説明

溶液製膜方法

【課題】 回収溶剤から発生する溶剤ガスを吸脱着処理して系外への排出を防ぐ。
【解決手段】 ドープ12を流延ダイ15から流延して軟性膜25として剥ぎ取る。テンタ式乾燥機26で乾燥させてフィルム27とする。フィルム27を乾燥室31でさらに乾燥させた後に巻取機32で巻き取る。流延室28内の揮発溶剤は凝縮回収設備40で回収する。乾燥室31内の揮発溶剤は主吸着回収設備50で回収する。いずれの回収溶媒も、蒸留塔42で蒸留して各成分毎にストックタンク70,71で貯蔵する。タンク70,71から発生する揮発溶媒は主吸着回収設備50に送風して吸着回収する。主吸着回収設備50の運転停止時には真空ポンプ89で作動する副吸着回収設備80に送風して吸着回収処理する。ボイラを用いる主吸着回収設備50を停止している際にもフィルム製膜設備10からの溶剤排出を防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶液製膜方法に関し、より詳しくはフィルム製膜時に発生する溶剤ガスを回収再利用する溶液製膜方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
セルロースアシレート、特に57.5%〜62.5%の平均酢化度を有するセルローストリアセテートから形成されているフィルム(以下、TACフィルムと称する)は、その強靭性と難燃性とから写真感光材料のフィルム用支持体として利用されている。また、TACフィルムは光学等方性に優れていることから、近年市場の拡大している液晶表示装置の偏光板の保護フィルム、光学補償フィルム(例えば、視野角拡大フィルム)などに用いられている。
【0003】
TACフィルムは、通常溶液製膜法により製造されている。溶液製膜法は、溶融製膜法などの他の製造方法と比較して、光学的性質などの物性に優れたフィルムを製造することができる。溶液製膜方法は、ポリマーをジクロロメタンや酢酸メチルを主溶剤とする混合溶剤に溶解した高分子溶液(以下、ドープと称する)を調製する。そのドープを流延ダイより支持体上に流延して流延膜を形成する。その流延膜が支持体上で自己支持性を有するものとなった後に、支持体から膜(以下、この膜を軟性膜と称する)として剥ぎ取り、テンタ式乾燥機や多数のローラを備えている乾燥室で乾燥させた後にフィルムとして巻き取る(非特許文献1参照。)。
【0004】
前記溶液製膜方法では、溶剤(溶媒)を多量に使用するが、大気汚染を抑制する目的及び溶剤の再利用によるコストの低減を目的に溶剤を系外に排出しない吸着回収設備を用いている。回収された溶剤はタンク(以下、ストックタンクと称する)に貯蔵される。また、ストックタンクとドープが入れられているタンク(以下、ミキシングタンクと称する)同士の溶剤のやり取りや、ストックタンク内の溶剤の蒸発に伴いタンク内が加圧される。なお、蒸発した溶剤を含むガスを以下の説明において溶剤ガスと称する。
【0005】
ストックタンクの破裂を抑制するために溶剤ガスを系外に排出する必要がある。その1つの方法として、ストックタンクから吸着回収設備までベントガス配管を設け、溶剤ガスを吸着回収する方法がある。これは専用の吸着回収設備を用いても良いし、フィルムを製造する際に乾燥室に取り付けられている吸着回収設備でも良い。これらの場合において溶剤ガスの吸着回収設備は、ボイラ設備で発生させた水蒸気を脱着源とする方式が広く用いられている。しかしながら、定期修繕期などで水蒸気を供給するボイラ設備を止める期間は、吸着回収設備を運転できず、溶剤ガスの回収ができない。なお、溶剤ガスは高濃度、小風量であるため一時的に吸着剤に吸着させ、フィルム製膜再開時に脱着処理する方法を適用することができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【非特許文献1】発明協会公開技報公技番号2001−1745号
【特許文献1】特開2000−300943号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記特許文献1に記載の方法では、吸着剤に溶剤を長時間保持することになり、発熱・着火の危険がある。また、専用の吸着回収設備を用いる方法は、水蒸気を発生するボイラを運転する必要があり、高濃度、小風量の溶剤ガスを吸着回収処理する方法としては、コスト高の原因となる。さらに、ボイラを保守管理する際には、水蒸気の発生を止める必要がある。その間に、溶剤ガスの吸着回収処理を行うためにはボイラの予備をも設置しておく必要があり、コスト高の原因となる。
【0008】
