溶融金属ポンプ
【課題】炉内で金属固体を溶融するための機器、金属固体を溶融するための方法を提供する。
【解決手段】溶融金属ポンプは、インペラと、インペラを少なくとも部分的に囲むポンプベースハウジングと、インペラに接続されたシャフトと、シャフトに接続されたモータと、モータを支持するためのモータ取付プレートと、モータ取付プレートをポンプベースハウジングに接続するためのポストとを含む。溶融金属ポンプは、ポストをモータ取付プレートに接続するコネクタを含むことができる。溶融金属ポンプは、シャフトをモータに接続するためのソケットを含むことができる。シャフトは、第1の端部と第2の端部とを有する細長い金属ロッドと、細長い金属ロッドの第2の端部に取り付けられた金属製の非円形駆動部材とを備える組立体を含むことができる。インペラは、第1の回転方向で各壁の最上縁部が各壁の最下縁部に先行するように傾斜されている。
【解決手段】溶融金属ポンプは、インペラと、インペラを少なくとも部分的に囲むポンプベースハウジングと、インペラに接続されたシャフトと、シャフトに接続されたモータと、モータを支持するためのモータ取付プレートと、モータ取付プレートをポンプベースハウジングに接続するためのポストとを含む。溶融金属ポンプは、ポストをモータ取付プレートに接続するコネクタを含むことができる。溶融金属ポンプは、シャフトをモータに接続するためのソケットを含むことができる。シャフトは、第1の端部と第2の端部とを有する細長い金属ロッドと、細長い金属ロッドの第2の端部に取り付けられた金属製の非円形駆動部材とを備える組立体を含むことができる。インペラは、第1の回転方向で各壁の最上縁部が各壁の最下縁部に先行するように傾斜されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(引用による組み込み)
溶融金属ポンプは、米国特許第6,451,247号、第6,354,796号、及び第6,254,340号に記載されており、これらの各々は、引用により全体が本明細書に組み込まれる。ガス排出システムが、米国特許出願第60/586,134号、第60/607,644号、及び第60/675,828号に記載されており、これらは引用により全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
溶融材料を処理する過程において、多くの場合、その溶融材料を或る容器から別の容器へ移すか、或いは容器内で溶融材料を循環させる必要がある。溶融材料を処理するためのポンプは、この目的のために一般的に利用されている。ポンプはまた、浄化ガスをポンプ輸送される溶融材料内に注入するなどの他の目的に使用することもできる。
本発明は、炉内で金属固体を溶融するための機器に関し、更に炉内で金属固体を溶融するための方法に関する。より詳細には、本発明は、炉内での固体金属の溶融を容易にする溶融金属ポンプに関する。
【0003】
非鉄金属工業においては、スクラップ再生利用が経済的寿命になってきた。実際、環境問題及び保護がスクラップ再生利用の取り組みを進め始める以前から、アルミニウム、銅、亜鉛、鉛、及び錫の再生利用は市場において確固たる特定分野を占めていた。
【0004】
燃焼制御によって溶融金属の酸化が抑制されるエンクロージャ内部で溶融金属の本体が加熱される炉に保持部分を設けることは公知である。金属固体は、炉の保持部分に付設されたウェル内に導入され、該ウェル内で金属の温度を維持すると共に新たな金属を保持部分へ供給するために、溶融金属が保持部分とウェルとの間に移送される。溶融金属ポンプは通常、金属を循環させるのに使用される。
【0005】
特にアルミニウム再生利用工業においては、極めて容易に酸化する傾向があるアルミニウムの能力が潜在的にあることで、精製処理が非常に複雑である。従って、他の非鉄金属にとっては一般的である酸化反応のみによる精製は実施可能ではない。同様に、アルミニウムは、他の様々な金属との間で極めて強い合金特性を有し、従って、多くの場合、幅広い金属不純物を処理中に除去する必要がある。これらの方向に沿って、マグネシウムの除去が当業界内で特に焦点となっている。溶融アルミニウムからマグネシウムを除去する能力は、マグネシウムと塩素との好都合な化学反応によって可能にされる。塩素に対する溶融アルミニウムの反応は、最終的には塩化マグネシウムを形成し、これは炉内で溶融アルミニウムの表面上のドロスとして集まり、すくい取ることができる。溶融アルミニウムは、処理する必要があるが、アルミニウム鋳床工場における最終的な目標は、生産速度を押し上げながら製品品質を維持及び/又は継続的に向上させることである。
【0006】
上記で概説したように、アルミニウム合金の二次生産は、マグネシウム含有量を低下させるために反応性ガスを使用し、及び/又は介在物及び水素を除去するために不活性ガスを使用することが必要となる場合が多い。更に、処理されている材料に対して望ましい最終マグネシウム規格を達成するためには、溶融精製プロセス中にマグネシウム除去を行う必要がある。今日の多くの工程においては、ガス注入ポンプがこの作業には最も効果的であると考えられている。このタイプのガス注入ポンプは、引用により本明細書に組み込まれる米国特許第4,052,199号及び第4,169,584号に示されている。
【0007】
一般に、当業者は、単位時間当たりに溶融アルミニウム内に導入できる塩素の量を評価することによって反応性の効果を判断する。この関連において、マグネシウムにより反応的に掃気されない塩化アルミニウムガスは、表面に達して空気と接触した時に、白い蒸気として視認できる塩化水素に分解するので、単位時間当たりに溶融アルミニウム中に溶解する塩素の最大量を容易に特定することができる。極度に悪い反応条件下では、塩素自体は、アルミニウムによって掃気することができず、処理槽から直接放出することもできる。このような結果は、塩素及び塩化水素ガスの環境被害及び有害な性質の可能性を考えると非常に望ましくない。
【0008】
従って、商用ガス注入ポンプは、このような排出を防止するレベルで作動される。反応する塩素の量及びこれに対応してマグネシウムレベルが低下する速度を高めるための主要なメカニズムは、ポンプをより高速度で作動させることであった。勿論、これはポンプの動的構成要素に極めて負担をかけることが分かる。
【0009】
溶融金属ポンプの排出構成要素を変更するために、これまで様々な試みがなされてきた。例えば、米国特許第5,993,728号では、出口通路内に置かれた先細ノズルの利用を開示している。この設計により一定の利点が得られるが、本発明は、溶融金属の通路の制約が全く又はほとんどない別の手法を対象とする。
【0010】
或いは、引用により本明細書に組み込まれる米国特許第5,662,725号には、ガス放出装置が示されている。このガス放出装置は、好ましくは矩形のグラファイトブロックである。このブロックは、好ましくは平坦又は段付きの上面を有し、そこに入口ボアが形成されている。入口ボアは、好ましくはネジ切りされ、ガス注入管の外ネジを螺合するような寸法にされた内径を有する。入口ボアはブロック内に延びる。ブロックの一側面を貫通して通路が形成される。通路は、入口ボアと連通し、好ましくは円筒状である。好ましくはグラファイトで形成されたプラグが設けられ、通路内にその側部で受けられて気密シールを形成する。
【0011】
2つの出口ボアが形成され、ブロックを貫通して延びて通路と連通する。出口ボアは、好ましくは円筒状であって、0°−60°、最も好ましくは45°の下流向き角度で形成される。下流という用語は、出口から出てガス放出装置を通過した溶融金属流の部分を意味し、0°の下流向き角度とは、ボアが下流向き角度を有さないことを意味する。換言すると、0°の下流向き角度とは、ボアが溶融金属流の流れに対し垂直に形成されて、ガスを真っ直ぐ上方に向って溶融金属流内に放出することを意味する。従って、90°の下流向き角度とは、溶融金属流が流れる方向に対し平行な方向に形成されたボアを表す。
【0012】
出口の中心の下方に置かれるガス放出装置に対して使用される場合には、既知のガス放出ブロックの最も好ましい位置は出口底部に隣接している。従って、ガス放出装置は、出口を閉塞せず、溶融金属の流れを制限しないように位置付けられる。しかしながら、このようなガス放出装置の欠点は、ポンプベースの出口よりも直径が大きいことであり、溶融金属が装置内に有効に入ることが内部の金属塊によって妨げられる。このことは、装置内に流れる金属のパウンディングを招き、過度な振動応力を引き起こす。
【0013】
溶融材料が反射炉内で溶融される場合には、炉は、典型的には外部ウェルを備え、そこにポンプが配置される。溶融材料を容器から取り出したい場合には、移送ポンプが使用される。溶融材料を容器内で循環させたい場合には、循環ポンプが使用される。容器内に配置された溶融材料を改質したい場合には、ガス注入ポンプが使用される。
【0014】
これらのポンプの各々においては、回転インペラが、溶融材料内に浸漬されたベース部材のキャビティ又はハウジング内に配置される。インペラが回転すると、溶融材料は、出口すなわち排出開口を介してポンプ輸送され、使用されるポンプのタイプに応じた方法で処理される。インペラ自体は、回転シャフトによってベース部材で回転するよう支持される。シャフトは、その上端部に設けられたモータによって回転される。幾つかの支持ポストがモータ支持プラットフォームからベース部材まで延びて、溶融材料内でベース部材を支持し懸架する。更に、ベース部材から上方に上昇管が延び、溶融材料がこれを通じて出るための通路又はチャネルを形成することができる。
【0015】
前述のタイプのポンプは、何年間かは有効に作動するが、それでも尚種々の欠点がある。例えば、グラファイト又はセラミック(すなわち耐火性材料)は通常、低コスト、腐食に対して比較的不活性であること、及びその耐熱衝撃性の理由から、溶融材料処理用に使用されるポンプの構成要素の多くを構成するのに使用される材料である。グラファイトは、溶融材料ポンプの或る構成要素に使用される場合には有利であるが、複雑な形状及び機械的応力を受ける構成要素に使用されるには、最も有利な材料というわけではない。
【0016】
溶融金属ポンプの排出構成要素を変更するために、これまで様々な試みがなされてきた。例えば、米国特許第5,993,728号では、出口通路内に位置付けられた先細ノズルの利用を開示している。この設計により一定の利点が得られるが、本発明は、溶融金属の制約を何らもたらさない別の手法を対象とする。
【0017】
金属材料は、グラファイトよりも1ポンド当たりの強度がかなり大きいので、例えば支持ポスト、上昇管、及び回転シャフトといったタイプの構成要素は、鉄ベースの合金又は鋼材のような金属材料を含める方がむしろ好ましい。これらの材料を使用するに当たっての問題点は、ベース部材及びインペラは、通常グラファイト(その磨耗特性により)で構成されており、従って金属及びグラファイト構成要素間の接続を維持することが難しい点にある。こうした難点は、これらの材料に生じる熱膨張の差によって起こる。従って、ボルト及び従来のファスナは一般に使用可能な接続機構ではない。
【0018】
支持ポスト及びモータ支持プラットフォーム間の公知の接続部材によっては、モータ支持プラットフォームの水平化を容易に調節することは可能ではない。水平でないモータ支持プラットフォームは、溶融金属ポンプ構成要素の多くに応力を生じさせる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】米国特許第6,451,247号公報
【特許文献2】米国特許第6,354,796号公報
【特許文献3】米国特許第6,254,340号公報
【特許文献4】米国特許出願第60/586,134号公報
【特許文献5】米国特許出願第60/607,644号公報
【特許文献6】米国特許出願第60/675,828号公報
【特許文献7】米国特許第4,052,199号公報
【特許文献8】米国特許第4,169,584号公報
【特許文献9】米国特許第5,993,728号公報
【特許文献10】米国特許第5,662,725号公報
【発明の概要】
【0020】
溶融金属ポンプは、インペラと、インペラを少なくとも部分的に囲むポンプベースハウジングと、インペラに接続されたシャフトと、シャフトに接続されたモータと、モータを支持するためのモータ取付プレートと、モータ取付プレートをポンプベースハウジングに接続するためのポストとを含む。溶融金属ポンプは、ポストをモータ取付プレートに接続するコネクタを含むことができる。溶融金属ポンプは、シャフトをモータに接続するためのソケットを含むことができる。シャフトは、第1の端部と第2の端部とを有する細長い金属ロッドと、細長い金属ロッドの第2の端部に取り付けられた金属製の非円形駆動部材とを備える組立体を含むことができる。インペラは、インペラの内部通路と連通した複数の入口開口を有するキャップ部材を含むことができ、各入口開口は、内方壁と外方壁とを有し、外方壁は内方壁よりも長く、各入口開口はまた前方壁及び後方壁を含み、前方壁及び後方壁は各々、内方壁と外方壁を相互接続し、第1の回転方向で各壁の最上縁部が各壁の最下縁部に先行するように傾斜されている。
【0021】
溶融金属ポンプは、ガス注入ポンプとして使用することができる。溶融金属ポンプと共に使用するガス注入管プラグは、ガスが流れることができるチャネルを有する本体と、本体内に位置付けられたセラミック先端部材とを含む。本体の一部分は、チャネルにガスを供給するためにガス注入源と連通するように適合されている。セラミック先端部材は、チャネルと連通した通路を含む。
【0022】
別の実施形態によれば、溶融金属ポンプは、出口通路内部に配置されたフィンを含むことができる。フィンは、第1の先細上流側部分と第2の先細下流側部分とを含み、これらの位置は、出口通路の壁がフィンの第1の端部の先細部とほぼ同じ増大度で発散している全体的に厚い領域によって接続され、ガス注入口は、フィンを貫通して延び、フィンの側壁から出る。
【0023】
本発明の別の態様によれば、入口と、出口と、溶融金属を前記入口に引き込み前記出口から溶融金属を送り出すための手段とを有する溶融金属ポンプが提供される。出口は、上流側位置の第1の断面積と、終端位置のより大きな第2の断面積とを有するチャネルを含む。より具体的には、チャネルは、長さL、高さH、及び幅Wを有し、Wは上流側位置Wuから終端位置Wtまで0よりも大きな角度αに従って全体的に増大する。或いは、又はこれに加えて、ポンプは、上流側位置Huから終端位置Htまで角度βに従って全体的に増大する高さHを含む。好ましくは、αは、約5°と11°の間にあり、βは、約1.0°と10°の間にある。α及びβは、1つの壁の増大する寸法又は相対する壁の増大する寸法の組合せから成ることができる。
【0024】
本発明の別の態様は、ポンプ内の金属流量と拡散出口の寸法との間の所望の関係に関する理解である。Qは、金属流量(in3/sec)に等しく、Q/240<Wt×Ht<Q/40であり、0.026<1/2(Wt−Wu)<0.195であり、式0.017<(Ht−Hu)L<0.177である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】溶融金属ポンプの側断面図である。
【図2】支持ポストとモータ取付け部との間の接続を示す、図1の溶融金属ポンプの上方部分の側断面図である。
【図3】図1の溶融金属ポンプの支持ポストのための結合ユニット及び着座部の斜視図である。
【図4】支持ポスト及び結合ユニットの別の実施形態を示す、溶融金属ポンプの部分断面図である。
【図5】図1の溶融金属ポンプのためのインペラシャフトとモータとの間の接続を示す、図1から取った断面図である。
【図6】図1の溶融金属ポンプ用のシャフトコネクタの平面図である。
【図7】図6に示すシャフトコネクタの側断面図である。
【図8】図1の溶融金属ポンプのインペラ及びシャフト組立体の側断面図である。
【図9】図1の溶融金属ポンプのシャフト組立体の底面図である。
【図10】図1の溶融金属ポンプのシャフト組立体のブーツの上面図である。
【図11】図1に示すポンプのような溶融金属ポンプのインペラと共に使用するためのキャップ部材の上面斜視図である。
【図12】図11のキャップ部材の底面斜視図である。
【図13】ガス注入型溶融金属ポンプと共に使用するためのガス管プラグの斜視図である。
【図14】ポンプ出口内のガス注入管の側断面図である。
【図15】本発明によるポンプベースの概略図である。
【図16】代表的な出口の高さ寸法を表す概略図である。
【図17】出口拡散要素がベースに固定された別個の構成要素を形成している代表的なポンプベースの概略図である。
【図18】図17のポンプベースの断面図を示す。
【図19】入口端から見た出口拡散要素の斜視図である。
【図20】出口端から見た出口拡散要素の斜視図である。
【図21】出口拡散要素の斜視断面図である。
【図22】入口拡散要素の深部斜視断面図である。
【図23】代替のガス管プラグの斜視図である。
【図24】モータ取付け部調節機構の斜視図である。
【図25】図24の調節機構を含むモータ取付け部の分解斜視図である。
【図26】先行技術による溶融金属ガス注入ポンプの側面図である。
【図27】インペラベースの斜視図である。
【図28】図27のインペラベースの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1を参照すると、溶融金属ポンプ10は、インペラ16に接続されたインペラシャフト組立体14を駆動するモータ12を含む。ポンプ10は、ポンプベースハウジング18のポンピングチャンバ20内に置かれたインペラ16を回転させることにより溶融金属を動かし、該溶融金属は、ベースハウジング内の出口通路22を通り、内部通路26を有する上昇管24に向けて移動し、該内部通路を介して溶融金属が移動する。ベースハウジング18は、溶融金属槽28内部に位置付けられる。ポスト組立体32は、ベースハウジング18をモータ取付プレート34から離間して配置し、該プレート上にモータ12が取り付けられる。
【0027】
