説明

混成樹脂組成物を用いてつくられたエアバッグコーティング

【課題】経年安定性及び優れた低通気性を提供しつつ、ファブリックの長期剛性を達成して、裁ち目又は継ぎ目でのほぐれを防止するために、個々のヤーン間に良好な接着及び強い結合を提供する。
【解決手段】エアバッグコーティングとして、アクリレート類、ビニル類、シリコーン類及びそれらの組み合わせと配合されたウレタン類を使用し、少なくとも1成分は20℃以下のガラス転移温度を有している。このウレタン類は、好ましくは、ポリカーボネート、ポリテトラメチレングリコール、シリコン系ジオール、又はオレフィン系ジオール型である。それら混成樹脂は、水系分散液中で、溶媒中で、又は、第1のポリマーが第2のポリマー中に直接に溶解されて連続マトリクスを形成するように複数のポリマーを相互に混合することにより生成する。その結果として得られる混成樹脂は、少なくとも1000psiの引張強さと少なくとも約200%の破断点伸びとを示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアバッグファブリック用のコーティングとしての混成樹脂組成物の使用に関する。この混成樹脂組成物は、相互貫入ポリマーネットワーク(interpenetrating polymer network:IPN)を形成し、それは、単独で又は組み合わせて使用されてもよい他のコーティング材料よりも安価でありながらも、引張強さ及び柔軟性などの所望の特性をエアバッグに与える。ここに記載されるIPNを生成するために使用されるポリマーは、アクリレート類、ビニル類、シリコーン類、及びそれらの組み合わせと配合されたウレタン類である。本混成樹脂コーティングは、単独で又は単一若しくは多成分系エアバッグコーティングと組み合わせて使用され、通気度(air permeability)、引張強さ及び破断点伸びについて所望の特性を達成してもよい。
【背景技術】
【0002】
歴史的に、エアバッグは、高分子材料の1つ以上の層でコートされており、例えば、ファブリックの不所望な通気を防止することによって、及び、より少ない程度には、バッグを膨張させるのに使用される高温ガスによる損傷からファブリックを保護することによって、それらの性能を高めている。ポリクロロプレンは、エアバッグの初期開発において一般に好まれたポリマーであった。しかしながら、その後、ポリクロロプレンは、熱に曝されたときに劣化して塩酸成分を放出する傾向にあり、潜在的に、危険な薬品を周囲に導入し、ファブリック成分を劣化させることが分かった。この劣化の問題は、完成したエアバッグの折り畳んだ寸法をより少ないコーティング材料の使用によって減少させるという要望と組み合わされて、エアバッグコーティングとしての使用に供されるポリクロロプレンのシリコーン系材料によるほぼ全世界的な置き換えを導いた。
【0003】
エアバッグについてのより新しい設計、特には乗員室の側部に配置されるエアバッグは、バッグが使用時により長く圧力を保持する要求をもたらした。より長い空気保持の要求及びより少ないコーティングレベルのシリコーンポリマーの使用は、本来的に潤滑性のシリコーンコーティングは縫い目が圧力下に置かれたときにファブリックを構成しているヤーンがシフトするのを可能とするかも知れないという効果を強調し始めている。このシフトは、シフトしたヤーンが形成した孔を介した膨張ガスの漏れを導き得るか、又は、激しい場合には、継ぎ目の破損を生じさせ得る。エアバッグは運転手又は乗客を十分に保護するために、衝突事象の間、その完全性を保たなければならないので、効果的な空気保持性とエアバッグが適切に機能するのに十分なヤーンシフトの制限との双方を提供するコーティングを提供することへの大きな要求がある。
【0004】
上記の通り、近年、シリコーンコーティングが利用されており、所望の透過及び強度特性を提供している。しかしながら、そのようなコーティング材料(ポリジメチルシロキサンなど)の相対的なコストは、新規であり、より安価な代替物を捜し求めさせ続けるほどに十分に高い。それゆえ、経年安定性及び優れた低通気性を提供しつつ、ファブリックの長期剛性を達成して、裁ち目又は継ぎ目でのほぐれを防止するために、個々のヤーン間に良好な接着及び強い結合を提供することへの要求が存在している。
【0005】
費用対効果が高く、シリコーンのみを含んだコーティングを機能的に置換するものを提供するために、多層コーティング系が開発された。そのようなコーティングを生成するのに使用される材料は、ポリウレタン及びアクリル類などのポリマーを含んでおり、それらは、単独で又はシリコーンと組み合わせて使用される。
【0006】
例えば、Veigaらに付与された米国特許第6239046号(特許文献1)及び米国特許第6641686号(特許文献2)は、2層エアバッグコーティングの使用を記載しており、そこでは、ファブリック接触層は接着性ポリウレタンであり、最上層は弾性ポリシロキサンである。他のアプローチは、Veigaらに付与された米国特許第6734123号(特許文献3)に記載されており、多層のポリウレタンをエアバッグコーティング材料として使用している。この例では、接着性ポリウレタン及び弾性ポリウレタンの層が用いられ、所望の特性を達成している。更に他の多層コーティング系は、Veigaに付与された米国特許第6770578号(特許文献4)において与えられており、そこでは、ポリウレタンのプライマーコーティングがエアバッグファブリックに適用され、次いで、1つ以上のポリマーフィルムの層が適用される。そのようなポリマーフィルムは、ポリウレタン、ポリアミド又はポリオレフィンからなる。しかしながら、これら参照文献の何れも、エアバッグコーティングとして使用される混成樹脂を教示していない。
