説明

測位システム、探知装置、測位装置、測位システムの測位方法、探知装置の探知方法、測位装置の測位方法、探知装置の探知プログラムおよび測位装置の測位プログラム

【課題】目標物を測位するために探知装置と測位装置との間で必要な通信帯域を少なくする。
【解決手段】基準信号送信装置120が目標10に向けて送信波30を発信し、各探知装置100は送信波30が目標10で反射した反射波32を受信する。各探知装置100は受信した反射波32に基づいて基準信号送信装置120が送信波30を送信してから探知装置100が反射波32を受信するまでの時間を算出し、算出した時間のみを特徴情報として測位装置140に送信する。測位装置140は各探知装置100から受信した各特徴情報に基づいて基準信号送信装置120から目標10を経由した各探知装置100までの距離を算出し、算出した距離と基準信号送信装置120の座標と各探知装置100の座標とに基づいて目標10の位置を測位する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目標物の位置を測位する測位システム、探知装置、測位装置、測位システムの測位方法、探知装置の探知方法、測位装置の測位方法、探知装置の探知プログラムおよび測位装置の測位プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
センサ情報から冗長な部分を削除するなどして情報量を削減し、限られた帯域でセンサ情報を伝送する方式は、種々のセンサ装置について提案されている。
特許文献1はスペクトルの差分をとることにより、帯域を節約するレーダシステムに関するものである。
特許文献2は船舶の局座標系の探知データの情報削減に特化したレーダ装置および類似装置に関するものである。
特許文献3はA/D変換時に特徴的な信号が無い部分は抑圧するレーダ信号の圧縮方式に関するものである。
また、目標に向けて発射した信号を他の装置へ送信し、これを複数装置間で共有する方法を提案するものとして特許文献4がある。
【特許文献1】特開2003−240845号公報
【特許文献2】特開2005−121426号公報
【特許文献3】特開平03−295485号公報
【特許文献4】特開平05−297125号公報
【非特許文献1】吉田孝、「改訂 レーダ技術」社団法人 電子情報通信学会、平成11年5月25日発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1〜3では一個のセンサのデータで目標位置の測位を行う。単一センサの場合は、センサデータにおいて削除可能な部分の推測が付きやすく、特徴的な部分の抽出が容易である。一方、複数センサを扱う場合の場合は、それぞれのセンサデータにおいて特徴的で重要な部分の推測が困難である。ゆえに、複数センサの場合の特徴データ抽出と単一センサの場合の特徴データ抽出とは異なる技術が必要となるが、複数センサの場合の特徴データ抽出については特許文献1〜3では述べられていなかった。
また、特許文献4では、探知信号とは別個に、他のセンサに対して送信信号の情報を送付し、これを複数装置間で共有することによって帯域の削減を図っている。そして、特許文献4では、送信信号の情報を利用して、複数センサでそれぞれ測位を行っている。但し、複数のセンサで特徴情報を抽出し、さらにそれを融合して、測位を行う方法については述べられていない。
【0004】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものである。例えば、本発明は、複数センサのデータを参照して(狭義には、データの時間差から距離を算出して)目標位置を推定する際に、無線ネットワークを介してデータ伝送を行う場合、狭帯域、遅延、パケットロス、不安定等のネットワークの制限により、所望の品質のセンサデータが伝送できず、効果的なデータ参照ができなくなるという課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の測位システムは、基準信号を生成する基準信号作成部と、前記基準信号作成部が生成した基準信号をアンテナから発信する基準信号送信部とを備える基準信号送信装置と、前記基準信号送信装置が発信した基準信号の目標物での反射信号を探知信号としてアンテナから受信する探知信号受信部と、CPU(Central Proccessing Unit)を用いて、前記探知信号受信部が受信した探知信号から目標物までの距離を示す特徴情報の複数の候補を抽出し、抽出した特徴情報の複数の候補から特徴情報を選択する特徴情報抽出部と、前記特徴情報抽出部が選択した特徴情報を送信する特徴情報送信部とを備える2つ以上の探知装置と、2つ以上の前記探知装置から特徴情報を受信する特徴情報受信部と、前記特徴情報受信部が受信した2つ以上の特徴情報に基づいて目標物の位置を測位する測位部とを備える測位装置とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、2つ以上の探知装置が目標物で反射した探知信号が示す特徴情報の複数の候補から測位装置に送信する特徴情報を選択し、測位装置が2つ以上の探知装置からの特徴情報に基づいて目標物の位置を測位する。これにより、例えば、目標物を測位するために探知装置と測位装置との間で必要な通信帯域を少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
実施の形態1.
