説明

溶接作業用治具、溶接方法及びそれらを利用する支持スカート製造方法

【課題】溶接される部材を互いに動かないように、且つ、該部材に損傷を与えないように支持するための技術を提供する。
【解決手段】支持スカート4を構成するスカート部材6同士を引っ張り機構によって互いに引っ張ることで該スカート部材6を保持するために使用される溶接作業用治具(10A、10B)が、引っ張り機構を取り付けるためのフック用穴11と、スカート部材6に取り付けられたアングル7が嵌め込まれる切欠12とを具備する。切欠12は、アングル7に対応する形状を有しており、且つ、面接触もしくは線接触によってアングル7に接触する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接作業用治具、溶接方法及びそれらを利用する支持スカート製造方法に関し、特に、溶接される部材を保持する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大型の金属構造体は、複数の部材を溶接することにより構築される場合がある。例えばLNG(液化天然ガス)を運搬するLNG船であれば、球形のタンクに円筒形の支持スカートが溶接され、その支持スカートがLNG船のファウンデーションデッキに溶接される。支持スカートは、円周方向に並んだ複数のスカート部材を備えており、隣接するスカート部材が溶接されて円筒形の支持スカートが構成される。
【0003】
部材を溶接する場合、溶接される部材を互いに動かないように支持する必要がある。溶接される部材を支持する一つの方法は、当該部材を突き合わせた状態にして引っ張り機構によって当該部材を互いに引っ張ることである。例えば、クランプで溶接される各部材を把持し、そのクランプをレバーブロックによって互いに引っ張ることにより、溶接される部材を互いに支持することができる。特開昭60−190789号公報、特開昭61−51481号公報は、部材を引っ張るために使用されるクランプの構造を開示している。
【0004】
特に強力な引っ張り力を作用させる場合には、クランプが部材を挟む込む把持力を増大させる必要性が生じるが、その一方で、把持力を増大させると、クランプに挟まれた部材にキズが付く場合がある。クランプに挟まれた部材にキズが付くと、手直し(例えば、キズ部分の溶接)が必要になる場合があり、これは、作業時間の増加を招くため好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭60−190789号公報
【特許文献2】特開昭61−51481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、溶接される部材を互いに動かないように、且つ、該部材に損傷を与えないように支持するための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の観点では、溶接される溶接部材同士を引っ張り機構によって互いに引っ張ることで溶接部材を保持する溶接作業用治具が提供される。当該溶接作業用治具は、引っ張り機構を取り付けるための取り付け構造と、溶接部材の嵌め込み部分に嵌め込まれる切欠とを具備する。切欠は、嵌め込み部分に対応する形状を有しており、且つ、面接触もしくは線接触によって溶接部材に接触する。
【0008】
当該溶接作業用治具は、該溶接作業用治具を溶接部材の嵌め込み部分に仮に固定するための仮固定構造を有していることが好ましい。一実施形態では、仮固定構造は、嵌め込み部分に当接するための当接部材と、当接部材を保持する保持部材とを備えている。当接部材には雄ネジが形成され、保持部材には該雄ネジと螺合する雌ネジが形成され、当接部材が特定方向に回転されると当接部材が嵌め込み部分に当接される。
【0009】
一実施形態では、切欠は、嵌め込み部分の切欠に対向する面と当接される当接面を有している。
【0010】
本発明の他の観点では、溶接方法において、上記の溶接作業用冶具が使用される。当該溶接方法は、溶接作業用治具を溶接部材の嵌め込み部分に取り付ける工程と、溶接作業用治具に引っ張り機構を取り付ける工程と、溶接作業用治具同士に引っ張り機構を用いて引っ張ることで溶接部材を保持する工程と、溶接部材が保持された状態で溶接部材を溶接する工程とを備えている。
【0011】
