説明

溶媒に溶解したアニオン重合開始剤、その製造方法及びそれらからの生成物

【課題】 脂肪族炭化水素を主成分とする溶媒に溶解したアニオン重合開始剤を提供すること。
【解決手段】 一般式
(A)Li(SOL)
[式中、yは、1〜3であり、SOLは、可溶化成分であり、そしてAは、一般式
【化1】


を有する環状アミンから成る群から選ばれる]
を有する可溶化されたリチオアミンを含有して成る、脂肪族炭化水素を主成分とする溶媒に溶解したアニオン重合開始剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジエンポリマー及びコポリマーエラストマーを生成させるアニオン重合に関する。さらに特別には、本発明は、可溶化されたアミン開始剤を用いる重合に関する。詳細には、本発明は、非環状アルカン溶媒中に可溶性でありそして制御可能なそして狭い分子量分布範囲でモノマーを再現性良く重合させるであろう可溶化されたリチウムアミン開始剤に関する。
【背景技術】
【0002】
商業的基礎で重合を行う時には、最終生成物の分子量を狭くそして再現性良く規定することを可能にするであろう方法条件及び成分を利用することが重要である。与えられるポリマーの特徴及びその有用性は、他のことの中でも、その分子量に依存する。それ故、ある確かさで重合の最終生成物の分子量を予言できることが望ましい。分子量が狭く規定できないか、または系統的基礎で再現性がない時には、この方法は商業的にものにならない。
【0003】
当該技術においては、減少したヒステリシス特性を示すエラストマーコンパウンドを製造することが望ましい。このようなエラストマーは、コンパウンドされて物品例えばタイヤ、パワーベルト及び類似物を形成する時には、弾性反発力における増加、ローリング抵抗における減少を示し、そして機械的応力が与えられる時により少ない熱蓄積を有するであろう。
【0004】
ヒステリシスのパワーロスの主要な源は、加硫ゴムの最後の橋かけ結合からポリマー連鎖の末端までのポリマー連鎖の部分に起因することが確立されている。この自由末端は効果的に弾性的に回収可能な方法中に含めることができず、そして結果として、硬化されたサンプルのこの部分に伝導されたすべてのエネルギーは熱として失われる。このタイプのメカニズムは、より少ない末端基を有するであろう、より高分子量のポリマーを製造することによって減らすことができることが当該技術において知られている。しかしながら、この手順は、ゴムとコンパウンディング成分との加工性のために有用ではなく、そして形状化操作の間に、増加する分子量につれて急速に減少する。
【0005】
ポリマーが狭い分子量範囲の分布で制御して再現することができない場合には、一定した特性、例えばヒステリシス特性における減少を得ることは困難である。例えば、幾つかのポリマーが、リチウムピロリジドを含むある種の第二アミンの不均一混合物によって製造される特許文献1を参照せよ。このやり方で製造されたポリマーは、広く変わり得る分子量、広い多分散性を有し、そしてそれらの官能末端停止は定まらず再現される傾向があり、これは再現性が乏しいヒステリシス減少結果をもたらす。
【0006】
これらの既知の開始剤の主要な欠点は、それらが非環状アルカン、例えばヘキサン中に可溶性ではないことである。極性溶媒例えば極性有機エーテル例えばジメチル若しくはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラメチルエチレンジアミン、またはジエチレングリコールメチルエーテル(ジグリム)が今まで用いられてきた。
【0007】
本発明は、非環状アルカン中に可溶性である、アニオン重合のための新規な開始剤を提供する。本発明は、ポリマー連鎖の頭及び尾に組み入れられる開始剤からの官能性の組み入れを提供する。本発明は、比較的狭い分子量範囲分布の良く規定された最終生成物の製造を伴う、効果的で制御可能なそして再現性のある重合を提供する。
【0008】
【特許文献1】米国特許第4,935,471号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
それ故、本発明の1つの目的は、非環状アルカン中に可溶性であるアニオン重合開始剤を提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、このようなアニオン重合開始剤を製造する方法を提供することである。
【0011】
本発明のなお別の目的は、狭い予言できる分子量範囲内のポリマーを再現性良くもたらすであろう開始剤を提供することである。
【0012】
本発明のもう一つの目的は、このような重合開始剤によって生成されるエラストマーを提供することである。
【0013】
本発明のある種の実施態様の目的はまた、減少したヒステリシス特性を有するジエンポリマー及びコポリマーを提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、減少したヒステリシス特性を有するジエンポリマー及びコポリマーの加硫可能なエラストマーコンパウンドを提供することである。
【0015】
本発明のなおもう一つの目的は、本明細書中で上で述べられたようなエラストマーから生成される改善されたタイヤを提供することである。
【0016】
後続する明細書から明らかになるであろう、現存の技術を上回るそれらの利点と一緒のこれらの目的の少なくとも1以上は、本明細書中で述べられそして特許請求される本発明によって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0017】
一般に、本発明によれば、非環状アルカン中に可溶性であるアニオン重合開始剤は、一般式
(A)Li(SOL)
[式中、
yは、約1〜約3であり、
SOLは、炭化水素、エーテル、アミンまたはこれらの混合物から成る群から選ばれた可溶化成分であり、そして
Aは、一般式
【0018】
【化1】

【0019】
を有するアルキル、ジアルキル及びシクロアルキルアミン基、並びに一般式
【0020】
【化2】

【0021】
(式中、
は、1〜約12の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから成る群から選ばれ、そして
は、約3〜約7のメチレン基を有するアルキレンまたはアミノアルキレン基から成る群から選ばれる)
を有する環状アミンから成る群から選ばれる]
を有する可溶化されたリチオアミンを含有して成る。
【0022】
また、有機リチウム化合物を可溶化剤の存在下で官能化剤と反応させるステップを含有して成るアニオン重合開始剤を製造する方法であって、該官能化剤は、一般式
【0023】
【化3】

【0024】
を有するアルキル、ジアルキル及びシクロアルキルアミン基、並びに一般式
【0025】
【化4】

【0026】
[式中、
は、1〜約12の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから成る群から選ばれ、そして
は、約3〜約7のメチレン基を有するアルキレンまたはアミノアルキレン基から成る群から選ばれる]
から成る群から選ばれ、そして前記可溶化剤が、炭化水素、エーテル、アミンまたはこれらの混合物から成る群から選ばれる方法が提供される。
【0027】
アニオン重合開始剤を製造する方法は、有機リチウム化合物を官能化剤と反応させて反応生成物を生成させるステップを含有して成る。前記官能化剤は、一般式
【0028】
【化5】

【0029】
を有するアルキル、ジアルキル及びシクロアルキルアミン基、並びに一般式
【0030】
【化6】

【0031】
[式中、
は、1〜約12の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから成る群から選ばれ、そして
は、約3〜約7のメチレン基を有するアルキレンまたはアミノアルキレン基から成る群から選ばれる]
から成る群から選ばれる。前記方法はまた、前記反応生成物を炭化水素、エーテル、アミンまたはこれらの混合物から成る群から選ばれた可溶化剤と反応させるステップを含有して成る。
【0032】
官能化されたポリマーは、少なくとも一つの官能基Aを有するポリマー連鎖を含有して成り、ここで、Aは、一般式
(A)Li(SOL)
[式中、
yは、約1〜約3であり、
SOLは、炭化水素、エーテル、アミンまたはこれらの混合物から成る群から選ばれた可溶化成分であり、そして
Aは、一般式
【0033】
【化7】

【0034】
を有するアルキル、ジアルキル及びシクロアルキルアミン基、並びに一般式
【0035】
【化8】

【0036】
(式中、
は、1〜約12の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから成る群から選ばれ、そして
は、約3〜約7のメチレン基を有するアルキレンまたはアミノアルキレン基から成る群から選ばれる)
を有する環状アミンから成る群から選ばれる]
を有する重合開始剤から誘導される。
【0037】
本発明による官能化されたポリマーを生成させる方法は、アルカン溶媒中の1以上アニオン重合可能なモノマーの溶液を生成させるステップ、並びに前記アルカン溶媒中に可溶性である開始剤の存在下で前記モノマーを重合させるステップを含有して成る。前記開始剤は、一般式
(A)Li(SOL)
[式中、
yは、約1〜約3であり、
SOLは、炭化水素、エーテル、アミンまたはこれらの混合物から成る群から選ばれた可溶化成分であり、そして
Aは、一般式
【0038】
【化9】

【0039】
を有するアルキル、ジアルキル及びシクロアルキルアミン基、並びに一般式
【0040】
【化10】

【0041】
(式中、
は、1〜約12の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから成る群から選ばれ、そして
は、約3〜約7のメチレン基を有するアルキレンまたはアミノアルキレン基から成る群から選ばれる)
を有する環状アミンから成る群から選ばれる]
を有する可溶化されたリチオアミンを含有して成る。
【0042】
減少したヒステリシス特性を有する硬化可能なエラストマーコンパウンドは、少なくとも一種の官能基A{ここでAは、一般式
(A)Li(SOL)
[式中、
yは、約1〜約3であり、
SOLは、炭化水素、エーテル、アミンまたはこれらの混合物から成る群から選ばれた可溶化成分であり、そして
Aは、一般式
【0043】
【化11】

【0044】
を有するアルキル、ジアルキル及びシクロアルキルアミン基、並びに一般式
【0045】
【化12】

【0046】
(式中、
は、1〜約12の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから成る群から選ばれ、そして
は、約3〜約7のメチレン基を有するアルキレンまたはアミノアルキレン基から成る群から選ばれる)
を有する環状アミンから成る群から選ばれる]
を有する重合開始剤から誘導される}
を有する連鎖を有するエラストマーポリマー、並びに
該ポリマーの100部あたり約5〜80重量部のカーボンブラック
を含有して成る。
【0047】
本発明はまた、少なくとも一種の官能基A{ここでAは、一般式
(A)Li(SOL)
[式中、
yは、約1〜約3であり、
SOLは、炭化水素、エーテル、アミンまたはこれらの混合物から成る群から選ばれた可溶化成分であり、そして
Aは、一般式
【0048】
【化13】

