説明

温度応答性を有するポリホスフェート化合物及びその製造方法

【課題】本発明は、温度応答性を有すると共に生分解性を有する新規な共重合化合物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】一般式(3):


(式中、RはC1〜3のアルキル基であり、RはC3〜5のアルキル基であり、RとRは異なっている。n及びmは同一又は異なって1〜3の整数である。xとyは各ユニットのモル百分率であり、x/yは99.1/0.1〜20/80であり、重量平均分子量は1,000〜1,000,000である。x及びyの各ユニットの配列は上記配列の順に限定されない。)
で表されるポリホスフェート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度に応答してゲル化し生分解性を有するポリホスフェート化合物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、加水分解や酵素分解により分解、消失する分解性プラスチックは、環境保全や医療用具の材料として用いられている。しかし、一般の分解性高分子であるポリ乳酸やポリグリコール酸などの脂肪族ポリエステルは結晶性及び疎水性が高いため分解時間が非常に長く、特に医療用具として利用される場合、生体内の残存が問題となっている。そこで分解性に優れ、生体に害を与えない新しい分解性高分子が望まれていた。
【0003】
かかる問題を解決するために、種々のアルキル鎖を有する環状リン酸化合物と重合性基を有する環状リン酸化合物をアニオン開環重合により得られる、重合性基を有するポリホスフェートが優れた分解性を有することが報告されている(特許文献1)。
【0004】
ポリ乳酸などの脂肪族ポリエステルを使用した生分解性ポリマーも提案されているが(例えば、非特許文献1〜3等)、分子構造の制御が困難であり、PNIPAAmほど普及していない。
【0005】
ところで、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAAm)は、最も一般的な温度感受性ポリマーであり、32℃付近で下限臨界共溶温度(LCST)を示すことが知られている(非特許文献4〜5等)。しかし、PNIPAAmはアクリルアミド骨格を持つため生分解性を示さず、生体に関連した分野での利用には制限がある。また、ポリマー自身の安全性についても問題を有するとされている。
【特許文献1】特開2004−244603号公報
【非特許文献1】Agrawal CM, Niederauer GG, Micallef DM, Athanasiou KA.The use of PLA-PGA polymers in orthopedics. In: Encyclopedic handbook of biomaterials and bioengineering, Part A. New York: Marcel Dekker; 1995. p 1055-1089.
【非特許文献2】Miller RA, Brady JM, Curtright DE. Degradation rates of oral resorbable implants (polylactates and polyglycolates): Rate modification with change PLA/PGA copolymer ratios. J Biomed Mater Res 1977;11:711-719.
【非特許文献3】Lewis DH. Controlled release of bioactive agents from lactide/ glycolide polymers. In: Chain M, Langer R, editors. Biodegradable polymers as drug delivery systems. New York: Marcel Dekker; 1990. p 1-41.
【非特許文献4】Heskins, M.; Guillent, J. E.; James, E. J. Macromol. Sci. Chem. 1968, A2, 1441-1445.
【非特許文献5】Takei, Y. G.; Aoki, T.; Sanui, K.; Ogata, N.; Okano, T.; Sakurai, Y. Bioconjug. Chem. 1993, 4, 341-346.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、温度応答性を有すると共に生分解性を有する新規な共重合化合物及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記の課題を解決するため鋭意検討を行った結果、主鎖に生分解性のリン酸エステル結合をもち、側鎖に親水性の異なる基を有する共重合化合物が、温度応答性を有することを見出した。かかる知見に基づき、さらにこれを発展させて本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は以下のポリホスフェート化合物及びその製造方法を提供する。
【0009】
項1.一般式(3):
【0010】
【化1】

