説明

混合型のカムシャフトを備えた内燃機関

本発明は、特に自動車の内燃機関、特にディーゼル内燃機関であって、少なくとも1つの作業シリンダが設けられており、各作業シリンダに少なくとも2つの吸気弁と、少なくとも1つの排気弁とが対応配置されており、少なくとも2つのカムシャフト(16,18)が設けられていて、これらのカムシャフト(16,18)のうち少なくとも1つのカムシャフト(16,18)が、少なくとも1つの吸気弁をも少なくとも1つの排気弁をも操作するようになっている形式のものに関する。本発明の構成では、少なくとも1つの吸気弁をも少なくとも1つの排気弁をも操作する少なくとも1つのカムシャフト(18)に調節器(28)が配置されており、該調節器(28)が、当該カムシャフト(18)に対応配置された吸気弁および排気弁の弁制御時間を、前記少なくとも1つの別のカムシャフト(16)の制御時間に比べて選択的に早め方向または遅め方向に調節する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部に記載の形式の内燃機関、すなわち自己着火法により作動する内燃機関、特に自動車の内燃機関であって、少なくとも1つの作業シリンダが設けられており、各作業シリンダに少なくとも2つの吸気弁と、少なくとも1つの排気弁とが対応配置されており、2つのカムシャフトが設けられていて、両カムシャフトのうち少なくとも一方のカムシャフトが、少なくとも1つの吸気弁をも少なくとも1つの排気弁をも操作するようになっている形式のものに関する。さらに、本発明は請求項6の上位概念部に記載の、このような形式の内燃機関を運転するための方法に関する。
【0002】
公知のミラー/アトキンソンサイクルでは、「吸気弁閉じ」(ES)の時期が遅め方向にずらされる。こうして、既にシリンダ内に存在する新気が、部分的に再び押し出される。このことは充填損を意味するが、しかしこの充填損は適当な過給圧を用いた過給を介して補償され得る。この場合、過給圧はチャージャ出口とエンジン吸気部との間の容積において、過給圧が各ミラー運転点、つまり「ミラーサイクル」が使用される各運転点で、吸気弁閉じの時期における内燃機関の作業シリンダ内の理論的な圧縮最終圧に相当するように制御されなければならない。閉ループ制御のために、あるいは選択的には開ループ制御のためにも、圧力センサおよび/または温度センサおよび/または質量流量センサまたはこれら3つのセンサタイプの好都合なコンビセンサが使用される。
【0003】
吸気弁の閉じのための早め時期または遅め時期による、ディーゼル混合気のNOエミッションおよび均質化可能性に及ぼすミラー/アトキンソンサイクルの好都合な効果が知られている。さらに、オットエンジンでの使用の際には、高過給時におけるノッキング傾向を著しく減少させることができる。ジオメトリ(幾何学)的な拘束の欠如に基づいて正の弁オーバラップを用いて作動することのできるオットエンジンとは異なり、ディーゼルエンジンでは、位相調整器を用いた方法の単純な置換えは一般に不可能である。その原因は、早め調節の際の弁とピストンとの機械的な衝突および遅め調節の際の増大されたポンプ作業である。
【0004】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第4426557号明細書に基づき、内燃機関の作業シリンダにおいて複数の弁を対角線方向で互いに向かい合って位置するように配置し、これにより2つのカムシャフトが吸気弁のそれぞれ一部を制御するようにすることが公知である。こうして、2つの別個の吸気システムが提供されている。両吸気システムはたしかに互いに異なる制御時間を有しているが、しかしこれらの制御時間は固定されている。
【0005】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第10359058号明細書に基づき、2つの吸気弁と2つの排気弁と、合計3つのカムシャフトとを備えた4バルブ式の内燃機関が公知である。1実施態様(図1)では、第1のカムシャフトに第1の吸気弁と第1の排気弁とが対応配置されており、それに対して第2のカムシャフトが第2の吸気弁を操作し、第3のカムシャフトが第2の排気弁を操作する。第1のカムシャフトと第2のカムシャフトとには、それぞれ1つの位相調整器が対応配置されている。前記カムシャフト・弁装置はガソリン内燃機関において使用されることが望ましいが、しかし自己着火式の内燃機関においても使用され得る。位相調整器を用いて達成したい弁隆起曲線のシフトは、自己着火式の内燃機関においては必ず復動ピストンと弁との間の衝突を生ぜしめる。提案された装置を用いてこの問題がどのように取り除かれ得るのかは明記されていない。さらに、提案された装置は構成部分にかかる高い手間を生ぜしめる。なぜならば、合計3つのカムシャフトと2つの位相調整器とが必要となるからである。
