説明

測定要求開始時間を指定するシステム及び方法

【課題】無線ローカルエリアネットワークにおいて測定要求開始時間におけるあいまいさを解消し、測定開始時間を柔軟に指定しうる装置及び方法を提供する。
【解決手段】無線ローカル・エリア・ネットワークにおける測定を行うための開始時間の指定に関し、行われる測定の開始時間は、メジャメントリクエスト・フレーム300のメジャメント・スタートタイム・フィールド304に含まれる。特定の測定されるエレメントに対する開始時間の解釈は、そのメジャメントリクエスト・フレーム300の各メジャメント・リクエストエレメント・フィールド305に含まれるモードフィールドで決定される。オプションとして、メジャメントリクエスト・フレーム300の開始時間は、レポートされる開始時間の解釈におけるあいまいさを回避するため時間同期機能(TSF)タイマ値又はその一部を使用して指定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)において、測定を行うためのスタートタイム(start time:開始時間)の解釈の仕様に関する。開始時間は、あいまいさの可能性を取り除くべく時間同期機能(TSF)タイマの値又はその一部により指定される。
【背景技術】
【0002】
一般的に、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)には2種類あり、1つは、インフラストラクチャ・ベース、もう1つは、アドホック又はインディペンダントと呼ばれる。前者のネットワークは図2Aに示され、そこでは、一般的に、ステーション(STAi)201やアクセスポイント(AP)200と名のついた無線ノード間でのみ通信が行われる。一方、図2Bに示される後者のネットワークにおいては、無線ノードSTAi201間で通信が行われる。同じ無線範囲領域内にあるSTAi201とAP200とは、基本サービスセット(BSS)として知られている。WLANの2番目の種類では、STAi201が直接お互いに通信し、APは存在せず、全体として、独立基本サービスセット、又はIBSSと名付けられている。
【0003】
IEEE 802.11標準規格は、物理層ユニットをサポートするため、WLANにおけるメディアアクセス制御(MAC)と物理的な特徴との仕様を定める。IEEE 802.11標準規格は、IEEE 802.11 WG 参照番号 ISO/IEC 8802-11:1999(E) IEEE Std 802.11, 1999 edition,"International Standard [for] Information Technology- Telecommunications and information exchange between systems-Local and metropolitan area networks-Specific Requirements- Part 11: Wireless LAN Medium Access Control(MAC) and Physical Layer(PHY) specifications", New York USA; The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc. 1999に規定され、ここでは参照により、この中で完全に説明したように扱う。
【0004】
IEEE 802.11標準規格を補完するIEEE 802.11h(IEEE 802.11 WG IEEE Std 802.11h/D3, May 2003 Edition,"Draft Supplement to IEEE Standard for Information Technology - Telecommunications and Information Exchange Between Systems - LAN/MAN Specific Requirements - Part 11: Wireless Medium Access Control(MAC) and physical layer(PHY) specifications: Spectrum and Transmit Power Management extensions in the 5GHz band in EUROPE")において、その補完の全体の内容は、ここでは参照により、この中で完全に説明したように扱われるが、メジャメントリクエスト(measurement request:測定要求)は、要求された測定が行われるべき時を指定する時間参照を含む。例えば、"メジャメントオフセット(Measurement Offset)"フィールドが"アクティベーションディレイ(Activation Delay)"と共に、IEEE TGhでの参照時間を規定する。
【0005】
IEEE 802.11標準規格を補完するIEEE TGk ドラフト D 0.1(IEEE 802.11 WG IEEE Std 802.11k/D0.4, July 2003,"Draft Supplement to IEEE Standard for Information Technology - Telecommunications and Information Exchange Between Systems - LAN/MAN Specific Requirements - Part 11: Wireless Medium Access Control(MAC) and physical layer(PHY) specifications: Specification for Radio Resource Measurement")において、その補完の全体の内容は、ここでは参照により、この中で完全に説明したように扱われるが、正確な開始時間に測定を開始する能力は、その後あるランダムな間隔を空けることによって置き換えられる。この能力は、ある測定においてはある程度役に立つかもしれないが、ある正確な時間に測定を開始できる能力が、別の種類の測定においては望ましいこともある。例えば、要求を受けたステーションが測定を行っているとき、トラフィックを維持し、又は送信するために、APがこの情報を持ちたい場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在のIEEE 802.11の機構では、正確に時間付けされた測定か、ランダム化された開始時間かのいずれかを許容する。そこで、同じメジャメントリクエスト(Measurement Request)において、測定開始時間に関し異なる種類の解釈が通信されることができる、柔軟な機構を持つことができれば有利である。