【0007】
多成分エアバッグコーティングを生成するための他の努力は、シリコーンと他のポリマーとを同一のポリマーネットワーク内で組み合わせることに焦点が当てられている。Parkerに付与された米国特許第6348543号(特許文献5)、米国特許第6468929号(特許文献6)及び米国特許第6545092号(特許文献7)は、エチレンメチルアクリレート又はエチレンビニルアセテートなどのエチレン含有コポリマーと架橋又は混ぜられたビニル含有ポリシロキサンからなるエアバッグコーティングの製造を記載している。Parkerに付与された米国特許第6846004号(特許文献8)に記載された他のアプローチでは、シリコーンポリマーは、エチレンと少なくとも1つの極性モノマーとのコポリマーと、揮発性溶媒及び任意に硬化触媒の存在下で組み合わされる。Parkerの米国特許出願公開第2005−0100692号(特許文献9)に記載された更に他のアプローチは、エアバッグファブリックを、ビニル含有シリコーンと、シリコーン及び非シリコーン置換基を有し、末端Si−H基を有していても、有していなくてもよいコポリマーとの架橋反応生成物でコートすることを含んでいる。
【0008】
これらの系に伴う1つの問題は、選択されたポリマーの均一な配合物を形成することの困難さである。その上、ポリマーの単純な配合物は、殆どのポリマー樹脂は互いに相溶性ではないので、ここで望まれるIPNの特徴である分子「交錯(interlacing)」をもたらさない。異なる樹脂が単純に相互に配合された場合、それらは、隣接しているが分離した複数のドメインを形成する傾向を有している。殆どの場合、これらポリマーは、他のポリマーと組み合わされる前に、個々に重合されている。各樹脂成分は、配合物中でそれ自体のドメインを形成し、異なる物理的性質(融点又は印加温度など)を有する複数のコーティング領域をもたらす。これらを総じて考えると、その配合物は、典型的には、個々の樹脂のバルクの性質の妥協点にある性質を示す。2つの異なる樹脂ドメイン間の相互作用は、その配合物の弱点であり、これらは、その樹脂配合物の不十分な機械的特性と不十分な長期安定性とに寄与するかも知れない。
【0009】
ポリマーの単純な配合物に伴う問題を解決するために、混成ポリマー樹脂が開発された。混成ポリマー樹脂は、少なくとも2つの異なるポリマー樹脂の混合物であり、それら樹脂は、相互貫入ポリマーネットワーク(IPN)を形成するように組み合わされている。そのような相互貫入ネットワークは、分子レベルで相互に連結(interlock)した2つの樹脂材料に由来しており、それゆえ、IPN構造の形成なしにつくられた対応の単純な配合物と比較して優れた性質(磨耗及び靭性など)を提供する。しばしば、これら混成樹脂は、その混成樹脂が織物基材のためのコーティングとして使用される場合に望まれる難燃性などの異なる物理的又は化学的性質を有する樹脂を含む。
【0010】
IPNは、多数の異なる方法を用いて生成され得る。それらは、或るモノマーを他のポリマー樹脂に溶解させ、次いで、先の他のポリマーマトリクス中でモノマーを重合させることにより形成され得る。又、IPNは、2つ以上の異なるモノマーの均質混合物の逐次又は同時重合によってつくられ得る。2つのプレポリマーを混合して均質混合物を形成し、それらプレポリマーを、最終ポリマーがIPN構造を形成するように後重合することもできる。最後に、何れかが溶融状態にあるか又は溶液として存在している2つのポリマーを相互に混合して均質混合物を形成し、次いで、それらポリマーの少なくとも1つを架橋する。
【特許文献1】米国特許第6239046号明細書
【特許文献2】米国特許第6641686号明細書
【特許文献3】米国特許第6734123号明細書
【特許文献4】米国特許第6770578号明細書
【特許文献5】米国特許第6348543号明細書
【特許文献6】米国特許第6468929号明細書
【特許文献7】米国特許第6545092号明細書
【特許文献8】米国特許第6846004号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2005/0100692号明細書
【発明の開示】
【0011】
[要約]
本開示は、特定の混成樹脂のエアバッグコーティングとしての使用を対象としている。好ましくは、これら混成樹脂を生成するのに使用されるポリマーは、ここに記載されるように、アクリレート類、ビニル類、シリコーン類及びそれらの組み合わせと配合されたウレタン類であり、それら成分の少なくとも1つは20℃以下のガラス転移温度を有している。このウレタン類は、好ましくは、ポリカーボネート、ポリテトラメチレングリコール、シリコン系ジオール、又はオレフィン系ジオール型である。それら混成樹脂は、水系分散液中で、溶媒中で、又は、第1のポリマーが第2のポリマー中に直接に溶解されて連続マトリクスを形成するように複数のポリマーを相互に混合することにより生成されてもよい。その結果として得られる混成樹脂は、少なくとも1000psiの引張強さと少なくとも約200%の破断点伸びとを示す。
