説明

温度センサ付き軸受装置

【課題】熱電対や白金測温抵抗体等のように、測定部位に比較的大きな空間を必要とする接触式の温度センサではなく、また、放射温度計のように測定対象物に応じて放射効率を補正することの必要がない、高精度で所定部位の温度の測定が可能な温度センサ付き軸受装置を提供することを目的とする。
【解決手段】内輪と、前記内輪の半径方向外方に配置され、前記内輪に対して相対回転可能な外輪と、前記外輪若しくは前記内輪に装着された蛍光体を有する蛍光式温度センサと、を備える軸受装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度センサ付き軸受装置に関し、特に軸受装置の温度を測定して、軸受内のグリース切れ、異物混入、焼き付き等の異常を検出する温度センサ付き軸受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、軸受装置の温度測定手段として、2種類の異なる金属で閉回路を形成し、2箇所の接合点で温度差により生じる起電力(電圧)に基づき温度を測定する熱電対(例えば、特許文献1参照。)や、温度の変化を抵抗値若しくは定電流信号として取り出し、信号変換器により温度に換算する白金測温抵抗体や、被測定物が放射する赤外線を検出する放射温度計(例えば、特許文献2参照)などが知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2005−17147
【特許文献2】特開2003−049832
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される接点接触式の温度センサを用いて、測定子を測定点に接触させて温度を測定する場合に、狭い空間内に測定子を配置する必要から温度センサのサイズを小さくする必要があった。特に、転がり軸受装置の軌道輪等の転がり軸受の転動体、すなわちボールが通過する箇所(軌道輪または軌道輪近傍)での温度測定は、温度センサ自体の小型化及び軽量化する必要があり、センサを搭載することが困難になってきている。
【0005】
また、特許文献2に開示される温度センサは、測定対象物の材質や表面状態により赤外線の放射量に差異が生じる放射温度計を用いた場合には、測定対象物の放射率を考慮して(すなわち放射量を補正して)、測定対象物の温度を算出する必要があり、その放射率を得るには手間がかかる。さらに、測定対象物以外から放射される赤外線を区別することなく測定対象物の放射量として測定してしまい、正確な温度測定が困難である。また、赤外線の波長によっては分解能が制限され、所定部位の正確な温度測定が困難となる恐れがある。
【0006】
そこで、本発明は、熱電対や白金測温抵抗体等のように、測定部位に比較的大きな空間を必要とする接触式の温度センサではなく、また、放射温度計のように測定対象物に応じて放射量を補正することの必要がない、高精度で所定部位の温度の測定が可能な温度センサ付き軸受装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明者等が鋭意検討した結果、蛍光体式温度センサが好ましいという知見を得た。蛍光体式温度センサは、蛍光体を温度測定対象物である軸受装置の所定位置に装着し、パルス状の励起光を照射することによりその蛍光体を発光させ、蛍光体の発光強度の時間に関する減衰曲線が温度に応じて変化するという物理的原理を応用した測温部材である。例えば、寸法が比較的小さい軸受装置であって温度センサを配する領域が制限される場合においても、蛍光体のみを配置する構成なので蛍光体式温度センサを使用することが好ましい。
【0008】
上記課題を解決するための本発明の温度センサ付き軸受装置の第1の態様は、内輪と、前記内輪の半径方向外方に配置され、前記内輪に対して相対回転可能な外輪と、前記外輪若しくは前記内輪に装着された蛍光体を有する蛍光体式温度センサと、を備える。
【0009】
また、本発明の温度センサ付き軸受装置の第2の態様によれば、前記蛍光体式温度センサは、前記蛍光体に励起光を照射する光源と、前記励起光による前記蛍光体の発光強度の減衰特性から前記外輪もしく内輪の温度を測定する温度測定部と、前記蛍光体へ前記光源からの励起光を導く第1光伝達部材と、前記蛍光体からの蛍光を前記温度測定部に導く第2光伝達部材と、を有する。
