説明

測定精度を改善するための改良サイホン

【課題】この発明は、ロータの中の室に予め測定した量の液体を送り出すための遠心力ロータを提供する。
【解決手段】特に、このロータは、予め測定した量の液体をこのロータの第1室と第2室136の間に送り出すためのサイホン134を含む。この発明のサイホン134は、この第1室上のこのサイホンの入口138が第2室136上のサイホン出口139の半径方向に外にあるように設計されている。この第1室は、このサイホン出口139の半径方向位置と同じ高さへ注ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、参考までにここに援用する、出願中の米国特許出願第08/115,162号の一部継続出願である。
【0002】
この発明は、一般的に生物学的液体を分析するための装置および方法に関する。特に、それは、このロータの中の室へ正確な量の液体を送り出せるようにするサイホンを有する、改良された遠心式ロータの設計および使用法に関する。
【背景技術】
【0003】
血漿およびその他の生物学的液体の生物学的試験は、しばしば、多種多様な光学的試験または検定で分析するためにこれらの液体を所定の量に迅速に分ける必要がある。この材料の干渉するおそれのある細胞質の成分を試験する前に他の液体から分離することも、しばしば望ましい。そのような測定および分離工程は、従来典型的には、例えば、細胞質成分から血漿を分離するために、遠心分離を使い、その後、手動的または自動的に所定量の血漿を別々の試験溜めにピペットで移すことによって行っていた。そのような手順は、多大な労力を要し、時間のかかるものである。その結果、より効率的に試験するのに適した多数のアリコート(aliquot)を得るための自動化したシステムおよび方法が種々提案されている。
【0004】
生物学的液体の分析における主な進歩は、遠心式ロータを使うことであった。これらのロータは、生物学的液体の量を測定し、細胞質成分を除去し、この液体を、例えば光学的試験により、分析するために適当な希釈剤と混ぜるように設計されている。典型的には、これらのロータは、複数の別々の量の試料を別々のキュベット(cuvette)に入れ、その中でこの試料を光学的に分析する。
【0005】
正確で一貫性のある結果を保証するために、そのようなロータは、正確に測定した量の液体をこのロータの種々の室へ送り出す必要がある。これは、しばしば、このロータを動作中に迅速に加速したり減速したりし、またはその他の方法で混乱させる環境で行わなければならない。この混乱は、しばしば、不正確な測定量を送り出すことにつながることがある。この発明は、これらおよびその他の要求に対応する。
【0006】
米国特許第4,894,204号および第5,160,702号は、ロータの中の室間で液体を移転するためのサイホンを開示している。米国特許第4,244,916号は、中央レセプタクルの半径方向に外に配置された複数のキュベットを含むロータを開示している。各キュベットは、ダクトによってこの中央レセプタクル(receptacle)に接続され、別の空気逃げオリフィスを含む。米国特許第4,314,968号は、ロータの外周に配置されたセル(cell)を有するロータに関する。各セルは、このセルに導入された液体を除去するための外周オリフィスを含む。米国特許第4,902,479号は、長い、半径方向に伸びたキュベットを含む多キュベットロータを開示している。長いキュベットの各々は、第1成分を受けるための第1室および第2成分を受けるための第2室を含む。この第1室と第2室の間の仕切り構造が所定時間以前のこれらの成分の混合を防止する。このロータが十分な速度で回転すると混合が起きる。米国特許第4,963,498号は、光学的分析をするために液体を汲み上げ混合するための毛細管、室、およびオリフィス(orifice)に依存する装置を開示している。米国特許第5,077,013号は、半径方向に内に配置された保持室に接続された外周キュベットを含むロータを開示している。
【発明の開示】
【0007】
この発明は、予め測定した量の液体、典型的には血漿のような生物学的試料をロータの中の第1室と第2室の間に送り出すためのサイホンを含む遠心式ロータを提供する。この発明のサイホンは、この第1室の中の液体の半径方向に最内点より半径方向に内方にあるエルボ(elbow)を有する。ロータが回転しても、液体がこのエルボを通過して流れることはない。ロータが止まってから、毛管力がこのエルボのすぐ周りの液体を引くことによってこのサイホンを”プライミング”する即ち呼び液体を差す。ロータが再始動すると、計量室の中の液体の高さがサイホンの出口と同じ半径方向距離になるまで、遠心力が残りの液体を計量室から受け入れ室へ引き出す。この発明のサイホンは、第1室の上のこのサイホンの入口が第2室の上のサイホン出口より半径方向に外にあるように設計されている。
