説明

港湾構造物及びその構築方法

【課題】作業性のよい、コストパフォーマンスに優れた港湾構造物及びその構築方法の提供。
【解決手段】ブロックを上下左右に積み重ねて形成し、上下に重なり合うブロック間の接合面のうち、一方側のブロックの接合面には、断面が台形状の滑動防止用凸部12が形成され、他方側のブロックの接合面には、滑動防止用凸部12に嵌合される滑動防止用凹部13が形成され、滑動防止用凸部12と滑動防止用凹部13は互いに嵌合され、左右に隣り合うブロック間の接合面には、上下方向に連続したコンクリート充填用凹部6が形成され、左右に隣り合うブロックのコンクリート充填用凹部6,6同士が突合せ配置となってコンクリート充填空間7を形成し、コンクリート充填空間7にコンクリート8を打設した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートブロックを使用して形成された防波堤や岸壁等の港湾構造物及びその構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンクリートブロックを使用した港湾構造物として、中空枠状に形成されたプレキャストコンクリート製の中空枠ブロックを使用して形成した岸壁が提案されている。
【0003】
この岸壁50は、図15及び図16に示すように、中空枠状に形成された中空枠ブロック51,51……を複数積み重ねて積層型枠52とし、この積層型枠52を水中に設置し、積層型枠52の中空部内に水中コンクリート53を打設して形成しているものである。
【特許文献1】特許第3236858号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような構造の岸壁は、鉄筋コンクリート製の中空枠ブロックを使用しているため、高価であるという問題があった。特に、プレキャストコンクリート製の中空枠ブロックは、特殊なため、現場製作ができず工場製作による二次製品として購入する必要があった。この二次製品は、工場経費や工場から現場までの運搬手間が掛かる他、運搬車輌の重量制限の関係から組立て片の細分化が必要になるなど製作費が割高となっていた。
【0005】
また、施工者としては、所有する機械や人員を有効に活用して、管理手間の掛からない無筋ブロックを現場製作したいところではあるが、その選択肢となる工法が無いのが問題であった。更に近年、起重機船の吊り能力が飛躍的に伸びており、250t吊程度の起重機船は各地の主要な港湾に在場が見られるようになっている。従来工法開発当時には、まだ吊り能力に優れ、汎用性のある起重機船が無かったことから、軽量化を図るべく鉄筋構造物とする必要があったが、従来工法では現在の起重機船能力が十分に発揮できず、所有するインフラストラクチャーを駆使した施工管理ができないため、現場運営上最も重要な利益捻出に寄与することができないという問題があった。
【0006】
また、中空枠ブロックを地上で積み重ね、連結して積層型枠とするので、中空枠ブロックの連結組み立てに手間が掛かるという問題があった。更に、地上で組み立てられた積層型枠を吊り降ろして海底に設置するので、積層型枠は、比較的軽くする必要があり、安定性に欠けるため、水中に設置してから水中コンクリートを打設し、その水中コンクリートが硬化するまで、積層型枠の転倒及び滑動を防止するための専用架台を取り付けておく必要があり、連続した据付作業ができなかった。また、積層型枠の重量は、起重機船で吊り上げることのできる範囲である必要があり、重くできないという問題があった。更に、このコンクリートブロックは、一般に、所定の強度を得るために鉄筋コンクリート製であり、鉄筋の腐食等により劣化するという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、このような従来の問題に鑑み、無筋コンクリートを使用したブロックの現場製作による工事費の低減と、汎用性のある大型起重機船能力を最大限利用したブロックの大型化、これらによる作業効率の向上から、コストパフォーマンスに優れた港湾構造物及びその構築方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための請求項1に記載の発明の特徴は、無筋コンクリート製のブロックを上下左右に積み重ねて形成され、該上下に重なり合うブロックの互いに対向する上下間接合面のうち、一方側のブロックの上下間接合面には、断面が台形状の滑動防止用凸部が形成され、他方側のブロックの上下間接合面には、前記滑動防止用凸部に嵌合される滑動防止用凹部が形成され、前記滑動防止用凸部と滑動防止用凹部は互いに嵌合され、前記左右に隣り合うブロックの互いに対向する側面には、上下方向に連続したコンクリート充填用凹部が形成され、前記左右に隣り合うブロックの前記コンクリート充填用凹部同士が突合せ配置となってコンクリート充填空間を形成し、該コンクリート充填空間にコンクリートが打設されて前記ブロック同士が一体化されていることにある。
【0009】
