説明

測位環境情報生成装置、測位環境情報生成方法、測位環境情報生成装置の制御プログラム及び測位環境情報生成装置の制御プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】航空写真を必要とせず、衛星電波の不到達以外の障害についての情報も提供することができる測位環境情報生成装置等を提供すること。
【解決手段】測位環境情報生成装置20は、経路情報と、構造物情報を含む地図情報と、経路情報と測位環境情報生成範囲情報に基づいて、測位環境情報生成範囲における経路である対象範囲経路を示す対象範囲経路情報を生成する対象範囲経路情報生成手段と、構造物情報と対象範囲経路情報に基づいて、対象範囲経路における測位の障害となる構造物である測位障害物を抽出して測位障害物情報を生成する測位障害物情報生成手段と、測位障害物情報に基づいて、対象範囲経路における測位端末16の測位の環境を示す測位環境情報を生成する測位環境情報生成手段等を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測位環境情報生成装置、測位環境情報生成方法、測位環境情報生成装置の制御プログラム及び測位環境情報生成装置の制御プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、位置情報衛星を使用する衛星航法システムである例えば、GPS(Global Positioning System)を利用してGPS受信機の現在位置を測位する測位システムが実用化されている。ところが、GPS衛星からの信号の信号強度が低い場所においては、現在位置の測位ができないという測位障害が発生する場合がある。また、GPS衛星からの信号が例えば、建物に反射してGPS受信機に到達する結果、現在位置の測位結果の誤差が大きくなる(いわゆる、マルチパス)という測位障害が発生する場合がある。
ここで、GSP受信機が、上述の測位障害についての情報を予め取得していれば、そのような場所においては例えば、駆動を停止する等の制御をすることによって、無駄な電力消費を避けること等ができる。
この点、GPS衛星からの信号が到達しない地域を明確にするために、航空写真を利用してGPS衛星からの見通し領域を算出する衛星見通し地図作成方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開平5−46077号公報(図1等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来技術においては、GPS衛星からの見通し領域を算出するために航空写真を必要とするため航空写真コストがかかる。また、衛星見通し地図によって、GPS衛星からの信号が到達しない領域を知ることができるが、GPS受信機による測位の障害は、GPS衛星からの信号が到達しないことに限らず例えば、いわゆるマルチパスの問題もあり、従来技術ではこのような問題を解決することはできない場合がある。
【0004】
そこで、本発明は、航空写真を必要とせず、衛星電波の不到達以外の障害についての情報も提供することができる測位環境情報生成装置、測位環境情報生成方法、測位環境情報生成装置の制御プログラム及び測位環境情報生成装置の制御プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的は、第1の発明によれば、位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置を測位する測位端末に提供するための測位環境情報を生成する測位環境情報生成装置であって、前記測位環境情報生成装置は、経路を示す経路情報と、環境構成物を示す環境構成物情報を含む地図情報を格納する地図情報格納手段と、前記地図情報に示される領域のうち前記測位環境情報を生成する対象となる範囲を示す測位環境情報生成範囲情報を生成する測位環境情報生成範囲情報生成手段と、前記経路情報と前記測位環境情報生成範囲情報に基づいて、前記測位環境情報生成範囲における前記経路である対象範囲経路を示す対象範囲経路情報を生成する対象範囲経路情報生成手段と、前記環境構成物情報と前記対象範囲経路情報に基づいて、前記対象範囲経路における前記測位の障害となる前記環境構成物である測位障害物を抽出して測位障害物情報を生成する測位障害物情報生成手段と、前記測位障害物情報に基づいて、前記対象範囲経路における前記測位端末の前記測位の環境を示す測位環境情報を生成する測位環境情報生成手段と、を有することを特徴とする測位環境情報生成装置により達成される。
【0006】
第1の発明の構成によれば、前記測位環境情報生成装置は、前記地図情報に示される領域のうち前記測位環境情報を生成する対象となる範囲を示す測位環境情報生成範囲情報を生成する。ここで、前記地図情報は、航空写真によって生成される必要はない。
そして、前記測位環境情報生成装置は、前記測位環境情報生成範囲の前記経路である対象範囲経路における前記測位の障害となる環境構成物である測位障害物を抽出して測位障害物情報を生成する。ここで、環境構成物とは前記位置情報衛星からの前記位置関連信号に影響を与えうるすべてものを意味する。これは、前記測位端末から見ると、前記測位の環境に影響するすべてのものを意味する。前記環境構成物は例えば、ビル、家屋などの建物、トンネル、橋梁などの構造物のほか、山や川などの自然物も含む。これらの環境構成物の中には、前記測位端末の測位の障害になるもの(測位障害物)が含まれている。
前記測位障害物は、前記位置情報衛星からの前記位置関連信号の不到達の要因となるものに限らず例えば、前記位置関連信号が前記環境構成物に反射して前記測位端末に到達する、いわゆるマルチパス等の障害の要因となるものも含む。
そして、前記測位環境情報生成装置は、前記測位障害物情報に基づいて、前記対象範囲経路における前記測位端末の測位の環境を示す測位環境情報を生成することができる。
これにより、航空写真を必要とせず、衛星電波の不到達以外の障害についての情報も提供することができる前記測位環境情報生成装置を提供することができる。
【0007】