【0010】
本発明の温度センサ付き軸受装置の第3の態様によれば、前記蛍光体は、前記外輪の内周面若しくは前記内輪の外周面に設けられている。
さらに、本発明のセンサ付き軸受装置の第4の態様によれば、前記蛍光体が、複数配置されている。
【0011】
本発明の温度センサ付き軸受装置の第5の態様によれば、前記第1光伝達部材と第2光伝達部材は同一部材である。
さらに、本発明の温度センサ付き軸受装置の第6の態様によれば、前記内輪と前記外輪により画成される環状空間内に配置される転動体と、を備える。
本発明の温度センサ付き軸受装置の第7の態様によれば、前記内輪と前記外輪により画成前記転動体は、玉もしくは円筒ころである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、非接触式の軸受装置の温度センサとして蛍光式温度測定手段を用いているので、計測したい箇所に蛍光体を装着し、パルス上の励起光を照射することによる蛍光物質の光強度の減衰曲線を測定することにより、軸受装置の所定箇所の温度を測定するので、放射温度計と異なり放射効率を補正する必要もない。結果として、軸受装置内の温度を高精度で測定できる温度センサ付き転がり軸受を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の温度センサ付き軸受装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。各図面中、同一要素は同一符号で示してある。
【0014】
(実施形態1)
実施形態1は、本発明を転がり軸受である玉軸受装置に適用したセンサ付き玉軸受装置である。以下、その構成について図1〜3を参照しつつ説明する。図1は、温度センサ付き転がり軸受装置の縦方向断面図であり、図2(a)は、図1の部分拡大図であり、図2(b)は、温度センサ付き転がり軸受装置の変形例の図2(a)に対応する部分拡大図であり、図3は、実施形態1の蛍光体式温度センサを示す図である。なお、図2(a)と図2(b)に示す温度センサ付き軸受装置は、蛍光体15、光ファイバの配置のみが異なるだけであるので、図2(a)を参照して構成の説明を行う。本実施形態の温度センサ付き玉軸受1は、環状の内輪3と、内輪3の半径方向外方に同心に配置された環状の外輪5と、内輪3と外輪5により画成される環状空間7内に配置される転動体である玉部材9と、玉部材9を環状空間7内で転動可能に保持する保持器11と、蛍光体式温度センサ13と、を備える。なお、本実施形態では、外輪5は固定し、内輪3が転動する構成とした。
【0015】
温度センサ13は、外輪5の肩部内周面5b側に装着された蛍光体15と、蛍光体15に対して励起光を照射する光源17と、励起光を受けた蛍光体15からの蛍光を受け、蛍光体15の発光強度の減衰特性から外輪5の温度を測定する温度測定部19と、蛍光体15へ光源17からの励起光を導く光伝達部材である第1光ファイバ18と、励起光による蛍光体15の蛍光を温度検出部23に導くための光伝達部材である第2光ファイバ20と、を有する。蛍光体15は、マグネシウム等からなる薄板状部材である。
【0016】
また、温度測定部19は、蛍光信号を光電変換し光量を測定する光検出部21と、予め得られている蛍光緩和時間と温度との関係を参照し、所定部位の温度を演算する温度検出部23と、を有する。
【0017】
なお、光源17には、不図示の制御部が連結されており、制御部からの駆動信号を光源17が受けるとパルス状の励起光を照射し、温度検出部23において測定部位の温度が検出される。
【0018】
次に図3を参照して、光伝達部材について述べる。光源17から励起光を蛍光体15に伝達する光伝達部材は第1光ファイバ18であり、蛍光体15側の一端部18aには撮像光学系であるレンズ27が装着され、他端部18bにはフィルタ29が装着されている。蛍光体15からの蛍光を温度検出部13に導くための第2の光ファイバ20の一端部20aには、受像用光学系であるレンズ31が装着され、他端部20bにはフィルタ33が装着され所定の波長の蛍光を透過する。フィルタ33を透過した蛍光は、光検出部21において、光量が測定され、温度検出部において予め得られている蛍光緩和時間と蛍光体の温度の関係から測定部位の温度が得られる。
【0019】
