説明

溶解率が向上した難溶性薬剤の溶媒系

本発明は,難溶性薬物を部分イオン化により高濃縮化させ,薬物の生体内利用性を増大させるための最適の条件,即ち難溶性の酸性薬物とこれに伴う各成分との相互関係,溶媒系のイオン化程度,適切なカチオンアクセプタンスの使用,水の含量及び各構成成分の最適の組成比の設定及び特定界面活性剤の使用など様々な要因を複合的に考慮して薬物の崩壊度及び溶解率を向上させた溶媒系及びこれを含有した製薬学的製剤に関するものである。本発明による溶媒系は,難溶性薬物の崩壊度及び溶解率を向上させて生体内利用性を増大させることができるのみならず,飲みやすいのに十分に小さい体積のカプセルを提供することができるという利点がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,難溶性薬物を部分イオン化により高濃縮化させ,薬物の生体内利用性を増大させるための最適の条件,即ち難溶性の酸性薬物とこれに伴う各成分との相互関係,溶媒系のイオン化程度,適切なカチオンアクセプタンスの使用,水の含量及び各構成成分の最適な組成比の設定,及び特定界面活性剤の使用など,様々な要因を複合的に考慮して薬物の崩壊度及び溶解率を向上させた溶媒系及びこれを含有した製薬学的製剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に,全ての液体が,軟質カプセルの充填内容物に対する賦形剤または担体として適しているわけではない。例えば,液体は,カプセル内容物の必須の部分の一つである。しかし,水と混合し得る液体及び揮発性液体は,親水性であるゼラチン被膜に移動したり,ゼラチン被膜を透過して揮発されるため,カプセル内容物の主要構成物の範疇に含まれない。乳剤(emulsion)はもちろん水とアルコールがそのような例に該当する。これと類似して,グリセリンとプロピレングリコールのようなゼラチン可塑剤も,ゼラチン被膜が熱と湿気により敏感に影響を受けるため,カプセル内容物の主要構成物になり得ない。しかし,補助成分として(カプセル内容物の約5%以内)水とアルコールをカプセル内容液の調剤時に溶解補助剤として用いることはできる。また,10%以内のグリセリンまたはプロピレングリコールは,ゼラチン被膜を硬化させるポリエチレングリコールのような液体と共に共溶媒として使われる。一般に,製剤の検討時に広く使われる液体としては,植物油,鉱物油,非イオン性界面活性剤,ポリエチレングリコール(polyethyleneglycol 400,600)などのオイルを挙げることができ,これらは単独または複合的に使われる。
【0003】
カプセルの製造のための全ての液体,溶液,懸濁液は,均質でなければならず,気泡があってはならず,室温で自ら流動的でなければならないが,この時の温度は35℃を超えてはならない。その理由は,ゼラチン被膜の接着温度が,37〜40℃であるためである。また,成形する調剤物のpHは2.0〜8.0でなければならないが,調剤物のpHがこれより低い酸性の場合,加水分解が起き,ゼラチン被膜を弱化させて漏液現象が発生する。また,内容物が塩基性の場合は,ゼラチン被膜をタン(tan)化してゼラチン被膜の架橋結合(cross linking)を誘発し,軟質カプセルの崩壊時間を遅延させる。
【0004】
軟質カプセルに関連した従来の技術を詳察すれば,米国特許第3,557,280号(1971.1.19)には,水にオキシテトラシクリンを溶解させた液剤が開示されているが,具体的には難溶性薬物の貯蔵寿命を増加させるためにpHを8.0〜9.5に調節し,また,内容物の溶解度を上げるために水酸化マグネシウム(Mg(OH))を用いた。しかし,このような処方によりゼラチンカプセルを製造する場合,ゼラチン分子内の架橋結合(cross linking)が生じ,これはカプセル被膜が不容化される原因を提供するので,本発明の目的に適しない。
【0005】
韓国特許出願第1997−9001(1997.3.17)号には,イブプロフェン,ポリビニルピロリドン,ポリエチレングリコールを含有するイブプロフェン組成物の製造において,複合界面活性剤(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシ40ヒマシ油)を40〜50℃に加温した溶液を添加した剤形が,開示されている。この発明は,イブプロフェンの溶解率を特定の複合界面活性剤を用いて生体内利用性を改善しようとする試みにおいて,本願発明と多少類似するように見えるが,このような試みによっても,ナプロキセンのような高度な難溶性の薬物の問題を,単純に界面活性剤の使用により解決することはできない。
【0006】
また,従来のイオン化可能な溶媒系としては,米国特許第5,071,643号に開示されているものが挙げられるが,この技術は,部分イオン化により薬剤の溶解度を増加させるためのものである。ここで,水酸化ナトリウム(NaOH)の使用は,本発明の目的と符合する面はあるものの,正確にはイオン化可能な薬剤用溶媒系において,難溶性薬物を単にpHに依存して溶液化させる段階に限定された発明であって,このシステムは,時間の経過につれて沈殿の問題が発生するという問題点があり,与えられた体積の液体に溶解することができる薬剤の量を増進させたり増加させたりするために,グリセリンまたはポリビニルピロリドン(Povidon)の使用を開示しているが,これは一定の体積内の溶解度のみを高めるのに主眼点をおいたものである。
【0007】
また,米国特許第4,002,718号では,ポリエチレングリコールに未分化されたジゴキシン(Digoxin)の溶解を促進し,軟質ゲルに適当な溶液を作るのに少量のポリビニルピロリドンやグリセリンの使用を開示している。
【0008】
これら従来の技術によれば,カプセルを作るために非常に薄い溶液(0.1%)とグリセリン(Glycerin),プロピレングリコール(Propyleneglycol),またはポリビニルピロリドン(Povidon)が高濃縮溶液の生産に用いられるという点は言及されているが,崩壊度及び溶解率の改善と関連しては,全く開示するところがない。また,従来の技術により製造されたカプセルは,溶解率が低かったり製剤の体積が大きすぎたりして,製品化には成功できなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明者らは,難溶性薬物の生体内利用率を改善するための方案を見出すために,鋭意研究した結果,薬物を部分イオン化により高濃縮化させ,薬物の生体内利用性を増大させるための最適の条件,即ち,難溶性の酸性薬物とこれに伴う各成分との相互関係,溶媒系のイオン化程度,適切なカチオンアクセプタンスの使用,水の含量及び各構成成分の最適な組成比の設定,及び特定界面活性剤の使用など,様々な要因を複合的に考慮することにより薬物の生体内利用性が顕著に改善されることを確認し,本発明を完成するに至った。
【0010】
従って,本発明の目的は,第一に,難溶性薬物または酸性薬物の高濃度溶液を調剤することができる溶媒系を提供することにあり,第二に,このような高濃度の溶液化を通じて難溶性薬物の崩壊速度と溶解率を改善すると共に生体内利用率を増加させて,軟質カプセルなどに製品化することにある。
【0011】
本発明の他の目的は,上記溶媒系を含む製薬学的剤形,例えば軟質カプセル,ツーピースカプセル(two−piece capsule)または錠剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は,一面において,崩壊度及び溶解率が向上することにより薬物の効能,即ち製剤の最終目標である生体内利用率が改善された難溶性薬物または酸性薬物の溶媒系及びこの溶媒系と難溶性の酸性薬物を含む製薬学的製剤を提供する。
【0013】
より具体的には,本発明による製薬学的製剤は,難溶性の酸性薬物及びこれに対する溶媒系を含み,上記溶媒系は,難溶性の酸性薬物を部分イオン化させ,上記薬物を遊離酸とカチオン塩の両者形態で存在させることにより,薬物の溶解度を増加させるための,製薬学的に許容されるカチオンアクセプタンス,ポリエチレングリコール,水及び溶解率を向上させるための界面活性剤を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明による溶媒系の望ましい形態は,ポリエチレングリコール10〜90重量%,好ましくは10〜80重量%,最も好ましくは30〜70重量%,界面活性剤0.1〜50重量%,好ましくは0.2〜40重量%,最も好ましくは0.2〜30重量%,及び水1〜15重量%,好ましくは3〜12重量%,最も好ましくは4〜9重量%を含み,カチオンアクセプタンスは,難溶性の酸性薬物に対して0.1〜2モル当量を含有することがよい。
