説明

測位システム、端末装置、端末装置の制御方法、端末装置の制御プログラム、端末装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】コストを高価にすることなく、複数の種類の外部装置からの支援情報を利用することができる測位システム等を提供すること。
【解決手段】端末装置50は、情報提供装置から支援情報154を取得する支援情報取得手段と、支援情報154に含まれる測位担当情報154aに基づいて情報提供装置20等の種類を判断する情報提供装置種類判断手段と、位置関連信号に基づいて、測位基礎情報156を生成する測位基礎情報生成手段と、測位基礎情報156に基づいて、現在位置の測位を行って端末測位位置情報及び位置関連信号の信号受信時刻を示す信号受信時刻情報を生成する端末測位結果情報生成手段と、信号受信時刻情報に基づいて、測位基礎情報156を補正して補正後測位基礎情報162を生成する測位基礎情報補正手段等を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報衛星からの信号に基づく測位に関する測位システム、端末装置、端末装置の制御方法、端末装置の制御プログラム、端末装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、衛星航法システムである例えば、GPS(Global Positioning System)を利用してGPS受信機の現在位置を測位する測位システムが実用化されている。
そして、GPS受信機が外部装置から無線によって位置測位のための支援情報を取得する、いわゆるアシスト型が広く利用されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−228738号公報(図1等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述の外部装置は複数の種類があり、異なる規定(プロトコル)に従って支援情報を提供している。
したがって、GPS受信機がある特定の外部装置から支援情報を取得できるように構成されていても、その外部装置のサービス領域から出て、他の種類の外部装置のサービス領域に入ると支援情報を取得することができない場合があるという問題がある。
これに対して、GPS受信機がすべての種類の外部装置ごとに対応した構成を備えると、測位チップが高価になるという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、コストを高価にすることなく、複数の種類の外部装置からの支援情報を利用することができる測位システム、端末装置、端末装置の制御方法、端末装置の制御プログラム、端末装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的は、第1の発明によれば、位置情報衛星からの位置関連信号に基づく現在位置の測位結果を取得する端末装置と、前記端末装置に対して、支援情報を提供する複数の種類の情報提供装置と、を有する測位システムであって、前記支援情報は前記現在位置の測位を前記情報提供装置が行うか否かを示す測位担当情報を含み、前記端末装置は、前記情報提供装置から前記支援情報を取得する支援情報取得手段と、前記支援情報に含まれる前記測位担当情報に基づいて前記情報提供装置の前記種類を判断する情報提供装置種類判断手段と、前記支援情報に基づいて、前記位置関連信号を受信する位置関連信号受信手段と、前記位置関連信号に基づいて、測位基礎情報を生成する測位基礎情報生成手段と、前記測位基礎情報に基づいて、現在位置の測位を行って前記位置関連信号の信号受信時刻を示す信号受信時刻情報及び端末測位位置情報を生成する端末測位結果情報生成手段と、前記信号受信時刻情報に基づいて、前記測位基礎情報を補正して補正後測位基礎情報を生成する測位基礎情報補正手段と、前記情報提供装置種類判断手段の判断結果に基づいて、前記情報提供装置に対して前記補正後測位基礎情報を送信する補正後測位基礎情報送信手段と、前記情報提供装置が実施した前記補正後測位基礎情報に基づく測位の結果を示す情報提供装置測位位置情報を取得する情報提供装置測位位置情報取得手段と、前記情報提供装置種類判断手段の判断結果に基いて、前記端末測位位置情報又は前記情報提供装置測位位置情報を出力する測位位置情報出力手段と、を有することを特徴とする測位システムにより達成される。
【0006】
前記測位担当情報が前記測位を前記情報提供装置が行うことを示していれば、いわゆるアシステッド(Assisted)型の情報提供サービスを受けることになる。この場合のプロトコルによれば例えば、前記端末装置は前記情報提供装置からの前記支援情報に基いて、前記位置情報衛星を捕捉し、例えば、前記端末装置と各前記位置情報衛星との距離(以後、擬似距離と呼ぶ)を示す前記測位基礎情報を、前記情報提供装置に送信し、前記情報提供装置が測位して生成した前記情報提供装置測位位置情報を出力することが要求される。
これに対して、前記測位担当情報が前記測位を前記情報提供装置が行うことを示していなければ、いわゆるベースト(Based)型の情報提供サービスを受けることになる。この場合のプロトコルによれば例えば、前記端末装置は前記情報提供装置からの前記支援情報に基いて、前記位置情報衛星を捕捉して前記測位基礎情報を生成し、さらに、測位を行って前記端末測位位置情報を出力することが要求される。
【0007】
この点、第1の発明の構成によれば、前記端末装置は前記情報提供装置種類判断手段によって、前記支援情報に含まれる前記測位担当情報に基づいて前記情報提供装置の前記種類を判断することができる。
そして、前記情報提供装置は前記端末測位結果情報生成手段によって、前記現在位置を測位して前記端末測位位置情報を取得することができる。
ただし、前記端末測位位置情報を出力するか否かは、前記情報提供装置種類判断手段の判断結果に基づいて決定される。
【0008】
すなわち、前記端末装置は前記測位担当情報が前記情報提供装置が測位を行うことを示していれば前記情報提供装置の種類を上述のアシステッド型のサービスを実施する種類であると判断する。そして、前記情報提供装置が測位して生成した前記情報提供装置側測位位置情報を出力する。
このため、前記端末装置は、上述のアシステッド型のサービスを実施する種類の前記情報提供装置に対応することができる。
【0009】
