説明

測定装置、通信装置、管理システム、およびプログラム

【課題】管理サーバへのデータの送信による予期しない通信料金の請求を防止できる管理システムを提供する。
【解決手段】血糖値を測定する血糖値測定装置1と、管理サーバと、ネットワーク回線を介して管理サーバと通信を行う通信装置とを備える管理システムにおいて、血糖値測定装置1の制御部18にデータ送信部18f、送信指示部18g、禁止条件判別部18c、および送信禁止部18hを設けた。データ送信部18fは血糖値等データを通信装置に送信する。送信指示部18gは血糖値等データの管理サーバへの送信を通信装置に指示する。禁止条件判別部18cは禁止条件を満たしているか否かを判別する。送信禁止部18hは禁止条件を満たしていると判別された場合に、データ送信部18fによる送信を禁止するか送信指示部18gによる送信指示を禁止することで、血糖値等データが管理サーバに送信されないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定結果であるデータを管理サーバに送信し当該管理サーバでデータの管理を行う管理システム、当該管理システムにおいて測定を行う測定装置、当該管理システムにおいてデータを送信する通信装置、および、測定装置または通信装置を制御するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、患者が種々のデータを自分で測定することができる携帯型の測定装置が開発されている。例えば、糖尿病患者は、食後および就寝前に血糖値の測定をする必要がある。血糖値測定装置は、糖尿病患者が簡単に自分で血糖値を測定できるようにした携帯型の測定装置である。血糖値測定装置には、測定された血糖値などのデータ(以下では、「血糖値等データ」とする)をネットワーク回線を介して管理サーバに送信できるものがある。
【0003】
図9は、通信装置を用いて通信を行い、ネットワーク回線を介して管理サーバに接続できる血糖値測定装置を説明するための図である。
【0004】
血糖値測定装置100は、血糖値を測定するものである。血糖値測定装置100は、接続ケーブルで通信装置3に接続されている。血糖値測定装置100が測定した血糖値などのデータは、接続ケーブルで接続されたとき、あるいは、接続されて所定の操作が行われたときに、通信装置3に出力される。通信装置3は、入力された血糖値等データをネットワーク回線4を介して管理サーバ5に転送する。管理サーバ5は、受信した血糖値等データを蓄積記録する。患者および担当医は、管理サーバ5にアクセスすることで、蓄積された血糖値等データを見ることができる。
【0005】
通信装置3として携帯電話装置などを用いる場合、患者は、血糖値を測定したその場で、血糖値等データを管理サーバ5に送信することができる。この場合、血糖値測定装置100を持ち帰ってネットワーク回線4にアクセスできるパソコンなどに接続する必要がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004-62285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
携帯電話装置によっては、国際ローミングサービスを利用できるものもある。この場合、患者は、外国滞在中でも血糖値等データを管理サーバ5に送信することができる。しかしながら、一般的に国際ローミング時の通信料金は高額なので、外国滞在中に血糖値等データを送信すると請求される通信料金が高額となる。定額料金プランを契約している場合、患者は個別の通信料金を気にしないが、一般的な定額料金プランでは国際ローミング時の通信料金は別料金となっている。したがって、患者がこのことを知らずに利用して高額の請求がされるという問題が生じる。
【0008】
また、時間帯によって通信料金が異なる(割引になる)時間帯割引サービスを利用する場合にも、同様に問題が生じる場合がある。例えば、患者が通信料金の安い時間帯に血糖値等データを送信したつもりであったが、実際に送信されたのが通信料金の高い時間帯であった場合にも、予期しない高い通信料金が請求されることになる。
【0009】
なお、上記の問題は、血糖値測定装置100が携帯電話装置以外の通信装置を用いて通信を行う場合にも生じる。例えば、通信装置がスマートフォンやパソコンなどであっても、同様の問題が生じる場合がある。また、血糖値測定装置100以外の測定装置の場合(例えば、血液分析装置や尿分析装置、心電図測定装置、血圧測定装置など)にも、同様の問題が生じる。例えば血圧測定装置を体に装着し、継続的に血圧を測定して送信する場合などに、特に問題が生じる。すなわち、この場合は継続的に測定結果を送信する必要から、測定装置と通信装置とが常時接続されていて、測定の度に測定結果を自動送信することになる。この場合、患者の意志とは無関係に測定結果が送信されるので、患者は測定結果が送信されていることを忘れがちになる。したがって、患者は外国に滞在していることや時間帯を気にしていない場合があり、通信料金の請求がきて初めて通信料金の高さに気付くことになる。
【0010】
本発明は上記した事情のもとで考え出されたものであって、管理サーバへのデータの送信による予期しない通信料金の請求を防止できる管理システムを提供することをその目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0012】
本発明の第1の側面によって提供される測定装置は、ネットワーク回線を介して受信したデータを管理する管理装置を備える管理システムにおける、前記データを測定する測定手段を有する測定装置であって、前記管理装置と通信を行う通信装置に前記データを送信するデータ送信手段と、所定の禁止条件を満たしているか否かを判別する禁止条件判別手段と、前記禁止条件判別手段が前記所定の禁止条件を満たしていると判別した場合に、前記データが前記通信装置又は前記管理装置に送信されないようにする送信禁止手段とを備えていることを特徴とする。
【0013】
なお、本発明における「測定装置」とは、測定を行って測定結果をデータとして出力するものである。例えば、測定物から特定の成分を検出してその成分量や構成比率を測定値として算出するものとして、血液中のグルコース濃度を測定する血糖値測定装置や血液分析装置、尿分析装置などがある。また、心臓の筋肉を流れる電流値を測定する心電図測定装置や血圧測定装置なども「測定装置」に含まれる。また、医療用のものに限られず、果汁中の糖分濃度を測定する糖度測定装置や、GPS(Global Positioning System)技術を用いて位置情報を測定する位置測定装置なども「測定装置」に含まれる。
【0014】
また、本発明における「通信装置」とは、ネットワーク回線を介して通信を行うものである。例えば、携帯電話装置、スマートフォン、携帯情報端末、ラップトップパソコン、デスクトップパソコン、固定電話などが「通信装置」に含まれる。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態では、前記通信装置は前記データ送信手段によって送信された前記データを記憶するための第1の記憶手段を備えており、前記測定装置は、前記測定手段によって測定された前記データを記憶するための第2の記憶手段と、前記データを前記第1の記憶手段にのみ記憶するか、前記第2の記憶手段にのみ記憶するか、両方に記憶するかを選択する選択手段と、前記通信装置に前記データの前記管理装置への送信を指示する送信指示手段とをさらに備え、前記送信禁止手段は、前記選択手段によって前記第1の記憶手段に前記データを記憶するようにされていた場合は、前記送信指示手段による送信指示を禁止し、前記選択手段によって前記第2の記憶手段にのみ前記データを記憶するようにされていた場合は、前記データ送信手段による前記データの送信を禁止する。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態では、前記測定装置は、測定物を配置するセンサを装着するためのセンサ装着部と、前記センサ装着部への前記センサの装着の有無を検知するセンサ検知手段とをさらに備え、前記選択手段は、前記センサ検知手段によって検知された前記センサの装着の有無に基づいて選択する。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態では、前記測定装置は、前記通信装置の通信サービス状況を確認する状況確認手段をさらに備え、前記禁止条件判別手段は、前記状況確認手段によって所定のサービスが行われると確認された場合に、前記所定の禁止条件を満たしたと判別する。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態では、前記所定のサービスは国際ローミングである。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態では、前記測定装置の前記送信指示手段は、送信を指示する際に、併せて前記管理装置のアドレスを送信する。