【0049】
を有するアルキル、ジアルキル及びシクロアルキルアミン基、並びに一般式
【0050】
【化14】

【0051】
(式中、
は、1〜約12の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから成る群から選ばれ、そして
は、約3〜約7のメチレン基を有するアルキレンまたはアミノアルキレン基から成る群から選ばれる)
を有する環状アミンから成る群から選ばれる]
を有する重合開始剤から誘導される}
を有する連鎖を有するエラストマーポリマー、並びに
該ポリマーの100部あたり約5〜80重量部のカーボンブラック
を含有して成る硬化可能なエラストマー組成物を含む、トレッド原料から生じる減少したローリング抵抗を有するタイヤを提供する。
【0052】
硬化可能なゴム組成物は、少なくとも一種のアミン官能基A(ここでAは、有機リチウム化合物及びアミンの反応生成物から誘導される)並びにスズ−炭素結合を有するポリマーを含有して成る。
【0053】
多官能ポリマーは、少なくとも一種の官能基A(ここでAは、有機リチウム化合物及びアミンの反応生成物から誘導される)並びにスズ−炭素結合を含有して成る。
【0054】
硬化可能なゴム組成物は、少なくとも一種の官能基A(ここでAは、有機リチウム化合物及びアミンの反応生成物から誘導される);並びに末端停止剤、カップリング剤及び結合剤から成る群から選ばれそして誘導された第二官能基を含有して成る。
【0055】
少なくとも一種の硬化可能なエラストマー成分を有するタイヤは、少なくとも一種のアミン官能基A(ここでAは、有機リチウム化合物及びアミンの反応生成物である重合開始剤から誘導される)を有する多官能ポリマー(ここで、前記多官能ポリマーはスズ−炭素結合を有する)、並びに前記ポリマーの100部あたり約5〜80重量部のカーボンブラックを含有して成る。
【0056】
多官能ポリマーは、少なくとも一種の官能基A(ここでAは、有機リチウム化合物及びアミンの反応生成物から誘導される);並びに末端停止剤、カップリング剤及び結合剤から成る群から選ばれそして誘導される第二官能基を含有して成る。
【0057】
少なくとも一種の硬化可能なエラストマー成分を有するタイヤもまた提供され、この成分は、少なくとも一種の官能基A(ここで、Aは有機リチウム化合物及びアミンの反応生成物である重合開始剤から誘導される)を有する多官能ポリマー;末端停止剤、カップリング剤及び結合剤から成る群から選ばれそして誘導された第二官能基を有する前記ポリマー;並びに該ポリマーの100部あたり約5〜80重量部のカーボンブラックを含有して成る。
【発明を実施するための好ましい実施態様】
【0058】
後続する説明から明らかになるであろうように、本発明は、非環状アルカン、例えばノルマルアルカン例えばヘキサン、ペンタン、ヘプタン、イソヘプタン、オクタン、それらのアルキル化誘導体、それらの混合物及び類似物中に可溶性である新規な重合開始剤を提供する。このような開始剤を使用して生成されるポリマーを基にしたある種のゴム組成物、硬化可能なエラストマー組成物及びそれらの物品は、有用な特性、例えば再現性のある比較的狭い分子量範囲を示すことも本発明においてまた発見された。更にまた、本発明によるポリマーはまた、開始剤からの官能性であって、例えばヒステリシス特性を減少させるのに有用である官能性を含む。
【0059】
本発明の開始剤は非環状アルカン溶媒中に可溶性であるけれども、その他の溶媒中の開始剤の使用もまた本発明の範囲内であることが理解されるであろう。
【0060】
本発明による好ましい開始剤は、アミン、有機リチウム及び可溶化成分の反応生成物である。有機リチウム及びアミンを可溶化成分若しくは剤の存在下で反応させても良く、またはそれらをまず反応させてそしてそれらの反応生成物を引き続いて可溶化成分と反応させても良い。それ故、好ましい開始剤は、一般式
(A)Li(SOL)
[式中、
yは約1〜約3である]
を有する可溶化されたリチオアミンである。この一般式の括弧は、式がA−Li−SOL、SOL−A−LiまたはA−SOL−Liを含むことができることを意味する。
【0061】
(SOL)は可溶化成分でありそして炭化水素、エーテル、アミンまたはこれらの混合物で良い。(SOL)成分の存在によって、開始剤は非環状アルカン中に可溶性であることが発見された。
【0062】
例示の(SOL)基は、3〜約300の重合単位を有するジエニルまたはビニル芳香族ポリマーまたはコポリマーを含む。このようなポリマーは、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリイソプレン及びこれらのコポリマーを含む。(SOL)のその他の例は、極性配位子、例えばテトラヒドロフラン(THF)及びテトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)を含む。
【0063】
(A)成分は、それらの少なくとも一つが生成するポリマーによって、例えばその開始場所または頭で組み入れられることによって運ばれるアミン官能性を表す。例えば、(A)は一般式
【0064】
【化15】

【0065】
を有するジアルキル及びジシクロアルキルアミン基、または一般式
【0066】
【化16】

【0067】
を有する環状アミンで良い。これらの式中、Rは、1〜約20の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルであり、ここで両方のR基は同一または異なっていて良く、そしてRは、約3〜約7のメチレン基を有するアルキレンまたはアミノアルキレン基である。
【0068】
例示のR基は、メチル、エチル、ブチル、オクチル、シクロヘキシル、3−フェニル−1−プロピル、イソブチル及び類似物を含む。例示のR基は、テトラメチレン、ヘキサメチレン、オキシジエチレン、N−アルキルアザジエチレン及び類似物を含む。
【0069】
例えば、(A)は、ピロリジン;ピペリジン;ピペラジン;ヘキサメチレンイミンとしても知られているペルヒドロアゼピン;または1−アザシクロオクタンの誘導体で良く、二環式化合物例えばペルヒドロイソキノリン、ペルヒドロインドール及び類似物を含む。ピロリジン、ペルヒドロアゼピン及び1−アザシクロオクタンが好ましい。2つの好ましいピロリジン誘導体は、ペルヒドロインドール及びペルヒドロイソキノリンを含む。
【0070】
またはRがジ−t−ブチル基、ジイソプロピル基または類似物である時には、生じる重合は、多分開始場所の窒素の回りの障害によって遅いことが見い出された。それ故、本発明の好ましい実施態様においては、アミン中の窒素に結合しているR及びR中の炭素原子はまた、3つの水素原子に結合している。
【0071】
本発明による開始剤は、(SOL)がエーテルまたはアミノ化合物である場合には、好ましくは可溶化剤または成分(SOL)の存在下で、無水の非プロトン性溶媒、例えばヘキサン中のアミン成分(A)の溶液を製造することによって生成させることができる。次に、この溶液に、同一のまたは類似の溶媒中の有機リチウム触媒を添加する。有機リチウム化合物は、一般式RLi[式中、Rは1〜約20の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール及びアラルキル、並びに約25単位までを有するジオレフィン及びビニルアリールモノマーからの短鎖長の低分子量ポリマーから成る群から選ばれる]を有する。典型的なアルキルは、n−ブチル、s−ブチル、メチル、エチル、イソプロピル及び類似物を含む。シクロアルキルは、シクロヘキシル、メンチル及び類似物を含む。アルケニルは、アリル、ビニル及び類似物を含む。アリール及びアラルキル基は、フェニル、ベンジル、オリゴ(スチリル)及び類似物を含む。例示の短鎖長ポリマーは、オリゴ(ブタジエニル)、オリゴ(イソプレニル)、オリゴ(スチリル)及び類似物を含
む。
【0072】
(SOL)が短鎖長ポリマーである場合には、(SOL)を生成させるために使用されるモノマーは、本明細書中で以下に説明するであろうように、アミン及び有機リチウムを混合した後で添加する。
【0073】
(SOL)がポリジエンまたはポリビニル芳香族である場合には、アミン及び有機リチウムの溶液に、同一のまたは類似の溶媒中の可溶化成分(SOL)のモノマーの溶液を添加する。3つの成分を、周囲温度(25〜30℃)または約100℃までの高められた温度で、好ましくは50℃未満で、そしてさらに好ましくは38℃未満で約1時間まで反応せしめ、この後では触媒は使用して良い状態である。本発明による開始剤は、それらが約3日以上の間、過剰の非環状アルカン溶媒内の溶液中に留まる場合には可溶性であると考えられる。
【0074】
上で述べたように、このようにして生成された開始剤は、任意のアニオン重合エラストマー、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン及び類似物、並びにそれらとモノビニル芳香族化合物例えばスチレン、α−メチルスチレン及び類似物またはトリエン例えばミルセンとのコポリマーを製造するための開始剤として用いることができる。かくして、エラストマーは、ジエンホモポリマー及びそれらとモノビニル芳香族ポリマーとのコポリマーを含む。適切なモノマーは、約4〜約12の炭素原子を有する共役ジエン及び8〜18の炭素原子を有するモノビニル芳香族モノマー及びトリエンを含む。本発明において有用な共役ジエンモノマー及び類似物の例は、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン及び1,3−ヘキサジエンを含み、そして芳香族ビニルモノマーは、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン及びビニルナフタレンを含む。共役ジエンモノマー及び芳香族ビニルモノマーは、通常は95〜50:5〜50、好ましくは95〜65:5〜35の重量比で使用される。
【0075】
重合は、非環状アルカン溶媒、例えば種々のヘキサン、ヘプタン、オクタン、これらの混合物及び類似物中で行われる。共重合におけるランダム化を促進しそしてビニル含量を制御するために、重合成分に極性調整剤を添加して良い。量は、1当量のリチウムあたり0〜90またはそれ以上の当量の範囲である。この量は、所望のビニルの量、用いられるスチレンのレベル及び重合の温度、並びに用いられる特定の極性調整剤(改質剤)の性質に依存する。
【0076】
極性調整剤として有用な化合物は有機物であり、そしてテトラヒドロフラン(THF)、線状及び環状オリゴマーのオキソラニルアルカン例えば2,2’−ジ(テトラヒドロフリル)プロパン、ジ−ピペリジルエタン、ヘキサメチルホスホルアミド、N,N’−ジメチルピペラジン、ジアザビシクロオクタン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、トリブチルアミン及び類似物を含む。線状及び環状オリゴマーのアルカン改質剤は、記録の譲受人によって所有されている米国特許第4,429,091号中に述べられているが、この特許の主題は引用によって本明細書中に組み込まれる。極性調整剤として有用な化合物は、酸素または窒素ヘテロ原子及び非結合電子対を有する化合物を含む。その他の例は、モノ及びオリゴアルキレングリコールのジアルキルエーテル;“クラウン”エーテル;第三アミン例えばテトラメチルエチレンジアミン(TMEDA);線状THFオリゴマー及び類似物を含む。
【0077】
バッチ重合は、通常は、モノマーのブレンド及び非環状アルカン溶媒を適切な反応容器に仕込み、引き続いて極性調整剤(用いられる場合には)及び前に述べた開始剤化合物を添加することによって開始される。反応物を約20〜約200℃の温度に加熱し、そして
重合を約0.1〜約24時間進行せしめる。官能性アミン基は開始剤化合物から誘導されそして開始場所に結合する。かくして、実質的にすべての生成するポリマー連鎖は、以下の一般式
AYLi
[式中、
Aは上で述べたようであり、そして
Yは上述のジエンホモポリマー、モノビニル芳香族ポリマー、ジエン/モノビニル芳香族ランダムコポリマー及びブロックコポリマーの任意のものから誘導される二価のポリマー基である]
を有する。リチウム末端でのモノマーの添加は、重合が継続するにつれてポリマーの分子量を増加せしめる。
【0078】
重合を停止し、そしてかくしてポリマー分子量を更に制御するために、末端停止剤、カップリング剤または結合剤を用いて良いが、これらの薬剤のすべてを本明細書中では集合的に“末端停止剤”と呼ぶ。これらの薬剤のあるものは、生成するポリマーに多官能性を与える可能性がある。即ち、本発明に従って開始されたポリマーは、本明細書中で上で議論したように少なくとも一種のアミン官能基Aを有する可能性があり、そしてまた末端停止剤、カップリング剤及び結合剤から成る群から選ばれそして誘導された第二の官能基を有する可能性がある。
【0079】
有用な末端停止、カップリングまたは結合剤は、活性水素化合物例えば水またはアルコール;二酸化炭素;N,N,N’,N’−テトラジアルキルジアミノベンゾフェノン(例えばテトラメチルジアミノベンゾフェノンまたは類似物);N,N−ジアルキルアミノベンズアルデヒド(例えばジメチルアミノベンズアルデヒドまたは類似物);1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン(例えば1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンまたは類似物);1−アルキル置換されたピロリジノン;1−アリール置換されたピロリジノン;約5〜約20の炭素原子を有するジアルキル−及びジシクロアルキル−カルボジイミド;(RZX
【0080】
【化17】