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記測位障害物の詳細情報を格納する測位障害物詳細情報格納手段を有し、前記測位障害物情報生成手段は、各前記測位障害物に対応する前記測位障害物詳細情報を含む前記測位障害物情報を生成する構成を有することを特徴とする。
【0008】
前記測位障害物である例えば、トンネルは、一般にその内部においては前記位置情報衛星から前記位置関連信号を受信することは困難である。しかし、トンネルはその長さ等によって、前記位置情報衛星からの前記位置関連信号をそのトンネルの中において受信できるか否かが異なる。従って、前記測位端末の測位の障害となるか否かを確実に判断するためには、単にトンネルであるという情報だけではなくて、そのトンネルの長さ等の詳細情報が必要である。
この点、第2の発明の構成によれば、前記測位障害物情報生成手段は、前記測位障害物情報に示される例えば、トンネルに対応する前記測位障害物詳細情報である例えば、そのトンネルの長さは70メートル(m)であるという情報を含む前記測位障害物情報を生成する。
このため、前記測位端末の測位の障害となるか否かを確実に判断することができる。
【0009】
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明の構成において、前記測位環境情報は、前記測位端末が前記位置情報衛星からの位置関連信号を測位可能な信号強度で受信することができる可能性を示す受信可能性情報を含むことを特徴とする。
【0010】
第3の発明の構成によれば、前記環境情報生成装置は、前記受信可能性情報を含む前記測位環境情報を生成することができる。
【0011】
第4の発明は、第1の発明乃至第3の発明のいずれかの構成において、前記測位環境情報は、前記位置情報衛星からの位置関連信号が前記測位端末に到達する前に前記環境構成物によって反射する可能性を示す位置関連信号反射情報を含むことを特徴とする。
【0012】
第4の発明の構成によれば、前記環境情報生成装置は、前記位置関連信号反射情報を含む前記測位環境情報を生成することができる。前記位置関連信号反射情報は例えば、上述のマルチパスに関する情報である。
【0013】
第5の発明は、第1の発明乃至第4の発明のいずれかの構成において、前記測位環境情報は、前記測位の障害の種類を示す障害種類情報及び/又は前記測位の障害の程度を示す障害程度情報を含むことを特徴とする。
【0014】
前記測位の障害の種類には例えば、前記位置関連信号を受信できない電波不到達や
上述のマルチパス等、様々な種類がある。
また、例えば、マルチパスであっても、前記測位端末の測位の障害となる程度は様々である。
この点、第5の発明の構成によれば、前記測位の障害の種類を示す障害種類情報及び/又は前記測位の障害の程度を示す障害程度情報を含むから、前記環境情報生成装置は、前記測位端末に対して、前記測位端末が前記測位の障害の種類及び/又は程度に対応して測位の開始、停止、マルチパスの除去等の制御を行うための情報を提供することができる。
【0015】
第6の発明は、第1の発明乃至第5の発明のいずれかの構成において、測位性能が異なる複数の前記測位端末の測位性能を示す測位性能情報を格納する測位性能情報格納手段と、前記測位性能情報と前記測位環境情報に基づいて、各前記測位端末の測位に与える影響を示す測位環境悪化影響情報を生成する測位環境悪化影響情報生成手段と、を有することを特徴とする。
【0016】
前記測位障害物が前記測位端末の測位に与える影響は、前記測位端末の測位性能によって異なる。例えば、前記位置関連衛星からの前記位置関連信号が微弱な場合、微弱な前記位置関連信号を受信することができる測位性能を有する前記測位端末であれば、その微弱な前記位置関連信号を受信して現在位置を測位することが可能である。これに対して、強度が大きい位置関連信号だけを受信することができる測位性能を有する前記測位端末であれば、その微弱な前記位置関連信号を受信して現在位置を測位することは不可能である。
この点、第6の発明の構成によれば、前記測位性能情報と前記測位環境情報に基づいて、各前記測位端末の測位に与える影響を示す測位環境悪化影響情報を生成するから、前記測位端末の性能に応じて前記測位環境悪化影響情報を提供することができる。
これにより、前記測位環境悪化影響情報を取得した前記測位端末は、前記測位環境及び前記測位性能に基づいて、測位の開始、停止、マルチパスの除去等の制御を行うことができる。
【0017】
前記目的は、第7の発明によれば、位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置を測位する測位端末に提供するための測位環境情報を生成する測位環境情報生成装置が、地図情報に基づいて、前記測位環境情報を生成する対象となる測位環境情報生成範囲を示す測位環境情報生成範囲情報を生成する測位環境情報生成範囲情報生成ステップと、前記測位環境情報生成装置が、前記地図情報に含まれる経路を示す経路情報と前記測位環境情報生成範囲情報に基づいて、測位環境情報生成範囲内の前記経路である対象範囲経路を示す対象範囲経路情報を生成する対象範囲経路情報生成ステップと、前記測位環境情報生成装置が、前記地図情報に含まれる環境構成物を示す環境構成物情報と前記対象経路情報に基づいて、前記対象範囲経路における前記測位の障害となる環境構成物である測位障害物を抽出して測位障害物情報を生成する測位障害物情報生成ステップと、前記測位環境情報生成装置が、前記測位障害物情報に基づいて、前記測位障害物によって発生する前記対象範囲経路における前記測位端末の測位の障害の種類及び程度を示す測位環境情報を生成する測位環境情報生成ステップと、を有することを特徴とする測位環境情報生成方法によって達成される。
【0018】
第7の発明の構成によれば、第1の発明の構成と同様に、航空写真を必要とせず、衛星電波の不到達以外の障害についての情報も対応できる前記測位環境情報生成方法を提供することができる。
【0019】
第8の発明は、第7の発明の構成において、前記測位環境情報生成装置が、測位性能が異なる複数の前記測位端末の測位性能を示す測位性能情報を取得する測位性能情報取得ステップと、前記測位環境情報生成装置が、前記測位性能情報と前記測位環境情報に基づいて、各前記測位端末の測位に与える影響を示す測位環境悪化影響情報を生成する測位環境悪化影響情報生成ステップと、を有することを特徴とする。