【0007】
チャネル(channel:通信路)の状態に応じて、目的となるステーション(STA)に対して測定要求を通信する試みが1回以上なされることがある。受信側STAにおいて、もし1つ以上同じ測定要求を受信すると、それからSTAは、直近に受信した重複するパケットを廃棄する。これは、IEEE 802.11標準規格で仕様策定されたプロトコルによるものである。
【0008】
受信側STAにてIEEE 802.11プロトコルに従い重複フレームを廃棄することは、結果として、要求側及び受信側の各STAが、それぞれが測定開始時間を参照する異なる参照ビーコンを持つことをもたらす。例えば、あるビーコン期間に測定要求が送信されることが予定されており、かつ、チャネルの状態が原因で、送信側STAにて受信側STAが返信するACKを受信していない間に、受信側STAがそのフレームを正確に受信し、かつ、続いて、測定要求が別のビーコン期間に確実に送信される、という3条件が成立する場合、送信側と受信側のステーションでは、参照ビーコンが異なることになる。
【0009】
こうして、現在の機構では、測定要求開始時間におけるあいまいさを解消するため、共有された標準時間が参照として必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、測定要求(measurement request:メジャメントリクエスト)が絶対開始時間(absolute start time:アブソルート・スタートタイム)を含むよう修正することにより、測定開始時間を柔軟に指定する装置及び方法に向けられる。オプションとして、絶対開始時間は、時間同期機能(TSF)タイマ値又はその一部としてよい。また、オプションとして、メジャメントリクエスト・エレメント(Measurement Request Element)がモード(Mode)フィールドに絶対開始時間に適用される解釈の種類を含むよう修正することもできる。メジャメントリクエスト・フレーム(Measurement Request Frame)300に含まれる絶対開始時間は、図3を見れば、そのメジャメントリクエスト・フレーム300に応じてSTAで行われる最初の測定の開始時間を参照する。メジャメントリクエスト・エレメント400に対する絶対開始時間は、図4Aを見れば、そこに含まれる最初のメジャメントリクエスト(Measurement Request)406の開始時間を参照する。メジャメントリクエスト430に対するアブソルート・スタートタイム(Absolute start time)432は、要求された測定だけを参照する。
【0011】
好ましい実施形態では、本発明は、メジャメントリクエスト・フレームを送信する要求側によって測定開始時間を指定する装置及び方法である。それは、(1)か(2)の少なくとも1つである。(1)示された開始時間が参照する同期化された時間参照が採用される。(2)示された開始時間の解釈に当たり、メジャメントリクエスト・エレメント内のモードフィールドに、測定されるべきエレメントに関する、示された開始時間を解釈するのに使用されるビットを含むことにより、柔軟性が提供される。
【0012】
別の好ましい実施形態では、本発明は、メジャメントリクエスト・エレメント内にメジャメント・モードフィールドを含み、モードフィールドに、各測定に対して示された開始時間が次の4つのいずれかであることを示すビットを指定することによって、802.11測定に対する柔軟性を可能にする装置及び方法に向けられる。その4つは:1)リクエスト内として後に続く(followed as in request)、2)ランダム化された、3)無視された、4)即時の、である。追加されたモードフィールド・ビットは、実際の測定開始時間が折り返し報告されるべきかどうかを示す。示された開始時間は、測定するSTAと測定を含むメジャメントレポート(Measurement Report)を受信するSTAとの間のあいまいさを取り除くために、時間同期機能(TSF)タイマ値又はその一部の観点から指定されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態が適用される無線通信システムの構造を説明する簡単なブロック図である。
【図2A】本発明の実施形態における特定の基本サービスセット(BSS)内のアクセスポイント(AP)及び各ステーション(STAi)の簡単なブロック図を説明する図である。
【図2B】本発明の実施形態における指定のインディペンダント又はアドホックタイプの基本サービスセット(IBSS)内の各ステーション(STAi)の簡単なブロック図を説明する図である。
【図3】メジャメント・スタートタイム・フィールドの修正を含み、本発明の実施形態におけるステーション間の特定のエレメントの測定に対する要求を送信するのに使用されることができる、メジャメントリクエスト・フレームのフォーマットを説明する図である。
【図4A】メジャメント・モードフィールドの修正を含み、本発明の実施形態におけるエレメントの測定の開始時間に関する解釈を指定するのに使用されることができる、メジャメントリクエスト・エレメントのフォーマットを説明する図である。