【0015】
本発明の容易な理解を助けるための一例として,上記溶媒系の簡単な構成は,ポリエチレングリコール(最も好ましくは,ポリエチレングリコール600)10〜90重量%,難溶性の酸性薬物の溶解度を増加させるためのカチオンアクセプタンス(最も好ましくはKOH,NaOH)を酸性薬物のモル当量当り0.1〜2モル当量,界面活性剤の中から選択された賦形剤(最も好ましくは,ポリオキシ40硬化ヒマシ油)0.1〜50重量%及び水0.1〜15重量%で構成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下,本発明をより詳細に説明する。
【0017】
本発明の溶媒系は,高濃縮の充填内容物に特定界面活性剤またはカチオンアクセプタンスを添加することにより,時間が経過しても沈殿の問題が発生せず,崩壊度と溶解率が向上した新たなシステムであると言うことができ,難溶性薬物の高濃度溶液を製造することに特徴がある。
【0018】
本発明の溶媒系は,まず,部分イオン化が可能な難溶性薬物の溶解度を増加させて高濃度の溶液を作った後,続いて,崩壊速度と溶解率を向上させたものであり,軟質カプセルを液体で充填しても,カプセル内容物の崩壊度及び溶解率を向上させることができる。また,本発明の溶媒系は,飲みやすいのに十分に小さい体積の薬剤を高濃縮溶液でカプセル化することができるという点で,非常に有用である。
【0019】
従来,難溶性薬物の利用性を増大させようとする試みは,界面活性剤系統の賦形剤の選択に依存して広範囲になされてきており,よく知られた成分が適用された場合にも,予期せず顕著な結果をもたらしたいくつかの事例がある。先に言及した一部の先行技術が,そのような例に該当する。しかし,難溶性薬物は各化合物の特性上溶解度が異なり,一般に,ある特定の界面活性剤の単純な選択は,溶解度が極めて低い薬物(例えば,ナプロキセン)に適用することはできない。
【0020】
本発明は,溶解度が極めて低い難溶性化合物にも一般に適用することができるという点で,従来のシステムとは確実に区分される。例えば,イブプロフェンの場合にはエタノール,アセトン,及びクロルホルムによく溶け,水にはほとんど溶けない。一方で,ナプロキセンの場合には,アセトンにはよく溶け,クロルホルムに溶け,水にはほとんど溶けない性質がある。即ち,イブプロフェンは,ナプロキセンに比べてさまざまな賦形剤に対して溶解度が高く,融点が低いため,通常の賦形剤を用いても溶液化及び製剤化が可能な場合もあるが,ナプロキセンなどの溶解度が極めて低い薬物を効果的に溶解するシステムは,本発明により可能になった。
【0021】
従って,本発明は,従来技術と確実に区分される溶媒系を採択したものであり,薬物の生体内利用性を増大させるための最適の条件,即ち難溶性の酸性薬物とこれに伴う各成分との相互関係,溶媒系のイオン化程度,適切なカチオンアクセプタンスの使用,水の含量及び各構成成分の最適な組成比などの,様々な要素を総合的に考慮してなされたもので,このような観点から,従来技術が本発明を開示することはない。
【0022】
本発明で追求する生体内利用性の改善は,特定界面活性剤の使用に加え,特に薬物のイオン化程度が10%〜65%の範囲である状態,より好ましくは40〜55%,最も好ましくは約50%の状態に到達し,水含量が溶媒系中に15%未満で存在する状態などの条件を満たす時に可能である。
【0023】
さらに,上記の条件の設定により,本発明は,高濃度溶液の崩壊速度と溶解率が向上する利点以外にもいくつかの追加の利点を提供する。すなわち,様々な有利な特性を有する界面活性剤の混合使用だけでなく単独の界面活性剤の使用が可能であり,被膜の製造時にグリセリンがない被膜の製造が可能であるのみならず,さらに同一薬物を一般的な方法で溶液化させてカプセルに充填させた製品より,本システムを用いて高濃縮化させた溶液をカプセルに充填させた製品が,相対的に体積が小さいため,摂取が容易であるという長所がある。具体的には,本発明で使われたシステムにより,イブプロフェン200mgを軟質カプセルで製剤化する場合,内容量を516mg程度に小さくすることができる。しかし,従来技術にイブプロフェン200mgを適用する場合,600mg以下に剤形化したとしても,溶解率の向上は期待し難い。さらに他の例として,本発明のシステムを適用してナプロキセン250mgを製剤化する場合,充填内容物の量が800mgのカプセル製品を製造することができる。しかしながら,溶解率が顕著に低くなって溶解が困難であるため,1400mg以下のカプセルは製剤化が困難である。
【0024】
従って,本発明の製薬学的製剤及びこれに伴う溶媒系は,溶解率及び崩壊速度だけでなく生体内利用率を向上させると共に,消費者が服用しやすい小さいサイズのカプセルを最初に製品化したことに,他の特徴がある。
【0025】
本発明の溶媒系に適用可能な酸性薬物としては,これらに限定されず,代表的にはナプロキセン(C1414,M.W.230.26,Naproxen),イブプロフェン(R,S−Ibuprofen,C1318,M.W.206.28),デキシブプロフェン(Dexibuprofen(S−Ibuprofen),C1318,M.W.206.28),インドメタシン(Indomethacin,C1916ClNO,M.W.357.79),アセトアミノフェン(Acetaminophen,M.W.151.17),及びメフェナム酸(Mefenamic acid,C1515NO,M.W.241.29),クロロシンナジン塩酸塩(Chlorocinnazine 2HCl,C2627Cl 2HCl,M.W.475.88),ロキソプロフェン(Loxoprofen,C1518,M.W.246.31),フェノプロフェン(Fenoprofen,C1514,M.W.242.27),ケトプロフェン(Ketoprofen,C1614,M.W.254.29),プラノプロフェン(Pranoprofen,C1513NO,M.W.255.27),メクロフェナム酸(Meclofenamic acid,C1411ClNO,M.W.296.15)及びこれらの塩類,スリンダク(Sulindac,C2017FOS,M.W.356.42),ピロキシカム(Piroxicam,C1513S,M.W.331.35),メロキシカム(Meloxicam,C1413,M.W.351.41),テノキシカム(Tenoxicam,C1311,M.W.337.38),ジクロフェナク(Diclofenac,C1411ClNO,M.W.296.15),アセクロフェナク(Aceclofenac,C1613ClNO,M.W.354.19),レバミピド(Rebamipide,C1915ClN,M.W.370.79),マレイン酸エナラプリル(Enalapril maleate),カプトプリル(Captopril,C15NOS,M.W.217.29),ラミプリル(Ramipril,C2332,M.W.416.52),ホシノプリル(Fosinopril,C3046NOP,M.W.563.67),ベナゼプリル(Benazepril,C2428,M.W.424.50),キナプリル(Quinapril HCl,C2530,M.W.474.99),テモカプリル(Temocapril,C2328,M.W.476.62),シラザプリル(Cilazapril,C2231,M.W.417.51),リシノプリル(Lisinopril,C2131,M.W.405.50),バルサルタン(Valsartan,C2429,M.W.435.53),ロサルタン(Losartan potassium,C2222ClKNO,M.W.461.01),イルベサルタン(Irbesartan,C2528O,M.W.428.54),塩酸セチリジン(Cetirizine,C2125ClN,M.W.388.90),塩酸ジフェンヒドラミン(Diphenhydramine hydrochloride,C1721NO HCl,M.W.291.82),フェキソフェナジン(Fexofenadine,C3239NO,M.W.501.67),塩酸プソイドエフェドリン(Pseudoephedrine