本実施の形態は、例えば、目標(物)に向けて電波を発射し、目標で反射した電波(探知信号)を複数の探知装置で受信し、これら複数の探知信号を参照することにより、一つの探知信号の参照に比べて精度良く目標の位置を推定するための測位システムに関するものである。
また例えば、本実施の形態は、複数の探知装置で受信した探知信号を測位装置に収集する際に、帯域などのネットワークの制限により送付可能な探知信号が制限される場合でも、精度良く目標位置を推定するための測位システムに関するものである。
【0008】
図1は、実施の形態1における測位システム900の使用形態の一例を示す図である。
図1において、100は探知装置、120は基準信号送信装置、140は測位装置、10は航空機や船舶など測位対象とする目標(物)、14は通信ネットワークである。
この測位システム900では、基準信号送信装置120が移動する目標10に対して基準信号を変調した送信波30を送信し、送信波30が目標10において反射した反射波32を複数の探知装置100が受信する。各探知装置100は反射波32を復調した探知信号が示す探知情報34から特定の特徴情報を抽出し、抽出した特徴情報を通信ネットワーク14を介して測位装置140に送信する。測位装置140は複数の探知装置100から収集した特徴情報に基づいて目標10の位置を推定する。
特徴情報とは測位計算を行うために必要十分な情報であり、例えば、基準信号送信装置120が送信波30を送信してから探知装置100が目標10で反射した反射波32を受信するまでの時間である。測位計算については後述する。
【0009】
図1において、通信ネットワーク14内では、探知情報34(特徴情報)はネットワークの状況に応じて適当な経路で伝送されるため、点線で示されている。つまり、探知情報34(特徴情報)は任意の無線中継局を経由して探知装置100から測位装置140に伝送される。
図1において、基準信号空中線26は基準信号送信装置120が目標10に対して送信波30を送信するための通信アンテナであり、探知信号空中線20は探知装置100が目標10からの反射波32を受信するための通信アンテナである。また、情報共有空中線24は各探知装置100が通信ネットワーク14を介して探知情報34(特徴情報)を測位装置140に送信するための通信アンテナであり、情報共有空中線25は測位装置140が通信ネットワーク14を介して探知情報34(特徴情報)を各探知装置100から受信するための通信アンテナである。
また、基準信号情報空中線22は基準信号送信装置120が探知装置100に向けて基準信号に関する基準信号情報を送信するための通信アンテナであり、基準信号情報空中線23は探知装置100が基準信号送信装置120から基準信号情報を受信するための通信アンテナである。探知装置100は基準信号情報に基づいて探知情報から特徴情報を抽出する。
図1では、描画が煩雑になるのを避けるため、基準信号を省略している。
【0010】
ここで、基準信号送信装置120、探知装置100および測位装置140は、航空機あるいは船舶などの移動体に搭載して移動することを想定しているが、地上に固定するなど移動しなくても構わない。
【0011】
図2は、実施の形態1における測位システム900の使用形態の別例を示す図である。
図1では、基準信号送信装置120、探知装置100および測位装置140はそれぞれ別個に設けているが、一個の装置に各装置を併設してもよいし、一個の装置を兼用して各装置の機能を実現してもよい。例えば、図2は、探知装置100と測位装置140とを併設した航空機間相互で、探知情報34(特徴情報)を交換して目標10の位置を推定する構成を示している。
【0012】
図3は、実施の形態1における探知装置100、基準信号送信装置120および測位装置140のハードウェア資源の一例を示す図である。
図3において、探知装置100、基準信号送信装置120および測位装置140は、プログラムを実行するCPU911(Central・Processing・Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、通信ボード915、アンテナ916、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、磁気ディスク装置920の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、データを記憶する記憶機器、記憶装置の一例であり、データの入力元、出力先となる入出力機器、入出力装置の一例である。
通信ボード915は、入出力機器あるいは入出力装置の一例である。
【0013】
通信ボード915は、有線または無線で、LAN(Local Area Network)、インターネット、ISDN等のWAN(ワイドエリアネットワーク)、電話回線などの通信網に接続されている。
磁気ディスク装置920には、OS921(オペレーティングシステム)、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群923のプログラムは、CPU911、OS921により実行される。
【0014】
上記プログラム群923には、実施の形態において「〜部」として説明する機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
