説明

測定装置、および媒体に封鎖された対象物を電磁的HF信号によって位置特定するための方法

本発明は、媒体に封鎖された対象物を電磁HF信号により位置特定するための測定装置、とりわけ携帯型測定装置であって、ケーシング(82)と、該ケーシング(82)に配置された少なくとも1つの高周波センサとを有し、該高周波センサは、少なくとも1つの第1のアンテナ素子(12)を備える第1のアンテナ配置構成体(10)を有し、前記アンテナ素子は有利には第1の偏波面で放射および/または受信する形式の測定装置に関する。本発明によれば、前記アンテナ配置構成体(10)は、少なくとも1つの別のアンテナ素子(14)を有し、該別のアンテナ素子の偏波面は、前記第1のアンテナ素子(12)の偏波面に対して回転されている、ことが提案される。さらに本発明は、媒体に封鎖された対象物を電磁HF信号を用いて、複数のアンテナ素子(12,14;11,12)を備える測定装置により位置特定するための方法に関し、ここでは測定信号の送信および/または受信が種々異なる偏波面で実行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
従来技術
本発明は、測定装置、ならびに媒体に封鎖された対象物を、1GHzから5GHzの間の周波数領域にある電磁的高周波信号によって位置特定するための方法に関する。
【0002】
媒体に封鎖された対象物を位置特定するために、すでに長い間、公知の誘導性センサの他に、最近では電磁的高周波信号も使用される。相応の測定装置は、例えば高周波レーダ信号ないしはマイクロ波を放射するためのアンテナを有する。
【0003】
例えば壁の中のケーブルまたはパイプのような対象物を検出するために整合されている装置のためのアンテナは、一般的に高周波(HF)のレーダ信号の送信または受信に関して最適化されている。この種のアンテナは、例えばDE10104863 A1から公知である。
【0004】
DE10104863 A1のアンテナは一体的な平面アンテナであり、高い機械的安定性を以て回路基板に固定することができ、また比較的対称の指向性グラフを有し、二次極大値ないしサイドローブは十分に低減されている。公知のアンテナは導電性の基板から構成されており、この基板は相互に対向する縁部において、アンテナを給電回路網に接続するための導体アームとして使用される、湾曲した2つの面区画を有する。
【0005】
アンテナを備える位置特定装置はとりわけ多面的に使用することができる。なぜならこの装置は磁気材料に制限されず、電源電圧を必要とせず、被検物質の誘電率の変化に応答するからである。したがって測定時には、プラスチックパイプ、エアロックないしは中空区間も検出することができる。
【0006】
しかしこの種の装置の欠点は、壁、カバー、または床の構造、すなわち封鎖された対象物を包囲する材料の影響を受けることである。この影響は比較的大きく、部分的には封鎖された対象物自体の影響よりも大きいことがある。したがってレーダ装置では、壁構造および対象物の不均質性を探査するのが困難である。
【0007】
発明の開示
媒体に封鎖された対象物を位置特定するための、請求項1の特徴的構成を備える本発明の測定装置は、とりわけ携帯型測定装置として構成することができ、同様に電磁的HF信号によって対象物の位置特定を行う公知の測定装置に対して次のような利点を有する。すなわち、測定装置の高周波センサが少なくとも2つのアンテナ素子を使用し、これらのアンテナにより放射または受信される電磁波の偏波面は相互に回転されているという利点を有する。
【0008】
したがって有利にはマルチアンテナシステムを使用することが提案される。このマルチアンテナシステムでは、アンテナ素子による放射ないしは受信が、とりわけ相互に回転された異なる偏波面を経過するように複数のアンテナが配置されている。これによりこの種のセンサの測定信号は異方性の対象物、すなわち長手の対象物と異なる強度で交互作用する。
【0009】
このために例えばアンテナ素子自体、ないしはアンテナ素子の対称面を相互に回転することができる。このことは特に有利である。なぜなら、アンテナ幾何形状ないしは対称性も放射される波の偏波面に影響するからである。択一的に、2つのアンテナ素子から放射される2つのHF信号の相対的位相シフトによっても放射面ひいては偏波面は変化される。しかしこの場合、個々のアンテナの受信面は常に同じままである。
【0010】
複数のアンテナ素子を備え、これらのアンテナ素子により放射ないしは受信される波の偏波面が相互に回転されている高周波センサの利点は、ただ1つの例えば水平面ではなく、複数の面で相応の測定信号を記録できることである。これにより定置の測定の場合有利には、媒体に封鎖された対象物を、高周波センサの異なる測定チャネルの測定信号を差分形成することによって容易に発見することができる。しかし測定信号をただ1つの平面でだけ送信する1つのアンテナ素子を使用する場合、センサ(または択一的に対象物自体)を運動させなければならない。なぜなら、この種の測定装置によっては誘電率における相違しか検出できないからである。対象物が例えば壁内に水平に設置されている場合、水平偏波測定信号は垂直偏波測定信号よりも、格段に強力な反射信号ないしは反射振幅を検出することとなる。なぜなら、垂直偏波測定信号は実際には壁ないしは壁構造体の反射だけを測定するからである。したがって、2つのアンテナ素子の少なくとも2つの偏波面が相互に回転されている高周波センサ、ないしは放射面ないしは受信面が相互に回転されている少なくとも2つのアンテナ素子を備える高周波センサは基本的に運動させる必要がない。