hydrochloride,C1015NO HCl,M.W.201.70),塩酸メチルエフェドリン(MMethylephedrine hydrochloride,C1117NO HCl,M.W.215.72),臭化水素酸デキストロメトルファン(Dextromethorphan,C1825NO HBr HO,M.W.370.33),グアイフェネシン(Guaifenesin,C1014,M.W.198.22),ノスカピン(Noscapine,C2223NO,M.W.413.43),塩酸トリメトキノール(Trimetoquinol hydrochloride,C1923NO HCl,M.W.399.87),コハク酸ドキシラミン(Doxylamine succinate,C1722O C,M.W.388.5),アンブロキソール(ambroxol,C1318BrO,M.W.378.11),レトステイン(Letosteine,C1017NO,M.W.279.37),ソブレロール(Sobrerol,C1018,M.W.170.25),塩酸ブロムヘキシン(Bromhexine hydrochloride,C1420Br HCl,M.W.412.59),マレイン酸クロルフェニラミン(Chlorpheniramine Maleate,C1619ClN,M.W.390.87)などが挙げられる。
【0026】
上記酸性薬物は,充填内容物の全体重量を基準として0.1〜70重量%,好ましくは10〜55重量%の量で含まれることが適切である。
【0027】
以下,本発明の詳細な説明において,上記で言及した薬剤のうち,最も溶解率が低いナプロキセンを中心に説明するが,本発明はこれに限定されず,全ての難溶性の酸性薬物に適用されることは当業者にとって自明である。
【0028】
本発明のシステムは,溶媒系の一成分として,カチオンアクセプタンスを含む。本発明で使われた用語「カチオンアクセプタンス」とは,カチオンとアニオンに解離されて,カチオンを受け取ることができるアニオン種,または,水素イオンを受け取ることができるブロンステッド塩,ルイス塩を意味している。そのような化合物の例には,これらに限定されることなく製薬学的に使用が可能な塩基化合物(例えば,KOH,NaOH),弱酸の金属塩(例,酢酸ナトリウム,酢酸カリウム,クエン酸カリウム,クエン酸ナトリウム),アミン類(プロラミン,ジエタノールアミン,モノエタノールアミン,トリエタノールアミン,メチルグルカミン),またはアミノ酸類(リシン,スレオニン,システイン)及び一つ以上のこれらの混合物からなる群から選択することができる。このようなカチオンアクセプタンスは,酸性薬物のカルボキシル基の水素イオンを容易に奪って溶解度を上昇させることができる。
【0029】
カチオンアクセプタンスのうち,酸性薬物と反応する水酸化物種は,水酸化ナトリウム(NaOH),水酸化カリウム(KOH),水酸化マグネシウム(Mg(OH)),水酸化カルシウム(Ca(OH))などが使われ,そのうち,水酸化カリウムが最も望ましい。水酸化カリウムのカリウムは,原子番号がナトリウムより大きく,同族において原子番号が大きくなるほどイオン化が容易になるが,これは核と最外殻電子との距離が遠く核が電子を引き寄せる力が弱いため,イオン化(ionization)が容易であり,アニオン(negative charge)との結合が容易に形成される。このような様々な理由により,水酸化カリウムが,イオン化状態で酸性薬剤との塩の形態を作るのに有利である。
【0030】
KOHまたはNaOHのような塩基化合物は,難溶性酸性薬剤の酸性基(acidic group)1モル当り,水酸化物イオン(−OH)が0.2モル〜1モル未満になるように適用する。特に,水酸化物は水と同量で使用するのがより望ましい。水酸化物を過量で使用する場合,pHの上昇による崩壊遅延が起こる場合がある。
【0031】
カチオンアクセプタンスのうち,弱酸の金属塩は,難溶性酸性薬剤の酸性基1モル当り0.1モル〜2モル未満になるように適用することが望ましい。さらに多い量を用いる場合,pHの上昇による崩壊遅延が起こる場合がある。
【0032】
カチオンアクセプタンスのアミン類は,難溶性酸性薬剤の酸性基1モル当り0.1モル〜2モル未満になるように適用する。アミン類はそれ自体に電子が豊富で,カチオンを容易に受け取ることができる長所があって,酸性薬物のイオン化傾向を高めることにより溶解度を上げることができる。酸性薬剤に対して2モル以上アミン類を用いる場合には,カプセルの崩壊または溶解などの安定性に問題があるため,用いるのに適合しない。
【0033】
上記のようなカチオンアクセプタンスの混合使用は,より望ましい結果をもたらすことができ,このような面は本発明の他の望ましい特徴を構成する。カチオンアクセプタンスの混合使用時の量は,難溶性酸性薬剤の酸性基1モル当り0.1モル〜2モル未満になるように適用する。混合使用時の量は,水酸化物種は水の量と同一に用いるのがより望ましく,その他のカチオンアクセプタンスは,水及び水酸化物種の含量とは関係なく,用いることができる。
【0034】
本発明の溶媒系に必要な水の量は,カチオンアクセプタンスに対して50%以上で処方することが,より望ましい結果をもたらす。
【0035】
本発明の溶媒系において,界面活性剤は,溶解率を促進する共融溶媒または溶解補助剤としての役割を果たし,主に親水性基剤と疎水性基剤の特性を有する物質が使われる。これら基剤のうち,HLB(Hydrophilic Lipophilic Balance)値が3〜40の値を有する界面活性剤を用い,好ましくは5〜30の値を有する界面活性剤を,単独でまたは二つ以上を混合して用いることも望ましい。特に,次の成分を望ましく用いることができる。
【0036】
i)天然または水素化植物性オイルとエチレングリコールとの反応生成物。
即ち,ポリオキシエチレングリコール化の天然または水素化植物性オイル類,例えば,ポリオキシエチレングリコール化の天然または水素化ヒマシ油,例えば,商品名クレモフォア(Cremophor)RH40,クレモフォアRH60,クレモフォアEL,ニッコール(Nikkol)HCO−40,ニッコール(Nikkol)HCO−60等があり,特に,クレモフォアRH40とクレモフォアELが望ましい。
【0037】
ii)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類。
例えば,ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸のモノ−及びトリ−ラウリル,パルミチル,ステアリル及びオレイルエステル類であり,商品名ツイン(Tween)20,21,40,61,65,80,81,85,120を用いることができ,ツイン20,ツイン60及びツイン80が望ましい。
【0038】
iii)天然植物性オイルトリグリセリドとポリアルキレンポリオールとのエステル基の伝達反応生成物。
例えば,商品名ラブラフィル(Labrafil)として市販中の界面活性剤類,例えば,商品名ラブラフィルM2125CS,ラブラフィルM1944CS,または商品名ラブラファク(Labrafac),ラブラファクCC,ラブラファクPG,ラブラゾール(Labrasol)が望ましい。
【0039】
iv)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類。
例えば,商品名ポリオキシエチレン(8)ステアレート(商品名:Myrj 45),ポリオキシエチレン(30)モノラウレート(商品名:Tagat L),ポリオキシエチレン(20)ステアレート(商品名:Marlosol 1820),ポリオキシエチレン(15)オレート(商品名:Marlosol OL 15),セチオールHE(Cetiol HE)がある。また,ポリオキシエチレンステアリン酸エステル類,例えば,ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体類,例えば,商品名プルロニック(Pluronic)とエムカリクス(Emkalyx)がある。また,ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体類,例えば,商品名ポロキサマー(Poloxamer),具体的にポロキサマー188,124,237,338,407,モノ−,ジ−及びモノ/ジ−グリセリド,特にカプリル酸またはカプリンとグリセロールとのエステル化反応生成物,主にカプリル酸/カプリン酸モノ−及びジ−グリセリドからなる界面活性剤,例えば,商品名であるイムビトール(Imbitor)がある。