蛍光体15は、外輪5の肩部内周面5bであって、軌道面5aの近傍(図2(a)参照)に、又は軌道面5a(図2(b)参照)に装着される。図2(a)の蛍光体15は外輪5の肩部内周面5bの曲率半径とほぼ同一の曲率半径を有し、図2(b)の蛍光体15は外輪5の軌道面5aの曲率半径とほぼ同一の曲率半径を有する。また、貼付された蛍光体15に対して外輪5の径方向に貫通するファイバ収容路35を設け、第1光ファイバ18及び第2光ファイバ20の一端部18a、20aがファイバ収容路35内で蛍光体15の近くに配置されている。
【0020】
上記構成の温度センサ付きの軸受装置は、以下のように作動する。駆動信号を光源17が受けると、パルス状の励起光が発せられ、第1光ファイバ18を通り、蛍光体15を照射する。照射された蛍光体は、その温度に応じた所定の蛍光を発し、第2光ファイバ20を介して光検出部21に伝達される。光検出部21において光量が測定され、温度検出部23においてその温度が検出される。
【0021】
(第2実施形態)
第2実施形態は、内輪に蛍光体及び光伝達部材を装着した温度センサ付き玉軸受装置である。図4(a)、(b)を参照しつつ第2実施形態の温度センサ付き玉軸受装置について説明する。なお、玉部材、保持器、温度センサ等の他の要素は図1と同様の形状、寸法を有する構成であるので詳細な説明は割愛する。図4(a)は、温度センサ付き玉軸受装置の部分拡大図であり、図4(b)は、温度センサ付き玉軸受装置の変形例の図4(a)に対応する部分拡大図である。なお、図4(a)と図4(b)に示す温度センサ付き玉軸受装置は、蛍光体115、光ファイバの配置のみが異なるだけであるので、図4(a)を参照して構成の説明を行う。
【0022】
環状の外輪105の径方向内方であって、外輪105と同心に内輪103が配置されている。本実施形態では、内輪103を固定し、外輪105が回転する構成である。内輪103の内周面は、球状部材が転動する凹状の軌道面103aと、軌道面103aを軸方向に挟んで両端側に配置される肩部内周面103bとから構成される。一方の肩部内周面103b上であって軌道面103aの近傍(図4(a)参照)、又は軌道面103a(図4(b)参照)には、蛍光体115が貼付されている。また、蛍光体115が貼付されている肩部には、径方向に貫通するファイバ収容路135が穿孔されている。ファイバ収容路135には、図2、図3と同様の第1光ファイバ118及び第2光ファイバ120が、その先端に設けられた光学系のレンズと蛍光体115との間に所定距離を有するように配置される。
【0023】
上記構成において、第1実施形態と同様に光源からの励起光が第1光ファイバ118を介して蛍光体115に導かれ、励起光による蛍光体115からの蛍光が第2光ファイバ120を介して温度測定部に導かれ、蛍光体115が装着された測定部分の温度が検出される。なお、温度センサの測温工程は、前述した実施形態1と同様である。
【0024】
(温度センサの変形例)
図5は、温度センサの変形例の模式図である。上記した第1及び第2実施形態は、第1光ファイバと第2光ファイバを備え、光源からの励起光を蛍光体まで伝達するための光ファイバと、蛍光体からの蛍光を温度測定部に伝達するための光ファイバをそれぞれ別々の部材としたが、本変形例は、励起光の光路及び蛍光の光路を単一の光ファイバから構成されたものである。また、光伝達部材の変形例は、実施形態1、2の何れの構成にも適用できることは言うまでもない。
【0025】
温度センサ213は、温度を測定する部位に貼付される蛍光体(不図示)と、温度測定部219と、先端に撮像光学系を構成するレンズ227が装着された光伝達部材である光ファイバ228と、を備える。温度測定部219は、光源217、光検出部221、温度検出部223、ビームスプリッタ237、フィルタ239を備える。ビームスプリッタ237は、光源217からの励起光251を90度反射させて光ファイバ228の一端部228bに導波し、また、光ファイバ228の他端228aを出射した蛍光体(図1の符号15に相当)からの光線253を透過させる部材である。また、フィルタ239は、蛍光体(図1の符号15に相当)からの光線253のうち、所定波長の光を透過させる部材である。
【0026】
また、光検出部221は、フィルタ237を透過した光の光量を測定するための光電変換部材であり、温度検出部223は、光検出部221で得られた電荷に基づいて算定された蛍光体の発光強度の減衰特性に基づき、予め格納されている温度と減衰特性との関係から、温度を測定する部材である。