該溶接作業用治具に仮固定構造が設けられている場合、溶接作業用治具を溶接部材の嵌め込み部分に取り付ける工程において、溶接作業用治具が仮固定構造を用いて嵌め込み部分に仮に固定されることが好ましい。
【0012】
一実施形態では、嵌め込み部分が、溶接部材の本体部分に接合された根元部分と、根元部分の先端に取り付けられ、根元部分と異なる方向に延伸する補強部分とを備えている。この場合、根元部分の一部分に、補強部分が設けられず、溶接作業用治具は、嵌め込み部分の根元部分の一部分から嵌め込まれることが好ましい。
【0013】
本発明の他の観点においては、LNGを蓄積する球形タンクの支持スカートを製造する製造方法が提供される。当該製造方法は、補強部材が取り付けられた複数のスカート部材に引っ張り機構を取り付けるための取り付け構造と補強部分が嵌め込まれる切欠とを備える溶接作業用治具を取り付ける工程と、溶接作業用治具に、引っ張り機構を取り付ける工程と、溶接作業用治具同士を、引っ張り機構を用いて引っ張ることにより、隣接するスカート部材を保持する工程と、隣接するスカート部材が保持された状態で隣接するスカート部材を溶接する工程とを備えている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、溶接される部材を互いに動かないように保持し、且つ、該部材に損傷を与えないように支持するための技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態におけるLNG船の構造の一例を示す側面図である。
【図2】本発明の一実施形態における船倉の構造を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態における支持スカートの構造を示す側面図である。
【図4】本発明の一実施形態における支持スカートの構造を示す断面図である。
【図5】本発明の一実施形態におけるアングルの下端部の構造を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態における溶接方法を示す概念図である。
【図7】本発明の一実施形態における溶接作業用治具の構造を示す平面図である。
【図8】本発明の他の実施形態における溶接作業用治具の構造を示す平面図である。
【図9】本発明の更に他の実施形態における溶接作業用治具の構造を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態では、本発明の溶接作業用治具及び溶接方法が、LNG船の球形タンクを支持する支持スカートの溶接に適用される。以下では、まず、LNG船、球形タンク、及び、支持スカートの構造について説明する。
【0017】
図1は、LNG船の構造の一例を示す側面図である。LNG船1の船体2には、船倉が設けられており、該船倉に複数の球形タンク3が収容されている。球形タンク3は、LNG(液化天然ガス)を蓄積するためのタンクである。球形タンク3の上方は、タンクカバー2aによって覆われる。
【0018】
図2は、船体2に設けられた船倉の構造を示す断面図である。球形タンク3の赤道部に、円筒状の支持スカート4の上端が溶接され、支持スカート4の下端がファウンデーションデッキ5に溶接されている。
【0019】
図3〜図5は、支持スカート4の構造を示す図である。詳細には、図3は、支持スカート4の側面図であり、図4は、支持スカート4を水平面で切断した断面図で有り、図5は、支持スカート4を鉛直面で切断した時の断面図である。図3を参照して、支持スカート4は、円周方向に並んだ複数のスカート部材6を備えている。隣接するスカート部材6は、溶接によって接合されている。図4に示されているように、各スカート部材6の外周面には、補強部材としてアングル7が溶接されている。本実施形態では、アングル7は、その断面がL字型であり、根元部分21と補強部分22とを備えている。根元部分21は、支持スカート4の半径方向に延伸する部分であり、スカート部材6に溶接されている。補強部分22は、根元部分21の先端に接合されており、根元部分21と異なる方向、具体的には、支持スカート4の略円周方向に延伸する部分である。アングル7が根元部分21と補強部分22とで構成されていることにより、アングル7の強度が高められている。
【0020】