【0020】
本発明の好ましい実施の形態では、前記通信装置は前記管理装置と通信を行うための通信ネットワークを検出する検出手段を備え、前記測定装置は、前記検出手段が検出した前記通信ネットワークの情報を受信するネットワーク情報受信手段と、前記受信したネットワーク情報を表示する表示手段と、前記表示手段に表示された前記ネットワーク情報を選択するネットワーク選択手段と、前記ネットワーク選択手段によって選択されたネットワーク情報に対応する通信ネットワークを、前記通信装置が前記管理装置と通信を行うための通信ネットワークに設定するネットワーク設定手段と、測定物を配置するセンサを装着するためのセンサ装着部と、前記センサ装着部への前記センサの装着の有無を検知するセンサ検知手段とをさらに備え、前記ネットワーク選択手段は、前記センサ検知手段によって検知された前記センサの装着の有無に基づいて前記通信ネットワークを選択する。
【0021】
本発明の好ましい実施の形態では、前記測定装置は、所定の解除条件を満たしているか否かを判別する解除条件判別手段をさらに備え、前記送信禁止手段は、前記禁止条件判別手段が前記所定の禁止条件を満たしていると判別し、かつ、前記解除条件判別手段が前記所定の解除条件を満たしていないと判別した場合に、前記データが前記通信装置又は前記管理装置に送信されないようにする。
【0022】
本発明の第2の側面によって提供される通信装置は、ネットワーク回線を介して受信したデータを管理する管理装置を備える管理システムにおける、前記管理装置と通信を行う通信装置であって、測定装置が測定した測定結果を前記データとして取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段が前記データを取得した場合に前記データを前記管理装置に送信する転送手段と、所定の禁止条件を満たしているか否かを判別する禁止条件判別手段と、前記禁止条件判別手段が前記所定の禁止条件を満たしていると判別した場合に、前記転送手段が前記データを前記管理装置に送信することを禁止する送信禁止手段とを備えていることを特徴とする。
【0023】
本発明の好ましい実施の形態では、前記通信装置は、通信サービス状況を確認する状況確認手段をさらに備え、前記禁止条件判別手段は、前記状況確認手段によって所定のサービスが行われると確認された場合に、前記所定の禁止条件を満たしたと判別する。
【0024】
本発明の好ましい実施の形態では、前記所定のサービスは国際ローミングである。
【0025】
本発明の好ましい実施の形態では、前記通信装置は、所定の解除条件を満たしているか否かを判別する解除条件判別手段をさらに備え、前記送信禁止手段は、前記禁止条件判別手段が前記所定の禁止条件を満たしていると判別し、かつ、前記解除条件判別手段が前記所定の解除条件を満たしていないと判別した場合に、前記転送手段が前記データを前記管理装置に送信することを禁止する。
【0026】
本発明の好ましい実施の形態では、前記管理装置は前記データの種類毎に設けられており、前記通信装置は、前記データの種類を識別するデータ識別手段をさらに備えており、前記転送手段は、前記データを前記データ識別手段によって識別された種類に対応する管理装置に送信する。
【0027】
本発明の第3の側面によって提供される管理システムは、前記管理装置と、本発明の第1の側面によって提供される測定装置、または、本発明の第2の側面によって提供される通信装置とを備えていることを特徴とする。
【0028】
本発明の第4の側面によって提供されるプログラムは、ネットワーク回線を介して受信したデータを管理する管理装置を備える管理システムにおける、前記データを測定する測定装置のコンピュータを制御するプログラムであって、前記コンピュータを、前記管理装置と通信を行う通信装置に前記データを送信するデータ送信手段と、所定の禁止条件を満たしているか否かを判別する禁止条件判別手段と、前記禁止条件判別手段が前記所定の禁止条件を満たしていると判別した場合に、前記データが前記通信装置又は前記管理装置に送信されないようにする送信禁止手段として機能させることを特徴とする。
【0029】
本発明の第5の側面によって提供されるプログラムは、ネットワーク回線を介して受信したデータを管理する管理装置を備える管理システムにおける、前記管理装置と通信を行う通信装置のコンピュータを制御するプログラムであって、前記コンピュータを前記データを取得した場合に前記データを前記管理装置に送信する転送手段と、所定の禁止条件を満たしているか否かを判別する禁止条件判別手段と、前記禁止条件判別手段が前記所定の禁止条件を満たしていると判別した場合に、前記転送手段が前記データを前記管理装置に送信することを禁止する送信禁止手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、所定の禁止条件を満たしている場合に、測定手段によって測定されたデータの通信装置又は管理装置への送信が禁止される。したがって、所定の禁止条件を満たしている間は管理装置へのデータの送信が行われないので、予期しない通信料金が請求されることを防止することができる。
【0031】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】第1実施形態に係る血糖値測定装置を用いた管理システムの概略構成を説明するための図である。
【図2】第1実施形態に係る血糖値測定装置を説明するためのブロック図である。
【図3】第1実施形態に係る血糖値測定装置の制御部が行う自動送信処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】第2実施形態に係る血糖値測定装置を説明するためのブロック図である。
【図5】第2実施形態に係る通信装置を説明するためのブロック図である。
【図6】第2実施形態に係る通信装置の制御部が行う自動送信処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】第3実施形態に係る血糖値測定装置を説明するためのブロック図である。
【図8】第3実施形態に係る血糖値測定装置の制御部が行う自動送信処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】従来の血糖値測定装置を用いた管理システムの概略構成を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態を、本発明を血糖値測定装置に適用した場合を例として、添付図面を参照して具体的に説明する。
【0034】
図1は、第1実施形態に係る血糖値測定装置を用いた管理システムの概略構成を説明するための図である。図2は、第1実施形態に係る血糖値測定装置を説明するためのブロック図である。
【0035】
管理システムAは、患者の血糖値を管理する管理システムである。図1に示すように、管理システムAは、血糖値測定装置1、通信装置3、ネットワーク回線4、および管理サーバ5によって構成されている。血糖値測定装置1は患者が血糖値を測定するためのものである。血糖値測定装置1は、装着されたセンサ2に付着された血液の血糖値を測定し、血糖値等データを通信装置3に送信する。
【0036】
通信装置3は、例えば、携帯電話装置であって、通信機能を有するものである。通信装置3は、血糖値測定装置1から送信された血糖値等データを、ネットワーク回線4を介して管理サーバ5に送信する。また、通信装置3は、常に通信可能な無線基地局を認識している。通信装置3は、海外において、契約通信会社の無線基地局と通信が不可能な場合でも、契約通信会社の提携会社の無線基地局と通信が可能であれば、国際ローミングにより通信を行うことができる。また、通信装置3は、通信可能な無線基地局に対応する通信ネットワークの情報を血糖値測定装置1に送信することができる。
【0037】
管理サーバ5は、受信した血糖値等データを蓄積管理するサーバである。患者および担当医は、管理サーバ5にアクセスすることで、蓄積された血糖値等データをみることができる。