【0020】
第8の発明の構成によれば、第6の発明の構成と同様に、前記測位端末の性能に応じて測位環境悪化影響情報を提供することができる。
【0021】
前記目的は、第9の発明によれば、コンピュータに、位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置を測位する測位端末に提供するための測位環境情報を生成する測位環境情報生成装置が、地図情報に基づいて、前記測位環境情報を生成する対象となる測位環境情報生成範囲を示す測位環境情報生成範囲情報を生成する測位環境情報生成範囲情報生成ステップと、前記測位環境情報生成装置が、前記地図情報に含まれる経路を示す経路情報と前記測位環境情報生成範囲情報に基づいて、測位環境情報生成範囲内の前記経路である対象範囲経路を示す対象範囲経路情報を生成する対象範囲経路情報生成ステップと、前記測位環境情報生成装置が、前記地図情報に含まれる環境構成物を示す環境構成物情報と前記対象経路情報に基づいて、前記対象範囲経路における前記測位の障害となる環境構成物である測位障害物を抽出して測位障害物情報を生成する測位障害物情報生成ステップと、前記測位環境情報生成装置が、前記測位障害物情報に基づいて、前記測位障害物によって発生する前記対象範囲経路における前記測位端末の測位の障害の種類及び程度を示す測位環境情報を生成する測位環境情報生成ステップと、を実行させることを特徴とする測位環境情報生成装置の制御プログラムによって達成される。
【0022】
前記目的は、第10の発明によれば、コンピュータに、位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置を測位する測位端末に提供するための測位環境情報を生成する測位環境情報生成装置が、地図情報に基づいて、前記測位環境情報を生成する対象となる測位環境情報生成範囲を示す測位環境情報生成範囲情報を生成する測位環境情報生成範囲情報生成ステップと、前記測位環境情報生成装置が、前記地図情報に含まれる経路を示す経路情報と前記測位環境情報生成範囲情報に基づいて、測位環境情報生成範囲内の前記経路である対象範囲経路を示す対象範囲経路情報を生成する対象範囲経路情報生成ステップと、前記測位環境情報生成装置が、前記地図情報に含まれる環境構成物を示す環境構成物情報と前記対象経路情報に基づいて、前記対象範囲経路における前記測位の障害となる環境構成物である測位障害物を抽出して測位障害物情報を生成する測位障害物情報生成ステップと、前記測位環境情報生成装置が、前記測位障害物情報に基づいて、前記測位障害物によって発生する前記対象範囲経路における前記測位端末の測位の障害の種類及び程度を示す測位環境情報を生成する測位環境情報生成ステップと、を実行させることを特徴とする測位環境情報生成装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例である為、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0024】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る測位環境情報生成装置である例えば、サーバ20等を示す概略図である。サーバ20は、位置情報衛星である例えば、GPS衛星12a,12b,12c及び12dからの位置関連信号である例えば、信号S1,S2,S3及びS4に基づいて現在位置を測位する測位端末である例えば、端末16に提供するための測位環境情報160(図3参照)を生成するための装置である。端末16は、上述の測位を実行するためのGPS装置17を有する。後述するように、測位環境情報160(図3参照)は例えば、以下に説明する測位の障害の種類及び/又は程度を示す情報である。
【0025】
図1に示すように、端末16を保持する甲の通行路Xの周辺には、ビル13及び14があり、GPS衛星12a等からの信号S1がビル13等に反射してGPS装置17に到達する、マルチパスと呼ばれる測位障害が発生する可能性がある。また、通行路Xにはトンネル15があり、トンネル15の内部にはGPS衛星12a等からの信号S1等が到達せず、GPS装置17が信号S1等を受信できない(電波不到達)という測位障害が発生する可能性がある。上述の、マルチパス及び電波不到達は、測位の障害の1例である。マルチパス等を発生させるビル13等は測位障害物の1例である。
【0026】
端末16が予め、測位環境情報160(図3参照)を取得していれば例えば、トンネル15に侵入する前にGPS装置17の駆動を停止して、無駄な電力消費を避ける等の制御をすることができる。
サーバ20は、通信の仲介基地である例えば、基地局18、及び、通信網である例えば、インターネット網19を介して端末16と通信可能であり、上述の測位環境情報160(図3参照)を端末16に提供することができるように構成されている。
なお、GPS衛星12a等は4個に限らず、3個でもよいし、5個以上でもよい。
【0027】
(サーバ20のハードウエア構成について)
図2はサーバ20の主なハードウエア構成を示す概略図である。
図2に示すように、サ−バ20は、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス22を有する。
このバス22には、CPU(Central Processing Unit)24、記憶装置26等が接続されている。記憶装置26は例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等である。
【0028】
また、このバス22には、外部記憶装置28が接続されている。外部記憶装置28は例えば、HD(Hard Disk)である。
さらに、このバス22には、各種情報等を入力するための入力装置30、各種情報を表示するための表示装置32、図1の基地局18及びインターネット網19を介して端末16と通信するための通信装置34が接続されている。
【0029】
(サーバ20のソフトウエア構成について)
図3は、サーバ20の主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