【0081】
[式中、
Zはスズまたはシリコンである]
を含む。Zがスズであることが好ましい。
【0082】
は、約1〜約20の炭素原子を有するアルキル;約3〜約20の炭素原子を有するシクロアルキル;約6〜約20の炭素原子を有するアリール;または約7〜約20の炭素原子を有するアラルキルである。例えば、Rは、メチル、エチル、n−ブチル、ネオフィル、フェニル、シクロヘキシルまたは類似物を含んで良い。
【0083】
Xは塩素または臭素であり、“a”は0〜3であり、そして“b”は約1〜4であり、ここでa+bは4である。
【0084】
各々のRは、同一または異なっていてそして約1〜約12の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアリールである。例えば、Rは、メチル、エチル、ノニル、t−ブチル、フェニルまたは類似物を含んで良い。
【0085】
は、約1〜約20の炭素原子を有するアルキル、フェニル、アルキルフェニルまたはN,N−ジアルキルアミノフェニルである。例えば、Rは、t−ブチル、2−メチル−4−ペンテン−2−イル、フェニル、p−トリル、p−ブチルフェニル、p−ドデシルフェニル、p−ジエチルアミノフェニル、p−(ピロリジノ)フェニル及び類似物を含んで良い。
【0086】
各々のRは、同一または異なっていて、そして約1〜約12の炭素原子を有するアルキルまたはシクロアルキルである。2つのR基が一緒に環状基を形成しても良い。例えば、Rは、メチル、エチル、オクチル、テトラメチレン、ペンタメチレン、シクロヘキシルまたは類似物を含んで良い。
【0087】
は、約1〜約20の炭素原子を有するアルキル、フェニル、アルキルフェニルまたはN,N−ジアルキルアミノフェニルを含んで良い。例えば、Rは、メチル、ブチル、フェニル、p−ブチルフェニル、p−ノニルフェニル、p−ジメチルアミノフェニル、p−ジエチルアミノフェニル、p−(ピペリジノ)フェニルまたは類似物を含んで良い。
【0088】
有用な末端停止剤のその他の例は、四塩化スズ、(RSnCl、(RSnCl、RSnCl、カルボジイミド、N−メチルピロリジン、環状アミド、環状尿素、イソシアネート、シッフ塩基、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン及び類似物を含み、式中、Rは本明細書中で上で述べたようである。
【0089】
本発明による1つの好ましいポリマーは、本明細書中で上で議論したように少なくとも一種の官能基A(ここでAは、また本明細書中で上で議論したようにアミン及び有機リチウム化合物の反応生成物から誘導される)を含むポリマーである。更にまた、好ましいポリマーは多官能であり、ここでポリマーはまた、末端停止、カップリングまたは結合剤から誘導され得るようなスズ−炭素結合を有する。本発明によるゴム組成物または硬化可能なゴム組成物はこのようなポリマーを含んで良い。
【0090】
末端停止、カップリングまたは結合剤を反応容器に添加し、そして容器を約1〜約1000分間撹拌する。結果として、コンパウンディング材料例えばカーボンブラックに対するなお一層大きい親和性、そしてそれ故、なお更に減少したヒステリシスを有するエラストマーが製造される。末端停止剤の付加的な例は、引用によって本明細書中に組み込まれる米国特許第4,616,069号中に見い出されるものを含む。
【0091】
ポリマーは慣用の技術によって溶媒から分離することができる。これらは、スチームまたはアルコール凝析、熱的脱溶媒化(desolventization)、または任意のその他の適切な方法を含む。付加的に、溶媒は、ドラム乾燥、押出機乾燥または類似手段によって生成するポリマーから除去することができる。
【0092】
本発明のエラストマーは、生成するポリマーの頭及び尾の両方に官能基を有する複数のポリマーを含有して成る。このようなコンパウンディングは減少したヒステリシスを示す生成物をもたらす可能性があり、これは増加した弾性反発力、減少したローリング抵抗を有する生成物を意味しそして機械的応力にさらされる時により少ない熱蓄積を有する。
【0093】
本明細書中で以下に例示するであろうように、本発明の開始剤を使用して生成されるポ
リマーは、比較的狭い範囲の分子量で再現性良く生成可能であり、その結果約20,000〜約250,000の分子量範囲を有する実質的に一定の再現性のあるポリマーが可能であることも見い出された。
【0094】
本発明のポリマーは、単独でまたは他のエラストマーと組み合わせて使用して、生成物例えばタイヤトレッド原料、側壁原料または他のタイヤ成分原料コンパウンドを製造することができる。少なくとも一種のこのような成分は、硬化可能なエラストマーまたはゴム組成物から製造される。例えば、本発明によるポリマーは、天然ゴム、合成ゴム及びこれらのブレンドを含む任意の慣用的に用いられるトレッド原料ゴムとブレンドすることができる。このようなゴムは、当業者には良く知られていて、そして合成ポリイソプレンゴム、スチレン/ブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエン、ブチルゴム、ネオプレン、エチレン/プロピレンゴム、エチレン/プロピレン/ジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリル/ブタジエンゴム(NBR)、シリコーンゴム、フルオロエラストマー、エチレンアクリルゴム、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、エピクロロヒドリンゴム、塩素化されたポリエチレンゴム、クロロスルホン化されたポリエチレンゴム、水素化されたニトリルゴム、テトラフルオロエチレン/プロピレンゴム及び類似物を含む。本発明のポリマーを慣用のゴムとブレンドする時には、その量は広く例えば10〜99重量%で変わることができる。
【0095】
本発明のポリマーは、ゴム100部あたり(phr)約5〜約100重量部の範囲の量でカーボンブラックとコンパウンドすることができ、そして約5〜約80部が好ましくそして約40〜約70phrが更に好ましい。カーボンブラックは、慣用的に入手できる商業的に製造されるカーボンブラックの任意のものを含んで良いが、少なくとも20m/gのそしてさらに好ましくは少なくとも35m/gないし200m/gまたはそれ以上の表面積(EMSA)を有するものが好ましい。本出願において使用される表面積値は、セチルトリメチル−アンモニウムブロミド(CATB)技術を使用してASTM テスト D−1765によって測定された値である。ファーネスブラック、チャンネルブラック及びランプブラックが有用なカーボンブラックの中にある。さらに詳細には、カーボンブラックの例は、超摩耗ファーネス(SAF)ブラック、高摩耗ファーネス(HAF)ブラック、高速押出ファーネス(FEF)ブラック、微細ファーネス(FF)ブラック、中間超摩耗ファーネス(ISAF)ブラック、半強化ファーネス(SRF)ブラック、中庸処理チャンネルブラック、硬処理チャンネルブラック及び伝導チャンネルブラックを含む。利用することができるその他のカーボンブラックはアセチレンブラックを含む。上のブラックの2以上の混合物を、本発明のカーボンブラック生成物を製造する際に使用することができる。使用可能なカーボンブラックの表面積の典型的な値を以下の表1中に要約する。
【表1】