【0006】
DE19581571T1(国際公開第95/24549号パンフレットのドイツ語翻訳文)に基づき、4バルブ式のディーゼル内燃機関が公知である(図1)。この場合、第1のカムシャフトが一方の吸気弁と両排気弁とを操作し、第2のカムシャフトは他方の吸気弁と、同じく一方のカムシャフトにより既に操作された両排気弁のうちの一方の排気弁とを運動させることができる。上記DE19581571T1の明細書の記載によれば、第2のカムシャフトは調節装置によって、規定された角度だけ回転可能となるので、この第2のカムシャフトにより操作された吸気弁と排気弁の制御は遅めの時期へ調節される。このような装置では、一方の排気弁が、ロッカアームの介在下に両カムシャフトによって時間的に相前後して操作されるので、この排気弁の制御線図において、吸気弁が操作される間、第2の開放が行われる(図4、図6)。
【0007】
さらに、DE60033563T2(欧州特許第1242720号明細書のドイツ語翻訳文)に基づき、吸排気混合されたいわゆる混合型のカムシャフトを備えた4バルブ式のオット内燃機関が公知である。この場合、各シリンダ当たり2つのカムシャフトがそれぞれ1つの吸気弁と1つの排気弁とを操作する。一方のカムシャフトには位相調整器が対応配置されている。この位相調整器は汎用の形式で、各吸気弁および各排気弁の対応する制御時間を、固定設定された弁の制御時間に対してシフトするために利用される(特にDE60033563T2の図2b参照)。このような手段は自己着火式の内燃機関においては、必ずガス交換弁と復動ピストンとの間の衝突を招く。
【0008】
DE60119993T2(欧州特許第1409852号明細書のドイツ語翻訳文)には、4つのガス交換弁を備えた火花点火式のオット内燃機関が開示されている。この場合、一方のカムシャフトが両排気弁と第1の吸気弁とを操作する。他方のカムシャフトは第2の吸気弁を操作することができる。この第2のカムシャフトには位相調整器が対応配置されている。
【0009】
本発明の根底を成す課題は、冒頭で述べた形式の内燃機関を、ミラー/アトキンソンサイクルの実現の点で改善することである。
【0010】
この課題は本発明によれば、冒頭で述べた形式の内燃機関において、請求項1の特徴部に記載の特徴および請求項6の特徴部に記載の特徴により解決される。本発明の有利な実施態様は請求項2〜請求項5もしくは請求項7および請求項8に記載されている。
【0011】
上記課題を解決するために本発明の構成では、冒頭で述べた形式の内燃機関において、少なくとも1つの吸気弁をも少なくとも1つの排気弁をも操作する少なくとも1つのカムシャフトに調節器が配置されており、該調節器が、当該カムシャフトに対応配置された吸気弁および排気弁の弁制御時間を、前記少なくとも1つの他方のカムシャフトの制御時間に比べて選択的に早め方向または遅め方向に調節するようにした。
【0012】
このことには次のような利点がある。すなわち、位相調整器と、吸排気混合された混合型(gemischt.)のカムシャフト、つまり同時に吸気弁をも排気弁をも操作するカムシャフトとの組合せにより、ミラーサイクルが簡単に、しかも弁の行程運動もしくはリフト運動に関してジオメトリ的(幾何学的)な制限が生じるような個所、たとえばディーゼルエンジンにおいて実現可能となる。
【0013】
たとえば、調節器は、該調節器が60゜KW+/−20゜の弁制御時間のための調節範囲を有するように形成されている。
【0014】
付加的に、本発明による特徴組合せを用いると、改善された排ガスを得ることができることも極めて有利である。すなわち、本発明による内燃機関を装備した乗用車では、走行されたキロメートル当たり0.18グラムよりも下の窒素酸化物エミッション、特に0.1〜0.05gの窒素酸化物エミッションを得ることができる。したがって、欧州連合(EU)に対して義務付けられている、NOxエミッションに関する規定されたエミッション規制EU5およびEU6が下回られる。このエミッション規制はEU5に関して0.18g/kmの値およびEU6に関して0.08g/kmの値を規定している。
【0015】
さらに、パーティクルエミッションも慣用的なコンセプトに比べて著しく低下し、この場合、走行されたキロメートル当たり0.005gよりも低い値、特に0.004〜0.002g/kmの値を得ることができる。
【0016】