図3に示すように、サーバ20は、各部を制御するサーバ制御部100を有する。
また、サーバ20は、図2の入力装置30に対応する入力部102、図2の表示装置32に対応する表示部104、図2の通信装置34に対応する通信部106を有する。
【0030】
また、サーバ20は、図3に示すように、各種プログラムを格納する第1記憶部110、各種情報を予め格納している第2記憶部130、サーバ20が取得又は生成した情報を格納する第3記憶部150を有する。
【0031】
図3に示すように、サーバ20は、第2記憶部130に地図情報132を格納している。地図情報132は図1の通行路X等の経路を示す経路情報132aと、図1のビル13等の構造物を示す構造物情報132bを含む。ここで、ビル13等の構造物は、環境構成物の1例である。構造物情報132bは環境構成物情報の1例である。そして、地図情報132は地図情報の1例であり、第2記憶部130は地図情報格納手段の1例である。
【0032】
上述の経路情報132aは、国道、県道、市道、私道等の経路を示す情報である。
構造物情報132bは、図1のビル13等、トンネル15のほかに、高圧線、商店街などの構造物を示す情報である。
この構造物情報132bには、トンネル15等のように、図1の端末16の測位の障害になり得るものだけではなく、例えば、高さ10メートル(m)以内の家屋等のように、端末16の測位の障害にならないものも含まれる。
【0033】
図4は、測位障害物カテゴリ情報134の1例等を示す図である。
上述の、端末16の測位の障害になり得るものは、測位障害物カテゴリに分類されている(図4(a))参照。この測位障害物カテゴリ情報134の詳細については、後述する。
【0034】
図3に示すように、第3記憶部150には、生成対象範囲情報152が格納されている。生成対象範囲情報152は、測位環境情報160を生成する範囲を示す情報であり、入力部102を介してサーバ20の図示しない使用者から取得する情報である。すなわち、生成対象範囲情報152は測位環境情報生成範囲情報の1例であり、第3記憶部150は測位環境情報生成範囲情報格納手段の1例である。
【0035】
上述の生成対象範囲情報152は、地図情報132に示される領域から選択される地域を示す情報であり例えば、東京都中央区、東京都、九州、日本全国、アメリカ合衆国カリフォルニア州等の地理的範囲を示す情報である。
なお、本実施の形態とは異なり、生成対象範囲情報152は、特定の地点を中心とする一定の半径である例えば、30キロメートル(km)以内の範囲を示す情報であってもよい。
【0036】
図3に示すように、サーバ20は第1記憶部110に、通行可能路情報生成プログラム112を格納している。通行可能路情報生成プログラム112は、サーバ制御部100が、経路情報132aと生成対象範囲情報152に基づいて、生成対象範囲情報152に示される例えば、東京都中央区の範囲における道路等の経路を示す通行可能路情報154を生成するための情報である。この道路等の経路は、測位環境情報160の生成の対象となる経路(対象経路)である。通行可能路情報154は、後述の地図ベクトルレイヤ200(図5参照)を示す情報である。
上述の、通行可能路情報生成プログラム112とサーバ制御部100は、対象経路情報生成手段の1例である。
【0037】
図5は、地図ベクトルレイヤ200等を示す概略図である。
通行可能路情報154は例えば、図5の地図ベクトルレイヤ200を示す情報である。
地図ベクトルレイヤ200には、通行可能路202が示されている。通行可能路202は例えば、リンク202a,202b,202c,202d及び202eという単位に分割されている。この地図ベクトルレイヤ200は例えば、緯度、経度、標高からなる座標(以後、基準座標と呼ぶ)に基づいて生成されている。
サーバ制御部100は、生成した通行可能路情報154(地図ベクトルレイヤ200)を第3記憶部150に格納する。
【0038】
サーバ20は、図3に示すように、構造物情報生成プログラム114を有する。構造物情報生成プログラム114は、サーバ制御部100が、構造物情報132bと通行可能路情報154に基づいて、図5の通行可能路202における図1の端末16の測位に影響を与え得る範囲(以後、測位影響範囲と呼ぶ)である例えば、通行可能路202からの距離が200メートル(m)以内に存在するビル13等の構造物を示す対象範囲構造物情報156を生成するための情報である。
この対象範囲構造物情報156には、トンネル15等のように、図1の端末16の測位の障害になり得るものだけではなく、例えば、平屋の家屋等のように、端末16の測位の障害にならないものも含まれる。
サーバ制御部100は、生成した対象範囲構造物情報156を第3記憶部150に格納する。
【0039】
図3に示すように、サーバ20は、第1記憶部110に測位障害物情報生成プログラム116を格納している。測位障害物情報生成プログラム116は、サーバ制御部100が、対象範囲構造物情報156に基づいて例えば、図5の通行可能路202における図1の端末16の測位の障害となる構造物である測位障害物を抽出して測位障害物情報158を生成するための情報である。すなわち、障害物情報生成プログラム114とサーバ制御部100は、測位障害物情報生成手段の1例である。
【0040】
サーバ制御部100は、測位障害物情報生成プログラム116に基づいて、対象範囲構造物情報156に示される構造物である例えば、図1のビル13等が、上述の測位障害物であるか否かを判断する。具体的には、サーバ制御部100は、ビル13等が図3の第2記憶部130に格納されている測位障害物カテゴリ情報134に示される測位障害物カテゴリに属するか否かを判断する。そして、サーバ制御部100は、ビル13等が、測位障害物カテゴリのいずれかに属するときには、図3の測位障害物詳細情報136を参照して、測位障害物情報158を生成する。
【0041】
上述のように、図4は、測位障害物カテゴリ情報134の1例等を示す概略図である。
図4(a)に示すように、測位障害物カテゴリは例えば、電波強度低下カテゴリ134a及びマルチパス発生カテゴリ134bを含む。
電波強度低下カテゴリ134aは、GPS衛星12a等からの信号S1等の信号強度を低下させる可能性がある測位障害物が属するカテゴリである。