【0040】
v)ソルビタン脂肪酸エステル類。
例えば,ソルビタンモノラウレート,ソルビタンモノパルミテート,ソルビタンモノステアレート,ソルビタントリステアレート,ソルビタンモノオレート,ソルビタントリオレートなどがあり,例えば,商品名スパン(Span)がある。また,ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類があり,結合脂肪酸によりステアレート,ラウレート,オレートに分けられ,特にポリエチレングリコールモノオレートが望ましく,その例としては商品名ミオ(MYO)として市販中のミオ−2,ミオ−6,ミオ−10等がある。
【0041】
vi)プロピレングリコールモノ−及びジ−脂肪酸エステル。
例えば,プロピレングリコールジカプリレート,例えば,商品名ミグリオール(MIGLYOL)840がある。また,プロピレングリコールジラウレート,プロピレングリコールヒドロキシステアレート,プロピレングリコールイソステアレート,プロピレングリコールラウレート,プロピレングリコールリシンオレエート,プロピレングリコールステアレート等があり,例えば,セフソール(Sefsol)218及びカプリオール(Capryol)90,カプリオール(Capryol)PGMC,ラウログリコール(Lauroglycol)FCCまたはラウログリコール(Lauroglycol)90がある。また,マイシン(MAISINE)35−1(グリセリルモノリノレート),ペセオール(PECEOL)(グリセリルモノオレート),ゲルシル(GELUCIRE)44/14(ラウロイルポリオキシル−32 グリセリド)及びゲルシル(GELUCIRE)33/01(脂肪酸のグリセロールエステル)がある。
【0042】
vii)製薬学的に許容されるC1−5のアルキルまたは低分子量のモノ−もしくはポリオキシ−アルカンジオールのテトラヒドロフルフリルジ−もしくは部分エーテル。
例えば,商品名トランスキュトール(Transcutol)(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)がある。
【0043】
viii)ポリオキシエチレン脂肪酸エーテル類。
例えば,ポリオキシエチレン(10)オレイルエーテル(商品名:Brij 96),ポリオキシエチレン(15)オレイルエーテル(商品名:Volpo 015),ポリオキシエチレン(30)オレインエーテル(商品名:Marlower OA30),ポリオキシエチレン(20)C12〜C14脂肪酸エーテル)を用いることができる。
【0044】
ix)ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマー。
例えば,シペロニック(Syperonic)PE L44,シペロニック(Syperonic)F127を用いることができる。
【0045】
これら成分のうち,クレモフォアRH40(ポリオキシル40硬化ヒマシ油),クレモフォアEL(ポリオキシル35ヒマシ油),ラブラゾール(ポリエチレングリコールカプリレート/カプリレート),トランスキュトール(ジエチレングリコールモノエチルエーテル),ツイン(ポリソルベート)20,21,40,61,65,80,81,85,120,ポロキサマー124,188,237,338,407(ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン),ニッコールHCO−40(polyoxyethylene glycolated natural or hydrogenated castor oil),ミルズ(Myrj)45(polyoxyethylene(8)stearate),タガト(Tagat)L(polyoxyethylene(30)mono−laurate),マルロソール(Marlosol)1820(polyoxyethylene(20)stearate),マルロソール(Marlosol)OL 15(polyoxyethylene(15)oleate),ブリズ(Brjj)96(polyoxyethylene(10)oleylether),ボルポ(Volpo)015(polyoxyethylene(15)oleylether),マルロベット(Marlowet)OA30(polyoxyethylene(30)oleylether),マルロベット(Marlowet)LMA 20(polyoxyethylene(20)oleylether),シペロニック(Syperonic)PE L44(polyoxyethylene−polyoxypropylene copolymer),シペロニック(Syperonic)F127(polyoxyethylene−polyoxypropylene copolymer),ラブラフィルM2125CS(linoleoyl macrogol glycerides),ラブラファックPG(propylene glycol dicaprylocaprate),イムビトール(caprylic acid/capric acid mono− and di−glyceride),ソルビタンモノステアレート,ソルビタントリステアレート,ソルビタンモノオレート,ポリエチレングリコールモノオレート,ミグリオール(MIGLYOL)840(propylene glycol dicaprylate),ゲルシル44/14(lauroyl polyoxyl−32 glyceride)及びこれらの混合物からなる群より選択されたものが望ましい。
【0046】
特に,商品名クレモフォアRH40(ポリオキシル40硬化ヒマシ油),クレモフォアEL(ポリオキシル35ヒマシ油),ラブラゾール(ポリエチレングリコールカプリレート/カプリレート)及びトランスキュトール(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)系列に属する界面活性剤がより望ましい。ポリオキシル40硬化ヒマシ油(CremophorRH40)が最も望ましい。クレモフォアRH40はヒマシ油の誘導体であり,合成と精製処理をして得られ,凝固点は20〜28℃,鹸化価は50〜60,ヒドロキシル値は60〜70,10%水溶液でのpHは6〜7である。そして,薄い白色や黄色であり,HLB値は14〜16の値を有する。これは水,エタノール,2−プロパノール(2−Propanol),n−プロパノール(n−Propanol),エチルアセテート(Ethyl Acetate),クロロホルム(Chloroform),トルエン(Toluene),キシレン(Xylene)などに溶ける。
【0047】
上記界面活性剤は,それぞれ単独でまたは二つ以上の混合物として使われ,溶媒系の特性により適切に選択することができる。その含量は溶媒系の重量を基準として0.1〜50%,好ましくは0.2〜40%,最も好ましくは0.2〜30%の量で使われる。
【0048】
本発明による溶解率の改善は,親水性の水と疎水性の薬物とを溶かすことができる賦形剤を選択することにより,可能になる。酸性薬物のイオン化状態の程度は,薬物の安定化に影響を与えるが,加速状態や酸性条件で酸性薬物のカルボン酸とポリエチレングリコールのアルコール基(−OH)は,エステル反応を引き起こして薬物の安定化に大きな影響をおよぼす。このような具体的な実験例は図1に示されているが,これは,薬物がイオン化された状態では,エステル反応が顕著に減少することを示している。
【0049】
また,このようなエステル化に影響を与えるものは,内容物中の水の含量である。カプセルの中に水が多く含まれていれば,内容物中の水が被膜へ移ってしまうため,乾燥したカプセルの形状が変性し,乾燥時間も長くかかる。一般に充填内容物の水分移行は全てのカプセルで起きるものではない。親水性基剤を用いた場合では,通常約10%の水分が存在し得ることが知られている。表1は,このような移行程度を示す実験的なデータ値である。即ち,表1はPEG400及び水の含量による10%の酸性薬物の材料を示したものである。実験的な結果によれば,カプセルの内容物は10%以下の水を含有するのが,酸性薬物のエステル化反応を最も良く減少させることが分かる。
【0050】
【表1】