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1に記載の構成に加え、前記左右に隣り合うブロックの互いに対向する側面には、前記コンクリート充填用凹部に沿って該コンクリート充填用凹部の両側に立て向きの左右間接合面が形成され、該接合面間に、コンクリートの漏洩防止のために水膨張性ゴムを介在させたことにある。
【0010】
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項1又は2の何れか1項に記載の構成に加え、前記ブロックは、上下方向に貫通する中空部を有する角筒状に形成され、前記上下に重なり合うブロックの互いに対向する上下間接合面のうち、一方側のブロックの上下間接合面には、該ブロックの角筒状の外周縁側より内周縁側が突出した方向に傾斜させた一方側誘導傾斜面が形成され、他方側のブロックの上下間接合面には、前記一方側誘導傾斜面とは逆向きに傾斜されてこれと整合する形状の他方側誘導傾斜面が形成されていることにある。
【0011】
請求項4に記載の発明の特徴は、請求項1又は2の何れか1項に記載の構成に加え、前記ブロックは、中実ブロックからなり、前記滑動防止用凸部は、前後方向に伸びる断面略台形の突条状に形成されていることにある。
【0012】
請求項5に記載の発明の特徴は、請求項1に記載の港湾構造物の構築に際し、前記左右に隣り合うブロックの互いに対向する側面のコンクリート充填用凹部にそれぞれ埋め込みアンカーによって連結用金物を突設させておき、先に設置した既設ブロックに対し隣り合う新設ブロックを設置する際に、前記既設ブロック又は新設ブロックの内の一方のブロックの前記連結用金物に引き寄せ用ロープの先端を固定し、該引き寄せ用ロープを他方のブロックの前記連結用金物に取り付けたロープガイドに掛けまわし、前記新設ブロックを吊り用ロープで吊り下げた状態で前記引き寄せ用ロープを引っ張ることにより前記新設ブロックを前記既設ブロックに接合させることにある。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る港湾構造物は、無筋コンクリート製のブロックを上下左右に積み重ねて形成され、上下に重なり合うブロックの互いに対向する上下間接合面のうち、一方側のブロックの上下間接合面には、断面が台形状の滑動防止用凸部が形成され、他方側のブロックの上下間接合面には、滑動防止用凸部に嵌合される滑動防止用凹部が形成され、滑動防止用凸部と滑動防止用凹部は互いに嵌合され、左右に隣り合うブロック間の上下間接合面には、上下方向に連続したコンクリート充填用凹部が形成され、左右に隣り合うブロックのコンクリート充填用凹部同士が突合せ配置となってコンクリート充填空間を形成し、コンクリート充填空間にコンクリートが打設されてブロック同士が一体化されていることにより、容易に形成することができる。
【0014】
更に、左右に隣り合うブロックの互いに対向する側面には、コンクリート充填用凹部に沿ってコンクリート充填用凹部の両側に立て向きの左右間接合面が形成され、該接合面間に、コンクリートの漏洩防止のために水膨張性ゴムを介在させていることにより、コンクリート充填用凹部に打設されるコンクリートの漏洩を防止することができ、効率良くコンクリートの打設ができる。
【0015】
更に、ブロックは、上下方向に貫通する中空部を有する角筒状に形成され、上下に重なり合うブロックの互いに対向する上下間接合面のうち、一方側のブロックの上下間接合面には、ブロックの角筒状の外周縁側より内周縁側が突出した方向に傾斜させた一方側誘導傾斜面が形成され、他方側のブロックの上下間接合面には、一方側誘導傾斜面とは逆向きに傾斜されてこれと整合する形状の他方側誘導傾斜面が形成されていることにより、先に設置した既設ブロックの上に、新設ブロックを設置する際に、既設ブロックの誘導傾斜面上を新設ブロックを滑らせることにより、新設ブロックを所定の位置に容易に誘導することができ、水中作業の効率化と据付精度の向上を図ることができる。
【0016】
また、ブロックは、中実ブロックからなり、滑動防止用凸部は、前後方向に伸びる断面略台形の突条状に形成されているので、コンクリート充填空間にコンクリートを打設する前であっても、前後方向の外力に好適に対向することができる。
【0017】
また、本発明に係る港湾構造物の構築方法にあっては、左右に隣り合うブロックの互いに対向する側面のコンクリート充填用凹部にそれぞれ埋め込みアンカーによって連結用金物を突設させておき、先に設置した既設ブロックに対し隣り合う新設ブロックを設置する際に、既設ブロック又は新設ブロックの内の一方のブロックの連結用金物に引き寄せ用ロープの先端を固定し、引き寄せ用ロープを他方のブロックの連結用金物に取り付けたロープガイドに掛けまわし、新設ブロックを吊り用ロープで吊り下げた状態で引き寄せ用ロープを引っ張ることにより新設ブロックを既設ブロックに接合させるので、ブロックを所定の位置に容易に設置することができる。
【0018】