【0011】
センサが運動する場合でも、本発明のマルチアンテナシステムを備える高周波センサは有利には、壁構造体を測定信号から効率的に計算するのに役立つ。したがい、アンテナが相互の直交に配向されており、相応に相互に直角に配向された偏波面を備える測定信号を送信する2アンテナシステムでは、2つのアンテナにより検出される各信号、すなわち高周波センサの2つの測定チャネルに発生する各信号は壁構造の構成成分である。2つのアンテナ素子の測定信号が異なっていれば、検出される対象物は偏波面の1つの優先方向(信号の異方性)に存在する。
【0012】
例えば床に床暖房が組み込まれている場合のような積層構造体の場合、各層(タイル、たたき、発泡ポリスチレン、パイプ、コンクリート)で信号が形成される。なぜなら送信された信号は、材料の誘電率のそれぞれの変化に基づいて反射されるからである。このようなシステムでも測定信号の差分形成によってバックグランド効果を除去することができ、パイプ自体を効率的かつ容易に発見することができる。
【0013】
ただ1つのアンテナ素子を備える測定装置を対象物に対して平行に運動させると、この装置は対象物を発見することができない。なぜなら、誘電率変化が検出されないからである。相互に回転された複数のアンテナを備える測定装置、ないしはアンテナから送信されるHF測定信号の複数の偏波面が相互に回転されている測定装置では、アンテナ素子に割り当てられた測定信号間の信号差を連続的に得ることができ、したがって対象物を容易に発見することができる。
【0014】
さらに高周波センサの感度を、既存のアンテナ素子が差動するように最適に整合することができる。この場合、生じる測定信号はほとんど上昇しない。アンテナ素子を1つだけ備える測定装置では、壁反射等による過励振の問題がある。このことは、封鎖された本来の対象物の信号評価と位置特定を非常に困難にする。測定信号の差分形成は、マルチアンテナシステムおよびとりわけ偏波面が相互に回転されたシステムによって初めて可能となる。この差分形成によって有利には位置測定のダイナミクスも向上する。
【0015】
従属請求項には、請求項1に示した測定装置の有利な発展形態および改善が記載されている。
【0016】
本発明の測定装置の有利な実施形態によれば、測定装置は複数のアンテナ素子を有し、それらの偏波面はそれぞれ角度αだけ相互に回転されている。
ここで特に有利には角度α=180°/nを選択する。したがって放射または受信は種々異なる偏波面(垂直、水平、30°等)に延在し、異方性の対象物、すなわち長手の対象物による測定信号の交互作用が種々異なる大きさとなる。
【0017】
有利な実施形態によれば、各アンテナ素子は例えば三角形状の少なくとも2つの導電性アンテナ区間からなる。これらのアンテナ区間は測定点に対して対称に配置されており、それぞれ対角に対向している。とりわけアンテナ区間は相互に分離しており、したがってアンテナ素子は2つの部材とすることができる。ここで有利には隣接するアンテナ区間は十分に相互に分離されている。
【0018】
このことによってこれらのアンテナ区間を相応に励起すると、電磁界が形成され、この電磁界は放射され、したがってアンテナが形成される。本発明による配置構成体の幾何形状は、放射される電磁界がアンテナ素子上方の空間で横断面においても縦断面においても、急激な変化ないしは二次的極大値が生じることなく1つの偏波面で送信されるよう構成されている。
【0019】
有利には本発明の測定装置はスイッチ手段または信号分配手段を有し、これにより一度形成された送信信号を個々のアンテナ素子に分配することができる。したがい、2つの測定方向ないしは偏波方向を使用する場合、すなわち相互に回転された2つの同形式のアンテナ素子を使用し、これらのアンテナ素子が有利には相互に直交に配向されている場合、送信信号を2つの測定チャネルに分配することが、2つのアンテナ素子を制御するために必要である。2つの信号を形成するコストを低減するために、形成された送信信号を後から分配することができる。2つの方向に分配する際に、送信信号を所要の電力で分配することができる。ここで標準的に有利には電力は、送信信号の入力電力と分配数との比で分配する。しかし別の分配も同様に可能である。
【0020】
有利な実施形態によれば、1つのアンテナ配置構成体のアンテナ素子は同相に制御される。しかしアンテナ素子を例えば90°または180°の所定の位相差で制御することも可能である。
【0021】
本発明の測定装置のさらなる有利な改善形態では、この装置が第2のアンテナ配置構成体を有し、このアンテナ配置構成体にはさらに多数のアンテナ素子が設けられている。このアンテナ素子により放射または受信されるHF信号の偏波面も相互に回転されている。このことはとりわけ、アンテナ素子自体が相互に回転されているか、またはこのアンテナ素子の放射面が相互に回転されていることにより可能である。
【0022】
特に有利には測定装置ないし位置特定装置は、m = nが満たされるときに実現される。測定装置が2つのアンテナ配置構成体を有し、このアンテナ配置構成体がそれぞれ同数のアンテナ素子を備える形式の測定装置では、この測定装置の個々の高周波回路部が両方のアンテナ配置構成体を制御することができる。このことは、この高周波回路部の信号がスイッチによって択一的に、または相応の信号分配手段によって同時に、アンテナ配置構成体の個々のアンテナ素子に導かれることにより達成される。