【0096】
本発明のゴムコンパウンドの製造において利用されるカーボンブラックは、ペレット化された形またはペレット化されていない綿状の物体で良い。好ましくは、一層均一な混合のために、ペレット化されていないカーボンブラックが好ましい。強化されたゴムコンパウンドは、約0.5〜約4phrでの既知の硬化剤によって慣用のやり方で硬化することができる。例えば、硫黄またはペルオキシドベースの硬化システムを用いることができる。適切な硬化剤の一般的開示のためには、Kirk−Othmer、化学技術の百科事典、第3版、Wiley Interscience、N.Y.1982、20巻、365〜468頁、特に“硬化剤及び補助物質”、390〜402頁を参照することができる。硬化剤は単独でまたは組み合わせて使用することができる。
【0097】
本発明の硬化可能なエラストマーまたはゴム組成物は、本発明のポリマーをカーボンブラック及びその他の慣用のゴム添加剤例えば充填剤、可塑剤、酸化防止剤、硬化剤及び類似物と、標準的なゴム混合装置及び手順及びこのような添加剤の慣用の量を使用してコンパウンディングまたは混合することによって製造することができる。
【実施例】
【0098】
実験一般
本発明による開始剤及びエラストマーの製造及び特性を示すために、多数のこのような開始剤及びエラストマーを製造した。ヘキサン中のスチレン及びブタジエンモノマーの溶液を製造し、そして上で述べた開始剤によって重合させた。本発明の有効性を更に示すために、多数の類似のモノマー溶液を、比較対照例を与えるために、開始剤として非可溶化リチウムピロリジドの不均一混合物によって重合させた。非可溶化リチウムピロリジドを本明細書中で以下にまず議論し、引き続いて本発明に従って製造された開始剤及びエラストマーの実施例を議論する。上で記したように、重合を実施するために当該技術において知られている種々の技術を、本発明の範囲から逸脱すること無く用いることができる。
【0099】
I.非可溶化リチウムピロリジド開始剤
以下の実施例は、本発明に従って製造された開始剤及びエラストマーとの比較のために含まれ、本明細書中で以下に例示されるであろう。
【0100】
実験No.1
開始剤製造
小さい乾燥されそして窒素パージされたボトル中で、ヘキサン中のピロリジンの0.5Mの溶液の20ml(10ミリ当量または“meq”)を、ヘキサン中のn−ブチルリチウムの1.65Mの溶液の6.36ml(10.5meq)によって処理した。ボトルにゴムライナーを有する穴を開けたクラウンシールをはめた。生成した不均一混合物を室温で16時間静かに撹拌し、その後で生成物を開始剤としての使用のために引き出した。サンプルを引き出す前及び間は混合物を激しく振った。
【0101】
重合
上のやり方で製造された開始剤混合物を、また上のようなシールをはめた2つの小さなボトルの各々にシリンジによって移した。これらのボトルは、各々、ヘキサン中で25重量%でブタジエン/スチレンの75/25重量%モノマーブレンド及び1.0meqLi/100gのモノマーのレベルを含んでいた。これらのボトルはまた、1モルのリチウムあたり0.6モルのN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)を含んでいた。これらの混合物を50℃で2.5時間撹拌した。この反応は結果としてモノマーのポリマーへの約100%の転化をもたらした。
【0102】
第一のボトルのセメント、実施例1は、次に1.5ミリリットル(ml)のイソプロピルアルコール(i−PrOH)の注入によって静め、そして第二のボトルのセメント、実施例2は、1モルのリチウムあたり1.15モルの4−(N,N−ジエチルアミノ)ベンズアルデヒドによって50℃で更に90分間処理した。実施例2のセメントは次に1.5mlのi−PrOHによって静めた。
【0103】
実施例1及び実施例2からの両方のセメントを、酸化防止剤、即ち、ヘキサン中の2.0重量%のジブチルp−クレゾール(DBPC)及び0.7重量%のUniversal
Oil Products Co.から入手できるUOP−88を含む混合物の2mlによって処理した。これらのセメントを次にi−PrOH中で凝析させそしてドラム乾燥した。生成したポリマーを分析し、そしてそれらの特性を本明細書中で以下に表2中で報告する。
【0104】
【表2】

【0105】
実施例1及び2のポリマーを、本明細書中の以下の表3中に報告されるゴム処方を使用してコンパウンドした。
【0106】
【表3】

【0107】
次に、コンパウンドされたポリマーを1.5インチx4インチx0.040インチの引張プラックを使用して300°F(149℃)で45分間硬化させた;ダインスタットボタン、300°F(149℃)で50分。次の物理的テストの結果を表4中に報告する。
【0108】
【表4】

【0109】
表4中に報告されたテスト結果は、実施例1のコンパウンドされたポリマーは、典型的なアルキルリチウム開始剤を使用して製造される、この分子量の未改質ポリマーに関して
予期される値より約30%下のtan δ値を有することを示す。しかしながら、実施例2のポリマーは、それがtan δを減らすために効果的であることが知られている薬剤によって最後に付加的に処理されたにも拘わらず、これを越えたtan δにおける何らの顕著な減少を示すことができない。付加的な効果の欠如はまた、実施例2に関する結果が実施例1の結果と顕著には異ならない結合されたゴムの結果においても認められた。
【0110】
このやり方で製造されたポリマーセメントは、幾らか広げられた分子量分布を有する外には、また連鎖末端官能化剤との顕著な反応を可能にする、重合後の十分な生きたC−Li連鎖末端を持たなかったことが結論された。それ故、この方法は、最適な特性を有するポリマーの合成のためには高度には望ましくはなかった。
【0111】
実験No.2
開始剤製造
第二の非可溶化開始剤を製造した。乾燥されそして予備調整され、そして次に窒素パージされた、きれいな撹拌された1ガロンのステンレススチール反応器中に、1.22ポンドの無水ヘキサン、及びヘキサン中のピロリジンの0.77Mの溶液の5.4ml(4.16meq)を入れた。これを、室温一晩撹拌しながらヘキサン中のn−ブチルリチウムの1.58Mの溶液の2.69ml(4.25meq)によって処理した。
【0112】
重合
上の開始剤混合物を含む反応器に、0.76ポンドのスチレン及びヘキサンの34重量%のブレンド、1.28ミリモルのTMEDA及び3.06ポンドのヘキサン中の1,3−ブタジエンの25.5重量%ブレンドを仕込んだ。反応器を46℃に加熱しそしてその温度で3時間制御した。
【0113】
このやり方で製造されたポリマーセメントの一部を、本明細書中の上の実験1におけるようにシールされた3つの小さなボトル中に針によって移した。セメントの残りを、窒素パージの下で大きなガラス容器中に収集した。大きな容器中のセメント、実施例3は1.5mlのイソプロピルアルコール(i−PrOH)による注入によって静め、一方小さなボトル中のセメント、実施例4は1モルのリチウムあたり1.25モルの1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン(1,3−DMI)によって50℃で更に2時間処理した。次に実施例4のセメントを1.5mlのi−PrOHによって静め、そして両方のセメント部分を酸化防止剤(ヘキサン中の2.0重量%のDBPCを含む混合物の2ml)によって処理した。ボトルの内容物を合わせ、そして実施例3及び4の両方をi−PrOH中で別々に凝析しそしてドラム乾燥した。適切な特性付けを実施したが、結果を本明細書中の以下の表5中に要約する。
【0114】
実験No.3
実験No.2と同じ反応器を使用して、実施例3及び4のものと同じ量の薬剤、反応時間及び温度を用いて繰り返し実験を行った。生成したセメントは本明細書中の上の表3の処方でコンパウンドし、そして本明細書中で以下に実施例5として報告する。実施例5の一部を1当量のリチウムあたり1当量のSnClとの反応によって末端結合させて、実施例6とした。開始剤を一晩の代わりに3日間反応器中で生成せしめた以外は、実施例5に関するようにしてセメントをまた製造した。また、生成したポリマーを本明細書中の上の表4の処方でコンパウンドして、本明細書中で実施例7として報告する。実施例7の一部を、1モルのリチウムあたり1.25モルの4−(N,N−ジメチルアミノ)−ベンジリデンブチルアニリンによって処理して、実施例8とした。実施例7及び8を製造する実験のための重合薬剤の添加の順序は以下の通りであった:(1)TMEDA、(2)ブタジエンブレンド、(3)スチレンブレンド。ポリマーの生成物は実施例3及び4のために記述したように後処理した。それらの特性付け及びコンパウンドされた評価の結果を本明
細書中の以下の表5中に与える。
【0115】
生成物ポリマーを、1.5インチx4インチx0.040の引張プラックを使用して165℃で20分間硬化させた;そしてボタン、25分間及び165℃。本明細書中の以下の表5は実施例5〜8の特性付け及びコンパウンドされた特性をリストする。
【0116】
【表5】

【0117】
【表6】

【0118】
表5中の結果は、N−リチオピロリジド開始剤による重合の欠点を示す。実験3、5及び7において仕込まれた開始剤/モノマーは同じであった(100gのモノマーあたり1.0meqのリチウム)けれども、生成物の分子量は96,000から254,000までの範囲にわたっていた。これは、非常に誤差の大きい開始剤の証拠である。高分子量の生成物は、多分システムの不均一な性質に起因する、成長に対する遅い開始を示す。実施例5は、類似の微細構造及び分子量の未改質ポリマーのものよりも約31%低い50℃でのtan δの減少を示した。実施例6に導く、SnClによる、実施例5の生きているセメントの末端結合の結果は、同じベースの(未結合の)分子量の未改質ポリマーのものの約40%までの、tan δにおける更なる減少であった。カーボンブラックとの相互作用の程度を示す結合されたゴム含量は認め得るほど増加し、一方GPCはポリマー連鎖の78%が末端結合されていたことを示した。これは、“生きている”連鎖末端の認め得る部分がなお結合のために利用可能であったことを示す。
【0119】
実施例3、4及び7、8は、表3の低油処方での調合においては処理できないが、より良い処理のために100のゴムあたり27部の油を含む表6の処方に従って調合されるような高分子量のポリマーをもたらした。表5における評価の結果は、これらのポリマーは減少したtan δを示すが、未改質SBRエラストマーに対する13〜16%の減少は、実施例5及び6において示されたものと比較して小さいことを示す。DMI又は4−(N,N−ジメチルアミノ)−ベンジリデンブチルアニリンによる末端結合の試みに際して粘度の変化は殆ど起きなかった。これは、これらのポリマーにおける重合の後で連鎖末端に殆ど活性なC−Liが残っていなかったことを示す。DMI又は4−(N,N−ジメチルアミノ)−ベンジリデンブチルアニリン処理されたポリマー(実施例4及び8)は、未
改質サンプルのものの約75%であるtan δを示した。
【0120】
要約すると、本明細書中で上に述べたようにN−リチオピロリジドを使用して開始された重合の結果は、生成物の性質及び組成並びにそれらのその他の特性に関しての両方で非常に誤差が大きかった。
【0121】
II.可溶化された開始剤による重合
実験No.4
開始剤製造
窒素雰囲気下の乾燥されたステンレススチールの1ガロンの反応器に、1.22ポンドのヘキサン、そして次に5.4mlのヘキサン中の0.77のピロリジン(4.16meq)、引き続いて2.7mlのヘキサン中の1.58のn−ブチルリチウム(4.27meq)を仕込んだ。この混合物を90°F(32℃)で一晩撹拌した。次に、反応器にヘキサン溶液中の25.4重量%の1,3−ブタジエンの90g(423ミリモルのブタジエン)を仕込み、そしてこの混合物を110〜120°F(43〜49℃)で1時間加熱した。これは、平均で約100部の1,3−ブタジエンから成るSOL基をピロリジン部分の上に効果的に置く。
【0122】
重合
次に、この反応器に、1.06ミリモルのTMEDAを含む、ヘキサン中の33重量%のスチレンの0.76ポンド、すぐ引き続いて25.4重量%のブタジエン/ヘキサンブレンドの2.89ポンドを仕込んだ。これは、100gのモノマーあたり1.0meqのリチウム(1.0meq Li phgm)の開始剤対モノマーの仕込み比を与えた。重合を120°F(49℃)で2時間継続せしめ、そして生きているセメントを12ゲージステンレススチール針を通して先行する実施例において述べたようにはめられそしてパージされた4つの小さな飲料ボトル中に収集した。
【0123】
2つのボトル中のセメント、実施例9は1.5mlのi−PrOHによる注入によって静め、一方他の2つのボトル中のセメント、実施例10は1モルのリチウムあたり1.2モルのトリブチルスズクロリドによって50℃で更に2時間処理した。次に、実施例10のセメントを1.5mlのi−PrOHによって静め、そして両方のセメント部分を本明細書中の上の実験IIIにおけるように酸化防止剤によって処理した。実施例9及び10の両方とも別々にi−PrOH中で凝析しそしてドラム乾燥した。適切な特性付けを実施したが、結果を本明細書中の以下の表7中に要約する。
【0124】
実験No.5
開始剤製造
ヘキサン中の25.1meqのピロリジン及び25.1meqのn−ブチルリチウムの混合物を室温で週末にわたって窒素下で撹拌した。これを50.2meqのTHFによって処理し、そして生成した混合物を重合を開始するために使用した。
【0125】
重合
窒素雰囲気下の乾燥されたステンレススチールの5ガロンの反応器に、ヘキサンの8.53ポンド、ヘキサン中の33重量%のスチレンの3.17ポンド、TMEDAの8.78ミリモル、すぐ引き続いて25.4重量%のブタジエン/ヘキサンブレンドの17.89ポンド、そして25.1meqのリチウムを含む本明細書中で上で製造された開始剤を仕込んだ。重合を110〜120°F(43〜49℃)で2.25時間実施し、そして生きているセメントを12ゲージステンレススチール針を通して前の実施例において述べたようにはめられそしてパージされた5つの小さな飲料ボトル中に、そして1/2インチのパイプを通して窒素パージ下で2つの乾燥されそしてパージされた大きな容器に収集した