【図4B】メジャメント・モードフィールドとメジャメントリクエスト・エレメント・スタートタイム(Measurement Request Element Start Time)との両方の修正を含む、メジャメントリクエスト・エレメントのフォーマットを説明する図である。
【図4C】それが含まれるメジャメントリクエスト・エレメントに対し適用されるメジャメントリクエスト・フレームのスタートタイムの解釈の種類を指定するスタートフィールドの修正を含む、メジャメントリクエスト・モードフィールドのフォーマットを説明する図である。
【図4D】モードフィールドが含まれるメジャメントリクエスト・エレメントに適用されるスタートタイム解釈の種類を指定するのに使用されることができる値であって、図4Bに説明されるメジャメントリクエスト・モードフィールドのスタートフィールドに対してある程度起こりうる値を説明する図である。
【図4E】要求される測定の種類を指定するのに使用されることができる値であって、図4Aに説明されるメジャメントリクエスト・エレメントのメジャメント・タイプ・フィールドに対してある程度起こりうる値を説明する図である。
【図4F】ベーシックリクエストに対するメジャメントリクエスト・フィールドのフォーマットを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の説明において、本発明の完全な理解を提供するため、説明であって、これに限定されるものではないものを介して、特定の構造、インタフェース、技術などの特定の詳細が説明される。しかしながら、当業者にとっては、本発明がこれらの特定の詳細とは異なる他の実施形態で実行されてもよいことは明白である。
【0015】
図2Aは、本発明の実施形態が適用される代表的な基本サービスセット(BSS)無線ネットワークを示す。図2Aに示されるように、アクセスポイント(AP)200は、複数のモバイルステーション(STAi)201と結合される。モバイルステーションは、無線リンク202を介して互いに通信を行い、複数の無線チャネルを介してAPと通信を行う。本発明における主要な原則は、開始時間の解釈に関する柔軟性を増加し、及び/又は開始時間をAP200及びSTAi201で行われる測定に対するTSFタイマ値として表現する機構を提供することにある。図2Bは、本発明の実施形態が適用される代表的な独立基本サービスセット(IBSS)無線ネットワークである。図2Bに示されるように、複数のモバイルステーション(STAi)201は、いかなるAPも用いずに、無線リンク202を介して互いに通信する。図2A、図2Bに示される各ネットワークが小さいのは説明のためであることに留意されたい。実際には、ほとんどのネットワークが非常に多数のモバイルSTAi201を含むであろう。
【0016】
IEEE 802.11hでは、要求された測定が行われるべき時を示す時間参照を測定要求が含む。例えば、"メジャメントオフセット(Measurement Offset)"フィールドは、"アクティベーションディレイ(Activation Delay)"と共に、IEEE TGhにおける参照時間を指定する。"アクティベーションディレイ"フィールドは、測定開始前に待つビーコンマーカ(TBTT)の数である。"メジャメントオフセット"フィールドは、これらのTBTTの直近からの時間である。この態様での時間の指定は、上述したように結果としてあいまいさをもたらす。
【0017】
IEEE TGkドラフトD 0.1では、正確な開始時間に測定を開始する能力が、その後あるランダムな間隔を空けることによって置き換えられる。この能力は、ある測定においてはある程度役に立つかもしれないが、ある正確な時間に測定を開始できる能力が、別の種類の測定においては望ましいこともある。例えば、要求を受けたステーションが測定を行っているとき、トラフィックを維持し、又は送信するために、APがこの情報を持ちたいかもしれない。更に、上述したように、測定の要求側と、ACKのロスにより同期が崩れた受信側とにより引き起こされるあいまいさの問題は、まだ存在する。
【0018】
こうして、従来技術での機構は、測定側と(その測定要求の要求側であるかもしれないし、そうでないかもしれない)測定の受信側との間で測定時間に関するあいまいさをもたらす測定時間参照、又はランダム化された開始時間のどちらかを許容する。そこで、従来技術において、絶対時間参照と、スタートタイムに関する異なる種類の解釈が同じ測定要求内で通信される柔軟な機構とを共に備える必要性がある。
【0019】
本発明の装置及び方法は、開始時間を絶対時間参照で指定することによって、測定開始時間におけるいかなるあいまいさも避ける機構を提供する。上記に説明された問題は、以下に示されるいずれか1つ又は複数の態様に基づき、本発明の装置及び方法により解決される:即ち、メジャメントリクエスト・フレームに、メジャメントリクエスト・エレメントに、及びメジャメントリクエストに絶対時間参照を含むことによってである。柔軟性は、メジャメントリクエスト・エレメントにモードフィールドをオプションで含むことによって、本発明の装置及び方法で提供される。モードフィールドは、測定されたエレメントのそれぞれに対して、測定開始時間を測定側がどのように解釈すべきかを指定する。好ましい実施形態においては、図4Dに説明されるように、解釈を指定するのに3ビットエンコーディングが使用される。
【0020】
図1は、図2A、図2BのWLAN内のAP及び各STAに含まれうる構造を説明する。AP200とSTAi201は共に、受信器101、復調器102、測定取得回路103、メモリ104、制御プロセッサ105、TSFタイマ又はその一部106、変調器107、及び送信器108を含むことができる。図1に例示するシステム100は、説明のためだけのものである。その説明は特定のモバイルステーションを述べるのに一般的に使用される用語に言及するが、説明及び概念は、図1に示されるのとは異なる構造を持つシステムを含む他の処理システムにも同様に適用することができる。
【0021】
