説明

溶融紡糸方法および溶融紡糸装置

【課題】
ハンドリング性、流動性が非常に悪い機能性粒子や顔料など粉粒体を、マスタバッチ化することなく、直接、熱可塑性樹脂に一定比率で連続添加して溶融紡糸する方法およびその装置を提供する。
【解決手段】
注入法測定による安息角が35°以上の粉粒体Aを0.01〜10wt%の範囲で含有する熱可塑性樹脂繊維を溶融紡糸するに際し、熱可塑性樹脂の粉粒体Bの供給路の内圧を正圧に保つとともに前記粉粒体Aの貯留槽との内圧差を1000Pa以下に保ち、かつ、前記粉粒体Aを前記貯留槽から前記供給路へと1分あたりの供給量CV値が20%以下となるように連続添加しながら紡糸する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高品質な糸条を製造するうえで好適に適用できる溶融紡糸方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエステルやポリアミドなど熱可塑性樹脂の粉粒体に吸湿、抗菌、防透などの機能を持った機能性粒子や顔料などを一定比率で添加し溶融紡糸する方法としては、機能性粒子や顔料をマスターバッチ化したあと、マスターバッチを主原料である熱可塑性樹脂の粉粒体と一定比率で混合する方法が一般的に知られている(特許文献1)。マスターバッチ化する理由のひとつは機能性粒子や顔料など粒径が小さい粉粒体はそのままではハンドリング性が非常に悪いためである。
【0003】
しかしながら、マスターバッチ化を行った場合、機能性粒子や顔料をマスタバッチ化せず直接添加する場合に比べてマスタバッチ処理に関わる分のコストが上乗せされるため、当然ながら原料コストが大幅にアップするという問題がある。
【0004】
また、粉粒体の流動特性を表す指標の1つとして安息角があげられるが、粉粒体の材質にもよるが一般的に粉粒体の粒径が小さくなるほど流動性は悪くなり安息角が大きくなる。粉粒体の平均粒径が10μm以下のものは、一般的に微粉と呼ばれ、流動性は非常に悪くなり、静電気力または分子間力などの影響をよりうけやすく、供給流路管の内壁面に付着しやすい、また粉粒体同士が凝集しやすいといった性質が強く現れ、ハンドリングにおいては特別な対策が必要となってくる。一方、溶融紡糸工程においてポリマ中に含有することができる粒子の平均粒径には上限があり、製糸性またギアポンプ等の精密機械部品のクリアランスから考えると一般的に5〜10μmが上限である。特許文献2にはあらゆる性状の粉粒体を微少量安定的に連続供給できる定量供給機が提案されているが、加圧下での安定供給性や供給流路管内壁面への付着防止という点では課題が残るものであった。
【0005】
そして、マスターバッチ化したものを添加する以外の方法としては、例えば機能性粒子や顔料をマスタバッチ化せずに熱可塑性樹脂などの原料重合段階もしくは重合後の工程において回分処理にてそのまま添加する方法が一般的である。しかしながら、回分処理プロセスは、熱可塑性樹脂などの主原料および機能性粒子や顔料などの各種副原料の計量、そして混合というプロセスで行われるため、設備が大型となり莫大な費用がかかる他、設備が複雑な構成となり、副原料の種類を変更する時などの清掃に多大な時間を要するといった問題がある。
【0006】
また、機能性粒子や顔料などの粉粒体と熱可塑性樹脂の粉粒体とを回分処理により混合して、その混合物を溶融紡糸するという方法も一般的に行われている。しかしながら、この方法の場合、混合物を溶融紡糸工程へ供給するために風送による原料輸送工程が組まれている場合が多く、添加された粉粒体の一部が分離する、すなわち、形状、比重、安息角などの物理スペックが異なる粉粒体が互いに分離するといった現象が発生しやすい。さらに分離した粉粒体の一部はサイクロンやフィルタ等に捕捉されてしまい、添加バラツキの原因となるという問題がある。
【特許文献1】特開平1−123707号公報
【特許文献2】特開2004−323151号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、これらの課題を解決するためになされたものであり、ハンドリング性が非常に悪い機能性粒子や顔料など粉粒体を、マスタバッチ化することなく、直接、熱可塑性樹脂に一定比率で連続添加して溶融紡糸する方法およびその装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明は、次の構成を特徴とするものである。