【0023】
有利にはこのような高周波回路部は複数の測定チャネルを有する。この測定チャネルの数は、アンテナ配置構成体のアンテナ素子の数と同じである。
【0024】
本発明の測定装置の有利な実施形態では、この測定装置が距離センサ系を有する。これにより測定装置の測定信号を測定装置の位置に割り当てることができる。このようにして、本発明の測定装置の測定結果を、グラフィックに出力ユニットに表示し、位置特定された対象物の位置について精確に指示することができる。なぜなら、対象物が位置特定される事実の他に、その位置も測定装置と接続された距離センサ系によって検出されるからである。
【0025】
本発明の測定装置の特に有利な実施形態では、付加的なセンサが測定装置のケーシングに組み込まれている。このようにして例えば付加的な赤外線センサ、または容量性センサ、誘導性センサ、または電源電圧センサを測定装置に組み込むことができる。とりわけ床暖房、壁暖房、または天井暖房を検出するために、アンテナ素子を備える高周波センサの他に、1つまたは複数の赤外線センサを使用すると有利である。なぜなら赤外線センサにより熱検出が保証され、この種の暖房の流れ方向も検出できるからである。
【0026】
種々異なるセンサを本発明の測定装置に使用することにより、例えば非常に検出するのが困難な環境でのヒートパイプの検出が保証される。このことにより、使用者の安全性が、とりわけこの種のパイプが損傷する可能性の点で改善される。
【0027】
媒体に封鎖された対象物を位置特定するための本発明の高周波方法によって有利には、相応の測定装置に配置された複数のアンテナ素子が選択的に、測定信号の送信器または受信器として作動される。とりわけ本発明の方法では、測定信号の送信および/または受信を種々異なる数のアンテナ素子により実行する手段が設けられている。送信および受信は種々異なる平面で行うことができる。なぜならアンテナ素子は、測定信号を種々異なる偏波面で送信および受信できるように構成されているからである。したがって測定信号は、相互に回転されたすべての測定面ないしは偏波面で送信することができる。択一的に測定信号を1つの方向に、例えば垂直にだけ送信することができる。測定信号を複数の偏波面で送信することも可能である。しかしこのことは連続して行われる。1つの偏波面でだけ送信し、複数の例えば2つの方向で受信するとは有利である。なぜなら、例えば壁または壁に封鎖された対象物が測定信号の位相を回転することがあるからである。例えば金属製対象物が測定信号の位相を変化させれば、対象物特性の点で、すなわち金属/非金属の相違の点でHF信号によって別のポジティブな付加情報が得られることも考えられる。この付加情報は、測定装置の相応の信号評価によって有利に評価することができる。したがって、測定信号の受信に使用されるより少数のアンテナ素子によって送信することはまったく有利である。
【0028】
有利には、連続して送信し、連続して受信することのできるシステムが有利である。なぜならこの場合、送信エレメントと受信エレメントとの間の交差感度およびクロストークが排除されるからである。しかしこの種の方法はとりわけ、時間がかかり、測定システムに対するコストが高いという欠点を有する。なぜなら、種々異なるアンテナ素子(水平、垂直)間を切り換えるために高周波スイッチを使用しなければならないからである。これに対して同時に送信および受信することは時間の節約になり、販売的に有利であり、データ量も少ない。しかし送信チャネルと受信チャネルとの間でクロストークする傾向がある。
【0029】
有利にはこのような送信システムは次のようにしてキャリブレーションなしに構成される。すなわち各測定チャネルに対して、2アンテナシステムの場合は水平送信側および垂直送信側で基準経路を形成し、スイッチにより測定信号をアンテナに直接と、この基準経路とに導くのである。このようにして温度ドリフト、および測定信号の変化する信号成分を取り出して計算することができ、エラー測定または短い時間インターバルでの頻繁なユーザキャリブレーションを回避することができる。したがって媒体に封鎖された対象物を電磁高周波信号によって位置特定するための本発明の測定装置ないしは本発明の方法は、複数のアンテナ素子を適切に配置構成し、接続することによって、位置特定の改善を達成する。とりわけ、封鎖された対象物と包囲する媒体との測定信号を良好に分離することができる。
【0030】
媒体に封鎖された対象物を位置特定するための本発明の測定装置ないしは本発明の方法のさらなる利点は、実施例の以下の説明から明らかになる。
【0031】
図面
本発明の測定装置ないしは本発明の方法の実施例を図示し、これを以下に詳細に説明する。図面の各図、明細書および請求項には、多数の特徴および組み合わせが包含される。当業者であればこれらの特徴を単独でも考慮し、またそれらの特徴をさらに有利に組み合わせることができる。
図1は、位置特定装置の高周波センサのための本発明によるアンテナ配置構成体を示す。
図2は、図1のアンテナ配置構成体の断面を概略的に示す。
図3は、本発明による方法を説明するためのブロック回路図である。
図4は、本発明の測定装置に対する択一的センサ配置構成体を概略的に示す。
図5は、本発明による測定装置の斜視図である。
【0032】