【0012】
[詳細な説明]
上記の通り、相互貫入ポリマーネットワークは、典型的には、反応容器内の水系分散液中で形成される。IPNは、ファブリック上で現場形成されてもよい。但し、このアプローチは、モノマー成分の揮発性及び連続ウェブ製造プロセスの間に酸素をパージングする難しさのせいでより好ましくはない。
【0013】
<ウレタン/アクリレート混成樹脂>
第1態様では、相互貫入ポリマーネットワークは、アクリレートと組み合わされて混成体を形成したウレタンからなる。その混成樹脂のウレタン成分は、高い引張強さ及び靭性を提供し、好ましくは、少なくとも1000psiの引張強さを有する。アクリレート成分は、典型的にはウレタン成分よりも安価であり、混成樹脂に柔軟性及び経時安定性を提供する。高強度のウレタンと柔軟で安価なアクリレートとから混成樹脂を形成することによりエアバッグコーティングが生成され、それは、一方が個別に使用された場合や、それら2つの成分の単なる非混成配合物と比較して、バッグの撓み性、経時安定性及びガス圧保持性の点でより優れた性能を示す。更に、この高められた性能は、低いコーティングウェイトで達成可能である(より低い製造コストに対応している)。
【0014】
上述した所望の高強度ポリウレタンを生成するために、適切な出発材料(ポリオール、イソシアネート及び連鎖延長剤)、モル比(特には、ポリオールのイソシアネートに対する比)、及び反応条件を選択する必要がある。ポリオールのイソシアネートに対するモル比は、好ましくは、0.5:1乃至0.98:1のオーダにある。
【0015】
ポリウレタンの生成に好ましいポリオール類は、ポリカーボネートポリオール類、ポリテトラメチレングリコール、シリコン系ジオール類、オレフィン系ジオール類、及びそれらの組み合わせを含む。代表的なシリコン系ジオール類は、化学構造:
HO-R1-[-OSiR23-]-R4-OH
を有する化合物を含み、ここで、R1及びR4は、芳香族及び脂肪族ラジカルからなる群より選択され、R2及びR3は、メチルラジカル、ヒドロキシラジカル、フェニルラジカル及び水素からなる群より選択される。オレフィン系ジオール類は、ポリエチレン、ポリプロピレン、又は、ポリオレフィンコポリマーを有する化合物を含み、ここで、そのコポリマーは、末端及び/又は側鎖位置にヒドロキシル基を有する。
【0016】
脂肪族イソシアネート類は、それらの色安定性及び熱安定性のために好ましい。好適なイソシアネート類は、限定する訳ではないが、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソフォラン(isophorane)ジイソシアネート(IPDI)、水素化メチレンジフェニルジイソシアネート(HMDI)、及びα、α、α’、α’−テトラメチル−m−キシレンジイソシアネート(m−TMXDI)を含む。
【0017】
ウレタン/アクリレート混成体は、ウレタンプレポリマーとアクリレートモノマーとを重合することにより調製される。或る好ましい態様において、ジイソシアネート化合物は、ポリマージオール及び1分子当り2つのヒドロキシル基を含んでいるカルボン酸又はスルホン酸化合物と、1対0.5乃至約1対0.98のイソシアネート対ヒドロキシルモル比で、任意に有機錫化合物又は第3級アミンなどの触媒を用いて混合される。この混合物は、次いで、水分の不存在下(好ましくは、乾燥窒素及びアルゴンガスなどの不活性雰囲気中)で、40℃乃至200℃の範囲の温度に、ヒドロキシル基のウレタン結合への実質的に完全な変換を可能にするのに十分な時間に亘って加熱され、イソシアネート末端基を有するポリウレタンプレポリマーを形成する。
【0018】
混成樹脂中に組み入れるのに好ましいアクリレート類は、低いガラス転移温度と良好な経時安定性とを有しているものを含む。より低いガラス転移温度を有しているアクリレート類を用いて形成した混成樹脂は、より大きな低温での撓み性を示し、それは、コートしたエアバッグをそのモジュール中に詰める能力を更に高める。ポリアクリレートのガラス転移温度は、ポリアクリレートをつくるのに2つ以上のモノマーを使用した場合には、対応する複数のモノマーの寄与によって決定される。少なくとも1つのアクリレートモノマーのホモポリマーのガラス転移温度は、好ましくは約0℃未満であり、より好ましくは約−10℃未満である。アクリレート成分のガラス転移温度は、好ましくは約−60℃乃至約10℃の範囲内にあり、より好ましくは0℃未満であり、最も好ましくは−10℃以下である。
【0019】