動作状態において、受信器101と送信器108とは、受信信号及び送信する所望のデータを復調器102及び変調器107を介して、対応するデジタルデータへ及び対応するデジタルデータから変換するための(図示省略された)アンテナに結合される。測定取得回路103は、制御プロセッサ105の制御下において、メジャメントリクエスト・フレームの最初の測定がなされるべきTSFタイマ又はその一部106の値に等しくなるようセットされるメジャメント・スタートタイム304を含むメジャメントリクエスト・フレーム300を構築するよう動作する。要求された測定は、メジャメントリクエスト・フレーム300に含まれる少なくとも1つのメジャメントリクエスト・エレメント305により指し示される。
【0022】
別の実施形態においては、メジャメントリクエスト・エレメント400のフォーマットが、図4Aに示されるようにメジャメント・モードフィールド404を含むよう修正される。メジャメントリクエスト・モード(Measurement Request Mode)フィールド410のフォーマットは、図4Cに説明され、スタートフィールド407は図4Dに説明されるように規定される。
【0023】
好ましい実施形態において、メジャメントリクエスト・フレーム300は、1つ又は複数のチャネルを測定するため、BSS又はIBSSにおけるSTAにより又は別のSTAに要求するAPにより送信される。メジャメントリクエスト・フレーム本体300のフォーマットの好ましい実施形態は、図3に示され、そのフィールドに対する設定は次のようになる:
・カテゴリ(Category)フィールド301は、ラジオメジャメント(Radio Measurement)又はスペクトラムマネジメント(Spectrum Management)カテゴリを含む値に等しいようセットされる。本発明の別の好ましいIEEE 802.11における実施形態によれば、カテゴリフィールドは、802.11h D3.11 ドラフト標準規格の7.3.11にある表1で仕様策定される。
・アクション(Action)フィールド302は、メジャメントリクエストを示す値に等しいようセットされる。本発明の別の好ましい802.11における実施形態によれば、アクションフィールドは、802.11h D3.11 ドラフト標準規格の7.4.1にある表5で仕様策定される。
・ダイアログトークン(Dialog Token)フィールド303は、リクエスト/レポート・トランザクションを識別するためにメジャメントリクエスト・フレームを送信するSTAによって選択される非ゼロの値に等しいようセットされる。
・メジャメント・スタートタイム(Measurement Start Time)フィールド304は、ある時間にセットされる。好ましい別の実施形態によれば、最初のメジャメントリクエスト・エレメントにより指定される測定が開始するべきTSFタイマ値にセットされる。もし、メジャメント・スタートタイムがゼロに等しいようセットされると、最初のメジャメントリクエスト・エレメントにより指定される測定は、メジャメントリクエスト・フレーム300の受信後に開始することになる。メジャメント・スタートタイム・フィールド304の存在は、オプションである。
・メジャメントリクエスト・エレメンツ・フィールド305は少なくとも1つメジャメントリクエスト・エレメントを含む。第1の別の実施形態においては、メジャメントリクエスト・エレメントは、図4Aに示されるフォーマット400を持つ。第2の別の実施形態においては、メジャメントリクエスト・エレメントは、図4Bに示されるフォーマット440を持つ。本発明の802.11での実施形態によれば、メジャメントリクエスト・フレーム300におけるメジャメントリクエスト・エレメンツの個数及び長さは、最大がメディアアクセス制御(MAC)管理プロトコルにおいて許容されるデータユニットのMMPDUサイズであることによって制限される。修正されたエレメントの下位フィールドは以下の通り:
1.エレメント(Element)ID下位フィールド401は、一意な識別子に等しいようセットされる;
2.レングス(Length)下位フィールド402は、可変であり、メジャメントリクエスト(Measurement Request)フィールドの長さに依存する。レングスフィールドの最小値は3である。
3.メジャメントトークン(Measurement Token)下位フィールド403は、特定のメジャメントリクエスト・フレームでのメジャメントリクエスト・エレメンツ間で一意となる非ゼロの番号にセットされる。
4.オプションのメジャメントモード(Measurement mode)下位フィールド404は、図4Cに説明され、好ましい実施形態においては、図4Dに示されるように、測定されるエレメントに適用されるスタートタイム304、408、432(所与の測定に対してどのスタートタイム(Start Time)が優先権を持つとしても)の解釈を指定するスタート(Start)下位フィールド407を含む。
5.メジャメント・エレメント・スタートタイム(Measurement Element Start Time)フィールド408は、ある時間にセットされる。別の好ましい実施形態によれば、メジャメントリクエスト・エレメント400により指定される測定が開始されるTSFタイマの値にセットされる。もし、メジャメント・エレメント・スタートタイム(Measurement Element Start Time)408がゼロに等しいようセットされると、最初のメジャメントリクエスト・エレメントにより指定される測定は、メジャメントリクエスト・フレーム300の受信後に開始することになる。メジャメント・エレメント・スタートタイム・フィールド408の存在は、オプションであり、フレーム300内に存在する場合には、メジャメント・フレーム・スタートタイム(Measurement Frame Start Time)304を上書きする。
6.メジャメントタイプ(Measurement Type)下位フィールド405は、要求される測定の種類にセットされ、さまざまな要求種類420のうちの1つを含んでよい。