図1は、本発明の測定装置に対するアンテナ配置構成体10の第1実施例を示す。図1の実施例によるアンテナ配置構成体10は2つのアンテナ素子12と14を有し、これらは相互に90°の角度の下で配置されている。アンテナ配置構成体10は支持装置16、例えば導体路基板の上にあり、これに機械的に固定され、電気的に接続されている。
【0033】
アンテナ素子12と14はそれぞれ、相互に分離されている実質的に三角形の2つのアンテナ区間121と122(アンテナ素子12に対して)、ないしは141と142(アンテナ素子14に対して)からなる。個々のアンテナ素子のアンテナ区間は相互に分離されており、かつ他方のアンテナ素子のアンテナ区間からも分離されている。図1のアンテナ配置構成体の個々の薄板121,122,141,142は脚点23を介して支持装置16にはんだ付けされている。したがって4つすべてのアンテナ区間を取り付けることにより初めてアンテナ配置構成体が形成される。実質的に三角形のアンテナ区間における渦電流効果を低減するために、図1ではスリットないしは切欠部18が設けられており、これらは有利にはアンテナ区間10の対称軸に沿って延在する。実質的に三角形のアンテナ区間121,122,141,142は正方形を形成するアンテナ配置構成体の外辺において、支持装置16に対して実質的に垂直に延在する導電性の遮蔽壁20に移行する。
【0034】
アンテナ配置構成体10の遮蔽壁20にはさらに切欠部22が設けられており、ここでは横方向に2つの車軸24,26が取り付けられている。この車軸24,26ならびにこの車軸と結合された転動体(分かりやすくするため図1には図示されていない)は本発明の測定装置の距離検出システムの一部である。この距離検出システムによって測定装置は被検表面上を走行することができる。またこの距離検出システムによって精確な距離検出を行うことができ、検出された測定信号ごとに位置情報を測定装置の相応の評価ユニットに供給することができる。
【0035】
アンテナ配置構成体の中点28の領域にある三角形頂点30(図1には図示されていない)は支持装置16のHF信号端子と接触接続されている。したがってアンテナ配置構成のこの中点28は構成体の測定点も形成する。
【0036】
図2は、分かりやすくするためにアンテナ素子12の対称軸を通る概略的断面を示す。このアンテナ素子は実質的に三角形のアンテナ区間121と122、ならびに遮蔽壁20からなる。遮蔽壁20と本来のアンテナ区間121,122との間にはそれぞれ1つの移行区間32がある。
【0037】
図2の湾曲した矢印34により、交番電磁界が概略的に示されている。この交番電磁界は相応のHF信号から供給される。アンテナ軸38に沿って電磁波は、図2の図平面に相当する偏波面を伝播する。ここで波長は、有利には1GHzから5GHzの周波数のレーダ領域にある。HF信号または高周波信号とは、この周波数領域に関連する用語である。
【0038】
それぞれ対角に対向する2つのHF信号端子30は例えば約180°相互に位相のずれたHF信号によりディファレンシャルで励振される。それにより、有利には相互に約90°ずらされた2つの異なる偏波面を有する装置が駆動される。アンテナ区間のそれぞれ対向する端子は、幾何学的に近傍に配置されており、アンテナ軸38に対して有利には平行方向を指す。アンテナ区間の遮蔽壁20の下方端部は、支持装置16の領域において面状に、または少なくとも部分的にシステムアース、有利には基準電位と接続されている。
【0039】
したがって対角に対向するアンテナ区間121と122、ないしは141と142の間には電磁界が形成され、この電磁界は公知のように放射される。アンテナ配置構成体の幾何形状は、放射される電磁界が横断面においても縦断面と同じように、アンテナ配置構成体の上方に、急激な変化なしで形成されるよう構成されている。この場合、直接隣接するアンテナ区間は十分に相互に分離される。
【0040】
有利には図1のアンテナ配置構成体は相互に90°回転されたアンテナ素子12と14を有し、供給または送信されるHF信号が同相であるように制御される。2つのアンテナ素子が同相で動作するこの実施形態の他に、基本的には、2つのアンテナ素子ないしは2つを越えるアンテナ素子を使用する場合、これらのアンテナ素子は90°または例えば180°の位相差により送信することもできる。
【0041】
以下、電磁HF信号により位置特定するための相応の方向を図3に基づき詳細に説明する。このHF信号は本発明の測定装置に使用されるものと同じである。
【0042】
図3は、主要なコンポーネント、および本発明の測定装置とのその交互作用を概略的ブロック回路図に示す。
【0043】
この装置は中央信号処理部と装置制御部50を有する。装置制御部は例えばDSPまたはマイクロコンピュータに集積することができる。この装置制御部は距離検出システム52の情報を処理する。距離検出システムは車軸24,26を介して測定装置の位置を検出することができる。さらに装置制御部50は測定装置の出力ユニットも制御する。この出力ユニットは例えば表示器54により、測定装置のケーシングにおけるグラフィックディスプレイの形態で実現することができる。さらに中央信号処理部ないしは装置制御部50は、測定装置に設けられた操作ユニットを使用したユーザの相応の入力を処理する。操作ユニット56によって、本発明の測定装置のユーザは種々異なる測定プログラムをスタートすることができる。
【0044】
