説明

測定装置

【課題】座標読取値の信頼性の向上、およびラッチ処理の高速化を実現可能な測定装置を提供する。
【解決手段】三次元測定機(測定装置)は、被測定対象物に対して接触可能な測定子211、および測定子211の被測定対象物への接触を検出してタッチ信号を出力する接触検出センサー212を有するプローブ21と、プローブ21を互いに直交する3軸方向に沿って移動させる移動機構22と、プローブ21の位置座標を検出して座標検出信号を出力するスケールセンサー25X,25Y,25Zと、タッチ信号をカウントするタッチカウンタ281、および座標検出信号をカウントするスケールカウンタ282が組み込まれた集積回路28を有する制御回路基板26と、タッチカウンタの値、およびスケールカウンタの値を同タイミングでラッチするラッチ制御部29と、を具備した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象に接触するプローブおよびプローブを所定軸方向に移動可能な移動機構を有する測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、軸方向(XYZ軸方向)に沿ってプローブを移動させ、プローブに設けられる測定子を被測定対象物に接触させて、被測定対象物の形状等を測定する、例えば三次元測定機などの測定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような測定装置では、通常、プローブを軸方向へ移動させた位置を検出するためのスケールカウンタを有するスケール回路と、プローブの測定子が被測定対象物に接触した際の倣い状態を検出するためのタッチカウンタを有するプローブ回路が設けられている。また、通常、プローブは、交換可能に設けられており、プローブを交換した際は、タッチカウンタを備えたプローブ回路も交換するため、プローブ回路とスケール回路とは、別体として設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−21303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような従来の測定装置では、スケールカウンタにおけるラッチ、およびタッチカウンタにおけるラッチは、ソフトウェアにより実施される。ここで、図4に、従来の測定装置におけるスケールカウンタのラッチタイミング、およびタッチカウンタのラッチタイミングを示す図を示す。上記のような従来の測定装置では、ソフトウェアにより各カウンタのラッチを行う場合、スケールカウンタが設けられる回路を制御するためのレジスタと、タッチカウンタが設けられる回路を制御するためのレジスタとを読み込む必要があった。このため、これらのレジスタの読み込み時間の違いにより、図4に示すように、スケールカウンタのラッチタイミングと、タッチカウンタのラッチタイミングとに、時間的なずれが生じていた。
このような時間的なずれが生じると、測定処理を実施するための処理時間が長くなるという問題や、スケールカウンタのラッチタイミングと、タッチカウンタのラッチタイミングとが異なるため、座標読取の値の信頼性が低下する場合があるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記のような問題に鑑みて、座標読取値の信頼性の向上、およびラッチ処理の高速化を実現可能な測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の測定装置は、被測定対象物に対して接触可能な測定子、および前記測定子の前記被測定対象物への接触を検出してタッチ信号を出力する接触検出手段を有するプローブと、前記プローブを互いに直交する3軸方向に沿って移動させる移動手段と、前記プローブの位置座標を検出して座標検出信号を出力する座標検出手段と、前記タッチ信号をカウントするタッチカウンタ、および座標検出信号をカウントするスケールカウンタが組み込まれた集積回路を有する制御回路基板と、前記タッチカウンタの値、および前記スケールカウンタの値を同タイミングでラッチするラッチ手段と、を具備したことを特徴とする。
【0007】
この発明では、プローブの測定子が被測定対象物に接触した状態(倣い状態)を検出するタッチ信号をカウントするタッチカウンタと、座標検出手段から出力された座標検出信号をカウントするスケールカウンタとが、1つの集積回路内に組み込まれ、この集積回路が測定装置を構成する制御回路基板内に設けられている。