(1)注入法測定による安息角が35°以上の粉粒体Aを0.01〜10wt%の範囲で含有する熱可塑性樹脂繊維を溶融紡糸するに際し、熱可塑性樹脂の粉粒体Bの供給路の内圧を正圧に保つとともに前記粉粒体Aの貯留槽との内圧差を1000Pa以下に保ち、かつ、前記粉粒体Aを前記貯留槽から前記供給路へと1分あたりの供給量CV値が20%以下となるように連続添加しながら紡糸することを特徴とする熱可塑性樹脂繊維の溶融紡糸方法。
(2)前記粉粒体Bがポリアミドの粉粒体であり、前記粉粒体Aがマグネシウム化合物の粉粒体である、上記(1)に記載の溶融紡糸方法。
(3)前記マグネシウム化合物の粉粒体の表面が多価アルコール脂肪酸エステルで覆われている、(2)に記載の溶融紡糸方法。
(4)前記粉粒体Bの平均水分率を0.05〜0.2wt%の範囲内に調整する、上記(1)〜(3)に記載の溶融紡糸方法。
(5)前記供給路の内圧をゲージ圧1〜5000Paの範囲内に保つ、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の溶融紡糸方法
(6)注入法測定による安息角が35°以上の粉粒体Aの定量供給機と、熱可塑性樹脂の粉粒体Bの供給路と、前記粉粒体Bを溶融するとともに溶融した熱可塑性樹脂と前記粉粒体Aとを混練して口金に供給する押出機とを備え、前記粉粒体Bの供給路は前記押出機に連通し、前記定量供給機は、粉粒体Aの貯留槽と、計量溝を有する回転円盤と、前記粉粒体Bの供給路に連通する粉粒体Aの供給路とを備えていることを特徴とする熱可塑性樹脂繊維の溶融紡糸装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、熱可塑性樹脂にハンドリング性、流動性の悪い粉粒体を添加し溶融紡糸するに際し、押出機へ連続供給される熱可塑性樹脂粉粒体に流動性の悪い粉粒体を一定比率で直接連続添加しながら紡糸でき、添加斑のない高品質な糸条パッケージを製造することが可能となる。したがって、従来のマスタバッチ化に比べて原料コストを大幅に削減できる。また押出機単位で添加できることから品種対応も容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下本発明の実施の形態を図を用いて説明する。
【0011】
本発明の溶融紡糸装置は、たとえば図1に示すように、注入法測定による安息角が35°以上の粉粒体の定量供給機5と、熱可塑性樹脂粉粒体の供給路2と、熱可塑性樹脂粉粒体を溶融するとともに溶融した熱可塑性樹脂と安息角が35°以上の粉粒体とを混練して口金に供給する押出機1とを備えている。熱可塑性樹脂粉粒体の供給路2は押出機1に連通している。
【0012】
押出機1は、スクリューの数により単軸または2軸のものがある。特に限定されるものではないが、粉粒体の混練効果を考慮すると2軸のものが好ましい。混練効果を上げる他の方法としては、フライト間のクリアランスを小さくしたり、絞りを設けてその絞りに溶融熱可塑性樹脂と安息角35°以上の粉粒体とを通すことで剪断力を発生させ混練効果をあげる方法がある。また、押出機を出た後の口金までの溶融ポリマー配管中に、静止型混合器を設置するなどの方法もある。
【0013】
熱可塑性樹脂粉粒体の供給路2は、押出機入口に連通しており、熱可塑性樹脂の粉粒体3を自重等により押出機へ供給するものである。金属パイプやフレキシブルホースなどを使用することができる。
定量供給機5は、安息角が35°以上の粉粒体の貯留槽5(a)と、その貯留槽5(a)の内部に配置された、計量溝を有する回転円盤5(b)と、その計量溝を有する回転円盤5(b)によって計量された粉粒体を熱可塑性樹脂粉粒体の供給路2に導く供給路5(c)とを備えている。
【0014】
貯留槽5(a)の内部に貯留される粉粒体は流動性が悪くブリッジを組みやすい。そこで、これを避けるために、貯留槽5(a)はコニカル形状でなく円筒形状とすることが好ましい。また、ブリッジブレーカなど破壊手段を設けることが好ましい。
【0015】
計量溝を有する回転円盤5(b)は、図2に示すように円周状に溝5(b)1が設けられた回転円盤5(b)2と、この溝5(b)1の直上部に設けられた粉粒体のすりきり板5(b)3と、すりきられた後の溝5(b)1に残っている粉粒体を供給路5(c)へ導くための規制板5(b)4などから構成されている。すなわち、溝5(b)1とすりきり板5(b)3とで計量溝を構成し、回転円盤5(b)2が回転することで連続的に粉粒体を計量し、その計量した粉粒体を規制板5(b)4が供給路5(c)内部に導く。
【0016】
ここで、回転円盤5(b)2は、上から見た場合に回転円盤の最外周端面が供給路5(c)の投影断面に重なるように配設されている。さらに規制板5(b)4も、粉粒体と接触する面(接粉粒体面)が供給路5(c)の投影断面に重なるように配設されている。