【0126】
大きな容器中のセメント、実施例11はi−PrOHによる注入によって静め、一方ボトル中のセメント、実施例12は、まず1モルのリチウムあたり0.3当量の四塩化スズによって50℃で更に0.5時間処理し、そして引き続いて1モルのリチウムあたり0.84モルの1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(1,3−DMI)によって50℃で2時間処理した。反応器中に残るセメント、実施例13は、1当量のリチウムあたり0.8当量のSnClによって50℃で約2時間処理した。ポリマー生成物は、本明細書中の上の実施例9及び10に関して述べられたように後処理した。それらの特性付け及びコンパウンドされた評価の結果を本明細書中の以下の表7中に与える。
【0127】
実験No.6
開始剤製造
実施例11、12及び13において使用された同じ開始剤の別の部分をわきに置いておき、そして0.6meq/mlの推定された濃度で、以下のように2日後に使用した。
【0128】
重合
実施例11〜13のベースセメントを重合させるために使用された手順を繰り返した。生きている生成物セメントを12ゲージステンレススチール針を通して先行する実施例において述べたようにはめられそしてパージされた5つの小さな飲料ボトル中に、そして1/2インチのパイプを通して窒素パージ下で2つの乾燥されそしてパージされた大きな容器に収集した。
【0129】
実施例14における大きな容器中のセメントはi−PrOHによる注入によって静め、一方ボトル中のセメント、実施例15は、まず1モルのリチウムあたり0.3当量の四塩化スズによって50℃で更に0.5時間処理し、そして引き続いて1モルのリチウムあたり0.85モルの1,3−DMIによって50℃で2時間処理した。ポリマー生成物は、実施例9及び10に関して述べられたように後処理した。それらの特性付け及びコンパウンドされた評価の結果を本明細書中の以下の表7中に与える。
【0130】
【表7】

【0131】
実験No.7
開始剤製造
28.6meqのピロリジン、57.2ミリモルのTHF、及びヘキサン中の29.15meqのn−ブチルリチウムの混合物を室温で一晩窒素雰囲気下で撹拌した。生成した混合物からのアリコート(1mlあたり約0.56ミリ当量(meq))を重合を開始するために使用した。
【0132】
次に、5ガロンのステンレススチール反応器に、6.42ポンドのヘキサン、28.6モル当量の上の0.56Mの開始剤、及び1.25ポンドのブタジエン及びヘキサンの24.2重量%ブレンドを仕込み、そしてこの混合物を100°F(35℃)で1時間加熱した。
【0133】
重合
次に反応器に、3.53ポンドのヘキサン中の34重量%のスチレン、9.7ミリモルのTMEDA、及び17.85ポンドのブタジエン/ヘキサンブレンドを仕込んだ。これは、1.05meq Li phgmの開始剤対モノマー仕込み比、及び約20重量%スチレン/80重量%ブタジエンのモノマー比を与えた。重合は110〜115°F(43〜46℃)で1.75時間実施した。最後に反応器に0.3ポンドのブタジエン/ヘキサンブレンドを仕込み、そして4.1ポンドのセメントのサンプルを直ちに大きな容器中に収集し、そしてi−PrOHを添加することによって静めた、実施例16。反応器中に残る内容物を100〜110°F(43〜46℃)で1.5時間、22.2mlの1.0NのSnClと撹拌することによって処理し、そしてセメントを窒素パージ下で小量のi−PrOHを含む5ガロンの缶中に落とした、実施例17。
【0134】
実施例16及び17からのセメントを、すぐ先行する実験におけるように酸化防止剤によって処理し、そして両方のサンプルをi−PrOH中で凝析しそしてドラム乾燥した。適切な特性付けを実施したが、結果を本明細書中の以下の表8中に要約する。
【0135】
実験No.8
開始剤製造
88.8meqのピロリジン、177.8ミリモルのTHF、及びヘキサン中の89.8meqのn−ブチルリチウムの混合物を室温で一晩窒素下で撹拌した。生成した混合物からのアリコート(1mlあたり約0.57meq)を重合を開始させるために使用した。
【0136】
次に、5ガロンのステンレススチール反応器に、6.55ポンドのヘキサン、47.1ml(26.7meq)の上の0.57の開始剤、及び1.0ポンドのヘキサン中の24.2重量%のブタジエンのブレンドを仕込み、そしてこの混合物を100°F(38℃)で30分間加熱した。
【0137】
重合
次にこの反応器中に、4.41ポンドのヘキサン中の34重量%のスチレン、9.08ミリモルのTMEDA、及び17.1ポンドのブタジエン/ヘキサンブレンドを仕込んだ。これは、0.98meq Li phgmの開始剤対モノマー仕込み比、約25重量%のスチレン/75重量%のブタジエンのモノマー比を与えた。重合は110〜115°F(43〜46℃)で2.3時間実施した。最後にこの反応器に0.5ポンドのブタジエン/ヘキサンブレンドを仕込み、そして直ちにセメントの3.5ポンドのサンプルを大きな容器中に収集し、そしてi−PrOHを添加することによって静めた、実施例18。反応器中に残る内容物を115°F(46℃)で21.0mlの1.0NのSnClと共に撹拌することによって処理した。反応の後で、セメントを小量のi−PrOHを含む5ガロンの缶中に窒素パージ下で落とした、実施例19。セメントをすぐ先行する実施例におけるように酸化防止剤によって処理し、そして実施例18及び19からの両方のセメントを別々にi−PrOH中で凝析しそして次にドラム乾燥した。適切な特性付けを実施したが、結果を本明細書中の表8中に要約する。
【0138】
【表8】