マルチパス発生カテゴリ134bは、図1のGPS衛星12a等からの信号S1等を測位端末16に到達する前に反射させる可能性がある測位障害物が属するカテゴリである。
図4(a)に示すように、ビル13は、マルチパス発生カテゴリ134bに属し、トンネル15は電波強度低下カテゴリ134aに属する。
【0042】
図3に示すように、サーバ20は、第2記憶部130に、測位障害物の詳細情報を示す測位障害物詳細情報136を格納している。すなわち、第2記憶部は、測位障害物詳細情報格納手段の1例である。測位障害物詳細情報136は、ビル13等の高さ、トンネル15の開口面積及び長さ等の、個々の測位障害物の詳細を示す情報である。
測位障害物である例えば、トンネル15は、その長さ等によって、そのトンネルの中において信号S1等を受信できる程度が異なる。従って、図1の端末16の測位の障害となるか否かを確実に判断するためには、単にトンネルであるという情報だけではなくて、そのトンネルの長さ等の詳細情報が必要となる。
この点、サーバ20は、測位障害物詳細情報136を有しているから例えば、図1のトンネル15が、端末16の測位の障害となるか否かを確実に判断することができる。
【0043】
サーバ制御部100は、ビル13等の各測位障害物と対応する測位障害物詳細情報136に基づいて、測位障害物情報158を生成する。測位障害物情報158は具体的には、緯度及び経度及び標高で規定される座標に対応しており、図5の地図オブジェクトレイヤ220を示す情報である。この地図オブジェクトレイヤ220は、上述の地図ベクトルレイヤ200と共通の基準座標に基づいて生成される。
サーバ制御部100は生成した測位障害物情報158(地図オブジェクトレイヤ220)を第3記憶部150に格納する。
【0044】
図3に示すように、サーバ20は、第1記憶部110に、測位環境情報生成プログラム118を格納している。測位環境情報生成プログラム118は、サーバ制御部100が、測位障害物情報158に基づいて、測位障害物である例えば、図1のビル13等が、図5の経路202における図1の端末16の測位の障害の種類及び/又は程度を示す測位環境情報160を生成するための情報である。すなわち、測位環境情報生成プログラム118とサーバ制御部100は、測位環境情報生成手段の1例である。測位環境情報160は、図5の測位環境レイヤ240を示す情報である。この測位環境レイヤ240は、上述の地図ベクトルレイヤ200及び地図オブジェクトレイヤ220と共通の、基準座標に基づいて生成される。
具体的には、サーバ制御部100は、測位環境情報生成プログラム118に基づいて、図3の測位可能路情報154が示す地図ベクトルレイヤ200の各リンク202aごとに、測位環境情報160を生成する。
【0045】
図4(b)は、測位環境情報生成プログラム118の1例を示す図である。
図4(b)に示すように、測位環境情報生成プログラム118は例えば、電波強度低下カテゴリ134aの測位障害物であるトンネルについては、サーバ制御部100が、開口面積Sとトンネル長さLを考慮項目として、S/(2×L)≦1.0を満たせば測位不可能と判断するという判断方法に従って測位環境情報160を生成するための情報である。
例えば、サーバ制御部100は、測位環境情報生成プログラム118に基づいて、測位障害物情報158に示される例えば、図1のトンネル15が測位障害物であるトンネルに属すると判断し、測位障害物情報158(図3参照)に含まれるトンネル15の詳細情報である開口面積Sとトンネル長さLによって、S/(2×L)≦1.0を満たすか否かを判断する。
【0046】
すなわち、図5の地図ベクトルレイヤ200のリンク202aの測位影響範囲内に位置するトンネル15は、開口面積Sが50平方メートル(m)であり、長さが50メートル(m)である。サーバ制御部100は、図6の測位環境情報生成プログラム118に基づいて、トンネル15についてS/(2×L)≦1.0を満たすことを確認する。そして、サーバ制御部100は、測位不可能であることを示す測位不可能情報を内容とする測位環境情報160を生成する。ここで、S/(2×L)≦1.0を満たす場合には、図1のGPS衛星12a等からの信号S1等の電波強度が例えば、160デシベルメートル(dBm)以下であって、測位可能な信号強度で信号S1等を受信できないと想定している。
つまり、測位不可能情報は、端末16がGPS衛星12a等からの信号S1等を測位可能な信号強度で受信することが不可能であることを示す情報である。この測位不可能情報は、受信可能性情報の1例である。
なお、測位環境情報160は、測位が不可能であるか否かを示すだけではなく、例えば、S/(2×L)の値によって、受信可能な電波強度を算出して、その電波強度も示す情報も含む。すなわち、測位環境情報160には、測位障害の程度を示す情報も含む。
【0047】
また、例えば、図5の地図ベクトルレイヤ200のリンク202cの測位影響範囲内に位置するビル13は高さ10メートル(m)、ビル131は高さ30メートル(m)、ビル132は高さ8メートル(m)である。これらのビル13等は図4に示すように、マルチパス発生カテゴリ134bに属する。サーバ制御部100は、図4の測位環境情報生成プログラム118に基づいて、ビル13、ビル131及びビル132がリンク202cから半径30メートル(m)以内に密集していれば、マルチパスの強度が最大のレベル3であると判断する。
ビル13等が半径30メートル(m)以内に密集していないとしても例えば、ビル131が6階建て以上であれば、レベル3であると判断する。
さらに、ビル13等の密集率が低く、高さも低い場合であっても例えば、ビル13の表面の材質が鏡面状のミラーガラスであれば、レベル3であると判断し、マルチパスレベルがレベル3であることを示すマルチパス発生情報を内容とする測位環境情報160を生成する。
マルチパス発生情報には、上述のようにマルチパスレベルを示すマルチパスレベル情報を含む。すなわち、マルチパス発生情報には、測位障害の程度を示す情報も含む。
ここで、マルチパス発生情報は、図1のGPS衛星12a等からの信号S1等が端末16に到達する前にビル13等によって反射することを示す情報である。すなわち、マルチパス発生情報は、位置関連信号反射情報の1例である。
【0048】