ファイル群924には、実施の形態において、「〜部」の機能を実行した際の「〜の判定結果」、「〜の計算結果」、「〜の処理結果」などの結果データ、「〜部」の機能を実行するプログラム間で受け渡しするデータ、その他の情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「〜ファイル」や「〜データベース」の各項目として記憶されている。例えば、測位結果、探知情報、特徴情報、基準信号情報などがファイル群924に記憶される。「〜ファイル」や「〜データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示などのCPUの動作に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示のCPUの動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
また、実施の形態において説明するフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号値は、RAM914のメモリ、磁気ディスク装置920の磁気ディスク、その他の記録媒体に記録される。また、データや信号値は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0015】
また、実施の形態において「〜部」として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」、「〜手段」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスクやその他の記録媒体に記憶される。プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。すなわち、測位装置140の測位プログラムや探知装置100の探知プログラムは、「〜部」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【0016】
次に、基準信号送信装置120、探知装置100および測位装置140の構成について図4、図5および図6に基づいて以下に説明する。
【0017】
図4は、実施の形態1における基準信号送信装置120の構成を示すブロック図である。
図4において、基準信号送信装置120は、基準信号を生成する基準信号作成部124と、基準信号作成部124が生成した基準信号を変調して基準信号を示す送信波30を基準信号空中線26(アンテナ)から発信する基準信号送信部122とを備える。
また、基準信号送信装置120は、基準信号作成部124が生成した基準信号に関する基準信号情報を生成する基準信号情報抽出部128と、基準信号情報抽出部128が生成した基準信号情報を変調して基準信号情報を示す電波を基準信号情報空中線22(アンテナ)から発信する基準信号情報送信部126とを備える。
【0018】
図5は、実施の形態1における探知装置100の構成を示すブロック図である。
図5において、探知装置100は以下に説明する探知信号受信部104、特徴情報抽出部106、特徴情報送信部108、探知装置制御部102、追加情報送信部114、基準信号情報受信部110および探知装置情報記憶部112を備える。また、探知装置100は電波を受発信するためのアンテナとして探知信号空中線20、基準信号情報空中線23および情報共有空中線24を備える。
探知信号受信部104は、基準信号送信装置120が発信した送信波30が目標10で反射した反射波32を探知信号空中線20から受信し、受信した反射波32を復調して探知信号を取得する。
特徴情報抽出部106は、探知信号受信部104が取得した探知信号から目標10までの距離を示す特徴情報の複数の候補を抽出し、抽出した特徴情報の複数の候補から特徴情報を選択する。例えば、特徴情報抽出部106は、探知信号受信部104による探知信号受信の開始時刻の複数の候補を探知信号から抽出し、抽出した受信開始時刻の複数の候補から1つの受信開始時刻を選択し、選択した1つの受信開始時刻の候補に基づいて基準信号送信装置120による基準信号(送信波30)の送信から探知信号受信部104による探知信号(反射波32)の受信までの時間を算出し、算出した時間を特徴情報とする。
特徴情報送信部108は、特徴情報抽出部106が選択した特徴情報を示す電波を情報共有空中線24から測位装置140へ発信する。
基準信号情報受信部110は、基準信号送信装置120が発信した基準信号情報を示す電波を基準信号情報空中線23から受信し、受信した電波を復調して基準信号情報を取得する。
探知装置情報記憶部112は探知信号受信部104が受信した探知信号が示す探知情報や特徴情報抽出部106が抽出した特徴情報(の候補)や基準信号情報受信部110が取得した基準信号情報などを記憶機器に記憶する。
探知装置制御部102は、測位装置140から追加情報送信依頼を受信した際に、追加情報送信部114に対して別の特徴情報の選択と、選択した別の特徴情報の測位装置140への送信とを命令する。
追加情報送信部114は、探知装置制御部102からの命令を受けて、特徴情報抽出部106が抽出した未送信の特徴情報の候補から新たに特徴情報を選択し、新たに選択した特徴情報を情報共有空中線24から測位装置140へ発信する。
【0019】
図6は、実施の形態1における測位装置140の構成を示すブロック図である。
図6において、測位装置140は以下に説明する特徴情報受信部144、測位部152、測位装置制御部142、追加情報受信部150および測位装置情報記憶部154を備える。また、測位装置140は電波を受発信するためのアンテナとして情報共有空中線25を備える。
特徴情報受信部144は2つ以上の探知装置100から特徴情報を示す電波を情報共有空中線25を介して受信し、受信した電波を復調して特徴情報を取得する。
測位部152は特徴情報受信部144が取得した2つ以上の特徴情報に基づいて目標10の位置を測位し、測位結果を出力する。
測位装置制御部142は測位部152が特徴情報に基づいて測位できなかった場合に別の特徴情報を要求する追加情報送信依頼を示す電波を探知装置100に情報共有空中線25を介して送信する。
