説明

測光装置、カメラ

【課題】色収差を良好に補正した測光装置、及びカメラを提供する。
【解決手段】測光センサ14と、測光センサ14に光を導く測光光学系15と、測光光学系15を支持する鏡筒部材24と、を有し、測光光学系15は、測光センサ14に対して位置が固定された第1光学部材20と、回折光学素子21を備えた第2光学部材22とを含み、第2光学部材22は、鏡筒部材24と第1光学部材20とによって挟持されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測光装置、カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラ等に備えられた測光を行うための測光装置が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−292609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上述のような従来の測光装置は、測光センサと該測光センサに光を導く測光レンズとを有しており、この測光レンズにおいて色収差が発生してしまうという問題があった。
そこで本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、色収差を良好に補正した測光装置、カメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段によって上記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
請求項1の発明は、測光センサ(14)と、前記測光センサ(14)に光を導く測光光学系(15)と、前記測光光学系(15)を支持する鏡筒部材(24)と、を有し、前記測光光学系(15)は、前記測光センサ(14)に対して位置が固定された第1光学部材(20)と、回折光学素子(21)を備えた第2光学部材(22)とを含み、前記第2光学部材(22)は、前記鏡筒部材(24)と前記第1光学部材(20)とによって挟持されていることを特徴とする測光装置(2)である。
【0006】
請求項2の発明は、前記鏡筒部材(24)と前記第1光学部材(20)とは、接着部材(26)によって接着されており、前記接着部材(26)は、前記第2光学部材(22)との接着性よりも前記第1光学部材(20)との接着性が高いことを特徴とする請求項1に記載の測光装置(2)である。
請求項3の発明は、前記測光センサ(14)を支持する支持部材(16)を有し、前記第1光学部材(20)は、前記測光センサ(14)に対する前記測光光学系(15)の位置を調整するための調整部(20d)を有し、前記支持部材(16)は、前記調整部(20d)を光軸方向に案内する案内部材(16c)を有し、前記調整部(20d)は、前記案内部材(16c)に対して位置が固定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の測光装置(2)である。
【0007】
請求項4の発明は、前記第2光学部材(22)は第1嵌合部(22f)を有し、前記第1光学部材(20)は第2嵌合部(20h)と第3嵌合部(20i)とを有し、前記鏡筒部材(24)は第4嵌合部(24b)を有し、前記第1嵌合部(22f)と前記第2嵌合部(20h)とが嵌合し、前記第3嵌合部(20i)と前記第4嵌合部(24b)とが嵌合していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の測光装置(2)である。
請求項5の発明は、前記第2光学部材(22)がシクロオレフィンポリマー樹脂で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の測光装置(2)である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の測光装置(2)を備えたことを特徴とするカメラ(1)である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、色収差を良好に補正した測光装置、カメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る測光装置を備えたカメラの構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る測光装置の構成を示す拡大断面図である。
【図3】図2のA−A’断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る測光装置の第2測光レンズの製造方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態に係る測光装置を備えたカメラを添付図面に基づいて説明する。