好ましいアクリレート成分は、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、スチレン、アクリロニトリル、エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、メタクリロプロピルトリメトキシシラン、メチロールアクリルアミド、及びそれらの組み合わせのモノマーを有するポリアクリレート類を含む。フリーラジカル重合からつくられる典型的な軟質ポリアクリレート樹脂は、900psi未満の引張強さを有している。市販されているそのような樹脂は、RHOPLEX(登録商標)TR−3082であり、それは、Rohm & Haas社から入手可能であり、約430psiの引張強さ、約−20℃のガラス転移温度、及び約620%の破断点伸びを有している。
【0020】
一旦、ウレタンプレポリマーが(上述のように)製造されると、それは、少なくとも1つのアクリレートモノマー又はオリゴマーと混合され、その温度は約20℃乃至約100℃の範囲内へと低められる。ジヒドロキシカルボン酸がウレタンプレポリマーを作るのに使用される場合、水酸化カリウム又は有機アミンなどの塩基と分散剤/界面活性剤とが含められてもよい。好適な有機アミンの例は、トリエチルアミン(又はジメチルエトノールアミン)である。ウレタンプレポリマーとアクリレートモノマーとの混合物は、次いで、撹拌しながら水へと添加される。ジアミノ有機化合物(一般には「連鎖延長剤」と呼ばれる)もこの時に水に添加され、それは、ウレタンプレポリマーのイソシアネート末端基と反応して、ウレタン成分の分子量及び物理的特性を更に高める。このようにして、ウレタン及びアクリレートモノマーの好適な水系分散液が得られる。
【0021】
架橋用アクリレートモノマーが、上記の分散液中に含められてもよい。その架橋用モノマーは、結果として得られるポリアクリレート及び/又はポリウレタン成分の架橋を誘起するかも知れない。好適な架橋用モノマーの例は、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミン、アクリル酸、メタクリル酸、ジビニルベンゼン、並びに他の多官能アクリレート及びメタクリレートモノマー類を含む、或いは、架橋は、エポキシ樹脂、アミノ樹脂(メラミンホルムアルデヒド樹脂又はユリアホルムアルデヒド樹脂など)、ポリイソシアネート類、ポリカーボジイミド類、及びブロックトポリイソシアネート類などの多官能架橋剤によって達成されてもよい。
【0022】
その分散液は、次いで、窒素及びアルゴンなどの不活性ガスでパージされ、酸素を除去する。次いで、2,2’−アゾジイソブチルニトリル(AlBN)又は硫酸カリウムと二亜硫酸ナトリウムとの混合物などのフリーラジカル開始剤が分散液に添加され、アクリレートモノマーのフリーラジカル重合を約50℃乃至約90℃の範囲内の温度で開始する。アクリレートモノマーはウレタンポリマーと均質混合されているので、このようにして重合されたアクリレートポリマーは、ウレタンポリマーとの分子レベル混合を有している。換言すれば、アクリレートポリマーとウレタンポリマーとはIPNを形成している。
【0023】
上述のようにして提供されるポリウレタン/ポリアクリレート混成体は、ポリウレタン樹脂と類似の機械的強度を有しているが、より良好な柔軟性とより低いコストとを有するようにしてもよい。市販されているそのようなものは、Stahl USA社から入手可能なRU6000であり、それは、上述したのと類似したプロセスによって製造されたポリアクリレート/ポリウレタン混成体である。この混成体は、約3345psiの引張強さと約415%の破断点伸びとを示す。
【0024】
<ウレタン/アクリレート混成樹脂(溶媒系)>
第2態様では、IPN樹脂は、(水系分散液を生成する代わりに)有機溶媒を用いて形成される。このアプローチを用いると、ウレタン及びアクリレートポリマー又はコポリマーは、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、トルエン、イソプロピルアルコール、又はメチルエチルケトンなどの有機溶媒中に溶解され、均質分子混合物を形成する。このウレタンは、上述したように製造された、完全に反応したポリマー又はプレポリマーであってもよい。次に、この混合物は、公知のコーティング法を用いてエアバッグファブリックに適用される。次いで、溶媒が、アクリレートモノマー及びウレタン混合物の少なくとも一部がIPNを形成するように、約60℃乃至約200℃の温度で蒸発させられる。イソシアネート、エポキシ及びポリカーボジイミドなどの架橋剤及び接着促進剤が、このコーティング混合物中に更に含められてもよい。
【0025】
ポリウレタン成分とアクリレート成分との一方又は双方が、それら成分が乾燥プロセスの間に相互に反応するのを可能とする反応基を含み、それにより、それら成分がIPNの生成なしに主として2つの別々の相を形成するのを防止(即ち、単なる配合物の形成を防止)してもよい。アクリレート部分を含んでいるポリウレタンのコポリマー又はウレタン部分を含んでいるアクリレートのコポリマーなどの相溶化剤が含まれ、混成樹脂の形成を促進してもよい。或る態様では、ポリウレタン成分は反応性イソシアネート末端基を含み、ポリアクリレート成分は反応性ヒドロキシル基を含み、それは、ヒドロキシエチルアクリレートを例えばモノマー混合物中に含めることによって生成される。有機溶媒(又は溶媒混合物)中でこれらポリウレタン及びポリアクリレート成分が分子レベルで相互に混合されると、それら成分は相互に反応して、有機溶媒が蒸発させられた後でさえ相分離が生じるのを防止する化学結合を形成する。