また、例えば、図5の地図ベクトルレイヤ200のリンク202dの測位影響範囲内に位置する商店228は、壁面に対するガラス窓の占有率が60パーセント(%)である。サーバ制御部100は、図4の測位環境情報生成プログラム118に基づいて、商店228の壁面に対するガラス窓の占有率α(%)が70パーセント(%)以下であると判断し、測位不可能であるという測位環境情報160を生成する。
【0049】
上述のように、測位環境情報160は、測位の障害となる種類を示す例えば、測位不可能情報とマルチパス発生情報を含む。
また、測位環境情報160は、測位の障害の程度を示す例えば、マルチパスレベル情報を含む。
【0050】
図6は、測位環境情報の1例を示す図である。
図6に示すように、測位環境情報160は例えば、通行可能路リンク202a等ごとに生成され、測位可能か否か、電波強度、マルチパスレベルを示す。また、上述のように、この測位環境情報160は図5の測位環境レイヤ240を示す情報である。
サーバ制御部100は、上述のようにして生成した測位環境情報160(測位環境レイヤ240)を第3記憶部150に格納する。
【0051】
以上に説明したように、サーバ20は、航空写真を使用せずに、測位環境情報160を生成することができる。
すなわち、サーバ20は、航空写真を必要とせず、衛星電波の不到達以外の障害についての情報も提供することができる。
【0052】
(本実施の形態のサーバ20の動作例等について)
以上のように、サーバ20は構成されるが、以下その動作例を説明する。
図7はサーバ20の動作例を示す概略フローチャートである。
【0053】
まず、サーバ20は、図3の測位環境情報162(図5の測位環境レイヤ240)を生成する対象となる地理的範囲を示す生成対象範囲情報152(図3参照)を生成する(図7のステップST1)。すなわち、ステップST1は、測位環境情報生成範囲情報生成ステップの1例である。生成対象範囲情報152に示される地理的範囲は例えば、特定の地点を中心とした半径が例えば、30キロメートル(km)の円内の領域である。
【0054】
続いて、サーバ20は、経路情報132a(図3参照)と生成対象範囲情報152に基づいて、生成対象範囲情報152に示される地理的範囲内の経路を示す通行可能路情報154(図5の地図ベクトルレイヤ200)を生成する(ステップST2)。すなわち、ステップST2は、対象経路情報生成ステップの1例である。
【0055】
続いて、サーバ20は、構造物情報132b(図3参照)と通行可能路情報154に基づいて、通行可能路202における測位影響範囲である例えば、200メートル(m)以内に構造物があるか否かを判断する(ステップST3)。
該当する構造物がある場合には、サーバ20は、当該構造物が測位障害物か否かを判断し(ステップST4)、当該構造物が測位障害物であると判断した場合には、当該測位障害物に対応する図3の測位障害物詳細情報を含む測位障害物情報158を生成する(ステップST5)。
上述のステップST4乃至ステップST5は、測位障害物情報生成ステップの1例である。
測位障害物情報158は、具体的には、図5の地図オブジェクトレイヤ220を示す情報である。
【0056】
続いて、サーバ20は、測位障害物情報158(地図オブジェクトレイヤ220)に基づいて、測位障害物によって発生する通行可能路202(図5参照)における図1の端末16の測位の障害の種類及び程度を示す測位環境情報160(図3及び図6参照)を生成する(ステップST6)。すなわち、ステップST6は、測位環境情報生成ステップの1例である。
ステップST6においては、具体的には、サーバ20は、測位障害物である例えば、ビル13等を、測位環境障害物カテゴリ(図4参照)であるマルチパス発生カテゴリ134b等ごとに処理し、測位環境情報160を生成する。
以上に説明したように、サーバ20は、航空写真を必要とせず、衛星電波の不到達以外の障害についての情報を含む測位環境情報160を生成することができる。
【0057】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態におけるサーバ21(図1参照)の構成は、上記第1の実施形態のサーバ20と多くの構成が共通するため共通する部分は同一の符号等とし、説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
【0058】
図8は、サーバ21の主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
図9は、測位端末性能情報136(図8参照)の1例等を示す図である。
図8に示すように、サーバ21は、第2記憶部130に、測位端末性能情報138を格納している。測位端末性能情報138は、図9(a)に示すように、測位性能が異なる複数の測位端末の機種である例えば、機種A及び機種Bの測位性能を示す情報である。すなわち、測位端末性能情報138は、測位性能情報の1例である。そして、第2記憶部130は、測位性能情報格納手段の1例である。
図9(a)に示すように、測位端末性能情報138は例えば、機種Aの最大感度として、マイナス150デシベルメートル(−150dBm)以上の電波強度の信号S1等(図1参照)を受信して測位することが可能であることを示している。また、機種Aのマルチパス耐性として、マルチパスレベルについては、レベル3であっても測位可能であることを示している。
図9(a)に示すように、最大感度及びマルチパス耐性のいずれについても、機種Aと機種Bでは、測位性能が異なる。
【0059】
図8に示すように、サーバ21は、第1記憶部110に、測位端末性能情報取得プログラム122を格納している。測位端末性能情報取得プログラム122は、サーバ制御部100が、第2記憶部130に格納している測位端末性能情報138から測位環境情報160を提供する端末16に対応する機種の情報を取得する測位端末性能情報取得ステップを実施するための情報である。
なお、サーバ21は、図8の通信部106によって、図1の基地局18及びインターネット網19を介して端末16から機種に関する情報を取得する。
【0060】