図1においては、図示の支持ポスト組立体32は、円筒形の細長いロッド42を受ける長手方向貫通ボア38を有する中空円筒状の外側保護シース36を含む。外側保護シース36は通常、グラファイト、セラミック、及び同様のものを含む、耐火性材料などの耐熱非反応性材料で作られる。細長いロッド42は通常、鋼材のような高張力を有する材料で作られるが、他の好適な材料を使用してもよい。
【0028】
ポンプベースハウジング18は、ポスト組立体32の細長いロッド42を受けるような寸法にされた垂直ボア44を含む。細長いロッド42は、垂直ボア44を貫通してキャビティ46内に延びる。ロッド42は、ネジ付き端部48を含み、該ネジ付き端部48は、ナット52又は他の保持部材と協働して細長いロッド42のネジ付き端部48をベースハウジング18の内側に保持する。ナット52は、キャビティ46の上方壁を構成するポンプベースハウジング18の傾斜壁と協働する傾斜面を有することができる。ベースハウジング18は、垂直ボア44と整列して外側シース36を受けるような寸法にされた円形凹部54も含む。外側シース36及び保持部材52は、溶融金属槽28からの溶融金属が細長い金属ロッド42と接触するのを防ぐ。
【0029】
ポスト組立体32とモータ取付プレート34との間の接続は、結合ユニット60によって可能になる。図2を参照すると、結合ユニット60は、少なくとも実質的に環状の壁62と、結合ユニット60及び細長いロッド42の中心軸線66に対して垂直な平面内の環状壁から延びる内部壁64とを含む。環状壁62は、該環状壁への内部壁64の取付けを可能にする開口68を含む。環状壁62及び内部壁64はまた、1つの一体化部品として形成し、例えば1部品として鋳造することもでき、これは開口68の必要性をなくすことができる。内部壁64はまた、中心軸線66と整列した中央開口70を含む。内部壁64と環状壁62とは、モータ取付プレート34及び/又はファスナ76によりモータ取付プレート34に取り付けられる取付構造体又は着座部74と協働するように構成された上方キャビティ72(図3)を構成する。
【0030】
図3でより明確に分かるように、着座部74は、これをモータ取付プレート34に取り付けるためのファスナ76(図2)を受けるような寸法にされたファスナ開口78を含む。着座部74は、例えば溶接など他の従来の方法でモータ取付プレート34に取り付けることができる。
【0031】
着座部74はまた、細長いロッド42を受けるような寸法にされた中央開口82を含む。中央開口82は、細長いロッド42の対応する多角形端部84(図2)を収容するような多角形構造を有することができ、これは図3に示す実施形態においては六角形である。中央開口82と細長いロッド42の端部84とは、他の非円形構造であってもよい。中央開口82は、中心軸線66と整列されている。再度図2を参照すると、多角形開口82は、ネジ付きファスナ86が端部84のネジ付き開口88内にネジ込まれ、ポスト組立体32をモータ取付プレート34に接続するときに、細長いロッド42の多角形端部84の回転を制限する。別の実施形態においては、内部壁64の中央開口70は非円形の構造を有することができ、着座部74の開口82は円形とすることができる。着座部74はまた、上方キャビティ72内に形成された内ネジ92と協働する外ネジ付きの側壁90を含む。着座部74と結合ユニット60との間のネジ接続は、ポスト組立体32全体の垂直方向の調節を可能にする。着座部74はまた、モータ取付プレート34内の対応する形状にされた開口96(図2)に受けられる上部中央ボス94を含み、着座部74及び中央ボス94の両方は、中心軸線66と整列される。シャフト組立体32をモータ取付プレート34に取り付けるために、結合ユニット60は、取付け着座部74上にネジ止めされる。別の実施形態においては、着座部は、側壁62を受けるように構成することができる。例えば、着座部に内ネジを付け、側壁に外ネジを付けることができる。
【0032】
上述の上方キャビティ72に加えて、結合ユニット60は、ポスト組立体32の外側シース36を受けるように構成された下方キャビティ98(図2)を内部壁64の下方に形成する。外側シース36は、下方キャビティ98の内部で受けられる先細端部を含む。外側シース36及び細長いロッド42は、結合ユニット60の下方キャビティ98内に挿入され、細長いロッド42の多角形端部84は、内部壁66内の中央開口70を貫通して着座部74の中央開口82内に延びる。ファスナ86は、細長いロッド42の多角形端部84のネジ付き中央開口88内に挿入される。ファスナ86は、付勢部材104、例えば相対する両端部に配置されたワッシャを有する皿バネを貫通して延び、細長いロッド42のネジ付き開口88内にネジ止めされる。付勢部材104は、ロッド42に張力をかけて配置し、外側シース36を圧縮する。
【0033】
結合ユニット60は、公知の装置と比べて、シャフト組立体32とモータ取付プレート34との間の接続をより容易に可能にする。シャフト組立体32とモータ取付プレート34との結合は、公知の結合組立体よりも部品が少ない。溶融金属ポンプ内に複数のポストが設けられる場合には、結合ユニット60は、該結合ユニットを調節可能に接続することができる着座部74を設けることによって、自己水平化構造を与える。また、外側シース36の寸法は、結合ユニット60と着座部74との間で調節可能な(例えばネジ付きの)接続であることにより、公知の装置ほど重要でない。
【0034】
図4を参照すると、グラファイト支持ポストとモータ取付プレート34との間の別の結合構造が開示されている。この実施形態においては、結合ユニット112は、図2に開示された結合ユニット60と同様に構成される。結合ユニット112は、環状壁114と内部壁116とを含み、内部壁は、該環状壁に取り付けられて支持ポスト110及び結合ユニット112の中心軸線118に対して少なくともほぼ垂直な平面内にある。内部壁116は、図2に示すファスナ86と同様のファスナ(図示せず)を受けるような寸法にされた中央開口122を含む。環状壁114及び内部壁116は、モータ取付平面34及び/又は着座部126と協働するように構成された上方キャビティ124を構成する。着座部126は、図2に示す着座部74と同様の方法でモータ取付プレート34に取り付けることができる。着座部は、ファスナ(図示せず)を受ける寸法にされた中央開口128を含む。着座部126はまた、モータ取付プレート34内の開口134内に受けられるパイロットボス132を含む。環状壁114は、図2で説明されたのと同様の方法で着座部126上にネジ止めされる。
【0035】
グラファイトポスト110は、中心軸線118に対して垂直方向にポストを貫通して延びる水平ボア140を含む。ボア140は、バレルナット142を受けるように構成される。結合ユニット112の環状壁114は、バレルナット142を受けるように同様に構成された整列した開口144を含む。バレルナット142は、該バレルナット142がボア140内部に正しく位置付けられた時に、中心軸線118と整列する垂直なネジ付きタップ孔146を含む。ポスト110はまた、中心軸線118と整列して、ポスト110の上端部から横断ボア140内に延びる垂直ボア148を含む。
【0036】
図2に開示されるファスナ86と同様のファスナ(図示せず)が、着座部126の中央開口128、内部壁116の中央開口122、ポスト110の垂直ボア148、及びバレルナット142のネジ付きタップ孔146内に挿入される。ファスナ86は、図2に示すのと同様の付勢部材と協働することができる。ファスナが締め付けられ、バレルナット140を上方に引き寄せ、これによりポスト110に圧縮力が加わり、ファスナを引張状態にすることができる。図4で記載される結合組立体からの構成要素は、図2及び図3に記載される結合組立体と共に使用することもできる。
【0037】
図5を参照すると、モータ12とインペラシャフト組立体14との間の接続が開示される。駆動シャフト160が、モータ12から延びて、インペラシャフト組立体14を受けるソケット162と接続する。インペラシャフト組立体14は、グラファイト、セラミック、又は同様のものなどの耐火性材料で作られたほぼ円筒状の中空外側スリーブ164を含む。外側スリーブ164は、シャフト組立体14の中心軸線168と整列した垂直中央貫通ボア166を含む。中央ボア166は、当技術分野において公知の耐熱鋼のような耐熱性金属で作られた細長いロッド172を受ける。
【0038】
外側スリーブ164は、該外側スリーブの上端部付近に置かれた半径方向肩部174を含む。ソケット162は、下方キャビティ176、中央キャビティ178、及び上方キャビティ182を構成する段付きキャビティを含む。下方キャビティ176は、外側スリーブ164の肩部174を受ける適切な寸法にされる。ソケット162は、シャフト組立体14がソケットのキャビティ内に挿入された時に外側スリーブ164の肩部174の直ぐ下に配置されるピン186を受ける開口184を含む。ピン186は、ソケット162の内部のシャフト組立体14を垂直に保持する。中央キャビティ178は、肩部174の上に配置された外側スリーブ164の上方部分を受ける寸法にされる。ソケット162の上方キャビティ182は、以下により詳細に説明するシャフトコネクタ188を嵌合する適切な寸法にされる。
【0039】
図6及び図7を参照すると、シャフトコネクタ188は耐熱鋼で作られる。円形ではないソケット162(図5)の上方キャビティ182の周囲は、シャフトコネクタ188の周囲と一致する形状にされる。従って、シャフトコネクタ188が細長いロッド172(図5)に接続され、ソケット162の相補的形状にされた上方キャビティ182内に受けられると、ソケット162の回転によって細長いロッド172の回転が生じる。
【0040】
図6及び図7に示す実施形態においては、シャフトコネクタ188は、第1の軸すなわち長軸192と第2の軸すなわち短軸194の両方で対称的である。長軸192及び短軸194は、互いに対し垂直であり、中心軸線168(図5)に対して垂直である。シャフトコネクタ188は、相対する円形の長手方向端部196と、長手方向端部196を相互接続する相対側面198とを含む。シャフトコネクタ188は、キー付き円錐状開口202を含み、円錐状開口202は、該円錐状開口202からシャフトコネクタ188内に延びるキー溝204を含む。
【0041】
図8を参照すると、細長いロッド172は、シャフトコネクタ188の中央開口202内部に受けられる円錐状先細部分206を含む。先細部分206は、シャフトコネクタ188の中央開口202と嵌合する形状にされる。先細部分206は、該先細部分206の外表面内に垂直に切り欠かれたキー溝208を含み、シャフトコネクタ188のキー溝204と整列する。キー溝204及び208は、キー212を受けて、シャフトコネクタ188を細長いロッド172にロックする。シャフトコネクタ188は、ソケット162と細長いロッド172との間に金属間接続を形成し、従って、モータシャフト160とインペラシャフト組立体14との間に強い接続を可能にする。ナット214及びワッシャ216を細長いロッド172のネジ付き上端部218に取り付け、キー212を所定位置で垂直方向に固定することができる。割りピン222が、細長いロッド172の上端部に隣接した横断方向貫通ボア内に受けられる。
【0042】
図8を参照すると、インペラシャフト組立体14の下端部は、インペラ16に取り付けられる。インペラ16は、キー244を用いて下部構造体242に取り付けられた上部構造体240を含む。上部構造体240及び下部構造体242は、ベーン246を形成し、これに通って溶融金属がポンプ輸送される。下部構造体242はまた入口248を含み、ここで溶融金属がインペラに入る。図示のインペラ16は、底部入口インペラであるが、上部入口のような他の構成であってもよい。
【0043】
インペラ16の上部構造体240は、シャフト組立体14の下端部を受けるキャビティ254を形成する上方に延びる中空ボス252を含む。長円のプレート256は、細長いロッド172の下端部に取り付ける。シャフト組立体14の底面図である図9でより明確に分かるように、プレート256は、相対する丸みのある長手方向縁部258と平坦な横方向縁部262とを含む。インペラ16のキャビティ254は、下方プレート256の周囲と一致する適切な形状にされ、その結果、細長いロッド172の回転によりインペラ16が回転する。
【0044】
再度図8を参照すると、垂直貫通ボア272を有する中空ブーツ270が、外側シールド164の下端部を受ける。外側シールド164は、ブーツ270内部に受けられる下側部分に移行する先細部分274を含む。ブーツ270の上面図である図10においてより明確に分かるように、ブーツは、下方プレート256の構造に一致する下側長円部分278から上方に延びる環状の上方部分276を含む。従って、ブーツ270の長円ベース278は、丸みのある長手方向端部286と平坦な横方向端部288とを含む。ブーツ270は、グラファイト、セラミック、又は他の同様の材料のような耐火性材料で作られる。再度図8を参照すると、充填材282が、ブーツ270のベース278の下面と下方プレート256の上面との間に置かれる。同様に、充填材284が、細長いロッド172と外側スリーブ164との間に置かれる。充填材は、粒状グラファイト及び他の耐熱性材料を含むことができる。
【0045】
ブーツ270の構造は、インペラ16のキャビティ254の協働する表面と係合する大きな座面(すなわち平坦表面288)を提供するので、インペラ16は、シャフト組立体14と共に回転することができる。水平貫通ボア290が、インペラ16の上方構造体240内に設けられ、ブーツ270内の水平貫通ボア292と整列する。インペラ16に対してブーツ270を更に付着させるために、ボア290及び292を介してセメントを注入することができる。
【0046】
再度図1を参照すると、インペラ16は、ポンプベースハウジング18内に定められたポンピングチャンバ20内に収容される。中央ボア296を有する環状の軸受リング294がブーツ270を受ける。軸受リング294は、ポンプベースハウジング18に取り付けられた静止軸受リング298に接して支持する。
【0047】
図11を参照すると、インペラシャフト組立体14に取り付けることができる上部入口インペラ用のキャップ部材300である。キャップ部材300はまた、インペラの底部に取り付けて、底部入口インペラを形成することができる。インペラが溶融金属を動かすことができるように、ベーン246(図8)と同様のベーンを前述のインペラの両方に設けられる。図11及び図12に開示されるキャップ部材300は、公知のインペラと比べて、特定時間内にポンプ輸送できる溶融金属の量を増大させる。部材300は、キャップ部材として説明されるが、該部材はインペラの上部又は底部に取付けることができることが理解される。
【0048】
再度図11を参照すると、キャップ部材300は、上面302及び下面304(図2)を含む。複数の入口開口306がキャップ部材300を貫通して形成される。各入口開口306は、図8の通路246のようなインペラの内部通路と連通することになる。この実施形態においては、キャップ部材300は、矢印Aで示す時計方向に回転するようになっている。各入口開口306は、半径方向前方壁308、半径方向後方壁312、円周方向内部壁314、及び円周方向外方壁316によって定められる。内部壁314及び外方壁316は、前方壁308及び後方壁312を相互に接続する。円周方向内部壁314及び円周方向外方壁316は、面300の中央回転軸とほぼ同心とすることができる。隣接する壁間の交差部は、丸みのあるコーナとなる。
【0049】
半径方向前方壁308及び半径方向後方壁312は、面300の回転軸に対して傾斜され、溶融金属が平坦な前方壁及び後方壁に沿って下流側に進んでインペラ内に入るようになる。換言すれば、インペラが時計方向に回転すると、各前方壁308及び各後方壁312の最上縁部は、各前方壁308及び各後方壁312の最下縁部の前方にある。傾斜角は、壁の各々について約__度〜約__度である。壁は、互いに平行とすることができるが、他の実施形態では、互いに平行以外に位置してもよい。傾斜された壁は、垂直方向に向いた入口壁と比べて、より多くの溶融金属がインペラ通路に流入するように促す。更に、ほぼ同心の内部壁314及び外方壁316は、入口開口306によって定められる傾斜した棒状スポーク318だけがインペラ内への溶融金属の流入を遮るので、円形入口開口又は矩形入口開口と比べてより大きな入口開口を提供する。内部壁314及び外方壁316が直線的である実施形態においてでも、より大きな開口を提供するために開口はほぼ台形形状を有する。従って、より多くの溶融金属を受けるためにより大きな入口開口表面積が提供される。
【0050】
キャップ部材300は、図1のインペラシャフト組立体14のようなインペラシャフトを収容する中央開口322を含む。中央開口は、円形で図示されているが、インペラシャフト組立体14の非円形部分を収容する形状にすることもできる。図11及び12に示す実施形態においては、キャップ部材300はまた、該キャップ部材の下面304から下方に垂下した周囲壁324を含む。周囲壁324は、図1に示す下部構造体242のようなインペラの下方部分に取り付けることができる。
【0051】
図1に示す溶融金属ポンプは、溶融金属が上昇管24内の通路26を通って別の場所へ移送されるので移送ポンプと呼ばれる。溶融金属ポンプは、他の環境においてはガス注入ポンプとして使用することができ、この場合、出口22及びベース18は、図14に示す排出装置330と連通するように実質的に水平に配置されることになる。
【0052】
キャップ部材300はまた、図27及び図28に示すベース部材900に取り付けることができる。ベース部材900は、隆起した中央ボス904に形成された中央開口902を含む。中央開口902は、インペラシャフト組立体14(図1)を収容するために、キャップ部材300の中央開口322と整列する。複数の半径方向壁又はインペラブレード906が、中央ボス904から半径方向に延びる。各半径方向壁906は、該半径方向壁の上部外方端部に形成されたノッチ908を含む。ノッチ908は、キャップ部材300(図12)の周囲壁324を収容する。