以上から、コンクリート製のブロックを管理手間の掛からない無筋構造体として、一個体を大型化した現場製作を行うことにより、汎用性のある大型起重機船の能力を十分に活用した据付が可能となり、作業時間の短縮、据付精度の向上、水中作業の効率化が図られ、経済性に優れた港湾構造物を築造する事ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に本発明に係る港湾構造物の実施の形態を図1〜図12について説明する。
【0020】
先ず、本発明に係る港湾構造物の第一実施例を図1〜図5について説明する。
【0021】
図1は、本例における港湾構造物を示している。この港湾構造物1は、所謂岸壁であり、海底の捨石マウンドA上に、現場付近で製作して1個体を大型化した重力式のブロックであって、無筋コンクリート製のブロックを上下左右に積み重ねて接合し、その頂部にコンクリートBを打設して形成されている。また、ブロックの背面側には、裏込石C及び裏埋土Dが設置されている。
【0022】
この港湾構造物1は、ブロックを上下方向に複数積み重ねた主積ブロック体3cを左右方向に複数並べ、その左右端部に、主積ブロック体3cと同様にブロックを上下方向に複数積み重ねた左端積ブロック体3aと右端積ブロック体3bを設置して構成している。
【0023】
この港湾構造物1の左側端部を構成する左端積ブロック体3aは、その上端部を構成する左上段ブロック2aと下端部を構成する左下段ブロック2cと、これら左上段ブロック2aと左下端ブロック2cの間に積み重ねられる左中段ブロック2bから構成されている。
【0024】
そして、港湾構造物1の右側端部を構成する右端積ブロック体3bは、その上端部を構成する右上段ブロック2dと下端部を構成する右下段ブロック2fと、これら右上段ブロック2dと右下段ブロック2fの間に積み重ねられる右中段ブロック2eから構成されている。
【0025】
また、港湾構造物1の左端積ブロック体3aと右端積ブロック体3bの間を構成する主積ブロック体3cは、その上端部を構成する主上段ブロック2gと、下端部を構成する主下段ブロック2iと、これら主上段ブロック2gと主下段ブロック2iとの間に積み重ねられる主中段ブロック2hとから構成されている。
【0026】
各ブロック2a〜2i……は、上下方向に貫通し、四角形状に開口した中空部4を有し、略角筒状に形成されている。そして、各ブロックは、その中空部4を上下に連続させるようにして積み重ねられ、積ブロック体となっている。また、この上下に連続する中空部4,4……内には、コンクリート5,5……が打設され、上下に重なり合うブロック同士を一体化している。尚、中空部4,4……には、必ずしもコンクリート5,5……を打設しなくともよい。
【0027】
この港湾構造物1を構成するブロック2a〜2i……の内の左右に隣り合うブロック同士の互いに対向する側面には、図2及び図3に示すように、ブロックの上端から下端部まで上下方向に連続したコンクリート充填用凹部6,6……が形成され、その各凹部6の両側に、互いに隣り合うブロックと接合される立て向きの左右間接合面18,18が形成されている。そして、上下に積み重ねられたブロックのコンクリート充填用凹部6,6……同士が上下に互いに連続している。即ち、各積ブロック体の上端から下端までコンクリート充填用凹部6,6……が連続している。また、左右に隣り合うブロックの互いに対向する面に形成されたコンクリート充填用凹部6,6同士は突合せ配置となって、コンクリート充填空間7を形成している。そして、このコンクリート充填空間7,7……にコンクリート8,8……が打設されて、上下左右に隣り合うブロック同士が一体化されている。
【0028】
また、左右に隣り合うブロックの同士の左右間接合面18,18間には、上下に連続させて水膨張性ゴム9が介在され、これによってコンクリート充填空間7に打設されるコンクリート8の漏洩を防止している。尚、この水膨張性ゴム9は、互いに接合される接合面の一方側に予め付設させておき、左右のブロックを互いに接合させることにより、両接合面間に介在させるようにしている。
【0029】
このように、コンクリート充填用凹部6,6……は、左端積ブロック体3aを構成するブロックである左上段ブロック2a、左中段ブロック2b、左下段ブロック2cにおいては、その右側面に形成され、主積ブロック体3cを構成する主上段ブロック2g、主中段ブロック2h、主下段ブロック2iにおいては、左右両側面に形成され、右端積ブロック体3bを構成する右上段ブロック2d、右中段ブロック2e、右下段ブロック2fにおいては、その左側面に形成されている。
【0030】
また、上下に重なり合うブロックの互いに対向する上下間接合面のうち、一方側のブロックの上下間接合面には、断面が台形状の滑動防止用凸部12,12……が形成されている。また、他方側のブロックの上下間接合面には、滑動防止用凸部12,12……と対応する位置に、滑動防止用凸部12,12……が嵌合される滑動防止用凹部13,13……が形成されており、滑動防止用凸部12,12……と滑動防止用凹部13,13……が嵌合されて、上側のブロックの下側のブロックに対する滑動を防止するようになっている。
【0031】