7.メジャメント・リクエスト(Measurement Request)下位フィールド406は、要求された測定の種類を達成するための追加的なパラメタを提供するためにセットされる。例えば、メジャメントリクエスト・タイプ(Measurement Request Type)がベーシックリクエスト・タイプ(Basic Request Type)のとき、メジャメントリクエストは、図4Fに示されるフォーマット430を持ち、次のフィールドを含む:
・チャネルナンバ(Channel Number)フィールド431は測定要求が適用するチャネル番号に等しいようセットされる。
・オプションのメジャメント・スタートタイム(Measurement Start Time)フィールド432は、絶対タイマ値、例えば、要求されたメジャメントリクエストが開始すべき時間(±32:s)におけるTSFタイマ値に等しいようセットされる。値が0であることは、もしメジャメントモード(Measurement Mode)下位フィールド404がなければ、測定が直ちに開始することを意味するが、メジャメントモード下位フィールド404があれば、メジャメント・スタートタイム・フィールド432に対してモード下位フィールド404で示されるように測定が開始することを意味する。
・メジャメントデュレイション(Measurement Duration)フィールド433は、TUに表される、要求された測定の継続時間に等しいようセットされる。
【0024】
別の好ましい実施形態によれば、測定オフセット即ちスタートタイム(Start Time)フィールド304、408、432は、8バイトの絶対タイマ値、例えばTSFタイマ値の最下位からビットを所望の個数だけ用いることにより、8バイトフィールド未満で指定される。例えば、TSFタイマ値の最上位4バイトを切り捨てることにより、それは4バイトフィールドで指定されることができる。
【0025】
更に、もし、1マイクロ秒の高精度が必要でないならば、TSFタイマ値の最下位からの数ビットは使用されないかもしれない。例えば、ビット番号5〜36が使用される場合、最小達成精度は32:Sであり、これをそのような態様で指定することは、実装における複雑さを軽減する。
【0026】
本発明の好ましい実施形態が図示され、説明されたが、当業者であれば様々な変更及び変形がなされること、本発明の真の範囲を逸脱することなく均等物が構成要素に置き換えられてもよいことは理解されるであろう。例えば、絶対時間参照は、メジャメントモードと任意に組み合わせて、メジャメントリクエスト・フレームのより外側の層、又はメジャメントリクエスト・エレメントの個々の基本要求のより内側の層に与えられる。更に、例えば、フレームやエレメントのフォーマット変更など多くの修正が特定の状況に適応させるためになされる。本発明の教示内容は、その中心範囲から逸脱することなく均等な様々な態様で適合することができる。そこで、本発明は、本発明を実行するために考慮された最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されることを意図するものではなく、本発明は添えられた請求項の範囲に含まれるすべての実施形態を含むことを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク・メジャメントリクエスト・フレーム(network Measurement Request Frame)において測定開始時間を指定する方法であって、
少なくとも1つのメジャメントリクエスト・エレメント(Measurement Request Element)を備えるメジャメントリクエスト・エレメンツ・フィールド(Measurement Request Elements field)を含む前記メジャメントリクエスト・フレームであって、該少なくとも1つのメジャメントリクエスト・エレメントが、所与の種類のネットワーク測定に対する少なくとも1つのメジャメントリクエスト(Measurement Request)を含む、前記メジャメントリクエスト・フレームを形成するステップと、
第1、第2、及び第3の優先付けされたアブソルート・スタートタイム(absolute Start Time)のうち少なくとも1つを、それぞれ、前記メジャメントリクエスト・フレーム、前記メジャメントリクエスト・エレメンツ及び前記少なくとも1つのメジャメントリクエストのうちの対応する少なくとも1つで指定するステップとを有する方法。
【請求項2】
前記第1、第2及び第3のスタートタイム・フィールドは、増加する優先度の順に、最初に含まれるメジャメントリクエスト・エレメントの測定が開始され、前記対応するメジャメントリクエスト・エレメントが開始され、及び前記対応するメジャメントリクエストが開始されるのに適用可能なアブソルート・スタートタイムをそれぞれ示す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
更に、前記第1、第2及び第3のスタートタイム・フィールドを、時間同期機能(TSF)タイマ値とTSFタイマ値の一部との一方にセットするステップを有する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
更に、前記第1、第2及び第3のスタートタイム・フィールドの少なくとも1つを、前記対応する測定が前記メジャメントリクエスト・フレームの受信後に開始されることを示すようにゼロにセットするステップを有する請求項1に記載の方法。
【請求項5】
更に、前記第1、第2及び第3のスタートタイム・フィールドの少なくとも1つを、前記対応する測定が前記メジャメントリクエスト・フレームの受信後に開始されることを示すようにゼロにセットするステップを有する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記形成するステップが、更に、前記メジャメントリクエスト・フレームに、下記フィールドを含むステップを有し、
該下記フィールドは、
【表1】