【0053】
各半径方向壁906は、第1の表面912と第2の表面914とを含む。ベース部材900が時計方向に回転する場合、第1の表面912は、前方面と呼ぶことができ、第2の表面914は後方面と呼ぶことができる。ベース部材900が反時計方向に回転する場合、第1の表面912は後方面と呼ぶことができ、第2の表面914は前方面と呼ぶことができる。第1及び第2の表面は、図示した実施形態においてはほぼ水平な出口通路916を構成する。
【0054】
図示の実施形態においては、各半径方向壁906は、出口通路916に向かって延びる面取りされた周囲端部918を含む。従って、第1の表面912は、対象の第1表面及び第2の表面によって定められる出口通路916を形成する隣接半径方向壁906の第2の表面914に向いて周囲縁部で傾斜されている。面取りされた周囲端部918は、ある種の出口誘導部材として働き、インペラを通過する溶融金属の速度を更に高めることができる。
【0055】
キャップ部材300は、該キャップ部材のスポーク318がベース部材の半径方向壁906と整列するようにベース部材900に取り付けられる。キャップ部材300は、ベース部材900にセメントで固定することができる。インペラ全体は、公知のインペラよりも低い約7インチの高さを有することができる。必要に応じて、軸受リング(図27及び28には図示せず)をベース部材900の下方部分に取り付けることができる。
【0056】
ガス注入ポンプの場合には、溶融金属は、ポンピングチャンバ20(図1)と連通した排出装置330内に形成された出口通路332を通ってポンプ輸送される。塩素のようなガスが、ガス注入管336内に形成された通路334を介して排出通路332内に導入される。管プラグ338が、開口342内部で排出装置330に装着される。管プラグは、ガス排出管336の下端部を受けて、ガス排出管336内の通路334と排出出口通路332との間の連通を可能にする輪郭開口344を含む。
【0057】
溶融アルミニウムをポンプ輸送する公知の装置においては、塩素が排出流内、例えば排出通路332を通過する溶融金属流内に導入される場所の近くに塩化マグネシウムが蓄積する傾向にある。塩化マグネシウムの蓄積は、管プラグからの排出管の取り外しを極めて困難にすることがある。排出通路332を通過する溶融金属の十分な流れによって、排出流内に塩素が導入される場所に真空が生成されることになる。従って、塩化マグネシウムの蓄積を大幅に低減するか、或いは排除することができる。ポンプのインペラ上でキャップ部材300(図11及び12)を使用することにより、同じRPMで動作する公知のインペラと比べ、排出通路332を通る流量を大幅に増大させることができる。
【0058】
十分な流量が得られている場合には、チューブ336をプラグ338に固定するのにセメントを必要とすることなく、プラグ338に形成された開口344内部にガス注入管334を受け入れることができる。ガス注入管336は、プラグ338内の円錐状に形成された開口344に対して相補的な形状を持つ先細端部358を有する。プラグ338は傾斜した開口366を含む。セラミック管が開口366内に受け入れられ、該開口から延びる。
【0059】
管プラグ338は、円筒形部分362から延びるほぼ楕円形の中間部分372を含む。中間部分372は、先細縁部376を有する遠位フィン374へ移行する。楕円形部分372及びフィン374は、ガス排出装置330の排出通路332内に延びることができる。溶融金属の流れは、フィン374の垂直端部から先細縁部376(図14に示す)に向う方向とすることができ、又は逆もまた同様である。セラミック先端部368は、排出開口332を通って流れる溶融金属流に延びることができる。セラミック先端部368が溶融金属流内に延びる深さは、溶融金属流の上部から底部付近までの幅がある。1つの代替設計においては、フィン要素374全体又は管プラグ338全体もセラミックからなることは実施可能である。
【0060】
ガス注入システムの構成要素を作るのにグラファイトだけを使用する公知のシステムと比べ、セラミック先端部368を溶融金属流内に延伸させることによりシステムの寿命が延びる。セラミック先端部368は、溶融金属流内に注入されるガスが流れの下側部分に注入されるように溶融金属流内に延びることができる。
【0061】
公知のガス注入システムと対比して、ガス注入管336は、これをプラグ338にセメントで固定することなく管プラグ338の開口344内に着座させることができ、この場合、排出出口332を通る溶融金属の流れは、十分な真空が生じるようなものである。フィン374及び中間楕円領域372の形状は、溶融金属の流れがあまり妨げられないような形状である。排出通路の形状もまた、例えば排出通路を管プラグ338に隣接する区域に拡大することにより、管プラグ364の流れ阻止作用を最小限にするように作ることができる。
【0062】
次に図26を参照すると、典型的なガス注入ポンプ400が図示されている。詳細には、ポンプ400は、必要に応じて炉(図示せず)内でポンプを持ち上げて位置決めするのに使用されるハンガー組立体402を含む。モータ403はモータ取付具404によって支持され、該モータ取付具自体は、支持プレート406によって支持される。モータ403は、インペラ412上に固定された回転シャフト410に結合組立体408を介して接続される。
【0063】
ベース組立体414は、反射炉の床上に置かれ、複数のポスト416によって支持プレート406及びモータ取付具404用の土台を形成する。インペラ412は、ポンピングチャンバ418内で回転可能であり、その回転によって、溶融金属419が入口420を介してポンピングチャンバ418内へ引き込まれ、出口通路422を介して排出される。
【0064】
反応性ガスが、支持プレート406に取り付けられたクランプ機構426によって支持されるガス注入管424に供給される。ガス注入管424の浸漬された端部は、管プラグ428を介して出口通路422に接続される。出口通路422の排出開口430に隣接して収束ノズル525がある。詳細には、出口が「狭まり」、制約432注入点の区域(収束ゾーン)を形成する。残念ながら、この設計は、出口における金属の速度が増大して流れを制限し、結果として充填ウェル内の比較的停留した溶融金属に対する衝撃が増大する。
【0065】
この設計とは対照的に、本発明は、末広ファンタイプの出口を含む。他の点では、ポンプは同様とすることができる。従って、米国特許第5,993,728号は引用により本明細書に組み込まれる。
【0066】
次に図15を参照すると、遠心溶融金属ポンプのベース560が図示される。ベース560内には、インペラ564を収容した渦巻ポンピングチャンバ562が設けられる。インペラ564が回転すると、溶融金属は、ポンプベース560入口(図示せず)を通ってインペラ入口566に入り、多数の通路568を介して渦巻チャンバ562へ出る。従って、溶融金属は、渦巻チャンバ562から出口通路570へ強制的に送られる。出口通路570は、ガス注入入口572とファン拡散セクション574とを含む。ガス注入入口572は、渦巻の水切りに対してほぼ垂直に位置付けられたライン576の下流側で、ファン拡散セクション574の上流側に位置付けられるのが好ましい。ポンプインペラ564は、出口通路570の近傍の壁578から延びる仮想ラインに対してほぼ接線方向にある半径方向壁を有する。
【0067】
ファン拡散セクション574は、上流側幅(Wu)及び終端側幅(Wt)によって特徴付けることができる。幅方向において側壁が発散する性質の結果、WtはWuよりも大きい。この例においては、幅の増大は、各壁の角度αの寸法の増大によって示されている。しかしながら、この増大は、必ずしも各壁に存在する必要はなく、単一の壁において表すこともできる。この構成は、詳細には、ファン拡散セクション574の高度な態様を示した図16に示されている。より詳細には、ファン拡散セクション574は、角度βに従ってその高さが増大し、上流側高さ寸法Huよりも大きい終端側高さ寸法Htを提供する。
【0068】
次に図17を参照すると、本発明の設計が代替形態で示されており、ここではファン拡散セクション580は、ベース582とは別個の構成要素を含む。ファン拡散セクション580は、ダウエル/セメントの組合せ584、ネジ接続、セメントのみ、又は他のあらゆる好適な技法を含む、当業者が利用可能なあらゆる手段を用いてベース582に取り付けることができる。
【0069】
次に図18を参照すると、代替的なガス注入システムの利用が示されており、ここでガス注入入口590は、出口通路592の各々の壁に分散されている。ガス注入入口590は、別個のガス管を介して、或いは分割機構と組み合わせた単一のガス管を介して送給することができる。いずれの場合においても、この設計は、ガス分散を助けるものと考えられる。
【0070】
本発明は、出口流の圧力脈動を低減し、結果としてポンプベースの破損が同様に低減されるようになることが分かった。更に、充填ウェル内への溶融金属の侵入が増大することが確保される点が明らかになった。当業者には理解されるように、循環用に溶融金属ポンプを利用する主な意義は、溶融金属の形態で所望のBTU単位を炉から充填ウェルへ提供することである。充填ウェル内への溶融金属侵入が少なすぎる場合には、スクラップ充填物の溶融に供給されるエネルギーが不十分である。充填ウェル内への溶融金属の速度が高すぎる場合には、充填ウェル溶融金属表面の望ましくない乱れにより望ましくない酸化が生じる結果となる。より詳細には、ポンプ輸送金属が、2αに等しい角度で外向きに拡散し、充填ウェル掃引面積を増大させることになる。要するに、導入される金属によって湿潤される充填ウェルの面積がより大きくなる。
【0071】
加えて、溶融金属出口圧力を増大させることにより、充填ウェルの静止金属プール内へのより深くより滑らかな侵入が得られる。従来、出口から静止充填ウェルプールへの金属流を高速で導入すると、大きな衝撃振動が生じ、多くの場合、溶融金属ポンプ構成要素、特にベースの亀裂の原因となる。ファン拡散出口を利用して流速を低下させ且つ流れ圧力を増大させることによって、衝撃振動は低減される。有利なことに、これによりポンプがより高速の回転速度及び/又は接線方向速度で作動することも可能になる。
【0072】
図示のポンプは、ガス注入タイプであるが、あらゆるタイプの循環ポンプ又は電磁ポンプ、及び実際には溶融金属を移送するあらゆるタイプのポンプは、本発明のファン拡散出口設計を含むことによって利益を得ることができる点に留意されたい。
【0073】
再び図15を参照すると、ガス注入入口は、ライン576の僅かに下流側で且つファン拡散出口部574の僅かに上流側のベース内に位置付けられている。ガス注入入口の上流側位置は、ガスが渦巻ポンピングチャンバ562内へ循環するのを防止したいという要望により制限される。ファン拡散要素の上流側のガス注入は、比較的低圧力位置でのガス導入を可能にするためである。勿論、ガス注入オリフィスは、複数であってよく、これらが同心である限り、或いは多重注入が使用される場合に出口アクセスに対し対称である限り、出口の頂部、側部、又は底部を含むあらゆる場所に置くことができる。有利には、下流側のファン拡散出口部を高圧にしてこの場所にガスを導入することにより、気泡が溶融金属内に取り込まれた状態を維持することが更に困難となるより大きなポケットへ合体する傾向が低減される。
【0074】
一般に、本発明は、より長いガス滞留、より緩慢な気泡合体形成、周囲速度及び金属流量に比例した金属内への高いガス分散性、静止金属内へのより深いガス侵入、ポンプ入口から外部へのガス逆流が無いこと、先行技術設計と同一のガス流量でのより高い金属流量、ポンプ流速が低下しないこと、大きな速度変化から生じる出口流れ圧力の変動が無いこと、並びに、高共振応力及び液圧波に起因する振動及び材料疲労の制限を提供する。
【0075】
次に図19から図22を参照すると、本発明のガス注入アダプタが図示される。重要なことには、本明細書ではアダプタ600は溶融金属ベースとは別個の構成要素として図示されているが、アダプタはまた、ベースを形成する材料の一体的構成要素として構成することもできる点に留意されたい。
【0076】
アダプタ600は、入口端部602と出口端部604とを有するグラファイト、セラミック、又は他の耐溶融金属性の本体601からなる。本体601は、分岐フィン608が位置付けられた通路606を構成する。フィン608は、アダプタ600の長手方向軸線Lに沿って整列して図示されているが、フィンは、別の場所に置かれてもよく、所望であれば湾曲させることもできる。分岐フィン608は、アダプタ100の長手方向軸線Lに対して約5°から15°の間の角度増大を好ましくは有する先細前縁610と、アダプタの長手方向軸線に対して約2°から8°の間の角度減少を好ましくは有する先細後縁612とを含む。先細前縁610及び先細後縁612は、互いに平行な2つのほぼ平坦な側壁616を有する中央セクション614によってつながる。フィン608の前縁610の方が短く、従って、より長い後縁612と比べてより大きな増大角を有する。
【0077】
通路606の内部壁は、これらの寸法がフィン608の前縁、後縁、並びに中央領域の寸法を実質的に反映するように形成される。更に、通路606の壁は、フィン608によって取り除かれる通路の面積と一致する面積だけ取り除かれることになる。このような構成は、アダプタ全体の一定又は増大する流れ面積(長手方向軸線Lに垂直な断面で測った面積)を提供することによって、アダプタを流れる溶融金属の流れに対する衝撃を軽減する。従って、領域620における内部壁618は、前縁610の外側寸法とほぼ一致する約5°から15°の間の角度の割合で増大する。中央領域622に隣接した内部壁621は、比較的平坦とすることができる。後方領域626に隣接した内部壁624は、平坦のままでもよく、或いは実際には上述の拡散ファンの利点をこの装置に備えるために連続して発散してもよい。このようにして、影響のあるレベルにまでは乱流が溶融金属流内に導入されない。
【0078】
出口アダプタ600は、ガス注入管(図示せず)の着座を容易にするために面取りされた縁部629を有する凹形のガス注入管受け入れ領域628を含む。着座部628は、2つの出口632を含んでフィン608内に延びた少なくとも1つのガス注入口630を含み、ガスがフィン608を通過して流れる溶融金属にアクセスすることができる。勿論、多くの出口位置が実施可能である。例えば、出口は、図示したよりも前方又は後方、及び上方又は下方に移動させることができる。同様に、この部品が溶融金属流内へ向けられる角度は調節可能である。従って、このフィン設計は、最大吸引ポイントでガスを注入することを可能にする。吸引が大きいほど、注入可能なガスが多くなり、処理される金属が多くなる。アダプタ600は、出口632の機械加工を容易にするために設けられる側壁孔634を含む。
【0079】
分岐ポンプ出口は、有利には、注入ガスを最大滞留、最大流速、及び最大流れ侵入を得るための負荷中心であることを可能にする。1つの重要な利点は、渦巻区域狭窄が全く生じないことである。これに加えて、気泡合体を最低限にするために、漸次的な渦巻排出区域の拡大がある。同様に、最大ガス保持が速度乱流無く起こるように、二重金属流の合体が生じる。
【0080】
更に、下流側ポイントにおいて側壁テーパ設計を選択することによって、既存の速度により4〜20フィート/秒の金属間侵入速度が可能になる。
【0081】
次に図23を参照すると、代替のガス注入管700が図示される。この実施形態においては、単一又は二重ガス入口(例えば、図13、14、及び図19−22)ではなく、複数の出口703がある。好ましくは、各個々の出口は、ガス排出面積全体の5%よりも大きくない開口寸法を有する。
【0082】
次に図24及び25を参照すると、代替の水平化機構が図示される。より詳細には、モータ取付け組立体800は、他の要素の中でも特にポンプポストを固定することができる1次支持プレート803を含むように図示されている。4つのネジ付きスタッドボルト805がプレート803に固定される。スタッド要素805上に取付けリング807が位置付けられ、これにモータ(図示せず)が固定される。プレート803及び取付けリング807の中間にあり、スタッドボルト805上に位置付けられるのが調節要素809である。調節要素809は、管要素811、ネジ付き調節キャップ813、及びロックリング815から構成される。調節キャップ813は、ロックリング815と嵌合するのに好適なネジ付き外表面817を含む。ロックキャップ813の内部ボアは、スタッドボルト805と嵌合するようにネジ切りされている。本明細書で示された設計は、モータリング807の調節、従って上に取り付けられるモータの調節を容易にする。有利には、要素809の僅かな調節が、上述のシャフト及びインペラ要素の適正な配向を容易にする。
【0083】
以上において、溶融金属ポンプ及び該溶融金属ポンプを構成する構成要素を当業者が本装置を作製及び使用できるように十分詳細に説明してきた。「上方」、「下方」、「垂直」、「水平」等のような方向を表す用語は、図示の実施形態を説明するのに使用されており、特定の構成要素の位置を限定するものではない。前述の説明を読むと、当業者であれば上述の実施形態の幾つかの代替形態を想起することができる。本発明は、添付の請求項及び均等物の範囲内にある全てのこうした変更及び変形を含むものとする。
【0084】
また、好ましい実施態様として、本発明を次のように構成することもできる。
1. 溶融金属ポンプのポスト組立体を前記溶融金属ポンプのモータ取付具に接続するためのコネクタであって、
側壁と、
前記側壁から延び、軸方向に整列した開口を含む内部壁と、
を含み、
前記側壁と前記内部壁とが、関連した溶融金属ポンプの支持ポスト組立体を受けるように適合された下側受入れ部と、前記関連した溶融金属ポンプのモータ取付具又は該取付具に接続された構造体と協働するように適合された上方受入れ部とを構成することを特徴とするコネクタ。
2. 前記内部壁内の開口が、前記ポスト組立体の構成要素である細長いロッドを受けるように適合されていることを特徴とする上記1に記載のコネクタ。
3. 前記関連した溶融金属ポンプのモータ取付具に接続され、且つ前記上方受入れ部の内部に受けられるように適合された取付構造体を更に含むことを特徴とする上記1に記載のコネクタ。
4. 前記取付構造体が外ネジを含み、前記側壁が前記上方受入れ部に内ネジを含むことを特徴とする上記3に記載のコネクタ。
5. 前記取付構造体が、前記内部壁内の開口と整列した開口を含み、前記開口の内の少なくとも1つが非円形の周囲を有することを特徴とする上記3に記載のコネクタ。
6. 前記側壁が、前記内部壁に隣接した開口を含むことを特徴とする上記1に記載のコネクタ。
7. 前記側壁が、前記内部壁から離間して配置された、前記下方受入れ部に通じる少なくとも1つの開口を含むことを特徴とする上記1に記載のコネクタ。
8. 前記少なくとも1つの開口内に受けられる寸法にされたバレルナットを更に含み、該バレルナットが、前記内部壁の開口と整列するように適合されたネジ付き開口を含むことを特徴とする上記7に記載のコネクタ。
9. 上記1のコネクタと、
インペラと、
前記インペラを少なくとも部分的に囲むポンプベースハウジングと、
前記インペラに接続されたシャフトと、
前記シャフトに接続されたモータと、
前記モータを支持するためのモータ取付プレートと、
前記モータ取付プレートを前記ポンプベースハウジングに接続するためのポストと、
を含み、
前記コネクタが、前記ポストを前記モータ取付プレートに接続することを特徴とする溶融金属ポンプ。
10. 溶融金属ポンプポストと溶融金属ポンプ用のモータ取付具との間に調節可能な接続を可能にする装置であって、
関連する溶融金属ポンプ用のポストを受ける寸法にされた受入れ部を構成する側壁と、
前記関連する溶融金属ポンプのモータ取付具又は該モータ取付具に接続された構造体に調節可能に取り付けられて、前記関連する溶融金属ポンプ用のポストの長手方向軸線によって定められる軸線内で前記装置の調節を可能にするように適合された上方部分と、
を含むことを特徴とする装置。
11. 前記装置の上方部分にネジが設けられていることを特徴とする上記10に記載の装置。
12. 前記装置の上方部分に内ネジが設けられていることを特徴とする上記11に記載の装置。
13. 前記側壁から前記受入れ部内に延びる内部壁を更に含み、前記内部壁が中央開口を含むことを特徴とする上記10に記載の装置。
14. インペラシャフトをモータに接続するための装置であって、
コネクタが、関連する溶融金属ポンプのモータの駆動シャフトに接続されるように適合されたソケットを備え、
前記ソケットが、上方キャビティと下方キャビティとを構成する段付きキャビティを含み、前記上方キャビティが、前記ソケットの中心軸線に垂直な断面において非円形構造の形状を有しており、前記下方キャビティが、前記関連する溶融金属ポンプのインペラシャフト組立体を受けるように適合されていることを特徴とする装置。
15. シャフトコネクタを更に備え、該シャフトコネクタが、前記インペラシャフト組立体の細長いロッドを受けるための中央開口と、前記シャフトコネクタが前記上方キャビティによって嵌合されて前記ソケットの回転が前記シャフトコネクタの回転を生じるような形状にされた周辺部とを有することを特徴とする上記14に記載の装置。
16. 前記シャフトコネクタが鋼材で作られていることを特徴とする上記15に記載の装置。
17. 前記シャフトコネクタを前記細長いロッドに接続するためのキーを更に備えることを特徴とする上記15に記載の装置。
18. 前記ソケットが、前記シャフト組立体を垂直に保持するために割りピンを受けるように構成された横断方向開口を含むことを特徴とする上記14に記載の装置。
19. 前記ソケットが、前記上方キャビティと前記下方キャビティとの間に中間キャビティを含み、前記中間キャビティが、前記下方キャビティの直径よりも小さい直径を有することを特徴とする上記18に記載の装置。
20. 上記14の装置と、
インペラと、
前記インペラを少なくとも部分的に囲むポンプベースハウジングと、
前記インペラに接続されたシャフトと、
前記装置によって前記シャフトに接続されたモータと、
前記モータを支持するためのモータ取付具と、
前記モータ取付具を前記ポンプベースハウジングに接続するためのポストと、
を含むことを特徴とする上記14に記載の溶融金属ポンプ。
21. 溶融金属ポンプのためのインペラシャフト組立体であって、
第1の端部と第2の端部とを有し、該第1の端部がモータに接続するように構成された細長い金属ロッドと、
前記細長い金属ロッドの第2の端部に取付られた、又は該第2の端部に隣接して取付られた非円形の金属製駆動部材と、
を含み、
前記駆動部材が、インペラと協働するように構成されていることを特徴とするインペラシャフト組立体。
22. 前記細長い金属ロッドが、前記第1の端部に隣接して形成されたキー溝を含むことを特徴とする上記21に記載の組立体。
23. 耐火性材料で作られた外側スリーブを更に含み、
前記外側スリーブが、前記細長い金属ロッドを受ける細長い開口を含むことを特徴とする上記21に記載の組立体。
24. 耐火性材料で作られ、前記外側スリーブの下方部分を受けるためのボアを有するブーツを更に含み、
前記ブーツが、前記非円形駆動部材と一致する周辺部を有する下方部分を含むことを特徴とする上記21に記載の組立体。
25. 前記非円形駆動部材が、平坦な横方向縁部を有するプレートを含むことを特徴とする上記21に記載の組立体。
26. 溶融金属ポンプ用のインペラであって、
回転軸線を有するほぼ円筒状本体と、
前記本体に取り付けられ、且つ前記本体の内部通路と連通した複数の入口開口を有するキャップ部材と、
を含み、
各入口開口が内方壁と外方壁とを有し、前記外方壁が前記内方壁よりも長く、各入口開口がまた前方壁と後方壁とを含み、該前方壁及び後方壁が各々、前記内方壁及び外方壁を相互接続し、各々が、第1の回転方向において各壁の最上縁部が各壁の最下縁部に先行するように傾斜されていることを特徴とするインペラ。
27. 前記入口開口が、円形又は多角形の内の一方であることを特徴とする上記26に記載のインペラ。
28. 前記入口開口が、複数の半径方向棒状スポーク、湾曲したスポーク、又は半径方向にオフセットしたスポークの内の1つを構成することを特徴とする上記26に記載のインペラ。
29. 前記キャップ部材がほぼ円筒状であり、各入口開口の外方壁が、前記キャップ部材の周辺部にほぼ従うことを特徴とする上記26に記載のインペラ。
30. 各入口開口の内方壁が外方壁にほぼ平行であることを特徴とする上記26に記載のインペラ。
31. 前記前方壁及び後方壁が平坦又は凹状であることを特徴とする上記26に記載のインペラ。
32. 前記キャップ部材が、インペラシャフトを収容するための中央開口を含むことを特徴とする上記26に記載のインペラ。
33. 上記26のインペラと、
前記インペラを少なくとも部分的に囲むポンプベースハウジングと、
前記インペラに接続されたシャフトと、
前記シャフトを駆動するためのモータと、
前記モータを支持するためのモータ取付具と、
前記モータ取付具をポンプベースハウジングに接続するためのポストと、
を含むことを特徴とする溶融金属ポンプ。
34. 溶融金属ポンプ用のガス注入管プラグであって、
ガスを流すことができるチャネルを有する本体であって、該本体の一部が、前記チャネルにガスを供給するガス注入源と連通するように適合された本体と、
前記本体内に配置され、前記チャネルと連通した通路を含むセラミック先端部材と、
を含むガス注入管プラグ
35. 前記本体が、溶融金属の流れの中に配置されるように適合されたフィン状部分を含み、前記セラミック先端部材が前記フィン状部分から延びることを特徴とする上記34に記載のプラグ。
36. 上記34のガス注入管プラグと、
インペラと、
前記インペラを少なくとも部分的に囲むポンプベースハウジングと、
前記ポンプベースハウジングと連通し、前記ガス注入管プラグが内部に配置されるガス注入入口を構成する出口通路と、
前記インペラに接続されたシャフトと、
前記シャフトを駆動するためのモータと、
前記モータを支持するためのモータ取付具と、
前記モータ取付具を前記ポンプベースハウジングに接続するためのポストと、
を含むことを特徴とするガス注入型溶融金属ポンプ。
37. 前記ガス注入管プラグの本体が、前記出口通路内に配置されたフィン状部分を含み、前記セラミック先端部材が前記フィン状部分から延びることを特徴とする上記36に記載のポンプ。
38. 前記出口通路の形状は、前記フィン状部分を受ける区域において拡大するような形状であることを特徴とする上記37に記載のポンプ。
39. ポンピングチャンバを構成する本体と、
前記ポンピングチャンバ内に配置されたインペラと、
前記ポンピングチャンバから延びる出口通路であって、前記出口通路内部にフィンが配置されており、該フィンが、前記出口通路の壁が前記フィンの第1の端部にある先細部とほぼ同じ増大度で発散している全体的に厚い領域よって接続された第1の先細上流側端部と第2の先細下流側端部とを有する出口通路と、
前記フィンを貫通して延び、該フィンの少なくとも1つの側壁から出る少なくとも1つのガス注入口と、
からなる溶融金属ポンプ。
40. 前記フィンが、複数のガス注入口を含むことを特徴とする上記39に記載のポンプ。
41. 通路を形成する本体を備えた溶融金属ポンプ用の出口アダプタであって、前記出口通路内にフィンが配置され、前記フィンが、全体的に厚い領域によって接続された第1の先細上流端部と第2の先細下流端部とを有し、前記出口通路の壁が前記フィンの第1の端部にある先細部とほぼ同じ増大の度合いで広がっており、ガス注入口が前記フィンを貫通して延び、該フィンの少なくとも1つの側壁から出ることを特徴とする出口アダプタ。
42. 入口と、出口と、溶融金属を前記入口に引き込み且つ前記出口から前記溶融金属を送り出すための手段とから構成された溶融金属ポンプであって、前記出口が、上流側位置にある第1の断面積と、終端位置にあるより大きな第2の断面積とを有するチャネルを含むことを特徴とする溶融金属ポンプ。
43. 前記チャネルが、長さL、高さH、及び幅Wを有し、Wが上流側位置Wuから終端位置Wtまで0よりも大きな角度αに従って全体的に増大することを特徴とする上記42に記載のポンプ。
44. 前記チャネルが高さHを有し、Hが上流側位置Huから終端位置Htまで角度βに従って全体的に増大することを特徴とする上記43に記載のポンプ。
45. 5°<α<11°であることを特徴とする上記43に記載のポンプ。
46. 1.0°<β<10°であることを特徴とする上記44に記載のポンプ。
47. αが対向する壁の和から構成されることを特徴とする上記46に記載のポンプ。
48. βが1つの壁から構成されることを特徴とする上記43に記載のポンプ。
49. Qが金属流量(in3/sec)に等しく、Q/240<Wt×Ht<Q/40であることを特徴とする上記43に記載のポンプ。
50. 0.026<1/2(Wt−Wu)<0.195であることを特徴とする上記43に記載のポンプ。
51. 式0.017<1/2(Ht−Hu)L<0.177であることを特徴とする上記44に記載のポンプ。
52. 前記ポンプがガス注入要素を含むことを特徴とする上記42に記載のポンプ。
53. 前記ガス注入要素が、前記渦巻の水切りに隣接し且つ前記H又はWが増大し始める位置の上流側で前記ベースに入ることを特徴とする上記43に記載のポンプ。
54. 複数のガス注入ポイントを含むことを特徴とする上記52に記載のポンプ。
55. 前記インペラの半径方向壁が、前記出口の近位壁に平行に延びた仮想線に対しほぼ接線方向にあることを特徴とする上記52に記載のポンプ。
56. ポンピングチャンバと、モータ取付具と、前記ポンピングチャンバを前記モータ取付具に接合する少なくとも1本のポストとから構成された溶融金属ポンプであって、
前記モータ取付具が、前記ポストに固定された第1の本体と、モータに固定された第2の本体と、前記第1の本体と前記第2の本体との間に配置された少なくとも1つの調節可能な要素とを含み、
前記調節可能な要素が、前記両本体間の分離距離を調節して固定するための機構を提供することを特徴とするポンプ。
【技術分野】
【0001】
(引用による組み込み)
溶融金属ポンプは、米国特許第6,451,247号、第6,354,796号、及び第6,254,340号に記載されており、これらの各々は、引用により全体が本明細書に組み込まれる。ガス排出システムが、米国特許出願第60/586,134号、第60/607,644号、及び第60/675,828号に記載されており、これらは引用により全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
溶融材料を処理する過程において、多くの場合、その溶融材料を或る容器から別の容器へ移すか、或いは容器内で溶融材料を循環させる必要がある。溶融材料を処理するためのポンプは、この目的のために一般的に利用されている。ポンプはまた、浄化ガスをポンプ輸送される溶融材料内に注入するなどの他の目的に使用することもできる。
本発明は、炉内で金属固体を溶融するための機器に関し、更に炉内で金属固体を溶融するための方法に関する。より詳細には、本発明は、炉内での固体金属の溶融を容易にする溶融金属ポンプに関する。
【0003】
非鉄金属工業においては、スクラップ再生利用が経済的寿命になってきた。実際、環境問題及び保護がスクラップ再生利用の取り組みを進め始める以前から、アルミニウム、銅、亜鉛、鉛、及び錫の再生利用は市場において確固たる特定分野を占めていた。
【0004】
燃焼制御によって溶融金属の酸化が抑制されるエンクロージャ内部で溶融金属の本体が加熱される炉に保持部分を設けることは公知である。金属固体は、炉の保持部分に付設されたウェル内に導入され、該ウェル内で金属の温度を維持すると共に新たな金属を保持部分へ供給するために、溶融金属が保持部分とウェルとの間に移送される。溶融金属ポンプは通常、金属を循環させるのに使用される。
【0005】
特にアルミニウム再生利用工業においては、極めて容易に酸化する傾向があるアルミニウムの能力が潜在的にあることで、精製処理が非常に複雑である。従って、他の非鉄金属にとっては一般的である酸化反応のみによる精製は実施可能ではない。同様に、アルミニウムは、他の様々な金属との間で極めて強い合金特性を有し、従って、多くの場合、幅広い金属不純物を処理中に除去する必要がある。これらの方向に沿って、マグネシウムの除去が当業界内で特に焦点となっている。溶融アルミニウムからマグネシウムを除去する能力は、マグネシウムと塩素との好都合な化学反応によって可能にされる。塩素に対する溶融アルミニウムの反応は、最終的には塩化マグネシウムを形成し、これは炉内で溶融アルミニウムの表面上のドロスとして集まり、すくい取ることができる。溶融アルミニウムは、処理する必要があるが、アルミニウム鋳床工場における最終的な目標は、生産速度を押し上げながら製品品質を維持及び/又は継続的に向上させることである。
【0006】
上記で概説したように、アルミニウム合金の二次生産は、マグネシウム含有量を低下させるために反応性ガスを使用し、及び/又は介在物及び水素を除去するために不活性ガスを使用することが必要となる場合が多い。更に、処理されている材料に対して望ましい最終マグネシウム規格を達成するためには、溶融精製プロセス中にマグネシウム除去を行う必要がある。今日の多くの工程においては、ガス注入ポンプがこの作業には最も効果的であると考えられている。このタイプのガス注入ポンプは、引用により本明細書に組み込まれる米国特許第4,052,199号及び第4,169,584号に示されている。
【0007】
一般に、当業者は、単位時間当たりに溶融アルミニウム内に導入できる塩素の量を評価することによって反応性の効果を判断する。この関連において、マグネシウムにより反応的に掃気されない塩化アルミニウムガスは、表面に達して空気と接触した時に、白い蒸気として視認できる塩化水素に分解するので、単位時間当たりに溶融アルミニウム中に溶解する塩素の最大量を容易に特定することができる。極度に悪い反応条件下では、塩素自体は、アルミニウムによって掃気することができず、処理槽から直接放出することもできる。このような結果は、塩素及び塩化水素ガスの環境被害及び有害な性質の可能性を考えると非常に望ましくない。
【0008】
従って、商用ガス注入ポンプは、このような排出を防止するレベルで作動される。反応する塩素の量及びこれに対応してマグネシウムレベルが低下する速度を高めるための主要なメカニズムは、ポンプをより高速度で作動させることであった。勿論、これはポンプの動的構成要素に極めて負担をかけることが分かる。
【0009】
溶融金属ポンプの排出構成要素を変更するために、これまで様々な試みがなされてきた。例えば、米国特許第5,993,728号では、出口通路内に置かれた先細ノズルの利用を開示している。この設計により一定の利点が得られるが、本発明は、溶融金属の通路の制約が全く又はほとんどない別の手法を対象とする。
【0010】
或いは、引用により本明細書に組み込まれる米国特許第5,662,725号には、ガス放出装置が示されている。このガス放出装置は、好ましくは矩形のグラファイトブロックである。このブロックは、好ましくは平坦又は段付きの上面を有し、そこに入口ボアが形成されている。入口ボアは、好ましくはネジ切りされ、ガス注入管の外ネジを螺合するような寸法にされた内径を有する。入口ボアはブロック内に延びる。ブロックの一側面を貫通して通路が形成される。通路は、入口ボアと連通し、好ましくは円筒状である。好ましくはグラファイトで形成されたプラグが設けられ、通路内にその側部で受けられて気密シールを形成する。
【0011】
2つの出口ボアが形成され、ブロックを貫通して延びて通路と連通する。出口ボアは、好ましくは円筒状であって、0°−60°、最も好ましくは45°の下流向き角度で形成される。下流という用語は、出口から出てガス放出装置を通過した溶融金属流の部分を意味し、0°の下流向き角度とは、ボアが下流向き角度を有さないことを意味する。換言すると、0°の下流向き角度とは、ボアが溶融金属流の流れに対し垂直に形成されて、ガスを真っ直ぐ上方に向って溶融金属流内に放出することを意味する。従って、90°の下流向き角度とは、溶融金属流が流れる方向に対し平行な方向に形成されたボアを表す。
【0012】
出口の中心の下方に置かれるガス放出装置に対して使用される場合には、既知のガス放出ブロックの最も好ましい位置は出口底部に隣接している。従って、ガス放出装置は、出口を閉塞せず、溶融金属の流れを制限しないように位置付けられる。しかしながら、このようなガス放出装置の欠点は、ポンプベースの出口よりも直径が大きいことであり、溶融金属が装置内に有効に入ることが内部の金属塊によって妨げられる。このことは、装置内に流れる金属のパウンディングを招き、過度な振動応力を引き起こす。
【0013】
溶融材料が反射炉内で溶融される場合には、炉は、典型的には外部ウェルを備え、そこにポンプが配置される。溶融材料を容器から取り出したい場合には、移送ポンプが使用される。溶融材料を容器内で循環させたい場合には、循環ポンプが使用される。容器内に配置された溶融材料を改質したい場合には、ガス注入ポンプが使用される。
【0014】
これらのポンプの各々においては、回転インペラが、溶融材料内に浸漬されたベース部材のキャビティ又はハウジング内に配置される。インペラが回転すると、溶融材料は、出口すなわち排出開口を介してポンプ輸送され、使用されるポンプのタイプに応じた方法で処理される。インペラ自体は、回転シャフトによってベース部材で回転するよう支持される。シャフトは、その上端部に設けられたモータによって回転される。幾つかの支持ポストがモータ支持プラットフォームからベース部材まで延びて、溶融材料内でベース部材を支持し懸架する。更に、ベース部材から上方に上昇管が延び、溶融材料がこれを通じて出るための通路又はチャネルを形成することができる。
【0015】
前述のタイプのポンプは、何年間かは有効に作動するが、それでも尚種々の欠点がある。例えば、グラファイト又はセラミック(すなわち耐火性材料)は通常、低コスト、腐食に対して比較的不活性であること、及びその耐熱衝撃性の理由から、溶融材料処理用に使用されるポンプの構成要素の多くを構成するのに使用される材料である。グラファイトは、溶融材料ポンプの或る構成要素に使用される場合には有利であるが、複雑な形状及び機械的応力を受ける構成要素に使用されるには、最も有利な材料というわけではない。
【0016】
溶融金属ポンプの排出構成要素を変更するために、これまで様々な試みがなされてきた。例えば、米国特許第5,993,728号では、出口通路内に位置付けられた先細ノズルの利用を開示している。この設計により一定の利点が得られるが、本発明は、溶融金属の制約を何らもたらさない別の手法を対象とする。
【0017】
金属材料は、グラファイトよりも1ポンド当たりの強度がかなり大きいので、例えば支持ポスト、上昇管、及び回転シャフトといったタイプの構成要素は、鉄ベースの合金又は鋼材のような金属材料を含める方がむしろ好ましい。これらの材料を使用するに当たっての問題点は、ベース部材及びインペラは、通常グラファイト(その磨耗特性により)で構成されており、従って金属及びグラファイト構成要素間の接続を維持することが難しい点にある。こうした難点は、これらの材料に生じる熱膨張の差によって起こる。従って、ボルト及び従来のファスナは一般に使用可能な接続機構ではない。
【0018】
支持ポスト及びモータ支持プラットフォーム間の公知の接続部材によっては、モータ支持プラットフォームの水平化を容易に調節することは可能ではない。水平でないモータ支持プラットフォームは、溶融金属ポンプ構成要素の多くに応力を生じさせる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】米国特許第6,451,247号公報
【特許文献2】米国特許第6,354,796号公報
【特許文献3】米国特許第6,254,340号公報
【特許文献4】米国特許出願第60/586,134号公報
【特許文献5】米国特許出願第60/607,644号公報
【特許文献6】米国特許出願第60/675,828号公報
【特許文献7】米国特許第4,052,199号公報
【特許文献8】米国特許第4,169,584号公報
【特許文献9】米国特許第5,993,728号公報
【特許文献10】米国特許第5,662,725号公報
【発明の概要】
【0020】
溶融金属ポンプは、インペラと、インペラを少なくとも部分的に囲むポンプベースハウジングと、インペラに接続されたシャフトと、シャフトに接続されたモータと、モータを支持するためのモータ取付プレートと、モータ取付プレートをポンプベースハウジングに接続するためのポストとを含む。溶融金属ポンプは、ポストをモータ取付プレートに接続するコネクタを含むことができる。溶融金属ポンプは、シャフトをモータに接続するためのソケットを含むことができる。シャフトは、第1の端部と第2の端部とを有する細長い金属ロッドと、細長い金属ロッドの第2の端部に取り付けられた金属製の非円形駆動部材とを備える組立体を含むことができる。インペラは、インペラの内部通路と連通した複数の入口開口を有するキャップ部材を含むことができ、各入口開口は、内方壁と外方壁とを有し、外方壁は内方壁よりも長く、各入口開口はまた前方壁及び後方壁を含み、前方壁及び後方壁は各々、内方壁と外方壁を相互接続し、第1の回転方向で各壁の最上縁部が各壁の最下縁部に先行するように傾斜されている。
【0021】
溶融金属ポンプは、ガス注入ポンプとして使用することができる。溶融金属ポンプと共に使用するガス注入管プラグは、ガスが流れることができるチャネルを有する本体と、本体内に位置付けられたセラミック先端部材とを含む。本体の一部分は、チャネルにガスを供給するためにガス注入源と連通するように適合されている。セラミック先端部材は、チャネルと連通した通路を含む。
【0022】
別の実施形態によれば、溶融金属ポンプは、出口通路内部に配置されたフィンを含むことができる。フィンは、第1の先細上流側部分と第2の先細下流側部分とを含み、これらの位置は、出口通路の壁がフィンの第1の端部の先細部とほぼ同じ増大度で発散している全体的に厚い領域によって接続され、ガス注入口は、フィンを貫通して延び、フィンの側壁から出る。
【0023】
本発明の別の態様によれば、入口と、出口と、溶融金属を前記入口に引き込み前記出口から溶融金属を送り出すための手段とを有する溶融金属ポンプが提供される。出口は、上流側位置の第1の断面積と、終端位置のより大きな第2の断面積とを有するチャネルを含む。より具体的には、チャネルは、長さL、高さH、及び幅Wを有し、Wは上流側位置Wuから終端位置Wtまで0よりも大きな角度αに従って全体的に増大する。或いは、又はこれに加えて、ポンプは、上流側位置Huから終端位置Htまで角度βに従って全体的に増大する高さHを含む。好ましくは、αは、約5°と11°の間にあり、βは、約1.0°と10°の間にある。α及びβは、1つの壁の増大する寸法又は相対する壁の増大する寸法の組合せから成ることができる。
【0024】
本発明の別の態様は、ポンプ内の金属流量と拡散出口の寸法との間の所望の関係に関する理解である。Qは、金属流量(in3/sec)に等しく、Q/240<Wt×Ht<Q/40であり、0.026<1/2(Wt−Wu)<0.195であり、式0.017<(Ht−Hu)L<0.177である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】溶融金属ポンプの側断面図である。
【図2】支持ポストとモータ取付け部との間の接続を示す、図1の溶融金属ポンプの上方部分の側断面図である。
【図3】図1の溶融金属ポンプの支持ポストのための結合ユニット及び着座部の斜視図である。
【図4】支持ポスト及び結合ユニットの別の実施形態を示す、溶融金属ポンプの部分断面図である。
【図5】図1の溶融金属ポンプのためのインペラシャフトとモータとの間の接続を示す、図1から取った断面図である。
【図6】図1の溶融金属ポンプ用のシャフトコネクタの平面図である。
【図7】図6に示すシャフトコネクタの側断面図である。
【図8】図1の溶融金属ポンプのインペラ及びシャフト組立体の側断面図である。
【図9】図1の溶融金属ポンプのシャフト組立体の底面図である。
【図10】図1の溶融金属ポンプのシャフト組立体のブーツの上面図である。
【図11】図1に示すポンプのような溶融金属ポンプのインペラと共に使用するためのキャップ部材の上面斜視図である。
【図12】図11のキャップ部材の底面斜視図である。
【図13】ガス注入型溶融金属ポンプと共に使用するためのガス管プラグの斜視図である。
【図14】ポンプ出口内のガス注入管の側断面図である。
【図15】本発明によるポンプベースの概略図である。
【図16】代表的な出口の高さ寸法を表す概略図である。
【図17】出口拡散要素がベースに固定された別個の構成要素を形成している代表的なポンプベースの概略図である。
【図18】図17のポンプベースの断面図を示す。
【図19】入口端から見た出口拡散要素の斜視図である。
【図20】出口端から見た出口拡散要素の斜視図である。
【図21】出口拡散要素の斜視断面図である。
【図22】入口拡散要素の深部斜視断面図である。
【図23】代替のガス管プラグの斜視図である。
【図24】モータ取付け部調節機構の斜視図である。
【図25】図24の調節機構を含むモータ取付け部の分解斜視図である。
【図26】先行技術による溶融金属ガス注入ポンプの側面図である。
【図27】インペラベースの斜視図である。
【図28】図27のインペラベースの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1を参照すると、溶融金属ポンプ10は、インペラ16に接続されたインペラシャフト組立体14を駆動するモータ12を含む。ポンプ10は、ポンプベースハウジング18のポンピングチャンバ20内に置かれたインペラ16を回転させることにより溶融金属を動かし、該溶融金属は、ベースハウジング内の出口通路22を通り、内部通路26を有する上昇管24に向けて移動し、該内部通路を介して溶融金属が移動する。ベースハウジング18は、溶融金属槽28内部に位置付けられる。ポスト組立体32は、ベースハウジング18をモータ取付プレート34から離間して配置し、該プレート上にモータ12が取り付けられる。
【0027】
図1においては、図示の支持ポスト組立体32は、円筒形の細長いロッド42を受ける長手方向貫通ボア38を有する中空円筒状の外側保護シース36を含む。外側保護シース36は通常、グラファイト、セラミック、及び同様のものを含む、耐火性材料などの耐熱非反応性材料で作られる。細長いロッド42は通常、鋼材のような高張力を有する材料で作られるが、他の好適な材料を使用してもよい。
【0028】
ポンプベースハウジング18は、ポスト組立体32の細長いロッド42を受けるような寸法にされた垂直ボア44を含む。細長いロッド42は、垂直ボア44を貫通してキャビティ46内に延びる。ロッド42は、ネジ付き端部48を含み、該ネジ付き端部48は、ナット52又は他の保持部材と協働して細長いロッド42のネジ付き端部48をベースハウジング18の内側に保持する。ナット52は、キャビティ46の上方壁を構成するポンプベースハウジング18の傾斜壁と協働する傾斜面を有することができる。ベースハウジング18は、垂直ボア44と整列して外側シース36を受けるような寸法にされた円形凹部54も含む。外側シース36及び保持部材52は、溶融金属槽28からの溶融金属が細長い金属ロッド42と接触するのを防ぐ。
【0029】
ポスト組立体32とモータ取付プレート34との間の接続は、結合ユニット60によって可能になる。図2を参照すると、結合ユニット60は、少なくとも実質的に環状の壁62と、結合ユニット60及び細長いロッド42の中心軸線66に対して垂直な平面内の環状壁から延びる内部壁64とを含む。環状壁62は、該環状壁への内部壁64の取付けを可能にする開口68を含む。環状壁62及び内部壁64はまた、1つの一体化部品として形成し、例えば1部品として鋳造することもでき、これは開口68の必要性をなくすことができる。内部壁64はまた、中心軸線66と整列した中央開口70を含む。内部壁64と環状壁62とは、モータ取付プレート34及び/又はファスナ76によりモータ取付プレート34に取り付けられる取付構造体又は着座部74と協働するように構成された上方キャビティ72(図3)を構成する。
【0030】
図3でより明確に分かるように、着座部74は、これをモータ取付プレート34に取り付けるためのファスナ76(図2)を受けるような寸法にされたファスナ開口78を含む。着座部74は、例えば溶接など他の従来の方法でモータ取付プレート34に取り付けることができる。
【0031】
着座部74はまた、細長いロッド42を受けるような寸法にされた中央開口82を含む。中央開口82は、細長いロッド42の対応する多角形端部84(図2)を収容するような多角形構造を有することができ、これは図3に示す実施形態においては六角形である。中央開口82と細長いロッド42の端部84とは、他の非円形構造であってもよい。中央開口82は、中心軸線66と整列されている。再度図2を参照すると、多角形開口82は、ネジ付きファスナ86が端部84のネジ付き開口88内にネジ込まれ、ポスト組立体32をモータ取付プレート34に接続するときに、細長いロッド42の多角形端部84の回転を制限する。別の実施形態においては、内部壁64の中央開口70は非円形の構造を有することができ、着座部74の開口82は円形とすることができる。着座部74はまた、上方キャビティ72内に形成された内ネジ92と協働する外ネジ付きの側壁90を含む。着座部74と結合ユニット60との間のネジ接続は、ポスト組立体32全体の垂直方向の調節を可能にする。着座部74はまた、モータ取付プレート34内の対応する形状にされた開口96(図2)に受けられる上部中央ボス94を含み、着座部74及び中央ボス94の両方は、中心軸線66と整列される。シャフト組立体32をモータ取付プレート34に取り付けるために、結合ユニット60は、取付け着座部74上にネジ止めされる。別の実施形態においては、着座部は、側壁62を受けるように構成することができる。例えば、着座部に内ネジを付け、側壁に外ネジを付けることができる。
【0032】
上述の上方キャビティ72に加えて、結合ユニット60は、ポスト組立体32の外側シース36を受けるように構成された下方キャビティ98(図2)を内部壁64の下方に形成する。外側シース36は、下方キャビティ98の内部で受けられる先細端部を含む。外側シース36及び細長いロッド42は、結合ユニット60の下方キャビティ98内に挿入され、細長いロッド42の多角形端部84は、内部壁66内の中央開口70を貫通して着座部74の中央開口82内に延びる。ファスナ86は、細長いロッド42の多角形端部84のネジ付き中央開口88内に挿入される。ファスナ86は、付勢部材104、例えば相対する両端部に配置されたワッシャを有する皿バネを貫通して延び、細長いロッド42のネジ付き開口88内にネジ止めされる。付勢部材104は、ロッド42に張力をかけて配置し、外側シース36を圧縮する。
【0033】
結合ユニット60は、公知の装置と比べて、シャフト組立体32とモータ取付プレート34との間の接続をより容易に可能にする。シャフト組立体32とモータ取付プレート34との結合は、公知の結合組立体よりも部品が少ない。溶融金属ポンプ内に複数のポストが設けられる場合には、結合ユニット60は、該結合ユニットを調節可能に接続することができる着座部74を設けることによって、自己水平化構造を与える。また、外側シース36の寸法は、結合ユニット60と着座部74との間で調節可能な(例えばネジ付きの)接続であることにより、公知の装置ほど重要でない。
【0034】
図4を参照すると、グラファイト支持ポストとモータ取付プレート34との間の別の結合構造が開示されている。この実施形態においては、結合ユニット112は、図2に開示された結合ユニット60と同様に構成される。結合ユニット112は、環状壁114と内部壁116とを含み、内部壁は、該環状壁に取り付けられて支持ポスト110及び結合ユニット112の中心軸線118に対して少なくともほぼ垂直な平面内にある。内部壁116は、図2に示すファスナ86と同様のファスナ(図示せず)を受けるような寸法にされた中央開口122を含む。環状壁114及び内部壁116は、モータ取付平面34及び/又は着座部126と協働するように構成された上方キャビティ124を構成する。着座部126は、図2に示す着座部74と同様の方法でモータ取付プレート34に取り付けることができる。着座部は、ファスナ(図示せず)を受ける寸法にされた中央開口128を含む。着座部126はまた、モータ取付プレート34内の開口134内に受けられるパイロットボス132を含む。環状壁114は、図2で説明されたのと同様の方法で着座部126上にネジ止めされる。
【0035】
グラファイトポスト110は、中心軸線118に対して垂直方向にポストを貫通して延びる水平ボア140を含む。ボア140は、バレルナット142を受けるように構成される。結合ユニット112の環状壁114は、バレルナット142を受けるように同様に構成された整列した開口144を含む。バレルナット142は、該バレルナット142がボア140内部に正しく位置付けられた時に、中心軸線118と整列する垂直なネジ付きタップ孔146を含む。ポスト110はまた、中心軸線118と整列して、ポスト110の上端部から横断ボア140内に延びる垂直ボア148を含む。
【0036】