追加情報受信部150は、測位装置制御部142が追加情報送信依頼を送信した場合に、探知装置100から別の特徴情報を示す電波を情報共有空中線25を介して受信し、受信した電波を復調して別の特徴情報を取得する。
測位装置情報記憶部154は特徴情報受信部144が受信した特徴情報や追加情報受信部150が受信した特徴情報や測位部152が測位した測位結果などを記憶機器に記憶する。
【0020】
次に、実施の形態1の測位システム900の処理の手順を図7、図8および図9に基づいて以下に説明する。
図7は、実施の形態1における測位システム900の処理の流れを示すフローチャートである。
図8は、実施の形態1における基準信号と探知信号とを対比して示す図である。
図9は、実施の形態1における測位方法の概念図である。
基準信号送信装置120、探知装置100および測位装置140は以下の処理をCPUやアンテナなどのハードウェアを用いて実行する。
【0021】
<S201:基準信号送信ステップ>
まず、基準信号送信装置120は目標10に対して基準信号を送信する。
このとき、基準信号送信装置120において、基準信号作成部124は、例えば、図8(a)に示す矩形波X0のような、所定の基準信号を生成する。図8(a)の縦軸は基準信号を示す矩形波X0の振幅を表し、図8(a)の横軸は基準信号の送信時間tを表す(S201a:基準信号作成処理)。
そして、基準信号送信部122は基準信号作成部124が生成した基準信号を変調し、基準信号を変調した送信波30を基準信号空中線26から目標10に向けて発信する(S201b:基準信号送信処理)。
【0022】
<S202:基準信号情報送信ステップ>
また、基準信号送信装置120は基準信号に関する基準信号情報を各探知装置100に向けて送信する。
このとき、基準信号送信装置120において、基準信号情報抽出部128は基準信号作成部124が生成した基準信号に基づいて、例えば、図8(a)に示す基準信号の矩形波X0の振幅A0、振幅A0の継続時間T0_P、振幅A0の開始時刻T0のような、基準信号に関する基準信号情報を生成する。なお、基準信号情報は基準信号の性質を表す他のパラメータでもよい。例えば、基準信号情報は振幅A0の終了時刻TEでもよい(S202a)。
そして、基準信号情報送信部126は基準信号情報抽出部128が生成した基準信号情報を変調し、基準信号情報を変調した電波を基準信号情報空中線22から各探知装置100(装置1〜装置n)に発信する(S202b)。
【0023】
ここで、基準信号送信装置120が目標10に対して発信した基準信号を示す送信波30は目標10で反射して各方位に伝搬する。以下、送信波30が目標10で反射したものを反射波32とし、反射波32が示す信号を探知信号とする。
【0024】
<S214:探知信号受信ステップ>
次に、各探知装置100(装置1〜装置n)は目標10で反射した基準信号を探知信号として受信する。
このとき、各探知装置100(装置1〜装置n)において、探知信号受信部104は基準信号を表す送信波30が目標10で反射した反射波32を探知信号空中線20で受信し、受信した反射波32を復調して反射波32が示す探知信号を取得する。探知信号受信部104は反射波32を特定の時間間隔dtでサンプリングしてディジタル信号である探知信号に変換する。図8(b)は探知装置100の1つである装置1が受信した探知信号1の波形X1を示し、縦軸は探知信号1の振幅を表し、横軸は探知信号1の受信時間tを表す(S214a:探知信号受信処理)。
そして、探知装置情報記憶部112は探知信号受信部104が取得した探知信号を記憶機器に記憶する(S214b)。
【0025】
<S211:基準信号情報受信ステップ>
また、各探知装置100(装置1〜装置n)は基準信号送信装置120から送信された基準信号情報も受信する。
このとき、各探知装置100(装置1〜装置n)において、基準信号情報受信部110は基準信号送信装置120が発信した基準信号情報を変調した電波を基準信号情報空中線23で受信し、受信した電波を復調して基準信号情報を取得する(S211a)。
そして、探知装置情報記憶部112は基準信号情報受信部110が取得した基準信号情報を記憶機器に記憶する(S211b)。
【0026】
<S215:特徴情報抽出ステップ>
次に、各探知装置100(装置1〜装置n)は基準信号情報に基づいて探知信号から特徴情報を抽出する。
このとき、各探知装置100(装置1〜装置n)において、特徴情報抽出部106は、基準信号情報受信部110が取得した基準信号情報に基づいて、探知信号受信部104が取得した探知信号が示す探知情報から特徴情報を抽出する。
例えば、探知信号受信部104が図8(b)に示すように波形X1がピークa,ピークb,ピークcの3箇所の振幅のピークを示す探知信号1を受信した場合、まず、特徴情報抽出部106はピークaの時刻T1_a、ピークbの時刻T1_bおよびピークcの時刻T1_cを抽出する。各ピークの時刻は基準信号の振幅A0の開始時刻T0に対応する時刻の候補となる。そして、特徴情報抽出部106は、基準信号の振幅A0の開始時刻T0から各ピークの時刻までの時間T1_1、T1_2およびT1_3を、電波が基準信号送信装置120から目標10を経由して探知装置100に到達するまでの時間の候補として算出する。
つまり、特徴情報抽出部106は、特徴情報の抽出処理の一例として、探知信号の波形がピークを示す時刻を基準信号の最大振幅の開始時刻に対応する時刻として抽出し、基準信号の最大振幅の開始時刻から探知信号の波形が振幅のピークを示す時刻までの時間を特徴情報として算出する。特徴情報抽出部106は基準信号情報から基準信号の最大振幅の開始時刻を取得する。基準信号の最大振幅の開始時刻から探知信号の波形がピークを示す時刻までの時間は、基準信号送信装置120が送信波30を送信してから探知装置100が反射波32を受信するまでの時間であり、電波が基準信号送信装置120から目標10を経由して探知装置100に到達するまでの時間を示す。この時間に光速を乗ずることで基準信号送信装置120から目標10を経由した探知装置100までの距離を算出することができ、算出した距離に基づいて目標10の位置を測位することができる。測位方法については後述する(S215a:特徴情報送信処理の一部)。