まず、本実施形態に係る測光装置を備えたカメラの全体的な構成について説明する。
図1に示すようにカメラ1は、測光装置2を内蔵したカメラボディ3と、カメラボディ3に交換可能に装着された撮影レンズ4とを備えたデジタル一眼レフカメラである。
カメラボディ3の内部には、撮影レンズ4側から順に、クイックリターンミラー5と撮像素子6が備えられており、クイックリターンミラー5の反射光路上には、スクリーン7、コンデンサレンズ8、及びペンタプリズム9が順に備えられている。ペンタプリズム9の背面側には、三角プリズム11と測光装置2、及び接眼レンズ12が備えられている。
【0011】
測光装置2は、不図示の被写体の明るさを測定するためのものであり、被写体からの光を受光する測光センサ14と、該測光センサ14に被写体からの光を導く測光光学系15とを有している。測光装置2の詳細な構成等については後述する。
なお、カメラボディ3の内部には、カメラ1の各部を制御する制御部、メモリ、及びオートフォーカスユニット等(いずれも不図示)も備えられている。また、カメラボディ3の外部には、レリーズボタンを含む各種スイッチやモニタ等(いずれも不図示)が設けられている。
【0012】
上記構成のカメラ1において、撮影者によって不図示のレリーズボタンが半押しされると、撮影レンズ4を介してカメラボディ3内へ導かれた不図示の被写体からの光は、クイックリターンミラー5で反射され、スクリーン7の拡散面に結像される。そしてこの光は、コンデンサレンズ8を介し、ペンタプリズム9内で反射されて接眼レンズ12へ導かれる。これにより撮影者は、接眼レンズ12を介して被写体像を観察することができる。
ここで、ペンタプリズム9内で反射された光の一部は、三角プリズム11を介して測光装置2に導かれる。この光は、測光光学系15を介して測光センサ14の受光面14aに結像され、該測光センサ14によって受光される。これによって不図示の制御部は、測光センサ14の出力に基づく被写体像の輝度情報から撮影に最適な露出値を算出し、この露出値にしたがって撮影レンズ4の絞り量やシャッタスピードの調整を行う、即ち自動露出制御を行うことができる。
【0013】
また、撮影者によってレリーズボタンが全押しされると、クイックリターンミラー5が光路外へ退避し、被写体からの光は撮像素子6へ達する。これにより被写体からの光は、当該撮像素子6によって撮像され、被写体画像として不図示のメモリに保存される。以上のようにして撮影者は、本カメラ1によって自動露出制御を行いながら被写体の撮影を行うことができる。
【0014】
次に、本実施形態に係る測光装置2を図2及び図3に基づいて詳細に説明する。
測光装置2における測光センサ14には、画素数の大きな二次元のイメージセンサを用いることが好ましく、本実施形態ではCCDが用いられている。このため、本実施形態に係る測光装置2は、上述のような自動露出制御のための測光の他に、顔検出や被写体追尾等に用いることもできる。
斯かる測光センサ14は、中央部分に円形の開口16aが形成された略平板形状の測光ブロック16に載置されている。
【0015】
測光ブロック16は、接着剤の接着しやすい材質で構成することが好ましく、本実施形態ではポリカーボネイトで構成されている。なお、測光ブロック16と測光センサ14とは、測光ブロック16の開口16aの中心と測光センサ14の受光面14aの中心とが合うように位置調整した上で接着剤17によって固定されている。
測光ブロック16の開口16a内には、IRカットフィルタ18が備えられている。測光ブロック16の下面には、図3に示すように開口16aの中心を挟んで対向する位置に、下方へ延在した円柱形状のボス16b、16cが形成されている。なお、斯かる構成の測光ブロック16は、カメラボディ3内部に固定されている。
【0016】
測光光学系15は、測光センサ14側から順に、第1測光レンズ20と、回折光学素子21を備えた第2測光レンズ22とからなる。なお、このように測光光学系15を2枚のレンズで構成することで、測光センサ14である画素数の大きなCCDに見合った高い光学性能を確保することができる。
第1測光レンズ20は、レンズ部20aと、レンズ部20aの全周にわたって一体的に形成されておりレンズ部20aの外周方向へ延在した支持部20bとを備えている。
支持部20bには、図3に示すようにレンズ部20aの光軸を挟んで対向する位置に、外周方向へ突出した突出部20cと、光軸に平行な方向へ延在した円筒部20dとが一体的に形成されている。なお、支持部20bの下面には、レンズ部20aの外形に沿った円環状の溝部20eが形成されている。
【0017】