有利な実施態様では、各作業シリンダに2つの排気弁が対応配置されており、この場合、2つのカムシャフトが設けられていて、第1のカムシャフトが、これらの吸気弁および排気弁の一方の半数(1/2)を操作し、第2のカムシャフトが、これらの吸気弁および排気弁の他方の半数を操作し、第1のカムシャフトが、該第1のカムシャフトに対応配置された弁のための固定の制御時間を有しており、第2のカムシャフトに調節器(28)が配置されている。
【0017】
0゜KWの調節角度において第2のカムシャフトに対応配置された排気弁が、第1のカムシャフトに対応配置された排気弁よりも早めに閉じ、第2のカムシャフトに対応配置された吸気弁が、第1のカムシャフトに対応配置された吸気弁よりも遅めに開きかつ遅めに閉じるように第2のカムシャフトが形成されていることにより、ディーゼルエンジンにおいても弁と復動ピストンとの間の衝突なしに特に大きな調節範囲が得られる。
【0018】
択一的に、第2のカムシャフトは、0゜KWの調節角度において第2のカムシャフトに対応配置された吸気弁が、第1のカムシャフトに対応配置された吸気弁と同時に閉じるように形成されている。この場合には、遅め調節しか行われない。
【0019】
自己着火法により運転される内燃機関を運転するための本発明による方法では、少なくとも1つの吸気弁をも少なくとも1つの排気弁をも操作する少なくとも1つの一方のカムシャフトで、該一方のカムシャフトに対応配置された吸気弁および排気弁の弁制御時間が他方のカムシャフトの弁制御時間に対して選択的に早め方向または遅め方向に調節されるように、対応する調節器が操作される。
【0020】
以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明による内燃機関の有利な1実施例を示す概略図である。
【図2】図1に示した本発明による内燃機関におけるカムシャフト配置を示す概略図である。
【図3】0゜KWの調節角度における種々のカムシャフトの吸気弁および排気弁の弁運動とピストン運動とを示す線図である。
【図4】早め方向への最大調節時における種々のカムシャフトの吸気弁および排気弁の弁運動とピストン運動とを示す線図である。
【図5】遅め方向への最大調節時における種々のカムシャフトの吸気弁および排気弁の弁運動とピストン運動とを示す線図である。
【0022】
本発明による内燃機関の、図1に示した有利な実施例は、シリンダヘッド10を有している。このシリンダヘッド10は複数の作業シリンダ(図示しない)を画定しており、これらの作業シリンダ内では、それぞれ1つの復動ピストン(図示しない)が往復運動する。シリンダヘッド10は排気側12と吸気側14とを有しており、排気側12では排ガスが作業シリンダから導出され、吸気側14では作業シリンダに新ガスが供給される。
【0023】
各作業シリンダには、2つの吸気弁(図示しない)と2つの排気弁(図示しない)とが対応配置されており、この場合、第1のカムシャフト16と第2のカムシャフト18とが設けられている。第1のカムシャフト16は、それぞれ1つの吸気弁を操作する複数の吸気カム20と、それぞれ1つの排気弁を操作する複数の排気カム22とを支持している。第2のカムシャフト18も、それぞれ1つの吸気弁を操作する複数の吸気カム24と、それぞれ1つの排気弁を操作する複数の排気カム26とを支持している。両カムシャフト16,18に沿って、長手方向で見てそれぞれ吸気カム20,24と排気カム22,26とが交互している。こうして、各作業シリンダの両吸気弁および両排気弁はそれぞれ互いに異なるカムシャフト16,18によって操作される。したがって、特に付加的に図2から判るように、カムシャフト16,18はそれぞれ、吸排気混合されたいわゆる混合型のカムシャフトである。すなわち、各カムシャフト16,18は相応する吸気カム20,24もしくは排気カム22,26を介して吸気弁をも排気弁をも操作するわけである。
【0024】
各作業シリンダに対応するガス交換弁の数とは無関係に、常に全てのガス交換弁全体が2つのカムシャフトによって操作される。
【0025】
第1のカムシャフト16に対応配置された吸気弁および排気弁のための第1のカムシャフト16の制御時間は、変更不能に固定設定されている。第2のカムシャフト18には調節器28が配置されている。この調節器28は第2のカムシャフト18に対応配置された吸気弁および排気弁の制御時間を第1のカムシャフト16の制御時間に対して変更し、この場合、第2のカムシャフト18は調節器28によって第1のカムシャフト16に対して相対的に回転させられる。第1のカムシャフト16は、符号30のところで内燃機関のクランクシャフト(図示しない)によって駆動されるカムシャフトである。第1のカムシャフト16は次いで複数の歯車32を介して第2のカムシャフト18を駆動する。