ここで、タッチカウンタおよびスケールカウンタは、制御回路基板の1つの集積回路内に組み込まれている。このため、例えばソフトウェアによりラッチ制御を行う場合、それぞれのレジスタに対するラッチ制御を省略でき、タッチカウンタのカウント値のラッチおよびスケールカウンタのカウント値のラッチを同タイミングで実施することができる。したがって、測定処理速度を向上させることができ、かつ、測定子が被測定対象物に接触したタイミングでのプローブの位置座標を測定することができ、測定精度を向上させることができる。
【0008】
本発明の測定装置では、前記プローブは、前記接触検出手段から出力される前記タッチ信号の信号形式が異なる他のプローブに交換可能に設けられ、前記制御回路基板は、信号形式が異なる複数のタッチ信号に対応して、これらのタッチ信号がそれぞれ入力可能な複数のコネクタを備え、前記集積回路は、信号形式が異なる複数のタッチ信号に対応した複数のタッチカウンタを有することが好ましい。
【0009】
測定装置は、被測定対象の形状に応じてプローブが交換可能に設けられており、他のプローブが交換されると、接触検出手段が出力するタッチ信号の信号形式も変わる場合がある。このような場合、従来、プローブから送出されるタッチ信号をカウントするカウンタが設けられた回路も交換する必要があり、煩雑な作業が伴った。これに対して、本発明では、制御回路基板に設けられる集積回路には、信号形式の異なる複数のタッチ信号に対応して複数のタッチカウンタが組み込まれている。また、プローブを異なる信号形式のタッチ信号を出力する他のプローブに交換した場合、コネクタ形状も異なる形状となる場合があるが、制御回路基板には、これらの異なる信号形式のタッチ信号に対応して複数のコネクタが設けられている。
このような構成の本発明では、プローブを他の種類のプローブに交換した場合でも、交換後のプローブの信号形式に対応したコネクタにプローブを接続することで、制御回路基板にタッチ信号を出力することができる。また、制御回路基板の集積回路では、複数の信号形式に対応して複数のタッチカウンタが設けられているため、プローブを交換した場合でも、集積回路を交換したりすることなく、タッチ信号を処理することができる。このため、測定装置のプローブ交換に伴う作業を軽減させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、測定装置は、タッチカウンタとスケールカウンタとが1つの集積回路に組み込まれているため、レジスタの読み込み時間を短縮でき、タッチカウンタのカウント値のラッチ処理と、スケールカウンタのカウント値のラッチ処理とを同期させることができる。したがって、測定処理時間を短縮させることができ、かつ精度の高い測定を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る一実施形態の三次元測定機(測定装置)の概略構成を示す図である。
【図2】本実施形態の装置本体に組み込まれた制御回路基板の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態のラッチタイミングを示す図である。
【図4】従来の測定装置におけるラッチタイミングを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る一実施形態の三次元測定機(測定装置)について、図面に基づいて説明する。
以下、本発明に係る一実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る一実施形態の産業機械である三次元測定機の概略構成を示す図である。図2は、本実施形態の装置本体に組み込まれた制御回路基板の概略構成を示すブロック図である。
【0013】
図1において、この三次元測定機1(測定装置)は、装置本体2と、装置本体2の駆動制御や装置本体2から出力される測定結果データが入力される制御装置(図示略)と、を備える。
制御装置は、装置本体2の動作を制御するモーションコントローラーや、測定結果の集計などの各種処理を実施するホストコンピューターなどにより構成されている。モーションコントローラーは、利用者により操作されることで操作信号が入力される操作手段を備え、操作手段から入力された操作信号やホストコンピューターから入力された制御信号に基づいて装置本体2の駆動を制御する。ホストコンピューターは、装置本体2で測定された測定結果データに基づいて、データの集計を行ったり、測定結果データから被測定対象物10の画像データを生成したりする。
【0014】