【0139】
生成物ポリマーをコンパウンドしそして表3中に示されたテスト処方中に示されたようにテストし、そして上のように硬化した。表7は実施例9〜15からのポリマーの特性付け及び特性をリストする。表8は実施例16〜19の特性付け及びコンパウンドされた特性をリストする。
【0140】
表7及び8中の結果は、本発明による開始剤による重合から得られた利点及び望ましい結果を示す。表5中の結果とは対照的に、実施例9〜19は、これらの開始剤を用いるジエン重合の一貫性を示す。即ち、重合は、狭い分子量分布を有する比較的再現性の良いそして予言可能な分子量を示し、そしてポリマーセメントは更なる反応のためのリビングC−Li連鎖のより良い製造能力を示す。実施例10、12、13及び17の二キャップさ
れた(dicapped)ポリマーは、同じベース分子量の匹敵する未改質ポリマーに関して予期される値の約40%〜50%で、例外的に低いヒステリシスを示す。
【0141】
実施例6、10、12、13、17及び19はまた、N−Li開始とスズ化合物、例えばRSnClまたはSnClによる末端結合または停止との有利な組み合わせを示す。
【0142】
比較例1〜8中で述べられたようなリチウムピロリジドを使用して非環状アルカン溶媒中で開始された重合の結果は、生成物の性質及び組成並びにそれらのヒステリシス挙動の両方に関して非常に誤差が大きい。しかしながら、本明細書中で上に例示されたように、殆ど当量の極性配位子によってまたはモノマー伸長によってN−リチオ炭化水素アミドとして調合される時に、良好な分子量制御、狭い分子量分布、及び更なる反応のためのリビングC−Li末端の良好な保存を有する再現性の良い重合が達成される。
【0143】
本発明による開始剤を製造する好ましい方法をここに説明する。容器、例えばテフロンまたはガラス被覆したマグネチック・スターラーのバーを含む小さなボトルを乾燥し、シールしそして窒素でパージする。撹拌しながら以下のものシリンジによって添加する:
1.炭化水素溶媒中の30ミリモルの無水2°アミン、及び
2.炭化水素溶媒中の60ミリモルの無水極性可溶化剤。
3.炭化水素溶媒中の30.1ミリモルのアルキルリチウムを、背圧に関して注意しながら、撹拌しながら、一度にシリンジによって添加する。
【0144】
この溶液は、加熱しそして直ちに圧力を発現するが、すぐに戻って冷え始めるであろう。比較的大量の薬剤、例えば大きなボトル中の250〜300ミリモルまたは反応器中の0.5〜1.5モルを製造する時には、ピーク温度を約38℃またはそれ未満に保持するために冷却されたまたは冷たい水の冷却を使用する時に最善の結果が得られる。通常の手順は、使用前に混合物を室温で一晩撹拌せしめることであった。しかしながら、この反応は数分以内に本質的に完了する。混合物は、顕著な沈殿無しで透明でストローのような黄色でなければならない。軽いないし中程度のかすみまたは曇りは活性に影響しないように思われる。無水の条件が必要とされる。30ppm未満の水を含む(SOL)炭化水素溶媒溶液が最善の結果を与える。開始剤薬剤は、窒素の陽圧の下で室温(25〜27℃)で数週間までの期間貯蔵することができる。ヘキサン中の約0.5M〜1.5Mでこのやり方で製造されそして貯蔵されたN−リチオピロリジン/2THF溶液は約3〜4週間の期間安定であり、そしてジエン及び/またはビニル芳香族(共)重合のための効果的な開始剤であり、優れた特性を有するポリマーを与える。ヘキサン中で約0.3M〜0.9Mでこのやり方で製造されそして貯蔵されたN−リチオペルヒドロアゼピン/2THF溶液は少なくとも数日間安定であり、そしてまた重合において良好な結果で使用することができる。
【0145】
本発明による開始剤がジエンモノマーのアニオン重合のために有用であることは、上述の実施例及び明細書開示から今や明らかであるはずである。これまで当該技術において知られている可溶化されていない開始剤と比較する時に、比較的狭い分子量範囲内のこのようなポリマーの再現性の良い重合が達成され、そして生成するポリマーはまた生きているC−Li末端の良好な保存を示す。
【0146】
明細書中でそうではないと述べられた以外は、本発明は本明細書中で開示された特定の開始剤反応物、モノマー、末端停止剤、極性調整剤または溶媒に限定されないことが理解されるものとする。同様に、実施例は、本発明の実際を単に示すために与えられたのであり、そして本発明の限定を構成しない。当業者は、本明細書中で上でなされた開示に従って、容易に他のモノマー及び方法条件を選択することができる。
【0147】
かくして、本明細書中で開示された任意の変数は、本明細書中で開示されそして述べられた範囲から逸脱すること無く、容易に決定されそして制御されることができる。更にまた、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲の範囲内に入るすべての改変及び変更を含むものとする。
【0148】
本発明の主なる特徴及び態様は以下の通りである。
【0149】
1)一般式
(A)Li(SOL)
[式中、
yは、約1〜約3であり、
SOLは、炭化水素、エーテル、アミンまたはこれらの混合物から成る群から選ばれた可溶化成分であり、そして
Aは、一般式
【0150】
【化18】

【0151】
を有するアルキル、ジアルキル及びシクロアルキルアミン基、並びに一般式
【0152】
【化19】

【0153】
(式中、
は、1〜約12の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから成る群から選ばれ、そして
は、約3〜約7のメチレン基を有するアルキレンまたはアミノアルキレン基から成る群から選ばれる)
を有する環状アミンから成る群から選ばれる]
を有する可溶化されたリチオアミンを含有して成る、非環状アルカン溶媒中に可溶性のアニオン重合開始剤。
【0154】
2)アミン中の窒素に結合しているR及びR中の炭素原子がまた全部で少なくとも3つの水素原子に結合している、上記1に記載のアニオン重合開始剤。
【0155】
3)SOLが3〜約300の重合単位を有するジエニルまたはビニル芳香族ポリマーまたはコポリマーから成る群から選ばれる、上記1に記載のアニオン重合開始剤。
【0156】
4)SOLがポリブタジエン、ポリスチレン、ポリイソプレン及びこれらのコポリマーから成る群から選ばれる、上記3に記載のアニオン重合開始剤。
【0157】
5)SOLがテトラヒドロフラン及びテトラメチルエチレンジアミンから成る群から選ばれる、上記1に記載のアニオン重合開始剤。
【0158】
6)Aがピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ペルヒドロアゼピン、1−アザシクロオクタン及びこれらの誘導体から成る群から選ばれる、上記1に記載のアニオン重合開始剤。
【0159】
7)該ピロリジン誘導体がペルヒドロインドール及びペルヒドロイソキノリンから成る群から選ばれる、上記6に記載のアニオン重合開始剤。
【0160】
8)Aがジ−n−アルキルアミン[式中、アルキル基は約2〜約5の炭素原子を有する]から成る群から選ばれる、上記1に記載のアニオン重合開始剤。
【0161】
9)Aがピロリジンであり、yが2でありそしてSOLがテトラヒドロフラン及びテトラメチルエチレンジアミンから成る群から選ばれる、上記8に記載のアニオン重合開始剤。
【0162】
10)Aがペルヒドロアゼピンであり、yが2でありそしてSOLがテトラヒドロフラン及びテトラメチルエチレンジアミンから成る群から選ばれる、上記8に記載のアニオン重合開始剤。
【0163】
11)該リチオアミンが式A−SOL−Li[式中、Aはピロリジンでありそしてyは1である]を有する、上記3に記載のアニオン重合開始剤。
【0164】
12)有機リチウム化合物を可溶化剤の存在下で官能化剤と反応させるステップを含有して成るアニオン重合開始剤を製造する方法であって、該官能化剤は、一般式
【0165】
【化20】

【0166】
を有するアルキル、ジアルキル及びシクロアルキルアミン基、並びに一般式
【0167】
【化21】

【0168】
[式中、
は、1〜約12の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから成る群から選ばれ、そして
は、約3〜約7のメチレン基を有するアルキレンまたはアミノアルキレン基から成る群から選ばれる]
から成る群から選ばれ、そして該可溶化剤が、炭化水素、エーテル、アミンまたはこれらの混合物から成る群から選ばれる方法。
【0169】
13)該有機リチウム化合物が一般式RLi[式中、Rは1〜約20の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール及びアラルキル、並びに約25単位までを有するジオレフィン及びビニルアリールモノマーからの短鎖長の低分子量ポリマーから成る群から選ばれる]を有する、上記12に記載のアニオン重合開始剤を製造する方法。
【0170】
14)有機リチウム化合物を官能化剤{ここで、該官能化剤は、一般式
【0171】
【化22】

【0172】
を有するアルキル、ジアルキル及びシクロアルキルアミン基、並びに一般式
【0173】
【化23】

【0174】
[式中、
は、1〜約12の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから成る群から選ばれ、そして
は、約3〜約7のメチレン基を有するアルキレンまたはアミノアルキレン基から成る群から選ばれる]
から成る群から選ばれる}
と反応させて反応生成物を生成させるステップ;並びに
該反応生成物を炭化水素、エーテル、アミンまたはこれらの混合物から成る群から選ばれた可溶化剤と反応させるステップ
を含有して成る、アニオン重合開始剤を製造する方法。
【0175】
15)ポリマー連鎖が少なくとも一つの官能基Aを有することを有して成る、官能化されたポリマーであって、Aは、一般式
(A)Li(SOL)
[式中、
yは、約1〜約3であり、
SOLは、炭化水素、エーテル、アミンまたはこれらの混合物から成る群から選ばれた可溶化成分であり、そして
Aは、一般式
【0176】
【化24】

【0177】
を有するアルキル、ジアルキル及びシクロアルキルアミン基、並びに一般式
【0178】
【化25】

【0179】
(式中、
は、1〜約12の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから成る群から選ばれ、そして
は、約3〜約7のメチレン基を有するアルキレンまたはアミノアルキレン基から成る群から選ばれる)
を有する環状アミンから成る群から選ばれる]
を有する重合開始剤から誘導される官能化されたポリマー。
【0180】
16)アルカン溶媒中の1以上アニオン重合可能なモノマーの溶液を生成させるステップ、並びに
該アルカン溶媒中に可溶性である開始剤{ここで該開始剤は、一般式
(A)Li(SOL)
[式中、
yは、約1〜約3であり、
SOLは、炭化水素、エーテル、アミンまたはこれらの混合物から成る群から選ばれた可溶化成分であり、そして
Aは、一般式
【0181】
【化26】

【0182】
を有するアルキル、ジアルキル及びシクロアルキルアミン基、並びに一般式
【0183】
【化27】

【0184】
(式中、
は、1〜約12の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから成る群から選ばれ、そして
は、約3〜約7のメチレン基を有するアルキレンまたはアミノアルキレン基から成る群から選ばれる)
を有する環状アミンから成る群から選ばれる]
を有する可溶化されたリチオアミンを含有して成る}の存在下で該モノマーを重合させるステップ
を含有して成る、官能化されたポリマーを生成させる方法。
【0185】
17)該ポリマーを末端停止剤、カップリング剤及び結合剤から成る群から選ばれそして誘導された官能基と、生成するポリマー多官能であるように、反応させる更なるステップを含有して成る、上記16に記載の方法。
【0186】
18)該末端停止剤、カップリング及び結合剤が、二酸化炭素;N,N,N’,N’−テトラアルキルジアミノベンゾフェノン;N,N−ジアルキルアミノベンズアルデヒド;1,3−ジアルキルイミダゾリジノン;1−アルキル置換されたピロリドン;1−アリール置換されたピロリドン;約5〜約20の炭素原子を有するジアルキル−及びジシクロアルキル−カルボジイミド;(RZX
【0187】
【化28】

【0188】
[式中、
Zはスズまたはシリコンであり、
は約1〜約20の炭素原子を有するアルキル、約3〜約20の炭素原子を有するシクロアルキル、約6〜約20の炭素原子を有するアリール及び約7〜約20の炭素原子を有するアラルキルから成る群から選ばれ、
Xは塩素または臭素であり、
aは0〜3であり、そして
bは約1〜4であり、ここで
a+bは4であり、
各々のRは同一または異なっていて、そして約1〜約12の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキル及びアリールから成る群から選ばれ、
は約4〜約20の炭素原子を有するt−アルキル、フェニル、アルキルフェニル及びN,N−ジアルキルアミノフェニルから成る群から選ばれ、
各々のRは同一または異なっていて、そして約1〜約12の炭素原子を有するアルキル及びシクロアルキルから成る群から選ばれ、そして
は約1〜約20の炭素原子を有するアルキル、フェニル、アルキルフェニル及びN,N−ジアルキルアミノフェニルから成る群から選ばれる]
から成る群から選ばれる、上記17に記載の方法。
【0189】
19)2つのR基が一緒に環状基を形成する、上記18に記載の方法。
【0190】
20)官能基A{ここでAは、一般式
(A)Li(SOL)
[式中、
yは、約1〜約3であり、
SOLは、炭化水素、エーテル、アミンまたはこれらの混合物から成る群から選ばれた可溶化成分であり、そして
Aは、一般式
【0191】
【化29】