【0026】
第1及び第2態様の潜在的に好ましい変形において、ポリカーボネートウレタンプレポリマーは、ポリカーボネートジオール、脂肪族ジイソシアネート、ジメチロールプロピオネートを使用し、トリエチルアミンを中和塩基として用いることによってつくられる。他の変形では、ポリエーテルジオール(ポリテトラメチレングリコールなど)及び脂肪族イソシアネートは、ポリエーテルウレタンプレポリマーをつくるのに使用される。ポリカーボネートウレタンプレポリマー又はポリエーテルウレタンプレポリマーと共に使用するのに好ましいアクリレートモノマーは、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、スチレン、アクリロニトリル、エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、メタクリロプロピルトリメトキシシラン、メチロールアクリルアミド、及びそれらの組み合わせを含む。ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート及び/又はシリコーンアクリレートのオリゴマーが、単独で又はアクリレートモノマーと共に混成樹脂中に含められることも好ましい。
【0027】
<ウレタン/ビニル混成樹脂>
第3態様では、アクリレートポリマーはビニルポリマーで置換され、それは、ウレタンビニル混成体であるIPNをもたらす。好適なビニル化合物の例は、ビニルエステル(ビニルアセテートなど)、ビニルヘキサノエート、ビニルクロライド、ビニルアルコール、ビニルブチレート、ビニリデンクロライド、ビニリデンフルオライド、ビニルホルメード(formade)、ビニルピロリドン、及びフリーラジカル開始剤の存在下で重合可能な他のビニルモノマー類を含む。これらポリマーの製造プロセスは、アクリレートポリマーについて上述したのと同様である。
【0028】
ポリウレタン/ビニル混成体は、ここに参照によって含められる米国特許第571681号に開示されているプロセスを用い、(i)熱及び湿度エージングに対して安定なポリオール類と、(ii)10℃以下のガラス転移温度を有しているビニル成分とを組み合わせることにより製造されてもよい、この組み合わせに好適なポリオール類は、ポリカーボネートポリオール類、ポリテトラメチレングリコール、及びポリプロピレングリコールを含む。
【0029】
<ウレタン/ビニル混成樹脂>
交互に、アクリレートとビニルポリマーとの組み合わせが、ウレタンプレポリマーとの組み合わせの後に重合され、3分子結合ポリマー(three molecularly bonded polymers)を有するIPNを形成してもよい。
【0030】
上述の通り、ウレタンプレポリマーは、ジイソシアネート化合物をポリオール及びカルボン酸又はスルホン酸化合物と混合することにより形成される。ジイソシアネート化合物は脂肪族及び芳香族イソシアネート類から選択され得るが、本態様では脂肪族イソシアネート類が好ましい。好適な脂肪族イソシアネート類は、限定する訳ではないが、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソフォランジイソシアネート(IPDI)、水素化メチレンジフェニルジイソシアネート(HMDI)、及びα、α、α’、α’−テトラメチル−m−キシレンジイソシアネート(m−TMXDI)を含む。
【0031】
好適なポリオール類は、限定する訳ではないが、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレンカーボネートグリコール、ヒドロキシル末端基を有する直鎖又は分枝鎖ポリオレフィン類、ヒドロキシル末端基を有するポリエステル類、及びヒドロキシル末端基を有するポリヂメチルシロキサン化合物を含む。特には、以下の構造:
HO-R1-[-OSiR23-]-R4-OH
を有するポリジメチルシロキサン化合物が良好に使用されるかも知れず、ここで、R1及びR4は、芳香族及び脂肪族ラジカルからなる群より選択され、R2及びR3は、メチルラジカル、ヒドロキシラジカル、フェニルラジカル及び水素からなる群より選択される。ポリプロピレングリコール及びポリエチレングリコールなどの他のポリオール類が使用されてもよいが、それらの低い耐酸化性のせいで微量成分(minor component)としてのみである。
【0032】
ヒドロキシル官能性を有するカルボン酸類又はスルホン酸化合物は、ポリウレタン及びポリウレタン/アクリレート混成体の水系分散液を促進する内部乳化剤成分として特に適している。ジヒドロキシル基を有する好適なカルボン酸の一例は、ジメチロールプロピオン酸である。そのような酸化合物は、ジイソシアネート化合物及びポリオールと反応して、良好な分散安定性で水中に分散され得るポリウレタンを形成する。
【0033】
イソシアネートとポリマーとの反応に好適な触媒は、第3級アミン、有機錫化合物、及びこの目的で公知の他の触媒を含む。
【0034】