一方、前記端末装置は前記測位担当情報が前記情報提供装置が測位を行わないことを示していれば前記情報提供装置の種類を上述のベースト型のサービスを実施する種類であると判断する。そして、前記端末装置が現在位置の測位を行って生成した前記端末測位位置情報を出力する。
このため、前記端末装置は、上述のベースト型のサービスを実施する種類の前記情報提供装置にも対応することができる。
【0010】
以上により、前記端末装置は、前記情報提供装置の種類に応じて、測位位置情報を出力することができる。
そして、上述の通り前記端末装置は、前記情報提供装置の種類によってその制御を変更するから、複数の前記情報提供装置ごとに対応した構成を有する場合と比べて、前記端末装置のコストを低くすることができる。
これにより、コストを高価にすることなく、複数の種類の外部装置からの支援情報を利用することができる測位システムを提供することができる。
【0011】
さらに、前記端末装置は、上述の前記端末測位結果情報生成手段によって前記信号受信時刻情報を生成し、測位基礎情報補正手段によって前記信号受信時刻情報に基づいて、前記測位基礎情報を補正して補正後測位基礎情報を生成する。
そして、補正後測位基礎情報送信手段によって前記情報提供装置種類判断手段の判断結果に基づいて、前記情報提供装置に対して、前記補正後測位基礎情報を送信する。
例えば、前記情報提供装置に対して、前記測位基礎情報である例えば、擬似距離情報を送信する場合に、その擬似距離を生成する基礎となる前記位置関連信号の正確な受信時刻情報とともに送信する。
ここで、前記位置情報衛星からの前記位置関連信号に基づく測位にとって、前記位置関連信号の正確な受信時刻情報は、測位の精度を高めるために必要な情報である。
この点、前記端末装置は、前記補正後測位基礎情報を前記情報提供装置に送信するから、前記情報提供装置自身が正確な時刻情報を生成することができない場合であっても、前記情報提供装置は正確な測位を行うことができる。
そして、前記端末装置は前記情報提供装置が前記補正後測位基礎情報に基づいて生成した正確な測位位置情報を出力することができる。
【0012】
前記目的は、第2の発明によれば、位置情報衛星からの位置関連信号に基づく測位を前記情報提供装置が行うか否かを示す測位担当情報を含む支援情報を提供する複数の種類の情報提供装置と通信可能な端末装置であって、前記端末装置は、前記情報提供装置から前記支援情報を取得する支援情報取得手段と、前記支援情報に含まれる前記測位担当情報に基づいて前記情報提供装置の前記種類を判断する情報提供装置種類判断手段と、前記支援情報に基づいて、前記位置関連信号を受信する位置関連信号受信手段と、前記位置関連信号に基づいて、測位基礎情報を生成する測位基礎情報生成手段と、前記測位基礎情報に基づいて、現在位置の測位を行って前記位置関連信号の信号受信時刻を示す信号受信時刻情報及び端末測位位置情報を生成する端末測位結果情報生成手段と、前記信号受信時刻情報に基づいて、前記測位基礎情報を補正して補正後測位基礎情報を生成する測位基礎情報補正手段と、前記情報提供装置種類判断手段の判断結果に基づいて、前記情報提供装置に対して前記補正後測位基礎情報を送信する補正後測位基礎情報送信手段と、前記情報提供装置が実施した前記補正後測位基礎情報に基づく測位の結果を示す情報提供装置測位位置情報を取得する情報提供装置測位位置情報取得手段と、前記情報提供装置種類判断手段の判断結果に基いて、前記端末測位位置情報又は前記情報提供装置測位位置情報を出力する測位位置情報出力手段と、を有することを特徴とする端末装置によって達成される。
【0013】
第2の発明の構成によれば、第1の発明の構成と同様に、コストを高価にすることなく、複数の種類の外部装置からの支援情報を利用することができる。
【0014】
第3の発明は、第2の発明の構成において、前記補正後測位基礎情報送信手段は、前記測位担当情報が前記情報提供装置が測位を行うことを示すときに、前記情報提供装置に対して、前記補正後測位基礎情報を送信する構成となっていることを特徴とする。
【0015】
第3の発明の構成によれば、前記補正後測位基礎情報送信手段は、前記測位実施情報が前記情報提供装置が測位を実施することを示すときに、前記情報提供装置に対して、前記補正後測位基礎情報を送信する。
このため、上述のアシステッド型のサービスを行う種類の前記情報提供装置に対応することができる。
また、前記情報提供装置が測位を行わない場合には、前記端末装置自身が前記測位を実施して取得した前記測位結果を出力すればよいので前記情報提供装置に対して、前記補正後測位基礎情報を送信しない。
このため、上述のベースト型のサービスを行う種類の前記情報提供装置にも対応することができる。
【0016】
第4の発明は、第2の発明又は第3の発明のいずれかの構成において、前記測位基礎情報補正手段は、前記測位結果取得手段が前記端末測位位置情報の生成に使用した前記測位基礎情報のみを補正する構成となっていることを特徴とする。
【0017】
前記測位基礎情報は各前記位置情報衛星に対応して生成されるが、生成した前記測位基礎情報を測位に使用できるとは限らない。例えば、前記測位基礎情報の元になる前記位置関連信号の信号強度が不十分である場合等には、前記測位基礎情報を測位に使用することは適切ではない。そして、測位に適さない前記測位基礎情報について上述の補正をして前記補正後測位基礎情報を送信すると、前記情報提供装置は前記補正後測位基礎情報を取得したとしても、その前記補正後測位基礎情報を使用して測位することができない場合がある。
この点、第4の発明の構成によれば、前記測位基礎情報補正手段は、前記測位結果取得手段が前記端末測位位置情報の生成に使用した前記測位基礎情報のみを補正するから、前記情報提供装置に対して、確実に測位に使用することができる前記補正後測位基礎情報を送信することができる。
【0018】
第5の発明は、第2の発明乃至第4の発明のいずれかの構成において、前記測位担当情報が前記情報提供装置が測位を行わないことを示すときに、前記情報提供装置に対して前記端末測位位置情報を送信する測位位置情報送信手段を有することを特徴とする。
【0019】
例えば、上述のベースト型のサービスを行う前記情報提供装置が、前記端末装置が生成した前記端末測位位置情報を要求する場合において、前記端末装置は前記情報提供装置の要求に応じることができる。
前記測位結果情報を取得した前記情報提供装置は、その前記測位位置情報を前記端末装置に対する次回の前記支援情報の提供のときの基礎情報として使用することもできるし、前記測位位置情報を第三者に提供することもできる。
【0020】