【0026】
図3〜図5には、水平軸34にクランク角度(KW)をとり、垂直軸36にリフト運動をとった線図が示されている。水平軸34には、符号38のところで装入交番の前の復動ピストンの下死点(UT)が、符号40のところで装入交番中の復動ピストンの上死点(OT)が、符号42のところで装入交番の後の復動ピストンの下死点(UT)がそれぞれ記されている。第1のグラフ44は復動ピストンに関するリフト運動36とクランク角度34との関係を表しており、第2のグラフ46は、第1のカムシャフト16の排気カム22により制御される排気弁に関するリフト運動36とクランク角度34との関係を表しており、第3のグラフ48(破線)は、第2のカムシャフト18の排気カム26により制御される排気弁に関するリフト運動36とクランク角度34との関係を表しており、第4のグラフ50は、第1のカムシャフト16の吸気カム20により制御される吸気弁に関するリフト運動36とクランク角度34との関係を表しており、第5のグラフ52(破線)は、第2のカムシャフト18の吸気カム24により制御される吸気弁に関するリフト運動36とクランク角度34との関係を表している。
【0027】
図3には、0゜KWを有する調節器28の位置が示されている。すなわち、両カムシャフト16,18は互いに相対的に回転させられていない。図4には、遅め方向への最大調節時における調節器28の位置が示されており、図5には、早め方向への最大調節時における調節器28の位置が示されている。図2〜図5から直接に判るように、クランクシャフトに対して相対的な第1のカムシャフト16の吸気弁および排気弁のリフト運動(第2のグラフ46および第4のグラフ50)は不変のままであり、それに対して第2のカムシャフト18の弁のリフト運動(それぞれ破線により描かれた第3のグラフ48および第5のグラフ52)は対応する吸気弁および排気弁に関して共通してずらされる。これにより、一方では第1のカムシャフト16の吸気弁(吸気カム20;第4のグラフ50)と、第2のカムシャフト18の吸気弁(吸気カム24;第5のグラフ52)との間のずらされた開放時間に基づいて、ミラー効果をシミュレートすることができる(図3)。他方では、吸気弁と復動ピストンとの間の衝突が阻止されている。
【0028】
このようなシミュレートされたミラー効果のための前提条件は、作業シリンダ1つ当たり少なくとも2つの吸気弁および作業シリンダ1つ当たり1つの、有利には2つの排気弁の存在である。この場合、各作業シリンダの両吸気弁は互いに異なるクランクシャフトによって操作される。この場合、1つのカムシャフト、つまり第1のカムシャフト16が全ての吸気弁および排気弁の1/2を慣用的な制御時間で操作する。択一的には、吸気側において特定の運転点における最大充填、たとえばコールドスタートの運転点のための最大充填に合わせて最適化された数の弁が操作される。第2のカムシャフト18は残りの吸気弁および排気弁を操作して、「排気弁閉じ」および「吸気弁開き」のためのカム輪郭に関して、約60゜KW+/−20゜の第2のカムシャフト18の調節範囲がピストン衝突なしに行われ得るように設計されている。
【0029】
ミラー効果は、一方のカムシャフト16の最も早めの「吸気弁開き」および他方のカムシャフト18の最も遅めの「吸気弁閉じ」が、各作業シリンダのための互いに異なる弁に対応していることにより得られる(図4参照)。
【0030】
UT42における固定の第1のカムシャフト16(第4のグラフ50)の「吸気弁閉じ」の際に第2のカムシャフト18(ミラーシャフト)が同じく早め方向にシフトされる(第5のグラフ52;図5参照)ことにより、圧縮最終温度の増大が可能となる。それと同時に、図5に図示されているように、第2のカムシャフト18もしくはミラーシャフトの「排気弁開き」の早めシフト(第3のグラフ48)によって排ガス温度の増大(排ガス後処理のために重要となる)を行うことができる。このことは、コールドスタート後の排ガス触媒の迅速なヒートアップを助成することができる。
【0031】