ラジオメジャメント(Radio Measurement)又はスペクトラムマネジメント(Spectrum Management)カテゴリを示す値に等しいようセットされるカテゴリ(Category)フィールドと、
メジャメントリクエストを示す値に等しいようセットされるアクション(Action)フィールドと、
リクエスト/レポート・トランザクションを識別するためにメジャメントリクエスト・フレームの送信器により選択される非ゼロ値に等しいようセットされるダイアログ トークン(Dialog Token)フィールドと、
前記メジャメントリクエスト・エレメンツの前記最初により指定される前記測定が開始されるTSFタイマ値にセットされる、オプションのメジャメント・フレーム(Measurement Frame)/第1のスタートタイムのフィールドであって、該メジャメント・フレーム/第1のスタートタイムがゼロに等しいようセットされる場合、前記最初のメジャメントリクエスト・エレメントにより指定される前記測定が前記メジャメントリクエスト・フレームの受信後に開始される、フィールドと、
少なくとも1つのメジャメントリクエスト・エレメントを備えるメジャメントリクエスト・エレメンツ・フィールドとを含み、
前記メジャメントリクエスト・エレメンツ・フィールドは、
【表2】

一意な識別子に等しいようセットされるエレメントID下位フィールドと、
前記メジャメントリクエスト・フィールドの長さに依存し、最小値が3である、可変なレングス(Length)下位フィールドと、
特定のメジャメントリクエスト・フレームにおける前記メジャメントリクエスト・エレメンツに対して一意である非ゼロの番号にセットされるメジャメントトークン(Measurement Token)下位フィールドと、
前記測定されたエレメントに適用される前記メジャメント・フレーム・スタート・タイムの解釈を指定するスタートモード値を含むようセットされる、オプションのメジャメントモード(Measurement Mode)下位フィールドと、
要求される種類の測定にセットされるメジャメントタイプ(Measurement Type)下位フィールドと、
前記メジャメントリクエスト・エレメンツの最初のものにより指定される前記測定が開始されるTSFタイマ値にセットされる、オプションのメジャメントフレーム/第2のスタートタイムのフィールドであって、該メジャメントフレーム/第2のスタートタイムがゼロに等しいようセットされる場合、前記最初のメジャメントリクエスト・エレメントにより指定される前記測定が前記メジャメントリクエスト・フレームの受信後に開始される、フィールドと、
前記種類のメジャメントタイプを達成するための少なくとも1つのパラメタにセットされるメジャメントリクエスト下位フィールドとを備え、
前記メジャメントリクエスト下位フィールドは、
【表3】