次に、特徴情報抽出部106は抽出した特徴情報から測位装置140に送信する特徴情報を選択する。例えば、特徴情報抽出部106は、図8(b)が示す探知信号1について、振幅値が最大であるピークbに対して算出した時間T1_2を特徴情報として選択する。また例えば、特徴情報抽出部106は、図8(b)が示す探知信号1について、最も時刻が早いピークaに対して算出した時間T1_1を特徴情報として選択する。また、特徴情報抽出部106は複数の特徴情報を選択してもよい(S215b:特徴情報送信処理の一部)。
また、探知装置情報記憶部112は特徴情報抽出部106が抽出した特徴情報を記憶機器に記憶する(S215c)。
【0027】
なお、特徴情報抽出部106は、基準信号と探知信号との相関をとる、探知信号に対してノイズ除去操作を行うなどの複雑な処理により、上記と異なる種類の特徴情報を抽出してもよい。例えば、特徴情報抽出部106は目標10の方向や基準信号に対する探知信号のドップラー周波数などを特徴情報として抽出してもよい。例えば、探知装置100は探知信号空中線20を指向性のあるアンテナで構成し、特徴情報抽出部106は探知信号空中線20が一番強い振幅、電力を持った探知信号を受信した方向を目標10の方向として推定する。また例えば、基準信号送信装置120が特定の周波数を持った送信波30を矩形型に切り取って送信し、特徴情報抽出部106は目標10の位置と探知装置100の位置との相対的な変化に伴って生ずる基準信号の周波数と探知信号の周波数との差分をドップラー周波数として算出する。ドップラー周波数に基づいて目標10と探知装置100との相対速度が推定できる(非特許文献1参照)。
【0028】
<S216:特徴情報送信ステップ>
次に、各探知装置100(装置1〜装置n)はステップS215で抽出した特徴情報を、通信ネットワーク14を介して、測位装置140に送信する。
このとき、各探知装置100(装置1〜装置n)において、特徴情報送信部108はステップS215で特徴情報抽出部106が抽出した特徴情報を変調し、特徴情報を変調した電波を情報共有空中線24から測位装置140に発信する(S216a)。
【0029】
<S222:特徴情報受信ステップ>
次に、測位装置140は各探知装置100(装置1〜装置n)から送信された特徴情報(情報1〜情報n)を受信する。
このとき、測位装置140において、特徴情報受信部144は各探知装置100(装置1〜装置n)が発信した特徴情報を変調した電波を情報共有空中線25で受信し、受信した電波を復調して特徴情報(情報1〜情報n)を取得する。情報1〜情報nは装置1〜装置nが送信した特徴情報に対応する。つまり、装置1が送信した特徴情報が情報1であり、装置2が送信した特徴情報が情報2である(S222a)。
そして、測位装置情報記憶部154は特徴情報受信部144が取得した特徴情報(情報1〜情報n)を記憶機器に記憶する(S222b)。
【0030】
<S223:測位ステップ>
次に、測位装置140は特徴情報(情報1〜情報n)を用いて目標10の位置を推定する。
このとき、測位装置140において、測位部152は特徴情報受信部144が受信した特徴情報(情報1〜情報n)に基づいて目標10の位置を測位計算する。測位部152が実行する測位計算方法には従来の方法を用いることができる。例えば、測位装置140は各探知装置100(装置1〜装置n)の位置と基準信号送信装置120の位置とが既知であり、各探知装置100の位置と基準信号送信装置120の位置と各特徴情報とに基づいて目標10の位置を測位する。例えば、各探知装置100(装置1〜装置n)および基準信号送信装置120が移動体である場合、各探知装置100および基準信号送信装置120はGPS(Global Positioning System)やジャイロなどを用いて自己位置を算出し、基準信号送信装置120は算出した自己位置を基準信号情報と併せて各探知装置100に送信し、各探知装置100は算出した自己位置と基準信号送信装置120の位置とを特徴情報と併せて測位装置140に通知する。また例えば、各探知装置100(装置1〜装置n)および基準信号送信装置120が移動しない固定物である場合、測位装置140は予め計測された各探知装置100および基準信号送信装置120の位置を記憶機器に記憶しておく(S223a:測位処理)。
【0031】
例えば、図8(b)に示すような基準信号が基準信号送信装置120から送信されてから目標10で反射して探知信号として各探知装置100に受信されるまでの時間Ti_1(i:1〜n)を特徴情報とする場合、測位部152は、時間間隔Ti_1に電波が伝搬する速度である光速を乗ずることで、基準信号送信装置120から目標10までの距離とi番目の探知装置100から目標10までの距離との合計距離を算出できる。各探知装置100の位置および基準信号送信装置120の位置は既知であるので、二次元の座標の場合は3個以上、三次元の座標の場合は4個以上の探知情報があれば、目標10の位置を特定することが可能となる。
【0032】
図9は、実施の形態1における測位方法の概念図である。