前記目的は、第6の発明によれば、位置情報衛星からの位置関連信号に基づく測位を前記情報提供装置が行うか否かを示す測位担当情報を含む支援情報を提供する複数の種類の情報提供装置と通信可能な端末装置が、前記情報提供装置から前記支援情報を取得する支援情報取得ステップと、前記端末装置が、前記支援情報に含まれる前記測位担当情報に基づいて前記情報提供装置の前記種類を判断する情報提供装置種類判断ステップと、前記端末装置が、前記支援情報に基づいて、前記位置関連信号を受信する位置関連信号受信ステップと、前記端末装置が、前記位置関連信号に基づいて、測位基礎情報を生成する測位基礎情報生成ステップと、前記端末装置が、前記測位基礎情報に基づいて、現在位置の測位を行って前記位置関連信号の信号受信時刻を示す信号受信時刻情報及び端末測位位置情報を生成する端末測位結果情報生成ステップと、前記端末装置が、前記信号受信時刻情報に基づいて、前記測位基礎情報を補正して補正後測位基礎情報を生成する測位基礎情報補正ステップと、前記端末装置が、前記情報提供装置種類判断ステップにおける判断結果に基づいて、前記情報提供装置に対して前記補正後測位基礎情報を送信する補正後測位基礎情報送信ステップと、前記端末装置が、前記情報提供装置が実施した前記補正後測位基礎情報に基づく測位の結果である情報提供装置測位位置情報を取得する情報提供装置測位位置情報取得ステップと、前記端末装置が、前記情報提供装置種類判断ステップにおける判断結果に基いて、前記端末測位位置情報又は前記情報提供装置測位位置情報を出力する測位位置情報出力ステップと、を有することを特徴とする端末装置の制御方法によって達成される。
【0021】
第6の発明の構成によれば、第1の発明の構成と同様に、コストを高価にすることなく、複数の支援形態の外部装置から支援情報を利用することができる。
さらに、第1の発明の構成と同様に、前記端末装置は、測位基礎情報補正手段によって前記信号受信時刻情報に基づいて、前記測位基礎情報を補正して補正後測位基礎情報を生成して、前記情報提供装置に送信するから、前記情報提供装置自身が正確な時刻情報を生成することができない場合であっても、前記情報提供装置は正確な測位を行うことができる。
【0022】
前記目的は、第7の発明によれば、コンピュータに、位置情報衛星からの位置関連信号に基づく測位を前記情報提供装置が行うか否かを示す測位担当情報を含む支援情報を提供する複数の種類の情報提供装置と通信可能な端末装置が、前記情報提供装置から前記支援情報を取得する支援情報取得ステップと、前記端末装置が、前記支援情報に含まれる前記測位担当情報に基づいて前記情報提供装置の前記種類を判断する情報提供装置種類判断ステップと、前記端末装置が、前記支援情報に基づいて、前記位置関連信号を受信する位置関連信号受信ステップと、前記端末装置が、前記位置関連信号に基づいて、測位基礎情報を生成する測位基礎情報生成ステップと、前記端末装置が、前記測位基礎情報に基づいて、現在位置の測位を行って前記位置関連信号の信号受信時刻を示す信号受信時刻情報及び端末測位位置情報を生成する端末測位結果情報生成ステップと、前記端末装置が、前記信号受信時刻情報に基づいて、前記測位基礎情報を補正して補正後測位基礎情報を生成する測位基礎情報補正ステップと、前記端末装置が、前記情報提供装置種類判断ステップにおける判断結果に基づいて、前記情報提供装置に対して前記補正後測位基礎情報を送信する補正後測位基礎情報送信ステップと、前記端末装置が、前記情報提供装置が実施した前記補正後測位基礎情報に基づく測位の結果である情報提供装置測位位置情報を取得する情報提供装置測位位置情報取得ステップと、前記端末装置が、前記情報提供装置種類判断ステップにおける判断結果に基いて、前記端末測位位置情報又は前記情報提供装置測位位置情報を出力する測位位置情報出力ステップと、を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラムによって達成される。
【0023】
前記目的は、第8の発明によれば、コンピュータに、位置情報衛星からの位置関連信号に基づく測位を前記情報提供装置が行うか否かを示す測位担当情報を含む支援情報を提供する複数の種類の情報提供装置と通信可能な端末装置が、前記情報提供装置から前記支援情報を取得する支援情報取得ステップと、前記端末装置が、前記支援情報に含まれる前記測位担当情報に基づいて前記情報提供装置の前記種類を判断する情報提供装置種類判断ステップと、前記端末装置が、前記支援情報に基づいて、前記位置関連信号を受信する位置関連信号受信ステップと、前記端末装置が、前記位置関連信号に基づいて、測位基礎情報を生成する測位基礎情報生成ステップと、前記端末装置が、前記測位基礎情報に基づいて、現在位置の測位を行って前記位置関連信号の信号受信時刻を示す信号受信時刻情報及び端末測位位置情報を生成する端末測位結果情報生成ステップと、前記端末装置が、前記信号受信時刻情報に基づいて、前記測位基礎情報を補正して補正後測位基礎情報を生成する測位基礎情報補正ステップと、前記端末装置が、前記情報提供装置種類判断ステップにおける判断結果に基づいて、前記情報提供装置に対して前記補正後測位基礎情報を送信する補正後測位基礎情報送信ステップと、前記端末装置が、前記情報提供装置が実施した前記補正後測位基礎情報に基づく測位の結果である情報提供装置測位位置情報を取得する情報提供装置測位位置情報取得ステップと、前記端末装置が、前記情報提供装置種類判断ステップにおける判断結果に基いて、前記端末測位位置情報又は前記情報提供装置測位位置情報を出力する測位位置情報出力ステップと、を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0025】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る測位システム10等を示す概略図である。
図1に示すように、測位システム10は、位置情報衛星である例えば、GPS衛星12
a,12b,12c,12d及び12eから位置関連信号である例えば、信号S1乃至S5に基づく現在位置の測位結果を取得する端末装置である例えば、端末50を有する。端末50は例えば、携帯電話機、PHS(Personal Handy−phone System)、PDA(Personal Digital Assistance等であるが、これらに限らない。
なお、本実施の形態とは異なり、GPS衛星12a等は5個に限らず、4個以下でもよいし、6個以上でもよい。
【0026】