【0192】
を有するアルキル、ジアルキル及びシクロアルキルアミン基、並びに一般式
【0193】
【化30】

【0194】
(式中、
は、1〜約12の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから成る群から選ばれ、そして
は、約3〜約7のメチレン基を有するアルキレンまたはアミノアルキレン基から成る群から選ばれる)
を有する環状アミンから成る群から選ばれる]
を有する重合開始剤から誘導される}
を有する連鎖を有するエラストマーポリマー、並びに
該ポリマーの100部あたり約5〜80重量部のカーボンブラック
を含有して成る減少したヒステリシス特性を有する硬化可能なエラストマーコンパウンド。
【0195】
21)少なくとも一種の官能基A{ここでAは、一般式
(A)Li(SOL)
[式中、
yは、約1〜約3であり、
SOLは、炭化水素、エーテル、アミンまたはこれらの混合物から成る群から選ばれた可溶化成分であり、そして
Aは、一般式
【0196】
【化31】

【0197】
を有するアルキル、ジアルキル及びシクロアルキルアミン基、並びに一般式
【0198】
【化32】

【0199】
(式中、
は、1〜約12の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから成る群から選ばれ、そして
は、約3〜約7のメチレン基を有するアルキレンまたはアミノアルキレン基から成る群から選ばれる)
を有する環状アミンから成る群から選ばれる]
を有する重合開始剤から誘導される}
を有する連鎖を有するエラストマーポリマー、並びに
該ポリマーの100部あたり約5〜80重量部のカーボンブラック
を含有して成る硬化可能なエラストマー組成物を含む、トレッド原料から生じる減少したローリング抵抗を有するタイヤ。
【0200】
22)少なくとも一種のアミン官能基A(ここでAは、有機リチウム化合物及びアミンの反応生成物並びにスズ−炭素結合から誘導される)を有するポリマーを含有して成る、硬化可能なゴム組成物。
【0201】
23)Aが、一般式
【0202】
【化33】

【0203】
を有するアルキル、ジアルキル及びシクロアルキルアミン基、並びに一般式
【0204】
【化34】

【0205】
(式中、
は、1〜約12の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから成る群から選ばれ、そして
は、約3〜約7のメチレン基を有するアルキレンまたはアミノアルキレン基から成る群から選ばれる)
を有する環状アミンから成る群から選ばれる、上記22に記載の硬化可能なゴム組成物。
【0206】
24)上記22に記載の多官能ポリマー。
【0207】
25)Aが、一般式
【0208】
【化35】

【0209】
を有するアルキル、ジアルキル及びシクロアルキルアミン基、並びに一般式
【0210】
【化36】

【0211】
(式中、
は、1〜約12の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから成る群から選ばれ、そして
は、約3〜約7のメチレン基を有するアルキレンまたはアミノアルキレン基から成る群から選ばれる)
を有する環状アミンから成る群から選ばれる、上記24に記載の多官能ポリマー。
26)少なくとも一種のアミン官能基A(ここでAは、有機リチウム化合物及びアミン
の反応生成物である重合開始剤から誘導される)を有する多官能ポリマー
スズ−炭素結合を有する該多官能ポリマー、並びに
該ポリマーの100部あたり約5〜80重量部のカーボンブラック
を含有して成る、少なくとも一種の硬化可能なエラストマー成分を有するタイヤ。
27)Aが、一般式
【0212】
【化37】

【0213】
を有するアルキル、ジアルキル及びシクロアルキルアミン基、並びに一般式
【0214】
【化38】

【0215】
(式中、
は、1〜約12の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから成る群から選ばれ、そして
は、約3〜約7のメチレン基を有するアルキレンまたはアミノアルキレン基から成る群から選ばれる)
を有する環状アミンから成る群から選ばれる、上記26に記載のタイヤ。
【0216】
28)該成分がトレッド原料である、上記26に記載のタイヤ。
【0217】
29)該成分が側壁原料である、上記26に記載のタイヤ。
【0218】
30)少なくとも一種のアミン官能基A(ここでAは、有機リチウム化合物及びアミンの反応生成物から誘導される)を有するポリマー、並びに
末端停止剤、カップリング剤及び結合剤から成る群から選ばれそして誘導される第二官能基
を含有して成る、ゴム組成物。
【0219】
31)Aが、一般式
【0220】
【化39】

【0221】
を有するアルキル、ジアルキル及びシクロアルキルアミン基、並びに一般式
【0222】
【化40】

【0223】
(式中、
は、1〜約12の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから成る群から選ばれ、そして
は、約3〜約7のメチレン基を有するアルキレンまたはアミノアルキレン基から成る群から選ばれる)
を有する環状アミンから成る群から選ばれる、上記30に記載のゴム組成物。
【0224】
32)該末端停止剤、カップリング及び結合剤が、二酸化炭素;N,N,N’,N’−テトラアルキルジアミノベンゾフェノン;N,N−ジアルキルアミノベンズアルデヒド;1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン;1−アルキル置換されたピロリドン;1−アリール置換されたピロリドン;約5〜約20の炭素原子を有するジアルキル−及びジシクロアルキル−カルボジイミド;(RZX
【0225】
【化41】

【0226】
[式中、
Zはスズまたはシリコンであり、
は約1〜約20の炭素原子を有するアルキル、約3〜約20の炭素原子を有するシクロアルキル、約6〜約20の炭素原子を有するアリール及び約7〜約20の炭素原子を有するアラルキルから成る群から選ばれ、
Xは塩素または臭素であり、
aは0〜3であり、そして
bは約1〜4であり、ここで
a+bは4であり、
各々のRは同一または異なっていて、そして約1〜約12の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキル及びアリールから成る群から選ばれ、
は約4〜約20の炭素原子を有するt−アルキル、フェニル、アルキルフェニル及びN,N−ジアルキルアミノフェニルから成る群から選ばれ、
各々のRは同一または異なっていて、そして約1〜約12の炭素原子を有するアルキル及びシクロアルキルから成る群から選ばれ、そして
は約1〜約20の炭素原子を有するアルキル、フェニル、アルキルフェニル及びN,N−ジアルキルアミノフェニルから成る群から選ばれる]
から成る群から選ばれる、上記30に記載のゴム組成物。
【0227】
33)上記30に記載の多官能ポリマー。
【0228】
34)Aが、一般式
【0229】
【化42】

【0230】
を有するアルキル、ジアルキル及びシクロアルキルアミン基、並びに一般式
【0231】
【化43】

【0232】
(式中、
は、1〜約12の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから成る群から選ばれ、そして
は、約3〜約7のメチレン基を有するアルキレンまたはアミノアルキレン基から成る群から選ばれる)
を有する環状アミンから成る群から選ばれる、上記33に記載の多官能ポリマー。
35)該末端停止剤、カップリング及び結合剤が、二酸化炭素;N,N,N’,N’−テトラアルキルジアミノベンゾフェノン;N,N−ジアルキルアミノベンズアルデヒド;1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン;1−アルキル置換されたピロリドン;1−アリール置換されたピロリドン;約5〜約20の炭素原子を有するジアルキル−及びジシクロアルキル−カルボジイミド;(RZX
【0233】
【化44】

【0234】
[式中、
Zはスズまたはシリコンであり、
は約1〜約20の炭素原子を有するアルキル、約3〜約20の炭素原子を有するシクロアルキル、約6〜約20の炭素原子を有するアリール及び約7〜約20の炭素原子を有するアラルキルから成る群から選ばれ、
Xは塩素または臭素であり、
aは0〜3であり、そして
bは約1〜4であり、ここで
a+bは4であり、
各々のRは同一または異なっていて、そして約1〜約12の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキル及びアリールから成る群から選ばれ、
は約4〜約20の炭素原子を有するt−アルキル、フェニル、アルキルフェニル及びN,N−ジアルキルアミノフェニルから成る群から選ばれ、
各々のRは同一または異なっていて、そして約1〜約12の炭素原子を有するアルキル及びシクロアルキルから成る群から選ばれ、そして
は約1〜約20の炭素原子を有するアルキル、フェニル、アルキルフェニル及びN,N−ジアルキルアミノフェニルから成る群から選ばれる]
から成る群から選ばれる、上記33記載の多官能ポリマー。
【0235】
36)少なくとも一種のアミン官能基A(ここで、Aは有機リチウム化合物及びアミンの反応生成物である重合開始剤から誘導される)を有する多官能ポリマー;
末端停止剤、カップリング剤及び結合剤から成る群から選ばれそして誘導された第二官能基を有する該ポリマー;並びに
該ポリマーの100部あたり約5〜80重量部のカーボンブラック
を含有して成る少なくとも一種の硬化可能なエラストマー成分を有するタイヤ。
【0236】
37)Aが、一般式
【0237】
【化45】

【0238】
を有するアルキル、ジアルキル及びシクロアルキルアミン基、並びに一般式
【0239】
【化46】

【0240】
(式中、
は、1〜約12の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアラルキルから成る群から選ばれ、そして
は、約3〜約7のメチレン基を有するアルキレンまたはアミノアルキレン基から成る群から選ばれる)
を有する環状アミンから成る群から選ばれる、上記36に記載のタイヤ。
【0241】
38)該末端停止剤、カップリング及び結合剤が、二酸化炭素;N,N,N’,N’−テトラアルキルジアミノベンゾフェノン;N,N−ジアルキルアミノベンズアルデヒド;1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン;1−アルキル置換されたピロリドン;1−アリール置換されたピロリドン;約5〜約20の炭素原子を有するジアルキル−及びジシクロアルキル−カルボジイミド;(RZX
【0242】
【化47】