【0038】
図2に示すように、血糖値測定装置1は、センサ装着部11、センサ検知部12、操作部13、表示部14、通信部15、分析用電気回路部16、記憶部17、および、制御部(CPU)18を備えている。また、血糖値測定時などには、血糖値測定装置1のセンサ装着部11にセンサ2が装着される。
【0039】
センサ装着部11は、センサ2が装着される部分であり、血糖値測定装置1本体の先端部分(図1参照)に形成された、センサ2の一方端が挿入可能な凹部である。なお、センサ装着部11の形状はこれに限られず、センサ2の形状や特性などに応じて設計すればよい。センサ2は、血液を付着させる部分と当該部分に電圧を印加するための電極とを備えている(いずれも図示しない)。センサ装着部11には、センサ2の電極と接続するための図示しない電極が設けられている。
【0040】
センサ検知部12は、センサ装着部11にセンサ2が装着されたか否かを検知するものである。センサ装着部11の内部には図示しないスイッチが設けられており、センサ装着部11にセンサ2が挿入されると、当該スイッチがセンサ2によって押圧されてオンになる。センサ検知部12は、スイッチがオンになったことを検知して、センサ2が装着されたことを示す信号を制御部18に入力する。制御部18は、この信号に基づいて、センサ2が装着されたか否かを判断する。なお、センサ検知部12の構成はこれに限られず、センサ2の装着を適切に検知するものであればよい。
【0041】
本実施形態では、制御部18は、センサ2が装着された場合に電源をオンにして測定が可能な状態にし、その後所定時間以上経過した後にセンサ2の装着が検知されなくなった場合に電源をオフにする。また、本実施形態では、センサ2の装着の有無に基づく信号を、各種設定を行う場合などの操作入力として利用している。すなわち、センサ2の装着状態において、一旦センサ2をセンサ装着部11から抜き取り所定の時間以内に再度挿入すること(以下では「センサ挿出入」とする)を操作入力としている。センサ挿出入による操作入力は、例えば、後述する記憶モードの選択や通信ネットワークの設定において、利用されている。なお、センサ挿出入は、センサ2の抜き取りから再挿入までの時間により異なる操作入力としてもよい。また、例えば、センサ2の抜き取りと再挿入を続けて2回行うことを、別の操作入力としてもよい。
【0042】
操作部13は、操作入力のために押圧されるボタンを備えている。当該ボタンは、血糖値測定装置1本体の表面(図1において紙面手前側の面)に配置されている。操作部13は、ボタンが押圧された場合に操作信号を制御部18に入力する。制御部18は操作信号を入力されることで、操作部13による操作入力がされたことを認識する。なお、ボタンの配置場所やボタンの数は、図1に示すものに限定されない。また、すべての操作入力をセンサ挿出入で行う場合は、操作部13が設けられていなくてもよい。
【0043】
表示部14は、測定された血糖値や注意を促すメッセージなどを表示するものであり、血糖値測定装置1本体の表面に配置されている。表示部14は、例えば液晶表示装置の表示画面により構成されている。
【0044】
通信部15は、Bluetooth(登録商標)技術を用いた短距離無線通信を行うものである。通信部15は、あらかじめ通信装置3とペアリングが行われることで、通信装置3との間で情報を送受信することができる。なお、通信部15はこれに限定されず、赤外線通信などの他の通信技術で通信を行うようにしてもよい。また、無線通信に限定されず、接続ケーブルで接続して有線通信を行うようにしてもよい。なお、血糖値測定装置1が通信装置3と無線通信を行う場合、血糖値測定装置1と通信装置3との間で通信が行われて血糖値等データが自動送信されていることに患者が気付きにくいので、本発明がより有効となる。
【0045】
分析用電気回路部16は、センサ装着部11に装着されたセンサ2の所定部分に血液が付着された場合に、センサ装着部11の電極を介してセンサ2の電極に電圧を印加し、付着された血液中のグルコース濃度に対応した応答電流を生じさせる。また、分析用電気回路部16は、応答電流を電圧変換し、この電圧信号を制御部18に入力する。制御部18の測定値算出部18a(後述)は、入力された電圧信号に基づいてグルコース濃度を算出する。算出されたグルコース濃度が血糖値を示している。このような血糖値の測定方法は周知なので、詳細な説明を省略する。センサ2、センサ装着部11、分析用電気回路部16、および制御部18(測定値算出部18a)が組み合わされた構成が、本発明の「測定部」に対応する。当該測定部は、血糖値を測定している。なお、血糖値の測定方法はこれに限られず、他の方法で血糖値を測定するようにしてもよい。
【0046】
記憶部17は、ROM、RAM、および不揮発性メモリなどを備えている。ROMは、制御部18で実行される制御プログラムなどが記憶されるものである。RAMは、測定された血糖値等のデータが仮に格納されるためのエリアと制御部18が演算などを行う際に使用するワークエリアを提供するものである。不揮発性メモリは、血糖値等データなどを記憶しておくものである。なお、後述する図3のフローチャートに示す自動送信処理などのプログラムは、あらかじめROMに記憶しておいてもよいし、ネットワーク回線4および通信装置3を介してダウンロードして不揮発性メモリに記憶するようにしてもよい。
【0047】
制御部18は、血糖値測定装置1の各種制御や信号処理を行うものであり、例えば、CPUを用いて構成されている。制御部18を機能的な観点から見ると、測定値算出部18a、状況確認部18b、禁止条件判別部18c、解除条件判別部18d、選択部18e、データ送信部18f、送信指示部18g、および、送信禁止部18hを備えた構成となっている。
【0048】
測定値算出部18aは、分析用電気回路部16から入力された電圧信号に基づいて血糖値を算出するものである。測定値算出部18aで算出された血糖値に、測定日時を示すデータおよび患者を識別するための識別データなどが付加されて、血糖値等データが生成される。
【0049】
状況確認部18bは、通信装置3のサービス状況を確認するものである。確認されるサービス状況には、通信装置3が通信を行った場合に国際ローミングによる通信となる状態(以下では、「国際ローミング状態」とする)であるか否かが含まれる。状況確認部18bは、通信部15を介して通信装置3にサービス状況の問い合わせのための信号を送信する。当該信号を受信した通信装置3は、国際ローミング状態であるか否かを含むサービス状況を確認する。契約通信会社の無線基地局と通信が不可能であり、契約通信会社の海外の提携会社の無線基地局と通信が可能である状態である場合が国際ローミング状態である。通信装置3は、サービス状況の内容を回答情報として、通信部15に送信する。状況確認部18bは、通信部15を介して回答情報を受信する。
【0050】
禁止条件判別部18cは、状況確認部18bが受信した回答情報のサービス状況から、国際ローミング状態であるか否かを判別するものである。すなわち、禁止条件判別部18cは、「国際ローミング状態である」という禁止条件を満たしているか否かを判別している。なお、禁止条件はこれに限られない。禁止条件およびその判別の方法は、適宜設定すればよい。
【0051】
本実施形態においては、禁止条件を満たしている場合でも血糖値等データを管理サーバ5に送信するための設定である送信禁止解除設定をあらかじめ設定しておくことができる。解除条件判別部18dは、この送信禁止解除設定が設定されているか否かを判別するものである。すなわち、解除条件判別部18dは、「送信禁止解除設定が設定されている」という解除条件を満たしているか否かを判別している。つまり、解除条件判別部18dは、管理サーバ5への送信を許可するようにあらかじめ設定されていた場合、所定の解除条件を満たしたと判別する。解除条件を満たしている場合、禁止条件を満たしていても血糖値等データを管理サーバ5に送信することができる。したがって、通信料金に関係なく血糖値等データをすぐに管理サーバ5に送信すべき場合に有効である。
【0052】
なお、解除条件はこれに限られない。例えば、血糖値測定装置1の記憶部17および通信装置3の記憶部の血糖値等データを記憶する領域がともに一杯であることを解除条件としてもよい。この場合、血糖値等データが記憶されなかったり、上書きされてしまって、消滅してしまうことを防ぐことができる。また、禁止条件を満たしていた場合に、その旨と本当に送信しなくてもいいかを問い合わせるメッセージを表示部14に表示し、送信するか否かを患者に選択させるようにしてもよい。この場合、患者が送信することを選択した場合に解除条件を満たしたことになる。この場合、患者の要望に応じて、送信するか記憶するかを決定することができる。なお、解除条件を設定せず、解除条件判別部18dを設けないようにしてもよい。