【0027】
上記構成の温度センサ213において、光源217から照射される励起光251は、図5中の上下方向上方に進行する。さらに、ビームスプリッタ237により励起光251を90度反射させ光ファイバ228内の端部228bへ導入する。光ファイバ228内を進行する励起光251は、蛍光体(図1、2の符号15に相当)に到達し蛍光体が発光する。蛍光体から放出される蛍光253は、直接光ファイバ228の他端部228a側から入射し、光ファイバ228の一端部228bから出射し、ビームスピリッタ237、フィルタ239を透過し光検出部221内に入射する。上述のように温度検出部223において蛍光体の発光強度の減衰に基づき軸受装置の所定の部位の温度が計測される。この変形例によれば光伝達部材の構成を簡易にできる。
【0028】
(第3実施形態)
第1実施形態では、単一の蛍光体を設け単一の測定点の温度を検出する構成であったが、第3実施形態は、複数の蛍光体を外輪305に装着し、軸受装置内に複数の測定点を設ける構成である。図6は、第3実施形態の温度センサ付き玉軸受の横断面図である。本実施形態では、外輪305の肩部内周面(図2の5bに相当)または軌道面(図2の5aに相当)に図1、図2に示した蛍光体が複数配置されている。本実施形態では、外輪305の3分の1の円弧状部分に等間隔に5つの蛍光体315a〜315eを配置した。従って、外輪305の5つの測定点において温度を検出することができる。
【0029】
また、5つの蛍光体315a〜315e各々には、図1、2で示した第1及び第2光ファイバと同様の第1光ファイバ318a〜318e及び第2光ファイバ320a〜320eが装着されている。
【0030】
本実施形態の励起光は、単一の光源317から照射された励起光を分岐し各蛍光体315a〜315eに伝達する構成でもよいし、蛍光体315a〜315e毎に独立した光源を設ける構成としてもよい。
【0031】
また、各測定点に配置された蛍光体315a〜315eからの蛍光は、第2光ファイバ320a〜320eを介して光検出部321、そして温度検出部323へと伝達される。このような構成により、軸受装置の外輪305の温度分布を測定することができる。なお、本実施形態は、外輪305の所定の領域にのみ測定点を設ける構成としたが、外輪305の周方向全体に亘り測定点を設けることも可能である。また、実施形態2と同様に内輪303に複数の測定点を設ける構成としてもよい。
【0032】
上記第1及び第2光ファイバの測定点の近傍に近い側の端部からの一定長さは、長手方向に一体として結合し、途中で分岐する構成となっており、光伝達部材を測定点側でコンパクトに構成している。
【0033】
(第4実施形態)
第4実施形態は、温度センサ付きの円筒ころ軸受装置である。第1実施形態では、玉軸受装置であったが、本実施形態は、円筒ころ軸受装置に温度センサを設けた例である。
図7(a)は、温度センサ付き円筒ころ軸受装置の縦方向断面図であり、図7(b)は、円筒ころ軸受装置の変形例である。なお、図7(a)と図7(b)に示す温度センサ付き円筒ころ軸受装置は、蛍光体415、光ファイバの配置、誘電体膜の有無のみが異なるだけであるので、図7(a)を参照して構成の説明を行う。
【0034】
環状の内輪403と、内輪403の半径方向外方に配置される外輪405と、内輪403と外輪405により画成される環状空間407内に配置される転動体である円筒ころ409と、円筒ころ409を環状空間407内で転動可能に保持する保持器411と、を備え、さらに外輪405の軌道面405a側に装着された蛍光体415を有する蛍光体式温度センサ413を備える。温度センサ413の温度測定部の第1及び第2光ファイバ等は、図2と同じ構成であるので説明を割愛する。
【0035】
軌道面405a上に蛍光体415を装着すると、円筒ころ409が蛍光体415に直接接触し、蛍光体が磨耗する恐れがある。そこで、酸化シリコン等の酸化膜、窒化シリコン等の窒化膜、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜等の誘電体膜等を、蛍光体415の円筒ころ409側の表面に積層する。この構成により、誘電体膜439を介して軌道面405aの温度を測定することができる。なお、図7(b)の蛍光体415は、肩部内周面405bに配置されているので、円筒ころ409に接触することはない。よって蛍光体には誘電体膜を成膜していない。