突出部20cには、光軸に平行な方向へ貫通しており、略小判形の貫通穴20fが形成されている。なお、この貫通穴20fには、測光ブロック16のボス16bが挿通されている。
円筒部20dには、光軸に平行な方向へ貫通した貫通穴20gが形成されており、この貫通穴20gには測光ブロック16のボス16cが挿脱自在に嵌合されている。斯かる円筒部20dと測光ブロック16とはバネ23で接続されており、これによって円筒部20dは測光ブロック16側へ付勢されている。なお、円筒部20dの軸方向の長さは、測光ブロック16のボス16cの長さと同程度に設定されている。これにより、円筒部20dの貫通穴20gとボス16cとの嵌合長を十分に確保することができるため、測光ブロック16は第1測光レンズ20を安定して支持することができる。
【0018】
斯かる構成により、測光ブロック16のボス16cを案内軸として円筒部20dを光軸に平行な方向へ移動させる、即ち第1測光レンズ20を光軸方向へ移動させることができる。なお、ボス16cと円筒部20dとは、第1測光レンズ20の光軸方向の位置を調整、即ち後述するピント調整した上で、接着剤19によって固定されている。
以上に述べた第1測光レンズ20は、測光ブロック16と同様に接着剤の接着しやすい材質で構成することが好ましく、本実施形態ではポリカーボネイトで構成されている。
【0019】
第2測光レンズ22は、レンズ部22aと、レンズ部22aの全周にわたって一体的に形成されており第1測光レンズ20側へ向かって延在した略円筒形状の支持部22bとを備えている。
レンズ部22aは、三角プリズム11側に平面22eを向けた平凸形状をしており、当該平面22eには回折光学素子21が形成されている。この回折光学素子21により、第1測光レンズ20及び第2測光レンズ22で発生する色収差を良好に補正することができる。
【0020】
略円筒形状の支持部22bは、第1測光レンズ20の支持部20bに形成された溝部20eに挿入されており、支持部22bの内周面22fと溝部20eの内側壁面20hとが嵌合している。このように、第2測光レンズ22のレンズ部22aと同心である内周面22fと、第1測光レンズ20のレンズ部20aと同心である内側壁面20hとを嵌合することで、レンズ部20aの中心とレンズ部22aの中心とを合わせて、第2測光レンズ22を第1測光レンズ20に対して取り付けることができる。
斯かるレンズ部22a及び支持部22bは、レンズ部22aに回折光学素子21を形成するために、吸水性が小さく形状変化の小さな材質で構成することが好ましく、本実施形態ではシクロオレフィンポリマー樹脂で構成されている。
【0021】
第2測光レンズ22は、該第2測光レンズ22の支持部22bよりも大径で略円筒形状のレンズ鏡筒24によって覆われている。
レンズ鏡筒24の内側には、第2測光レンズ22の光軸に対して垂直な段差面24aが形成されている。レンズ鏡筒24における三角プリズム11側の端部には、薄板状のシート材に円形の開口を形成してなる測光絞り25が、レンズ鏡筒24の開口の中心と測光絞り25の開口の中心とが揃うように接着固定されている。
なお、レンズ鏡筒24は、第1測光レンズ20や測光ブロック16と同様に、接着剤の接着しやすい材質で構成することが好ましく、本実施形態ではポリカーボネイトで構成されている。
【0022】
斯かるレンズ鏡筒24は、該レンズ鏡筒24の段差面24aと第2測光レンズ22における支持部22bの三角プリズム11側の端面22cとが当接し、第1測光レンズ20の支持部20bに形成された溝部20eの底面20jと支持部22bの測光センサ14側の端面22dとが当接するように、溝部20eに挿入されており、レンズ鏡筒24の外周面24bと溝部20eの外側壁面20iとが嵌合している。そしてこの状態において、レンズ鏡筒24と第1測光レンズ20とは接着剤26によって接着されている。なお、接着剤26には、第2測光レンズ22との接着性よりも第1測光レンズ20との接着性が高いものが用いられている。
以上のように、レンズ鏡筒24の測光絞り25の開口と同心である外周面24bと、第1測光レンズ20のレンズ部20aと同心である外側壁面20iとを嵌合することで、レンズ部20aの中心と測光絞り25の開口の中心とを合わせて、レンズ鏡筒24を第1測光レンズ20に対して取り付けることができる。そして、接着剤26で接着しにくい材質であるシクロオレフィンポリマー樹脂からなる第2測光レンズ22を、第1測光レンズ20とレンズ鏡筒24によって適切に挟持することができる。
【0023】