【0053】
本実施形態においては、血糖値等データを管理サーバ5に送信しない場合に、血糖値等データをいずれの記憶部に記憶するかをあらかじめ選択しておくことができる。すなわち、血糖値測定装置1の記憶部17に記憶する測定装置記憶モード、通信装置3の記憶部に記憶する通信装置記憶モード、または、両方に記憶する両方記憶モードのいずれの記憶モードにするかを選択することができる。選択部18eは、この記憶モードを選択するものである。選択部18eは、センサ検知部12から入力される信号によって、センサ挿出入がされたことを判断して、記憶モードの切り替えを行う。すなわち、記憶モードが測定装置記憶モードのときにセンサ挿出入がされると通信装置記憶モードに切り替えられ、通信装置記憶モードのときにセンサ挿出入がされると両方記憶モードに切り替えられ、両方記憶モードのときにセンサ挿出入がされると測定装置記憶モードに切り替えられる。なお、記憶モードの選択方法はこれに限られず、センサ挿出入と操作部13のボタン押圧操作とを組み合わせて選択するようにしてもよい。例えば、表示部14の記憶モードを示す表示が操作部13のボタン押圧操作により切り替えられ、センサ挿出入によって決定するようにしてもよい。
【0054】
データ送信部18fは、測定値算出部18aで血糖値が算出された場合に、送信禁止部18hの決定と記憶モードとに応じて、血糖値等データを通信装置3に送信するものである。通信部15はペアリングされた通信装置3と無線通信を行っているので、データ送信部18fは無線通信によって血糖値等データを通信装置3に送信する。送信指示部18gは、通信装置3に対して管理サーバ5に血糖値等データを送信するように指示する送信指示情報を、送信禁止部18hの決定と記憶モードとに応じて、通信装置3に送信するものである。送信指示情報には、管理サーバ5のアドレス情報などが含まれている。送信指示情報を受信した通信装置3は、血糖値測定装置1から受信した血糖値等データを、ネットワーク回線4を介して、管理サーバ5に送信する。なお、通信装置3が血糖値等データを受信すると自動的に管理サーバ5に転送する設定となっている場合は、送信指示部18gを設けなくてもよい。
【0055】
送信禁止部18hは、禁止条件判別部18cおよび解除条件判別部18dの判別結果に基づいて、血糖値等データの管理サーバ5への送信を行うか否かを決定するものである。送信禁止部18hは、禁止条件判別部18cによって禁止条件を満たしていると判別され、かつ、解除条件判別部18dによって解除条件を満たしていないと判別された場合に、管理サーバ5への送信を行わないことを決定する。一方、送信禁止部18hは、禁止条件判別部18cによって禁止条件を満たしていないと判別された場合、または、禁止条件判別部18cによって禁止条件を満たしていると判別されたが、解除条件判別部18dによって解除条件を満たしていると判別された場合に、管理サーバ5への送信を行うことを決定する。なお、解除条件判別部18dを設けない場合は、送信禁止部18hが、禁止条件判別部18cによって禁止条件を満たしていると判別された場合に管理サーバ5への送信を行わないことを決定し、禁止条件判別部18cによって禁止条件を満たしていないと判別された場合に管理サーバ5への送信を行うことを決定するようにすればよい。
【0056】
送信禁止部18hが管理サーバ5への送信を行うことを決定した場合、データ送信部18fは血糖値等データを通信装置3に送信し、送信指示部18gは送信指示情報を通信装置3に送信する。一方、送信禁止部18hが管理サーバ5への送信を行わないことを決定した場合、血糖値等データが管理サーバ5に送信されることは禁止される。この場合、記憶モードによって、データ送信部18fおよび送信指示部18gの処理が異なる。
【0057】
すなわち、測定装置記憶モードの場合、データ送信部18fは血糖値等データを通信装置3に送信せず、送信指示部18gは送信指示情報を通信装置3に送信せず、血糖値等データは記憶部17に記憶される。通信装置記憶モードの場合、データ送信部18fは血糖値等データを通信装置3に送信し、送信指示部18gは送信指示情報を通信装置3に送信せず、血糖値等データは通信装置3の記憶部に記憶される。両方記憶モードの場合、データ送信部18fは血糖値等データを通信装置3に送信し、送信指示部18gは送信指示情報を通信装置3に送信せず、血糖値等データは記憶部17および通信装置3の記憶部に記憶される。患者は、センサ挿出入により記憶モードを選択しておくことで、血糖値等データをどの記憶部に記憶するか変更することができる。したがって、例えば、記憶部17の血糖値等データを記憶するための領域の記憶容量の残りが少ない場合などに、通信装置記憶モードに切り替えて、通信装置3の記憶部に記憶することができる。なお、記憶部17の血糖値等データを記憶するための領域の記憶容量の残りが少ない場合などに、記憶モードを自動的に通信装置記憶モードに切り替えるようにしてもよい。
【0058】
記憶部17に記憶された血糖値等データは、血糖値が測定されて送信禁止部18hが管理サーバ5への送信を行うことを決定した場合に、併せて通信装置3に送信され、管理サーバ5へ送信される。また、通信装置3の記憶部に記憶された血糖値等データも、送信禁止部18hが管理サーバ5への送信を行うことを決定した場合に、併せて管理サーバ5へ送信される。これにより、禁止条件を満たしている間に記憶されていた血糖値等データが、禁止条件を満たさなくなって血糖値が測定されたときに併せて管理サーバ5へ送信される。なお、記憶されていた血糖値等データを送信する前に、送信するか否かの確認をするようにしてもよい。また、血糖値の測定を行ったときに限らず、禁止条件を満たさなくなったときに管理サーバ5へ送信されるようにしてもよい。
【0059】
なお、選択部18eを設けずに、いずれの記憶部に記憶するかを決めておいてもよい。例えば、記憶部17の血糖値等データを記憶するための領域の記憶容量が多い場合などには、データ送信部18fが血糖値等データを通信装置3に送信せず、血糖値等データが記憶部17に記憶されるようにしておけばよい。また、記憶部17の血糖値等データを記憶するための領域の記憶容量が少ない場合などには、データ送信部18fが血糖値等データを通信装置3に送信し、送信指示部18gが送信指示情報を通信装置3に送信しないようにして、血糖値等データが通信装置3の記憶部に記憶されるようにしておけばよい。
【0060】
通信装置3は、通信可能な無線基地局を把握しており、これに対応する通信ネットワークの情報を血糖値測定装置1に送信することができる。通信ネットワークを設定するための通信ネットワーク設定メニューが選択されている場合、制御部18は、受信した通信ネットワークの情報を表示部14に表示する。制御部18は、複数の通信ネットワークの情報を受信した場合、周期的に切り替えながら表示部14に表示する。制御部18は、センサ検知部12から入力される信号によって、センサ挿出入がされたことを判断して、通信ネットワークの設定を行う。すなわち、センサ挿出入がされたときに表示部14に表示されていた通信ネットワークが、管理サーバ5と通信を行うための通信ネットワークに設定される。なお、通信ネットワークの設定方法はこれに限られず、センサ挿出入と操作部13のボタン押圧操作とを組み合わせて設定するようにしてもよい。例えば、表示部14の通信ネットワークの情報を示す表示が操作部13のボタン押圧操作により切り替えられ、センサ挿出入によって決定するようにしてもよい。
【0061】
図3は、制御部18が行う自動送信処理を説明するためのフローチャートである。自動送信処理は、患者が血糖値を測定したときに血糖値等データを管理サーバ5に自動送信するための処理である。自動送信処理は、血糖値測定装置1の電源がオンにされた時に開始され、電源がオフにされるまで継続する。
【0062】
まず、血糖値が測定されたか否かが判別される(S1)。当該判別は、測定値算出部18aが血糖値を算出したか否かで判別される。血糖値が測定されなかった場合(S1:NO)、ステップS1に戻り、血糖値が測定されるまで判別を繰り返す。血糖値が測定された場合(S1:YES)、サービス状況が確認される(S2)。具体的には、状況確認部18bが通信装置3にサービス状況の問い合わせのための信号を送信し、サービス状況を回答情報として受信する。