【0011】
(式中、RはC1〜3のアルキル基であり、RはC3〜5のアルキル基であり、RとRは異なっている。n及びmは同一又は異なって1〜3の整数である。xとyは各ユニットのモル百分率であり、x/yは99.9/0.1〜20/80であり、重量平均分子量は1,000〜1,000,000である。x及びyの各ユニットの配列は上記配列の順に限定されない。)
で表されるポリホスフェート。
【0012】
項2.前記一般式(3)において、RがC1〜2のアルキル基であり、RはC3〜4のアルキル基である項1に記載のポリホスフェート。
【0013】
項3.前記一般式(3)において、x/yが99.9/0.1〜80/20である項1又は2に記載のポリホスフェート。
【0014】
項4.一般式(3):
【0015】
【化2】

【0016】
(式中、RはC1〜3のアルキル基であり、RはC3〜5のアルキル基であり、RとRは異なっている。n及びmは同一又は異なって1〜3の整数である。xとyは各ユニットのモル百分率であり、x/yは99.9/0.1〜20/80であり、重量平均分子量は1,000〜1,000,000である。x及びyの各ユニットの配列は上記配列の順に限定されない。)
で表されるポリホスフェートの製造方法であって、一般式(1):
【0017】
【化3】

【0018】
(式中、R及びnは前記に同じ。)
で表される化合物と、一般式(2):
【0019】
【化4】

【0020】
(式中、R及びmは前記に同じ。)
で表される化合物とを、重合触媒の存在下で反応させることを特徴とする製造方法。
【0021】
項5.前記項1〜3のいずれかに記載のポリホスフェートを含む医療用材料。
【発明の効果】
【0022】
本発明のポリホスフェート化合物は、温度応答性を有する生分解性ポリマーである。リン酸エステル結合の主鎖をもつ該ポリマーは、酵素的及び非酵素的に分解するため、PNIPAAmでは実現し得なかった生体内での利用が可能となる。つまり、薬物単体や組織工学用材料への応用が可能となる。また、ポリホスフェート化合物の側鎖の疎水性基の組み合わせを変えることにより、温度応答性の制御も可能となる。以上より、本発明のポリホスフェート化合物は医療用材料として好適に用いられる。
【0023】
さらに、本発明のポリホスフェート化合物は製造方法が簡便であるため、分子構造の制御が容易であり、側鎖の化学構造も改変かのうであることから、様々な性質を持つポリマーの設計が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
1.ポリホスフェート化合物
本発明のポリホスフェート化合物は、一般式(3):
【0025】
【化5】