【0051】
本発明の酸性薬物に対する化学的な機構について詳細に説明すれば,エステル化現象は大部分が酸性薬物,即ち,カルボン酸の誘導体で主に起きる。エステル化は薬物のカルボキシル基に電子を供与する化合物があれば,内容物は,より安定な共鳴構造を形成することができる。
【0052】
【化1】

【0053】
上記反応式1から説明できるように,酸性の性格を帯びるカルボン酸の水素は,解離に適した状態を維持することができるため,容易にイオン化される。これは,カルボン酸のカルボキシル基の酸素と水酸基の酸素が互いに共鳴構造を形成するためである。このような論理は,溶液化状態でなされる反応であり,実際にナプロキセンのような酸性薬物の主要機構における実際の安定化状態は,以下の反応式2のように形成されることが分かる。
【0054】
【化2】

【0055】
このように生成された酸性薬物のイオン化状態の性質は,共役酸・共役塩基に関連があり,水と混合されると,本来の状態に還元される。
【0056】
このような酸性薬物内のカルボン酸の共鳴効果に影響を与える形態のまた一例としては,カルボン酸の周辺の電子供与基(electron−donor group)を挙げることができる。それらの代表的な例としては,ベンゼン誘導体,二重結合や三重結合があるアルキル基,及びメチル基がある。しかし,調剤内容物の形態が全て塩の状態を維持しているとは言え,薬の溶解という観点から考えると,薬物が本来の状態に還元されて結晶が析出されれば,塩の状態で存在できなくなり,薬効が低下するようになる。このような問題点を解決するために,本発明では,上記の疎水性の部分と親水性の部分とに,最も効果がある界面活性剤を選択して用いた。
【0057】
本発明の溶媒系に係る基剤の一成分として,液体充填物であるポリエチレングリコールが使われ,その中でも約200〜800の平均分子量を有するものが望ましく使われ,600の平均分子量を有するものが最も望ましく使われる。
【0058】
本発明に使われるその他の基剤としては,上記のポリエチレングリコールに限定されず,ポリエチレングリコールの類似物質であるテトラグリコール(Tetraglycol),様々なアルコール類のポリエチレングリコールエーテル(Polyethyleneglycolether),即ち,テトラヒドロパーフリルアルコール(Tetrahydroperfuryl−alcohol)のポリエチレングリコールエーテル(Polyethyleneglycol−ether),及びポリエチレングリコール(Polyethyleneglycol)の共重合体のような類似体が含まれる。
【0059】
本発明において,ポリエチレングリコールは,酸性薬物のカルボン酸(RCOOH)とポリエチレングリコールの水酸基(R’OH)とのエステル化(RCOOR’)反応を最小に抑制するための成分として選択される。
【0060】
一般に,化学反応が起こるための最適の条件は,温度,圧力,触媒,モル濃度,粘度などの様々がある。PEGは,このような条件を考慮して本発明の溶媒系に及ぼす影響を最小化する薬物の内容物を構成するための基剤として,選択されたものである。このようなポリエチレングリコールの選択はこれに限定されず,もう一つの重要な役割を果たす。薬物の分子量が少ない場合には,被膜への移行が時間の経過につれて増加することを抑制するために,分子量が大きいポリエチレングリコール基剤を用いて移行率を減少させる役割を分担することになる。
【0061】
本発明による製薬学的製剤は,さらにプロピレングリコール,グリセリン,ポリビニルピロリドン,プロピルカーボネート,抗酸化剤類(酸化防止剤),エタノールなどの低分子アルコール類などの製剤学的賦形剤として補助使用される成分を含んでいてもよい。
【0062】
イオン化の程度が高い薬物を含む酸性薬物の化学的安定性を維持するための最適の条件は,内容物にグリセリン,エタノール,プロピレングリコール,プロピレンカーボネートを出来る限り少量賦形剤として添加し,わずかに−OH基を含む成分を使用することである。分子量が大きいポリエチレングリコールは単独で用いても,または分子量が少ないポリエチレングリコールと混用して用いてもよい。そして,水の含量は被膜に移行されない程度で最大に含むのがよく,薬物の溶解度を最大にするために水酸化ナトリウムより水酸化カリウムを用いるのが良好な結果をもたらすので好ましい。従って,本発明は溶媒系,これを含む製薬学的剤形,及びこれを製剤化したカプセルにおいて,生体内利用性を最適化するために多様な構成成分の最適比率を見出したということに,他の特徴がある。
【0063】
また,本発明によれば,上記溶媒系を用いて難溶性の酸性薬物を溶液化させ,カプセル被膜に特殊な可塑剤組成を用いることにより,崩壊速度が改善された軟質カプセルを提供することが可能である。即ち,従来被膜成分として用いられてきたグリセリンを含まないことにより,グリセリンによるエステル反応を抑制することができ,崩壊が遅延される短所を改善した。本発明による溶媒系を用いて充填内容物をカプセル化する場合には,ゼラチン30〜45重量%,エシトール及びソルビタン類15〜24重量%,水25〜34重量%を含む被膜処方を用いるのがさらに好ましい。
【0064】
従って,本発明の別の観点において,上記の製剤学的製剤の溶液及び乾燥被膜の重量を基準として,ゼラチン30〜65%,エシトール及びソルビタン類10〜40%,水1〜15%及び必要に応じて保存剤,着色剤,芳香剤,着香剤,遮光剤,崩壊改善剤を含有する被膜組成物を含むことを特徴とする軟質カプセルを提供する。
【0065】
このような製薬学的剤形を選択することにより,薬物と被膜成分との反応性を減らすことが可能である。このようなシステムによれば,軟質カプセル内容物の被膜移行率が最小化されて含量均一性があり,被膜にグリセリンがないため,含量低下の原因になるエステル化反応を最小化することができる。以下に示した条件は,最適の工程でゼラチンカプセルを生産するためのものである。
【0066】
ゼラチン:190〜210 Bloom
ゼラチン塊体の維持温度:58〜62℃
乾燥温度:22〜24℃
乾燥湿度:22〜24%RH(30%RH以下)
【実施例】
【0067】
以下,本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。しかし,これらは単に例示のためのもので,本願発明をこれらに限定するために意図したものではない。
【0068】
(実施例1)様々な賦形剤による溶解度の比較
代表的な難溶性物質であるデキシブプロフェン(Dexibuprofen)とナプロキセン(Naproxen)に,以下の賦形剤を用いて溶解度を測定し,その結果を以下の表2に示した。
【0069】
【表2】