前記メジャメントリクエストが適用する前記チャネル番号にセットされるチャネルナンバ(Channel Number)下位フィールドと、
前記メジャメントリクエストにより指定される前記測定が開始されるTSFタイマ値にセットされる、メジャメントフレーム/第3のスタートタイムのフィールドであって、該メジャメントフレーム/第3のスタートタイムがゼロに等しいようセットされる場合、前記メジャメントリクエストにより指定される前記測定が前記メジャメントリクエスト・フレームの受信後に開始される、フィールドと、
前記測定が行われる始めから終わりまでの前記時間にセットされるメジャメントデュレイション(Measurement Duration)下位フィールドとを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
更に、前記メジャメント・モードフィールドを、前記エレメントの測定を開始するための前記第1、第2及び第3のスタートタイムのうち前記適用可能な1つをどのように解釈するかを指定する値にセットするステップを有する請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記メジャメントモード下位フィールドをセットする前記ステップは、前記メジャメントモード下位フィールドの前記スタート下位フィールドを、
【表4】

からなるグループから選択された指示子にセットするステップである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記セットするステップは、更に、選択された指示子を表現するため3ビットエンコーディングを使用するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記使用するステップは、更に、前記選択された指示子を表現するための3ビットエンコーディングとして、
【表5】

を使用するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
更に、前記少なくとも1つのメジャメントリクエスト・エレメントに、メジャメント・モードフィールドを含むステップと、
前記メジャメントモード下位フィールドを、前記エレメントの測定を開始するための前記第1、第2及び第3のスタートタイムのうち前記適用可能な1つをどのように解釈するかを指定する値にセットするステップとを有する請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記メジャメントモード下位フィールドをセットする前記ステップは、前記メジャメントモード下位フィールドの前記スタート下位フィールドを、
【表6】

からなる前記グループから選択された指示子にセットするステップである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記セットするステップは、更に、選択された指示子を表現するため3ビットエンコーディングを使用するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記使用ステップは、更に、前記選択された指示子を表現するための3ビットエンコーディングとして、
【表7】