この滑動防止用凸部12,12……は、図4に示すように、ブロックの中空部4を囲む、左右方向に対向する壁の上下間接合面において、前後方向の略中央部部分に、前後方向断面が台形状となるように形成されている。また、ブロックの中空部4を囲む、前後方向に対向する壁の上下間接合面において、左右方向略中央部にも滑動防止用凸部12,12……が、左右方向断面が台形状となるように形成されている。滑動防止用凸部12,12……及び滑動防止用凹部13,13……は、中空部4,4……を囲む壁の厚さ全体に亘って形成され、前後方向及び左右方向の外力に対抗するようになっている。
【0032】
また、上下に重なり合うブロック間の上下間接合面のうち、一方側のブロックの上下間接合面には、図4及び図5に示すように、ブロックの角筒状の外周縁側より内周縁側が陥没した方向に傾斜させた一方側誘導傾斜面14が形成され、他方側のブロックの上下間接合面には、一方側誘導傾斜面14とは逆向きに傾斜されてこれと整合する形状、即ちブロックの外周縁側より内周縁側が突出した方向に傾斜させた形状の他方側誘導傾斜面15が形成されている。
【0033】
この一方側誘導傾斜面14及び他方側誘導傾斜面15は、ブロックの上下間接合面に、中空部4の開口に沿って一周するように形成されている。従って、上下に重なり合うブロック間の上下間接合面のうち、一方側のブロックの上下間接合面は、全体として凹状に形成され、他方側のブロックの上下間接合面は全体として凸状に形成されている。そして、一方側のブロックの上下間接合面と他方側のブロックの上下間接合面が嵌合されるようになっている。更に、ブロックを積み重ねる時、先に設置されている一方側のブロック上に、他方側のブロックを設置する際に、両誘導傾斜面14,15によって、他方側のブロックが、一方側誘導傾斜面14と他方側誘導傾斜面15が整合する位置に誘導されるようになっている。
【0034】
また、上下に重なり合うブロック同士の上下間接合面の間には、中空部4を囲むように水膨張性ゴム10が設置され、中空部4に打設されるコンクリート5の漏洩を防止するようになっている。
【0035】
このように、各上段ブロック2a,2g,2dは、下面に滑動防止用凹部13と他方側誘導傾斜面15が形成され、各中段ブロック2b,2h,2eは、上面に滑動防止用凸部12と一方側誘導傾斜面14が形成されるとともに、下面に滑動防止用凹部13と他方側誘導傾斜面15が形成され、各下段ブロック2c,2i,2fは、上面に滑動防止用凸部12と一方側誘導傾斜面14が形成されている。
【0036】
ブロックの側面に形成されているコンクリート充填用凹部6,6……内には、埋め込みアンカーによって、連結用金物16,16……が突設されている。この連結用金物16,16……は、先端が略U字形に突出した形状に形成され、フック等が連結されるようになっている。また、この連結用金物16,16……は、コンクリート充填用凹部6,6……内に、一対の連結金物16,16を結ぶ線が水平方向と平行となるように設置されている。この連結用金物16,16……は、コンクリート充填用凹部6内に4箇所設置されている。
【0037】
この連結用金物16,16……は、図3に示すように、左右に隣り合うブロックにおいて、連結用金物16,16……の先端が互いに対向する配置となっており、この連結用金物16,16……同士を連結部材17,17……によって連結することにより、ブロック同士が仮固定されるようになっている。また、この連結部材17,17……としては、ターンバックルを使用している。
【0038】
ブロック2a〜2i……は、それ自体の重みで、波等の外力に対抗することができる重さに形成されている。従って、積ブロック体の転倒及び滑動を防止するための専用架台を必要としない。具体的な大きさとしては、上下方向に3段1列で、横幅5m、前後幅5.1m、高さ5.6m、重さ略250トンとなっている。また、このブロック2a〜2i……の上下方向に貫通した中空部4を囲む周壁の厚さは略1mとなっている。従来のブロックは、同様の大きさで67トン程度である。
【0039】
次に、本発明に係る港湾構造物の第二実施例を図6〜図8について説明する。尚、前述の第一実施例と同じ部分は同じ符号を付し、説明を省略する。
【0040】
この港湾構造物21は、中実のブロックを上下方向に複数積み重ねた主積ブロック体30cを左右方向に複数並べ、その左右端部に、主積ブロック体30cと同様にブロックを上下方向に複数積み重ねた左端積ブロック体30aと右端積ブロック体30bを設置して構成している。
【0041】
この港湾構造物21の左側端部を構成する左端積ブロック体30aは、その上端部を構成する左上段ブロック20aと下端部を構成する左下段ブロック20cと、これら左上段ブロック20aと左下端ブロック20cの間に積み重ねられる左中段ブロック20bから構成されている。
【0042】
また、港湾構造物21の右側端部を構成する右端積ブロック体30bは、その上端部を構成する右上段ブロック20dと下端部を構成する右下段ブロック20fと、これら右上段ブロック20dと右下段ブロック20fの間に積み重ねられる右中段ブロック20eから構成されている。
【0043】
更に、港湾構造物21の左端積ブロック体30aと右端積ブロック体30bの間を構成する主積ブロック体30cは、その上端部を構成する主上段ブロック20gと、下端部を構成する主下段ブロック20iと、これら主上段ブロック20gと主下段ブロック20iとの間に積み重ねられる主中段ブロック20hとから構成されている。
【0044】
これらの積ブロック体を構成するブロックは、中実に形成され、中空部を有しない。そして、左右に隣り合うブロック同士の互いに対向する側面には、ブロックの上端から下端まで上下に連続させたコンクリート充填用凹部31,31……が形成され、その両側に立て向きの左右間接合面18,18が形成されている。また、上下に積み重ねられたブロックのコンクリート充填用凹部31,31……同士は、上下に互いに連続している。即ち、各積ブロック体の上端から下端までコンクリート充填用凹部31,31……が連続している。また、この左右に隣り合うブロックの互いに対向する接合面18,18を接合させることによりコンクリート充填用凹部31,31同士が突合せ配置となってコンクリート充填空間32を形成しており、このコンクリート充填空間32,32……にコンクリートを打設することにより、上下左右に隣り合うブロック同士が一体化されている。また、この左右に隣り合うブロックの同士の接合面間には、コンクリート充填用凹部31,31に沿った両側の左右接合面18,18間に水膨張性ゴム9が介在されている。尚、この水膨張性ゴム9は、前述した実施例と同様に、互いに接合される接合面の一方側に予め付設させておき、左右のブロックを互いに接合させることにより、両接合面間に介在させるようにしている。
【0045】
コンクリート充填用凹部31,31……は、左端積ブロック体30aを構成するブロックである左上段ブロック20a、左中段ブロック20b、左下段ブロック20cにおいては、その右側面に形成され、主積ブロック体30cを構成する主上段ブロック20g、主中段ブロック20h、主下段ブロック20iにおいては、左右両側面に形成され、右端積ブロック体30bを構成する右上段ブロック20d、右中段ブロック20e、右下段ブロック20fにおいては、その左側面に形成されている。
【0046】
また、コンクリート充填用凹部31,31……には、連結用金物16,16……が設置され、連結部材17,17……によって、左右に並ぶブロック同士が連結されている。コンクリート充填用凹部31,31……の側面はテーパ状に形成されており、このテーパ状に形成された側面から突出するように、連結用金物16,16……が設置されている。
【0047】
また、上下に重なり合うブロック同士の上下間接合面のうち、一方側のブロックの上下間接合面に、断面が台形状の滑動防止用凸部である前後方向凸部33,33……と左右方向凸部34,34……が形成されている。そして、他方側のブロックの上下間接合面には、滑動防止用凸部が嵌合される滑動防止用凹部である前後方向凹部35,35……及び左右方向凹部36,36……が形成されている。そして、前後方向凹部35,35……には、前後方向凸部33,33……が嵌合されるようになっており、左右方向凹部36,36……には、左右方向凸部34,34……が嵌合されるようになっている。
【0048】
前後方向凸部33,33……は、ブロックの上下間接合面において、前後方向に伸びる断面略台形の突条状に形成され、左右方向凸部34,34……は、ブロックの上下間接合面において、左右方向に伸びる断面略台形の突条状に形成されている。また、左右方向凸部34,34……は、ブロックの上下間接合面の前後方向両端部に形成され、また、前後方向凸部33,33……と一体に形成されている。
【0049】
そして、滑動防止用凸部である前後方向凸部33,33……と左右方向凸部34,34……とを、滑動防止用凹部である前後方向凹部35,35……及び左右方向凹部36,36……に嵌合させて、ブロックに作用する前後方向及び左右方向の外力に対抗し、上側のブロックが下側のブロックに対して滑動することを防止するようになっている。
【0050】
また、主中段ブロック20h,20h……と主下段ブロック20i,20i……の上面に形成されている滑動防止用凸部は、前後方向凸部33が、接合面の略中央に形成され、その前後方向凸部33の長さ方向両端側に、前後方向凸部33を中心として、左右方向凸部34,34が前後方向凸部33と一体に形成され、全体が平面視略H字形状に形成されている。尚、この滑動防止用凸部は、上述した平面視H字形状の他、図9に示す第三実施例のように、前記左右方向凸部34,34の無い平面視I字形状であってもよい。
【0051】
また、左中段ブロック20bと左下段ブロック20cの上面に形成されている滑動防止用凸部は、前後方向凸部33が、接合面の略中央に形成され、その前後方向凸部33の長さ方向両端部から右方に伸びるように左右方向凸部34,34が前後方向凸部33と一体に形成されている。
【0052】
また、右中段ブロック20eと右下段ブロック20fの上面に形成されている滑動防止用凸部は、前後方向凸部33が、接合面の略中央に形成され、その前後方向凸部33の長さ方向両端部から左方に伸びるように左右方向凸部34,34が前後方向凸部33と一体に形成されている。
【0053】
このように、各上段ブロック20a,20g,20dは、下面に滑動防止用凹部が形成され、各中段ブロック20b,20h,20eは、上面に滑動防止用凸部が形成されるとともに、下面に滑動防止用凹部が形成され、各下段ブロック20c,20i,20fは、上面に滑動防止用凸部が形成されている。
【0054】
また、左端積ブロック体30aを構成するブロック20a,20b,20c及び右端積ブロック体30bを構成するブロック20d,20e,20fは、その左右方向の長さがそれぞれ、主積ブロック体30cを構成するブロック20g,20h,20iの左右方向の長さの略半分に形成されている。
【0055】
これらのブロックも、それ自体の重みで、波等の外力に対抗することができる重さに形成されている。従って、積ブロック体の転倒及び滑動を防止するための専用架台を必要としない。具体的な大きさとしては、ブロック20g,20h,20iから構成される主積ブロック体30cは、横幅5m、前後幅5.1m、高さ5.6m、重さ略235トンとなっている。また、ブロック20a,20b,20cから構成される左端積ブロック体30a及びブロック20d,20e,20fから構成される右端積ブロック体30bは、横幅2.5m、前後幅5.1m、高さ5.6m、重さ略117トンとなっている。また、コンクリート充填用凹部31,31……の深さは、1.3mであり、このコンクリート充填用凹部31,31……の側面は約45度のテーパ状となっている。
【0056】
次に、本発明に係る港湾構造物の第三実施例を図9〜図12について説明する。尚、前述の実施例と同じ部分は同じ符号を付し、説明を省略する。この港湾構造物37は、無筋コンクリート製の中実のブロックを上下左右に積み重ね、その上部に消波用孔38を設けている。この消波用孔38は、ブロック前面側に開口されており、波がこの消波用孔38内に浸入し、その波のエネルギーが拡散されるようになっている。
【0057】
この港湾構造物37は、ブロックを上下方向に複数積み重ねた積ブロック体を左右方向に複数列並べて接合した形状に形成されている。また、左右に積ブロック体が接合されている主積ブロック体39は、その上端部を構成する天版ブロック39aと、下端部を構成する下段ブロック39cと、これら天版ブロック39aと下段ブロック39cとの間に積み重ねられている中段ブロック39bとから構成されている。
【0058】
この港湾構造物37を構成する上下に重なり合うブロック同士の上下間接合面のうち、一方側のブロックの上下間接合面には、前後方向凸部33,33……が形成されている。そして、他方側のブロックの上下間接合面には、その前後方向凸部33,33……が嵌合される前後方向凹部35,35……が形成されている。
【0059】
また、天版ブロック以外のブロックの側面には、コンクリート充填用凹部31,31……が形成され、その両側に立て向きの左右間接合面18,18が形成されている。この左右に隣り合うブロックの互いに対向する接合面18,18を接合させることによりコンクリート充填用凹部31,31……同士が突合せ配置となってコンクリート充填空間を形成し、このコンクリート充填空間にコンクリート40,40……が打設されて、上下左右に隣り合うブロック同士が一体化されている。左右に隣り合うブロックの同士の接合面間には、コンクリート充填用凹部31,31に沿った両側の左右接合面18,18間に水膨張性ゴム9が介在されている。尚、この水膨張性ゴム9は、前述した実施例と同様に、互いに接合される接合面の一方側に予め付設させておき、左右のブロックを互いに接合させることにより、両接合面間に介在させるようにしている。
【0060】
天版ブロック39aの側面側には、中段ブロック39bのコンクリート充填用凹部31,31と連続する凹欠部41,41が形成されている。この凹欠部41,41は、天版ブロック39aの側面側の下端部を前面から後面側にかけて切り欠いた形状に形成されている。そして、この左右に隣り合う天版ブロック39a,39aの凹欠部41,41同士が突合せ配置となって消波用孔38の上面部分を構成している。
【0061】
また、中段ブロック39b,39b……の上面側の左右方向端部には、前面からコンクリート充填用凹部31にかけて、中段ブロック39b,39b……の左右方向の中央部より一段下がった段部42,42が形成されている。また、隣り合う中段ブロック39b,39bの互いに対向する側面側に形成された段部42,42同士は、突合せ配置となっている。そして、この中段ブロック39b,39bの上部に積み重ねられた天版ブロック39a,39aの凹欠部41,41と、中段ブロック39b,39bの段部42,42によって消波用孔38の開口部を構成している。即ち、この消波用孔38は、左右に隣り合う中段ブロック39b,39bとその上に積み重ねられた天版ブロック39a,39aに跨って形成されている。
【0062】
また、コンクリート40,40……は、中段ブロック39b,39b……のコンクリート充填用凹部31,31……の段部42,42……の水平面と同じ高さまで打設され、その上面が消波用孔38,38……の内面の一部を構成している。
【0063】
天版ブロック39a,39a……の側面の後方側には左右間接合面18が形成され、この左右間接合面18には上下に向けた天版間コンクリート打設用凹部43が形成されており、左右に隣り合う天版ブロック39a,39aの天版間コンクリート打設用凹部43,43が互いに突合せ配置となっている。そして、この天版間コンクリート打設用凹部43,43内にコンクリート40aが打設されている。これによって左右に隣り合う天版ブロック39a,39a間の隙間がコンクリート40aによって完全に埋められ、消波用孔38内に出入する波による背面側の土砂の吸出しが防止されるようにしている。
【0064】
また、この実施例においては、左右に隣り合うブロック間において互いに接合される左右間接合面18,18間には、前述した各実施例と同様に、水膨張性ゴム9が介在されている他、図9(b)に示すように、天版ブロック39aと中段ブロック39bとの間にも水膨張性ゴム9が介在され、両ブロック39a,39b間の隙間から、消波用孔38内に出入する波の透過、及びその透過した波による背面側の土砂の吸出しが防止されるようにしている。
【0065】
尚、第一実施例、第二実施例及び第三実施例において、各ブロックは上下左右のみでなく、前後方向にも並べてもよい。また、各積ブロック体は、各中段ブロックの個数により段数を調整するようになっている。
【0066】
次に、本発明に係る港湾構造物の構築方法を、第一実施例に基づいて説明する。港湾構造物1を構築する際に使用するブロックは、工場で製作された所謂プレキャストコンクリートブロックを使用するのではなく、現場、即ちブロックの設置場所近傍で製作したものを使用するとよい。そして、この無筋コンクリート製のブロックを順次、海底に設置した捨石マウンドA上に積み重ねる。
【0067】
一段目のブロックを設置する際であって、先に設置した既設ブロック44に対し隣り合う新設ブロック45を設置する際には、図13及び図14に示すように、既設ブロック44又は新設ブロック45の内の一方のブロックの連結用金物16,16……に引き寄せ用ロープ46の先端を固定し、引き寄せ用ロープ46を他方のブロックの連結用金物16,16……に取り付けたロープガイド47に掛けまわし、新設ブロック45を吊り用ロープで吊り下げた状態で引き寄せ用ロープ46を引っ張ることにより新設ブロック45を既設ブロック44の隣に設置する。
【0068】
また、この際には、引き寄せ用ロープ46の一端側を既設ブロック44の一方のロープガイド47に掛け回すとともに、この引き寄せ用ロープ46の一端側の先端部を新設ブロック45の一方の連結用金物16,16……に取り付ける。また、この引き寄せ用ロープ46の他端側を既設ブロック44の他方のロープガイド47に掛け回すとともに、引き寄せ用ロープ46の他端側先端部を新設ブロック45の他方の連結用金物16,16……に取り付ける。そして、この引き寄せ用ロープ46の中央部分をクレーンの小巻フック48に引っ掛け、この小巻フック48を上昇させることにより、新設ブロック45の2つの連結用金物16,16……を同時に牽引し、新設ブロック45を既設ブロック44の隣に設置する。
【0069】
尚、ロープガイド47としては、滑車を使用している。また、引き寄せ用ロープ46の両端には、フック49,49を取り付け、このフック49,49を介して、引き寄せ用ロープ46と連結用金物16,16とを連結している
2段目以降は、新設ブロック45を既設ブロック44上に吊り下げることにより、各誘導傾斜面14,15によって、新設ブロック45が既設ブロック44の所定の位置に誘導され、好適に設置される。
【0070】
尚、第二実施例及び第三実施例における港湾構造物も上述の構築方法と同様に一段目を設置し、更に二段目以降も、一段目のブロックを設置する際の方法を使用して構築するとよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明に係る港湾構造物の一例を示す側面図である。
【図2】同上の港湾構造物を構成するブロックの配置を示す斜視図である。
【図3】同上のコンクリート打設前の状態を示す平面図である。
【図4】同上の主中段ブロックを示す斜視図である。
【図5】同上の主中段ブロックを示す断面図である。
【図6】本発明に係る港湾構造物の第二実施例を示す正面図である。
【図7】同上の中段ブロックの配置を示す平面図である。
【図8】同上の主中段ブロックを示す断面図である。
【図9】(a)本発明に係る港湾構造物の第三実施例における主積ブロック体を構成する天版ブロックを示す斜視図、(b)同上の中段ブロックを示す斜視図、(c)同上の下段ブロックを示す斜視図である。
【図10】同上の港湾構造物の正面図である。
【図11】同上の港湾構造物の断面図である。
【図12】同上の港湾構造物を示しており、図中A−A線より左側が中段ブロック上面部分、同右側が天版ブロック上面部分を示した平面図である。
【図13】本発明の第一実施例における港湾構造物の構築方法を示す平面図である。
【図14】同上の側断面図である。