図8に示すように、サーバ21は、環境悪化影響度情報生成プログラム124を有する。環境悪化影響度情報生成プログラム124は、サーバ制御部100が、測位端末性能情報138(図8及び図9(a)参照)と測位環境情報160(図8参照)に基づいて、端末16の測位に与える影響を示す測位環境悪化影響度情報164(図8参照)を生成する測位環境悪化影響度情報生成ステップを実施するための情報である。
すなわち、環境悪化影響度情報生成プログラム124とサーバ制御部100は、測位環境悪化影響情報生成手段の1例である。
【0061】
図9(b)及び図9(c)は、個別環境情報160a等の1例を示す図である。
図9(b)に示すように、測位環境悪化影響度情報164aは、図5の通行可能路202の各リンク202aごとの測位環境が、端末16が機種Aである場合に測位に与える影響を示す情報である。
例えば、通行可能リンク202dにおいては、電波強度がマイナス150デシベルメートル(−150dBm)なので、図9(a)に示すように最大感度がマイナス150デシベルメートル(−150dBm)である機種Aは測位可能であるから、図1の端末16が機種Aであれば、サーバ21は機種Aの型に対応する測位環境悪化影響度情報164aを含む個別環境情報160aを端末16に提供する。
これに対して、通行可能リンク202dにおいては、電波強度がマイナス150デシベルメートル(−150dBm)なので、最大感度がマイナス145デシベルメートル(−145dBm)である機種Bは測位不可能であるから、図1の端末16が機種Bであれば、サーバ21は図9(c)に示す機種Bの型に対応する測位環境悪化影響度情報164bを含む個別環境情報160bを端末16に提供する。
従って、サーバ21は、端末16の測位性能に応じて適切な測位環境悪化影響度情報164a等を含む個別環境情報160a等を提供することができる。すなわち、サーバ21は、端末16が測位環境とその測位性能に基づいて、測位の開始、停止、マルチパスの除去等の制御を適切に実施するための個別環境情報160a等を提供することができる。
【0062】
(プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等について)
コンピュータに上述の動作例の測位環境情報生成範囲情報生成ステップと、対象範囲経路情報生成ステップと、測位障害物情報生成ステップと、測位環境情報生成ステップ等とを実行させるための測位環境情報生成装置の制御プログラムとすることができる。
また、このような測位環境情報生成装置の制御プログラム等を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等とすることもできる。
【0063】
これら測位環境情報生成装置の制御プログラム等をコンピュータにインストールし、コンピュータによって実行可能な状態とするために用いられるプログラム格納媒体は、例えばフロッピー(登録商標)のようなフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Compact Disc−Recordable)、CD−RW(Compact Disc−Rewriterble)、DVD(Digital Versatile Disc)などのパッケージメディアのみならず、プログラムが一時的若しくは永続的に格納される半導体メモリ、磁気ディスクあるいは光磁気ディスクなどで実現することができる。
【0064】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。さらに、上述の各実施の形態は、相互に組み合わせて構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の形態に係る測位環境情報生成装置等を示す概略図である。
【図2】サーバの主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図3】サーバの主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
【図4】測位障害物カテゴリ情報等の1例を示す概略図である。
【図5】地図ベクトルレイヤ等を示す概略図である。
【図6】測位環境情報生成プログラムの1例を示す図である。
【図7】サーバの動作例を示す概略フローチャートである。
【図8】サーバの主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
【図9】測位端末性能情報の1例を示す図である。
【符号の説明】
【0066】
12a,12b,12c,12d・・・GPS衛星、13,14・・・ビル、15・・・トンネル、16・・・端末、17・・・GPS装置、20,21・・・サーバ、112・・・通行可能路情報生成プログラム、114・・・構造物情報生成プログラム、116・・・測位障害物情報生成プログラム、118・・・測位環境情報生成プログラム、122・・・測位端末性能情報取得プログラム、124・・・環境悪化影響度情報生成プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置を測位する測位端末に提供するための測位環境情報を生成する測位環境情報生成装置であって、
前記測位環境情報生成装置は、
経路を示す経路情報と、環境構成物を示す環境構成物情報を含む地図情報を格納する地図情報格納手段と、
前記地図情報に示される領域のうち前記測位環境情報を生成する対象となる範囲を示す測位環境情報生成範囲情報を生成する測位環境情報生成範囲情報生成手段と、
前記経路情報と前記測位環境情報生成範囲情報に基づいて、前記測位環境情報生成範囲における前記経路である対象範囲経路を示す対象範囲経路情報を生成する対象範囲経路情報生成手段と、
前記環境構成物情報と前記対象範囲経路情報に基づいて、前記対象範囲経路における前記測位の障害となる前記環境構成物である測位障害物を抽出して測位障害物情報を生成する測位障害物情報生成手段と、
前記測位障害物情報に基づいて、前記対象範囲経路における前記測位端末の前記測位の環境を示す測位環境情報を生成する測位環境情報生成手段と、
を有することを特徴とする測位環境情報生成装置。
【請求項2】
前記測位障害物の詳細情報を格納する測位障害物詳細情報格納手段を有し、