図2に開示されるファスナ86と同様のファスナ(図示せず)が、着座部126の中央開口128、内部壁116の中央開口122、ポスト110の垂直ボア148、及びバレルナット142のネジ付きタップ孔146内に挿入される。ファスナ86は、図2に示すのと同様の付勢部材と協働することができる。ファスナが締め付けられ、バレルナット140を上方に引き寄せ、これによりポスト110に圧縮力が加わり、ファスナを引張状態にすることができる。図4で記載される結合組立体からの構成要素は、図2及び図3に記載される結合組立体と共に使用することもできる。
【0037】
図5を参照すると、モータ12とインペラシャフト組立体14との間の接続が開示される。駆動シャフト160が、モータ12から延びて、インペラシャフト組立体14を受けるソケット162と接続する。インペラシャフト組立体14は、グラファイト、セラミック、又は同様のものなどの耐火性材料で作られたほぼ円筒状の中空外側スリーブ164を含む。外側スリーブ164は、シャフト組立体14の中心軸線168と整列した垂直中央貫通ボア166を含む。中央ボア166は、当技術分野において公知の耐熱鋼のような耐熱性金属で作られた細長いロッド172を受ける。
【0038】
外側スリーブ164は、該外側スリーブの上端部付近に置かれた半径方向肩部174を含む。ソケット162は、下方キャビティ176、中央キャビティ178、及び上方キャビティ182を構成する段付きキャビティを含む。下方キャビティ176は、外側スリーブ164の肩部174を受ける適切な寸法にされる。ソケット162は、シャフト組立体14がソケットのキャビティ内に挿入された時に外側スリーブ164の肩部174の直ぐ下に配置されるピン186を受ける開口184を含む。ピン186は、ソケット162の内部のシャフト組立体14を垂直に保持する。中央キャビティ178は、肩部174の上に配置された外側スリーブ164の上方部分を受ける寸法にされる。ソケット162の上方キャビティ182は、以下により詳細に説明するシャフトコネクタ188を嵌合する適切な寸法にされる。
【0039】
図6及び図7を参照すると、シャフトコネクタ188は耐熱鋼で作られる。円形ではないソケット162(図5)の上方キャビティ182の周囲は、シャフトコネクタ188の周囲と一致する形状にされる。従って、シャフトコネクタ188が細長いロッド172(図5)に接続され、ソケット162の相補的形状にされた上方キャビティ182内に受けられると、ソケット162の回転によって細長いロッド172の回転が生じる。
【0040】
図6及び図7に示す実施形態においては、シャフトコネクタ188は、第1の軸すなわち長軸192と第2の軸すなわち短軸194の両方で対称的である。長軸192及び短軸194は、互いに対し垂直であり、中心軸線168(図5)に対して垂直である。シャフトコネクタ188は、相対する円形の長手方向端部196と、長手方向端部196を相互接続する相対側面198とを含む。シャフトコネクタ188は、キー付き円錐状開口202を含み、円錐状開口202は、該円錐状開口202からシャフトコネクタ188内に延びるキー溝204を含む。
【0041】
図8を参照すると、細長いロッド172は、シャフトコネクタ188の中央開口202内部に受けられる円錐状先細部分206を含む。先細部分206は、シャフトコネクタ188の中央開口202と嵌合する形状にされる。先細部分206は、該先細部分206の外表面内に垂直に切り欠かれたキー溝208を含み、シャフトコネクタ188のキー溝204と整列する。キー溝204及び208は、キー212を受けて、シャフトコネクタ188を細長いロッド172にロックする。シャフトコネクタ188は、ソケット162と細長いロッド172との間に金属間接続を形成し、従って、モータシャフト160とインペラシャフト組立体14との間に強い接続を可能にする。ナット214及びワッシャ216を細長いロッド172のネジ付き上端部218に取り付け、キー212を所定位置で垂直方向に固定することができる。割りピン222が、細長いロッド172の上端部に隣接した横断方向貫通ボア内に受けられる。
【0042】
図8を参照すると、インペラシャフト組立体14の下端部は、インペラ16に取り付けられる。インペラ16は、キー244を用いて下部構造体242に取り付けられた上部構造体240を含む。上部構造体240及び下部構造体242は、ベーン246を形成し、これに通って溶融金属がポンプ輸送される。下部構造体242はまた入口248を含み、ここで溶融金属がインペラに入る。図示のインペラ16は、底部入口インペラであるが、上部入口のような他の構成であってもよい。
【0043】
インペラ16の上部構造体240は、シャフト組立体14の下端部を受けるキャビティ254を形成する上方に延びる中空ボス252を含む。長円のプレート256は、細長いロッド172の下端部に取り付ける。シャフト組立体14の底面図である図9でより明確に分かるように、プレート256は、相対する丸みのある長手方向縁部258と平坦な横方向縁部262とを含む。インペラ16のキャビティ254は、下方プレート256の周囲と一致する適切な形状にされ、その結果、細長いロッド172の回転によりインペラ16が回転する。
【0044】
再度図8を参照すると、垂直貫通ボア272を有する中空ブーツ270が、外側シールド164の下端部を受ける。外側シールド164は、ブーツ270内部に受けられる下側部分に移行する先細部分274を含む。ブーツ270の上面図である図10においてより明確に分かるように、ブーツは、下方プレート256の構造に一致する下側長円部分278から上方に延びる環状の上方部分276を含む。従って、ブーツ270の長円ベース278は、丸みのある長手方向端部286と平坦な横方向端部288とを含む。ブーツ270は、グラファイト、セラミック、又は他の同様の材料のような耐火性材料で作られる。再度図8を参照すると、充填材282が、ブーツ270のベース278の下面と下方プレート256の上面との間に置かれる。同様に、充填材284が、細長いロッド172と外側スリーブ164との間に置かれる。充填材は、粒状グラファイト及び他の耐熱性材料を含むことができる。
【0045】
ブーツ270の構造は、インペラ16のキャビティ254の協働する表面と係合する大きな座面(すなわち平坦表面288)を提供するので、インペラ16は、シャフト組立体14と共に回転することができる。水平貫通ボア290が、インペラ16の上方構造体240内に設けられ、ブーツ270内の水平貫通ボア292と整列する。インペラ16に対してブーツ270を更に付着させるために、ボア290及び292を介してセメントを注入することができる。
【0046】
再度図1を参照すると、インペラ16は、ポンプベースハウジング18内に定められたポンピングチャンバ20内に収容される。中央ボア296を有する環状の軸受リング294がブーツ270を受ける。軸受リング294は、ポンプベースハウジング18に取り付けられた静止軸受リング298に接して支持する。
【0047】
図11を参照すると、インペラシャフト組立体14に取り付けることができる上部入口インペラ用のキャップ部材300である。キャップ部材300はまた、インペラの底部に取り付けて、底部入口インペラを形成することができる。インペラが溶融金属を動かすことができるように、ベーン246(図8)と同様のベーンを前述のインペラの両方に設けられる。図11及び図12に開示されるキャップ部材300は、公知のインペラと比べて、特定時間内にポンプ輸送できる溶融金属の量を増大させる。部材300は、キャップ部材として説明されるが、該部材はインペラの上部又は底部に取付けることができることが理解される。
【0048】
再度図11を参照すると、キャップ部材300は、上面302及び下面304(図2)を含む。複数の入口開口306がキャップ部材300を貫通して形成される。各入口開口306は、図8の通路246のようなインペラの内部通路と連通することになる。この実施形態においては、キャップ部材300は、矢印Aで示す時計方向に回転するようになっている。各入口開口306は、半径方向前方壁308、半径方向後方壁312、円周方向内部壁314、及び円周方向外方壁316によって定められる。内部壁314及び外方壁316は、前方壁308及び後方壁312を相互に接続する。円周方向内部壁314及び円周方向外方壁316は、面300の中央回転軸とほぼ同心とすることができる。隣接する壁間の交差部は、丸みのあるコーナとなる。
【0049】
半径方向前方壁308及び半径方向後方壁312は、面300の回転軸に対して傾斜され、溶融金属が平坦な前方壁及び後方壁に沿って下流側に進んでインペラ内に入るようになる。換言すれば、インペラが時計方向に回転すると、各前方壁308及び各後方壁312の最上縁部は、各前方壁308及び各後方壁312の最下縁部の前方にある。傾斜角は、壁の各々について約__度〜約__度である。壁は、互いに平行とすることができるが、他の実施形態では、互いに平行以外に位置してもよい。傾斜された壁は、垂直方向に向いた入口壁と比べて、より多くの溶融金属がインペラ通路に流入するように促す。更に、ほぼ同心の内部壁314及び外方壁316は、入口開口306によって定められる傾斜した棒状スポーク318だけがインペラ内への溶融金属の流入を遮るので、円形入口開口又は矩形入口開口と比べてより大きな入口開口を提供する。内部壁314及び外方壁316が直線的である実施形態においてでも、より大きな開口を提供するために開口はほぼ台形形状を有する。従って、より多くの溶融金属を受けるためにより大きな入口開口表面積が提供される。
【0050】
キャップ部材300は、図1のインペラシャフト組立体14のようなインペラシャフトを収容する中央開口322を含む。中央開口は、円形で図示されているが、インペラシャフト組立体14の非円形部分を収容する形状にすることもできる。図11及び12に示す実施形態においては、キャップ部材300はまた、該キャップ部材の下面304から下方に垂下した周囲壁324を含む。周囲壁324は、図1に示す下部構造体242のようなインペラの下方部分に取り付けることができる。
【0051】
図1に示す溶融金属ポンプは、溶融金属が上昇管24内の通路26を通って別の場所へ移送されるので移送ポンプと呼ばれる。溶融金属ポンプは、他の環境においてはガス注入ポンプとして使用することができ、この場合、出口22及びベース18は、図14に示す排出装置330と連通するように実質的に水平に配置されることになる。
【0052】
キャップ部材300はまた、図27及び図28に示すベース部材900に取り付けることができる。ベース部材900は、隆起した中央ボス904に形成された中央開口902を含む。中央開口902は、インペラシャフト組立体14(図1)を収容するために、キャップ部材300の中央開口322と整列する。複数の半径方向壁又はインペラブレード906が、中央ボス904から半径方向に延びる。各半径方向壁906は、該半径方向壁の上部外方端部に形成されたノッチ908を含む。ノッチ908は、キャップ部材300(図12)の周囲壁324を収容する。
【0053】
各半径方向壁906は、第1の表面912と第2の表面914とを含む。ベース部材900が時計方向に回転する場合、第1の表面912は、前方面と呼ぶことができ、第2の表面914は後方面と呼ぶことができる。ベース部材900が反時計方向に回転する場合、第1の表面912は後方面と呼ぶことができ、第2の表面914は前方面と呼ぶことができる。第1及び第2の表面は、図示した実施形態においてはほぼ水平な出口通路916を構成する。
【0054】
図示の実施形態においては、各半径方向壁906は、出口通路916に向かって延びる面取りされた周囲端部918を含む。従って、第1の表面912は、対象の第1表面及び第2の表面によって定められる出口通路916を形成する隣接半径方向壁906の第2の表面914に向いて周囲縁部で傾斜されている。面取りされた周囲端部918は、ある種の出口誘導部材として働き、インペラを通過する溶融金属の速度を更に高めることができる。
【0055】
キャップ部材300は、該キャップ部材のスポーク318がベース部材の半径方向壁906と整列するようにベース部材900に取り付けられる。キャップ部材300は、ベース部材900にセメントで固定することができる。インペラ全体は、公知のインペラよりも低い約7インチの高さを有することができる。必要に応じて、軸受リング(図27及び28には図示せず)をベース部材900の下方部分に取り付けることができる。
【0056】
ガス注入ポンプの場合には、溶融金属は、ポンピングチャンバ20(図1)と連通した排出装置330内に形成された出口通路332を通ってポンプ輸送される。塩素のようなガスが、ガス注入管336内に形成された通路334を介して排出通路332内に導入される。管プラグ338が、開口342内部で排出装置330に装着される。管プラグは、ガス排出管336の下端部を受けて、ガス排出管336内の通路334と排出出口通路332との間の連通を可能にする輪郭開口344を含む。
【0057】
溶融アルミニウムをポンプ輸送する公知の装置においては、塩素が排出流内、例えば排出通路332を通過する溶融金属流内に導入される場所の近くに塩化マグネシウムが蓄積する傾向にある。塩化マグネシウムの蓄積は、管プラグからの排出管の取り外しを極めて困難にすることがある。排出通路332を通過する溶融金属の十分な流れによって、排出流内に塩素が導入される場所に真空が生成されることになる。従って、塩化マグネシウムの蓄積を大幅に低減するか、或いは排除することができる。ポンプのインペラ上でキャップ部材300(図11及び12)を使用することにより、同じRPMで動作する公知のインペラと比べ、排出通路332を通る流量を大幅に増大させることができる。
【0058】
十分な流量が得られている場合には、チューブ336をプラグ338に固定するのにセメントを必要とすることなく、プラグ338に形成された開口344内部にガス注入管334を受け入れることができる。ガス注入管336は、プラグ338内の円錐状に形成された開口344に対して相補的な形状を持つ先細端部358を有する。プラグ338は傾斜した開口366を含む。セラミック管が開口366内に受け入れられ、該開口から延びる。
【0059】
管プラグ338は、円筒形部分362から延びるほぼ楕円形の中間部分372を含む。中間部分372は、先細縁部376を有する遠位フィン374へ移行する。楕円形部分372及びフィン374は、ガス排出装置330の排出通路332内に延びることができる。溶融金属の流れは、フィン374の垂直端部から先細縁部376(図14に示す)に向う方向とすることができ、又は逆もまた同様である。セラミック先端部368は、排出開口332を通って流れる溶融金属流に延びることができる。セラミック先端部368が溶融金属流内に延びる深さは、溶融金属流の上部から底部付近までの幅がある。1つの代替設計においては、フィン要素374全体又は管プラグ338全体もセラミックからなることは実施可能である。
【0060】
ガス注入システムの構成要素を作るのにグラファイトだけを使用する公知のシステムと比べ、セラミック先端部368を溶融金属流内に延伸させることによりシステムの寿命が延びる。セラミック先端部368は、溶融金属流内に注入されるガスが流れの下側部分に注入されるように溶融金属流内に延びることができる。
【0061】
公知のガス注入システムと対比して、ガス注入管336は、これをプラグ338にセメントで固定することなく管プラグ338の開口344内に着座させることができ、この場合、排出出口332を通る溶融金属の流れは、十分な真空が生じるようなものである。フィン374及び中間楕円領域372の形状は、溶融金属の流れがあまり妨げられないような形状である。排出通路の形状もまた、例えば排出通路を管プラグ338に隣接する区域に拡大することにより、管プラグ364の流れ阻止作用を最小限にするように作ることができる。
【0062】
次に図26を参照すると、典型的なガス注入ポンプ400が図示されている。詳細には、ポンプ400は、必要に応じて炉(図示せず)内でポンプを持ち上げて位置決めするのに使用されるハンガー組立体402を含む。モータ403はモータ取付具404によって支持され、該モータ取付具自体は、支持プレート406によって支持される。モータ403は、インペラ412上に固定された回転シャフト410に結合組立体408を介して接続される。
【0063】
ベース組立体414は、反射炉の床上に置かれ、複数のポスト416によって支持プレート406及びモータ取付具404用の土台を形成する。インペラ412は、ポンピングチャンバ418内で回転可能であり、その回転によって、溶融金属419が入口420を介してポンピングチャンバ418内へ引き込まれ、出口通路422を介して排出される。
【0064】
反応性ガスが、支持プレート406に取り付けられたクランプ機構426によって支持されるガス注入管424に供給される。ガス注入管424の浸漬された端部は、管プラグ428を介して出口通路422に接続される。出口通路422の排出開口430に隣接して収束ノズル525がある。詳細には、出口が「狭まり」、制約432注入点の区域(収束ゾーン)を形成する。残念ながら、この設計は、出口における金属の速度が増大して流れを制限し、結果として充填ウェル内の比較的停留した溶融金属に対する衝撃が増大する。
【0065】
この設計とは対照的に、本発明は、末広ファンタイプの出口を含む。他の点では、ポンプは同様とすることができる。従って、米国特許第5,993,728号は引用により本明細書に組み込まれる。
【0066】
次に図15を参照すると、遠心溶融金属ポンプのベース560が図示される。ベース560内には、インペラ564を収容した渦巻ポンピングチャンバ562が設けられる。インペラ564が回転すると、溶融金属は、ポンプベース560入口(図示せず)を通ってインペラ入口566に入り、多数の通路568を介して渦巻チャンバ562へ出る。従って、溶融金属は、渦巻チャンバ562から出口通路570へ強制的に送られる。出口通路570は、ガス注入入口572とファン拡散セクション574とを含む。ガス注入入口572は、渦巻の水切りに対してほぼ垂直に位置付けられたライン576の下流側で、ファン拡散セクション574の上流側に位置付けられるのが好ましい。ポンプインペラ564は、出口通路570の近傍の壁578から延びる仮想ラインに対してほぼ接線方向にある半径方向壁を有する。