図5は、支持スカート4の下端部の構造を示す図である。本実施形態では、上述のように、支持スカート4のスカート部材6の下端がファウンデーションデッキ5に溶接されている。そして、スカート部材6の下端の近傍において、アングル7の根元部分21が、斜めに切断されている。その斜めに切断された部分については補強部分22が設けられていない。後述のように、このような構造は、本実施形態の溶接方法において溶接作業用治具をアングル7に取り付けることを容易にする。
【0021】
図6を参照して、本実施形態の溶接方法では、円周方向に隣接するスカート部材6が突合せ溶接によって溶接される。ここで、スカート部材6を溶接するためには、溶接されるスカート部材6を互いに当接させた状態で保持する必要がある。以下では、本実施形態において溶接されるスカート部材6を保持する方法について説明する。なお、以下の説明では、溶接されるスカート部材6の一方を符号6A、他方を符号6Bと記載し、また、スカート部材6Aに接合されているアングル7のうちスカート部材6Bに最近接するものをアングル7Aと記載し、また、スカート部材6Bに接合されているアングル7のうちスカート部材6Aに最近接するものをアングル7Bと記載する。
【0022】
本実施形態では、スカート部材6A、6Bを保持するために、レバーブロック8と溶接作業用治具10A、10Bとが用いられる。レバーブロック8は、レバー本体8aと、フック8b、8cと、ワイヤー8d、8eとを備えた引っ張り機構である。ワイヤー8dの端にフック8bが結合され、ワイヤー8eの端にフック8cが結合されている。
【0023】
溶接作業用治具10A、10Bは、アングル7A、7Bを、レバーブロック8に取り付けるために使用される治具である。一方の溶接作業用治具10Aは、スカート部材6Aのアングル7Aに取り付けられ、溶接作業用治具10Bは、スカート部材6Bのアングル7Bに取り付けられる。
【0024】
図7は、溶接作業用治具10A、10Bの構造を示す平面図である。溶接作業用治具10A、10Bは、フック用穴11(取り付け構造)と切欠12とを有する板状の部材である。フック用穴11は、レバーブロック8のフック8b、8cを取り付けるための構造であり、フック8b、8cをフック用穴11に引っ掛けることにより、溶接作業用治具10A、10Bがレバーブロック8に取り付けられる。切欠12は、溶接作業用治具10A、10Bをアングル7A、7Bに取り付けるための構造である。溶接作業用治具10A、10Bの切欠12をアングル7A、7Bに嵌め込むことにより、溶接作業用治具10A、10Bがアングル7A、7Bに取り付けられる。フック8b、8cがそれぞれ溶接作業用治具10A、10Bに取り付けられた状態でレバー本体8aが操作されると、フック8b、8c、即ち、溶接作業用治具10A、10Bが互いに引っ張られる。これにより、スカート部材6A、6Bが互いに当接されて保持される。
【0025】
続いて、図6を参照しながら、本実施形態の溶接手順について詳細に説明する。まず、溶接作業用治具10A、10Bの切欠12が、それぞれ、アングル7A、7Bに嵌め込まれる。ここで、図6を一見すれば、アングル7A、7Bの補強部分22(即ち、根元部分21の端から円周方向に延伸する部分)の存在が、溶接作業用治具10A、10Bをアングル7A、7Bに取り付けることを阻害するように思われるかもしれない。しかしながら、図5に図示されているように、アングル7A、7Bの下端部には補強部分22が設けられておらず、従って、アングル7A、7Bの下端部から溶接作業用治具10A、10Bの切欠12を嵌め込むことができる。
【0026】
図6に戻り、溶接作業用治具10A、10Bをアングル7A、7Bに取り付けた状態で、レバーブロック8のフック8b、8cが溶接作業用治具10A、10Bのフック用穴11に引っ掛けられる。更に、レバーブロック8が操作されて溶接作業用治具10A、10Bの間に引っ張り力が作用される。これにより、スカート部材6A、6Bが当接されて保持される。スカート部材6A、6Bが当接された状態でスカート部材6A、6Bが突合せ溶接によって溶接される。
【0027】
レバーブロック8によって溶接作業用治具10A、10Bの間に引っ張り力を作用させたとき、溶接作業用治具10A、10Bとアングル7A、7Bとが面接触もしくは線接触で接触していることが重要である。具体的には、溶接作業用治具10A、10Bの間に引っ張り力が作用されると、アングル7Aの根元部分21のアングル7Bに対向する面21aが切欠12の面12b(当接面)に面接触もしくは線接触し、アングル7Bの根元部分21のアングル7Aに対向する面21bが切欠12の面12a(当接面)に面接触もしくは線接触する。スカート部材6A、6Bは相当に大きい重量を有する部材であるから、レバーブロック8によって大きな引っ張り力を作用させる必要性があり、これにより、アングル7A、7Bを損傷させる可能性が生じる。しかしながら、本実施形態では、溶接作業用治具10A、10Bとアングル7A、7Bの間が面接触もしくは線接触で接触しているため、アングル7A、7Bに局所的な力が作用することが防がれ、アングル7A、7Bの損傷を抑制できる。
【0028】
以上に説明されているように、本実施形態では、溶接作業用治具10A、10Bの切欠12がアングル7A、7Bに対応した形状を有し、且つ、アングル7A、7Bと溶接作業用治具10A、10Bとが面接触もしくは線接触によって接触される。これにより、溶接作業用治具10A、10Bを引っ張り機構(レバーブロック8)によって引っ張った場合におけるアングル7A、7Bの損傷が抑制されている。
【0029】
溶接作業用治具10A、10Bをアングル7A、7Bに取り付け、更に、レバーブロック8を溶接作業用治具10A、10Bに取り付ける作業を容易にするためには、溶接作業用治具10A、10Bをアングル7A、7Bに仮固定する仮固定構造が溶接作業用治具10A、10Bに設けられることが好ましい。図8は、そのような仮固定構造の例を示す平面図である。溶接作業用治具10A、10Bは、ナット13とボルト14とを備えている。ナット13には雌ネジが形成され、ボルト14には雄ネジが形成されている。このような仮固定構造において、ナット13はボルト14を保持する保持部材として機能し、ボルト14はアングル7A、7Bに当接される当接部材として機能する。詳細には、溶接作業用治具10A、10Bがアングル7A、7Bに嵌め込まれた状態でボルト14を特定方向(典型的には時計回り方向)に回転させると、ボルト14がアングル7A、7Bに当接される。これにより、溶接作業用治具10A、10Bがアングル7A、7Bに仮固定される。溶接作業用治具10A、10Bが保持されれば十分であるから、ボルト14がアングル7A、7Bに当接される力は弱くても構わない。溶接作業用治具10A、10Bをアングル7A、7Bに仮固定すれば、レバーブロック8のフック8b、8cを溶接作業用治具10A、10Bのフック用穴11に引っ掛ける作業や、レバーブロック8を操作して溶接作業用治具10A、10Bの間に引っ張り力を作用させる作業が容易になり、従来は複数人での作業が必要であったところ、一人での作業も可能となる。また、仮固定構造として例えば電磁チャックや、バネで押圧を加える構造を用いてもよい。
【0030】
アングル7A、7Bの損傷を一層に抑制するためには、切欠12の面のうち、少なくともアングル7A、7Bに当接される面(当接面)が樹脂層15によって被覆されていることが好ましい。図9は、このような構成の溶接作業用治具10A、10Bの例を示す平面図である。図9の溶接作業用治具10A、10Bでは、切欠12の全面が樹脂層15によって被覆されている。これにより、アングル7A、7Bの損傷を一層に抑制することができる。なお、図9の溶接作業用治具10A、10Bにも、上述の仮固定構造を取り付けてもよい。
【0031】
以上には本発明の様々な実施形態が具体的に記述されているが、本発明は上記の実施形態に限定して解釈してはならない。特に本発明は、溶接される溶接部材同士を引っ張り機構によって互いに引っ張ることで溶接部材を保持する場合に一般に適用可能であることに留意されたい。溶接される溶接部材の一部分(嵌め込み部分)に溶接作業用治具を嵌め込み、該溶接作業用治具を引っ張り機構(例えば、レバーブロック)によって引っ張れば、同様の手法により溶接部材を溶接できる。
【0032】
また、上述の実施形態では、支持スカート4の補強部材としてL字型のアングル7が使用されているが、他の形状の補強部材が使用されてもよい。例えば、アングル7の代わりに、T字型の補強部材を用いることができる。この場合、根元部分21と補強部分22とが、補強部分22の中央付近で接合することになる。他の形状の補強部材が使用される場合、その形状に対応した切欠12が溶接作業用治具10A、10Bに設けられる。
【符号の説明】
【0033】
1:LNG船
2:船体
3:球形タンク
4:支持スカート
5:ファウンデーションデッキ
6、6A、6B:スカート部材
7、7A、7B:アングル
8:レバーブロック
8a:レバー本体
8b、8c:フック
8d、8e:ワイヤー