【0026】
(式中、RはC1〜3のアルキル基であり、RはC3〜5のアルキル基であり、RとRは異なっている。n及びmは同一又は異なって1〜3の整数である。xとyは各ユニットのモル百分率であり、x/yは99.9/0.1〜20/80であり、重量平均分子量は1,000〜1,000,000である。x及びyの各ユニットの配列は上記配列の順に限定されない。)
で表される化合物である。
【0027】
で示されるC1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。このうち、メチル基、エチル基が好ましい。
【0028】
で示されるC3〜5のアルキル基としては、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基が挙げられる。このうち、n−プロピル基、イソプロピル基が好ましい。
【0029】
とRは異なっていることが重要であり、RはRよりも疎水性が高い即ち炭素数が多いことが好ましい。
【0030】
n及びmは同一又は異なって1〜3の整数であり、好ましくは1又は2の整数、より好ましくはn及びmが共に1である。
【0031】
xとyは各ユニットのモル百分率であり、xは99.9〜20、好ましくは99.9〜30、より好ましくは99.9〜50であり、yは0.1〜80、好ましくは0.1〜70、より好ましくは0.1〜50である。x/yで表した場合は99.9/0.1〜20/80、好ましくは99.9/0.1〜30/70、より好ましくは99.1/0.1〜50/50である。かかる範囲であると、本発明のポリマーに好適な温度応答性および生分解性が付与される。
【0032】
特に、生体内に埋入して用いる用途に用いた場合、体温より低い温度でLCSTを有し、体温(37℃程度)付近でゲル状態を形成するポリマーが好ましく、その場合には、x/yが98/2〜20/80、好ましくは95/5〜30/70、より好ましくは90/10〜50/50である。
【0033】
なお、xとyはH-NMRから求めることができる。上記したようにx及びyの各ユニットの配列はランダムでもブロックでもよい。
【0034】
ポリホスフェート化合物の重量平均分子量(Mw)は1,000〜1,000,000、好ましくは1,000〜500,000、より好ましくは5,000〜100,000である。数平均分子量(Mn)は1,000〜1,000,000、好ましくは1,000〜500,000、より好ましくは5,000〜100,000であり、分子量分布の指標である数平均分子量に対する重量平均分子量の比(Mw/Mn)は1.0〜3.0、好ましくは、1.0〜2.0、より好ましくは1.0〜1.5である。数平均分子量及び重量平均分子量は、例えばGPC等の公知の方法を用いて測定できる。
【0035】
特に、Rがエチル基、Rがイソプロピル基であり、n及びmが共に1であり、x/yが99.9/0.1〜30/70(特に、90/10〜50/50)であり、重量平均分子量が1,000〜500,000のポリマーの場合には、LCSTが20〜40℃程度(特に20〜35℃程度)になるため、生体内に埋入するインジェクタブルポリマーとして好適である。例えば、本発明のポリホスフェート化合物は、ゲル化温度以下で貯蔵され、そして筋肉内、腹腔内、皮下又は類似の注射法により、非経口的に投与して体温付近でゲル化させて体内に滞留させることができる。
2.ポリホスフェート化合物の製造方法
本発明のポリホスフェート化合物は、例えば次のようにして製造することができる。
【0036】
【化6】

【0037】
(式中、R、R、n、m、x及びyは前記に同じ。)
上記(1)及び(2)で表される化合物を、重合触媒の存在下に開環重合させて上記(3)で表される化合物を製造する。
【0038】
上記(1)及び(2)で表される化合物は、例えば、特許文献1の記載に準じて製造することができる。
【0039】
上記(1)及び(2)で表される化合物のモル比は、上記のxとyのモル百分率となるように調製される。具体的には、例えば、x/yが99.9/0.1〜20/80、好ましくは99.9/0.1〜30/70である。
【0040】
重合触媒としては、トリイソブチルアルミニウム、ブチルリチウム、トリメチルアルミニウム、トリイソブトキシアルミニウム、オクタン酸スズ等のアルキル金属が挙げられる。好ましくはトリイソブチルアルミニウムである。重合触媒の使用量は、上記(1)及び(2)で表される化合物の合計モルに対して、0.01〜10モル%、好ましくは0.05〜1モル%である。
【0041】
重合反応は、溶媒存在下又は無溶媒で反応させることができる。溶媒を用いる場合、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、クロロホルム、アセトニトリル、ジエチルエーテル等が使用できる。これらの溶媒は、単独でも2種以上を混合して用いても良い。本重合反応では、無溶媒で行うことが好ましい。
【0042】
重合反応は、通常、密閉された反応容器内で行う。重合反応条件は特に限定はないが、通常、反応温度は−20〜100℃、好ましくは−20から0℃であり、反応圧力は100mmHg〜760mmHg、好ましくは500mmHg〜760mmHgであり、反応時間は2〜48時間程度である。
【0043】
このようにして得られた式(3)で表されるポリホスフェート化合物は、そのままあるいは、一旦反応溶媒を一部または完全に留去した後、該ポリホスフェート化合物が溶解し得る溶媒(例、エタノール等のアルコール)に溶解させて、これを該ポリホスフェート化合物が溶解しない溶媒(例、ジエチルエーテル、ヘキサン等)に投入することにより、沈殿物として精製することができる。或いは、カラムクロマトグラフィーによる方法や、抽出、透析、限外ろ過、吸着処理などの方法によっても単離精製することができる。
3.ポリホスフェート化合物の性質及び用途
本発明のポリホスフェート化合物は、生分解性及び温度応答性を備えている。ここで温度応答性とは、一般に化合物の水溶液が下限臨界共溶温度(Lower Critical Solution Temperature、LCST)を境にして、可逆的なゾル−ゲル転移の相分離挙動を示す性質をいう。具体的には、LCST以上の温度に加熱すると白濁しゲル状態となり、それ以下の温度に冷却すると再び溶解して透明のゾル状態に戻るという性質をいう。
【0044】
本明細書では、ポリホスフェート化合物のLCSTは、JASCOソフトウェアを用いた、溶液の透過率の遷移状態の中間点の温度として定義される。
【0045】
本発明のポリホスフェート化合物は、通常、20〜40℃程度の範囲にLCSTが存在し、かかる範囲で容易にLCSTを調節できる。特に、一般式(3)で表される化合物の場合に上記の性質が好適に発揮される。例えば、xで示されるユニットよりも疎水性であるyで示されるユニットのモル%が増加するにつれて、ポリホスフェート化合物のLCSTは低下する傾向にある。これは、疎水性ユニットの増加に伴い、低温でもポリマーの脱水和が起こりやすくなるためであると考えられる。
【0046】
本発明のポリホスフェート化合物は、広範な用途に用いることができる。例えば、薬物と共に医療用材料として用いることができる。また、再生医療用のスカフォールド(足場)、細胞培養基材などとしての応用も可能である。
【実施例】
【0047】