以上の構成の下、本実施形態に係る測光装置2では、測光ブロック16のボス16cを案内軸として第1測光レンズ20を光軸方向へ移動させることで、第1測光レンズ20とともに第2測光レンズ22及びレンズ鏡筒24を光軸方向へ一体的に移動させることができ、これによって測光センサ14の受光面14a上に形成される被写体像のピント調整を高精度に行うことができる。したがって、本実施形態に係る測光装置2は、製造時に、前記ピント調整を高精度に行った上で、測光ブロック16のボス16cと第1測光レンズ20の円筒部20dとを接着剤19によって固定することができる。
【0024】
なお、本実施形態に係る測光装置2において、測光ブロック16のボス16bは、上述のように第1測光レンズ20の突出部20cに形成された略小判形の貫通穴20fに挿通されている。このため、測光ブロック16のボス16cを回動軸とする第1測光レンズ20の回動を規制する、これによって第1測光レンズ20とともに第2測光レンズ22及びレンズ鏡筒24の光軸と測光センサ14の受光面14aの中心を、精度良く合わせることができる。
【0025】
ここで、本実施形態における第2測光レンズ22の製造方法を図4に基づいて説明する。
第2測光レンズ22の製造には、図4に示すように第2測光レンズ22のレンズ部22a及び支持部22bを保持する金型30、該金型30に対してレンズ部22a及び支持部22bを固定するやとい冶具32、レンズ部22aに回折光学素子21を形成するための第1中子33及び第2中子34が用いられる。
金型30には、レンズ部22aと同心で円柱形状の大径開口部30aが形成されており、さらに大径開口部30aの底面30bには、レンズ部22aと同心で金型30の下方まで貫通する円柱形状の小径開口部30cが形成されている。なお、大径開口部30aの内径は支持部22bの外形よりも大きく、小径開口部30cの内径はレンズ部22aの直径よりも小さい。
【0026】
やとい冶具32は、金型30の大径開口部30aと同心であってレンズ部22aの直径と略同径の円形貫通穴を有する円筒部32aが形成された板状部材からなる。この板状部材の下面には、円筒部32aの外周方向へ延在した段差部32bが形成されている。
第1中子33は、金型30の小径開口部30cと同心で該小径開口部30cに挿脱自在に嵌合する円柱形状の部材であって、その上面には後述する第1樹脂21aに回折面を転写するための転写面が形成されている。
第2中子34は、第1中子33と同様に金型30の小径開口部30cに挿脱自在に嵌合する円柱形状の部材であって、その上面には後述する第2樹脂21bに平面を転写するための転写面(平面)が形成されている。
【0027】
第2測光レンズ22を製造するにあたり、予め、平凸形状のレンズ部22aと略円筒形状の支持部22bを射出成形によって一体的に作製しておく。なお、本実施形態においてレンズ部22a及び支持部22bの材質には、上述のようにシクロオレフィンポリマー樹脂が用いられる。
手順1:レンズ部22a及び支持部22bを金型30内に配置し、やとい冶具32で固定する。詳細には、やとい冶具32は、該やとい冶具32の段差部32bの下面32cと支持部22bの端面22dとが当接し、レンズ部22aの平面22eの縁部分22gと金型30の大径開口部30aの底面30bとが当接するように、金型30の上方に取り付けられる。これにより、やとい冶具32の円筒部32aの外周面32dと、レンズ部22aと同心である支持部22bの内周面22fとが嵌合する。また、円筒部32aと同心である段差部32bの側面32eと、金型30の小径開口部30cと同心である大径開口部30aの内周面30dとが嵌合する。即ち、レンズ部22aの中心と金型30の小径開口部30cの中心とを合わせた上で、金型30に対してレンズ部22a及び支持部22bを固定することができる。
【0028】
手順2:レンズ部22aの平面22eに第1樹脂21aを塗布する。そして、金型30の小径開口部30cに下方より第1中子33を挿入して第1樹脂21aに押し付ける。この状態で第1樹脂21aを硬化させた後、第1中子33を取り外す。これにより、第1樹脂21aの表面に回折面を転写することができる。このとき、上述のように第1中子33は小径開口部30cと同心であり、レンズ部22aの中心と小径開口部30cの中心は上記手順1で揃えられているため、レンズ部22aの中心と回折面の中心とを高精度に合わせることができる。
手順3:手順2で回折光学素子の形状を転写した第1樹脂21aに第2樹脂21bを塗布する。そして、金型30の小径開口部30cに下方より第2中子34を挿入して第2樹脂21bに押し付ける。この状態で第2樹脂21bを硬化させた後、第2中子34を取り外す。これにより、第2樹脂21bの表面に平面を転写することができる。なお、本実施形態では第1樹脂21a及び第2樹脂21bとして、例えば紫外線硬化樹脂が用いられる。
【0029】