図9において、測位部152は時間間隔T1_1に光速を乗じて距離L0+L1を算出することができる。ここで、L0は基準信号送信装置120から目標10までの距離を示し、L1は装置1(探知装置100)から目標10までの距離を示す。そして、測位部152は、基準信号送信装置120の座標(x0,y0,z0)と装置1(探知装置100)の座標(x1,y1,z1)とが既知であるため、基準信号送信装置120の座標と装置1の座標とを定点として2定点からの距離の和をL0+L1とする楕円面1の方程式を算出することができる。目標10はこの楕円面1上に位置することになるので、測位部152は、基準信号送信装置120と装置2(探知装置100)とを2定点とする楕円面方程式と基準信号送信装置120と装置3(探知装置100)とを2定点とする楕円面方程式とを同様に算出し、算出した3つの楕円面方程式を連立方程式として、3つの楕円面の交点に位置する目標10の3次元の座標(X,Y,Z)を算出する。3つの楕円面が1つの点で交わらない場合、測位部152は各2つの楕円面の交点に基づいて目標10の座標を算出する。例えば、測位部152は任意の2つの楕円面の交点を目標10の座標とする。また例えば、測位部152は楕円面1と楕円面2との交点、楕円面1と楕円面3との交点、楕円面2と楕円面3との交点との3つの交点の中点を目標10の座標とする。
測位部152は、1個の特徴情報では非常に広い範囲の位置推定しかできなくても、n個の特徴情報に基づいてn個の位置推定結果の論理積をとることにより、精度の高い位置推定を行うことが可能となる。このことは、他の種類の特徴情報の場合でも同様である。
【0033】
<S224:測位成否判定ステップ>
次に、測位部152は目標10に対する有効な位置推定ができたか判定する。
例えば、測位部152は、論理積がとれない場合、連立方程式の解が無い場合は測位不成功と判定する。つまり、測位部152は、3つの楕円面が1点で交わらない場合、各2つの楕円面の交点である3つの交点が所定の距離以上離れている場合または各2つの楕円面の交点である3つの交点が形成する面の面積が所定の面積以上である場合、目標10に対する有効な位置推定ができなかった(測位不成功)と判定する。
また例えば、測位部152は、4つ以上の特徴情報を組み合わせて複数の測位結果を算出し、それぞれの測位結果が所定の値以上異なる場合、測位不成功と判定する。
また例えば、測位部152は、測位した目標10の位置が想定エリアから大きく外れた場合、測位不成功と判定する。想定エリアとは、例えば、過去数回の目標10の測位位置の推移に基づいて算出したエリアであり、追尾フィルタと呼ばれる機能により算出されるエリアである。
測位部152は、上記以外の場合、目標10に対する有効な位置推定ができた(測位成功)と判定する(S224a)。
【0034】
<S225:測位結果出力ステップ>
測位成功の場合、測位部152は測位結果を出力する。
測位部152は、目標10に対する有効な位置推定ができたと判定した場合、目標10の座標をディスプレイ装置、プリンタ装置などの出力機器に出力する(S225a)。
また、測位装置情報記憶部154は測位部152が算出した目標10の座標を記憶機器に記憶する(S225b)。
【0035】
<S213:追加情報送信ステップ>
測位不成功の場合、測位装置制御部142は探知装置100に追加情報の送信を依頼する。
このとき、測位装置制御部142は、n個の探知装置100のうち追加情報が欲しい装置にのみに対して、追加情報の送信を依頼する追加情報送信依頼を示す電波を情報共有空中線25から発信する。追加情報が欲しい装置とは、例えば、各探知装置100の特徴情報に基づく楕円面のうち他の楕円面に対して楕円面の位置が所定の距離以上離れている楕円面に対応する探知装置100である(S213a:測位装置制御処理)。
次に、探知装置制御部102は追加情報送信依頼を示す電波を情報共有空中線24から受信して復調し、受信電波の内容が追加情報送信依頼であることを識別して追加情報送信部114に新たな特徴情報の送信を命令する(S213b)。
そして、追加情報送信部114は探知装置情報記憶部112が記憶機器に記憶した特徴情報から送信済みの特徴情報とは別の特徴情報を新たに選択し、選択した新たな特徴情報を変調し、新たな特徴情報を変調した電波を情報共有空中線24から測位装置140に発信する。ここで、追加情報送信部114が新たに選択する特徴情報は1つの特徴情報でも、複数の特徴情報でも、送信済みの特徴情報以外の全ての特徴情報でも、送信済みの特徴情報を含む全ての特徴情報でもよい。但し、通信帯域は制限があるため、送信する特徴情報のデータ量は少ないほうが好ましい。例えば、送信済みの特徴情報を含む全ての特徴情報を送信する場合、追加情報送信部114は、記憶機器に記憶されている探知情報が示す図8(b)のような探知信号のサンプリング間隔dtを大きくして特徴情報の数を減らすとよい(S213c:追加情報送信処理)。
【0036】
<S221:追加情報受信ステップ>
次に、測位装置140は探知装置100から送信された追加情報を受信する。
このとき、測位装置140において、追加情報受信部150は探知装置100が発信した新たな特徴情報を変調した電波を情報共有空中線25から受信し、受信した電波を変調して新たな特徴情報を取得する(S221a)。
そして、測位装置情報記憶部154は追加情報受信部150が取得した新たな特徴情報を記憶機器に記憶する(S221b)。
【0037】
<S223:測位ステップ>
次に、測位装置140の測位部152は、追加情報受信部150が取得した新たな特徴情報に基づいて、前記測位ステップ(S223)の説明と同様に、目標10の位置を測位する。
【0038】
<S224、S225、S213>
そして、前記説明と同様に、測位装置140の測位部152は測位が成功したか判定し(S224)、測位成功の場合、測位部152は測位結果を出力して測位処理を終了し(S225)、測位不成功の場合、測位装置制御部142は探知装置100に追加情報を要求する(S213)。
【0039】