以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0048】
化合物の分析、同定には、1H−NMR、31P−NMR、赤外分光スペクトル(FT−IR)ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いた。GPCはポリスチレンを標準物質として用いた。
[実施例1]グラフト共重合体の合成
【0049】
【化7】

【0050】
2−エトキシ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン(EP)と2−イソプロピル−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン(IPP)を、Macromol. Biosci. 2003, 3, 238-242の記載に従い合成した。
【0051】
EPとIPPとからなる共重合体(「PIP」と表す。EP xモル%及びIPP yモル%)を、触媒としてトリイソブチルアルミニウム(iBu3Al)を用いて開環重合反応させた。重合反応は、モノマーの総量が0.025molとなるようにEPとIPPを所定の割合で混合し、iBu3Alを15μlを用い、室温(25℃)常圧(760mmHg)下で無溶媒にて2時間均一反応で行い、共重合体(PIP)を製造した。
【0052】
得られたポリマーをエタノールに溶かし、これにジエチルエーテルを加えて析出させて精製した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)の範囲は、1.2×10〜1.5×10g/molであった。また、分子量分布(Mw/Mn)は1.3未満であった。共重合体(PIP)中におけるIPP(y)とEP(x)のモル百分率は、H−NMRスペクトルから算出し、それぞれ24mol%、76mol%であった。
【0053】
1H NMR (270 MHz, CDCl3): δ = PIyExP: 1.21-1.47 (m; -CH3, 6H in IPP and 3H in EP), 3.95-4.20 (m; -CH2-, 2H in EP and -OCH2CH2O-, 4H in backbone), 4.58 (m; -CH(CH3)2 in IPP, 1H).
IPPとEPの重合割合(r/r)はFineman-Ross法により、0.48/2.23と決定した。EPはIPPよりもかなり反応性が高かった。
/rは共重合反応性比であり、仕込みのy/xに対する共重合体のy/xの変化を表したものです。すなわちこの数値が大きいほど反応性が高いことを示し、EPの組成は仕込みに比べ重合体のほうが高くなります。
y/xは変数であり図2に対応しています。
[実施例2]
実施例1で製造した24mol%IPPと76mol%EPを含む共重合体(PI2476P)の0.5wt%/L水溶液を用いて、LCSTを測定した(図1を参照)。紫外可視吸光光度計を用い500nmの可視光をポリマー溶液に照射し、透過率の変化を測定した。
【0054】
溶液は15℃では透明であり、40℃で不透明となった(濁りが生じた)。この共重合体のLCSTは、JASCOソフトウェアを用いた透過率の遷移状態の中間点の温度から31℃であった。これにより、本共重合体は生理的条件下で相分離挙動を示すことが明らかとなった。
[実施例3]
モノマー単位の含有量が共重合体のLCSTに与える影響を調べた。ポリ(EP)のLCSTは39℃であり、IPPの含有量が増加するに従い、線形に減少することを確認した(図2を参照)。IPPはEPに比べて疎水性であり、IPPは約5℃の水に対して不溶である。そのため、疎水性のIPP単位の付加によりポリマーの脱水和が生じた。つまり、組成割合を変更することにより、得られる共重合体のLCSTを容易に制御できることが分かった。
【0055】
この共重合体の温度応答性は、生理的条件の温度で観測された。生理的条件下における温度応答性は、ドラッグデリバリーやティッシュエンジニアリング用途に有効である。
[実施例4]
実施例1で製造された共重合体(PI2476P)について、繰り返し温度の変化に応じた水溶液の光の透過率の変化を観測した(図3を参照)。紫外可視吸光光度計を用い500nmの可視光をポリマー溶液に照射し、透過率の変化を測定した。
【0056】
温度変化による透過率の変化のヒステリシスが観測され、繰り返しの回数にかかわらず温度に応じた曲線が観測された。これにより、低温では共重合体は完全に溶解していることが分かる。
【0057】
また、水溶液中の共重合体(PI2476P)の流体力学半径(hydrodynamic radii;R)をマルバーン動的光散乱法(Malvern dynamic light scattering technique)を用いて測定したところ、20℃未満ではRは6.7±0.1nmであり、50℃ではポリマーは会合してRは6μmを越えていた。ポリマーの相分離の挙動は、容易に再現されることが分かった。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】実施例2の共重合体(PI2476P)の水溶液の15℃及び40℃における写真である。
【図2】実施例3の共重合体(PIP)のLCSTにおけるIPPの含有量の効果を示すグラフである。
【図3】実施例4における共重合体(PI2476P)の水溶液の温度変化における光透過率の変化を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(3):
【化1】