10A、10B:溶接作業用治具
11:フック用穴
12:切欠
12a、12b:面
13:ナット
14:ボルト
15:樹脂層
21:根元部分
21a、21b:面
22:補強部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接される溶接部材同士を引っ張り機構によって互いに引っ張ることで前記溶接部材を保持する溶接作業用治具であって、
前記引っ張り機構を取り付けるための取り付け構造と、
前記溶接部材の嵌め込み部分に嵌め込まれる切欠
とを具備し、
前記切欠は、前記嵌め込み部分に対応する形状を有しており、且つ、面接触もしくは線接触によって前記溶接部材に接触する
溶接作業用治具。
【請求項2】
請求項1に記載の溶接作業用治具であって、
当該溶接作業用治具を前記溶接部材の前記嵌め込み部分に仮に固定するための仮固定構造を有している
溶接作業用冶具。
【請求項3】
請求項2に記載の溶接作業用冶具であって、
前記仮固定構造は、
前記嵌め込み部分に当接するための当接部材と、
前記当接部材を保持する保持部材
とを備え、
前記当接部材には雄ネジが形成され、前記保持部材には、前記雄ネジと螺合する雌ネジが形成され、前記当接部材が特定方向に回転されると前記当接部材が前記嵌め込み部分に当接される
溶接作業用冶具。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の溶接作業用冶具であって、
前記切欠は、前記嵌め込み部分の前記切欠に対向する面と当接される当接面を有している
溶接作業用冶具。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の溶接作業用冶具を使用する
溶接方法。
【請求項6】
請求項5に記載の溶接方法であって、
前記溶接作業用治具を前記溶接部材の前記嵌め込み部分に取り付ける工程と、
前記溶接作業用治具に引っ張り機構を取り付ける工程と、
前記溶接作業用治具同士に前記引っ張り機構を用いて引っ張ることで前記溶接部材を保持する工程と、
前記溶接部材が保持された状態で前記溶接部材を溶接する工程
とを備える
溶接方法。
【請求項7】
請求項2又は3のいずれかに記載の溶接作業用冶具を使用する溶接方法であって、
前記溶接作業用治具を前記溶接部材の前記嵌め込み部分に取り付ける工程と、
前記溶接作業用治具に、引っ張り機構を取り付ける工程と、
前記溶接作業用治具同士を前記引っ張り機構を用いて引っ張ることにより、前記溶接部材を保持する工程と、
前記溶接部材が保持された状態で前記溶接部材を溶接する工程
とを備え、
前記溶接作業用治具を前記溶接部材の前記嵌め込み部分に取り付ける工程において、前記溶接作業用治具が前記仮固定構造を用いて前記嵌め込み部分に仮に固定される
溶接方法。
【請求項8】
請求項5乃至7のいずれかに記載の溶接方法であって、
前記嵌め込み部分は、
前記溶接部材の本体部分に接合された根元部分と、
前記根元部分の先端に取り付けられ、前記根元部分と異なる方向に延伸する補強部分
とを備え、
前記根元部分の一部分には、前記補強部分が設けられておらず、
前記溶接作業用治具は、前記嵌め込み部分の前記根元部分の前記一部分から嵌め込まれる
溶接方法。
【請求項9】
LNGを蓄積する球形タンクの支持スカートを製造する製造方法であって、
補強部材が取り付けられた複数のスカート部材に引っ張り機構を取り付けるための取り付け構造と前記補強部分が嵌め込まれる切欠とを備える溶接作業用治具を取り付ける工程と、
前記溶接作業用治具に、引っ張り機構を取り付ける工程と、
前記溶接作業用治具同士を、前記引っ張り機構を用いて引っ張ることにより、隣接する前記スカート部材を保持する工程と、
隣接する前記スカート部材が保持された状態で隣接する前記スカート部材を溶接する工程
とを備える
支持スカート製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−76087(P2012−76087A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−220899(P2010−220899)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.レバーブロック
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】