上述したウレタンプレポリマーと組み合わせて使用されるアクリレートモノマーは、エチルアクリレート、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、アクリロニトリル、エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、メタクリロプロピルトリメトキシシラン、及びメチロールアクリルアミドのモノマー、それらの組み合わせ、並びにフリーラジカル機構によって重合可能な他の類似のモノマーを含む。好適なビニルモノマーは、先に与えられている。アクリレートモノマーとビニルモノマーとのオリゴマーも、IPN樹脂の製造において使用されてもよい。アクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、シリコーンアクリレートなどの単、二、三及び多官能オリゴマーも、ポリウレタンプレポリマーと混合してIPN樹脂を形成するのに好適である。最後に、エチレン、ブタジエン、イソプレン及びクロロプレンなどの追加のモノマーが含められ、上述のモノマー及びオリゴマーと共重合してもよい。
【0035】
<ウレタン/シリコーン混成樹脂>
更に他の態様では、シリコーン及びウレタンIPNが、ポリウレタン(ビニル、アクリレート又はメチルヒドロシリル基を有している)を添加硬化性(addition-cure)シリコーン混合物と混合することによって生成される。ポリウレタン及びシリコーンの双方が配合され、同時に硬化されて、IPN樹脂を形成する。IPN混合物中ではウレタン及びシリコーンポリマー間に或る共有結合が存在し、それは、IPN構造を更に安定化させ、IPNの機械的特性を改良すると信じられている。同様に、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレートなどのオリゴマーも、任意に溶媒の存在下でシリコーン樹脂と混合されて、IPN混成体を形成してもよい。
【0036】
或る態様では、メタクリレート官能性を有するウレタンは、白金触媒系を有する添加硬化性の二成分(two-part)シリコーンゴム樹脂と組み合わされる。このウレタン/シリコーン混合物は、次いで、公知の方法を用いてエアバッグファブリックに適用され、約0.7オンス毎平方ヤード乃至約3.0オンス毎平方ヤードの湿潤コーティングウェイトを達成する。この所望のアドオン(add-on)レベルを達成する潜在的に好ましい1つの適用法は、浮かしナイフを用いたスクレープコーティングである。このコーティングは、次いで、オーブン中、約300F乃至約400Fの範囲内の温度で硬化される。ウレタンのメタクリレート成分は、白金触媒の存在下、メチルヒドロシロキサン基の形成によって、シリコーン樹脂と共硬化される。この反応を以下に示す。
【化1】

【0037】
ここで、Yは、化学構造:
-R1-[-OCNH-R2-HNCO-(Z)-]x-CNH-R2-HNCO-R1
によって表されるポリウレタンセグメントであり、R1及びR2は脂肪族及び芳香族ラジカルからなる群より選択され、Zは、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン、ポリオレフィン及びそれらの組み合わせからなる群より選択され、xは1より大きい数字である。
【0038】
シリコーンは、−60℃以下のガラス転移温度を有する軟質ポリマーである。シリコーン樹脂は、高い引張強さ又は高い引裂き強度を有していない。しかしながら、ポリウレタンが上述のようにシリコーンと組み合わされてIPNを形成した場合、ポリウレタン成分は、コーティングの柔軟性に悪影響を及ぼすことなしに、コーティング組成物に所望の高強度を提供する。この相反する目的は、これら教示に従って形成されるIPNによって満足される。対照的に、ウレタンのシリコーンとの単なる配合物は、通常、それら成分の何れかの単独よりも劣る機械的特性を有するコーティングをもたらす。
【0039】
<添加剤>
ここに記載される混成樹脂は、エアバッグファブリック及びエアバッグのコーティングに特に適している。この混成樹脂は、以下の任意の添加物:熱安定剤、酸化防止剤、架橋剤、レオロジー調整剤(rheology modifier)、難燃剤、溶媒、接着促進剤、粘着防止剤、及び着色剤などの1つ以上を含めることによってコーティング組成物へと調合されてもよい。
【0040】
これら混成コンパウンド(hybrid compound)は、一般には連鎖延長剤と呼ばれるジアミノ化合物を含んでもよく、それは、典型的には、ジイソシアネートとポリオールとの反応生成物に添加されて、ポリウレタン樹脂の分子量を更に増加させる。ジアミノ化合物は、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン及びヒドラジンなどの2つの第1級アミン基を有しているどのような有機分子も含む。
【0041】
<エアバッグファブリックへの適用>