【0063】
次に、国際ローミング状態であるか否かが判別される(S3)。すなわち、禁止条件判別部18cが、サービス状況に国際ローミング状態であることが含まれるか否かを判別する。国際ローミング状態でない場合(S3:NO)、血糖値等データが通信装置3に送信される(S4)。次に、通信装置3に対して血糖値等データの管理サーバ5への送信が指示され(S5)、ステップS1に戻る。通信装置3に対する送信指示は、送信指示部18gが送信指示情報を通信装置3に送信することで行われる。送信指示情報を受信した通信装置3は、送信指示情報に含まれる管理サーバ5のアドレス情報を用いて、血糖値測定装置1から受信した血糖値等データを管理サーバ5に送信する。これにより、血糖値が測定されたときに、血糖値等データが管理サーバ5に自動送信されることになる。
【0064】
ステップS3において、国際ローミング状態である場合(S3:YES)、送信禁止解除設定の設定状況が確認されて(S6)、送信禁止が解除されているか否かが判別される(S7)。すなわち、解除条件判別部18dが、送信禁止解除設定が設定されているか否かを判別する。送信禁止が解除されている場合(S7:YES)、血糖値等データおよび送信指示情報が通信装置3に送信され(S4、S5)、ステップS1に戻る。一方、送信禁止が解除されていない場合(S7:NO)、記憶モードが確認され(S8)、記憶モードが測定装置記憶モードであるか否かが判別される(S9)。
【0065】
記憶モードが測定装置記憶モードの場合(S9:YES)、血糖値等データが記憶部17に記憶され(S10)、ステップS1に戻る。この場合、血糖値等データは通信装置3に送信されず、通信装置3に対する管理サーバ5への送信も指示されない。一方、記憶モードが測定装置記憶モード以外の場合(S9:NO)、血糖値等データが通信装置3に送信され(S11)、ステップS1に戻る。この場合も、通信装置3に対する管理サーバ5への送信は指示されないので、通信装置3は、受信した血糖値等データを管理サーバ5に送信せず、記憶部に記憶する。なお、両方記憶モードの場合、血糖値等データは記憶部17にも記憶される。
【0066】
本実施形態においては、血糖値が測定されたときに国際ローミング状態であった場合、血糖値等データを管理サーバ5に送信することが禁止される。したがって、国際ローミング状態のときに患者が気付かずに通信を行って、高額な通信料金が請求されてしまうことを防ぐことができる。
【0067】
また、送信禁止解除設定が設定されている場合、国際ローミング状態であっても、血糖値等データが管理サーバ5に送信される。したがって、通信料金を気にしない場合や、血糖値等データの自動送信が必要な場合、送信禁止解除設定を設定しておくことで、血糖値を測定した時に管理サーバ5に自動送信することができる。また、記憶モードを設定することで、血糖値等データを管理サーバ5に送信することが禁止された場合に、血糖値等データを所望の記憶部に記憶することができる。また、本実施形態においては、血糖値測定装置1に送信を禁止する構成が備えられているので、通信装置3の種類に関係なく、管理サーバ5への送信を禁止することができる。
【0068】
なお、上記第1実施形態においては、「国際ローミング状態である」ことを禁止条件とした場合について説明したが、これに限られない。例えば、「割引時間帯でない」ことを禁止条件としてもよい。この場合、禁止条件判別部18cが、取得したサービス状況に時間帯割引契約が含まれ、かつ、制御部18が有する時計機能により取得した現在時刻が割引時間帯でない場合に、禁止条件を満たしていると判別するようにすればよい。この場合、割引時間帯でない時間帯での通信が禁止され、割引時間帯にのみ通信が行われる。したがって、患者が時間帯を気にせずに血糖値の測定を行っても、時間帯割引がされない通信料金が請求されることを防ぐことができる。所定の時間帯の通話が定額となる契約の場合には、同様にして、「定額時間帯でない」ことを禁止条件とすればよい。
【0069】
また、「定額料金契約の範囲外である」ことを禁止条件としてもよい。この場合、禁止条件判別部18cが、取得したサービス状況に定額料金契約が含まれ、かつ、定額料金が適用できる状態でない場合に、禁止条件を満たしていると判別するようにすればよい。この場合、定額料金契約の範囲外での通信が禁止され、定額料金契約の範囲内でのみ通信が行われる。したがって、患者が定額料金契約の適用範囲を気にせずに血糖値の測定を行っても、適用範囲外での追加通信料金が請求されることを防ぐことができる。
【0070】
所定の金額までは従量制で所定の金額以上は定額制となる通信料金プランがある。このプランを契約していることを禁止条件とし、所定の金額に達したことを解除条件としてもよい。この場合、所定の金額に達するまでは通信が禁止され、所定の金額に達した後は通信が行われるので、通信料金を節約することができる。
【0071】
上記第1実施形態においては、血糖値測定装置1が血糖値を測定する装置であり、管理システムAが患者の血糖値を管理する場合について説明したが、これに限られない。例えば、血糖値測定装置1の血糖値を測定する構成(センサ2、センサ装着部11、分析用電気回路部16、および測定値算出部18a)を血圧を測定する構成に代えて血圧測定装置とすることで、患者の血圧を管理する管理システムとすることができる。同様に、血糖値測定装置1を血液分析装置、尿分析装置、心電図測定装置などとすることで、これらによる測定値を管理する管理システムとすることもできる。また、医療用の管理システムに限定されず、血糖値測定装置1を糖度測定装置や位置測定装置などとした管理システムとすることもできる。
【0072】
上記第1実施形態においては、通信装置3が携帯電話装置である場合について説明したが、これに限られない。通信装置3は、例えば、スマートフォン、携帯情報端末、ラップトップパソコンなどの携帯して通信を行う装置であってもよい。また、通信装置3は、固定式の(携帯できない)通信装置であるデスクトップパソコンや固定電話であってもよい。なお、固定式の通信装置の場合、国際ローミングによる問題は生じないが、時間帯割引や定額料金の契約をしている場合に、本発明が有効である。
【0073】
上記第1実施形態においては、血糖値等データと送信指示情報とが別の情報として通信装置3に送信される場合について説明したが、これに限られない。血糖値等データに送信指示情報が含まれるようにしてもよい。この場合、記憶モードが測定装置記憶モード以外のときは、血糖値等データから送信指示情報を削除して通信装置3に送信すればよい。
【0074】
上記第1実施形態においては、送信を禁止する構成を血糖値測定装置1が備える場合について説明したが、これに限られない。例えば、送信を禁止する構成を通信装置3に設けるようにしてもよい。以下では、送信を禁止する構成を通信装置が備える場合を第2実施形態として説明する。
【0075】
図4は、第2実施形態に係る血糖値測定装置を説明するためのブロック図である。同図において、図2に示す血糖値測定装置1と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
【0076】
血糖値測定装置1’は、状況確認部18b、禁止条件判別部18c、解除条件判別部18d、選択部18e、および、送信禁止部18hを備えていない点のみが、第1実施形態に係る血糖値測定装置1と異なる。
【0077】
血糖値測定装置1’は送信を禁止する構成を備えておらず、測定値算出部18aで血糖値が算出された場合、データ送信部18fが血糖値等データを通信装置3’に送信し、送信指示部18gが送信指示情報を通信装置3’に送信する。その他の構成は第1実施形態に係る血糖値測定装置1と共通するので、説明を省略する。
【0078】
図5は、第2実施形態に係る通信装置を説明するためのブロック図である。
【0079】
通信装置3’は、操作部31、表示部32、第1通信部33、第2通信部34、記憶部35、および制御部(CPU)36を備えている。なお、通信装置3’の構成は、制御部36の機能的な構成に送信を禁止する構成が含まれている以外は、一般的な携帯電話装置のものと共通している。
【0080】
操作部31は、操作入力のために押圧される複数のボタンを備えている。各ボタンの配置や機能は一般的な携帯電話装置と同様である。操作部31は、ボタンが押圧された場合にボタンにより異なる操作信号を制御部36に入力する。制御部36は入力された操作信号によりいずれのボタンが押圧されたかを認識し、対応する処理を行う。