装置本体2は、被測定対象物10の表面に当接される測定子211を有し、被測定対象物10を測定するためのプローブ21と、プローブ21の基端側(+Z軸方向側)を保持するとともに、プローブ21を移動させる移動機構22と、移動機構22が立設されるベース23と、装置本体2内部に設けられる制御回路基板26(図2参照)を備える。
【0015】
プローブ21は、測定子211が被測定対象物10に接触した際の接触圧を検出する接触検出センサー212(接触検出手段)を備え、制御回路基板26にタッチ信号を出力する。例えば、この接触検出センサー212は、測定子211が被測定対象物10に接触した際の接触圧に対応したレベル値を有するタッチ信号を出力する。
また、このプローブ21は、移動機構22に着脱自在に設けられており、例えば被測定対象物10の種別や測定箇所などに応じて交換することができる。ここで、交換可能なプローブ21としては、例えばネジ深さ計測用のプローブ、スタイラス長が他より長いプローブ、低測定圧プローブなどがある。また、接触検出センサー212から出力されるタッチ信号の信号形式が異なるプローブにも交換することが可能である。このように、タッチ信号の信号形式が異なる場合、プローブ21と制御回路基板26との接続コネクタ形状も異なるが、制御回路基板26には、複数のタッチ信号の信号形式に対応した複数のコネクタが設けられており、対応するコネクタにプローブを接続することで制御回路基板26にタッチ信号を入力可能となる。本実施形態では、タッチ信号の信号形式の違いにより、SP系プローブおよびMPP系プローブを例示し、制御回路基板26には、SP系プローブを接続するためのSPコネクタ272A、およびMPP系プローブを接続するためのMPPコネクタ272Bが設けられる例を示す。
【0016】
移動機構22(移動手段)は、プローブ21の基端側を保持するとともに、プローブ21のスライド移動を可能とするスライド機構24と、スライド機構24を駆動することでプローブ21を移動させる駆動機構(図示略)とを備える。
【0017】
スライド機構24は、ベース23におけるX軸方向の両端から+Z軸方向に延出し、Y軸方向に沿って設けられるガイド231に、Y軸方向に沿ってスライド移動可能に設けられるコラム241と、コラム241にて支持され、X軸方向に沿って延出するビーム242と、Z軸方向に沿って延出する筒状に形成され、ビーム242上をX軸方向に沿ってスライド移動可能に設けられるスライダ243と、スライダ243の内部に挿入されるとともに、スライダ243の内部をZ軸方向に沿ってスライド移動可能に設けられるラム244とを備える。また、ビーム242における+X軸方向側の端部には、Z軸方向に沿って延出するサポータ245が設けられている。
【0018】
駆動機構は、コラム241を支持するとともに、Y軸方向に沿ってスライド移動させるY軸駆動部(図示略)と、ビーム242上をスライドさせてスライダ243をX軸方向に沿って移動させるX軸駆動部(図示略)と、スライダ243の内部をスライドさせてラム244をZ軸方向に沿って移動させるZ軸駆動部(図示略)とを備える。
これらの駆動機構は、それぞれ、図示略の駆動モーター(駆動源)、および駆動モーターから供給される駆動力をスライド機構24に伝達する駆動伝達機構を備えており、駆動モーターの駆動力により、コラム241、スライダ243、ラム244をスライド移動させる。
【0019】
また、装置本体2は、コラム241、スライダ243、及びラム244の各軸方向の位置を検出するための座標検出手段が設けられている。具体的には、ガイド231には、Y軸方向に沿ったY軸スケール(図示略)が設けられており、コラム241には、このY軸スケールの値を読み取るY軸スケールセンサー25Y(図2参照)が設けられている。また、ビーム242には、X軸方向に沿ったX軸スケール(図示略)が設けられており、スライダ243には、このX軸スケールの値を読み取るX軸スケールセンサー25X(図2参照)が設けられている。さらに、ラム244には、Z軸方向に沿ったZ軸スケール(図示略)が設けられており、ラム244をZ軸方向に移動可能に保持するスライダ243内に、Z軸スケールの値を読み取るZ軸スケールセンサー25Z(図2参照)が設けられている。また、Y軸スケールセンサー25Y、X軸スケールセンサー25X、Z軸スケールセンサー25Zは、それぞれ制御回路基板26に設けられるスケールコネクタ271Y,271X,271Zにそれぞれ接続され、座標検出信号(Y座標検出信号、X座標検出信号、Z座標検出信号)を制御回路基板26に出力する。
【0020】
制御回路基板26は、図2に示すように、各種コネクタ27と、集積回路28と、ラッチ制御部29と、などを備えて構成されている。また、制御回路基板26は、CPU(図示略)およびメモリ(図示略)を備えており、ラッチ制御部29は、これらのCPUおよびメモリにより構成されている。すなわち、ラッチ制御部29は、CPUがメモリに記憶されたプログラム(ソフトウェア)を読み込み実行することで機能する。
