検知機能をもつプローブが複数ある場合でも対応可能で、プローブが液面を検知するだけでなく、液に接触していたかを適切に判定することができ、プローブが吸引動作後も液面に接触していることを安定して検出し得て、吸引量不足などの不利等が生ずるのを防ぐことが可能である。
【0055】
本発明非採用のものでは、液面検知機能を必要とするプローブが2本以上ある場合、物理現象として互いのプローブ間で液面検知信号が干渉してしまうため、安定した液面および液面接触を検知できず、プローブが液面に接触していたことを検知できないとき、吸引量不足といった問題が生じるおそれがあり、試料を所定量採取できたか確認できないこととなるのに対し、本発明に従う上述の液面接触検知方法、装置によれば、プローブが液面を検知するだけでなく、分注器による試料採取後も液に接触してたかを判定することで、プローブによる吸引動作を保証することができ、したがって吸引量不足を即時に知ることができ、常に安定した試料採取を実現することができる。
【0056】
なお、本発明は、以上の実施の形態に限定されるものではない。
たとえば、上記では、
(i)容器中の試料液面を静電容量変化によって検出する場合であって、試料液面を検出したと判断する比較回路における閾値を、試料容器の形状、試料の液性、複数プローブの同時動作などの条件に応じて複数設定し、各条件ごとの閾値を用いて液面を検出することを特徴とする液面検知と、
(ii)複数の独立懸架プローブを備え、導電性材質のプローブと容器近傍に設置した電極間の静電容量変化で容器中の試料液面を検出してプローブの下降動作を停止し、各プローブでの吸引動作後、各プローブを上昇する際、液面を離れることを検出するに当り、各プローブの上昇開始タイミングを変えることを特徴とする液面接触検知と
につき、各別に説明したが、これら(i)、(ii)はそれぞれ単独で実施できるほか、両者を組み合わせて実施することもでき、組み合わせた場合は、より効果的なものとなる。
【0057】
また、以上に記載された内容は、次のような発明と捉えることもできる。
【0058】
〔付記項1〕 容器中の試料液面を静電容量変化によって検出する方式において、試料液面を検出したと判断する比較回路における閾値を各種条件に応じて複数設定し、各条件ごとの閾値を用いて液面を検出することを特徴とする液面検知方法および前記構成からなる装置。
【0059】
〔付記項2〕 付記項1における各種条件が試料容器の形状、試料の液性、複数プローブの同時動作、などである前記方法および装置。
【0060】
〔付記項3〕 複数の独立懸架プローブを備え、導電性材質のプローブと容器近傍に設置した電極間の静電容量変化で容器中の試料液面を検出してプローブの下降を停止し、各プローブに接続した定量分注機で所定の試料をプローブ内に吸引した後、各プローブを上昇する際、液面を離れることを検出するに当り、各プローブの上昇開始タイミングを変えることを特徴とする液面接触検知方法、および前記構成からなる装置。
【0061】
〔付記項4〕
付記項3において、前記の容器中の試料液面を検出してプローブの下降を停止させる場合におけるその液面検出に、付記項1または2に記載の液面検知方法または液面検知装置を使用することを特徴とする液面接触検知方法。
【符号の説明】
【0062】
1 プローブ(導電性プローブ)
2 配管
3 分注器
4 シールド線
5 受信回路
6 容器(試料容器)
7 ラック
8 容器受け台(導電性受け台)
9 発振回路
10 I−V変換回路
11 増幅回路
12 微分回路
13 非反転増幅回路
14 比較回路
15 MPU(ホストMPU)
16 パソコン(パーソナルコンピュータ)
17 記憶装置
18 閾値設定回路
23 反転回路
COM コンパレータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の導電性材質の独立懸架プローブを備え、プローブと容器近傍に設置した電極間の静電容量変化で容器中の試料液面を検出してプローブの下降を停止し、プローブに接続した分注器で試料をプローブ内に吸引した後、プローブを上昇する際、液面を離れることを検出するに当り、各プローブの上昇開始タイミングを変えることを特徴とする液面接触検知方法。
【請求項2】
複数の導電性材質の独立懸架プローブを備え、プローブと容器近傍に設置した電極間の静電容量変化で容器中の試料液面を検出してプローブの下降を停止し、プローブに接続した分注器で試料をプローブ内に吸引した後、プローブを上昇する際、液面を離れることを検出するに当り、各プローブの上昇開始タイミングを変えるよう構成してなることを特徴とする液面接触検知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−128163(P2011−128163A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−21057(P2011−21057)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【分割の表示】特願2001−284558(P2001−284558)の分割
【原出願日】平成13年9月19日(2001.9.19)
【出願人】(510005889)ベックマン コールター, インコーポレイテッド (174)
【Fターム(参考)】