【0036】
なお、本実施形態では、円筒ころ軸受装置の軌道面上の温度測定を行う構成としたが、第1実施形態の転がり軸受装置の軌道面や、軌道面上の複数の測定点を設け、複数の蛍光体を配置できるとは言うまでもない。
さらに、誘電膜は、前述した実施形態の図2(b)の蛍光体15、図4(b)の蛍光体115の転動体側の表面に誘電体を積層してもよいことは言うまでもない。
【0037】
この発明は、その本質的特性から逸脱することなく数多くの形式のものとして具体化することができる。よって、上述した実施形態は専ら説明上のものであり、本発明を制限するものではないことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】温度センサ付き転がり軸受装置の縦方向断面図である。
【図2(a)】図1の部分拡大図である。
【図2(b)】(a)の温度センサ付き転がり軸受装置の変形例の部分拡大図である。
【図3】実施形態1の蛍光体温度測定手段を示す図である。
【図4】(a)は内輪に光導電部材を装着した温度センサ付き軸受装置の縦方向断面図であり、(b)は図4(a)の温度センサ付き軸受装置の変形例の部分拡大図である。
【図5】温度センサの変形例の模式図である。
【図6】第3実施形態の温度センサ付き転がり軸受装置の横断面図である。
【図7】(a)は、温度センサ付き円筒ころ軸受装置の縦方向断面図であり、(b)は、図7(a)の円筒ころ軸受装置の変形例の縦方向断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 温度センサ付き転がり軸受装置
3 内輪
5 外輪
7 環状空間
9 転動体
11 保持器
13 温度センサ
15 蛍光体
17 光源
18、20 光ファイバ
19 温度測定部
21 光検出部
23 温度検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内輪と、前記内輪の半径方向外方に配置され、前記内輪に対して相対回転可能な外輪と、前記外輪若しくは前記内輪に装着された蛍光体を有する蛍光体式温度センサと、を備える温度センサ付き軸受装置。
【請求項2】
前記蛍光体式温度センサは、前記蛍光体に励起光を照射する光源と、前記励起光による前記蛍光体の発光強度の減衰特性から前記外輪もしく内輪の温度を測定する温度測定部と、前記蛍光体へ前記光源からの励起光を導く第1光伝達部材と、前記蛍光体からの蛍光を前記温度測定部に導く第2光伝達部材と、を有する請求項1に記載の温度センサ付き軸受装置。
【請求項3】
前記蛍光体は、前記外輪の内周面若しくは前記内輪の外周面に設けられている請求項1又は2に記載の温度センサ付き軸受装置。
【請求項4】
前記蛍光体が、複数配置されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の温度センサ付き軸受装置。
【請求項5】
前記第1光伝達部材と第2光伝達部材は同一部材である請求項1〜4のいずれか一項に記載の温度センサ付き軸受装置。
【請求項6】
前記内輪と前記外輪により画成される環状空間内に配置される転動体と、前記転動体を前記環状空間内で転動可能に保持する保持器と、を備える請求項1〜5のいずれか一項に記載の温度センサ付き軸受装置。
【請求項7】
前記転動体は、玉もしくは円筒ころである請求項6に記載の温度センサ付き軸受装置。

【図1】
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【図2(a)】
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【図2(b)】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−197052(P2008−197052A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−34954(P2007−34954)
【出願日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】