測位システム10はまた、端末50に対して、支援情報である例えば、アシストデータを提供する複数の種類の情報提供装置である例えば、アシステッド型サーバ20(以後、A型サーバ20と呼ぶ)及びベースト型サーバ40(以後、B型サーバ40と呼ぶ)を有する。端末50は、通信を仲介する基地局70、及び、通信網である例えば、インターネット網80を介してA型サーバ20又はB型サーバ40と通信可能な構成となっている。
以後、端末50のアシストデータを提供するA型サーバ20又はB型サーバ40を含む情報提供装置を単にサーバと呼ぶ。
なお、A型サーバ20は1以上存在し、B型サーバ40も1以上存在する。
【0027】
A型サーバ20とB型サーバ40は双方とも、端末50に対して測位のためのアシストデータを提供する装置であるが、そのアシストデータの内容及び端末50に対する動作方法の要求が異なる。
端末50は、A型サーバ20のサービス領域であるアシステッド型カバー範囲S(以後、A型カバー範囲Sと呼ぶ)においてはA型サーバ20のみからアシストデータを受信することができ、B型サーバ40のサービス領域であるベースト型カバー範囲T(以後、B型カバー範囲Tと呼ぶ)においてはB型サーバ40のみからアシストデータを受信することができる。
なお、A型カバー範囲SとB型カバー範囲Tの重複領域においては、例えば、信号強度の強い方のアシストデータのみを受信することができる。
【0028】
アシステッド型のサーバであるA型サーバ20のA型カバー範囲Sにおいては、端末50はA型サーバ20からのアシストデータに基いて、GPS衛星12a等を捕捉し、その信号S1等に基いて擬似距離を計算し、その擬似距離を示す情報をA型サーバ20に送信することが要求される。そして、A型サーバ20が測位して生成した測位位置情報を出力することが要求される。A型サーバ20からのアシストデータには、各GPS衛星12a等を捕捉するための最低限度の情報である例えば、各GPS衛星12a等からの信号のドップラー効果を示す情報、各GPS衛星12a等の仰角が含まれる。
なお、アシストデータを提供したA型サーバ20自身が測位を行って、測位位置情報を生成する以外に、アシストデータを提供したA型サーバ20とは別のA型サーバ20が測位を行って測位位置情報を生成する場合もある。
【0029】
これに対して、ベースト型のサーバであるB型サーバ40のB型カバー範囲Tにおいては、端末50はB型サーバ40からのアシストデータに基いてGPS衛星12a等を捕捉し、その衛星信号に基いて擬似距離を計算し、さらに、その擬似距離に基いて測位を行って測位位置情報を出力することが要求される。B型サーバ40からのアシストデータには、A型サーバからのアシストデータの内容に加えて例えば、各GPS衛星12a等の衛星軌道情報を含む航法データが含まれる。
【0030】
端末50は、以下のハードウエア構成及びソフトウエア構成によって、上述のように異なるプロトコルが要求されるアシステッド型カバー範囲Sとベースト型カバー範囲Tの双方において、アシストデータを受信することができる。
【0031】
(端末50の主なハードウエア構成について)
図2は端末50の主なハードウエア構成を示す概略図である。
図2に示すように、端末50は、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス52を有する。
このバス52には、CPU(Central Processing Unit)54、記憶装置56等が接続されている。記憶装置56は例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等である。
【0032】
また、このバス52には、各種情報等を入力するための入力装置58、GPS衛星12a等から信号を受信するための端末GPS装置60、A型サーバ20等と通信するための端末通信装置62、及び、各種情報を表示するための端末表示装置64が接続されている。
【0033】
(端末50の主なソフトウエア構成について)
図3は、端末50の主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
図3に示すように、端末50は、各部を制御する端末制御部100、図2の端末通信装置62に対応する端末通信部102、図2の端末GPS装置60に対応する端末GPS部104を有する。
【0034】
図3に示すように、端末50は、各種プログラムを格納する端末第1記憶部110、各種情報を格納する端末第2記憶部150を有する。
図3に示すように、端末50は、端末第1記憶部110に、アシストデータ要求プログラム112を格納している。アシストデータ要求プログラム112は、端末制御部100が、サーバに対して、アシストデータを要求するための情報である。すなわち、アシストデータ要求プログラム112と端末制御部100は、支援情報取得手段の一例である。
端末制御部100は、取得したアシストデータを、アシストデータ154として端末第2記憶部150に格納する。このアシストデータ154には、上述した内容に加えて、測位をサーバが行うか否かを示す測位担当情報154aを含む。この測位担当情報154aは測位担当情報の一例である。
【0035】
図3に示すように、端末50は、端末第1記憶部110に、サーバ種類判断プログラム114を格納している。サーバ種類判断プログラム114は、端末制御部100が、測位担当情報154aに基づいてサーバの種類を判断するための情報である。すなわち、サーバ種類判断プログラム114と端末制御部100は、情報提供装置種類判断手段の一例である。
【0036】
具体的には、A型サーバ20からのアシストデータに含まれる測位担当情報には、A型サーバ20が測位を行うことが示されているから、端末制御部100は、上述のアシステッド型のサービスを実施する種類であると判断する。そして、後述のように、A型サーバ20が測位して生成した測位位置情報を出力する。
このため、端末50は、上述のアシステッド型のサービスを実施するA型サーバ20に対応することができる。
【0037】
一方、B型サーバ40からのアシストデータに含まれる測位担当情報には、B型サーバ40が測位を行わないことが示されているから、端末制御部100は、上述のベースト型のサービスを実施する種類であると判断する。そして、後述のように、端末50が現在位置の測位を行って生成した測位位置情報を出力する。
このため、端末50は、上述のベースト型のサービスを実施するB型サーバ40にも対応することができる。
【0038】