図3の実施例では、本発明の測定装置は2つのアンテナ配置構成体10と11を有する。これらのアンテナ配置構成体は、相互に90°の角度で配置された2つのアンテナ素子12と14(アンテナ配置構成体10に対して)、ないしは13と15(アンテナ配置構成体11に対して)をそれぞれ有する。アンテナ配置構成体10と11の構造は、図1で説明した構造に相当する。
【0045】
本発明の測定装置ないしは相応する本発明の方法は、1つまたは2つのアンテナ配置構成体の使用に制限されるものではない。したがって図3は基礎となる原理の説明にだけ用いるものである。本発明の方法ならびに相応の測定装置は、基本的に任意の数のアンテナ配置構成体により実現することができる。さらにそれぞれのアンテナ配置構成体は、1つのアンテナ配置構成体における2つだけのアンテナ素子の使用に制限されるものではない。図1または図3に例として示した実施例とは別に、本発明の測定装置ないしは本発明の方法は任意の数のアンテナ素子を備えるアンテナ配置構成体を有することができる。これらのアンテナ素子はとりわけ角度αだけ相互に回転されている。有利にはこの角度αは、アンテナ素子の数がnであるとき、アンテナ素子間の角度α、すなわちこれらのアンテナ素子の対称軸間の角度がα=180°/nにより与えられるよう選択される。したがって例えば3つのアンテナ素子を1つのアンテナ配置構成体に使用する場合、アンテナ素子はそれぞれ60°の角度で相互に回転されることとなる。本発明の測定装置ないしは本発明の方法は、実質的に三角形のアンテナ区間の使用に制限されるものではない。アンテナ素子は、例えば矩形の平面アンテナとして一体的に構成することができる。
【0046】
以下、それぞれ2つのアンテナ素子を備える2つのアンテナ配置構成体による実施例を詳細に説明する。図3の実施例アンテナ素子12と14ないしは13と15は、放射が種々異なる平面(垂直、水平)で行われるように配置されており、したがってHF信号は異方性の対象物、すなわち長手の対象物と種々異なる強度で交互作用する。ここで使用され、典型的には1GHzから5GHzの周波数領域にある信号は、パルス信号またはFMCW(周波数変調連続波)信号とすることができる。さらに擬似ノイズ信号を使用することもできる。基本的に本発明の方法では、マイクロ波の各放射形式の使用することができる。
【0047】
図3の実施例による本発明の測定装置の中央装置制御部50はHF回路部58を制御する。このHF信号回路部は使用されるアンテナ素子の数に相応して複数の測定チャネルを有する。したがって図3の実施例で、HF信号回路部は2つの測定チャネルを、アンテナ素子12、14ないしは13,15に対して有する。形成されたHF信号は測定チャネルを介してアンテナ素子に供給される。これにより図2と関連して説明したように、高周波電磁波が一平面にあるそれぞれのアンテナ配置構成体から送信される。
【0048】
図3の実施例に示されるように複数のアンテナ配置構成体を使用する場合、HF回路部58とアンテナ配置構成体(実施例では10,11)との間にスイッチ60を設けることができる。このスイッチは高周波測定信号を選択的に、または同時に種々異なるアンテナ配置構成体10ないしは11に送出する。
【0049】
2つの高周波信号を形成するためのコストを回避するためにHF回路部58で、またはこのHF信号回路部の上流でただ1つのHF信号回路部はHF信号を形成し、このHF信号を相応の位相で、それぞれのアンテナ配置構成体10ないしは11の2つの(または複数の)測定チャネルに供給することができる。2つの方向ないしは2つのアンテナ素子に分配する際に、HF送信信号を所要の電力で分配することができる。ここで標準的な場合、電力は入力電力と分配数との比で分配する。別の分配も同様に可能である。アンテナ素子に供給されるHF信号は例えば同相とすることも、または位相差を付することもできる。例えばアンテナ配置構成体のアンテナ素子に供給される部分信号に90°ないしは180°の位相差を付することができる。
【0050】
HF信号を送信ないしは受信するために、1つのアンテナ配置構成体に2つ(または3つ、4つ等)のアンテナ素子を使用する場合は、以下の手段が可能である。
【0051】
封鎖された対象物を位置特定するためのHF信号は2つの方向(アンテナ素子12と14)に同時に送信することができる。択一的に送信を2つの方向で連続して、すなわち順次行うことも可能である。さらに1つのアンテナ配置構成体にあるアンテナ素子の数に関係なく、基本的に1つの方向、例えば垂直にだけ送信することも可能である。この場合アンテナの給電は、すでに述べたように2つの方向で送信する場合とは異なることができる。2つのアンテナ素子による2つの方向での送信は同相で行うことができる。同じように、2つのアンテナ素子から放射されるHF信号に90°または180°の位相差を付することができる。
【0052】
媒体または媒体に封鎖された対象物で反射されたHF信号の受信は、アンテナ配置構成体に対する配置構成が異なっていても同じように行うことができる。2つの方向反射された信号の受信は2つの方向で同時に行うことができる。しかし択一的に、反射された信号の受信は2つの方向で順次連続して行うことができる。アンテナ配置構成体の1つのアンテナ素子だけを送信に用い、複数のアンテナ素子を受信に使用することも可能である。
【0053】