つまり、探知装置100(装置i)で特徴情報として抽出した時間Ti_1(図8(b)参照)が誤っていれば測位装置140は有効な位置推定はできないため、測位装置140は新たに特徴情報を要求し、探知装置100(装置i)は時間Ti_1以外の時間(例えば、時間Ti_2)を測位装置140に送信する。そして、測位装置140は新たに送信された時間(例えば、時間Ti_2)に基づいて目標10の位置を推定する。
【0040】
ここで、測位装置制御部142は、追加情報送信依頼を一定回数以上繰り返しても測位部152が測位成功しない場合は、測位をあきらめて処理を終了しても構わない。
【0041】
上記実施の形態1では以下のような特徴を持つ測位システム900について説明した。
【0042】
特徴1:目標に向けて基準信号を発射し、一つの目標によって反射された信号を複数のセンサ(探知装置100)で探知し、複数の探知信号を通信ネットワークを介して測位装置で収集し、これらに基づいて目標位置の推定を行う。
【0043】
特徴2:通信ネットワークの帯域制限がある場合、複数の探知信号の情報をそのまま送受することは困難なため、各センサにおいて探知信号の特徴情報を抽出し、これを送受する。
【0044】
特徴3:複数の探知信号を受信した測位装置では、これらに基づき位置推定を行うが、所望の精度の位置推定ができない場合には、情報が不足しているセンサに対し、探知信号に関する詳しい情報または別の情報を追加で送信するように依頼する。これを受けたセンサでは、送信済みの特徴情報より詳しい情報または送信済みの特徴情報とは別の特徴情報を送信する。
【0045】
特徴4:帯域削減のため、通常は抽出された特徴情報のみを送受するが、この情報が誤った情報の場合には、測位装置からセンサに対してフィードバックをかけて、別の特徴情報をセンサから測位装置に送ってもらう。
【0046】
特徴5:抽出する特徴情報として、基準信号と探知信号とを比較した時間差を使用する。
【0047】
上記実施の形態1における測位システム900では、測位装置140において複数の探知装置100の探知信号に基づいて精度の高い目標位置推定を行うに際して、探知装置100と測位装置140との間で通信ネットワーク14内の可使用帯域に制限があり多量のデータ送受信が困難な場合を想定した以下のような処理について説明した。
まず、各探知装置100は、探知信号の情報全てではなく、探知信号から抽出した特徴情報のみ測位装置140に送信する。そして、測位装置140は各探知装置100からの特徴情報に基づいて目標位置推定を行う。また、測位装置140は、目標位置を推定できない場合にのみ、情報が誤っている探知装置に対して追加情報の送信を依頼する。
これにより、測位システム900は、探知装置100と測位装置140との間で通信ネットワーク14内の可使用帯域が小さい場合でも、複数の探知装置100の情報を元にした精度の高い測位が可能となる。
【0048】
つまり、上記実施の形態1における測位システムは、複数の探知装置が同一目標からの探知信号を受信し、各探知装置が探知信号から抽出した特徴情報を通信ネットワークを介して測位装置に送信し、測位装置では複数の特徴情報に基づいて目標位置の推定を行う。この測位方法により、通信ネットワークの帯域が小さく、探知信号のような多量のデータの送受信が困難な場合でも、測位システムは精度の高い目標位置推定を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】実施の形態1における測位システム900の使用形態の一例を示す図。
【図2】実施の形態1における測位システム900の使用形態の別例を示す図。
【図3】実施の形態1における探知装置100、基準信号送信装置120および測位装置140のハードウェア資源の一例を示す図。
【図4】実施の形態1における基準信号送信装置120の構成を示すブロック図。
【図5】実施の形態1における探知装置100の構成を示すブロック図。
【図6】実施の形態1における測位装置140の構成を示すブロック図。
【図7】実施の形態1における測位システム900の処理の流れを示すフローチャート。
【図8】実施の形態1における基準信号と探知信号とを対比して示す図。
【図9】実施の形態1における測位方法の概念図。
【符号の説明】
【0050】
10 目標、14 通信ネットワーク、22,23 基準信号情報空中線、24,25 情報共有空中線、30 送信波、32 反射波、34 探知情報、100 探知装置、102 探知装置制御部、104 探知信号受信部、106 特徴情報抽出部、108 特徴情報送信部、110 基準信号情報受信部、112 探知装置情報記憶部、114 追加情報送信部、120 基準信号送信装置、122 基準信号送信部、124 基準信号作成部、126 基準信号情報送信部、128 基準信号情報抽出部、140 測位装置、142 測位装置制御部、144 特徴情報受信部、150 追加情報受信部、152 測位部、154 測位装置情報記憶部、900 測位システム、911 CPU、912 バス、913 ROM、914 RAM、915 通信ボード、916 アンテナ、920 磁気ディスク装置、921 OS、923 プログラム群、924 ファイル群。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準信号を生成する基準信号作成部と、前記基準信号作成部が生成した基準信号をアンテナから発信する基準信号送信部とを備える基準信号送信装置と、
前記基準信号送信装置が発信した基準信号の目標物での反射信号を探知信号としてアンテナから受信する探知信号受信部と、CPU(Central Proccessing Unit)を用いて、前記探知信号受信部が受信した探知信号から目標物までの距離を示す特徴情報の複数の候補を抽出し、抽出した特徴情報の複数の候補から特徴情報を選択する特徴情報抽出部と、前記特徴情報抽出部が選択した特徴情報を送信する特徴情報送信部とを備える2つ以上の探知装置と、