【0008】
この発明のサイホンの入口と出口のこの配置は、多くの利点を生ずる。例えば、このサイホンの入口は、液体が第2室に移された後の、第1室の中にある液体のメニスカスの最終位置より常に半径方向に外に位置する。それで、このメニスカスが最小になるので、液体が異なってメニスカスの形状が異なることに関連する測定の不正確さが最小になる。その上、当業者には、サイホンの中の液体のつながりは安定しているが、もし、ロータを混乱させると、容易に損なわれるので、全てのサイホンが半安定であることが分かるだろう。遠心力で、この液体のつながりが壊れたとき、サイホンの中の液体は、半径方向に最外点へ流れるだろう。従来技術のサイホンでは、この点がサイホン出口である。それで、未測定量の液体を受け入れ室へ送り出す可能性がある。この発明のサイホンでは、サイホンの半径方向に最外点がサイホン入口である。この設計では、液体のつながりが壊れたとき、その液体が第1室の中へ流れ戻るので、この未測定量の液体を送り出す問題が避けられる。
【0009】
この発明のサイホンによって接続された室を使って、液体の計量、試料からの固形成分の分離、試料と希釈剤の混合等いくつもの機能を果たすことができる。好適実施例においては、予め測定した量の血漿を希釈剤と混ぜるために、このサイホンが血漿計量室を混合室に接続する。
【0010】
その上、この発明のロータは、分配リングを、生物学的試料の光学的分析のための試薬を含むキュベットに接続する、無修正入口チャンネルを含む。これらの入口チャンネルは、ロータが回転すると、液体がこの入口チャンネルを通ってキュベットに入るので、ガスがこの入口チャンネルを通って逃げるような大きさになっている。ここで云う”無修正入口チャンネル”は、他の方法では抽気されないガスをキュベットから逃がすための通路を作るために修正する(例えば、断面形状、表面組織等を変えることによって)ことをしない、典型的には矩形断面の単純な入口チャンネルを指す。
【実施例】
【0011】
この発明は、分析用ロータの室に液体を送り出すための方法および装置を提供する。この発明のロータには、このロータの中の所望の室へ計量した量の液体を正確に送り出すことを保証するサイホンがある。
【0012】
この発明のロータは、どんな液体、典型的には全血または血漿のような生物学的試料の分析にも適している。それは、他の多数の生物学的液体、例えば、尿、痰、精液、唾液、眼球レンズ液、脳液、髄液、羊水にも有用である。試験できる他の液体には、組織培養媒体、食品および工業用化学薬品、環境試料等がある。
【0013】
このロータは、典型的には、生物学的試料(例えば、全血)から細胞成分を分離し、液体試料(例えば、血漿)の正確な量を測定し、この試料を適当な希釈剤と混ぜ、そしてこの希釈した試料を光学的分析用のキュベットへ送り出すことができる室を備える。これらのキュベットへ送り出された液体は、これらのキュベットの中で反応、例えば、一つ以上の分析物を検出するための分析手続きの一部を形成する試薬との反応を受ける。この試料は、ロータの中にある間に、先の反応とは関係なく、更に光学的に分析してもよい。
【0014】
この発明の装置には、従来の市販の実験室用遠心機に取り付けることができるロータ本体を有する分析用ロータがあり、その遠心機は、カリフォルニア州フラートン市のベックマン・インスツルメント社スピンコ事業部;ペンシルバニア州ピッツバーグ市のフィシャー・サイエンティフイック;カリフォルニア州サンフランシスコ市のVWRサイエンティフイック等の業者から入手可能である。一般的に、この遠心式ロータは、遠心機が備える垂直駆動軸に取り付けるのに適したレセプタクルまたはその他の結合装置がある。このレセプタクルまたは結合装置の特定の設計は、この遠心機の性質に依り、それでこの発明の遠心式ロータを現在入手可能なまたは将来入手可能になるかも知れない全ての種類または大抵の種類の遠心機に使うために改作してもよいことが分かるだろう。
【0015】
このロータ本体には、以下に更に詳しく説明するように、複数の室、相互連絡通路、およびベント(vent)の間の所望の幾何学的様式または関係を維持する構造物がある。この発明のロータに使用するのに適した種々の専門化した室およびチャンネルは、参考までにここに援用する米国特許第5,061,381号および第5,122,284号並びに米国特許出願第07/678,762号および第07/783,041号に開示されている。
【0016】
通常、この本体は、むくの母材にチャンネルおよび通路を空間または空洞として作った実質的にむくの板または円板である。そのようなむくの板は、複数の別々に作った層を一緒に複合構造物として貼り合わせ、室および水平通路を一般的に隣接する層の間に作っても都合がよい。垂直通路は、これらの層を通して作ってもよい。個々の層は、射出成形、機械加工、またはそれらの組み合わせによって作ってもよく、通常、典型的には適当な接着剤を使って、または超音波溶接によって互いに接合する。最終包括容積(final enclosed volumes)は、これらの層を一緒にするときに作る。
