説明

温度表示付き調理鍋

【課題】 簡単な設計からなる使い勝手のよい調理鍋を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、温度表示機能を備えた調理鍋に関する。調理鍋は鍋本体およびハンドルを備える。最下端層は鍋本体の底面に形成され、鍋本体と最下端層との間には金属板が配置されている。取り付け孔は金属板の側面に配置され、取り付け孔の内側には温度センサが取り付けられている。表示装置はハンドル上に配置され、表示装置には接続線により温度センサが接続されている。調理鍋は、鍋本体の底面の温度を正確かつ迅速に表示するため、使用者は時間調節をより良好に行うことが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理器具に関し、特に温度表示付きの調理鍋に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連出願の相互参照)
本発明は、2005年7月18日付けで出願された中国特許出願第200520113972.8号の利益を主張するものであり、同特許出願に開示された内容は本願においても開示されたものとする。
今日では、調理鍋は通常、炒めものや揚げものや煮込み等の様々な料理に使用される。多くの調理鍋においては、一定の厚さを有する金属板が調理面と鍋底との間に埋設されている。そのような調理鍋は温度表示装置を備えていないため、使用者は、経験に基づいて、例えば加熱時間や鍋をずらす回数や火加減を調節しなければならない。しかしながら、このような調節方法では、加熱のし過ぎや加熱不足を起こすことがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、従来の調理鍋の欠点を解決するために、使い勝手の良い温度表示付き調理鍋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的を達成するために、本発明は、鍋本体およびハンドルからなる温度表示付きの調理鍋を提供する。最下端層は鍋本体の底面に形成され、鍋本体の底面と最下端層との間には金属板が配置される。温度センサは金属板に設置され、ハンドルには温度表示装置が取り付けられる。温度センサは、接続線により表示装置に接続されている。
【0005】
取り付け孔は、金属板の側面から中央部へと厚さ方向に延びている。温度センサは、取り付け孔の端部に配置される。温度センサは、最下端層の側面を通る接続線により表示装置に接続される。
【0006】
取り付け孔は内方へ延びて、金属板の中心から約1/3〜2/3の距離を隔てた位置に達する。
取り付け孔はハンドルの下方に配置される。
【0007】
温度センサおよび接続線は、保護チューブの内側に配置される。この保護チューブは、接続線と共に延びてハンドルへ達する。
温度センサおよび保護チューブは、鍋本体の底面に密着されている。
【0008】
温度センサおよび保護チューブは、良好な熱伝導性を保つように接触している。保護チューブ、鍋本体、および金属板も、良好な熱伝導性を保つように接触している。
温度センサは高い温度保持性を備えている。保護チューブは、高い温度保持性および耐衝撃性を備える金属チューブからなる。温度センサおよび接続線は、保護チューブから電気的に絶縁されている。
【0009】
金属製の保護チューブはそれ自体が密封されている。保護チューブおよび金属板の間は封止されている。金属板の内側に配置された保護チューブの一部は小径を有し、金属板の外側に配置された保護チューブの一部は大径を有する。
【0010】
表示装置は、ハンドルの上面に配置される。表示装置は、LCDデジタル表示であってもよく、あるいはLED表示であってもよい。
金属板は一定の厚さを有するため、取り付け孔は金属板の側面に配置され、高い温度保持性を備えるセンサは取り付け孔の端部に取り付けられる。このセンサは使用時に、鍋の温度を検知して、表示装置により迅速かつ正確に温度を表示する。そのため、使用者は、調理中に時間的調節を良好に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施の形態について、図面を参照して以下に詳述する。