【0081】
表示部32は、電話番号や各種メッセージなどを表示するものであり、例えば液晶表示装置の表示画面により構成されている。
【0082】
第1通信部33は、Bluetooth(登録商標)技術を用いた短距離無線通信を行うものである。第1通信部33は、あらかじめ血糖値測定装置1’とペアリングが行われることで、血糖値測定装置1’との間で情報を送受信することができる。なお、第1通信部33はこれに限定されず、赤外線通信などの他の通信技術で通信を行うようにしてもよい。また、無線通信に限定されず、接続ケーブルで接続して有線通信を行うようにしてもよい。
【0083】
第2通信部34は、ネットワーク回線4を介して管理サーバ5と通信を行うものである。第2通信部34は、図示しない無線基地局との間で無線通信を行い、当該無線基地局と接続するネットワーク回線4に接続する。
【0084】
記憶部35は、ROM、RAM、および不揮発性メモリなどを備えている。ROMは、制御部36で実行される制御プログラムなどが記憶されるものである。RAMは、情報が仮に格納されるためのエリアと制御部36が演算などを行う際に使用するワークエリアを提供するものである。不揮発性メモリは、血糖値等データなどを記憶しておくものである。なお、後述する図6のフローチャートに示す自動送信処理などのプログラムは、あらかじめROMに記憶しておいてもよいし、ネットワーク回線4を介してダウンロードして不揮発性メモリに記憶するようにしてもよい。
【0085】
制御部36は、通信装置3’の各種制御や信号処理を行うものであり、例えば、CPUを用いて構成されている。制御部36を機能的な観点から見ると、データ取得部36a、状況確認部36b、禁止条件判別部36c、解除条件判別部36d、転送部36f、送信禁止部36h、および、データ識別部36iを備えた構成となっている。
【0086】
データ取得部36aは、血糖値測定装置1’が送信した血糖値等データを、第1通信部33を介して取得するものである。第1通信部33はペアリングされた血糖値測定装置1’と無線通信を行っているので、データ取得部36aは無線通信によって血糖値測定装置1’から血糖値等データを取得する。データ取得部36aは、血糖値等データ以外のデータも取得することができる。例えば、図示しない血圧測定装置が送信した血圧に関するデータも取得することができる。
【0087】
データ識別部36iは、データ取得部36aが取得したデータの種類を識別するものであり、取得したデータに血糖値等データであることを示すデータが含まれている場合に血糖値等データであると識別する。
【0088】
状況確認部36bは、通信装置3’のサービス状況を確認するものである。確認されるサービス状況には、国際ローミング状態であるか否かが含まれる。状況確認部36bは、国際ローミング状態であるか否かを、契約通信会社の無線基地局と通信が不可能であり、契約通信会社の海外の提携会社の無線基地局と通信が可能である状態であるか否かで判断する。
【0089】
禁止条件判別部36cは、状況確認部36bが確認したサービス状況から、国際ローミング状態であるか否かを判別するものである。すなわち、禁止条件判別部36cは、「国際ローミング状態である」という禁止条件を満たしているか否かを判別している。なお、禁止条件はこれに限られない。禁止条件およびその判別の方法は、適宜設定すればよい。
【0090】
本実施形態においては、禁止条件を満たしている場合でも血糖値等データを管理サーバ5に送信するための設定である送信禁止解除設定をあらかじめ設定しておくことができる。解除条件判別部36dは、この送信禁止解除設定が設定されているか否かを判別するものである。すなわち、解除条件判別部36dは、「送信禁止解除設定が設定されている」という解除条件を満たしているか否かを判別している。つまり、解除条件判別部36dは、管理サーバ5への送信を許可するようにあらかじめ設定されていた場合、所定の解除条件を満たしたと判別する。解除条件を満たしている場合、禁止条件を満たしていても血糖値等データを管理サーバ5に送信することができる。したがって、通信料金に関係なく血糖値等データをすぐに管理サーバ5に送信すべき場合に有効である。
【0091】
なお、解除条件はこれに限られない。例えば、記憶部35の血糖値等データを記憶する領域が一杯であることを解除条件としてもよい。また、禁止条件を満たしていた場合に、その旨と本当に送信しなくてもいいかを問い合わせるメッセージを表示部32に表示し、送信するか否かを患者に選択させるようにしてもよい。なお、解除条件を設定せず、解除条件判別部36dを設けないようにしてもよい。
【0092】
転送部36fは、データ取得部36aが血糖値等データを取得し、制御部36が血糖値測定装置1’から送信指示情報を受信した場合に、送信禁止部36hの決定に応じて、血糖値等データを第2通信部34およびネットワーク回線4を介して、管理サーバ5に送信するものである。転送部36fは、血糖値等データ以外のデータもそれぞれ対応するサーバに送信することができる。各サーバのアドレス情報はあらかじめ記憶部35に記憶されており、データ識別部36iによって識別されたデータの種類に対応するサーバを送信先とする。なお、送信指示情報が管理サーバ5のアドレス情報を含むようにして、このアドレス情報を用いて管理サーバ5に送信するようにしてもよい。なお、転送部36fは、データ取得部36aが血糖値等データを取得した場合に、血糖値等データを管理サーバ5に送信するようにしてもよい。この場合、血糖値測定装置1’は送信指示情報を送信する必要がない。
【0093】
送信禁止部36hは、禁止条件判別部36cおよび解除条件判別部36dの判別結果に基づいて、血糖値等データの管理サーバ5への送信を行うか否かを決定するものである。送信禁止部36hは、禁止条件判別部36cによって禁止条件を満たしていると判別され、かつ、解除条件判別部36dによって解除条件を満たしていないと判別された場合に、管理サーバ5への送信を行わないことを決定する。一方、送信禁止部36hは、禁止条件判別部36cによって禁止条件を満たしていないと判別された場合、または、禁止条件判別部36cによって禁止条件を満たしていると判別されたが、解除条件判別部36dによって解除条件を満たしていると判別された場合に、管理サーバ5への送信を行うことを決定する。なお、解除条件判別部36dを設けない場合は、送信禁止部36hが、禁止条件判別部36cによって禁止条件を満たしていると判別された場合に管理サーバ5への送信を行わないことを決定し、禁止条件判別部36cによって禁止条件を満たしていないと判別された場合に管理サーバ5への送信を行うことを決定するようにすればよい。
【0094】
送信禁止部36hが管理サーバ5への送信を行うことを決定した場合、転送部36fは血糖値等データを管理サーバ5へ送信する。一方、送信禁止部36hが管理サーバ5への送信を行わないことを決定した場合、血糖値等データが管理サーバ5に送信されることは禁止され、転送部36fは血糖値等データを管理サーバ5へ送信せず、血糖値等データは記憶部35に記憶される。
【0095】
記憶部35に記憶された血糖値等データは、血糖値等データが取得されて送信禁止部36hが管理サーバ5への送信を行うことを決定した場合に、併せて管理サーバ5へ送信される。これにより、禁止条件を満たしている間に記憶されていた血糖値等データが、禁止条件を満たさなくなって血糖値等データが取得されたときに併せて管理サーバ5へ送信される。なお、記憶されていた血糖値等データを送信する前に、送信するか否かの確認をするようにしてもよい。また、血糖値等データが取得されたときに限らず、禁止条件を満たさなくなったときに管理サーバ5へ送信されるようにしてもよい。
【0096】
図6は、制御部36が行う自動送信処理を説明するためのフローチャートである。自動送信処理は、通信装置3’が血糖値測定装置1’から受信した血糖値等データを管理サーバ5に自動送信するための処理である。自動送信処理は、通信装置3’の電源がオンにされた時に開始され、電源がオフにされるまで継続する。
【0097】
まず、血糖値等データおよび送信指示情報が受信されたか否かが判別される(S21)。受信されなかった場合(S21:NO)、ステップS21に戻り、受信されるまで判別を繰り返す。受信された場合(S21:YES)、サービス状況が確認される(S22)。
【0098】