そして、溝5(b)1とすりきり板5(b)3とで計量された粉粒体が規制板5(b)4により供給路5(c)に導かれるとき、流れの断面(回転円盤5bの回転中心を含む平面に対して垂直な計量溝断面)において粉粒体の流速分布が一様である方がより連続的に粉粒体を供給することができ、供給バラツキをおさえることができる。流れの断面において流速分布が異なり、粉粒体の一部が滞留するようなことがある場合は脈動した流れとなり供給バラツキが大きくなる。しかしながら、溝5(b)1とすりきり板5(b)3とで計量された粉粒体は、粉粒体同士に働く摩擦力よりも粉粒体と溝5(b)1との間に働く摩擦力の方が大きいため、回転する回転円盤5(b)2上で流速分布を生じてしまう。すなわち、同時に計量された粉粒体であっても、溝深さの浅い位置にある粉粒体が溝深さの深い位置にある粉粒体よりも規制板に到達するまでの時間が長い。そのため、鉛直方向に一様な平面を有する規制板で回転する回転円盤5(b)2上の粉粒体を一度にかき落とそうとしても、溝深さの深い位置にある粉粒体の方が浅い位置にある粉粒体よりも先に供給路へ導かれることになり供給バラツキを生じてしまう。そこで、本発明においては、供給バラツキをおさえるために、規制板5(b)4として、図3に示すような形状の物を用いることが好ましい。すなわち、上方に位置する粉粒体ほど、計量されてから規制板5(b)4に到達するまでの水平方向の移動距離が少なくなるような規制板形状とすることが好ましい。具体的には、規制板5(b)4は、回転円盤5(b)2の回転中心から最も遠くかつ回転円盤5(b)2の回転方向上流側の箇所(図3中、xで示す箇所)を含む任意の鉛直断面において、円もしくは楕円を4等分した形状(四半円もしくは四半楕円)の空洞を有するようなものとすることが好ましい。規制板5(b)4をそのようなものとすることで、粉粒体が滞留することなくスムーズに流れより供給バラツキをおさえることが可能になる。
【0017】
計量溝を有する回転円盤5(b)は、回転円盤9の回転数を変更することにより、供給路2への単位時間あたりの粉粒体供給量を変えることができる。また溝10の大きさを変えた回転盤を複数枚容易し、取り替えることで供給量を変えることもでき、上述の回転数を変化する方法と組み合わせることにより供給量を幅広い範囲で変動させることができる。粉粒体供給量を制御するにあたっては、重量検知によるフィードバック制御を行ってもよい。
供給路5(c)は、計量溝を有する回転円盤5(b)の溝10を通して供給される安息角が35°以上の粉粒体を、熱可塑性樹脂粉粒体の供給路2へ自重落下により導入するものであり、金属パイプやフレキシブルホースなどが使用できる。供給路5(c)の端部は、押出機1直上の熱可塑性樹脂粉粒体の供給路2内に配設され、計量溝を有する回転円盤5(b)によって計量、導入される安息角35°以上の粉粒体を熱可塑性樹脂粉粒体に連続的に供給する。
【0018】
供給路5(c)は、水平面に対して(粉粒体の安息角+10)°以上の角度で傾斜するように配置することが好ましく、より好ましくは垂直である。また粉粒体の供給路内面への付着を防止するために、供給路内面の面粗度は算術平均粗さで10μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以下である。またテフロン(登録商標)コーティングにより供給路内面の摩擦係数を低減させることも粉粒体の付着防止に有効な場合がある。
粉粒体が壁面に付着する原因は、主に静電気力やファンデルワールス力といった結合力によるものである。一般に粉粒体の中で付着しやすいものは、付着性粉体と呼ばれ、更に付着しやすいものは強付着性粉体と呼ばれている。強付着性粉体としては例えば、非常に粒径の小さい小麦粉、酸化チタン粉、酸化マグネシウム粉などがあげられる。粉粒体が供給路内面に付着すると、実際に熱可塑性樹脂分粒体に供給される量が変動する他、供給路内に経時的に蓄積していき供給路内が粉粒体で閉塞されるという現象が起こる場合がある。粉粒体の供給路内面への付着を防止する方法として、前述の供給路内の摩擦係数を低減する方法の他に、除電を行う、または気体を吹き付けて強制的に払い落とす、振動を付与するといった方法があげれらる。しかし強付着性粉体の場合はこのような物理的な方法では完全に付着防止を達成することが難しい場合が多く、定期的な供給路内清掃がかかせない。付着防止のためのより効果的な方法として、粉粒体の表面改質を行う方法があり、これにより供給路と粉粒体表面の結合力を弱め、付着力を低下させることが可能な場合がある。粉粒体としてマグネシウム化合物を例にとった場合、表面改質を行っていないマグネシウム化合物の粉粒体に比べ、表面が多価アルコール脂肪酸エステルで覆われているマグネシウム化合物の粉粒体は付着力防止に非常に効果があり、長期安定供給のためには表面改質を行っているマグネシウム化合物を使用するのが好ましい。
この装置においては、熱可塑性樹脂粉粒体3が、供給路2を通って押出機1へ連続供給されるとともに、安息角35°以上の粉粒体が、定量供給機5によって供給路2に連続的に供給される。
【0019】
安息角が35°以上の粉粒体は、一般的に流動性が悪いといわれている粉体であって、具体的には顔料や金属酸化物などがある。粉粒体の安息角は、次のように注入法によって測定する。すなわち、出口口径10mmの漏斗を、漏斗出口が水平板から100mmの高さになるように設置し、この漏斗より粉粒体を水平板上に落下させて形成させた円錐状の堆積層の角度を分度器を用いて測定する。なお、付着性の強い粉粒体の場合は漏斗の上に24メッシュの篩をのせて、強度を適度に調節した電磁振動によりその篩いから粉粒体を少量ずつ漏斗に供給し測定を行う。
【0020】
安息角が35°以上の粉粒体は、溶融紡糸工程においてポリマ中に含有することができる粉粒体の平均粒径に上限があること、そして、製糸性またギアポンプ等の精密機械部品のクリアランスから考えて、平均粒子径が10μm以下であることが好ましい。
【0021】
一方、熱可塑性樹脂の粉粒体は、その種類に特に限定されるものではない。たとえばポリエステルやポリアミドなどの粉粒体である。また、形状についても、球状、円筒形状、楕円筒形状など特に限定されるものではない。
【0022】
そして、本発明において、安息角35°以上の粉粒体は、最終的に紡糸されて糸において0.01〜10wt%の範囲で含有されるように添加する。添加する粉粒体の安息角が大きくなるほど、また、添加量が少ないほどバラツキが大きくなる傾向にある。そのため、安息角が35°以上の粉粒体の場合は、含有率が0.01%未満では供給量CV値を20%以内におさめることがむずかしくなる。一方、10wt%超では供給量CV値を20%以内とすることが容易にはなるが、製糸性が悪化し実質紡糸不可能である。
【0023】
また、本発明においては、熱可塑性樹脂粉粒体の供給路2の内圧を正圧(大気圧以上)に保つ。溶融紡糸においては、熱可塑性樹脂粉粒体の吸湿および酸化防止のために窒素などの不活性ガスシールされるのが通常であり、供給路2においても例えば窒素ガスで正圧に保てばよい。しかしながら、安息角35°以上の粉粒体の種類によっては、供給路2の内圧が高くなると、かさ密度が変動し供給不良を起こしやすくなり、その結果、添加バラツキが大きくなり易い。そのため、供給路2の内圧を5000Pa以下に抑える方が好ましい。
【0024】
さらに、安息角35°以上の粉粒体の貯留槽5(a)と熱可塑性樹脂粉粒体の供給路2との内圧差をゲージ圧で1000Pa以下とする必要がある。内圧差が大きくなると、安息角35°以上の粉粒体の供給量が変動しやすく、添加バラツキの原因となる。
【0025】
上記のとおり圧力を制御するためには、熱可塑性樹脂粉粒体の供給路2や定量供給機5を一体的に閉鎖系の装置とするなどの手段を構じることが好ましい。さらに熱可塑性樹脂粉粒体の供給路2の内圧変動にいち早く追従し系の内圧均一化をはかることができるように、供給路2と貯留槽5(a)との内部に均圧管を設けるのも好ましい。
【0026】
上記のような構成により、本発明においては、安息角35°以上の粉粒体を、貯留槽5(a)から熱可塑性樹脂粉粒体の供給路2へと、1分あたりの供給量CV値が20%以下となるように連続添加することが可能になる。すなわち、ハンドリング性が非常に悪いといわれていた安息角35°以上の粉粒体を、上記範囲内の添加率となるように添加する場合、熱可塑性樹脂粉粒体の供給路の内圧を正圧に保つとともに、その供給路と安息角35°以上の粉粒体の貯留槽との内圧差を1000Pa以下に保つことで、安息角35°以上の粉粒体をマスタバッチ化することなく、直接、熱可塑性樹脂粉粒体に一定比率で連続添加することが可能になり、1分あたりの供給量CV値を20%以下とすることも可能になる。供給量CV値が大きくなるということは紡糸された糸の品質バラツキも大きくなるということである。なお、本発明において、CV値は、n数を600として1分あたりの粉粒体供給量を測定し、それら600個のデータのばらつきの標準偏差を、600個のデータの平均値で除した値に100を乗じた値とする。
【実施例】
【0027】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。評価方法は次のとおりである。
【0028】
(1)粉粒体の安息角の測定
注入法により測定した。具体的には、出口口径10mmの漏斗を、漏斗出口が水平板から100mmの高さになるように設置し、この漏斗より粉粒体を水平板上に落下させて形成させた円錐状の堆積層の角度を分度器を用いて測定した。なお、漏斗の上には24メッシュの篩をのせ、その篩いから、強度を適度に調節した電磁振動により粉粒体を少量ずつ漏斗に供給し測定を行った。また、3ヶ所の角度を読みとりその相加平均を安息角とした。
【0029】
(2)粉粒体の平均粒径の測定
密粒度分布測定装置(“Multisizer3”ベックマン・コールター(株)製)を用い、コールターカウンター法により粒径に対する重量分布を求め、重量分布のモード値(重量値が最も大きくなる粒径)を当該粉粒体の平均粒径とした。
【0030】
(3)粉粒体の嵩密度の測定
粉体物性測定器(マルチテスターMT−1001、(株)セイシン企業)を用い、JIS−Z−2504(2000)に準拠して嵩密度を測定した。
【0031】
(4)酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムおよびPVP(ポリビニルピロリドン)の含有率
蛍光X線分析装置((株)リガク、ZSX型)により含有率を求めた。
【0032】
(5)酸化チタンの含有率
試料5gを測り取り、磁性るつぼに入れ、800℃の電気炉内で3時間加熱焼成することで完全に灰化させた後、デシケータ内で1時間放冷し、その灰化物の重量を測定した。3回の測定値の平均値を試料重量で除して含有率を求めた。
【0033】
(6)染め評価
紡糸した繊維を紙管に6.0kgで巻き取った。このドラムから100gごと糸を分巻きし、子糸を60本採取した。最外層の子糸をブランクとして、残りの59本の子糸との染め差の有無を評価した。評価は、ブランクとした子糸と残りの59本の各子糸が交互になるように筒編みを作成し、80℃、pH5.0に調整した水浴中で40分間染色し、5人の評価者が目視判定を行い、1つでも染め差が有った場合は×とした。5人の評価が分かれた場合には、多数の評価を採用した。
【0034】
(7)粉粒体の供給路5(c)内面への付着率
粉粒体を供給路5(c)内にある供給量で供給し総供給量が10kgとなった時点で供給を停止し、供給路5(c)内に付着している粉粒体を容器に移し替え、付着していた粉粒体の重量を測定した。その付着重量を、供給路5(c)内容積に粉粒体の嵩密度を掛けて求められる重量で除して、100を乗じた数値を付着率として求めた。
【0035】
(8)供給量CV値(%)の測定
粉粒体を供給路5(c)内にある供給量で供給し、供給路5(c)出口部にて1分間サンプリングし、粉粒体重量を測定したものを一つのデータとした。連続して600個のデータを測定し、それら600個のデータのばらつきの標準偏差を、600個のデータの平均値で除した値に100を乗じた値を供給量CV値(%)とした。
【0036】
<実施例1>
図1に示す溶融紡糸装置を用いて、熱可塑性樹脂の粉粒体Bに安息角35°以上の粉粒体Aを連続添加しながら溶融紡糸を行い、5000m/minの速度で巻き取り22デシテックス7フィラメントの糸条を得た。
【0037】
なお、図1における供給路2は、内径が200mmで、内部を窒素ガスでシールし内圧をゲージ圧1000Paとした。
【0038】
定量供給機5の貯留槽5(a)は、直径300mm、高さ600mmの円筒型のものであり、計量溝を有する回転円盤5(b)は、150mmピッチ円径上に幅5mm、深さ3mmの溝10を有する回転円盤9を備えていた。供給路5(c)は内径25mm、長さ3000mmのステンレスパイプで、内面の面粗度が算術平均粗さで0.8μmであった。パイプは、長手方向の角度がほぼ垂直になるように配設し、下方の端部を供給路2の内部へ配置した。
【0039】
溶融紡糸にあたっては、貯留槽5(a)の上部を開放し、供給路2と貯留槽5(a)との内圧差を実質的に1000Paに保ちながら、安息角が35°以上の粉粒体を貯留槽5(a)から供給路2へと供給した。
【0040】
熱可塑性樹脂の粉粒体Bとしては、水分率が0.1wt%に調整されたポリアミドを用い、供給路2にて24kg/Hrの供給量で押出機へ供給した。このとき、安息角が35°以上の粉粒体Aとして、平均粒径0.7μm、安息角45°、嵩密度0.25g/mlの酸化マグネシウムを、添加率0.01wt%で連続添加した。粉粒体供給量に換算すると約0.04g/minでの供給となる。
【0041】
添加時の1分あたりの粉粒体供給量CV値は15%であり、得られた原糸内の酸化マグネシウムの定量を行った結果、判定基準である添加率0.01±0.01wt%内であり品質的に問題ないことが確認できた。また、酸化マグネシウムの供給路5(c)内面への付着率は30wt%であった。
【0042】
<実施例2>
下記の点を変更した以外は実施例1と同様に溶融紡糸を行い、5000m/minの速度で巻き取り22デシテックス7フィラメントの糸条を得た。
【0043】
計量溝を有する回転円盤5(b)は、150mmピッチ円径上に幅10mm深さ9mmの溝10を有する回転円盤9を備えていた。
【0044】
溶融紡糸にあたっては、貯留槽5(a)の内圧を実質的にゲージ圧900Paに管理し、供給路2と貯留槽5(a)との内圧差を実質的に100Paに保ちながら、安息角が35°以上の粉粒体を貯留槽5(a)から供給路2へと供給した。
【0045】
安息角が35°以上の粉粒体Aとしては、平均粒径0.5μm、安息角55°、嵩密度0.4g/mlのPVP(ポリビニルピロリドン)を用い、添加率10wt%で添加した。粉粒体供給量に換算すると約40g/minでの供給となる。
【0046】
添加時の1分あたりの粉粒体供給量CV値は2%であり、得られた原糸内のPVPの定量を行った結果、判定基準である添加率10±0.1wt%内であり品質的に問題ないことが確認できた。また、PVPの供給路5(c)内面への付着率は30wt%であった。
【0047】
<実施例3>
下記の点を変更した以外は実施例1と同様に溶融紡糸を行い、5000m/minの速度で巻き取り22デシテックス7フィラメントの糸条を得た。
【0048】
溶融紡糸にあたって、貯留槽5(a)の内圧を実質的にゲージ圧900Paに管理し、供給路2と貯留槽5(a)との内圧差を実質的に100Paに保ちながら、安息角が35°以上の粉粒体を貯留槽5(a)から供給路2へと供給した。
【0049】
熱可塑性樹脂の粉粒体Bとしては、水分率0.005ppmに調整されたに調整されたPET(ポリエチレンテレフタレート)を用い、供給路2にて24kg/Hrの供給量で押出機へ供給した。安息角が35°以上の粉粒体Aとしては、、平均粒径0.1μm、安息角60°、嵩密度0.5g/mlの酸化チタンを用い、添加率0.1wt%で添加した。粉粒体供給量に換算すると約0.4g/minでの供給となる。
【0050】
添加時の1分あたりの粉粒体供給量CV値は7%であり、得られた原糸内の酸化チタンの定量を行った結果、判定基準である添加率0.1±0.01wt%内であり品質的に問題ないことが確認できた。また、酸化チタンの供給路5(c)内面への付着率は40wt%であった。
【0051】
<実施例4>
安息角が35°以上の粉粒体Aとして平均粒径0.7μm、安息角45°、嵩密度0.25g/mlの水酸化マグネシウムを用いたこと以外は実施例1と同様に溶融紡糸を行い、5000m/minの速度で巻き取り22デシテックス7フィラメントの糸条を得た。
【0052】
水酸化マグネシウムの1分あたりの粉粒体供給量CV値は18%であり、得られた原糸内の水酸化マグネシウムの定量を行った結果、判定基準である添加率0.01±0.01wt%内であり品質的に問題ないことが確認できた。また、水酸化マグネシウムの供給路5(c)内面への付着率は30wt%であった。
【0053】
<比較例1>
下記の点を変更した以外は実施例2と同様に溶融紡糸を行い、5000m/minの速度で巻き取り22デシテックス7フィラメントの糸条を得ようとした。
【0054】
貯留槽5(a)の内圧を実質的にゲージ圧900Paに管理し、供給路2と貯留槽5(a)との内圧差を100Paに保ちながら、安息角が35°以上の粉粒体を貯留槽5(a)から供給路2へと供給した。
【0055】
安息角が35°以上の粉粒体Aを添加するにあたって、添加率を徐々に上げていった。
【0056】
しかしながら、粉粒体Aの添加量が10wt%を超えると製糸性が悪化しはじめ、12wt%では製糸不可となった。製糸不可となった添加率12wt%を粉粒体供給量に換算すると約48g/minでの供給であった。また、粉粒体Aの供給路5(c)内面への付着率は30wt%であった。
【0057】
<比較例2>
下記の点を変更した以外は実施例1と同様に溶融紡糸を行い、5000m/minの速度で巻き取り22デシテックス7フィラメントの糸条を得た。
【0058】
貯留槽5(a)の内圧を実質的にゲージ圧0とし、供給路2と貯留槽5(a)との内圧差が1100Paになるように供給路2の内圧を徐々に高めながら、安息角が35°以上の粉粒体を貯留槽5(a)から供給路2へと供給した。
【0059】
熱可塑性樹脂の粉粒体Bとしては、水分率0.1wt%に調整されたポリアミドを用い、供給路2にて24kg/Hrの供給量で押出機へ供給した。安息角が35°以上の粉粒体Aとしては、平均粒径0.7μm、安息角45°、嵩密度0.25g/mlの酸化マグネシウムを用い添加率0.1wt%で添加した。粉粒体供給量に換算すると約0.4g/minでの供給となる。
【0060】
供給路2と貯留槽5(a)との内圧差が1000Paを超えると定量供給機5の内部の雰囲気が大きく乱れ始め供給量のバラツキが大きくなり、1分あたりの供給量CV値は20%を超えた。また供給路2と貯留槽5(a)との内圧差を1100Paとしたときに得られた原糸内の酸化マグネシウムの定量を行った結果、判定基準である添加率0.01±0.01wt%を外れ品質的に問題があることが確認できた。
【0061】
供給路2と貯留槽5(a)との内圧差を1000Paに戻したところ、粉粒体供給量は安定し、得られた原糸内の酸化マグネシウムも判定基準を満足した。
【0062】
また、酸化マグネシウムの供給路5(c)内面への付着率は30wt%であった。なお、付着率は、内圧差の変動に関わらず、実験開始から酸化マグネシウムの総供給量が10kgとなったときの酸化マグネシウム付着量に基づいて算出した。
【0063】
<実施例5>
下記の点を変更した以外は実施例1と同様に溶融紡糸を行い、5000m/minの速度で巻き取り22デシテックス7フィラメントの糸条を得た。
【0064】
溶融紡糸にあたっては、貯留槽5(a)の内圧を実質的にゲージ圧900Paに管理し、供給路2と貯留槽5(a)との内圧差を実質的に100Paに保ちながら、粉粒体Aを貯留槽5(a)から供給路2へと供給した。
【0065】
熱可塑性樹脂の粉粒体Bとしては、水分率0.01%に調整されたポリアミドを用い、供給路2にて24kg/Hrの供給量で押出機へ供給した。安息角が35°以上の粉粒体Aとしては、平均粒径0.7μm、安息角45°、嵩密度0.25g/mlの酸化マグネシウムを用い添加率0.1wt%で添加した。粉粒体供給量に換算すると約0.4g/minでの供給となる。
【0066】
酸化マグネシウムの1分あたりの供給量CV値は15%であり、得られた原糸内の酸化マグネシウムの定量を行った結果、判定基準である添加率0.1±0.01wt%内であった。しかしながら、ポリアミドの水分率が低いことに起因して、ポリマ配管およびパック内部での粘度上昇や粘度斑が発生し、異常滞留を起こしやすくなり、異常滞留による糸切れが発生しやすくなった。また、酸化マグネシウムの供給路5(c)内面への付着率は30wt%であった。
【0067】
<実施例6>
下記の点を変更した以外は実施例1と同様に溶融紡糸を行い、5000m/minの速度で巻き取り22デシテックス7フィラメントの糸条を得た。
【0068】
溶融紡糸にあたっては、貯留槽5(a)の内圧を実質的にゲージ圧900Paに管理し、供給路2と貯留槽5(a)との内圧差を100Paに保ちながら、粉粒体Aを貯留槽5(a)から供給路2へと供給した。
【0069】
熱可塑性樹脂の粉粒体Bとしては、水分率0.3%に調整されたポリアミドを用い、供給路2にて24kg/Hrの供給量で押出機へ供給した。安息角が35°以上の粉粒体Aとしては、平均粒径0.7μm、安息角45°、嵩密度0.25g/mlの酸化マグネシウムを用い添加率0.1wt%で添加した。粉粒体供給量に換算すると約0.4g/minでの供給となる。
【0070】
酸化マグネシウムの1分あたりの供給量CV値は15%であり、得られた原糸内の酸化マグネシウムの定量を行った結果、判定基準である添加率0.1±0.01wt%内であった。しかしながら、ポリアミドの水分率が高いことに起因して、ポリマ配管およびパック内部での粘度低減して糸切れが発生しやすくなった。また、酸化マグネシウムの供給路5(c)内面への付着率は30wt%であった。
【0071】
<実施例7>
下記の点を変更した以外は実施例1と同様に溶融紡糸を行い、5000m/minの速度で巻き取り22デシテックス7フィラメントの糸条を得た。
【0072】
溶融紡糸にあたり、供給路2の内圧をゲージ圧1〜5000Paの範囲で変動させた。また、供給路2と貯留槽5(a)との内圧差が常に1000Paとなるように、貯留槽5(a)の圧力も制御し、粉粒体Aを貯留槽5(a)から供給路2へと供給した。
【0073】
安息角が35°以上の粉粒体Aとしては、平均粒径0.7μm、安息角45°、嵩密度0.25g/mlの酸化マグネシウムを用い添加率0.1wt%で添加した。粉粒体供給量に換算すると約0.4g/minでの供給となる。
【0074】
酸化マグネシウムの1分あたりの供給量CV値は17%であり、得られた原糸内の酸化マグネシウムの定量を行った結果、判定基準である添加率0.1±0.01wt%内であり品質的に問題ないことが確認できた。また、酸化マグネシウムの供給路5(c)内面への付着率は30wt%であった。
【0075】
<比較例3>
下記の点を変更した以外は実施例1と同様に溶融紡糸を行い、5000m/minの速度で巻き取り22デシテックス7フィラメントの糸条を得た。
【0076】
溶融紡糸にあたって、貯留槽5(a)の内圧を実質的にゲージ圧900Paに管理し、供給路2と貯留槽5(a)との内圧差を実質的に100Paに保ちながら、安息角が35°以上の粉粒体Aを貯留槽5(a)から供給路2へと供給した。
【0077】
安息角が35°以上の粉粒体Aとしては、平均粒径0.1μm、安息角60°、嵩密度0.5g/mlの酸化チタンを用い、添加率を0.01wt%から徐々に下げげていった。
【0078】
しかしながら、粉粒体Aの添加量が0.01wt%以下になるとバラツキが大きくなり、0.005wt%では1分あたりの供給量CV値は20%を超えた。得られた原糸内の酸化チタンの定量を行った結果、判定基準である添加率0.005±0.001wt%を外れ品質的に問題があることがあることが確認できた。また、酸化チタンの供給路5(c)内面への付着率は40wt%であった。
【0079】
<実施例8>
下記の点を変更した以外は実施例1と同様に溶融紡糸を行い、5000m/minの速度で巻き取り22デシテックス7フィラメントの糸条を得た。
溶融紡糸にあたり、安息角が35°以上の粉粒体Aとして、平均粒径0.7μm、安息角45°、嵩密度0.4g/mlの、多価アルコール脂肪酸エステルによって表面改質した酸化マグネシウムを、添加率0.01wt%で連続添加した。粉粒体供給量に換算すると約0.04g/minでの供給となる。
添加時の1分あたりの粉粒体供給量CV値は15%であり、得られた原糸内の酸化マグネシウムの定量を行った結果、判定基準である添加率0.01±0.01wt%内であり品質的に問題ないことが確認できた。また、酸化マグネシウムの供給路5(c)内面への付着率は3wt%であった。実施例1の場合と比較して、表面改質した酸化マグネシウムを使用した場合は非常に付着量が少なかった。
【0080】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の一実施態様を示す溶融紡糸装置の模式図である。
【図2】図1における計量溝を有する回転円盤5(b)の概略図である。
【図3】図2における規制板5(b)4の概略図である。
【符号の説明】
【0082】
1 押出機
2 熱可塑性樹脂粉粒体の供給路
3 熱可塑性樹脂の粉粒体
5 定量供給機
5(a)安息角が35°以上の粉粒体の貯留槽
5(b)計量溝を有する回転円盤
5(b)1 溝
5(b)2 回転円盤
5(b)3 すりきり板
5(b)4 規制板
5(c) 安息角が35°以上の粉粒体の供給路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
注入法測定による安息角が35°以上の粉粒体Aを0.01〜10wt%の範囲で含有する熱可塑性樹脂繊維を溶融紡糸するに際し、熱可塑性樹脂の粉粒体Bの供給路の内圧を正圧に保つとともに前記粉粒体Aの貯留槽との内圧差を1000Pa以下に保ち、かつ、前記粉粒体Aを前記貯留槽から前記供給路へと1分あたりの供給量CV値が20%以下となるように連続添加しながら紡糸することを特徴とする熱可塑性樹脂繊維の溶融紡糸方法。
【請求項2】
前記粉粒体Bがポリアミドの粉粒体であり、前記粉粒体Aがマグネシウム化合物の粉粒体である、請求項1に記載の溶融紡糸方法。
【請求項3】
前記マグネシウム化合物の粉粒体の表面が多価アルコール脂肪酸エステルで覆われている、請求項2に記載の溶融紡糸方法。
【請求項4】
前記粉粒体Bの平均水分率を0.05〜0.2wt%の範囲内に調整する、請求項1〜3のいずれかに記載の溶融紡糸方法。
【請求項5】
前記供給路の内圧をゲージ圧1〜5000Paの範囲内に保つ、請求項1〜4のいずれかに記載の溶融紡糸方法
【請求項6】
注入法測定による安息角が35°以上の粉粒体Aの定量供給機と、熱可塑性樹脂の粉粒体Bの供給路と、前記粉粒体Bを溶融するとともに溶融した熱可塑性樹脂と前記粉粒体Aとを混練して口金に供給する押出機とを備え、前記粉粒体Bの供給路は前記押出機に連通し、前記定量供給機は、粉粒体Aの貯留槽と、計量溝を有する回転円盤と、前記粉粒体Bの供給路に連通する粉粒体Aの供給路とを備えていることを特徴とする熱可塑性樹脂繊維の溶融紡糸装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−119989(P2007−119989A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−235040(P2006−235040)
【出願日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】