【0067】
ファン拡散セクション574は、上流側幅(Wu)及び終端側幅(Wt)によって特徴付けることができる。幅方向において側壁が発散する性質の結果、WtはWuよりも大きい。この例においては、幅の増大は、各壁の角度αの寸法の増大によって示されている。しかしながら、この増大は、必ずしも各壁に存在する必要はなく、単一の壁において表すこともできる。この構成は、詳細には、ファン拡散セクション574の高度な態様を示した図16に示されている。より詳細には、ファン拡散セクション574は、角度βに従ってその高さが増大し、上流側高さ寸法Huよりも大きい終端側高さ寸法Htを提供する。
【0068】
次に図17を参照すると、本発明の設計が代替形態で示されており、ここではファン拡散セクション580は、ベース582とは別個の構成要素を含む。ファン拡散セクション580は、ダウエル/セメントの組合せ584、ネジ接続、セメントのみ、又は他のあらゆる好適な技法を含む、当業者が利用可能なあらゆる手段を用いてベース582に取り付けることができる。
【0069】
次に図18を参照すると、代替的なガス注入システムの利用が示されており、ここでガス注入入口590は、出口通路592の各々の壁に分散されている。ガス注入入口590は、別個のガス管を介して、或いは分割機構と組み合わせた単一のガス管を介して送給することができる。いずれの場合においても、この設計は、ガス分散を助けるものと考えられる。
【0070】
本発明は、出口流の圧力脈動を低減し、結果としてポンプベースの破損が同様に低減されるようになることが分かった。更に、充填ウェル内への溶融金属の侵入が増大することが確保される点が明らかになった。当業者には理解されるように、循環用に溶融金属ポンプを利用する主な意義は、溶融金属の形態で所望のBTU単位を炉から充填ウェルへ提供することである。充填ウェル内への溶融金属侵入が少なすぎる場合には、スクラップ充填物の溶融に供給されるエネルギーが不十分である。充填ウェル内への溶融金属の速度が高すぎる場合には、充填ウェル溶融金属表面の望ましくない乱れにより望ましくない酸化が生じる結果となる。より詳細には、ポンプ輸送金属が、2αに等しい角度で外向きに拡散し、充填ウェル掃引面積を増大させることになる。要するに、導入される金属によって湿潤される充填ウェルの面積がより大きくなる。
【0071】
加えて、溶融金属出口圧力を増大させることにより、充填ウェルの静止金属プール内へのより深くより滑らかな侵入が得られる。従来、出口から静止充填ウェルプールへの金属流を高速で導入すると、大きな衝撃振動が生じ、多くの場合、溶融金属ポンプ構成要素、特にベースの亀裂の原因となる。ファン拡散出口を利用して流速を低下させ且つ流れ圧力を増大させることによって、衝撃振動は低減される。有利なことに、これによりポンプがより高速の回転速度及び/又は接線方向速度で作動することも可能になる。
【0072】
図示のポンプは、ガス注入タイプであるが、あらゆるタイプの循環ポンプ又は電磁ポンプ、及び実際には溶融金属を移送するあらゆるタイプのポンプは、本発明のファン拡散出口設計を含むことによって利益を得ることができる点に留意されたい。
【0073】
再び図15を参照すると、ガス注入入口は、ライン576の僅かに下流側で且つファン拡散出口部574の僅かに上流側のベース内に位置付けられている。ガス注入入口の上流側位置は、ガスが渦巻ポンピングチャンバ562内へ循環するのを防止したいという要望により制限される。ファン拡散要素の上流側のガス注入は、比較的低圧力位置でのガス導入を可能にするためである。勿論、ガス注入オリフィスは、複数であってよく、これらが同心である限り、或いは多重注入が使用される場合に出口アクセスに対し対称である限り、出口の頂部、側部、又は底部を含むあらゆる場所に置くことができる。有利には、下流側のファン拡散出口部を高圧にしてこの場所にガスを導入することにより、気泡が溶融金属内に取り込まれた状態を維持することが更に困難となるより大きなポケットへ合体する傾向が低減される。
【0074】
一般に、本発明は、より長いガス滞留、より緩慢な気泡合体形成、周囲速度及び金属流量に比例した金属内への高いガス分散性、静止金属内へのより深いガス侵入、ポンプ入口から外部へのガス逆流が無いこと、先行技術設計と同一のガス流量でのより高い金属流量、ポンプ流速が低下しないこと、大きな速度変化から生じる出口流れ圧力の変動が無いこと、並びに、高共振応力及び液圧波に起因する振動及び材料疲労の制限を提供する。
【0075】
次に図19から図22を参照すると、本発明のガス注入アダプタが図示される。重要なことには、本明細書ではアダプタ600は溶融金属ベースとは別個の構成要素として図示されているが、アダプタはまた、ベースを形成する材料の一体的構成要素として構成することもできる点に留意されたい。
【0076】
アダプタ600は、入口端部602と出口端部604とを有するグラファイト、セラミック、又は他の耐溶融金属性の本体601からなる。本体601は、分岐フィン608が位置付けられた通路606を構成する。フィン608は、アダプタ600の長手方向軸線Lに沿って整列して図示されているが、フィンは、別の場所に置かれてもよく、所望であれば湾曲させることもできる。分岐フィン608は、アダプタ100の長手方向軸線Lに対して約5°から15°の間の角度増大を好ましくは有する先細前縁610と、アダプタの長手方向軸線に対して約2°から8°の間の角度減少を好ましくは有する先細後縁612とを含む。先細前縁610及び先細後縁612は、互いに平行な2つのほぼ平坦な側壁616を有する中央セクション614によってつながる。フィン608の前縁610の方が短く、従って、より長い後縁612と比べてより大きな増大角を有する。
【0077】
通路606の内部壁は、これらの寸法がフィン608の前縁、後縁、並びに中央領域の寸法を実質的に反映するように形成される。更に、通路606の壁は、フィン608によって取り除かれる通路の面積と一致する面積だけ取り除かれることになる。このような構成は、アダプタ全体の一定又は増大する流れ面積(長手方向軸線Lに垂直な断面で測った面積)を提供することによって、アダプタを流れる溶融金属の流れに対する衝撃を軽減する。従って、領域620における内部壁618は、前縁610の外側寸法とほぼ一致する約5°から15°の間の角度の割合で増大する。中央領域622に隣接した内部壁621は、比較的平坦とすることができる。後方領域626に隣接した内部壁624は、平坦のままでもよく、或いは実際には上述の拡散ファンの利点をこの装置に備えるために連続して発散してもよい。このようにして、影響のあるレベルにまでは乱流が溶融金属流内に導入されない。
【0078】
出口アダプタ600は、ガス注入管(図示せず)の着座を容易にするために面取りされた縁部629を有する凹形のガス注入管受け入れ領域628を含む。着座部628は、2つの出口632を含んでフィン608内に延びた少なくとも1つのガス注入口630を含み、ガスがフィン608を通過して流れる溶融金属にアクセスすることができる。勿論、多くの出口位置が実施可能である。例えば、出口は、図示したよりも前方又は後方、及び上方又は下方に移動させることができる。同様に、この部品が溶融金属流内へ向けられる角度は調節可能である。従って、このフィン設計は、最大吸引ポイントでガスを注入することを可能にする。吸引が大きいほど、注入可能なガスが多くなり、処理される金属が多くなる。アダプタ600は、出口632の機械加工を容易にするために設けられる側壁孔634を含む。
【0079】
分岐ポンプ出口は、有利には、注入ガスを最大滞留、最大流速、及び最大流れ侵入を得るための負荷中心であることを可能にする。1つの重要な利点は、渦巻区域狭窄が全く生じないことである。これに加えて、気泡合体を最低限にするために、漸次的な渦巻排出区域の拡大がある。同様に、最大ガス保持が速度乱流無く起こるように、二重金属流の合体が生じる。
【0080】
更に、下流側ポイントにおいて側壁テーパ設計を選択することによって、既存の速度により4〜20フィート/秒の金属間侵入速度が可能になる。
【0081】
次に図23を参照すると、代替のガス注入管700が図示される。この実施形態においては、単一又は二重ガス入口(例えば、図13、14、及び図19−22)ではなく、複数の出口703がある。好ましくは、各個々の出口は、ガス排出面積全体の5%よりも大きくない開口寸法を有する。
【0082】
次に図24及び25を参照すると、代替の水平化機構が図示される。より詳細には、モータ取付け組立体800は、他の要素の中でも特にポンプポストを固定することができる1次支持プレート803を含むように図示されている。4つのネジ付きスタッドボルト805がプレート803に固定される。スタッド要素805上に取付けリング807が位置付けられ、これにモータ(図示せず)が固定される。プレート803及び取付けリング807の中間にあり、スタッドボルト805上に位置付けられるのが調節要素809である。調節要素809は、管要素811、ネジ付き調節キャップ813、及びロックリング815から構成される。調節キャップ813は、ロックリング815と嵌合するのに好適なネジ付き外表面817を含む。ロックキャップ813の内部ボアは、スタッドボルト805と嵌合するようにネジ切りされている。本明細書で示された設計は、モータリング807の調節、従って上に取り付けられるモータの調節を容易にする。有利には、要素809の僅かな調節が、上述のシャフト及びインペラ要素の適正な配向を容易にする。
【0083】
以上において、溶融金属ポンプ及び該溶融金属ポンプを構成する構成要素を当業者が本装置を作製及び使用できるように十分詳細に説明してきた。「上方」、「下方」、「垂直」、「水平」等のような方向を表す用語は、図示の実施形態を説明するのに使用されており、特定の構成要素の位置を限定するものではない。前述の説明を読むと、当業者であれば上述の実施形態の幾つかの代替形態を想起することができる。本発明は、添付の請求項及び均等物の範囲内にある全てのこうした変更及び変形を含むものとする。
【0084】
また、好ましい実施態様として、本発明を次のように構成することもできる。
1. 溶融金属ポンプのポスト組立体を前記溶融金属ポンプのモータ取付具に接続するためのコネクタであって、
側壁と、
前記側壁から延び、軸方向に整列した開口を含む内部壁と、
を含み、
前記側壁と前記内部壁とが、関連した溶融金属ポンプの支持ポスト組立体を受けるように適合された下側受入れ部と、前記関連した溶融金属ポンプのモータ取付具又は該取付具に接続された構造体と協働するように適合された上方受入れ部とを構成することを特徴とするコネクタ。
2. 前記内部壁内の開口が、前記ポスト組立体の構成要素である細長いロッドを受けるように適合されていることを特徴とする上記1に記載のコネクタ。
3. 前記関連した溶融金属ポンプのモータ取付具に接続され、且つ前記上方受入れ部の内部に受けられるように適合された取付構造体を更に含むことを特徴とする上記1に記載のコネクタ。
4. 前記取付構造体が外ネジを含み、前記側壁が前記上方受入れ部に内ネジを含むことを特徴とする上記3に記載のコネクタ。
5. 前記取付構造体が、前記内部壁内の開口と整列した開口を含み、前記開口の内の少なくとも1つが非円形の周囲を有することを特徴とする上記3に記載のコネクタ。
6. 前記側壁が、前記内部壁に隣接した開口を含むことを特徴とする上記1に記載のコネクタ。
7. 前記側壁が、前記内部壁から離間して配置された、前記下方受入れ部に通じる少なくとも1つの開口を含むことを特徴とする上記1に記載のコネクタ。
8. 前記少なくとも1つの開口内に受けられる寸法にされたバレルナットを更に含み、該バレルナットが、前記内部壁の開口と整列するように適合されたネジ付き開口を含むことを特徴とする上記7に記載のコネクタ。
9. 上記1のコネクタと、
インペラと、
前記インペラを少なくとも部分的に囲むポンプベースハウジングと、
前記インペラに接続されたシャフトと、
前記シャフトに接続されたモータと、
前記モータを支持するためのモータ取付プレートと、
前記モータ取付プレートを前記ポンプベースハウジングに接続するためのポストと、
を含み、
前記コネクタが、前記ポストを前記モータ取付プレートに接続することを特徴とする溶融金属ポンプ。
10. 溶融金属ポンプポストと溶融金属ポンプ用のモータ取付具との間に調節可能な接続を可能にする装置であって、
関連する溶融金属ポンプ用のポストを受ける寸法にされた受入れ部を構成する側壁と、
前記関連する溶融金属ポンプのモータ取付具又は該モータ取付具に接続された構造体に調節可能に取り付けられて、前記関連する溶融金属ポンプ用のポストの長手方向軸線によって定められる軸線内で前記装置の調節を可能にするように適合された上方部分と、
を含むことを特徴とする装置。
11. 前記装置の上方部分にネジが設けられていることを特徴とする上記10に記載の装置。
12. 前記装置の上方部分に内ネジが設けられていることを特徴とする上記11に記載の装置。
13. 前記側壁から前記受入れ部内に延びる内部壁を更に含み、前記内部壁が中央開口を含むことを特徴とする上記10に記載の装置。
14. インペラシャフトをモータに接続するための装置であって、
コネクタが、関連する溶融金属ポンプのモータの駆動シャフトに接続されるように適合されたソケットを備え、
前記ソケットが、上方キャビティと下方キャビティとを構成する段付きキャビティを含み、前記上方キャビティが、前記ソケットの中心軸線に垂直な断面において非円形構造の形状を有しており、前記下方キャビティが、前記関連する溶融金属ポンプのインペラシャフト組立体を受けるように適合されていることを特徴とする装置。
15. シャフトコネクタを更に備え、該シャフトコネクタが、前記インペラシャフト組立体の細長いロッドを受けるための中央開口と、前記シャフトコネクタが前記上方キャビティによって嵌合されて前記ソケットの回転が前記シャフトコネクタの回転を生じるような形状にされた周辺部とを有することを特徴とする上記14に記載の装置。
16. 前記シャフトコネクタが鋼材で作られていることを特徴とする上記15に記載の装置。
17. 前記シャフトコネクタを前記細長いロッドに接続するためのキーを更に備えることを特徴とする上記15に記載の装置。
18. 前記ソケットが、前記シャフト組立体を垂直に保持するために割りピンを受けるように構成された横断方向開口を含むことを特徴とする上記14に記載の装置。
19. 前記ソケットが、前記上方キャビティと前記下方キャビティとの間に中間キャビティを含み、前記中間キャビティが、前記下方キャビティの直径よりも小さい直径を有することを特徴とする上記18に記載の装置。
20. 上記14の装置と、
インペラと、
前記インペラを少なくとも部分的に囲むポンプベースハウジングと、
前記インペラに接続されたシャフトと、
前記装置によって前記シャフトに接続されたモータと、
前記モータを支持するためのモータ取付具と、
前記モータ取付具を前記ポンプベースハウジングに接続するためのポストと、
を含むことを特徴とする上記14に記載の溶融金属ポンプ。
21. 溶融金属ポンプのためのインペラシャフト組立体であって、
第1の端部と第2の端部とを有し、該第1の端部がモータに接続するように構成された細長い金属ロッドと、
前記細長い金属ロッドの第2の端部に取付られた、又は該第2の端部に隣接して取付られた非円形の金属製駆動部材と、
を含み、
前記駆動部材が、インペラと協働するように構成されていることを特徴とするインペラシャフト組立体。
22. 前記細長い金属ロッドが、前記第1の端部に隣接して形成されたキー溝を含むことを特徴とする上記21に記載の組立体。
23. 耐火性材料で作られた外側スリーブを更に含み、
前記外側スリーブが、前記細長い金属ロッドを受ける細長い開口を含むことを特徴とする上記21に記載の組立体。
24. 耐火性材料で作られ、前記外側スリーブの下方部分を受けるためのボアを有するブーツを更に含み、
前記ブーツが、前記非円形駆動部材と一致する周辺部を有する下方部分を含むことを特徴とする上記21に記載の組立体。
25. 前記非円形駆動部材が、平坦な横方向縁部を有するプレートを含むことを特徴とする上記21に記載の組立体。
26. 溶融金属ポンプ用のインペラであって、
回転軸線を有するほぼ円筒状本体と、
前記本体に取り付けられ、且つ前記本体の内部通路と連通した複数の入口開口を有するキャップ部材と、
を含み、
各入口開口が内方壁と外方壁とを有し、前記外方壁が前記内方壁よりも長く、各入口開口がまた前方壁と後方壁とを含み、該前方壁及び後方壁が各々、前記内方壁及び外方壁を相互接続し、各々が、第1の回転方向において各壁の最上縁部が各壁の最下縁部に先行するように傾斜されていることを特徴とするインペラ。
27. 前記入口開口が、円形又は多角形の内の一方であることを特徴とする上記26に記載のインペラ。
28. 前記入口開口が、複数の半径方向棒状スポーク、湾曲したスポーク、又は半径方向にオフセットしたスポークの内の1つを構成することを特徴とする上記26に記載のインペラ。
29. 前記キャップ部材がほぼ円筒状であり、各入口開口の外方壁が、前記キャップ部材の周辺部にほぼ従うことを特徴とする上記26に記載のインペラ。
30. 各入口開口の内方壁が外方壁にほぼ平行であることを特徴とする上記26に記載のインペラ。
31. 前記前方壁及び後方壁が平坦又は凹状であることを特徴とする上記26に記載のインペラ。
32. 前記キャップ部材が、インペラシャフトを収容するための中央開口を含むことを特徴とする上記26に記載のインペラ。
33. 上記26のインペラと、
前記インペラを少なくとも部分的に囲むポンプベースハウジングと、
前記インペラに接続されたシャフトと、
前記シャフトを駆動するためのモータと、
前記モータを支持するためのモータ取付具と、
前記モータ取付具をポンプベースハウジングに接続するためのポストと、
を含むことを特徴とする溶融金属ポンプ。
34. 溶融金属ポンプ用のガス注入管プラグであって、