次に、国際ローミング状態であるか否かが判別される(S23)。すなわち、禁止条件判別部36cが、サービス状況に国際ローミング状態であることが含まれるか否かを判別する。国際ローミング状態でない場合(S23:NO)、転送部36fによって、血糖値等データが管理サーバ5に送信され(S24)、ステップS21に戻る。血糖値等データおよび送信指示情報を受信した通信装置3’は、記憶部35に記憶された管理サーバ5のアドレス情報を用いて、血糖値等データを管理サーバ5に送信する。これにより、血糖値測定装置1’が血糖値を測定したときに、血糖値等データが管理サーバ5に自動送信されることになる。
【0099】
ステップS23において、国際ローミング状態である場合(S23:YES)、送信禁止解除設定の設定状況が確認されて(S25)、送信禁止が解除されているか否かが判別される(S26)。送信禁止が解除されている場合(S26:YES)、血糖値等データが管理サーバ5に送信され(S24)、ステップS21に戻る。一方、送信禁止が解除されていない場合(S26:NO)、血糖値等データが記憶部35に記憶され(S27)、ステップS21に戻る。この場合、血糖値等データは管理サーバ5に送信されない。
【0100】
第2実施形態に係る血糖値測定装置1’は送信を禁止する構成を備えていない。しかし、第2実施形態に係る通信装置3’は、第1実施形態に係る血糖値測定装置1が備えるのと同様の送信を禁止する構成を備えている。したがって、第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、第2実施形態において、通信装置3’は、取得したデータをデータの種類に応じたサーバにそれぞれ送信することができる。したがって、複数の測定装置から送信される各データを、それぞれ対応するサーバに送信することができる。
【0101】
なお、上記第2実施形態においては、「国際ローミング状態である」ことを禁止条件とし、血糖値測定装置1’が血糖値を測定する装置であり、管理システムAが患者の血糖値を管理する場合で、通信装置3’が携帯電話装置である場合について説明したが、これに限られない。上記第1実施形態と同様に、禁止条件を他のものにしてもよいし、血糖値測定装置1’に代えて他の測定装置を用いるようにしてもよいし、通信装置3’が他の通信装置であってもよい。
【0102】
上記第2実施形態においては、血糖値等データと送信指示情報とが別の情報として通信装置3’に送信される場合について説明したが、これに限られない。血糖値等データに送信指示情報が含まれるようにしてもよい。
【0103】
上記第2実施形態においては、通信装置3’が血糖値測定装置1’から受信したデータをそのまま管理サーバ5に送信する場合について説明したが、これに限られない。例えば、通信装置3’が血糖値測定装置1’から受信したデータを加工してから管理サーバ5に送信するようにしてもよい。また、通信装置3’が測定装置以外のものからデータを受信するようにしてもよいし、通信装置3’が内部の処理で作成することでデータを取得するようにしてもよい。例えば、患者が通信装置3’の機能を用いて作成したメールを管理サーバ5に送信する場合にも、本発明を適用することができる。
【0104】
なお、上記第1実施形態に係る血糖値測定装置1に、通信機能を持たせるようにしてもよい。以下に、血糖値測定装置が通信機能を備える場合を第3実施形態として説明する。この場合、管理システムA(図1参照)は、通信装置3を含まない構成となる。
【0105】
図7は、第3実施形態に係る血糖値測定装置を説明するためのブロック図である。同図において、図2に示す血糖値測定装置1と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
【0106】
血糖値測定装置1”は、選択部18e、データ送信部18f、送信指示部18gを備えていない点と、サーバ送信部18jおよび第2通信部19を備えている点とが、第1実施形態に係る血糖値測定装置1と異なる。第1通信部15は、血糖値測定装置1の通信部15と同じものである。また、サーバ送信部18jおよび第2通信部19は、第2実施形態に係る通信装置3’の転送部36fおよび第2通信部34とそれぞれ同様のものである。なお、サーバ送信部18jは、測定値算出部18aで血糖値が算出された場合に血糖値等データを管理サーバ5に送信する点で、転送部36fと異なる。
【0107】
血糖値測定装置1”は、他の通信装置にデータを送信する必要がないので、データ送信部18fおよび送信指示部18gを備えていない。一方、ネットワーク回線4を介して管理サーバ5と通信する必要があるので、サーバ送信部18jおよび第2通信部19を備えている。また、血糖値測定装置1”は、他の通信装置の記憶部に血糖値等データを記憶することがないので、選択部18eを備えていない。各構成の機能および構造は対応する構成のものと同様なので、各構成の詳細な説明を省略する。
【0108】
図8は、制御部18が行う自動送信処理を説明するためのフローチャートである。自動送信処理は、患者が血糖値を測定したときに血糖値等データを管理サーバ5に自動送信するための処理である。自動送信処理は、血糖値測定装置1”の電源がオンにされた時に開始され、電源がオフにされるまで継続する。
【0109】
まず、血糖値が測定されたか否かが判別される(S31)。血糖値が測定されなかった場合(S31:NO)、ステップS31に戻り、血糖値が測定されるまで判別を繰り返す。血糖値が測定された場合(S31:YES)、状況確認部18bによって、サービス状況が確認される(S32)。
【0110】
次に、禁止条件判別部18cによって、国際ローミング状態であるか否かが判別される(S33)。国際ローミング状態でない場合(S33:NO)、サーバ送信部18jによって、血糖値等データが管理サーバ5に送信され(S34)、ステップS31に戻る。これにより、血糖値が測定されたときに、血糖値等データが管理サーバ5に自動送信されることになる。
【0111】
ステップS33において、国際ローミング状態である場合(S33:YES)、送信禁止解除設定の設定状況が確認されて(S35)、解除条件判別部18dによって、送信禁止が解除されているか否かが判別される(S36)。送信禁止が解除されている場合(S36:YES)、血糖値等データが管理サーバ5に送信され(S34)、ステップS31に戻る。一方、送信禁止が解除されていない場合(S36:NO)、血糖値等データが記憶部17に記憶され(S37)、ステップS31に戻る。この場合、血糖値等データは管理サーバ5に送信されない。
【0112】
第3実施形態に係る血糖値測定装置1”は、送信を禁止する構成を備えている。したがって、第3実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、第3実施形態に係る血糖値測定装置1”は、管理サーバ5と通信を行う構成を備えている。したがって、管理サーバ5と通信を行うための通信装置を必要としない。
【0113】
なお、上記第3実施形態においては、「国際ローミング状態である」ことを禁止条件とし、血糖値測定装置1”が血糖値を測定する装置であり、管理システムAが患者の血糖値を管理する場合について説明したが、これに限られない。上記第1実施形態と同様に、禁止条件を他のものにしてもよいし、血糖値測定装置1”を他の測定装置としてもよい。
【0114】
本発明に係る測定装置、通信装置、管理システム、およびプログラムは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る測定装置、通信装置、管理システム、およびプログラムの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0115】
上記第3実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0116】
(付記1)
ネットワーク回線を介して受信したデータを管理する管理装置を備える管理システムにおいて前記データを測定する測定手段を有する測定装置であって、
前記測定手段によって測定された前記データを前記管理装置に送信する管理装置送信手段と、
所定の禁止条件を満たしているか否かを判別する禁止条件判別手段と、
前記禁止条件判別手段が前記所定の禁止条件を満たしていると判別した場合に、前記管理装置送信手段が前記データを前記管理装置に送信することを禁止する送信禁止手段と、
を備えていることを特徴とする測定装置。
【0117】
(付記2)
通信サービス状況を確認する状況確認手段をさらに備え、