【0243】
[式中、
Zはスズまたはシリコンであり、
は約1〜約20の炭素原子を有するアルキル、約3〜約20の炭素原子を有するシクロアルキル、約6〜約20の炭素原子を有するアリール及び約7〜約20の炭素原子を有するアラルキルから成る群から選ばれ、
Xは塩素または臭素であり、
aは0〜3であり、そして
bは約1〜4であり、ここで
a+bは4であり、
各々のRは同一または異なっていて、そして約1〜約12の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキル及びアリールから成る群から選ばれ、
は約4〜約20の炭素原子を有するt−アルキル、フェニル、アルキルフェニル及びN,N−ジアルキルアミノフェニルから成る群から選ばれ、
各々のRは同一または異なっていて、そして約1〜約12の炭素原子を有するアルキル及びシクロアルキルから成る群から選ばれ、そして
は約1〜約20の炭素原子を有するアルキル、フェニル、アルキルフェニル及びN,N−ジアルキルアミノフェニルから成る群から選ばれる]
から成る群から選ばれる、上記36に記載のタイヤ。
【0244】
39)該成分がトレッド原料である、上記36に記載のタイヤ。
【0245】
40)該成分が側壁原料である、上記36に記載のタイヤ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式
(A)Li(SOL)y
[式中、yは、1〜3であり、SOLは、炭化水素、エーテル、アミンまたはこれらの混合物から成る群から選ばれた可溶化成分であり、そしてAは、一般式
【化1】

(式中、R2は、3〜7のメチレン基を有するアルキレンまたはアミノアルキレン基から成る群から選ばれ、さらに窒素原子に隣接した二つの炭素原子は合計で3個以上の水素原子と結合していることを満たす)を有する環状アミンから成る群から選ばれる]を有する可溶化されたリチオアミンを含有して成る、脂肪族炭化水素を主成分とする溶媒に顕著な沈殿なしに0.5M以上の濃度で溶解したアニオン重合開始剤。
【請求項2】
有機リチウム化合物を脂肪族炭化水素を主成分とする溶媒および可溶化剤の存在下で官能化剤と反応させるステップを含有して成る、該溶媒に顕著な沈殿なしに0.5M以上の濃度で溶解したアニオン重合開始剤を製造する方法であって、該官能化剤は、一般式
【化2】

(式中、R2は、3〜7のメチレン基を有するアルキレンまたはアミノアルキレン基から成る群から選ばれ、さらに窒素原子に隣接した二つの炭素原子は合計で3個以上の水素原子と結合していることを満たす)
を有する環状アミン化合物から成る群から選ばれ、そして該可溶化剤が、炭化水素、エーテル、アミンまたはこれらの混合物から成る群から選ばれ、かつ該可溶化剤と該有機リチウムのモル比が1〜3である方法。
【請求項3】
脂肪族炭化水素を主成分とする溶媒に顕著な沈殿なしに0.5M以上の濃度で溶解したアニオン重合開始剤を製造する方法であって、該溶媒の存在下で有機リチウム化合物を官能化剤{ここで、該官能化剤は、一般式
【化3】

(式中、R2は、3〜7のメチレン基を有するアルキレンまたはアミノアルキレン基から成る群から選ばれ、さらに窒素原子に隣接した二つの炭素原子は合計で3個以上の水素原子と結合していることを満たす)を有する環状アミン化合物から成る群から選ばれる}と反応させて反応生成物を生成させるステップ;並びに該反応生成物を炭化水素、エーテル
、アミンまたはこれらの混合物から成る群から選ばれた可溶化剤と反応させて可溶化するステップ(ただし、該可溶化剤と該有機リチウムのモル比が1〜3である)を含有して成る方法。
【請求項4】
ポリマー連鎖が少なくとも一つの官能基Aを該連鎖末端に有してなるカップリング前の分子量分布Mw/Mnが1.26以下である官能化されたポリマーであって、該官能基Aは、一般式
(A)Li(SOL)y
[式中、yは、1〜3であり、SOLは、炭化水素、エーテル、アミンまたはこれらの混合物から成る群から選ばれた可溶化成分であり、そしてAは、一般式
【化4】

(式中、R2は、3〜7のメチレン基を有するアルキレンまたはアミノアルキレン基から成る群から選ばれ、さらに窒素原子に隣接した二つの炭素原子は合計で3個以上の水素原子と結合していることを満たす)を有する環状アミンから成る群から選ばれる]を有する可溶化されたリチオアミンを含有して成る、脂肪族炭化水素を主成分とする溶媒に溶解したアニオン重合開始剤を用いて該ポリマー連鎖の原料の一部または全部となる少なくとも一種のアニオン重合可能なモノマーを重合開始することによって該ポリマー連鎖の開始側末端に導入された官能基Aである、
ことを特徴とする官能化されたジエンポリマー及びコポリマー。
【請求項5】
カップリング前の分子量分布Mw/Mnが1.26以下である官能化されたポリマー(i)を、エラストマー成分100部に対し少なくとも10部、必要に応じ他のエラストマー成分(ii)として天然ゴム、(i)以外の合成エラストマー、ないしはこれらの任意のブレンドを0−90重量部含み、更に該エラストマー成分100部に対しCTAB35−200m2/gであるカーボンブラック(iii)を5−100phr含んで成るゴム
組成物であって、
ここで該ポリマー(i)は、少なくとも一つの可能基Aを該連鎖末端に有してなり、その構成モノマー単位として少なくとも一種の共役ジエンモノマー、および必要に応じ少なくとも一種のビニル芳香族モノマー、更に必要に応じ他のアニオン重合可能なモノマーを含んでなり、さらに該官能基Aは、一般式
(A)Li(SOL)y
[式中、yは、1〜3であり、SOLは、炭化水素、エーテル、アミンまたはこれらの混合物から成る群から選ばれた可溶化成分であり、そしてAは、一般式
【化5】

(式中、R2は、3〜7のメチレン基を有するアルキレンまたはアミノアルキレン基から成る群から選ばれ、さらに窒素原子に隣接した二つの炭素原子は合計で3個以上の水素原子と結合していることを満たす)を有する環状アミンから成る群から選ばれる]を有する可溶化されたリチオアミンを含有して成る、脂肪族炭化水素を主成分とする溶媒に溶解し
たアニオン重合開始剤を用いて該ポリマー連鎖の原料の一部または全部となる少なくとも一種のアニオン重合可能なモノマーを重合開始することによって該ポリマー連鎖の開始側末端に導入された官能基Aである、
ことを特徴とするゴム組成物。
【請求項6】
カップリング前の分子量分布Mw/Mnが1.26以下である官能化されたポリマー(i′)を、エラストマー成分100部に対し少なくとも10部、必要に応じ他のエラストマー成分(ii)として天然ゴム、(i′)以外の合成エラストマー、ないしはこれらの任意のブレンドを0−90重量部含み、更に該エラストマー成分100部に対しCTAB35−200m2/gであるカーボンブラック(iii)を5−100phr含んで成る
ゴム組成物であって、
但し該ポリマー(i′)が、
少なくとも一つの官能基A、および少なくとも一つのスズ−炭素結合を、それぞれ異なる該連鎖末端に有してなり、その構成モノマー単位として少なくとも一種の共役ジエンモノマー、および必要に応じ少なくとも一種のビニル芳香族モノマー、更に必要に応じ他のアニオン重合可能なモノマーを含んでなり、
さらに該官能基Aは、一般式
(A)Li(SOL)y
[式中、yは、1〜3であり、SOLは、炭化水素、エーテル、アミンまたはこれらの混合物から成る群から選ばれた可溶化成分であり、そしてAは、一般式
【化6】

(式中、R2は、3〜7のメチレン基を有するアルキレンまたはアミノアルキレン基から成る群から選ばれ、さらに窒素原子に隣接した二つの炭素原子は合計で3個以上の水素原子と結合していることを満たす)を有する環状アミンから成る群から選ばれる]を有する可溶化されたリチオアミンを含有して成る、脂肪族炭化水素を主成分とする溶媒に溶解したアニオン重合開始剤を用いて該ポリマー連鎖の原料の一部または全部となる少なくとも一種の共役ジエンモノマーを含んでなるアニオン重合開始性モノマーを重合開始することによって該ポリマー連鎖の開始側末端に導入された官能基Aである、
ことを特徴とするゴム組成物。
【請求項7】
カップリング前の分子量分布Mw/Mnが1.26以下である官能化されたポリマー(i″)をエラストマー成分100部に対し少なくとも10部、必要に応じ他のエラストマー成分(ii)として天然ゴム、(i″)以外の合成エラストマー、ないしはこれらの任意のブレンドを0−90重量部含み、更に該エラストマー成分100部に対しCTAB35−200m2/gであるカーボンブラック(iii)を5−100phr含んで成るゴム組成物であって、
但し該ポリマー(i″)が、少なくとも一つの官能基A、および末端停止剤、カップリング剤、または結合剤(官能性末端処理剤)と該リビング末端との反応に由来する第二の官能基をそれぞれ異なる該連鎖末端に有してなり、ここで第二の官能基の複数の種類の前記官能性末端処理剤を併用する場合は複数種類が混在していてもよく、その構成モノマー単位として少なくとも一種の共役ジエンモノマー、および必要に応じ少なくとも一種のビニル芳香族モノマー、更に必要に応じ他のアニオン重合可能なモノマーを含んでなり、さらに官能基Aは、一般式
(A)Li(SOL)y
[式中、yは、1〜3であり、SOLは、炭化水素、エーテル、アミンまたはこれらの混合物から成る群から選ばれた可溶化成分であり、そしてAは、一般式
【化7】

(式中、R2は、3〜7のメチレン基を有するアルキレンまたはアミノアルキレン基から成る群から選ばれ、さらに窒素原子に隣接した二つの炭素原子は合計で3個以上の水素原子と結合していることを満たす)を有する環状アミンから成る群から選ばれる]を有する可溶化されたリチオアミンを含有して成る、C4−C7の脂肪族炭化水素を主成分とする溶媒に溶解したアニオン重合開始剤を用いて該ポリマー連鎖の原料の一部または全部となる少なくとも一種の共役ジエンモノマーを含んでなるアニオン重合開始性モノマーを重合開始することによって該ポリマー連鎖の開始側末端に導入された官能基Aである、
ことを特徴とするゴム組成物。

【公開番号】特開2008−88435(P2008−88435A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−287125(P2007−287125)
【出願日】平成19年11月5日(2007.11.5)
【分割の表示】特願2006−318884(P2006−318884)の分割
【原出願日】平成5年10月1日(1993.10.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】