第1のカムシャフト16は、第2のカムシャフト18の早め調節時に最大圧縮比を得るために、ほぼ=UT42において「吸気弁閉じ」(ES)を有している。図3に示した、調節器28の0゜調節時の状況に対して択一的に、このことも、第2のカムシャフト18のための0゜位置とみなされ得るので、その場合には遅め調節しか行われない。しかしいずれの場合にも重要となるのは、たとえばディーゼルエンジンにおいて汎用されているUT後の約10〜25゜KWにおけるESに比べて、UT位置ESが両カムによって得られるように第1のカムシャフト16の吸気カムが短縮されていることである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己着火法により運転される内燃機関、特に自動車の内燃機関であって、少なくとも1つの作業シリンダが設けられており、各作業シリンダに少なくとも2つの吸気弁と、少なくとも1つの排気弁とが対応配置されており、2つのカムシャフト(16,18)が設けられていて、両カムシャフト(16,18)のうち1つのカムシャフトが、少なくとも1つの吸気弁をも少なくとも1つの排気弁をも操作するようになっている形式のものにおいて、少なくとも1つの吸気弁をも少なくとも1つの排気弁をも操作する一方のカムシャフト(18)に調節器(28)が配置されており、該調節器(28)が、前記一方のカムシャフト(18)に対応配置された吸気弁および排気弁の弁制御時間を、前記少なくとも1つの他方のカムシャフト(16)の制御時間に比べて選択的に早め方向または遅め方向に調節することを特徴とする内燃機関。
【請求項2】
調節器(28)が60゜KW+/−20゜の弁制御時間のための調節範囲を有するように該調節器(28)が形成されている、請求項1記載の内燃機関。
【請求項3】
各作業シリンダに2つの排気弁が対応配置されており、第1のカムシャフト(16)が、吸気弁および排気弁のうちの一方の半数を操作し、第2のカムシャフト(18)が、吸気弁および排気弁の他方の半数を操作し、第1のカムシャフト(16)が、該第1のカムシャフト(16)に対応配置された弁のための固定の制御時間を有しており、第2のカムシャフト(18)に調節器(28)が配置されている、請求項1または2記載の内燃機関。
【請求項4】
第2のカムシャフト(18)は、0゜KWの調節角度において第2のカムシャフト(18)に対応配置された排気弁が、第1のカムシャフト(16)に対応配置された排気弁よりも早めに閉じ、第2のカムシャフト(18)に対応配置された吸気弁が、第1のカムシャフト(16)に対応配置された吸気弁よりも遅めに開きかつ遅めに閉じるように形成されている、請求項3記載の内燃機関。
【請求項5】
第2のカムシャフト(18)は、0゜KWの調節角度において第2のカムシャフト(18)に対応配置された吸気弁が、第1のカムシャフト(16)に対応配置された吸気弁と同時に閉じるように形成されている、請求項3記載の内燃機関。
【請求項6】
自己着火法により運転される内燃機関、特に自動車の内燃機関であって、少なくとも1つの作業シリンダが設けられており、各作業シリンダに少なくとも2つの吸気弁と、少なくとも1つの排気弁とが対応配置されており、2つのカムシャフトが設けられていて、両カムシャフトのうち少なくとも一方のカムシャフトによって、少なくとも1つの吸気弁も少なくとも1つの排気弁も操作可能である形式の内燃機関を運転するための方法において、少なくとも1つの吸気弁をも少なくとも1つの排気弁をも操作する一方のカムシャフトに調節器を対応配置し、該調節により、該一方のカムシャフトに対応配置された吸気弁および排気弁の弁制御時間を、他方のカムシャフトの弁制御時間に対して選択的に早め方向または遅め方向に調節することを特徴とする、内燃機関を運転するための方法。
【請求項7】
内燃機関の排ガス中に、自動車によって走行されたキロメートル当たり0.18グラムよりも少ない窒素酸化物エミッションの値、有利には0.1g/kmよりも少ない窒素酸化物エミッションの値、特に0.08g/kmの窒素酸化物エミッションの値が生じるように調節器によって弁制御時間を調節する、請求項6記載の方法。
【請求項8】
内燃機関の排ガス中に、0.005g/kmよりも少ないパーティクルエミッションの値、有利には0.004〜0.002g/kmのパーティクルエミッションの値が生じるように調節器によって弁制御時間を調節する、請求項6記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−503788(P2010−503788A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527734(P2009−527734)
【出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【国際出願番号】PCT/EP2007/007897
【国際公開番号】WO2008/031555
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(596107062)フオルクスヴアーゲン アクチエンゲゼルシヤフト (34)
【氏名又は名称原語表記】Volkswagen AG
【住所又は居所原語表記】Wolfsburg,Germany
【Fターム(参考)】