【0017】
勿論、この遠心式ロータは、管、容器、室等のような、複数の個々の部品を適当な枠組に配置して作ることもできる。しかし、そのような個々の部品の組立体は、一般的に、実質的にむくの板の中に作ったものより、製造が困難で、従って望ましくない。
【0018】
このロータ本体は、多種類の材料から作ってもよく、二つ以上の材料を含んでも随意である。通常これらの材料は、種々の内部室および通路の中の生物学的液体、細胞成分、および試薬の存在および分布が観察できるように、透明である。随意ではあるが、分析室、例えば、キュベット、またはその他の試験溜めがこのロータに作られている範囲で、これらのキュベットの内容物を分光分析的に、蛍光分析的に、または他の光学的評価器具が観察できるように、このロータに適当な光路が作られているのが望ましい。貫通する特別な光路が作られている適当なキュベットの構成は、参考までにここに援用する米国特許第5,173,193号に開示されている。この好適実施例においては、このロータが、少なくとも光路を形成する領域で、適当な光学的性質を有するアクリル樹脂でできている。
【0019】
この発明の装置および方法は、血漿およびその他の試料に有益にまたは必ず実施される、多種多様な分析手続きおよび検定を実施するために適している。これらの分析手続きは、特定の成分(分析物)の存在および/または量、または試料の特性に関係するかもしれない、ある検出可能な変化を起こすために、この試料を一つ以上の試薬と組み合わせることを要求するかも知れない。例えば、この試料が、従来の分光光度計、蛍光光度計、光検出器等で測定できる、色、蛍光、ルミネッセンス等が変化する結果となる、反応またはその他の変化を受けるかも知れない。ある場合、免疫学的検定およびその他の特定の結合検定を無セル液体収集室で、またはこの収集室に結合されたキュベットで行うかも知れない。一般的に、そのような検定手続きは、均質であるべきで、分離工程を要してはならない。しかし、他の場合には、免疫学的反応工程が起きてから、この収集室またはもう一つの試験溜め若しくはキュベットから試料(例えば、血漿)を分離するための手段を設けることによって、異質の検定システムを収容することができるかも知れない。当業者は、試料を分析する手段がこの発明の重要な面ではないことが分かるだろう。多くの分析法のどれでも、分析する特定の試料および検出する成分に依って、この発明のロータで使うように適合させることができる。
【0020】
血液分析の場合、典型的には従来の血液検定を行う。行うことができる検定の例には、グルコース、乳酸デヒドロゲナーゼ、血清グルタミン酸−オキザロ酢酸トランスアミナーゼ(SGOT)、血清グルタミン酸−ピルビン酸トランスアミナーゼ(SGPT)、血液尿素態窒素(BUN)、全タンパク質、アルカリ度、フォスファターゼ、ビリルビン、カルシュウム、塩化物、ナトリウム、カリウム、マグネシウム等を検出するように設計されたものがある。この表は、網羅的ではなく、単にこの発明の装置および方法を使って実行できる検定の例として示すだけである。通常、これらの試験は、血液および血漿を一つ以上の試薬と組み合わせることを要し、それが血漿に、光学的に検出可能な、通常光度計で検出可能な、変化を生ずる。必要なこれらの試薬は、よく知られ、特許文献および科学文献に豊富に記載されている。
【0021】
これらの試薬は、安定性を増すために、凍結乾燥した形で用意するのが好ましい。理想的には、それらを、参考までにここに援用する米国特許出願第07/747,179号に記載されているように、凍結乾燥した試薬球の形で用意する。
さて、第1A図−第1F図を参照すると、この発明のチャンネルを含む分析用ロータを見ることができる。第1A図は、血液試料102をロータ本体100に入れてからの、血液適用室104内のこの試料の位置を示す。室106の中の希釈剤容器が、参考までにここに援用する、出願中の、共に譲渡された米国特許出願第07/873,327号に記載されているように、このロータを遠心機のスピンドルに取り付けると開く。
【0022】
第1B図は、このロータを4,000rpmで回転した後の希釈剤108と血液試料102の位置を示す。血液試料102が血液適用室104を出始めて、血漿計量室110に入る。同時に、希釈剤108が希釈剤容器から保持室112に注ぐ。この希釈剤は、直ちにチャンネル116を通って、希釈剤計量室114に入り始める。
【0023】
第1C図は、ロータ100が回転し続けたときの、これらの液体の位置を示す。ここで、血液試料102が血液適用室104を空にして、血漿計量室110からオーバフロー室118に溢れ出て、そこからヘモグロビン・キュベット120および余剰血液捨て場122へ流れる。一方、希釈剤108は、希釈剤計量室114を満たし、余分がチャンネル124を通って希釈剤だけのキュベット126および余剰希釈剤捨て場127へ流れる。