図1および2において、ハンドル2は、鍋本体1の側面に取り付けられている。最下端層3は、鍋本体1の底面に形成されている。金属板4は、鍋本体1の底面と最下端層3との間に配置されている。取り付け孔5は、ハンドル2の下方の金属板4の側面に配置されている。この取り付け孔5は、金属板4の中心へ向かって約1/2の距離を延びる。理想的な位置は、取り付け孔5が金属板4の中心まで延びることである。しかしながら、金属板4が良好な熱伝導性を有するため、取り付けや製造の必要性を考慮して、通常の状態においては、取り付け孔5は、金属板4の中心から約1/3〜2/3の距離を内方へ延びる。高い温度保持性を有する温度センサ6は、取り付け孔5の端部に配置される。接続線7は、最下端層3の側壁を通ってハンドル2の表示装置8と温度センサ6を接続する。表示装置8は、鍋本体1付近においてハンドル2上に配置される。接続線7および温度センサ6は、保護チューブ9により被包されて保護される。保護チューブ9は延びてハンドル2に達する。
【0012】
本発明は、上記の実施例だけに限定されるものではない。本発明の範囲を逸脱することなく、当業者には明らかないずれの変更も可能である。例えば、表示装置は、外観設計の必要性に応じて、ハンドルの他の位置に配置してもよい。金属板の内側に配置された温度センサを備え表示装置を介して温度を表示するいずれの調理鍋も、本発明の教示の範囲内に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による温度表示機能を備えた調理鍋を示す断面図。
【図2】図1の部分Aの拡大図。
【図3】図1の矢印Bの方向における表示装置を示す概略図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度表示付き調理鍋であって、鍋本体(1)およびハンドル(2)を備え、該鍋本体(1)の底面に形成された最下端層(3)と、該鍋本体(1)の底面と該最下端層(3)との間に配置された金属板(4)とをさらに備え、該金属板(4)の内側に配置された温度センサ(6)が接続線を介してハンドル(2)上に配置された表示装置(8)に接続されることを特徴とする調理鍋。
【請求項2】
前記金属板(4)はその側面から中央部へと厚さ方向に延びる取り付け孔(5)を備え、前記温度センサ(6)は該取り付け孔(5)の端部に配置され、前記接続線は前記最下端層(3)の側壁を通って、前記表示装置に接続される請求項1に記載の温度表示付き調理鍋。
【請求項3】
前記取り付け孔(5)は内方へ延びて前記金属板の中心から1/3〜2/3の距離を隔てた位置に達する請求項2に記載の温度表示付き調理鍋。
【請求項4】
前記取り付け孔(5)は前記ハンドル(2)の下方に位置する請求項3に記載の温度表示付き調理鍋。
【請求項5】
前記温度センサ(6)および前記接続線は、前記接続線(7)と共に延びて前記ハンドル(2)に達する保護チューブの内側に配置される請求項1に記載の温度表示付き調理鍋。
【請求項6】
前記温度センサ(6)および前記保護チューブは、前記鍋本体(1)の底面に密着している請求項5に記載の温度表示付き調理鍋。
【請求項7】
前記温度センサ(6)および前記保護チューブ(9)は、伝熱可能に接触し、前記保護チューブ、前記鍋本体(1)および前記金属板もまた、伝熱可能に接触している請求項6に記載の温度表示付き調理鍋。
【請求項8】
前記温度センサ(6)は高い温度保持性を備え、前記保護チューブ(9)は、高い温度保持性および耐衝撃性を備える金属チューブからなり、前記温度センサ(6)および前記接続線(7)は、前記保護チューブ(9)から電気的に絶縁されている請求項7に記載の温度表示付き調理鍋。
【請求項9】
前記金属製の保護チューブ(9)は密封され、同保護チューブおよび前記金属板(4)の間は封止され、前記金属板(4)の内側に配置された前記保護チューブの一部は小径を有し、前記金属板の外側に配置された前記保護チューブ(9)の一部は大径を有する請求項8に記載の温度表示付き調理鍋。
【請求項10】
前記表示装置は前記ハンドルの上面に配置され、同表示装置は、LCDデジタル表示またはLED表示からなる請求項1に記載の温度表示付き調理鍋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−21223(P2007−21223A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−195312(P2006−195312)
【出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【出願人】(506245165)ミングル メタル(シンセン)カンパニー リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】MINGLE METAL(SHEN ZHEN)CO.,LIMITED
【Fターム(参考)】