【0070】
上記の溶解度試験は,同一の条件(室温)で実施したものであり,ナプロキセンは試験した全ての界面活性剤に対して溶解度が顕著に低く,または不溶性であると示された(Xは不溶性を意味している)。
【0071】
(実施例2)ナプロキセンの溶解度試験
充填内容物に対する補助成分(賦形剤)として下記表3に記載された界面活性剤を選択して,ナプロキセンの溶解度を測定した。
【0072】
【表3】

【0073】
上記表3の調査結果から分かるように,溶解度がよい界面活性剤,主にHLB(Hydrophilic Lipophilic Balance)値が5〜16の値を有する界面活性剤の成分が,本発明の溶媒系に適しているという結果が現れた。また,賦形剤,即ち,界面活性剤を単独で用いたり,複合処方をしたりした場合にも,よい溶解を示すことが分かる。
【0074】
(実施例3)
実施例2の溶解度試験結果に基づいて下記表4a,4bに記載された製薬学的剤形を製造し,これらの特性を後述する方法を用いて調べた。各成分の含量単位はmgである。
【0075】
【表4】

【0076】
【表5】

【0077】
以後の実験結果から分かるように,上記全実験製剤が本発明を全て満たすだけの結果を示すものではないが,界面活性剤を用いた本発明による製剤が,従来の製剤に比べて多少改善された結果を示したことは確実である。従って,本発明の目的に符合する溶解率の改善は,親水性の水と疎水性の薬物を溶かすことができる賦形剤を選択することにより可能である。
【0078】
(実施例4)高濃度の酸性薬剤溶液の製造
下記具体的実施例の組成に示した酸性薬剤を,ポリエチレングリコールに完全に湿潤状態の内容物を作った後,水酸化物溶液をゆっくり滴加した。次いで,内容物が完全に澄んだ状態の溶液で形成されたことを確認した後,内容物の気泡を除去した。初期内容物の活性薬物が,湿潤状態で水酸化物溶液を滴加すると溶液が澄んだ状態になる現象は,酸性薬物,即ち,カルボン酸の水酸基の水素が取れて水酸化物のアルカリ金属元素との塩が生成され,薬剤がイオン化されたためである。この平衡状態は,薬剤が内容物中に存在する状態では維持される。しかし,水と会うと,安定化を維持するために再び本来の活性薬物のカルボン酸の形態を取る。従って,処方された内容物の溶液状態は清澄で透明な状態を維持したが,崩壊試験時に水中でカプセルの開口が起きるようになれば,水中で再び還元されて塩の状態ではなくなってしまう。
【0079】
以下の実施例の組成は,ナプロキセンとデキシブプロフェンの溶解度に基づいて溶液化が可能な処方を代表的な例として列挙したものであるが,本発明の意図に立脚して多様な形態の組成及び成分の選択は本発明の他の記載事項から当業者に自明である。以下の各成分は,mg単位で表示してある。
【0080】
【表6】

【0081】
【表7】

【0082】
【表8】

【0083】
【表9】

【0084】
【表10】

【0085】
(実施例5)溶解率試験1
本発明による処方内容物を含有する軟質カプセルと,比較用として対照薬である錠剤と溶解率を試験した。本発明による処方内容物は実施例4−11の剤形を用い,カプセル被膜はゼラチン43.2%,エシトール及びソルビタン類24.8%及び水32%を含有する組成を用いて成形した。比較用剤形(対照薬)としては大韓薬典の薬効同等性の規定により市販中のナクセン錠(製造元:鐘根堂,ナクセン錠,製造番号DA005)と水における溶解率比較試験した結果を図2に示した。図2のグラフから分かるように共融媒介体の賦形剤を用いた本発明の処方は対照薬として選定された錠剤に比べて溶解率が最大12%の向上した結果を示した。
【0086】
水だけでなく大韓薬典におけるナプロキセン錠の項の溶解試験による条件(0.1mol/Lリン酸塩緩衝液pH7.4 900ml,第2法で溶解試験開始45分後332nmで吸光度測定,80%以上である時に適合)でも溶解率が改善されていることを確認することができた。リン酸塩緩衝液に対する剤形の溶解率の比較試験結果は以下の表6に,溶解率グラフは図3に示した。
【0087】
【表11】

【0088】
(実施例6)溶解率試験2
実施例5で使われた方法に準じて本発明の処方(実験薬)と大韓民国特許公告第1994−0006270号の実施例IVに開示された処方(対照薬)によりそれぞれ軟質カプセル剤形に成形した後,薬効同等性試験の項目における各pH別の溶解液で溶解率を比較し,その結果を表7及び図4,5,6及び7にそれぞれ示した。
【0089】
【表12】

【0090】
上記の結果から分かるように,本発明の処方は比較例のものに比べて,180分後の溶解率において,それぞれ38.9%(pH 1.2),66.7%(pH 4.0),16.5%(pH 6.8)及び22.9%(水)の改善された効果を示した。
【0091】
(実施例7)溶解率試験3
実施例5で使われた方法に準じて本発明の実施例4−13によるデキシブプロフェンの処方(実験薬)と大韓薬典の薬効同等性の指針により対照薬(製造元:バイネクス,ダクスペン錠,製造番号:0203002)を比較用処方に対して水及びpH(6.8)による溶解率を比較し,その結果を表8と図8及び9にそれぞれ示した。
【0092】
【表13】