以上の手順によれば、第2測光レンズ22のレンズ部22aの平面22eに対して、第1樹脂21aと第2樹脂21bとからなる回折光学素子21を一体的に形成することができ、第2測光レンズ22を完成することができる。
なお、回折光学素子21によって色収差をより良好に補正するためには、第2測光レンズ22の回折光学素子21の中心とレンズ部22aの中心とが高精度に揃っていることが必要である。本実施形態では上記手順2で述べたように、レンズ部22aの中心と回折光学素子21の回折面の中心とを高精度に合わせることができるため、回折光学素子21によって色収差をより良好に補正することができる。
また、本実施形態における測光光学系15は、円筒部20d等のピント調整を行うための複雑な機構を第1測光レンズ20に設け、回折光学素子21を第2測光レンズ22に備える構成としたことで、第2測光レンズ22のレンズ部22a及び支持部22bの形状を単純にしている。したがって、金型30でレンズ部22aに回折光学素子21を成形する際に、前記複雑な機構が邪魔になることがない。即ち、金型30の構造を単純にすることができ、より高い成形精度を実現することが可能となる。
【0030】
以上、本実施形態によれば、測光光学系15における第1測光レンズ20のレンズ部20a及び第2測光レンズ22のレンズ部22aで生じる色収差を良好に補正した測光装置2と、該測光装置2を備えたカメラ1を実現することができる。
なお、本実施形態では、測光装置2をレンズ交換式のデジタル一眼レフカメラに適用した例を示しているが、これに限られず測光装置2をフィルムカメラやその他の光学装置に適用することも勿論可能である。
また、測光光学系15の構成は上記に限られるものではない。例えば、測光光学系15が第1測光レンズ20と第2測光レンズ22の他に、少なくとも1枚のレンズをさらに有する構成としてもよい。また、第2測光レンズ22のレンズ部22aを平行平板形状としてもよい。また、第2測光レンズ22とレンズ鏡筒24の間に回折光学素子を備えた平行平板を配置してもよい。また、色収差をより良好に補正するために回折光学素子21を複層としてもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 カメラ
2 測光装置
14 測光センサ
15 測光光学系
16 測光ブロック
20 第1測光レンズ
21 回折光学素子
22 第2測光レンズ
24 レンズ鏡筒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測光センサと、
前記測光センサに光を導く測光光学系と、
前記測光光学系を支持する鏡筒部材と、を有し、
前記測光光学系は、前記測光センサに対して位置が固定された第1光学部材と、回折光学素子を備えた第2光学部材とを含み、
前記第2光学部材は、前記鏡筒部材と前記第1光学部材とによって挟持されていることを特徴とする測光装置。
【請求項2】
前記鏡筒部材と前記第1光学部材とは、接着部材によって接着されており、
前記接着部材は、前記第2光学部材との接着性よりも前記第1光学部材との接着性が高いことを特徴とする請求項1に記載の測光装置。
【請求項3】
前記測光センサを支持する支持部材を有し、
前記第1光学部材は、前記測光センサに対する前記測光光学系の位置を調整するための調整部を有し、
前記支持部材は、前記調整部を光軸方向に案内する案内部材を有し、
前記調整部は、前記案内部材に対して位置が固定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の測光装置。
【請求項4】
前記第2光学部材は第1嵌合部を有し、
前記第1光学部材は第2嵌合部と第3嵌合部とを有し、
前記鏡筒部材は第4嵌合部を有し、
前記第1嵌合部と前記第2嵌合部とが嵌合し、前記第3嵌合部と前記第4嵌合部とが嵌合していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の測光装置。
【請求項5】
前記第2光学部材がシクロオレフィンポリマー樹脂で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の測光装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の測光装置を備えたことを特徴とするカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−252089(P2012−252089A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123500(P2011−123500)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】