【0021】
各種コネクタ27は、スケールコネクタ271と、プローブコネクタ272とを備えている。
スケールコネクタ271は、X軸スケールセンサーが接続されるXコネクタ271X、Y軸スケールセンサーが接続されるYコネクタ271Y、およびZ軸スケールセンサーが接続されるZコネクタ271Zを備えている。そして、Xコネクタ271Xには、XスケールセンサーからX座標検出信号が入力され、Yコネクタ271Yには、YスケールセンサーからY座標検出信号が入力され、Zコネクタ271Zには、ZスケールセンサーからZ座標検出信号が入力される。これらの入力された座標検出信号は、FPGA28に組み込まれるスケールカウンタ282に入力される。
【0022】
プローブコネクタ272は、SPコネクタ272Aと、MPPコネクタ272Bとを備えている。
SPコネクタ272Aは、SP系プローブ21が移動機構22装着された際に、そのコネクタが接続される部分であり、SP系プローブ21の接触検出センサー212から出力されたタッチ信号が入力される。
MPPコネクタ272Bは、MPP系プローブ21が移動機構22に装着された際に、そのコネクタが接続される部分であり、MPP系プローブ21の接触検出センサー212から出力されたタッチ信号が入力される。
【0023】
集積回路28は、利用者が構成を設定できるFPGA(Field-Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)により構成される。この集積回路28は、図2に示すように、タッチカウンタ281、およびスケールカウンタ282が組み込まれている。
タッチカウンタ281は、SPコネクタ272Aから入力されたタッチ信号をA/D変換してその値をラッチするSPプローブ用タッチレジスタ281Aと、MPPコネクタ272Bから入力されたタッチ信号をカウントするMPPプローブ用タッチカウンタ281Bとを備えている。
スケールカウンタ282は、Xスケールセンサー25X、Yスケールセンサー25Y、およびZスケールセンサー25Zから、スケールコネクタ271を介して入力された座標検出信号をカウントする。
【0024】
ラッチ制御部29は、上述したように、メモリに記録されたソフトウェアがCPUに読み込まれることで機能し、タッチカウンタ281およびスケールカウンタ282のカウント値をラッチする。
図3は、本実施形態のタッチカウンタのラッチタイミング、およびスケールカウンタのラッチタイミングを示す図である。
ラッチ制御部29は、タッチ信号のレベル値が予め設定された規定値以上となった場合に、タッチカウンタ281のカウント値、およびスケールカウンタ282のカウント値を同タイミングでラッチする。
ここで、例えば、タッチカウンタが設けられる回路基板と、スケールカウンタが設けられる回路基板とが別基板であり、ソフトウェアのラッチ制御部29によりラッチを制御する場合では、ラッチ制御部29は、各回路基板を制御するためのレジスタをそれぞれ読み込んだ後、ラッチ制御を行う必要がある。この場合、図4に示したように、レジスタの読み込み処理の時間分だけ、タッチカウンタのラッチタイミングと、スケールカウンタのラッチタイミングとにずれが生じてしまう。
これに対して、本実施形態では、タッチカウンタ281およびスケールカウンタ282が、1つの集積回路28内に組み込まれているため、レジスタの読み込み時間の差によるラッチタイミングのずれがなくなる。したがって、図3に示すように、タッチカウンタ281のラッチタイミングと、スケールカウンタ282のラッチタイミングとを同期させることができる。すなわち、測定子211が被測定対象物10に規定値以上の接触圧で接触したタイミングで、プローブ21の位置座標を読み込むことができる。
【0025】
[本実施形態の作用効果]
上述したように、上記実施形態の三次元測定機1の装置本体2は、測定子211、および測定子211が被測定対象物10に接触した際に、接触圧に応じたタッチ信号を出力する接触検出センサー212を備えたプローブ21と、プローブ21をXYZ軸方向に沿って移動させる移動機構22と、プローブ21のXYZ軸方向への移動位置を検出する各スケールセンサー(25X,25Y,25Z)を備えている。そして、装置本体2の制御回路基板26には、接触検出センサー212から入力されるタッチ信号をカウントするタッチカウンタ281、および各スケールセンサー(25X,25Y,25Z)から入力される座標検出信号をカウントするスケールカウンタ282が組み込まれた集積回路28が設けられている。そして、ラッチ制御部29は、この集積回路28に組み込まれたタッチカウンタ281のカウント値およびスケールカウンタ282のカウント値を同タイミングでラッチする。