を使用するステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
明白なメジャメント・スタートタイムを持つメジャメントリクエスト・フレームを形成する装置であって、
ネットワーク測定の所与の種類に対する少なくとも1つのメジャメントリクエストを含む少なくとも1つのメジャメントリクエスト・エレメントを備えるメジャメントリクエスト・エレメンツ・フィールドを持つ前記メジャメントリクエスト・フレームを形成する測定取得回路と、
TSFタイマと、
前記測定取得回路及び前記TSFタイマに結合され、第1、第2及び第3のスタートタイムのうち少なくとも1つを、それぞれ、前記対応するメジャメントリクエスト・フレーム、前記メジャメントリクエスト・エレメンツ、及び少なくとも1つのメジャメントリクエストにセットするよう構成される制御プロセッサであって、前記第1、第2及び第3のスタートタイムは増加する優先度の順に示すために前記TSFタイマの値にセットされる、制御プロセッサとを有する装置。
【請求項16】
前記TSFタイマの前記値は、前記TSFタイマの値の一部である、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
ネットワーク・メジャメントリクエスト・フレームにおいて柔軟な測定開始時間を指定する装置であって、
最初に含まれるメジャメントリクエスト・エレメントの測定が開始される前記時間を指定するスタートタイム・フィールドを持つ前記メジャメントリクエスト・フレームを形成する測定取得回路と、
タイマと、
前記測定取得回路及び前記タイマに結合され、並びに前記スタートタイム・フィールドを前記タイマの値にセットし、及びメジャメントモード下位フィールドを持つ少なくとも最初のメジャメントリクエスト・エレメントを含むよう構成される制御プロセッサと、
前記メジャメントモード下位フィールドを、前記エレメントの測定を開始するための前記スタートタイムをどのように解釈するかを指定するスタート値にセットする、制御プロセッサ用手段とを有する装置。
【請求項18】
前記タイマ値は、TSFタイマと前記TSFタイマの前記値の一部との一方である、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記メジャメントリクエスト・フレームは、下記フィールドを含むよう形成され、
該下記フィールドは、
【表8】

ラジオメジャメント(Radio Measurement)又はスペクトラムマネジメント(Spectrum Management)カテゴリを示す前記値にセットされるカテゴリ(Category)フィールドと、
メジャメントリクエストを示す前記値にセットされるアクション(Action)フィールドと、
前記リクエスト/レポート・トランザクションを識別するために前記メジャメントリクエスト・フレームの前記送信器により選択される非ゼロ値にセットされるダイアログトークン(Dialog Token)フィールドと、
前記最初のメジャメントリクエスト・エレメントにより指定される前記測定が開始されるTSFタイマ値にセットされるメジャメント・スタートタイムのフィールドであって、該メジャメント・スタートタイムがゼロに等しいようにセットされると、前記最初のメジャメントリクエスト・エレメントにより指定される前記測定が前記メジャメントリクエスト・フレームの受信後に開始される、フィールドと、
少なくとも1つのメジャメントリクエスト・エレメントを備えるメジャメントリクエスト・エレメンツ(Measurement Request Elements)フィールドとを含み、
前記メジャメントリクエスト・エレメンツ・フィールドは、
【表9】

一意な識別子にセットされるエレメントID下位フィールドと、
前記メジャメントリクエスト下位フィールドの前記長さに依存し、最小値が3である、可変なレングス(Length)下位フィールドと、
特定のメジャメントリクエスト・フレームにおける前記メジャメントリクエスト・エレメンツに対して一意である非ゼロの番号にセットされるメジャメントトークン下位フィールドと、
前記測定されたエレメントに適用される前記メジャメント・フレーム・スタート・タイムの前記解釈を指定するスタートモード下位フィールドを含むようセットされるメジャメントモード下位フィールドと、
メジャメントタイプの前記種類を達成するための少なくとも1つのパラメタにセットされるメジャメントリクエスト下位フィールドとを備えるよう形成され、
前記メジャメントリクエスト下位フィールドは、
【表10】

前記メジャメントリクエストが適用する前記チャネル番号にセットされるチャネルナンバ下位フィールドと、
前記メジャメントリクエストが開始される前記時間にセットされる、メジャメント・スタートタイム下位フィールドと、
前記測定が行われる始めから終わりまでの前記時間にセットされるメジャメントデュレイション下位フィールドとを備えるよう形成される、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記制御プロセッサが、更に、前記メジャメントモード下位フィールドの前記スタート下位フィールドを、
【表11】

からなるグループから選択された値にセットするよう構成される、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記指示子は、3ビットエンコーディングでエンコードされる、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記3ビットエンコーディングは、
【表12】

である、請求項21に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図4D】
image rotate

【図4E】
image rotate

【図4F】
image rotate


【公開番号】特開2012−138942(P2012−138942A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−45138(P2012−45138)
【出願日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【分割の表示】特願2010−250371(P2010−250371)の分割
【原出願日】平成16年5月3日(2004.5.3)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】