なお、本実施の形態とは異なり、端末50が、アシストデータの内容によって上述のA型サーバ20とB型サーバ40の種類を判断するように構成してもよい。上述のようにアシステッド型のサーバが送信するアシストデータとベースト型のサーバが送信するアシストデータの内容は異なるから、アシストデータの内容の相違によって、サーバの種類を判断できるからである。この場合、アシストデータ自体を上述の測位担当情報として使用することになる。
【0039】
図3に示すように、端末50は、端末第1記憶部110に、衛星捕捉プログラム116を格納している。衛星捕捉プログラム116は、端末制御部100が、アシストデータ154に基いて、GPS衛星12a等からの信号S1等を受信するための情報である。すなわち、衛星捕捉プログラム116と端末制御部100は、位置関連信号受信手段の一例である。
【0040】
図3に示すように、端末50は、端末第1記憶部110に、測位基礎情報生成プログラム118を格納している。測位基礎情報生成プログラム118は、端末制御部100が、信号S1等に基いて、測位基礎情報を生成するための情報である。測位基礎情報は例えば、端末50と各GPS衛星12a等との擬似距離を示す情報、各信号S1等のドップラー効果を示す情報、及び、信号S1等を受信した時刻を示す信号受信時刻情報を含む。測位基礎情報156は、その各GPS衛星12a等ごとに生成された測位基礎情報の集合(あるいは、組)の情報である。
上述の内容を有する測位基礎情報156は、測位計算の基礎となる内容を有する情報である。すなわち、測位基礎情報156は、測位基礎情報の一例である。そして、測位基礎情報生成プログラム118と端末制御部100は、測位基礎情報生成手段の一例である。
端末制御部100は、生成した測位基礎情報156を端末第2記憶部150に格納する。
また、端末制御部100は、測位基礎情報156とともに詳細情報158を生成し、端末第2記憶部150に格納する。詳細情報158は例えば、信号S1の信号強度を示す情報である。詳細情報158は例えば、信号S1を測位に使用するか否かを決定するための使用することができる。
【0041】
図3に示すように、端末50は、端末第1記憶部110に、衛星情報有無判断プログラム120を格納している。衛星情報有無判断プログラム120は、端末制御部100が、端末第2記憶部150に衛星情報152が格納されているか否かを判断するための情報である。
図3に示すように、衛星情報152が端末第2記憶部150に格納されていれば、端末50は外部から衛星情報を新たに取得しなくても、後述のように測位基礎情報156に基いて、現在位置の測位計算を実施することができる。
【0042】
図3に示すように、端末50は、端末第1記憶部110に、端末測位プログラム122を格納している。端末測位プログラム122は、端末制御部100が、測位基礎情報156に基づいて、現在位置の測位を行って測位結果情報160を生成するための情報である。この測位結果情報160には、測位位置情報160a及び信号受信時刻情報160bが含まれる。
例えば、4つのGPS衛星12a等を使用して測位することによって、端末50の3次元における位置を示す測位位置情報160a及び、信号S1等を受信した時刻を示す信号受信時刻情報160bを生成することができる。測位位置情報160aは端末測位位置情報の一例であり、信号受信時刻情報160bは信号受信時刻情報の一例である。そして、
端末測位プログラム122と端末制御部100は、端末測位結果情報生成手段の一例である。
【0043】
図3に示すように、端末50は、端末第1記憶部110に、測位基礎情報補正プログラム124を格納している。測位基礎情報補正プログラム124は、端末制御部100が、上述の信号受信時刻情報160bに基いて、測位基礎情報156に含まれる各GPS衛星12aごとの測位基礎情報を補正して補正済測位基礎情報162を生成するための情報である。すなわち、測位基礎情報補正プログラム124と端末制御部100は、測位基礎情報補正手段の一例である。補正済測位基礎情報162は、各GPS衛星12aごとの測位基礎情報をそれぞれ補正して生成される補正済メジャメントの集合(あるいは、組)の情報である。
【0044】
具体的には、端末制御部100は測位基礎情報補正プログラム124に基いて、測位位置情報160aの生成に使用した測位基礎情報のみについて、上述の信号受信時刻情報160bを付することによって補正する。
測位基礎情報は各GPS衛星12a等に対応して生成されるが、各測位基礎情報の元になる信号S1等の信号強度が不十分である場合等は、生成した測位基礎情報を測位に使用できない場合がある。そして、測位に使用できない測位基礎情報に基いて後述のように補正済測位基礎情報162を送信すると、A型サーバ20は補正済測位基礎情報162を取得したとしても、その補正済測位基礎情報162を使用して測位することができない可能性が大きい。
そこで、端末制御部100は、測位位置情報160aの生成に使用し、測位に使用できることが確認された測位基礎情報のみを補正して、補正済測位基礎情報162を生成する。
端末制御部100は、上述のようにして生成した補正済測位基礎情報162を端末第2記憶部150に格納する。
【0045】
図3に示すように、端末50は、端末第1記憶部110に、補正済測位基礎情報送信プログラム126を格納している。補正済測位基礎情報送信プログラム126は、端末制御部100が、上述のサーバ種類判断プログラム114の判断結果に基いて、A型サーバ20に対して補正済測位基礎情報162を送信するための情報である。すなわち、補正済測位基礎情報送信プログラム126と端末制御部100は、補正後測位基礎情報送信手段の一例である。
具体的には、端末制御部100は、サーバ種類判断プログラム114の判断結果が、A型サーバ20がアシステッド型のサーバであると判断した場合に、補正済測位基礎情報162を送信する。
このとき、補正済測位基礎情報162は、3個の各GPS衛星12a等の補正済測位基礎情報からなる集合(組)で足りる。各測位基礎情報は、信号受信時刻情報160bが付されているから、GPS時刻が既知である。したがって、測位計算によってGPS時刻を算出する必要がない。そのため、3次元測位をする場合であっても、4個のGPS衛星12a等は必要がなく、3個で足りる。これにより、端末50がA型サーバ20に送信する情報量が少なくて足り、A型サーバ20の測位計算も早くなる。
【0046】
ここで、GPS衛星12a等(図1参照)からの信号S1等に基づく測位にとって、信号S1等の正確な受信時刻情報は、測位の精度を高めるために必要な情報である。