このような構成では、ラッチ制御部29は、タッチ信号のレベルが規定値以上となったタイミングで、タッチカウンタ281のカウント値およびスケールカウンタ282のカウント値をラッチする。このため、ラッチタイミングが同期しているため、測定子211が被測定対象物10に接触したタイミングでのプローブの位置座標を正確に測定することができ、測定精度を向上させることができる。また、集積回路28内にタッチカウンタ281およびスケールカウンタ282が組み込まれているため、それぞれのレジスタをラッチする時間を短くできるので、測定処理に係る時間を短縮することができ、迅速な測定処理を実施することができる。
【0026】
また、制御回路基板26は、SP系プローブ用のSPコネクタ272Aと、MPP系プローブ用のMPPコネクタ272Bを備え、集積回路28には、SP系プローブ用のタッチ信号をA/D変換してラッチするSPプローブタッチレジスタ281Aと、MPP系プローブ用のタッチ信号をカウントするMPPプローブ用タッチカウンタ281Bとが組み込まれている。
このため、プローブ21を例えばSP系プローブからMPP系プローブに交換した場合であっても、タッチカウンタや集積回路28、制御回路基板26等を交換することなく、交換したプローブ21と、対応したコネクタ272A,272Bとを接続するだけで容易にプローブ21の交換作業を行うことができる。
【0027】
〔変形例〕
なお、本発明は、上述した一実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
【0028】
例えば、上記実施形態では、ソフトウェアにより機能するラッチ制御部29を例示したが、ハードウェアのラッチ制御部を設ける構成などとしてもよい。この場合、制御回路基板26に、ラッチ制御回路を設け、ラッチ制御回路がタッチカウンタ281およびスケールカウンタ282のカウント値をラッチする構成とすればよい。このような構成でも、ラッチ制御回路は、タッチカウンタ281のカウント値のラッチのタイミングと、スケールカウンタ282のカウント値のラッチのタイミングとを同期させることができ、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0029】
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、測定処理を実施する測定装置に利用できる。
【符号の説明】
【0031】
1…三次元測定機(測定装置)、21…プローブ、22…移動機構(移動手段)、25X…X軸スケールセンサー(座標検出手段)、25Y…Y軸スケールセンサー(座標検出手段)、25Z…Z軸スケールセンサー(座標検出手段)、26…制御回路基板、28…集積回路、29…ラッチ制御部(ラッチ手段)211…測定子、212…接触検出センサー(接触検出手段)、281…タッチカウンタ、282…スケールカウンタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定対象物に対して接触可能な測定子、および前記測定子の前記被測定対象物への接触を検出してタッチ信号を出力する接触検出手段を有するプローブと、
前記プローブを互いに直交する3軸方向に沿って移動させる移動手段と、
前記プローブの位置座標を検出して座標検出信号を出力する座標検出手段と、
前記タッチ信号をカウントするタッチカウンタ、および座標検出信号をカウントするスケールカウンタが組み込まれた集積回路を有する制御回路基板と、
前記タッチカウンタの値、および前記スケールカウンタの値を同タイミングでラッチするラッチ手段と、を具備した
ことを特徴とする測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の測定装置において、
前記プローブは、前記接触検出手段から出力される前記タッチ信号の信号形式が異なる他のプローブに交換可能に設けられ、
前記制御回路基板は、信号形式が異なる複数のタッチ信号に対応して、これらのタッチ信号がそれぞれ入力可能な複数のコネクタを備え、
前記集積回路は、信号形式が異なる複数のタッチ信号に対応した複数のタッチカウンタを有する
ことを特徴とする測定装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate