説明

湿潤条件における使用のための吸収性材料

第一の特徴点では、本発明は、ポリマー状の基体に取り込まれた、水分の存在下で安定であるテトラジン化合物を含む、エチレンのような気体状不飽和化合物を吸収するための組成物を提供する。第二の特徴点では、本発明は、第一の特徴点に係る組成物のエチレン吸収作用が効いた環境雰囲気中に果物または植物材料を閉じ込めることを含む、果物または他の植物材料(例えば切花)の熟成または老化を遅延する方法を提供する。第三の特徴点では、本発明は、第一の特徴点にかかる組成物を環境と接触させることを含む、前記環境から気体状不飽和化合物を除去する方法を提供する。第四の特徴点では、本発明は、第一の特徴点に係る組成物を含む壁部を含む実装品または容器を提供することを含む、環境からエチレンのような気体状不飽和化合物を除去する方法を提供する。第五の特徴点では、第一の特徴点にかかる組成物を環境と接触させ、前記組成物の色の変化を検出することを含む、環境(例えば、実装品内、または船積みコンテナのような大きな貯蔵容器の内部)において、エチレンの濃度をモニターまたは測定するための、あるいはエチレンの存在を指摘するための方法を提供する。第六の特徴点では、本発明は、第一の特徴点に係る組成物の使用を含む、気体状不飽和化合物(エチレンのような)に対する基体の透過性を測定する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湿潤条件における使用に適した、エチレン及び他の気体状不飽和化合物を吸収するための、あるクラスのテトラジン化合物を含む組成物に関する。一つの応用では、本発明の化合物は、果物及び他の植物材料の腐敗を遅延し、貯蔵寿命を伸長するために使用されて良い。第二の応用では、本発明の組成物は、エチレンの濃度をモニターし、エチレンの存在を指摘するために使用されて良い。
【背景技術】
【0002】
多くの果物、野菜、及び草花の収穫後の寿命及び質は、それらが微量の気体、エチレンに曝されるとひどく短期化する。生きている植物に影響できるエチレンの濃度は非常に低く、例えば100ppbを超えるエチレンの濃度は、カーネーションの生けておく寿命をひどく減少し、当該オーダーの濃度は、車両の排気、タバコの煙、製油所の気体、蛍光灯から、並びにリンゴのような果実の熟成から、都市の空気中に一般的に存在する。
【0003】
従って、エチレンに対する曝露を減少するために、そのような製品の貯蔵寿命を改良する機会が存在する。不幸にも、エチレンと反応性であることが既知のほとんどの試薬は、食料または実装材料(例えば過マンガン酸カリウム)と不適合であるか、加熱しないとゆっくりとしか反応性ではない。
【0004】
オーストラリア特許第632167号(その全開示は参考としてここに取り込まれる)では、本出願人が、エチレン透過性の基体に取り込まれた電子吸引性の置換基を有するジエンまたはトリエン、例えばベンゼン、ピリジン、ジアジン、トリアジン、及びテトラジンを含む、エチレン及び他の不飽和化合物を吸収するための新規な吸収性材料を記載している。当該特許では、本出願人は、フッ素化アルキル基、スルホン、及びエステルのような基、特にジカルボキシオクチル、ジカルボキシデシル、及びジカルボキシメチルエステル基によって活性化されたテトラジンが好ましいことを開示している。
【特許文献1】オーストラリア特許第632167号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
オーストラリア特許第632167号に開示された系は、実践的な使用を厳しく制限する一つの欠点に苦しんでいることが、本出願人により現在見出されている。
【0006】
つまり、当該特許に開示された好ましいテトラジン化合物、即ちテトラジンエステルは、ポリスチレン、ポリエチレン、及びポリプロピレンのような疎水性でエチレン透過性の基体内に取り込まれた場合でさえ、水分の存在下で不安定である。それ故、テトラジンエステルを含むオーストラリア特許第632167号の組成物は、果実及び他の植物材料の取り扱い及び貯蔵の間で一般的に普及している湿潤条件または湿気条件における使用には適していない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本出願では、室温でエチレンと反応し、驚くべきことに、テトラジンエステルよりも水分の存在下で安定である、あるクラスのテトラジン化合物を同定した。
【0008】
従って、第一の特徴点では、本発明は、ポリマー状の基体に取り込まれた、水分の存在下で安定であるテトラジン化合物を含む、エチレンのような気体状不飽和化合物を吸収するための組成物を提供する。
【0009】
第二の特徴点では、本発明は、第一の特徴点に係る組成物のエチレン吸収作用が効いた環境雰囲気中に果物または植物材料を閉じ込めることを含む、果物または他の植物材料(例えば切花)の熟成または老化を遅延する方法を提供する。
【0010】
第三の特徴点では、本発明は、第一の特徴点にかかる組成物を環境と接触させることを含む、前記環境から気体状不飽和化合物を除去する方法を提供する。
【0011】
第四の特徴点では、本発明は、第一の特徴点に係る組成物を含む壁部を含む実装品または容器を提供することを含む、環境からエチレンのような気体状不飽和化合物を除去する方法を提供する。
【0012】
第五の特徴点では、第一の特徴点にかかる組成物を環境と接触させ、前記組成物の色の変化を検出することを含む、環境(例えば、実装品内、または船積みコンテナのような大きな貯蔵容器の内部)において、エチレンの濃度をモニターまたは測定するための、あるいはエチレンの存在を指摘するための方法を提供する。
【0013】
第六の特徴点では、本発明は、第一の特徴点に係る組成物の使用を含む、気体状不飽和化合物(エチレンのような)に対する基体の透過性を測定する方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
第一の特徴点では、本発明は、ポリマー状の基体に取り込まれた、水分の存在下で安定であるテトラジン化合物を含む、エチレンのような気体状不飽和化合物を吸収するための組成物を提供する。
【0015】
ここで水分の存在に対する安定性は、テトラジン化合物の濃度が、ポリスチレンのようなフィルムに取り込まれた場合、温度、湿度、及びフィルムの厚みのいずれかの特定の組み合わせに対して、テトラジンジカルボキシメチルエステルの速度の多くとも半分である速度で枯渇することを意味するように定義される。
【0016】
適切なレベルの安定性の例は、テトラジン化合物の濃度が、0.2Mの濃度で約130μmのポリスチレンのフィルム内に取り込まれた場合、93%の湿度条件且つ25℃の温度で7日間維持すると、20%未満、好ましくは5%未満まで枯渇する。
【0017】
本発明における使用に適したテトラジン化合物のクラスは、下式によって示される:
【化1】

[式中、R1及びR2は、フェニル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、及びそれらの置換された誘導体から独立に選択される]。
【0018】
好ましくはテトラジン化合物は、3,6-ジ(4-ニトロフェニル)-1,2,4,5-テトラジン、3,6-ジ(4-エトキシカルボニルフェニル)-1,2,4,5-テトラジン、3,6-ジ(4-カルボキシフェニル)-1,2,4,5-テトラジン、3,6-ジ(2-ピリジルN-オキシド)-1,2,4,5-テトラジン、3,6-(4-メチル-2-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジン、及び3,6-ジ(1-エチル-2-ピリジニオブロミド)-1,2,4,5-テトラジンからなる群から選択される。
【0019】
本発明の別の好ましい実施態様では、テトラジン化合物は、3,6-ジフェニル-1,2,4,5-テトラジン、3,6-ジ(2-クロロフェニル)-1,2,4,5-テトラジン、3,6-ジ(2-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジン、及び3,6-ジ(4-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジンからなる群から選択される。テトラジン化合物、3,6-ジ(2-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジンが特に好ましい。
【0020】
テトラジン化合物は、化学的結合、または単純な溶解、または当業者に既知の他の適切な方法のような方法によって、ポリマー状の基体に取り込まれて良い。特定のタイプの果物または特定の環境についての適切な濃度は、通常の実験によって決定されて良い。
【0021】
ポリマー状の基体を使用する特に有利な特徴は、それらが包装及び実装に適した薄いフィルムとしてキャストされ、それによってエチレン含有雰囲気に対する大きな比表面積の吸収剤を提供することが可能であることである。別法として、ポリマー状の基体は、不活性な容器のような実装品内で、果物等を封入するためのコイルまたは他の高比表面積の形状に形成されて良い。
【0022】
第一の特徴点の方法で使用される組成物は、固体、半固体(例えばゲル)、または液体形態で存在して良い。それ故それらは、例えば、単独でまたは薄層化物または共押出し物として、トレーまたはボトルのような容器中で、インク、コーティング、接着剤(例えばポリウレタン)、フィルム、シート、または層として提供されても良く、またはそれらに取り込まれても良い。フィルムまたは層で使用される場合、それらは食料との接触が是認されているもののようなフィルムまたは層の構築のために使用される典型的なポリマー及び/またはコポリマーと混合されて良い。そのようなフィルムまたは層は、化学的組成及び分子量の分布に依存して、50℃から350℃の間の温度で押出しにより生産されて良い。第一の特徴点の組成物は、パッド、スポット、パッチ、サシェイ、ラベル、カード、ディスク、タブレット、ブロック、パウダー、またはグラニューレの形態を採用しても良く、それらは実装品材料に結合していてもよく、または不活性実装品のような実装品内に独立に配置されても良い。
【0023】
本発明における使用のための適切なポリマー状の基体は、シリコーン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びセルロース繊維に基づく材料(例えば紙及び厚紙)を含むがこれらに制限されない。
【0024】
第二の特徴点では、本発明は、第一の特徴点に係る組成物のエチレン吸収作用が効いた環境雰囲気中に果物または植物材料を閉じ込めることを含む、果物または他の植物材料(例えば切花)の熟成または老化を遅延する方法を提供する。
【0025】
第三の特徴点では、本発明は、第一の特徴点にかかる組成物を環境と接触させることを含む、前記環境から気体状不飽和化合物を除去する方法を提供する。
【0026】
例えば、前記化合物が、前記組成物の上を貯蔵室の空気が循環することによって、貯蔵室からエチレンを除去するために使用されても良いことが考慮される。
【0027】
本発明の組成物は、ある世代の中間地点で、エチレン及び他の気体状不飽和化合物の濃度を減少するのに有用であることに加えて、実装フィルムの形態で、または容器の壁部として使用された場合、それらはエチレンが実装品に侵入するまたは残存することを防ぐために機能するであろう。これは、異なるエチレン生産能力またはエチレン感受性の材料が、非常に近接して貯蔵されるような場合に有用であろう。
【0028】
従って、第四の特徴点では、本発明は、第一の特徴点に係る組成物を含む壁部を含む実装品または容器を提供することを含む、環境からエチレンのような気体状不飽和化合物を除去する方法を提供する。
【0029】
テトラジンは強い有色の化合物である。この色は、テトラジンがエチレンと反応することによって消費されるにつれて消失する。従って、本発明の組成物は、エチレンの濃度をモニターするために、またはエチレンの存在を指摘するように使用されて良い。
【0030】
かくして、第五の特徴点では、第一の特徴点にかかる組成物を環境と接触させ、前記組成物の色の変化を検出することを含む、環境(例えば、実装品内、または船積みコンテナのような大きな貯蔵容器の内部)において、エチレンの濃度をモニターまたは測定するための、あるいはエチレンの存在を指摘するための方法を提供する。
【0031】
第五の特徴点の方法の好ましい実施態様では、前記組成物は実装フィルムの形態で、またはいくつかの他の実装形態(例えば容器中の層)で提供され、前記組成物は実装品内で生産された、または実装品内を通過したエチレンを指摘しても良く、またはさもなければ実装品内のエチレンの濃度を測定することを許容してもよい。
【0032】
第五の特徴点の方法の別の好ましい実施態様では、前記組成物はスポット、パッチ、ストリップ、またはカードの形態で提供され、前記組成物は園芸生産品の輸送のための大きな貯蔵容器のような容器の内部のエチレンの濃度をモニターまたは測定するために、あるいはエチレンの存在を指摘するために使用されても良い。例えば、前記組成物のスポットは、大きな貯蔵容器の周囲に配置されて、容器内からのエチレンの放出を測定できても良い。
【0033】
第一の特徴点の組成物は、酸素の透過性を測定するためのオーストラリア特許第548020号(その全開示は参考としてここに取り込まれる)に記載されたものと同様な装置を使用して、エチレン及び同等な化合物に対する他の基体の透過性を測定するための手段を提供するであろう。
【0034】
それ故第六の特徴点では、本発明は、第一の特徴点に係る組成物の使用を含む、気体状不飽和化合物(エチレンのような)に対する基体の透過性を測定する方法を提供する。
【0035】
本明細書を通じて使用されている用語、「含む」、「含む」、及び「含んでいる」は、述べられた工程、成分、または特徴、あるいは工程、成分、または特徴の群の集合が、更なる工程、成分、または特徴、あるいは工程、成分、または特徴の群の集合を加えても加えなくても良いことを指すように企図される。
【0036】
本明細書で言及された全ての文献は、参考としてここに取り込まれる。本明細書に含まれている文献、操作、装置、製品等のいずれの議論も、単に本発明の内容を提供する目的のためのものである。これらの事項のいずれかまたは全てが、従来技術の一部を形成すること、または本願の各請求項の優先日前にいずれかに存在するような、本発明と関連する当該技術分野の一般的な共通の知見であったことを認めるためのものとして、考慮されるべきではない。
【0037】
本発明の性質がより明白に理解できるようにするために、本発明の好ましい形態が、以下の非制限的な実施例を参考として記載されるであろう。
【実施例】
【0038】
実施例1及び2で使用されている略称は、以下のテトラジン化合物を指す:3,6-ジフェニル-1,2,4,5-テトラジン(4-DPhT)、3,6-ジ(2-クロロフェニル)-1,2,4,5-テトラジン(2-Cl-DPhT)、3,6-ジ(2-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジン(2-DPT)、3,6-ジ(4-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジン(4-DPT)、及びジメチル-1,2,4,5-テトラジン-3,6-カルボキシレート(DMTD)。
【0039】
4-DPhT、2-Cl-DPhT、2-DPT、及び4-DPTは、本発明の組成物における使用のための好ましいテトラジン化合物の例である。DMTDは、オーストラリア特許第632167号の好ましいテトラジン化合物の例である。
【0040】
実施例1:ポリスチレン中のテトラジン化合物のエチレン捕獲率の比較
吸光度変化の%によって測定されたテトラジン化合物の枯渇を、テトラジン化合物のエチレン捕獲率を示すために使用した。
【0041】
ポリスチレン内に0.2Mの濃度でテトラジン化合物を混合することにより、組成物を調製した。次いで各組成物を圧縮成型し、約130μmの厚みを有するフィルムを形成した。次いで各フィルムをセルホルダーに搭載し、500-550nmの間の最大吸光度を測定した。次いでフィルムサンプルを含むセルホルダーを、スクリューキャップ及びポリプロピレンパッキンシールを備えた550mLのスクアットガラスジャー中のメッシュプラットホームに配置した。各ジャーを100%エチレンで徹底的に流し込み、室温で貯蔵した。
【0042】
2時間の間隔で、フィルムサンプルをジャーから取り出し、500-550nmの間の最大吸光度を迅速に測定し、その後サンプルをジャーに再配置し、上述の通りエチレンをチャージした。
【0043】
各テトラジン化合物についての結果が図1に説明されている。この結果は、本発明の組成物のそれぞれがエチレンを捕獲することを示している。
【0044】
実施例2:ポリスチレン中のテトラジン化合物の水分に対する感受性の比較
吸光度変化の%によって測定されたテトラジン化合物の枯渇を、テトラジン化合物水分に対する感受性を示すために使用した。
【0045】
ポリスチレン内に0.2Mの濃度でテトラジン化合物を混合することにより、組成物を調製した。次いで各組成物を圧縮成型し、約130μmの厚みを有するフィルムを形成した。次いで各フィルムをセルホルダーに搭載し、500-550nmの間の最大吸光度を測定した。次いでフィルムサンプルを含むセルホルダーを、スクリューキャップ及びポリプロピレンパッキンシールを備えた550mLのスクアットガラスジャー中のメッシュプラットホームに配置した。25℃で93%の相対湿度を達成するために、硝酸カリウムの飽和水溶液でジャーの底を被覆した(メッシュプラットホームの約10mm下部)。ジャーを25℃で制御された室温で貯蔵した。
【0046】
数日間の間隔で少なくとも42日間、サンプルを次々にジャーから取り出し、500-550nmの間の最大吸光度を迅速に測定し、その後密封されたジャー中の制御された室温にそれらを迅速に戻した。
【0047】
この結果が図2にグラフにより示されている。DMTDによって表されるテトラジンエステルは、ポリスチレンのような疎水性のポリマー状の基体に取り込まれた場合でさえ、水分に対して非常に不安定であることがこれらの結果から明らかである。さたに、本出願人によって同定された特定のクラスのテトラジン化合物の化合物は、実験的な誤差の範囲内で、これらの条件下で完全に安定であることも明らかである。
【0048】
注意:明確化のために、2-DPTとDMTDについての結果のみを図2に示している。4-DPT、DPhT、及び2-Cl-DPhTを含むフィルムサンプルについての結果は、2-DPTについてのものと同様であった。
【0049】
数多くの変形及び/または改変が、広く記載されている本発明の精神または範囲から離れることなく、特定の実施態様で示されている本発明になされ得ることは、当業者には明らかであろう。それ故本実施態様は、説明的なものとして全ての特徴点において考慮されるべきであり、制限的なものではない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は、本発明の組成物のエチレン捕獲率を、オーストラリア特許第632167号の好ましいテトラジンエステルを含む組成物のエチレン捕獲率と比較した、実施例1の結果を示すグラフである。
【図2】図2は、本発明の組成物の水分安定性を、オーストラリア特許第632167号の好ましいテトラジンエステルの水分安定性と比較した、実施例2の結果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー状の基体に取り込まれた、水分の存在下で安定であるテトラジン化合物を含む、気体状不飽和化合物を吸収するための組成物。
【請求項2】
前記テトラジン化合物が、下式:
【化1】

[式中、R1及びR2は、フェニル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、及びそれらの置換された誘導体から独立に選択される]
によって表される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記テトラジン化合物が、3,6-ジ(4-ニトロフェニル)-1,2,4,5-テトラジン、3,6-ジ(4-エトキシカルボニルフェニル)-1,2,4,5-テトラジン、3,6-ジ(4-カルボキシフェニル)-1,2,4,5-テトラジン、3,6-ジ(2-ピリジルN-オキシド)-1,2,4,5-テトラジン、3,6-(4-メチル-2-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジン、及び3,6-ジ(1-エチル-2-ピリジニオブロミド)-1,2,4,5-テトラジンからなる群から選択される、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記テトラジン化合物が、3,6-ジフェニル-1,2,4,5-テトラジン、3,6-ジ(2-クロロフェニル)-1,2,4,5-テトラジン、3,6-ジ(2-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジン、及び3,6-ジ(4-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジンからなる群から選択される、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項5】
前記テトラジン化合物が、3,6-ジ(2-ピリジル)-1,2,4,5-テトラジンである、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
テトラジン化合物の濃度が、0.2Mの濃度で約130μmのポリスチレンのフィルム内に取り込まれた場合、93%の湿度条件且つ25℃の温度で7日間維持すると、20%未満まで枯渇する、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
テトランジン化合物の濃度が5%未満まで枯渇する、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記ポリマー状の基体が、シリコーン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びセルロース繊維に基づく材料からなる群から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
パッド、スポット、パッチ、サシェイ、ラベル、カード、ディスク、タブレット、ブロック、パウダー、グラニューレ、薄いフィルム、及びコイルからなる群から選択される形態で存在する、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物の気体状不飽和化合物吸収作用が効いた環境雰囲気中に果物または植物材料を閉じ込めることを含む、果物または他の植物材料の熟成または老化を遅延する方法。
【請求項11】
請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物を環境と接触させることを含む、前記環境から気体状不飽和化合物を除去する方法。
【請求項12】
請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物を含む壁部を含む実装品または容器を提供することを含む、気体状不飽和化合物が実装品または容器に侵入するまたは残存することを防ぐ方法。
【請求項13】
請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物を環境と接触させ、前記組成物の色の変化を検出することを含む、環境において、気体状不飽和化合物の濃度をモニターまたは測定するための、あるいは気体状不飽和化合物の存在を指摘するための方法。
【請求項14】
前記組成物が実装フィルムの形態で存在する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記組成物がスポット、パッチ、ストリップ、またはカードの形態で存在する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記組成物が、園芸生産品の輸送のための大きな貯蔵容器の内部の気体状不飽和化合物の濃度をモニターまたは測定するために、あるいは気体状不飽和化合物の存在を指摘するために使用される、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物の使用を含む、気体状不飽和化合物に対する基体の透過性を測定する方法。
【請求項18】
前記気体状不飽和化合物がエチレンである、請求項1から17のいずれか一項に記載の組成物または方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−520829(P2006−520829A)
【公表日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501383(P2006−501383)
【出願日】平成16年2月27日(2004.2.27)
【国際出願番号】PCT/AU2004/000251
【国際公開番号】WO2004/076545
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(591269435)コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガニゼーション (23)
【氏名又は名称原語表記】COMMONWEALTH SCIENTIFIC AND INDUSTRIAL RESEARCH ORGANIZATION
【Fターム(参考)】