ガスを流すことができるチャネルを有する本体であって、該本体の一部が、前記チャネルにガスを供給するガス注入源と連通するように適合された本体と、
前記本体内に配置され、前記チャネルと連通した通路を含むセラミック先端部材と、
を含むガス注入管プラグ
35. 前記本体が、溶融金属の流れの中に配置されるように適合されたフィン状部分を含み、前記セラミック先端部材が前記フィン状部分から延びることを特徴とする上記34に記載のプラグ。
36. 上記34のガス注入管プラグと、
インペラと、
前記インペラを少なくとも部分的に囲むポンプベースハウジングと、
前記ポンプベースハウジングと連通し、前記ガス注入管プラグが内部に配置されるガス注入入口を構成する出口通路と、
前記インペラに接続されたシャフトと、
前記シャフトを駆動するためのモータと、
前記モータを支持するためのモータ取付具と、
前記モータ取付具を前記ポンプベースハウジングに接続するためのポストと、
を含むことを特徴とするガス注入型溶融金属ポンプ。
37. 前記ガス注入管プラグの本体が、前記出口通路内に配置されたフィン状部分を含み、前記セラミック先端部材が前記フィン状部分から延びることを特徴とする上記36に記載のポンプ。
38. 前記出口通路の形状は、前記フィン状部分を受ける区域において拡大するような形状であることを特徴とする上記37に記載のポンプ。
39. ポンピングチャンバを構成する本体と、
前記ポンピングチャンバ内に配置されたインペラと、
前記ポンピングチャンバから延びる出口通路であって、前記出口通路内部にフィンが配置されており、該フィンが、前記出口通路の壁が前記フィンの第1の端部にある先細部とほぼ同じ増大度で発散している全体的に厚い領域よって接続された第1の先細上流側端部と第2の先細下流側端部とを有する出口通路と、
前記フィンを貫通して延び、該フィンの少なくとも1つの側壁から出る少なくとも1つのガス注入口と、
からなる溶融金属ポンプ。
40. 前記フィンが、複数のガス注入口を含むことを特徴とする上記39に記載のポンプ。
41. 通路を形成する本体を備えた溶融金属ポンプ用の出口アダプタであって、前記出口通路内にフィンが配置され、前記フィンが、全体的に厚い領域によって接続された第1の先細上流端部と第2の先細下流端部とを有し、前記出口通路の壁が前記フィンの第1の端部にある先細部とほぼ同じ増大の度合いで広がっており、ガス注入口が前記フィンを貫通して延び、該フィンの少なくとも1つの側壁から出ることを特徴とする出口アダプタ。
42. 入口と、出口と、溶融金属を前記入口に引き込み且つ前記出口から前記溶融金属を送り出すための手段とから構成された溶融金属ポンプであって、前記出口が、上流側位置にある第1の断面積と、終端位置にあるより大きな第2の断面積とを有するチャネルを含むことを特徴とする溶融金属ポンプ。
43. 前記チャネルが、長さL、高さH、及び幅Wを有し、Wが上流側位置Wuから終端位置Wtまで0よりも大きな角度αに従って全体的に増大することを特徴とする上記42に記載のポンプ。
44. 前記チャネルが高さHを有し、Hが上流側位置Huから終端位置Htまで角度βに従って全体的に増大することを特徴とする上記43に記載のポンプ。
45. 5°<α<11°であることを特徴とする上記43に記載のポンプ。
46. 1.0°<β<10°であることを特徴とする上記44に記載のポンプ。
47. αが対向する壁の和から構成されることを特徴とする上記46に記載のポンプ。
48. βが1つの壁から構成されることを特徴とする上記43に記載のポンプ。
49. Qが金属流量(in3/sec)に等しく、Q/240<Wt×Ht<Q/40であることを特徴とする上記43に記載のポンプ。
50. 0.026<1/2(Wt−Wu)<0.195であることを特徴とする上記43に記載のポンプ。
51. 式0.017<1/2(Ht−Hu)L<0.177であることを特徴とする上記44に記載のポンプ。
52. 前記ポンプがガス注入要素を含むことを特徴とする上記42に記載のポンプ。
53. 前記ガス注入要素が、前記渦巻の水切りに隣接し且つ前記H又はWが増大し始める位置の上流側で前記ベースに入ることを特徴とする上記43に記載のポンプ。
54. 複数のガス注入ポイントを含むことを特徴とする上記52に記載のポンプ。
55. 前記インペラの半径方向壁が、前記出口の近位壁に平行に延びた仮想線に対しほぼ接線方向にあることを特徴とする上記52に記載のポンプ。
56. ポンピングチャンバと、モータ取付具と、前記ポンピングチャンバを前記モータ取付具に接合する少なくとも1本のポストとから構成された溶融金属ポンプであって、
前記モータ取付具が、前記ポストに固定された第1の本体と、モータに固定された第2の本体と、前記第1の本体と前記第2の本体との間に配置された少なくとも1つの調節可能な要素とを含み、
前記調節可能な要素が、前記両本体間の分離距離を調節して固定するための機構を提供することを特徴とするポンプ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インペラシャフトをモータに接続するための装置であって、
コネクタが、関連する溶融金属ポンプのモータの駆動シャフトに接続されるように適合されたソケットを備え、
前記ソケットが、上方キャビティと下方キャビティとを構成する段付きキャビティを含み、前記上方キャビティが、前記ソケットの中心軸線に垂直な断面において非円形構造の形状を有しており、前記下方キャビティが、前記関連する溶融金属ポンプのインペラシャフト組立体を受けるように適合されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1の装置と、
インペラと、
前記インペラを少なくとも部分的に囲むポンプベースハウジングと、
前記インペラに接続されたシャフトと、
前記装置によって前記シャフトに接続されたモータと、
前記モータを支持するためのモータ取付具と、
前記モータ取付具を前記ポンプベースハウジングに接続するためのポストと、
を含むことを特徴とする溶融金属ポンプ。
【請求項3】
溶融金属ポンプのためのインペラシャフト組立体であって、
第1の端部と第2の端部とを有し、該第1の端部がモータに接続するように構成された細長い金属ロッドと、
前記細長い金属ロッドの第2の端部に取付られた、又は該第2の端部に隣接して取付られた非円形の金属製駆動部材と、
を含み、
前記駆動部材が、インペラと協働するように構成されていることを特徴とするインペラシャフト組立体。
【請求項4】
耐火性材料で作られた外側スリーブを更に含み、
前記外側スリーブが、前記細長い金属ロッドを受ける細長い開口を含むことを特徴とする請求項3に記載の組立体。
【請求項5】
溶融金属ポンプ用のインペラであって、
回転軸線を有するほぼ円筒状本体と、
前記本体に取り付けられ、且つ前記本体の内部通路と連通した複数の入口開口を有するキャップ部材と、
を含み、
各入口開口が内方壁と外方壁とを有し、前記外方壁が前記内方壁よりも長く、各入口開口がまた前方壁と後方壁とを含み、該前方壁及び後方壁が各々、前記内方壁及び外方壁を相互接続し、各々が、第1の回転方向において各壁の最上縁部が各壁の最下縁部に先行するように傾斜されていることを特徴とするインペラ。
【請求項6】
前記入口開口が、円形又は多角形の内の一方であることを特徴とする請求項5に記載のインペラ。
【請求項7】
前記前方壁及び後方壁が平坦又は凹状であることを特徴とする請求項5に記載のインペラ。
【請求項8】
請求項5のインペラと、
前記インペラを少なくとも部分的に囲むポンプベースハウジングと、
前記インペラに接続されたシャフトと、
前記シャフトを駆動するためのモータと、
前記モータを支持するためのモータ取付具と、
前記モータ取付具をポンプベースハウジングに接続するためのポストと、
を含むことを特徴とする溶融金属ポンプ。
【請求項9】
溶融金属ポンプ用のガス注入管プラグであって、
ガスを流すことができるチャネルを有する本体であって、該本体の一部が、前記チャネルにガスを供給するガス注入源と連通するように適合された本体と、
前記本体内に配置され、前記チャネルと連通した通路を含むセラミック先端部材と、
を含むガス注入管プラグ
【請求項10】
前記本体が、溶融金属の流れの中に配置されるように適合されたフィン状部分を含み、前記セラミック先端部材が前記フィン状部分から延びることを特徴とする請求項9に記載のプラグ。
【請求項11】
請求項9のガス注入管プラグと、
インペラと、
前記インペラを少なくとも部分的に囲むポンプベースハウジングと、
前記ポンプベースハウジングと連通し、前記ガス注入管プラグが内部に配置されるガス注入入口を構成する出口通路と、
前記インペラに接続されたシャフトと、
前記シャフトを駆動するためのモータと、
前記モータを支持するためのモータ取付具と、
前記モータ取付具を前記ポンプベースハウジングに接続するためのポストと、
を含むことを特徴とするガス注入型溶融金属ポンプ。
【請求項12】
通路を形成する本体を備えた溶融金属ポンプ用の出口アダプタであって、前記出口通路内にフィンが配置され、前記フィンが、全体的に厚い領域によって接続された第1の先細上流端部と第2の先細下流端部とを有し、前記出口通路の壁が前記フィンの第1の端部にある先細部とほぼ同じ増大の度合いで広がっており、ガス注入口が前記フィンを貫通して延び、該フィンの少なくとも1つの側壁から出ることを特徴とする出口アダプタ。
【請求項13】
入口と、出口と、溶融金属を前記入口に引き込み且つ前記出口から前記溶融金属を送り出すための手段とから構成された溶融金属ポンプであって、前記出口が、上流側位置にある第1の断面積と、終端位置にあるより大きな第2の断面積とを有するチャネルを含むことを特徴とする溶融金属ポンプ。
【請求項14】
前記チャネルが、長さL、高さH、及び幅Wを有し、Wが上流側位置Wuから終端位置Wtまで0よりも大きな角度αに従って全体的に増大することを特徴とする請求項13に記載のポンプ。
【請求項15】
前記チャネルが高さHを有し、Hが上流側位置Huから終端位置Htまで角度βに従って全体的に増大することを特徴とする請求項14に記載のポンプ。
【請求項16】
5°<α<11°であることを特徴とする請求項14に記載のポンプ。
【請求項17】
1.0°<β<10°であることを特徴とする請求項15に記載のポンプ。
【請求項18】
Qが金属流量(in3/sec)に等しく、Q/240<Wt×Ht<Q/40であることを特徴とする請求項14に記載のポンプ。
【請求項19】
0.026<1/2(Wt−Wu)<0.195であることを特徴とする請求項14に記載のポンプ。
【請求項20】
式0.017<1/2(Ht−Hu)L<0.177であることを特徴とする請求項15に記載のポンプ。
【請求項1】
インペラシャフトをモータに接続するための装置であって、
コネクタが、関連する溶融金属ポンプのモータの駆動シャフトに接続されるように適合されたソケットを備え、
前記ソケットが、上方キャビティと下方キャビティとを構成する段付きキャビティを含み、前記上方キャビティが、前記ソケットの中心軸線に垂直な断面において非円形構造の形状を有しており、前記下方キャビティが、前記関連する溶融金属ポンプのインペラシャフト組立体を受けるように適合されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1の装置と、
インペラと、
前記インペラを少なくとも部分的に囲むポンプベースハウジングと、
前記インペラに接続されたシャフトと、
前記装置によって前記シャフトに接続されたモータと、
前記モータを支持するためのモータ取付具と、
前記モータ取付具を前記ポンプベースハウジングに接続するためのポストと、
を含むことを特徴とする溶融金属ポンプ。
【請求項3】
溶融金属ポンプのためのインペラシャフト組立体であって、
第1の端部と第2の端部とを有し、該第1の端部がモータに接続するように構成された細長い金属ロッドと、
前記細長い金属ロッドの第2の端部に取付られた、又は該第2の端部に隣接して取付られた非円形の金属製駆動部材と、
を含み、
前記駆動部材が、インペラと協働するように構成されていることを特徴とするインペラシャフト組立体。
【請求項4】
耐火性材料で作られた外側スリーブを更に含み、
前記外側スリーブが、前記細長い金属ロッドを受ける細長い開口を含むことを特徴とする請求項3に記載の組立体。
【請求項5】
溶融金属ポンプ用のインペラであって、
回転軸線を有するほぼ円筒状本体と、
前記本体に取り付けられ、且つ前記本体の内部通路と連通した複数の入口開口を有するキャップ部材と、
を含み、
各入口開口が内方壁と外方壁とを有し、前記外方壁が前記内方壁よりも長く、各入口開口がまた前方壁と後方壁とを含み、該前方壁及び後方壁が各々、前記内方壁及び外方壁を相互接続し、各々が、第1の回転方向において各壁の最上縁部が各壁の最下縁部に先行するように傾斜されていることを特徴とするインペラ。
【請求項6】
前記入口開口が、円形又は多角形の内の一方であることを特徴とする請求項5に記載のインペラ。
【請求項7】
前記前方壁及び後方壁が平坦又は凹状であることを特徴とする請求項5に記載のインペラ。
【請求項8】
請求項5のインペラと、
前記インペラを少なくとも部分的に囲むポンプベースハウジングと、
前記インペラに接続されたシャフトと、
前記シャフトを駆動するためのモータと、
前記モータを支持するためのモータ取付具と、
前記モータ取付具をポンプベースハウジングに接続するためのポストと、
を含むことを特徴とする溶融金属ポンプ。
【請求項9】
溶融金属ポンプ用のガス注入管プラグであって、
ガスを流すことができるチャネルを有する本体であって、該本体の一部が、前記チャネルにガスを供給するガス注入源と連通するように適合された本体と、
前記本体内に配置され、前記チャネルと連通した通路を含むセラミック先端部材と、
を含むガス注入管プラグ
【請求項10】
前記本体が、溶融金属の流れの中に配置されるように適合されたフィン状部分を含み、前記セラミック先端部材が前記フィン状部分から延びることを特徴とする請求項9に記載のプラグ。
【請求項11】
請求項9のガス注入管プラグと、
インペラと、
前記インペラを少なくとも部分的に囲むポンプベースハウジングと、
前記ポンプベースハウジングと連通し、前記ガス注入管プラグが内部に配置されるガス注入入口を構成する出口通路と、
前記インペラに接続されたシャフトと、
前記シャフトを駆動するためのモータと、
前記モータを支持するためのモータ取付具と、
前記モータ取付具を前記ポンプベースハウジングに接続するためのポストと、
を含むことを特徴とするガス注入型溶融金属ポンプ。
【請求項12】
通路を形成する本体を備えた溶融金属ポンプ用の出口アダプタであって、前記出口通路内にフィンが配置され、前記フィンが、全体的に厚い領域によって接続された第1の先細上流端部と第2の先細下流端部とを有し、前記出口通路の壁が前記フィンの第1の端部にある先細部とほぼ同じ増大の度合いで広がっており、ガス注入口が前記フィンを貫通して延び、該フィンの少なくとも1つの側壁から出ることを特徴とする出口アダプタ。
【請求項13】
入口と、出口と、溶融金属を前記入口に引き込み且つ前記出口から前記溶融金属を送り出すための手段とから構成された溶融金属ポンプであって、前記出口が、上流側位置にある第1の断面積と、終端位置にあるより大きな第2の断面積とを有するチャネルを含むことを特徴とする溶融金属ポンプ。
【請求項14】
前記チャネルが、長さL、高さH、及び幅Wを有し、Wが上流側位置Wuから終端位置Wtまで0よりも大きな角度αに従って全体的に増大することを特徴とする請求項13に記載のポンプ。
【請求項15】
前記チャネルが高さHを有し、Hが上流側位置Huから終端位置Htまで角度βに従って全体的に増大することを特徴とする請求項14に記載のポンプ。
【請求項16】
5°<α<11°であることを特徴とする請求項14に記載のポンプ。
【請求項17】
1.0°<β<10°であることを特徴とする請求項15に記載のポンプ。
【請求項18】
Qが金属流量(in3/sec)に等しく、Q/240<Wt×Ht<Q/40であることを特徴とする請求項14に記載のポンプ。
【請求項19】
0.026<1/2(Wt−Wu)<0.195であることを特徴とする請求項14に記載のポンプ。
【請求項20】
式0.017<1/2(Ht−Hu)L<0.177であることを特徴とする請求項15に記載のポンプ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
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【図23】
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【図27】
【図28】
【公開番号】特開2011−132964(P2011−132964A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83416(P2011−83416)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【分割の表示】特願2007−520484(P2007−520484)の分割
【原出願日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(507007371)パイロテック インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【分割の表示】特願2007−520484(P2007−520484)の分割
【原出願日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(507007371)パイロテック インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
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