【図15】従来の港湾構造物を示す断面図である。
【図16】同上の中空枠ブロックを積み重ねた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0072】
A 捨石マウンド
B コンクリート
C 裏込石
D 裏埋土
1 港湾構造物
2a 左上段ブロック
2b 左中段ブロック
2c 左下段ブロック
2d 右上段ブロック
2e 右中段ブロック
2f 右下段ブロック
2g 主上段ブロック
2h 主中段ブロック
2i 主下段ブロック
3a 左端積ブロック体
3b 右端積ブロック体
3c 主積ブロック体
4 中空部
5 コンクリート
6 コンクリート充填用凹部
7 コンクリート充填空間
8 コンクリート
9 水膨張性ゴム
10 水膨張性ゴム
12 滑動防止用凸部
13 滑動防止用凹部
14 一方側誘導傾斜面
15 他方側誘導傾斜面
16 連結用金物
17 連結部材
18 左右間接合面
20a 左上段ブロック
20b 左中段ブロック
20c 左下段ブロック
20d 右上段ブロック
20e 右中段ブロック
20f 右下段ブロック
20g 主上段ブロック
20h 主中段ブロック
20i 主下段ブロック
21 港湾構造物
30a 左端積ブロック体
30b 右端積ブロック体
30c 主積ブロック体
31 コンクリート充填用凹部
32 コンクリート充填空間
33 前後方向凸部
34 左右方向凸部
35 前後方向凹部
36 左右方向凹部
37 港湾構造物
38 消波用孔
39 主積ブロック体
39a 天版ブロック
39b 中段ブロック
39c 下段ブロック
40,40a コンクリート
41 凹欠部
42 段部
43 天版間コンクリート打設用凹部
44 既設ブロック
45 新設ブロック
46 引き寄せ用ロープ
47 ロープガイド
48 小巻フック
49 フック
50 岸壁
51 中空枠ブロック
52 積層型枠
53 水中コンクリート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無筋コンクリート製のブロックを上下左右に積み重ねて形成され、
該上下に重なり合うブロックの互いに対向する上下間接合面のうち、一方側のブロックの上下間接合面には、断面が台形状の滑動防止用凸部が形成され、他方側のブロックの上下間接合面には、前記滑動防止用凸部に嵌合される滑動防止用凹部が形成され、前記滑動防止用凸部と滑動防止用凹部は互いに嵌合され、
前記左右に隣り合うブロックの互いに対向する側面には、上下方向に連続したコンクリート充填用凹部が形成され、前記左右に隣り合うブロックの前記コンクリート充填用凹部同士が突合せ配置となってコンクリート充填空間を形成し、該コンクリート充填空間にコンクリートが打設されて前記ブロック同士が一体化されている港湾構造物。
【請求項2】
前記左右に隣り合うブロックの互いに対向する側面には、前記コンクリート充填用凹部に沿って該コンクリート充填用凹部の両側に立て向きの左右間接合面が形成され、該接合面間に、コンクリートの漏洩防止のために水膨張性ゴムを介在させてなる請求項1に記載の港湾構造物。
【請求項3】
前記ブロックは、上下方向に貫通する中空部を有する角筒状に形成され、
前記上下に重なり合うブロックの互いに対向する上下間接合面のうち、一方側のブロックの上下間接合面には、該ブロックの角筒状の外周縁側より内周縁側が突出した方向に傾斜させた一方側誘導傾斜面が形成され、他方側のブロックの上下間接合面には、前記一方側誘導傾斜面とは逆向きに傾斜されてこれと整合する形状の他方側誘導傾斜面が形成されている請求項1又は2の何れか1項に記載の港湾構造物。
【請求項4】
前記ブロックは、中実ブロックからなり、
前記滑動防止用凸部は、前後方向に伸びる断面略台形の突条状に形成されている請求項1又は2の何れか1項に記載の港湾構造物。
【請求項5】
請求項1に記載の港湾構造物の構築に際し、前記左右に隣り合うブロックの互いに対向する側面のコンクリート充填用凹部にそれぞれ埋め込みアンカーによって連結用金物を突設させておき、
先に設置した既設ブロックに対し隣り合う新設ブロックを設置する際に、前記既設ブロック又は新設ブロックの内の一方のブロックの前記連結用金物に引き寄せ用ロープの先端を固定し、該引き寄せ用ロープを他方のブロックの前記連結用金物に取り付けたロープガイドに掛けまわし、前記新設ブロックを吊り用ロープで吊り下げた状態で前記引き寄せ用ロープを引っ張ることにより前記新設ブロックを前記既設ブロックに接合させることを特徴とする港湾構造物の構築方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−299364(P2009−299364A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−155569(P2008−155569)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【出願人】(508177895)株式会社濱谷建設 (1)
【Fターム(参考)】