【0024】
第1D図は、この1回目の回転の終局のこれらの液体の位置を示す。血液試料102が細胞128と血漿130に分けられている。希釈剤だけのキュベット126は、満たされ、所定の量の希釈剤が希釈剤計量室114に残っている。次に、ロータ100が止まり、希釈剤計量室114からのサイホン132、並びに血漿計量室110からのサイホン134が、上述のように、プライミングされる。サイホン134がこの発明のサイホンである。それは、入口138で血漿計量室110に接続されている。入口138は、サイホン出口139より半径方向に外に位置し、その出口を通ってこのサイホン134が混合室136に通じる。
【0025】
第1E図は、このロータの2回目の回転中のこれらの液体の位置を示す。希釈剤計量室114が、サイホン132を通って混合室136に通じる。所定の量の血漿130を計量しながら混合室136に供給し、二つの液体を混合し、それによって希釈した血漿131ができる。混合室136へ送り出される血漿130の量は、サイホン134上の出口139の位置によって決まる。この図で分かるように、血漿計量室110内の血漿の最終高さ133は、出口139と同じ半径方向位置にある。それで、混合室136へ送り出される血漿の量は、血漿計量室110のオーバフロー室への出口129と血漿の最終高さ133の間の容積によって決まる。血漿と希釈剤を混合室136で混ぜてから、ロータが再び止まり、出口サイホン140がプライミングされる。
【0026】
第1F図は、このロータの3回目の回転中に回転しているときの希釈した血漿131の位置を示す。この図は、希釈した血漿131が分配リング142および入口チャンネル144を通り、キュベット146および余剰血漿捨て場147へ移動するのを示す。出口サイホン140の中の流れに対する抵抗は、分配リング142および入口チャンネル144の中の流れに対する抵抗より高く選び、これらのキュベットが満たされるにつれ、キュベット146の中にある空気が逃げられるようにする。特に、サイホン140は、入口チャンネル144の断面積とそれらの中の液体の断面積の比が2:1以上、好ましくは4:1以上であるような寸法になっている。入口チャンネル144の断面積は、典型的には、分配チャンネル142のそれと同じかわずかに小さく、それで抽気されないキュベットの中のガスが入口チャンネル144および分配チャンネル142を通って逃げる。もし、試料が血漿または希釈した血漿であり、チャンネル断面が矩形であるなら、それらの寸法は典型的には次の通りである:サイホン:深さ0.150mm、幅0.200mm;分配チャンネル深さ0.300mm、幅0.500mm;入口チャンネル:深さ0.150、幅0.500。
【0027】
キュベットを満たしてから、これらのキュベットの中にある試薬をこの溶液と混ぜ、この試料について必要な測光分析を行う。そのような分析は、上に説明したように当業者に知られた方法に従って実施する。
【0028】
上記の発明は、理解を明瞭にするために詳しく説明したが、添付の請求項の範囲内である修正を行うことができることは明白だろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1A】この発明のロータの平面図で、このロータが回転するときのこのロータの室およびチャンネルを通る液体の流れを示す。
【図1B】この発明のロータの平面図で、このロータが回転するときのこのロータの室およびチャンネルを通る液体の流れを示す。
【図1C】この発明のロータの平面図で、このロータが回転するときのこのロータの室およびチャンネルを通る液体の流れを示す。
【図1D】この発明のロータの平面図で、このロータが回転するときのこのロータの室およびチャンネルを通る液体の流れを示す。
【図1E】この発明のロータの平面図で、このロータが回転するときのこのロータの室およびチャンネルを通る液体の流れを示す。
【図1F】この発明のロータの平面図で、このロータが回転するときのこのロータの室およびチャンネルを通る液体の流れを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータ本体を有する遠心式ロータであって、該ロータ本体が、液体計量分配室、液体受け入れ室、およびサイホンを有している遠心式ロータにおいて、
前記サイホンがサイホン入口を介して前記液体計量分配室に接続され、且つサイホン出口を介して前記液体受け入れ室に接続されており、前記サイホン入口が前記サイホン出口の半径方向外側にあり、また
前記サイホン出口は、液体が前記第1室から前記第2室へ移される前は前記第1室内の液体のメニスカスの点の半径方向外側にあり、液体が前記第1室から前記第2室へ移されると前記第1室内の液体のメニスカスと同じ半径方向位置にあるように位置付けられている遠心式ロータ。