例えば1つの方向、すなわち1つの測定チャネル(12または14ないしは13または15)でだけ送信し、2つの方向(12と14ないしは13と15)で受信することはまったく有利である。なぜなら位置特定すべき対象物自体、ないしは包囲する媒体、例えば壁が測定信号の位相を回転することがあるからである。例えば金属対象物が位相変化を引き起こす場合、種々異なる送信配置構成ないしは受信配置構成を介して対象物特性に関する付加情報が得られ、例えば金属/非金属を区別することができる。これは、信号評価を1つだけの受信チャネルにより実行し、付加的に2つの受信チャネルにより実行することによって可能である。
【0054】
有利には基本的に、順次連続して送信し、順次連続して受信する。なぜならこれにより交差感度とクロストークが十分に除外されるからである。しかしこの方法の欠点は時間が非常にかかることと、システムに対するコストが高いことである。なぜならHFスイッチを使用しなければならず、変換し、処理しなければならない大量のデータが発生するからである。これに対して同時に送信および受信することは時間の節約になり、販売的に有利であり、データ量も少ない。しかし信号品質が測定チャネル間のクロストークにより悪化する危険性がある。
【0055】
意味のある妥協は、システムが同時に送信し、しかし順次連続して受信することである。なぜならこのシステムは送信側だけに信号分配が必要であり、受信側では1つの受信器(例えばAD変換器を備える標本化回路)が必要なだけで、スイッチは必要ないからである。
【0056】
高周波センサ系により2つの測定個所で、2つの測定方向を測定することにより、媒体、例えば壁内に封鎖された対象物の位置と経過についての判断が可能である。アンテナ配置構成体の2つの空間方向を、測定信号の2つの偏波方向に相応して測定することにより、各測定個所に対してバックグランド減算を直接行うことができ、これにより建材内のプラスチックパイプを良好に検出することができる。このようにして、包囲する媒体、例えば壁、屋根または床の構造的影響を低減することができ、弱い信号しか形成しない対象物、例えばプラスチックパイプを検出することができる。
【0057】
有利には本発明の送信システムは次のようにしてキャリブレーションなしに構成される。すなわち各測定チャネル(図3の実施例では水平と垂直)に対して、送信側で基準経路を形成するのである。この基準経路はスイッチを介して、HF信号を例えば所定の接続抵抗に、または相応のアンテナ素子に直接接続することを可能にする。このようにして温度ドリフトまたは他の可変信号成分を信号処理により計算で除外することができる。このことは少なくとも工場キャリブレーションまたはユーザキャリブレーションを必要とするが、エラー測定を回避する。
【0058】
前に説明したアンテナ配置構成体の他に、本発明の測定装置は、媒体に封鎖された対象物の位置特定を容易にする別のセンサを有することができる。例えば誘導性または容量性の別のセンサを設けることができる。これらのセンサは図3ではまとめて参照符合62により示されている。例えば誘導性または容量性センサにより、封鎖された対象物の純粋な位置特定の他に対象物材料の識別が容易になる。ここではとりわけ赤外線センサ64を使用するのが有利である。なぜなら赤外線センサは熱源の識別を可能にするからである。とりわけ床暖房、壁暖房、天井暖房の正確な位置検出と関連して、本発明の測定装置に付加的な赤外線センサを装備することは有利である。測定装置に存在するすべてのセンサを使用することにより、非常に検出するのが困難な環境でのヒートパイプの検出が保証される。このことにより、パイプの損傷に関係するようなユーザの安全性が改善される。例えば赤外線センサ系を使用することにより、床の熱分布についての情報、例えば暖房の通流方向ないしは相応の漏れを検出することができる。
【0059】
図4は、本発明の測定装置に対して可能なセンサ装置の概略図である。センサは、それぞれ2つのアンテナ素子12と14ないしは13と15を備える2つのアンテナ配置構成体10と11を有する。2つのアンテナ配置構成体10と11の間には赤外線センサ系が配置されており、これらは例えば第1の赤外線センサ70を介して対象物の熱検出を行うことができる。例えば2つの別の赤外線センサを含む、空間的に分離された付加的な赤外線センサ系72によって、熱分布の検出が可能である。2つの別の赤外線センサは場合により差動評価することができる。HFセンサ系10、11と赤外線センサ系70、72の他に、図4の実施例によるセンサ74はさらに誘導性センサ系のコイル装置76と、容量性センサ78を有する。
【0060】
したがって、媒体に封鎖された対象物を電磁HF信号により位置特定するための本発明の測定装置ないしは本発明の方法によって、センサの有利な配置構成およびこれらのセンサの相応の回路構成が可能になり、壁構造と封鎖された対象物の信号を良好に分離することができる。とりわけ相互に回転された複数のアンテナ素子を使用することによって対象物の位置と経過を良好に検出することができる。
【0061】
図5は、本発明による測定装置の実施例を概略図で示したものである。図5は、携帯型測定装置80を示し、この装置は媒体に封鎖された対象物を多重センサ系により検出する。
【0062】