次に、コーティング組成物が、浮かしナイフコーティング、ロール式ナイフコーティング、スプレーコーティング、含浸コーティング、カーテンコーティング、反転ロールコーティング、トランスファロールコーティング及びスクリーンコーティングを含む耕地の方法によってエアバッグファブリックに適用される。次いで、このコーティングは、60℃乃至200℃の範囲内の温度で、より好ましくは120℃乃至180℃の範囲内の温度で乾燥され、架橋剤が使用された場合には任意に硬化される。このコーティング組成物のアドオンウェイトは、乾燥させた場合には、好ましくは0.3oz/yd2乃至3.0oz/yd2であり、より好ましくは0.6oz/yd2乃至1.5oz/yd2である。
【0042】
本IPNコーティングは、このIPN樹脂を一成分として他のコーティング材料と共に組み入れることにより、又は、IPNコーティングを多層コーティング系の1層として使用することにより、他のコーティングと組み合わせて使用されてもよい。混成樹脂は、例えば、ポリウレタン及びポリアクリレート樹脂配合物のための相溶化剤として使用され、その樹脂配合物のコーティング特性を改良してもよい。更に、本IPN樹脂は、エアバックファブリック上のプライマーコーティングとして使用され、それに2次コーティング層が適用されてもよい。交互に、IPN樹脂は、一体式の層として、又は、各層が特有の性質を有する2つの層を有するプライマー系のためのトップコートとして使用されてもよい。
【0043】
ここに記載される混成樹脂は、少なくとも約1000psiの、より好ましくは少なくとも2000psiの、最も好ましくは少なくとも3000psiの引張強さを有している。又、これら混成樹脂は、少なくとも200%の破断点伸びを示す。単なるポリマー配合物に対して改良された機械的特性の特質に加えて、これら混成樹脂は、従来の樹脂配合物よりも良好な経時安定性及び耐磨耗性を提供する。その上、所望の特性がより少ないコーティングアドオンレベルでエアバッグに付与され、それゆえ、より軽量であり且つ充填体積がより小さいエアバッグモジュールに寄与する。最後に、本アプローチに係るハイブリッド樹脂の製造コストは、100%シリコーンコーティング系に伴うコストよりも低い。
【0044】
これらの理由で、ここに記載される混成樹脂のエアバッグコーティング材料としての使用は、従来技術を上回る進歩を示す。
【0045】
<例1>
以下の成分が組み合わされ、ウレタン/アクリレート混成樹脂をつくる。
【0046】
ポリカーボネートウレタン/アクリレート混成樹脂 50重量部
(例えば、Stahl USA社からの固形分40%のRU6000混成樹脂)
水 27重量部
デカブロモジフェニルオキシドの分散液(固形分70%) 20重量部
(難燃剤として働く)
テトラキス[(メチレン−3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン 2重量部
(酸化防止剤として働く。例えば、Akron Dispersions社からのBOSTEX(登録商標)537)
増粘剤 1重量部
(例えば、Hercules Inc.からのNATROSOL(登録商標)250HHXR)
組み合わせると、上記の成分は、粘稠な液体を形成する。この液体は、次に、420デニール49×49平織りナイロン6,6エアバッグファブリック上に、鋭角浮かしナイフを用いて、約1オンス毎平方ヤードのコーティングウェイトでスクレープコートされる。次いで、この液体は、350°Fのオーブン中で約1.5分間に亘って直ちに乾燥させられる。その結果としての乾燥コーティングウェイトは、約0.25オンス毎平方ヤードである。
【0047】
その結果として得られるコーテッドファブリックは、ASTM D−737「Air Permeability of Textile Fabrics」規格に従って試験した場合に、0cfmの通気度を有している。又、このファブリックは曲げ易く、従って、小さなパッケージサイズへの折り畳みを許容する。このファブリックは、その後、裁断され、コート側がバッグの内部を向くようにエアバッグへと縫われる。シリコーンコートエアバッグと比較して、例1のファブリックは、より改良されたコーミング耐性(combing resistance)を示す。
【0048】
<例2>
以下の成分が組み合わされ、他のウレタン/アクリレート混成樹脂をつくる。
【0049】
ポリカーボネートウレタン樹脂 40重量部
(例えば、Stahl USA社からのRU40−350樹脂)
ポリアクリレート樹脂 39重量部
(例えば、Rohm & Haas社からのRHOPLEX(登録商標)TR3082樹脂)
ポリカーボネートウレタン/アクリレート混成樹脂 20重量部
(例えば、Stahl USA社からの固形分40%のRU6000混成樹脂)
増粘剤 1重量部
(例えば、Noveon CorporationからのCARBOPOL(登録商標)PKS)
組み合わせると、上記の成分は、粘稠な液体を形成する。この液体は、次に、丸底の浮かしナイフを用い、約2オンス毎平方ヤードの湿潤コーティングウェイトで、ナイロン6,6ヤーンからなる一体式ジャカード織りエアバッグの両面上にスクレープコートされる。次いで、この液体は、350°Fのオーブン中で約1.5分間に亘って直ちに乾燥させられる。その結果としての乾燥コーティングウェイトは、ジャカード織りエアバッグファブリックの各面で約0.8オンス毎平方ヤードである。タルク粉末が、コーテッドエアバッグの両面に適用され、より小さな滑り摩擦及び非粘着性を提供する。