(式中、RはC1〜3のアルキル基であり、RはC3〜5のアルキル基であり、RとRは異なっている。n及びmは同一又は異なって1〜3の整数である。xとyは各ユニットのモル百分率であり、x/yは99.9/0.1〜20/80であり、重量平均分子量は1,000〜1,000,000である。x及びyの各ユニットの配列は上記配列の順に限定されない。)
で表されるポリホスフェート。
【請求項2】
前記一般式(3)において、RがC1〜2のアルキル基であり、RはC3〜4のアルキル基である請求項1に記載のポリホスフェート。
【請求項3】
前記一般式(3)において、x/yが99.9/0.1〜50/50である請求項1又は2に記載のポリホスフェート。
【請求項4】
一般式(3):
【化2】

(式中、RはC1〜3のアルキル基であり、RはC3〜5のアルキル基であり、RとRは異なっている。n及びmは同一又は異なって1〜3の整数である。xとyは各ユニットのモル百分率であり、x/yは99.9/0.1〜20/80であり、重量平均分子量は1,000〜1,000,000である。x及びyの各ユニットの配列は上記配列の順に限定されない。)
で表されるポリホスフェートの製造方法であって、一般式(1):
【化3】

(式中、R及びnは前記に同じ。)
で表される化合物と、一般式(2):
【化4】

(式中、R及びmは前記に同じ。)
で表される化合物とを、重合触媒の存在下で反応させることを特徴とする製造方法。
【請求項5】
前記請求項1〜3のいずれかに記載のポリホスフェートを含む医療用材料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−51928(P2009−51928A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−219502(P2007−219502)
【出願日】平成19年8月27日(2007.8.27)
【出願人】(399030060)学校法人 関西大学 (208)
【Fターム(参考)】