この測定装置80のケーシング82は2つの、有利には相対する運動方向84,86に走行可能である。これらの運動方向は測定装置のケーシング82の長手伸長方向に対して垂直に延在する。この測定装置80は、レーダとして構成された4つの円柱体90,92,94,96を有する。これらの円柱体は、機器の長手伸長方向88には端面98ないし100で対向しており、機器の横伸長方向ではそれらの外側領域に配置されている。長手伸長方向88にそれぞれ対向する円柱体90と94ないしは92と96は固定軸24ないしは26(図1参照)を介して相互に回動不能に結合されている。ここで固定軸24ないし26は、それら固定軸の保持部が走行可能な装置の軸案内部として用いられるようにアンテナ配置構成体を通って案内されている。
【0063】
運動特性量を検出するために、測定装置80はとりわけ2つのセンサを備えるセンサユニットを有し、これらのセンサにより運動特性量を検出することができる。そのために軸24ないし26には、詳細に示さないがセグメントホイールが装着されている。これらのセグメントホイールはフォーク状の光スイッチ内を運動し、これにより装置の運動方向を検出することができる。
【0064】
測定装置80のケーシング82はそのカバー側102に、アイロン形グリップ104により形成された保持装置106を有する。保持装置106はケーシング82の長手伸長方向88に延在している。この保持装置106とホイール90,92,94,96によって、測定装置は被検媒体、例えば壁、床、または天井の表面上を走行することができる。
【0065】
グラフィックディスプレイ54に向いた側に保持装置106は第1の操作素子108を有する。この第1の操作素子により、封鎖された対象物を位置特定するための相応の測定過程を開始ないしは終了することができる。保持装置106と、グラフィックディスプレイ54として構成された装置の画面との間には、キーフィールド110が配置されている。このキーフィールドは種々の測定キー112,114,116を有しており、これらのキーにより測定装置の多重センサ系の種々のセンサをスイッチオン/オフすることができる。
【0066】
本発明のアンテナ配置構成体10ないし10と11は、保持装置106とは反対側の測定装置のヘッド部118に配置されており、図5では概略的に破線により示されている。ここで高周波センサのアンテナ素子12と14ないしは12,13,14,15は、図5では隠されているケーシング82の下方に配向されている。
【0067】
本発明の測定装置、とりわけ媒体に封鎖された対象物を検出するための携帯型位置特定装置は多重センサ系を有する。この多重センサ系はとりわけ、約1GHzから5GHzの間の周波数領域にある複数のレーダアンテナからなる高周波センサ系である。さらに本発明の測定装置は、金属対象物を位置特定するための誘導性センサを有する。高周波アンテナならびに誘導性センサのコイル装置は、機械的支持装置によって相互に相対的に、とりわけ測定装置のケーシングにマルチセンサユニットとして配置される。この場合、機械的支持装置は測定装置の支持基板に直接固定することができる。この支持基板はさらに、測定装置を作動するための別の電子制御素子を有する。別のセンサ系、例えば容量性センサ、容量性かつパッシブに、すなわち電界を形成せずに電源線路の交番電界を検出することのできる電源電圧検出器、ならびに1つまたは複数の容量性高周波検出器も、機械的支持装置の相応の検出部ないしは所属の支持基板に、この多重センサ系の各センサが同じ測定個所を有するように配置することができる。このことは、発見され、検出された対象物についての精確な情報につながる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】図1は、位置特定装置の高周波センサのための本発明によるアンテナ配置構成体を示す。
【図2】図2は、図1のアンテナ配置構成体の断面を概略的に示す。
【図3】図3は、本発明による方法を説明するためのブロック回路図である。
【図4】図4は、本発明の測定装置に対する択一的センサ配置構成体を概略的に示す。
【図5】図5は、本発明による測定装置の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に封鎖された対象物を電磁HF信号により位置特定するための測定装置であって、ケーシング(82)と、該ケーシング(82)に配置された少なくとも1つの高周波センサとを有し、
該高周波センサは、少なくとも1つの第1のアンテナ素子(12)を備える第1のアンテナ配置構成体(10)を有し、
前記アンテナ素子は有利には第1の偏波面で放射および/または受信する形式の測定装置において、
前記アンテナ配置構成体(10)は、少なくとも1つの別のアンテナ素子(14)を有し、
該別のアンテナ素子の偏波面は、前記第1のアンテナ素子(12)の偏波面に対して回転されている、ことを特徴とする測定装置。
【請求項2】
請求項1記載の測定装置において、
該測定装置(80)は第1の数 n のアンテナ素子(12,14)を有し、それらアンテナ素子の偏波面は相互に回転されている測定装置。
【請求項3】
請求項2記載の測定装置において、
前記偏波面はそれぞれ角度αだけ相互に回転されている測定装置。
【請求項4】
請求項3記載の測定装置において、
前記角度αは、α=180°/nである測定装置。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか一項記載の測定装置において、