2つ以上の前記探知装置から特徴情報を受信する特徴情報受信部と、前記特徴情報受信部が受信した2つ以上の特徴情報に基づいて目標物の位置を測位する測位部とを備える測位装置と
を有することを特徴とする測位システム。
【請求項2】
前記探知装置の前記特徴情報抽出部は、
前記探知信号受信部による探知信号受信の開始時刻の複数の候補を探知信号から抽出し、抽出した受信開始時刻の複数の候補から1つの受信開始時刻を選択し、選択した1つの受信開始時刻の候補に基づいて前記基準信号送信装置による基準信号の発信から前記探知信号受信部による探知信号の受信までの時間を算出し、算出した時間を特徴情報とする
ことを特徴とする請求項1記載の測位システム。
【請求項3】
前記測位装置は、さらに、
前記測位部が特徴情報に基づいて測位できなかった場合に別の特徴情報を要求する追加情報送信依頼を前記探知装置に送信する測位装置制御部を備え、
前記探知装置は、さらに、
前記測位装置から追加情報送信依頼を受信した際に、前記特徴情報抽出部が抽出した特徴情報の複数の候補から前記測位装置に送信済みの特徴情報とは別の特徴情報を選択し、選択した別の特徴情報を前記測位装置に送信する追加情報送信部を備える
ことを特徴とする請求項1〜請求項2いずれかに記載の測位システム。
【請求項4】
目標物からの信号を探知信号としてアンテナから受信する探知信号受信部と、
CPU(Central Proccessing Unit)を用いて、前記探知信号受信部が受信した探知信号から目標物までの距離を示す特徴情報の複数の候補を抽出し、抽出した特徴情報の複数の候補から特徴情報を選択する特徴情報抽出部と、
前記特徴情報抽出部が選択した特徴情報を特徴情報に基づいて目標物の位置を測位する測位装置に送信する特徴情報送信部と
を備えることを特徴とする探知装置。
【請求項5】
前記特徴情報抽出部は、
前記探知信号受信部による探知信号受信の開始時刻の複数の候補を探知信号から抽出し、抽出した受信開始時刻の複数の候補から1つの受信開始時刻の候補を選択し、選択した1つの受信開始時刻の候補に基づいて探知信号が発信されてから探知信号が前記探知信号受信部により受信されるまでの時間を算出し、算出した時間を特徴情報とする
ことを特徴とする請求項4記載の探知装置。
【請求項6】
さらに、
前記特徴情報送信部が送信した特徴情報に基づいて測位できなかった前記測位装置から別の特徴情報を要求する追加情報送信依頼を受信した際に、前記特徴情報抽出部が抽出した特徴情報の複数の候補から前記測位装置に送信済みの特徴情報とは別の特徴情報を選択し、選択した別の特徴情報を前記測位装置に送信する追加情報送信部を備える
ことを特徴とする請求項4〜請求項5いずれかに記載の探知装置。
【請求項7】
目標物からの信号を解析して目標物までの距離を示す特徴情報を送信する2つ以上の探知装置から特徴情報を受信する特徴情報受信部と、
前記特徴情報受信部が受信した2つ以上の特徴情報に基づいて目標物の位置を測位する測位部と、
前記測位部が特徴情報に基づいて測位できなかった場合に別の特徴情報を要求する追加情報送信依頼を前記探知装置に送信する測位装置制御部と
を備えることを特徴とする測位装置。
【請求項8】
基準信号送信装置が、基準信号を生成する基準信号作成処理と、生成した基準信号をアンテナから発信する基準信号送信処理とを行い、
2つ以上の探知装置が、前記基準信号送信装置が発信した基準信号の目標物での反射信号を探知信号としてアンテナから受信する探知信号受信処理と、CPU(Central Proccessing Unit)を用いて、受信した探知信号から目標物までの距離を示す特徴情報の複数の候補を抽出し、抽出した特徴情報の複数の候補から特徴情報を選択する特徴情報抽出処理と、選択した特徴情報を送信する特徴情報送信処理とを行い、
測位装置が、2つ以上の前記探知装置から特徴情報を受信する特徴情報受信処理と、受信した2つ以上の特徴情報に基づいて目標物の位置を測位する測位処理とを行う
ことを特徴とする測位システムの測位方法。
【請求項9】
探知信号受信部が目標物からの信号を探知信号としてアンテナから受信する探知信号受信処理を行い、
特徴情報抽出部がCPU(Central Proccessing Unit)を用いて、前記探知信号受信部が受信した探知信号から目標物までの距離を示す特徴情報の複数の候補を抽出し、抽出した特徴情報の複数の候補から特徴情報を選択する特徴情報抽出処理を行い、
特徴情報送信部が前記特徴情報抽出部が選択した特徴情報を特徴情報に基づいて目標物の位置を測位する測位装置に送信する特徴情報送信処理を行う
ことを特徴とする探知装置の探知方法。
【請求項10】
特徴情報受信部が目標物からの信号を解析して目標物までの距離を示す特徴情報を送信する2つ以上の探知装置から特徴情報を受信する特徴情報受信処理を行い、
測位部が前記特徴情報受信部が受信した2つ以上の特徴情報に基づいて目標物の位置を測位する測位処理を行い、
測位装置制御部が前記測位部が特徴情報に基づいて測位できなかった場合に別の特徴情報を要求する追加情報送信依頼を前記探知装置に送信する測位装置制御処理を行う
ことを特徴とする測位装置の測位方法。
【請求項11】
請求項9記載の探知装置の探知方法をコンピュータに実行させることを特徴とする探知装置の探知プログラム。
【請求項12】
請求項10記載の測位装置の測位方法をコンピュータに実行させることを特徴とする測位装置の測位プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−89315(P2008−89315A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−267086(P2006−267086)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】