前記測位障害物情報生成手段は、各前記測位障害物に対応する前記測位障害物詳細情報を含む前記測位障害物情報を生成する構成を有することを特徴とする請求項1に記載の測位環境情報生成装置。
【請求項3】
前記測位環境情報は、前記測位端末が前記位置情報衛星からの位置関連信号を測位可能な信号強度で受信することができる可能性を示す受信可能性情報を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の測位環境情報生成装置。
【請求項4】
前記測位環境情報は、前記位置情報衛星からの位置関連信号が前記測位端末に到達する前に前記環境構成物によって反射する可能性を示す位置関連信号反射情報を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の測位環境情報生成装置。
【請求項5】
前記測位環境情報は、前記測位の障害の種類を示す障害種類情報及び/又は前記測位の障害の程度を示す障害程度情報を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の測位環境情報生成装置。
【請求項6】
測位性能が異なる複数の前記測位端末の測位性能を示す測位性能情報を格納する測位性能情報格納手段と、
前記測位性能情報と前記測位環境情報に基づいて、各前記測位端末の測位に与える影響を示す測位環境悪化影響情報を生成する測位環境悪化影響情報生成手段と、
を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の測位環境情報生成装置。
【請求項7】
位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置を測位する測位端末に提供するための測位環境情報を生成する測位環境情報生成装置が、地図情報に基づいて、前記測位環境情報を生成する対象となる測位環境情報生成範囲を示す測位環境情報生成範囲情報を生成する測位環境情報生成範囲情報生成ステップと、
前記測位環境情報生成装置が、前記地図情報に含まれる経路を示す経路情報と前記測位環境情報生成範囲情報に基づいて、測位環境情報生成範囲内の前記経路である対象範囲経路を示す対象範囲経路情報を生成する対象範囲経路情報生成ステップと、
前記測位環境情報生成装置が、前記地図情報に含まれる環境構成物を示す環境構成物情報と前記対象経路情報に基づいて、前記対象範囲経路における前記測位の障害となる環境構成物である測位障害物を抽出して測位障害物情報を生成する測位障害物情報生成ステップと、
前記測位環境情報生成装置が、前記測位障害物情報に基づいて、前記測位障害物によって発生する前記対象範囲経路における前記測位端末の測位の障害の種類及び程度を示す測位環境情報を生成する測位環境情報生成ステップと、
を有することを特徴とする測位環境情報生成方法。
【請求項8】
前記測位環境情報生成装置が、測位性能が異なる複数の前記測位端末の測位性能を示す測位性能情報を取得する測位性能情報取得ステップと、
前記測位環境情報生成装置が、前記測位性能情報と前記測位環境情報に基づいて、各前記測位端末の測位に与える影響を示す測位環境悪化影響情報を生成する測位環境悪化影響情報生成ステップと、
を有することを特徴とする請求項7に記載の測位環境情報生成方法。
【請求項9】
コンピュータに、
位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置を測位する測位端末に提供するための測位環境情報を生成する測位環境情報生成装置が、地図情報に基づいて、前記測位環境情報を生成する対象となる測位環境情報生成範囲を示す測位環境情報生成範囲情報を生成する測位環境情報生成範囲情報生成ステップと、
前記測位環境情報生成装置が、前記地図情報に含まれる経路を示す経路情報と前記測位環境情報生成範囲情報に基づいて、測位環境情報生成範囲内の前記経路である対象範囲経路を示す対象範囲経路情報を生成する対象範囲経路情報生成ステップと、
前記測位環境情報生成装置が、前記地図情報に含まれる環境構成物を示す環境構成物情報と前記対象経路情報に基づいて、前記対象範囲経路における前記測位の障害となる環境構成物である測位障害物を抽出して測位障害物情報を生成する測位障害物情報生成ステップと、
前記測位環境情報生成装置が、前記測位障害物情報に基づいて、前記測位障害物によって発生する前記対象範囲経路における前記測位端末の測位の障害の種類及び程度を示す測位環境情報を生成する測位環境情報生成ステップと、
を実行させることを特徴とする測位環境情報生成装置の制御プログラム。
【請求項10】
コンピュータに、
位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置を測位する測位端末に提供するための測位環境情報を生成する測位環境情報生成装置が、地図情報に基づいて、前記測位環境情報を生成する対象となる測位環境情報生成範囲を示す測位環境情報生成範囲情報を生成する測位環境情報生成範囲情報生成ステップと、
前記測位環境情報生成装置が、前記地図情報に含まれる経路を示す経路情報と前記測位環境情報生成範囲情報に基づいて、測位環境情報生成範囲内の前記経路である対象範囲経路を示す対象範囲経路情報を生成する対象範囲経路情報生成ステップと、
前記測位環境情報生成装置が、前記地図情報に含まれる環境構成物を示す環境構成物情報と前記対象経路情報に基づいて、前記対象範囲経路における前記測位の障害となる環境構成物である測位障害物を抽出して測位障害物情報を生成する測位障害物情報生成ステップと、
前記測位環境情報生成装置が、前記測位障害物情報に基づいて、前記測位障害物によって発生する前記対象範囲経路における前記測位端末の測位の障害の種類及び程度を示す測位環境情報を生成する測位環境情報生成ステップと、
を実行させることを特徴とする測位環境情報生成装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−10634(P2006−10634A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−191584(P2004−191584)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】