【0093】
この結果から分かるように,本発明の処方は溶解試験結果,溶解率はそれぞれ19%(pH 6.8)及び74%(水)の改善された効果を示した。
【0094】
(実施例8)溶解率試験4
実施例5で使われた方法に準じて本発明の実施例4−30によるデキシブプロフェンの処方(実験薬)と大韓薬典の薬効同等性の指針による対照薬(製造元:バイネクス,ダクスペン錠,製造番号:0203002)とのpH1.2における溶解率を比較し,その結果を表9及び図10に示した。
【0095】
【表14】

【0096】
この結果から分かるように,本発明の処方は溶解試験結果,溶解率は約2.1倍の改善された効果を示した。
【0097】
(実施例9)崩壊試験
実施例5で使われたものと同様の試験製剤を対象として崩壊試験を行った。崩壊試験法は大韓薬典の一般試験法に収録されている方法に準じた。その結果を以下の表10に示した。
【0098】
【表15】

【0099】
実験薬として3個のロット(lot)を生産して試験した結果,試験薬及び対照薬は全て10分以内に耐酸性の網を通過し,試験基準である20分を超えない結果を示し,試験薬の加速6ケ月間の崩壊試験時に試験基準に全て適した。
【0100】
(実施例10)含量試験
実施例4−11による,被膜にグリセリンが添加されていない処方をカプセル化し,加速6ケ月間実験して内容物の被膜移行を観察した。その結果を以下の表11に示した。
【0101】
【表16】