本発明の目的は、溶剤ガスの吸着処理回収を連続して行いつつ、フィルム製膜設備外に溶剤の排出を抑制し環境汚染を防止すると共に溶剤再利用率を向上させることでコストの低減を図ることも可能とする溶液製膜方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の溶液製膜方法は、ポリマーと溶剤とを含むドープを支持体上に流延して、フィルムとして剥ぎ取った後に乾燥部で乾燥を行うと共に前記ドープを流延した後に発生する前記溶剤の揮発成分を容器に回収して前記ドープの原料として再利用する溶液製膜方法において、前記乾燥部中の大気の溶剤揮発成分を第1吸着材で吸着回収する第1吸着回収手段と、前記容器中の溶剤から揮発する溶剤揮発成分を第2吸着材で吸着回収する第2吸着回収手段とを用い、前記第1吸着材に吸着された溶剤揮発成分と、前記第2吸着材に吸着された溶剤揮発成分とを脱着する方法が異なる。
【0010】
前記第1吸着材に吸着された溶剤揮発成分を脱着する方法が水蒸気を供給する方法であり、前記第2吸着材に吸着された溶剤揮発成分を脱着する方法が前記第2吸着材を加熱する方法であることが好ましい。前記第2吸着材を電気ヒータで加熱することがより好ましい。
【0011】
前記第2吸着材に吸着された溶剤揮発成分を減圧して脱着させることが好ましい。前記第1吸着回収手段を保守管理している間、前記容器から発生する溶剤揮発成分を第2吸着回収手段で吸着回収し、脱着させて前記溶剤を液化し、前記ドープの原料として再利用することが好ましい。前記第1吸着回収手段が停止している間、前記乾燥部中の大気の揮発溶媒成分を前記第2吸着回収手段の吸着材に吸着させることが好ましい。
【0012】
前記容器の温度を前記容器に貯蔵されている溶剤の沸点又は複数の溶剤からなる混合溶剤の場合には沸点が最も溶剤の沸点よりも10℃以上低くすることが好ましい。前記容器の液温及び気温の温度の変動幅を10℃以内に調整することが好ましい。
【0013】
前記ポリマーがセルロースアシレートであることが好ましく、より好ましくはセルロースアセテートであり最も好ましくはセルローストリアセテートである。前記溶剤が複数の溶剤を含む混合溶剤であって、その主溶剤がジクロロメタン,酢酸メチルのいずれかであることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の溶液製膜方法によれば、ポリマーと溶剤とを含むドープを支持体上に流延して、フィルムとして剥ぎ取った後に乾燥部で乾燥を行うと共に前記ドープを流延した後に発生する前記溶剤の揮発成分を容器に回収して前記ドープの原料として再利用する溶液製膜方法において、前記乾燥部中の大気の溶剤揮発成分を第1吸着材で吸着回収する第1吸着回収手段と、前記容器中の溶剤から揮発する溶剤揮発成分を第2吸着材で吸着回収する第2吸着回収手段とを用い、前記第1吸着材に吸着された溶剤揮発成分と、前記第2吸着材に吸着された溶剤揮発成分とを脱着する方法が異なるから、溶剤揮発成分量に適した方法で脱着を行うため、コストの低下を図ることができる。
【0015】
本発明の溶液製膜方法によれば、ポリマーと溶剤とを含むドープを支持体上に流延して、フィルムとして剥ぎ取った後に乾燥部で乾燥を行うと共に前記ドープを流延した後に発生する前記溶剤の揮発成分を容器に回収して前記ドープの原料として再利用する溶液製膜方法において、前記乾燥部中の大気の溶剤揮発成分を第1吸着材で吸着回収する第1吸着回収手段と、前記容器中の溶剤から揮発する溶剤揮発成分を第2吸着材で吸着回収する第2吸着回収手段とを用い、前記第1吸着材に吸着された溶剤揮発成分を脱着する方法が水蒸気を供給する方法であり、前記第2吸着材に吸着された溶剤揮発成分を脱着する方法が前記第2吸着材を加熱する方法であり、前記第1吸着回収手段を保守管理している間、前記容器から発生する溶剤揮発成分を第2吸着回収手段で吸着回収し、脱着させて前記溶剤を液化し、前記ドープの原料として再利用するから、前記フィルムの製膜を行っていない際にも低コストで溶剤の回収が可能となり、大気中への前記溶剤の放出を防止できる。
【0016】
本発明の溶液製膜方法によれば、ポリマーと溶剤とを含むドープを支持体上に流延して、フィルムとして剥ぎ取った後に乾燥部で乾燥を行うと共に前記ドープを流延した後に発生する前記溶剤の揮発成分を容器に回収して前記ドープの原料として再利用する溶液製膜方法において、前記乾燥部中の大気の溶剤揮発成分を第1吸着材で吸着回収する第1吸着回収手段と、前記容器中の溶剤から揮発する溶剤揮発成分を第2吸着材で吸着回収する第2吸着回収手段とを用い、前記第1吸着材に吸着された溶剤揮発成分を脱着する方法が水蒸気を供給する方法であり、前記第2吸着材に吸着された溶剤揮発成分を脱着する方法が前記第2吸着材を加熱する方法であり、前記第1吸着回収手段が停止している間、前記乾燥部中の大気の揮発溶媒成分を前記第2吸着回収手段の吸着材に吸着させることで、第1吸着回収手段にトラブルが生じたときでも、乾燥部中の大気の溶剤揮発成分を回収することができ、系外への揮発溶剤の放出を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(原料)
セルロースアシレートは、セルロースの水酸基への置換度が下記式(I)〜(III)の全てを満足するセルロースアシレートを用いることが好ましい。以下、下記の式を満たすものをTACと称する。
(I) 2.5≦A+B≦3.0
(II) 0≦A≦3.0
(III) 0≦B≦2.9
但し、式中A及びBは、セルロースの水酸基に置換されているアシル基の置換度を表わし、Aはアセチル基の置換度、またBは炭素原子数3〜22のアシル基の置換度である。なお、TACの90質量%以上が0.1mm〜4mmの粒子を用いることが好ましい。
【0018】
ドープを調製する溶剤としては、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン,トルエンなど)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン,クロロベンゼンなど)、アルコール(例えば、メタノール,エタノール,n−プロパノール,n−ブタノール,ジエチレングリコールなど)、ケトン(例えば、アセトン,メチルエチルケトンなど)、エステル(例えば、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸プロピルなど)及びエーテル(例えば、テトラヒドロフラン,メチルセロソルブなど)などが挙げられる。
【0019】
炭素原子数1〜7のハロゲン化炭化水素が好ましく用いられ、ジクロロメタンが最も好ましく用いられる。TACの溶解性、流延膜の支持体からの剥ぎ取り性、フィルムの機械的強度及びフィルムの光学特性などの物性の観点から、ジクロロメタンの他に炭素原子数1〜5のアルコールを1種ないし数種類混合することが好ましい。アルコールの含有量は、溶剤全体に対し2質量%〜25質量%が好ましく、5質量%〜20質量%がより好ましい。アルコールの具体例としては、メタノール,エタノール,n−プロパノール,イソプロパノール,n−ブタノールなどが挙げられるが、メタノール,エタノール,n−ブタノールあるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。
【0020】
最近、環境に対する影響を最小限に抑えるため、ジクロロメタンを用いない溶剤組成も知られている。例えば、炭素原子数が4〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステルが好ましく、これらを適宜混合して用いる。これらのエーテル、ケトン及びエステルは、環状構造を有していても良い。エーテル、ケトン及びエステルの官能基(すなわち、−O−,−CO−及び−COO−)のいずれかを2つ以上有する化合物も溶剤として用いることができる。溶剤は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していても良い。2種類以上の官能基を有する溶剤の場合、その炭素原子数は、いずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であれば良い。
【0021】
セルロースアシレートの詳細については、特願2004−264464号の[0140]段落から[0195]段落に記載されている。これらの記載は本発明にも適用できる。また、溶剤及び可塑剤,劣化防止剤,紫外線吸収剤,光学異方性コントロール剤(レターデーション制御剤),染料,マット剤,剥離剤などの添加剤は、同じく特願2004−264464号の[0196]段落から[0516]段落に詳細に記載されている。
【0022】
(ドープの調製)
前記ポリマー及び添加剤を前記溶剤に入れた後に、公知のいずれかの溶解方法により溶解させドープを調製する。このドープはろ過により異物を除去することが一般的である。ろ過にはろ紙,濾布,不織布,金属メッシュ,焼結金属,多孔板などの公知の各種ろ材を用いることが可能である。ろ過することにより、ドープ中の異物などを除去することができる。そのドープを用いて製膜されるフィルムは欠陥を軽減することができる。
【0023】
また、一度溶解したドープを加熱して、さらに溶解度の向上を図ることもできる。加熱には静置したタンク内で攪拌しながら方法が知られている。さらには、多管式熱交換器や静止型混合器付きジャケット配管などの各種熱交換器を用いてドープを移送しながら加熱する方法もある。また、加熱工程の後に冷却工程を行うことも溶解性を向上させるうえで有効な方法である。また、加熱装置の内部を加圧することで、ドープの溶剤の沸点以上に加熱することも可能である。これらの加熱処理を行なうことで、溶質の溶解性を向上させることができ、ドープのろ過の負荷軽減や製膜されたフィルム中の異物の減少を図ることができる。
【0024】
ドープを調製する際の、素材,原料,添加剤の溶解方法,ドープなどの濾過方法,脱泡、添加剤の添加方法については、特願2004−264464号の[0517]段落から[0616]段落に詳しく記載されている。それら記載も本発明に適用できる。
【0025】
(溶液製膜方法)
溶液製膜方法について、ポリマーにTACを用いた例を示して説明するが、本発明に用いられるポリマーはTACに限定されるものではない。図1に本発明に係る溶液製膜方法に用いられるフィルム製造設備10を示す。ミキシングタンク11内には調整されたドープ12が入れられている。ドープ12を攪拌するための攪拌翼13がミキシングタンク11に備えられている。ドープ12は、ポンプ14により流延ダイ15に送液される。なお、途中にろ過装置16を設けてドープ12のろ過を行うことが好ましい。
【0026】
流延ダイ15の下方にはローラ20,21に掛け渡された流延バンド22が設けられている。流延バンド22は、図示しない駆動装置によりローラ20,21が回転するのに伴って無端で走行する。流延ダイ15からドープ12を流延バンド22上に流延して流延膜23を形成する。流延バンド22上で流延膜23が自己支持性を有するものとなった後に剥取ローラ24で支持しながら軟性膜25として流延バンド22から剥ぎ取る。軟性膜25はテンタ式乾燥機26により流延幅方向に延伸,緩和されながら乾燥されてフィルム27となる。なお、剥取ローラ24とテンタ式乾燥機26との間に多数のローラを設けて、各ローラの回転速度を調整することで流延方向に延伸を付与することもできる。流延ダイ15,流延バンド22及びテンタ式乾燥機26などは流延室28に設けられている。流延室28内でドープ12から発生した揮発溶剤の処理方法については後に詳細に説明する。
【0027】
フィルム27は、多数のローラ30を備えている乾燥室31に搬送される。フィルム27は、多数のローラ30に巻き掛けられながら搬送されつつ乾燥される。乾燥室31内の温度は、特に限定されるものではないが50℃〜150℃の範囲であることが好ましい。乾燥室31から搬送されたフィルム27は、巻取機32で巻き取られる。なお、乾燥室31から巻取機32で巻き取られる間に、除電装置を設けて、フィルム27の帯電圧を制御することが、巻き取り時の密着を抑制するために好ましい。また、ナーリング付与装置を設け、フィルム27の両縁をエンボス加工を施すと、巻き取りを良好に行えるために好ましい。さらに、耳切装置を設けて、フィルムの両縁を切断することで巻き取り不良を抑制できると共にフィルムロールとして保存する際に商品価値が減じることが抑制される。なお、乾燥室31内の揮発溶剤の回収については、後に詳細に説明する。
【0028】
巻き取られるフィルム27は、長手方向(流延方向)に少なくとも100m以上とすることが好ましい。また、流延幅方向が600mm以上であることが好ましく、1400mm以上1800mm以下のあることがより好ましい。また、1800mmよりも広い場合にも適用可能である。フィルム27の厚みは、15μm以上100μm以下の薄いフイルムを製造する際にも適用できる。
【0029】
なお、流延方法は図1に示されているように単層流延に本発明は限定されるものではない。2種類以上のドープを同時積層共流延又は逐次積層共流延させる方法を行っても良い。また、両共流延法を組み合わせても良い。同時積層共流延を行う際には、フィードブロックを取り付けた流延ダイを用いても良いし、マルチマニホールド型流延ダイを用いても良い。共流延により多層からなるフィルムは、空気面側の層の厚さ及び/又は支持体面側の層の厚さがそれぞれ全体のフィルム厚さ中で0.5%〜30%であることが好ましい。
【0030】
流延ダイ、支持体などの構造、流延方法(単層、フィードブロック及び/又はマルチマニホールドを用いる共流延)、流延膜の剥離法、延伸、各工程の乾燥条件、ハンドリング方法、カール及び/又は平面性矯正後の巻き取り方法、溶剤回収方法、フィルム回収方法については、特願2004−264464号の[0617]段落から[0889]段落に詳しく記述されている。これらの記載も本発明に適用できる。
【0031】
[性能・測定法]
(カール度・厚み)
巻き取られたセルロースアシレートフィルムの性能及びそれらの測定法は、特願2004−264464号の[0112]段落から[0139]段落に記載されている。これらも本発明にも適用できる。
【0032】
[表面処理]
前記セルロースアシレートフィルムの少なくとも一方の面が表面処理されていることが好ましい。前記表面処理が真空グロー放電処理、大気圧プラズマ放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、火炎処理、酸処理またはアルカリ処理の少なくとも一種であることが好ましい。
【0033】
[機能層]
(帯電防止・硬化層・反射防止・易接着・防眩)
前記セルロースアシレートフィルムの少なくとも一方の面が下塗りされていても良い。
【0034】
さらに前記セルロースアシレートフィルムをベースフィルムとして、他の機能性層を付与した機能性材料として用いることが好ましい。前記機能性層が帯電防止層、硬化樹脂層、反射防止層、易接着層、防眩層及び光学補償層から選択される少なくとも1層を設けることが好ましい。
【0035】
セルロースアシレートフィルムに、種々様々な機能、特性を実現するための表面処理機能性層の付与方法は、特願2004−264464号の[0890]段落から[1087]段落に詳細な条件、方法も含めて記載されている。これらも本発明に適用できる。
【0036】
(用途)
前記セルロースアシレートフィルムは、特に偏光板保護フィルムとして有用である。セルロースアシレートフィルムを偏光子に貼り合わせた偏光板を、液晶層に通常は2枚貼って液晶表示装置を作製する。ただし、液晶層と偏光板との配置は限定されるものではなく、公知の各種配置とすることができる。特願2004−264464号には、液晶表示装置として、TN型,STN型,VA型,OCB型,反射型、その他の例が詳しく記載されている。この方法は、本発明にも適用できる。また、同出願には光学的異方性層を付与した、セルロースアシレートフィルムや、反射防止、防眩機能を付与したセルロースアシレートフィルムについての記載もある。更には適度な光学性能を付与し二軸性セルロースアシレートフィルムとして光学補償フィルムとしての用途も記載されている。これは、偏光板保護フィルムと兼用して使用することもできる。これらの記載は、本発明にも適用できる。特願2004−264464号の[1088]段落から[1265]段落に詳細が記載されている。
【0037】
また、本発明の製造方法により光学特性に優れるセルローストリアセテートフィルム(TACフィルム)を得ることができる。前記TACフィルムは、偏光板保護フィルムや写真感光材料のベースフィルムとして用いることができる。さらにテレビ用途などの液晶表示装置の視野角依存性を改良するための光学補償フィルムとしても使用可能である。特に偏光板の保護膜を兼ねる用途に効果的である。そのため、従来のTNモードだけでなくIPSモード、OCBモード、VAモードなどにも用いられる。また、前記偏光板保護膜用フィルムを用いて偏光板を構成しても良い。
【0038】
(流延室の揮発溶剤処理)
流延室28内の大気には多量の揮発溶剤が含まれている。すなわち、流延膜23及び軟性膜25は、乾燥初期段階であるため、多量の有機溶剤を含んでいる。そこで、凝縮回収設備40により揮発溶剤を除去する。凝縮回収設備40は、送風機,熱交換器,凝縮器などを備えている(いずれも図示しない)。送風機により流延室28内の大気(以下、流延室大気と称する)を熱交換器に送風する。熱交換器では後述する低温の乾燥風と熱交換がなされ、流延室大気の温度は下がる。流延室大気は、例えば−15℃〜+5℃に冷却されている凝縮器に送風されて揮発溶剤は、凝縮液化し溶剤41となる。溶剤41は、蒸留塔42に送液され後の処理工程が行われる。この処理工程については後にまとめて説明する。また、揮発溶剤が除去された流延室大気は、乾燥風として流延室28に再度送風される。この際に、前述した流延室大気と熱交換器により熱交換を行い温度を上昇させる。この熱交換により乾燥風としての温度まで上昇しないときには、加熱機により所望の温度(例えば、40℃〜180℃)に調整された後に流延室28に乾燥風として送風される。
【0039】
(乾燥室の揮発溶剤処理)
乾燥室31内の大気(以下、乾燥室大気と称する)にも揮発溶剤が含まれている。乾燥室31におけるフィルム27の乾燥は乾燥が進行しているために、揮発有機の他に可塑剤などの添加剤が流延室大気よりも多量に含まれている。そのため、流延室大気とは別体の回収設備(以下、主吸着回収設備と称する)50を用いて乾燥室大気中の揮発成分を除去する。
【0040】
乾燥室大気を主吸着回収設備50により処理する。送風機51を用いて乾燥室31の大気を送り出す。熱交換器52により乾燥風と熱交換を行い、乾燥室大気の温度を低下させる。その後に複数の吸着槽53,54のいずれか一方に乾燥室大気を送風する。乾燥室大気中の揮発成分を吸着槽53,54の吸着剤に吸着させる。揮発成分を除去した乾燥室大気を乾燥風として乾燥室31に送風する。乾燥室大気を温調機55で所望の温度に調整した後に熱交換器52で乾燥室大気と熱交換を行い、50℃〜180℃の乾燥風として流延室31に送風する。
【0041】
揮発成分の吸着に用いていない吸着槽53,54の一方にはボイラ(図示しない)で発生させた水蒸気56を下流側から供給する。揮発成分を含有した水蒸気は、凝縮器57に送られ凝縮液化される。その後に液を溶剤処理装置58に送液する。溶剤処理装置58により溶剤59と廃液60とに分離する。廃液60は廃液処理がなされた後に廃棄される。また、溶剤59は、蒸留塔42に送液される。
【0042】
蒸留塔42により溶剤の各成分毎に分留されてそれぞれのストックタンク70,71に送液される。ストックタンク70,71には攪拌翼72,73が備えられている。溶剤74,75を貯蔵中に気体が含有しないように攪拌しておくことが好ましい。溶剤74,75は、ミキシングタンク11に送液されてドープ12の調製用溶剤として再利用することがコストの点から有利である。
【0043】
(ストックタンクの揮発溶剤処理)
溶剤74,75は、ストックタンク70,71内に貯蔵されている間にその一部が揮発する。揮発溶剤によりストックタンク70,71内は加圧状態になる。各ストックタンク70,71と主吸着回収設備50とをベントガス配管76,77で接続する。溶液製膜時には、揮発した溶剤ガスを主吸着回収設備50に送風することで、ストックタンク70,71の圧力を一定圧力の範囲(例えば、大気圧±2000Pa以内、より好ましくは大気圧±300Pa以内)となるように調整できる。なお、ベントガス配管76,77にはアトモス弁78を取り付けることが好ましい。
【0044】
主吸着回収設備50は、乾燥室31より排出される溶剤ガスと、溶剤移液に伴う溶剤ガスとを大気に放出しないような構成となっている。フィルム27の製膜を休止している間は、主吸着回収設備50も停止する。このときには乾燥室31からの溶剤ガス排出及び溶剤74,75移液に伴う溶剤ガス発生がなくなる。しかしながら、気温の変化に伴う溶剤の蒸発は発生し、ストックタンク70,71内は、加圧状態となる。そこで、ストックタンク70,71の破損を防ぐため、溶剤ガスを系外へ排出する必要がある。通常は、溶剤ガスは前述したよう主に吸着回収設備50内に送風することで処理している。しかしながら、フィルム製造を中止しているときにストックタンク70,71内の溶剤ガスを処理するためだけに主吸着回収設備50を運転しておくことは、コストの点から不利となる。また、主吸着回収設備50を保守点検を行う際には、揮発している溶剤ガスを主吸着回収設備50に送風することができなくなる。この場合には、溶剤ガスは他の吸着設備を運転することで吸着回収を行う。しかしながらこの方法も、ボイラを止める定期修繕期間は運転することができない。また、主吸着回収設備50も定期修繕が必要であり、運転停止を余儀なくされる期間が生じる。
【0045】
そこで、ベントガス配管76,77を副吸着回収設備80に接続する。副吸着回収設備80は、水蒸気を使わず、電気により運転される真空ポンプにより吸脱着処理を行う。主吸着回収設備50の運転を停止、またはボイラの運転を停止している際には副吸着回収設備80によりストックタンク70,71内で蒸発する溶剤ガスの回収を行う。なお、ボイラ設備により発電してフィルム製造設備10に電気を供給している場合でも、ボイラが止まったときにも運転できるように、一般の電力会社から供給される電気を副吸着回収設備80で使用することが好ましい。
【0046】
ベントガス配管76,77に3方バルブ82が取り付けられている。3方バルブ82のバルブの選択により溶剤ガスの処理設備を主吸着回収設備50を用いるか、副吸着回収設備80を用いるかを選択する。副吸着設備80を用いる際には、吸引ポンプ81を運転させて溶剤ガスを3方バルブ82,切替機83を通して副吸着回収設備80に吸引する。その後に凝縮器84に溶剤ガスを通過させる。凝縮器84により溶剤ガス中に含まれている溶剤成分が液化する。この溶剤85を蒸留塔42に送液して、各成分に分留されて対応するストックタンク70,71に送液されて貯蔵される。なお、凝縮器84の出口温度は0℃〜30℃の範囲とすることが後に説明する吸着槽における吸着負荷が軽減でき好ましい。
【0047】
凝縮器84で凝縮液化しない成分は、切替機86を介して吸着槽87,88のいずれか一方に送風される。図1では、吸着槽87で吸着回収している形態を示している。吸着槽87で吸着成分が吸着された溶剤ガスは切替機83に送風され再度凝縮器84に送風される。これにより溶剤ガスが副吸着回収設備80外に排出されることが無く、環境保全の点から好ましい。なお、吸着槽87,88に充填されている吸着剤には、活性炭,シリカゲル,ゼオライトなどを用いることが好ましい。
【0048】
吸着槽88は、吸着槽87で溶剤ガスを吸着回収する前に吸着回収を行っていたものである。吸着槽88に吸着している成分は、切替機86を介して真空ポンプ89で真空にすることで脱着を行う。脱着したガス(以下、脱着ガスと称する)を凝縮器90に送風することで、脱着ガス中の揮発成分が凝縮液化して溶剤91となる。この溶剤91を蒸留塔42に送液して各成分に分留した後にそれぞれ対応するストックタンク70,71に送液して貯蔵する。なお、真空ポンプ89で真空度を1Pa〜10Paの範囲とすることが好ましい。また、真空ポンプ89が誤動作してもストックタンク70,71内を直接吸引することが無いように副吸着回収設備80の上流側に開放点92を取り付けておくことが好ましい。
【0049】
吸着槽87,88にはヒータ93,94を取り付けておくことが好ましい。真空脱着する際に、ヒータ93,94で吸着槽87,88を加熱することで、各吸着槽87,88の吸着剤から吸着成分の脱離を容易にする。ヒータには電気ヒータを用いることが好ましい。ヒータ93,94による加熱温度は特に限定されるものではない。しかしながら、真空ポンプ89による真空脱着を容易にするため100℃〜200℃の範囲とすることが好ましい。また、真空脱着を行う際に吸着槽88の他端は副吸着回収設備80の一部(図1では切替機83)に接続していることが好ましい。これにより、系外の大気の吸入が防止されて吸着槽88の吸着負荷を軽減することができる。
【0050】
ストックタンク70,71の容積、溶剤ストック量と、ストックタンク70,71内の温度変化から、蒸発、体積膨張により発生する溶剤ガス量を求め、副吸着回収設備80の規模を好ましいものとする。ストックタンク70,71に保温材を取り付ける構造とすることが好ましい。また、冷却ジャケット構造にして冷却水を流したり、ストックタンクの外側から散水したりして、ストックタンク内の液温、気温を下げることが好ましい。より好ましくはストックタンク70,71に貯蔵されている溶剤の沸点よりも10℃以上下げることにより、溶剤の蒸発量を抑制することで、副吸着回収設備80の規模を小さくすることができる。タンク内温度を低下させる方法には、タンク外側からの散水、タンクをジャケット構造として、外側ジャケット部に井水、冷水などの冷媒を通水する方法もあるが、水を使用することでコスト高になる。特にタンク外側に散水すると、藻・カビなどが発生し、美観を損ねる場合もある。そこで、ジャケット,コイルクーラーなどによりストックタンク70,71の温度を低下させることが好ましい。
【0051】
また、3方バルブ82のバルブ位置の選択により乾燥室31の大気の溶剤ガスの吸着回収処理を行うこともできる。これは、例えばボイラの定期点検などで運転停止を行う際に、一時的に乾燥室31中の溶剤ガスを副吸着回収設備80により吸着回収処理を行うことで、主吸着設備の配管変更、ボイラの変更などを行うことができる。この場合、副吸着回収設備80の溶剤ガス処理能力は、主吸着回収設備50と同等のものが用いられる。
【実施例1】
【0052】
以下、実施例1を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれらに限定されるものではない。実施例1では、水蒸気を必要としないPSA型(圧力スイング吸着型)吸着設備をフィルム製造設備10に副吸着回収設備80として取り付けた。2個のストックタンク70,71をベントガス配管76,77で接続し、3方バルブ82により主吸着回収設備50と副吸着回収設備80とに接続した。ストックタンク70には保温材を巻き、貯蔵溶剤の主成分であるジクロロメタンの沸点40℃よりも10℃低い、30℃以下に維持した。
【0053】
フィルム27の製膜は、TAC重量が19重量%、溶媒(ジクロロメタン:メタノール:1−ブタノール=320:83:3(重量比))及び可塑剤などを含むドープ12を用いた。製膜速度は、35m/minとし流延幅は1800mm、厚みは80μmとなるように製膜を行った。フィルム27を製造した後に、主吸着回収設備50の運転を停止して、副吸着回収設備80の運転を開始した。
【0054】
夜間25℃、日中30℃になる夏場において、ストックタンク70の容量が合計100m3、ジクロロメタンとメタノールとの混合溶剤(重量比92:8)74がタンクの半分50m3入っている状態では、溶剤(主にジクロロメタン)の蒸発・体積膨張により、温度が上昇している12時間の間に19kgのジクロロメタンがストックタンク70から排出されていた。これは溶剤ガスをサンプリングし、市販のガスクロマトグラフにて濃度を分析した。さらに、ベントガス開放口の風速をピトー管にて測定し、風量を求め、濃度×風量よりジクロロメタンの排出量を計算した。放出が起きている間の放出速度は1.6kg/hrであり、温度が下がる夜間は、体積収縮することにより、ベントガス配管の安全弁であるアトモス弁(負圧側は大気圧−490Paで、加圧側は大気圧+980Paで作動)78から外気を吸引していた。
【0055】
これを吸着処理するために、副吸着回収設備80は、放出量を上回る2kg/hrの溶剤吸着回収処理能力を持つものを用いた。吸着槽87,88の吸着剤には、シリカゲルを用いた。脱着方法は、真空ポンプ89による減圧脱着(圧力約3Pa)により行なった。主吸着回収設備50が停止している期間に運転することにより、ストックタンク70内の溶剤74の量を50m3のまま維持できた。回収した溶剤85は、主吸着回収設備50から回収された溶剤59,凝縮回収設備40から回収された溶剤41と共に、蒸留塔42で蒸留処理を行い、ドープ12の調製用溶媒として用いた。なお、蒸留後の各溶媒成分をガスクロマトグラフィにより組成比を測定したところ、ジクロロメタンは91.8重量%、メタノールは8.2重量%といずれも高品質のものであった。後日、本回収溶剤を含む溶剤を原材料として用いて、前記製膜条件と同じ条件でフィルム27の製膜を行ったところ、レターデーション値(Re値)が34nmと光学特性に優れたフィルム27が得られた。
【実施例2】
【0056】
実施例2を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれらに限定されるものではない。また、特に明記しない点については、実施例1と同じ条件で実験を行った。水蒸気を必要とせず電気ヒータを用いたTSA型(温度スイング吸着型)吸着設備をフィルム製造設備10に副吸着回収設備80として取り付けた。フィルム27の製造を停止した後に、主吸着回収設備50の運転を停止して、副吸着回収設備80の運転を開始した。
【0057】
副吸着回収設備80は、放出量を上回る2kg/hrの溶剤吸着回収処理能力を持つものを用いた。脱着方法は、真空ポンプ89による減圧脱着(圧力約3Pa)及び電気ヒータ93,94を160℃にして吸着槽87,88を加熱した。主吸着回収設備50が停止している期間に運転することにより、ストックタンク70内の溶剤74の量を50m3のまま維持できた。回収した溶剤85は、主吸着回収設備50から回収された溶剤59,凝縮回収設備40から回収された溶剤41と共に、蒸留塔42で蒸留処理を行い、ドープ12の調製用溶媒として用いた。なお、蒸留後の各溶媒成分をガスクロマトグラフィにより組成比を測定したところ、ジクロロメタンは91.8重量%、メタノールは8.2重量%といずれも高品質のものであった。後日、本回収溶剤を含む溶剤を原材料として用いて前記製膜条件と同じ条件でフィルム27の製膜を行ったところ、レターデーション値(Re値)が34nmと光学特性に優れたフィルム27が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0058】
ストックタンクに溶剤を入れて貯蔵する際に本発明を好ましく適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明に係る溶液製膜方法を実施するためのフィルム製造設備の一実施形態の概略図である。
【符号の説明】
【0060】
10 フィルム製造設備
27 フィルム
41,59,74,75,85,91 溶剤
42 蒸留塔
50 主吸着回収設備
56 水蒸気
70,71 ストックタンク
80 副吸着回収設備
89 真空ポンプ
93,94 ヒータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーと溶剤とを含むドープを支持体上に流延して、フィルムとして剥ぎ取った後に乾燥部で乾燥を行うと共に前記ドープを流延した後に発生する前記溶剤の揮発成分を容器に回収して前記ドープの原料として再利用する溶液製膜方法において、
前記乾燥部中の大気の溶剤揮発成分を第1吸着材で吸着回収する第1吸着回収手段と、 前記容器中の溶剤から揮発する溶剤揮発成分を第2吸着材で吸着回収する第2吸着回収手段とを用い、
前記第1吸着材に吸着された溶剤揮発成分と、前記第2吸着材に吸着された溶剤揮発成分とを脱着する方法が異なるものであることを特徴とする溶液製膜方法。
【請求項2】
前記第1吸着材に吸着された溶剤揮発成分を脱着する方法が水蒸気を供給する方法であり、
前記第2吸着材に吸着された溶剤揮発成分を脱着する方法が前記第2吸着材を加熱する方法であることを特徴とする請求項1記載の溶液製膜方法。
【請求項3】
前記第2吸着材を電気ヒータで加熱することを特徴とする請求項2記載の溶液製膜方法。
【請求項4】
前記第2吸着材に吸着された溶剤揮発成分を減圧して脱着させることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1つ記載の溶液製膜方法。
【請求項5】
前記第1吸着回収手段を保守管理している間、前記容器から発生する溶剤揮発成分を第2吸着回収手段で吸着回収し、脱着させて前記溶剤を液化し、前記ドープの原料として再利用することを特徴とする請求項1ないし4いずれか1つ記載の溶液製膜方法。
【請求項6】
前記第1吸着回収手段が停止している間、前記乾燥部中の大気の揮発溶媒成分を前記第2吸着回収手段の吸着材に吸着させることを特徴とする請求項1ないし5いずれか1つ記載の溶液製膜方法。

【図1】
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【公開番号】特開2006−76279(P2006−76279A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−81217(P2005−81217)
【出願日】平成17年3月22日(2005.3.22)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】