前記禁止条件判別手段は、前記状況確認手段によって所定のサービスが行われると確認された場合に、前記所定の禁止条件を満たしたと判別する、
付記1に記載の測定装置。
【符号の説明】
【0118】
A 管理システム
1,1’,1” 測定装置
18 制御部(CPU)
18a 測定値算出部
18b 状況確認部
18c 禁止条件判別部
18d 解除条件判別部
18e 選択部
18f データ送信部
18g 送信指示部
18h 送信禁止部
18j サーバ送信部
3,3’ 通信装置
36 制御部(CPU)
36a データ取得部
36b 状況確認部
36c 禁止条件判別部
36d 解除条件判別部
36f 転送部
36h 送信禁止部
36i データ識別部
4 ネットワーク回線
5 管理サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク回線を介して受信したデータを管理する管理装置を備える管理システムにおける、前記データを測定する測定手段を有する測定装置であって、
前記管理装置と通信を行う通信装置に前記データを送信するデータ送信手段と、
所定の禁止条件を満たしているか否かを判別する禁止条件判別手段と、
前記禁止条件判別手段が前記所定の禁止条件を満たしていると判別した場合に、前記データが前記通信装置又は前記管理装置に送信されないようにする送信禁止手段と、
を備えていることを特徴とする測定装置。
【請求項2】
前記通信装置は前記データ送信手段によって送信された前記データを記憶するための第1の記憶手段を備えており、
前記測定手段によって測定された前記データを記憶するための第2の記憶手段と、
前記データを前記第1の記憶手段にのみ記憶するか、前記第2の記憶手段にのみ記憶するか、両方に記憶するかを選択する選択手段と、
前記通信装置に前記データの前記管理装置への送信を指示する送信指示手段と、
をさらに備え、
前記送信禁止手段は、
前記選択手段によって前記第1の記憶手段に前記データを記憶するようにされていた場合は、前記送信指示手段による送信指示を禁止し、
前記選択手段によって前記第2の記憶手段にのみ前記データを記憶するようにされていた場合は、前記データ送信手段による前記データの送信を禁止する、
請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
測定物を配置するセンサを装着するためのセンサ装着部と、
前記センサ装着部への前記センサの装着の有無を検知するセンサ検知手段と、
をさらに備え、
前記選択手段は、前記センサ検知手段によって検知された前記センサの装着の有無に基づいて選択する、
請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記通信装置の通信サービス状況を確認する状況確認手段をさらに備え、
前記禁止条件判別手段は、前記状況確認手段によって所定のサービスが行われると確認された場合に、前記所定の禁止条件を満たしたと判別する、
請求項2または3のいずれかに記載の測定装置。
【請求項5】
前記所定のサービスは国際ローミングである、請求項4に記載の測定装置。
【請求項6】
前記送信指示手段は、送信を指示する際に、併せて前記管理装置のアドレスを送信する、請求項2ないし5のいずれかに記載の測定装置。
【請求項7】
前記通信装置は前記管理装置と通信を行うための通信ネットワークを検出する検出手段を備え、
前記検出手段が検出した前記通信ネットワークの情報を受信するネットワーク情報受信手段と、
前記受信したネットワーク情報を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された前記ネットワーク情報を選択するネットワーク選択手段と、
前記ネットワーク選択手段によって選択されたネットワーク情報に対応する通信ネットワークを、前記通信装置が前記管理装置と通信を行うための通信ネットワークに設定するネットワーク設定手段と、
測定物を配置するセンサを装着するためのセンサ装着部と、
前記センサ装着部への前記センサの装着の有無を検知するセンサ検知手段と、
をさらに備え、
前記ネットワーク選択手段は、前記センサ検知手段によって検知された前記センサの装着の有無に基づいて前記通信ネットワークを選択する、
請求項1ないし6のいずれかに記載の測定装置。
【請求項8】
所定の解除条件を満たしているか否かを判別する解除条件判別手段をさらに備え、
前記送信禁止手段は、前記禁止条件判別手段が前記所定の禁止条件を満たしていると判別し、かつ、前記解除条件判別手段が前記所定の解除条件を満たしていないと判別した場合に、前記データが前記通信装置又は前記管理装置に送信されないようにする、
請求項1ないし7のいずれかに記載の測定装置。
【請求項9】
ネットワーク回線を介して受信したデータを管理する管理装置を備える管理システムにおける、前記管理装置と通信を行う通信装置であって、
測定装置が測定した測定結果を前記データとして取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段が前記データを取得した場合に前記データを前記管理装置に送信する転送手段と、
所定の禁止条件を満たしているか否かを判別する禁止条件判別手段と、
前記禁止条件判別手段が前記所定の禁止条件を満たしていると判別した場合に、前記転送手段が前記データを前記管理装置に送信することを禁止する送信禁止手段と、
を備えていることを特徴とする通信装置。
【請求項10】
通信サービス状況を確認する状況確認手段をさらに備え、
前記禁止条件判別手段は、前記状況確認手段によって所定のサービスが行われると確認された場合に、前記所定の禁止条件を満たしたと判別する、
請求項9に記載の通信装置。
【請求項11】
前記所定のサービスは国際ローミングである、請求項10に記載の通信装置。
【請求項12】
所定の解除条件を満たしているか否かを判別する解除条件判別手段をさらに備え、
前記送信禁止手段は、前記禁止条件判別手段が前記所定の禁止条件を満たしていると判別し、かつ、前記解除条件判別手段が前記所定の解除条件を満たしていないと判別した場合に、前記転送手段が前記データを前記管理装置に送信することを禁止する、
請求項9ないし11のいずれかに記載の通信装置。
【請求項13】
前記管理装置は前記データの種類毎に設けられており、
前記データの種類を識別するデータ識別手段をさらに備えており、
前記転送手段は、前記データを前記データ識別手段によって識別された種類に対応する管理装置に送信する、
請求項9ないし12のいずれかに記載の通信装置。
【請求項14】
前記管理装置と、
請求項1ないし8のいずれかに記載の測定装置、または、請求項9ないし13のいずれかに記載の通信装置と、
を備えていることを特徴とする管理システム。
【請求項15】
ネットワーク回線を介して受信したデータを管理する管理装置を備える管理システムにおける、前記データを測定する測定装置のコンピュータを制御するプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記管理装置と通信を行う通信装置に前記データを送信するデータ送信手段と、
所定の禁止条件を満たしているか否かを判別する禁止条件判別手段と、
前記禁止条件判別手段が前記所定の禁止条件を満たしていると判別した場合に、前記データが前記通信装置又は前記管理装置に送信されないようにする送信禁止手段と、
して機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項16】
ネットワーク回線を介して受信したデータを管理する管理装置を備える管理システムにおける、前記管理装置と通信を行う通信装置のコンピュータを制御するプログラムであって、
前記コンピュータを
前記データを取得した場合に前記データを前記管理装置に送信する転送手段と、
所定の禁止条件を満たしているか否かを判別する禁止条件判別手段と、
前記禁止条件判別手段が前記所定の禁止条件を満たしていると判別した場合に、前記転送手段が前記データを前記管理装置に送信することを禁止する送信禁止手段と、
して機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−239162(P2012−239162A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−97987(P2012−97987)
【出願日】平成24年4月23日(2012.4.23)
【出願人】(000141897)アークレイ株式会社 (288)
【Fターム(参考)】