【0050】
この混成樹脂は、3つの異なるポリマー成分間のより強力な相互作用及びより均一な配合形態を促進すると信じられている。その結果、このコーテッドエアバッグは、ポリウレタン単独の場合と類似した引張強さ、アクリレート単独の場合と同様の撓み性、及び低い総コストを示す。このタイプの混成樹脂を用いてつくられるエアバッグは、10乃至20psiの圧力にまで膨張させられたときでさえ、非常に低い漏れ速度を呈し、これは、それらを、転倒保護用のサイドカーテンエアバッグとしての使用に好適にする。
【0051】
<例3>
以下の混合物が生成された。
【0052】
ポリカーボネートウレタン/アクリレート混成樹脂 98.5重量部
(Stahl USA社からの固形分40%のRU6000混成樹脂)
増粘剤 1重量部
(Noveon CorporationからのCARBOPOL(登録商標)PKS)
この液体は、次に、丸刃浮かしナイフを用い、約2オンス毎平方ヤードの湿潤コーティングウェイトで、ナイロン6,6ヤーンからなる一体式ジャカード織りエアバッグの両面上にスクレープコートされる。次いで、この液体は、300°Fのオーブン中で約2分間に亘って直ちに乾燥させられる。その結果としての乾燥コーティングウェイトは、ジャカード織りエアバッグファブリックの各面で約0.8オンス毎平方ヤードである。
【0053】
次に、固形分100%の2成分添加硬化性シリコーン樹脂が、ポリウレタン/ポリアクリレートコーティング層上に、約0.9オンス毎平方ヤードのコーティングウェイトでスクレープされた。このコーティングは、次いで、360Fで約2分間に亘って乾燥させられた。
【0054】
このコーテッドエアバッグは、約0.2立方フィートの膨張体積を有しており、その後、10psiの空気圧まで膨張させられた。このエアバッグは、10psiで8標準立法フィート毎時の漏れ速度を呈した。エアバッグが10psiから8psiまで収縮するのに12秒間を要し、リークダウン時間は約90秒間であることを示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファブリック基材と、前記ファブリック基材の少なくとも一方側に適用されたポリマーコーティングとを具備し、前記ポリマーコーティングは、
(i)ポリテトラメチレングリコール、ポリカーボネート、シリコーン系ジオール及びオレフィン系ジオールからなる群より選択される少なくとも1つのポリオールセグメントを具備したウレタンである第1成分と、
(ii)ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ビニルポリマー、シリコーン及びそれらの組み合わせからなる群より選択される第2成分と
の混成樹脂混合物を具備し、
前記ポリマーコーティングは少なくとも1000psiの引張強さによって特徴付けられ、少なくとも1つの成分は約20℃以下のガラス転移温度によって特徴付けられたエアバッグファブリック。
【請求項2】
前記ウレタンはポリカーボネートウレタンである請求項1に記載のエアバッグファブリック。
【請求項3】
前記ウレタンはポリエーテルウレタンである請求項1に記載のエアバッグファブリック。
【請求項4】
前記第2成分はポリアクリレートである請求項1に記載のエアバッグファブリック。
【請求項5】
前記ポリアクリレートは、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、スチレン、アクリロニトリル、エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、メタクリロプロピルトリメトキシシラン、メチロールアクリルアミド及びそれらの組み合わせのモノマーを具備した請求項4に記載のエアバッグファブリック。
【請求項6】
前記第2成分はビニルポリマーである請求項1に記載のファブリック。
【請求項7】
前記第2成分はシリコーンである請求項1に記載のファブリック。
【請求項8】
前記第2成分は0℃未満のガラス転移温度を有する少なくとも1つのホモポリマーを含んだ請求項1に記載のエアバッグファブリック。
【請求項9】
前記混成樹脂は約200%の破断点伸びを呈する請求項1に記載のエアバッグファブリック。
【請求項10】
前記ファブリックは一体式織りエアバッグに組み入れられる請求項1に記載のエアバッグファブリック。
【請求項11】
前記ファブリックはカットソーエアバッグに組み入れられる請求項1に記載のエアバッグファブリック。
【請求項12】
前記コーティングは約0.3oz/yd2乃至約3.0oz/yd2の範囲内の乾燥重量を有している請求項1に記載のエアバッグファブリック。

【公開番号】特開2008−111222(P2008−111222A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−206392(P2007−206392)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(599060788)ミリケン・アンド・カンパニー (65)
【氏名又は名称原語表記】Milliken & Company
【Fターム(参考)】