この点、端末50は、補正済測位基礎情報162をA型サーバ20に送信するから、A型サーバ20自身が正確な時刻情報を生成することができない場合であっても、A型サーバ20は正確な測位を行うことができる。
そして、後述のように、端末50はA型サーバ20が補正済測位基礎情報162に基づいて生成した正確な測位位置を出力することができる。
【0047】
すなわち、端末50は端末通信部102によって、A型サーバ20が実施した補正済測位基礎情報162に基づく測位の結果であるサーバ測位位置情報164を受信する。このサーバ測位位置情報164は情報提供装置測位位置情報の一例であり、端末通信部102は情報提供装置測位位置情報取得手段の一例である。
端末通信部102によって取得したサーバ測位位置情報164は、端末制御部100によって端末第2記憶部150に格納される。
【0048】
図3に示すように、端末50は、端末第1記憶部110に、位置情報出力プログラム128を格納している。位置情報出力プログラム128は、端末制御部100が、上述のサーバ種類判断プログラム114による判断結果に基いて、端末50自身が生成した測位位置情報160a又はサーバ測位位置情報164を出力するための情報である。すなわち、位置情報出力プログラム128と端末制御部100は、測位位置情報出力手段の一例である。
【0049】
具体的には、端末制御部100は、アシストデータを送信したサーバが、アシステッド型であるA型サーバ20であると判断した場合には、サーバ測位位置情報164を例えば、図2の端末表示装置64に表示する。
これに対して、端末制御部100が、アシストデータを送信したサーバが、ベースト型であるB型サーバ40であると判断した場合には、端末50自身が生成した測位位置情報160aを例えば、図2の端末表示装置64に表示する。
このように、端末50は、上述のアシステッド型のサービスを実施するA型サーバ20とベースト型のサービスを実施するB型サーバ40の双方に対応することができる。
【0050】
図3に示すように、端末50は、端末第1記憶部110に、測位位置情報送信プログラム130を格納している。測位位置情報送信プログラム130は、端末制御部100が、測位担当情報154aがB型サーバ40が測位を行わないことを示すときに、B型サーバ40に対して端末50自身が生成した測位位置情報160aを送信するための情報である。すなわち、測位位置情報送信プログラム130と端末制御部100は、測位結果情報送信手段の一例である。
【0051】
例えば、上述のベースト型のサービスを行うB型サーバ40が、端末50が生成した測位位置情報160aを要求する場合において、端末50はB型サーバ40の要求に応じることができる。
測位位置情報160aを取得したB型サーバ40は、測位位置情報160aを端末50に対する次回のアシストデータの提供のときの基礎情報として使用することもできるし、測位位置情報160aを第三者に提供することもできる。
【0052】
以上が本実施の形態に係る測位システム10の構成であるが、以下、その動作例を主に図4を使用して説明する。
図4は本実施の形態に係る測位システム10の動作例を示す概略フローチャートである。
【0053】
図1に示すように、端末50が、A型カバー範囲Sに位置するという前提で、以下説明する。
まず、端末50は、A型サーバ20からアシストデータ154(図3参照)を受信する(ステップST1)。このステップST1は、支援情報取得ステップの一例である。
続いて、端末50は、取得したアシストデータ154に基いて、サーバの種類を判断する(ステップST2)。このステップST2は、情報提供装置種類判断ステップの一例である。具体的には、端末50は、アシストデータ154に含まれる測位担当情報154aに基いて、サーバの種類をアシステッド型であると判断する。
【0054】
続いて、端末50は、端末GPS装置50(図2参照)を起動し(ステップST3)、GPS衛星12a等(図1参照)から信号S1等を受信する(ステップST4)。このステップST4は、位置関連信号受信ステップの一例である。
続いて、端末50は、測位基礎情報156(図3参照)を生成する(ステップST5)。このステップST5は、測位基礎情報生成ステップの一例である。
【0055】
続いて、端末50は、衛星情報152(図3参照)を有するか判断し(ステップST6)、衛星情報152を有していると判断した場合には、詳細情報158(図3参照)で、GPS衛星12a等を選別する(ステップST7)。具体的には、仰角が小さい衛星や、信号強度が低い衛星を除外する。これにより、仰角が大きく、信号強度が大きいGPS衛星12a等からの信号S1のみを使用できるから、測位の精度が向上する。
【0056】
続いて、端末50は、測位基礎情報156及び衛星情報152に基いて、現在位置を測位する(ステップST8)。このステップST8は、端末測位結果情報生成ステップの一例である。ステップST8において生成される測位結果情報160(図3参照)には、測位位置情報160a及び信号受信時刻情報160bが含まれる。
【0057】
続いて、端末50は、測位に成功したか否かを判断し(ステップST9)、測位に成功したと判断した場合には、信号受信時刻情報160bに基いて測位基礎情報156を補正する(ステップST10)。具体的には、測位基礎情報156に信号受信時刻情報160bを付して補正済測位基礎情報162(図3参照)を生成する。このステップST10は、測位基礎情報補正ステップの一例である。
なお、ステップST10においては、測位結果情報160を取得するのに使用しなかった測位基礎情報は除去されている。すなわち、測位に使用するこが可能であることを確認した測位基礎情報のみを補正する。
【0058】
続いて、端末50は、補正済測位基礎情報162をA型サーバ20に送信する(ステップST11)。このステップST11は、補正後測位基礎情報送信ステップの一例である。
【0059】
続いて、端末50は、A型サーバ20からサーバ測位位置情報164(図3参照)を取得し(ステップST12)、そのサーバ測位位置情報164を端末表示装置64(図2参照)に表示して出力する(ステップST13)。このステップST12は情報提供装置測位結果情報取得ステップの一例であり、ステップST13は測位位置情報出力ステップの一例である。
【0060】
なお、端末50は、上述のステップST6において衛星情報152(図3参照)を有しないと判断した場合、及び、ステップST9において測位に成功しなかったと判断した場合には、測位基礎情報156を補正せずにA型サーバ20に送信する(ステップST14)。
補正済測位基礎情報162よりは測位精度は劣るが、A型サーバ20は測位基礎情報156を使用して測位することができる。
【0061】
以上で説明したように、端末50は、サーバの種類を判断して、その種類に応じて測位位置情報を取得することができる。
【0062】
(プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等について)
コンピュータに上述の動作例の支援情報取得ステップと、情報提供装置種類判断ステップと、位置関連信号受信ステップと、測位基礎情報生成ステップと、端末測位結果情報生成ステップと、測位基礎情報補正ステップと、補正後測位基礎情報送信ステップと、情報提供装置測位位置情報取得ステップと、測位位置情報出力ステップ等を実行させるための端末装置の制御プログラムとすることができる。
また、このような端末装置の制御プログラム等を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等とすることもできる。
【0063】
これら端末装置の制御プログラム等をコンピュータにインストールし、コンピュータによって実行可能な状態とするために用いられるプログラム格納媒体は、例えばフロッピー(登録商標)のようなフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Compact Disc−Recordable)、CD−RW(Compact Disc−Rewriterble)、DVD(Digital Versatile Disc)などのパッケージメディアのみならず、プログラムが一時的若しくは永続的に格納される半導体メモリ、磁気ディスクあるいは光磁気ディスクなどで実現することができる。
【0064】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。さらに、上述の各実施の形態は、相互に組み合わせて構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の形態に係る測位システムを示す概略図である。
【図2】端末の主なハードウエア構成等を示す概略図である。
【図3】端末の主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
【図4】測位システムの動作例を示す概略フローチャートである。
【符号の説明】
【0066】
10・・・測位システム、12a,12b,12c,12d、12e・・・GPS衛星、20・・・アシスト型サーバ、40・・・ベースト型サーバ、30・・・端末、112・・・アシストデータ要求プログラム、114・・・サーバ種類判断プログラム、116・・・衛星捕捉プログラム、118・・・測位基礎情報生成プログラム、120・・・衛星情報有無判断プログラム、122・・・端末測位プログラム、124・・・測位基礎情報補正プログラム、126・・・補正済測位基礎情報送信プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報衛星からの位置関連信号に基づく現在位置の測位結果を取得する端末装置と、
前記端末装置に対して、支援情報を提供する複数の種類の情報提供装置と、
を有する測位システムであって、
前記支援情報は前記現在位置の測位を前記情報提供装置が行うか否かを示す測位担当情報を含み、
前記端末装置は、
前記情報提供装置から前記支援情報を取得する支援情報取得手段と、
前記支援情報に含まれる前記測位担当情報に基づいて前記情報提供装置の前記種類を判断する情報提供装置種類判断手段と、
前記支援情報に基づいて、前記位置関連信号を受信する位置関連信号受信手段と、
前記位置関連信号に基づいて、測位基礎情報を生成する測位基礎情報生成手段と、
前記測位基礎情報に基づいて、現在位置の測位を行って前記位置関連信号の信号受信時刻を示す信号受信時刻情報及び端末測位位置情報を生成する端末測位結果情報生成手段と、
前記信号受信時刻情報に基づいて、前記測位基礎情報を補正して補正後測位基礎情報を生成する測位基礎情報補正手段と、
前記情報提供装置種類判断手段の判断結果に基づいて、前記情報提供装置に対して前記補正後測位基礎情報を送信する補正後測位基礎情報送信手段と、
前記情報提供装置が実施した前記補正後測位基礎情報に基づく測位の結果を示す情報提供装置測位位置情報を取得する情報提供装置測位位置情報取得手段と、
前記情報提供装置種類判断手段の判断結果に基いて、前記端末測位位置情報又は前記情報提供装置測位位置情報を出力する測位位置情報出力手段と、
を有することを特徴とする測位システム。
【請求項2】
位置情報衛星からの位置関連信号に基づく測位を前記情報提供装置が行うか否かを示す測位担当情報を含む支援情報を提供する複数の種類の情報提供装置と通信可能な端末装置であって、
前記端末装置は、
前記情報提供装置から前記支援情報を取得する支援情報取得手段と、
前記支援情報に含まれる前記測位担当情報に基づいて前記情報提供装置の前記種類を判断する情報提供装置種類判断手段と、
前記支援情報に基づいて、前記位置関連信号を受信する位置関連信号受信手段と、
前記位置関連信号に基づいて、測位基礎情報を生成する測位基礎情報生成手段と、
前記測位基礎情報に基づいて、現在位置の測位を行って前記位置関連信号の信号受信時刻を示す信号受信時刻情報及び端末測位位置情報を生成する端末測位結果情報生成手段と、
前記信号受信時刻情報に基づいて、前記測位基礎情報を補正して補正後測位基礎情報を生成する測位基礎情報補正手段と、
前記情報提供装置種類判断手段の判断結果に基づいて、前記情報提供装置に対して前記補正後測位基礎情報を送信する補正後測位基礎情報送信手段と、
前記情報提供装置が実施した前記補正後測位基礎情報に基づく測位の結果を示す情報提供装置測位位置情報を取得する情報提供装置測位位置情報取得手段と、
前記情報提供装置種類判断手段の判断結果に基いて、前記端末測位位置情報又は前記情報提供装置測位位置情報を出力する測位位置情報出力手段と、
を有することを特徴とする端末装置。
【請求項3】
前記補正後測位基礎情報送信手段は、前記測位担当情報が前記情報提供装置が測位を行うことを示すときに、前記情報提供装置に対して、前記補正後測位基礎情報を送信する構成となっていることを特徴とする請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記測位基礎情報補正手段は、前記測位結果取得手段が前記端末測位位置情報の生成に使用した前記測位基礎情報のみを補正する構成となっていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
前記測位担当情報が前記情報提供装置が測位を行わないことを示すときに、前記情報提供装置に対して前記端末測位位置情報を送信する測位位置情報送信手段を有することを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の端末装置。
【請求項6】
位置情報衛星からの位置関連信号に基づく測位を前記情報提供装置が行うか否かを示す測位担当情報を含む支援情報を提供する複数の種類の情報提供装置と通信可能な端末装置が、前記情報提供装置から前記支援情報を取得する支援情報取得ステップと、
前記端末装置が、前記支援情報に含まれる前記測位担当情報に基づいて前記情報提供装置の前記種類を判断する情報提供装置種類判断ステップと、
前記端末装置が、前記支援情報に基づいて、前記位置関連信号を受信する位置関連信号受信ステップと、
前記端末装置が、前記位置関連信号に基づいて、測位基礎情報を生成する測位基礎情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記測位基礎情報に基づいて、現在位置の測位を行って前記位置関連信号の信号受信時刻を示す信号受信時刻情報及び端末測位位置情報を生成する端末測位結果情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記信号受信時刻情報に基づいて、前記測位基礎情報を補正して補正後測位基礎情報を生成する測位基礎情報補正ステップと、
前記端末装置が、前記情報提供装置種類判断ステップにおける判断結果に基づいて、前記情報提供装置に対して前記補正後測位基礎情報を送信する補正後測位基礎情報送信ステップと、
前記端末装置が、前記情報提供装置が実施した前記補正後測位基礎情報に基づく測位の結果である情報提供装置測位位置情報を取得する情報提供装置測位位置情報取得ステップと、
前記端末装置が、前記情報提供装置種類判断ステップにおける判断結果に基いて、前記端末測位位置情報又は前記情報提供装置測位位置情報を出力する測位位置情報出力ステップと、
を有することを特徴とする端末装置の制御方法。
【請求項7】
コンピュータに、
位置情報衛星からの位置関連信号に基づく測位を前記情報提供装置が行うか否かを示す測位担当情報を含む支援情報を提供する複数の種類の情報提供装置と通信可能な端末装置が、前記情報提供装置から前記支援情報を取得する支援情報取得ステップと、
前記端末装置が、前記支援情報に含まれる前記測位担当情報に基づいて前記情報提供装置の前記種類を判断する情報提供装置種類判断ステップと、
前記端末装置が、前記支援情報に基づいて、前記位置関連信号を受信する位置関連信号受信ステップと、
前記端末装置が、前記位置関連信号に基づいて、測位基礎情報を生成する測位基礎情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記測位基礎情報に基づいて、現在位置の測位を行って前記位置関連信号の信号受信時刻を示す信号受信時刻情報及び端末測位位置情報を生成する端末測位結果情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記信号受信時刻情報に基づいて、前記測位基礎情報を補正して補正後測位基礎情報を生成する測位基礎情報補正ステップと、
前記端末装置が、前記情報提供装置種類判断ステップにおける判断結果に基づいて、前記情報提供装置に対して前記補正後測位基礎情報を送信する補正後測位基礎情報送信ステップと、
前記端末装置が、前記情報提供装置が実施した前記補正後測位基礎情報に基づく測位の結果である情報提供装置測位位置情報を取得する情報提供装置測位位置情報取得ステップと、
前記端末装置が、前記情報提供装置種類判断ステップにおける判断結果に基いて、前記端末測位位置情報又は前記情報提供装置測位位置情報を出力する測位位置情報出力ステップと、
を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラム。
【請求項8】
コンピュータに、
位置情報衛星からの位置関連信号に基づく測位を前記情報提供装置が行うか否かを示す測位担当情報を含む支援情報を提供する複数の種類の情報提供装置と通信可能な端末装置が、前記情報提供装置から前記支援情報を取得する支援情報取得ステップと、
前記端末装置が、前記支援情報に含まれる前記測位担当情報に基づいて前記情報提供装置の前記種類を判断する情報提供装置種類判断ステップと、
前記端末装置が、前記支援情報に基づいて、前記位置関連信号を受信する位置関連信号受信ステップと、
前記端末装置が、前記位置関連信号に基づいて、測位基礎情報を生成する測位基礎情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記測位基礎情報に基づいて、現在位置の測位を行って前記位置関連信号の信号受信時刻を示す信号受信時刻情報及び端末測位位置情報を生成する端末測位結果情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記信号受信時刻情報に基づいて、前記測位基礎情報を補正して補正後測位基礎情報を生成する測位基礎情報補正ステップと、
前記端末装置が、前記情報提供装置種類判断ステップにおける判断結果に基づいて、前記情報提供装置に対して前記補正後測位基礎情報を送信する補正後測位基礎情報送信ステップと、
前記端末装置が、前記情報提供装置が実施した前記補正後測位基礎情報に基づく測位の結果である情報提供装置測位位置情報を取得する情報提供装置測位位置情報取得ステップと、
前記端末装置が、前記情報提供装置種類判断ステップにおける判断結果に基いて、前記端末測位位置情報又は前記情報提供装置測位位置情報を出力する測位位置情報出力ステップと、
を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−38734(P2006−38734A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−221409(P2004−221409)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】