各アンテナ素子(12,14)は、測定点(28)を中心に対称に配置された少なくとも2つの導電性アンテナ区間(121,122,141,142)からなり、該導電性アンテナ区間はそれぞれ相互に対角に配置されている測定装置。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか一項記載の測定装置において、
スイッチ手段(58)または信号分配手段(58)が設けられており、これにより送信信号を複数のアンテナ素子(12,14)に分配することができる測定装置。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか一項記載の測定装置において、
スイッチ手段(58)または信号分配手段(58)が設けられており、これによりアンテナ配置構成体(10)のアンテナ素子(12,14)は同相に制御される測定装置。
【請求項8】
請求項1から6までのいずれか一項記載の測定装置において、
スイッチ手段(58)または信号分配手段(58)が設けられており、これによりアンテナ配置構成体(10)のアンテナ素子(12,14)は任意の所定の位相差を以て制御される測定装置。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか一項記載の測定装置において、
当該装置(80)のケーシング(82)には、第2の数 m のアンテナ素子(13,15)を備える第2のアンテナ配置構成体(11)が配置されている測定装置。
【請求項10】
請求項2または9記載の測定装置において、
m = nである測定装置。
【請求項11】
請求項9または10記載の測定装置において、
HF回路部(58)が設けられており、該HF回路部は2つのアンテナ配置構成体(10,11)を制御し、
前記HF回路部(58)の信号はスイッチ(60)により択一的に、または信号分配手段により同時に前記アンテナ配置構成体(10,11)に導かれる測定装置。
【請求項12】
請求項7から11までのいずれか一項記載の測定装置において、
前記HF回路部(58)は複数の測定チャネルを有し、該測定チャネルの数は、アンテナ配置構成体(10,11)ののアンテナ素子(12,14;11,13)の数と同じである測定装置。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか一項記載の測定装置において、
少なくとも1つの付加的赤外線センサ(64,70,72)が当該測定装置(80)のケーシング(82)に配置されている測定装置。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか一項記載の測定装置において、
当該測定装置(80)は距離センサ系(24,25,26)を有しており、
該距離センサ系により、HF測定信号および/または赤外線測定信号が該測定装置の位置に割り当てられる測定装置。
【請求項15】
請求項1から14までのいずれか一項記載の測定装置において、
当該測定装置はスイッチ手段を有しており、
該スイッチ手段によりHF信号が基準ネットワークに供給される測定装置。
【請求項16】
媒体に封鎖された対象物を電磁HF信号を用いて、複数のアンテナ素子(12,14;11,12)を備える測定装置により位置特定するための方法において、
測定信号の送信および/または受信は種々異なる偏波面で実行される、ことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項16記載の方法において、
測定信号の送信および/または受信は、種々異なる数のアンテナ素子(12,14;13,15)により実行される、ことを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項16または17記載の方法において、
送信するのよりも少数のアンテナ素子により受信される方法。
【請求項19】
請求項16または17記載の方法において、
受信するのよりも少数のアンテナ素子により送信される方法。
【請求項20】
請求項16または17記載の方法において、
少なくとも2つのアンテナ素子により順次、送信および受信される方法。
【請求項21】
請求項16または17記載の方法において、
少なくとも2つのアンテナ素子により同時に送信および受信される方法。
【請求項22】
請求項16または17記載の方法において、
少なくとも2つのアンテナ素子(12,14;13,15)が送信器としても受信器としても機能し、
前記少なくとも2つのアンテナ素子(12,14;13,15)の偏波面は相互に回転されている方法。
【請求項23】
請求項16から22までのいずれか一項記載の方法において、
測定装置には送信信号が形成され、該送信信号は引き続き送信アンテナ素子に分配される方法。
【請求項24】
請求項23記載の方法において、
前記送信信号の電力は、既存の送信アンテナ素子の数に相応して、入力電力と分配数との比で分配される方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−513987(P2009−513987A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−538326(P2008−538326)
【出願日】平成18年10月20日(2006.10.20)
【国際出願番号】PCT/EP2006/067636
【国際公開番号】WO2007/051721
【国際公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】