【0102】
上記表11の結果から軟質カプセル内容物の被膜移行率が最小化されて含量均一性が観察され,また,被膜のグリセリン不在による含量低下原因になるエステル化反応を最小化した製品化に成功することができた。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明により改善された溶媒系の最も重要な有用性は,溶解した薬剤の生体利用率を増進させることにある。即ち,本発明の溶媒系によれば,軟質カプセル内容物の被膜移行率が最小化されて含量均一性があり,被膜にグリセリンを用いないことにより含量低下の原因になるエステル化反応を最小化することができるため,難溶性薬物の崩壊度及び溶解率が向上して溶液内の製薬学的薬剤が吸収部位で導出され,さらに速く,さらに一定の吸収を可能にする結果をもたらして究極的に生体有効性が増進する。また,様々な有利な特性を有する界面活性剤の混合使用だけでなく単独で用いて親水性基剤と難溶性薬物の解離による結晶析出を最小化し,被膜の製造時にグリセリンがない被膜の製造が可能であるのみならず,さらに同一な難溶性薬物であっても内容量を減らして飲みやすいのに十分に小さい体積(小型)の薬剤を高濃縮溶液で提供することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】カルボン酸を有する薬物の材料とイオン化の影響を示したグラフ図である。イオン化は,105℃で1週間KOH溶液10%を用いて行う。Y軸は分解率,X軸はイオン化比率である。
【図2】本発明による処方と比較例の処方の水に対する溶解率を比較したグラフ図である。
【図3】本発明による処方と比較例の処方のリン酸塩緩衝液(pH7.4)に対する溶解率を示したグラフ図である。
【図4】本発明による処方と他の比較例による処方の溶解率(pH 1.2)を示したグラフ図である。
【図5】本発明による処方と他の比較例による処方の溶解率(pH 4.0)を示したグラフ図である。
【図6】本発明による処方と他の比較例による処方の溶解率(pH 6.8)を示したグラフ図である。
【図7】本発明による処方と他の比較例による処方の溶解率(水)を示したグラフ図である。
【図8】本発明による処方と比較例の処方による水に対する溶解率を比較したグラフ図である。
【図9】本発明による処方と他の比較例による処方の溶解率(pH 6.8)を示したグラフ図である。
【図10】本発明による処方と他の比較例による処方の溶解率(pH 1.2)を示したグラフ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
難溶性の酸性薬物及び前記難溶性の酸性薬物に対する溶媒系を含み;
前記溶媒系は製薬学的に許容されるカチオンアクセプタンス,ポリエチレングリコール10〜90重量%,水0.1〜15重量%及びHLB値が3〜40である溶解率を向上させるための界面活性剤0.1〜50重量%を含有し;
前記製薬学的に許容されるカチオンアクセプタンスは,難溶性の酸性薬物を部分イオン化させ,前記薬物が遊離酸とカチオン塩の両者形態で存在することにより薬物の溶解度を増加させる機能を有し;
酸性薬物の酸性基1モル当り0.1〜2モル当量で含まれることを特徴とする,製薬学的製剤。
【請求項2】
上記難溶性の酸性薬物が,ナプロキセン(C1414,M.W.230.26,Naproxen),イブプロフェン(R,S−Ibuprofen,C1318,M.W.206.28),デキシブプロフェン(Dexibuprofen(S−Ibuprofen),C1318,M.W.206.28),インドメタシン(Indomethacin,C1916ClNO,M.W.357.79),アセトアミノフェン(Acetaminophen,M.W.151.17),メフェナム酸(Mefenamic acid,C1515NO,M.W.241.29),クロロシンナジン塩酸塩(Chlorocinnazine 2HCl,C2627Cl 2HCl,M.W.475.88),ロキソプロフェン(Loxoprofen,C1518,M.W.246.31),フェノプロフェン(Fenoprofen,C1514,M.W.242.27),ケトプロフェン(Ketoprofen,C1614,M.W.254.29),プラノプロフェン(Pranoprofen,C1513NO,M.W.255.27),メクロフェナム酸(Meclofenamic acid,C1411ClNO,M.W.296.15)及びこれらの塩類,スリンダク(Sulindac,C2017FOS,M.W.356.42),ピロキシカム(Piroxicam,C1513S,M.W.331.35),メロキシカム(Meloxicam,C1413,M.W.351.41),テノキシカム(Tenoxicam,C1311,M.W.337.38),ジクロフェナク(Diclofenac,C1411ClNO,M.W.296.15),アセクロフェナク(Aceclofenac,C1613ClNO,M.W.354.19),レバミピド(Rebamipide,C1915ClN,M.W.370.79),マレイン酸エナラプリル(Enalapril maleate),カプトプリル(Captopril,C15NOS,M.W.217.29),ラミプリル(Ramipril,C2332,M.W.416.52),ホシノプリル(Fosinopril,C3046NOP,M.W.563.67),ベナゼプリル(Benazepril,C2428,M.W.424.50),塩酸キナプリル(Quinapril HCl,C2530,M.W.474.99),テモカプリル(Temocapril,C2328,M.W.476.62),シラザプリル(Cilazapril,C2231,M.W.417.51),リシノプリル(Lisinopril,C2131,M.W.405.50),バルサルタン(Valsartan,C2429,M.W.435.53),ロサルタンカリウム(Losartan potassium,C2222ClKNO,M.W.461.01),イルベサルタン(Irbesartan,C2528O,M.W.428.54),塩酸セチリジン(Cetirizine,C2125ClN,M.W.388.90),塩酸ジフェンヒドラミン(Diphenhydramine hydrochloride,C1721NO HCl,M.W.291.82),フェキソフェナジン(Fexofenadine,C3239NO,M.W.501.67),塩酸プソイドエフェドリン(Pseudoephedrine hydrochloride,C1015NO HCl,M.W.201.70),塩酸メチルエフェドリン(Methylephedrine hydrochloride,C1117NO HCl,M.W.215.72),臭化水素酸デキストロメトルファン,(Dextromethorphan,C1825NO HBr HO,M.W.370.33),グアイフェネシン(Guaifenesin,C1014,M.W.198.22),ノスカピン(Noscapine,C2223NO,M.W.413.43),塩酸トリメトキノール(Trimetoquinol hydrochloride,C1923NO HCl,M.W.399.87),コハク酸ドキシラミン(Doxylamine succinate,C1722O C,M.W.388.5),アンブロキソール(ambroxol,C1318BrO,M.W.378.11),レトステイン(Letostein,C1017NO,M.W.279.37),ソブレロール(Sobrerol,C1018,M.W.170.25),塩酸ブロムヘキシン(Bromhexine hydrochloride,C1420Br HCl,M.W.412.59),マレイン酸クロルフェニラミン(Chlorpheniramine Maleate,C1619ClN,M.W.390.87)及びこれらの光学異性体からなる群より選択されるものである,請求項1に記載の製薬学的製剤。
【請求項3】
前記カチオンアクセプタンスは,カチオンとアニオンに解離される特性を有するか,あるいは,水素イオンを受け取ることができる特性を有する,製薬学的に使用可能な塩基化合物,弱酸の金属塩,アミン類及びこれらの混合物からなる群より選択されるものである,請求項1に記載の製薬学的製剤。
【請求項4】
前記カチオンアクセプタンスは,水酸化カリウム(KOH),水酸化ナトリウム(NaOH),酢酸ナトリウム,酢酸カリウム,クエン酸カリウム,クエン酸ナトリウム,プロラミン,ジエタノールアミン,モノエタノールアミン,トリエタノールアミン,リシン,メチルグルカミン及びこれらの混合物からなる群より選択されるものである,請求項1に記載の製薬学的製剤。
【請求項5】
前記カチオンアクセプタンスの重量に対して50%以上の水を含有するものである,請求項1に記載の製薬学的製剤。
【請求項6】
前記界面活性剤は,天然または水素化植物性オイルとエチレングリコールとの反応生成物,ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類,天然植物性オイルトリグリセリドとポリアルキレンポリオールとのエステル基伝達反応生成物,ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類,ソルビタン脂肪酸エステル類,プロピレングリコールモノ−及びジ−脂肪酸エステル,製薬学的に許容されるC1−5のアルキルまたは低分子量のモノ−もしくはポリオキシ−アルカンジオールのテトラヒドロフルフリルジ−もしくは部分エーテル,ポリオキシエチレン脂肪酸エーテル類,およびポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマー類からなる群より選択された一つまたは二つ以上の混合物であるものである,請求項1に記載の製薬学的製剤。
【請求項7】
上記界面活性剤が,クレモフォア RH40(ポリオキシル40硬化ヒマシ油),クレモフォア EL(ポリオキシル 35ヒマシ油),ラブラゾール(ポリエチレングリコールカプリレート/カプリレート),及びトランスキュトール(ジエチレングリコールモノエチルエーテル),ツイン(ポリソルベート20,21,40,61,65,80,81,85,120),ポロキサマー(124,188,237,338,407)(ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン),ニッコールHCO−40(ポリオキシエチレングリコール化の天然または水素化ヒマシ油),ミルズ(Myrj)45(ポリオキシエチレン(8)ステアレート),タガト(Tagat)L(ポリオキシエチレン(30)モノラウレート),マルロソール(Marlosol)1820(ポリオキシエチレン(20)ステアレート),マルロソール(Marlosol)OL 15(ポリオキシエチレン(15)オレート),ブリズ(Brjj)96(ポリオキシエチレン(10)オレイルエーテル),ボルポ(Volpo)015(ポリオキシエチレン(15)オレイルエーテル),マルロベット(Marlowet)OA30(ポリオキシエチレン(30)オレインエーテル),マルロベット(Marlowet)LMA 20(ポリオキシエチレン(20)オレインエーテル),シペロニック(Syperonic)PE L44(ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマー),シペロニック(Syperonic)F127(ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマー),ラブラフィルM 2125 CS(リノレオルマクロゴールグリセリド),ラブラファックPG(プロピレングリコールジカプリロカプレート),イムビトール(カプリル酸/カプリン酸モノ−及びジ−グリセリド),ソルビタンモノステアレート,ソルビタントリステアレート,ソルビタンモノオレート,ポリエチレングリコールモノオレート,ミグリオール(MIGLYOL)840(プロピレングリコールジカプリレート),ゲルシル 44/14(ラウロイルポリオキシル−32 グリセリド)及びこれらの混合物からなる群より選択されるものである,請求項6に記載の製薬学的製剤。
【請求項8】
前記ポリエチレングリコールは,200〜800の平均分子量を有するものである,請求項2に記載の製薬学的製剤。
【請求項9】
前記ポリエチレングリコールの代わりに,テトラグリコール(Tetraglycol),アルコール類のポリエチレングリコールエーテル(Polyethyleneglycolether),及びポリエチレングリコール(Polyethyleneglycol)の共重合体からなる群より選択されたポリエチレングリコール類似体を含むものである,請求項2に記載の製薬学的製剤。
【請求項10】
溶媒系のpHが2.0〜8.0に維持されるものである,請求項1に記載の製薬学的製剤。
【請求項11】
請求項1による製薬学的製剤及び乾燥被膜の重量を基準として,ゼラチン30〜65%,エシトール及びソルビタン類10〜40%,水1〜15%及び必要に応じて保存剤,着色剤,着香剤,遮光剤,芳香剤,崩壊改善剤,コハク酸ゼラチン(succinated gelatin)を含有する被膜組成物を含むことを特徴とする,軟質カプセル。
【請求項12】
さらにグリセリン,プロピレングリコール,プロピルカルボネート,ポリビニルピロリドン,酸化防止剤からなる群より選択された補助成分を含むことを特徴とする,請求項11に記載の軟質カプセル。
【請求項13】
請求項1による製薬学的製剤の溶媒系を含有する,ツーピースカプセルまたは錠剤。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2006−514119(P2006−514119A)
【公表日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−515721(P2005−515721)
【出願日】平成15年9月5日(2003.9.5)
【国際出願番号】PCT/KR2003/001833
【国際公開番号】WO2004/071490
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(505306142)アール アンド ピー コリア カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】