【請求項2】
ロータ本体を有する遠心式ロータであって、該ロータ本体が、液体計量分配室、液体受け入れ室、およびサイホンを有している遠心式ロータにおいて、
前記サイホンがサイホン入口を介して前記液体計量分配室に接続され、且つサイホン出口を介して前記液体受け入れ室に接続されており、前記サイホン入口が前記サイホン出口の半径方向外側にあり、また
前記サイホン出口は、液体が前記第1室から前記第2室へ移される前は前記第1室内の液体のメニスカスの点の半径方向外側にあり、液体が前記第1室から前記第2室へ移されると前記第1室内の液体のメニスカスと同じ半径方向位置にあるように位置付けられており、
前記ロータが、
前記液体受け入れ室の半径方向外側に配置された分配リングと、
前記分配リングを前記液体受け入れ室に接続する送り出しチャンネルであって、前記分配リングが入口チャンネルを介してキュベットに接続されている送り出しチャンネルと
をさらに有している遠心式ロータ。
【請求項3】
前記キュベットは抽気されず、且つ前記送り出しチャンネルおよび前記分配リングを介して前記液体受け入れ室から液体を受け入れること、
前記送り出しチャンネル内の液体の流れに対する抵抗が前記入口チャンネルおよび前記分配リング内の液体の流れに対する抵抗より大きく、それによって前記入口チャンネルおよび前記分配リングを通して流れる液体の断面積が前記入口チャンネルおよび前記分配リングの断面積より小さいこと、および
前記ロータを回転することにより、前記液体が、前記液体受け入れ室から、前記送り出しチャンネル、前記分配リングおよび前記入口チャンネルを通して、前記キュベットへ流れるように作用を受け、それによって前記キュベットに前記液体が入ると空気が前記キュベットから前記入口チャンネルを通して逃げること
を特徴とする請求項2に記載の遠心式ロータ。
【請求項4】
前記送り出しチャンネルがサイホンである請求項2に記載のロータ。
【請求項5】
前記キュベットが生物学的試料の分析に必要な試薬を含み、前記キュベットが前記液体受け入れ室の半径方向外側にある請求項2に記載のロータ。
【請求項6】
前記入口チャンネルが、前記送り出しチャンネルの断面積の約1.5倍の断面積を少なくとも有している請求項2に記載のロータ。
【請求項7】
前記入口チャンネルが、前記送り出しチャンネルの断面積の約2倍の断面積を少なくとも有している請求項2に記載のロータ。
【請求項8】
前記送り出しチャンネルの断面積が約0.03mmである請求項2に記載のロータ。
【請求項9】
前記液体分配計量室が血漿計量室であり、前記液体受け入れ室が混合室である請求項1に記載のロータ。
【請求項10】
前記液体受け入れ室が混合室である請求項3に記載のロータ。
【請求項11】
前記キュベットが、生物学的試料の分析に必要な試薬を含む請求項3に記載のロータ。
【請求項12】
ロータ内において第1室から第2室へ予め測定された量の液体を送り出す方法において、
前記第1室に接続されたサイホン入口と前記第2室に接続されたサイホン出口とを有するサイホンをプライミングする段階であって、前記サイホン入口は前記サイホン出口の半径方向外側にある段階と、
予め測定された量の液体が前記第1室から前記第2室へ送り出されるように、前記プライミング段階の後に前記第1室と前記第2室とを有する前記ロータを回転させる段階であって、前記予め測定された量は、前記第2室に接続された前記サイホン出口の半径方向位置に基づいて決定される段階と
を含む方法。
【請求項13】
前記予め測定された量が、前記サイホン出口の半径方向位置および前記第1室の前記第1の容量によって決定される請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記予め測定された量が、前記サイホン出口の半径方向内側にある前記第1室内の容量に基づいて決定される請求項12に記載の方法。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図1D】
image rotate

【図1E】
image rotate

【図1F】
image rotate


【公開番号】特開2008−157960(P2008−157960A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−14351(P2008−14351)
【出願日】平成20年1月25日(2008.1.25)
【分割の表示】特願2006−222178(P2006−222178)の分割
【原出願日】平成7年6月5日(1995.6.5)
【出願人】(506245637)アバクシス,インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】