説明

滅菌と除染との少なくとも一方の改良

滅菌と、衛生化と、除染との少なくとも1つをする方法である。この方法は、周囲湿度よりも高い相対湿度を有する加湿された環境を生成する工程と、加湿された環境にオゾンを放出する工程と、加湿された環境の除染及び滅菌の必要な程度を達成する濃度でオゾンのレベルを維持する工程と、除染及び滅菌された環境の相対湿度を減少させる工程と、オゾンの濃度を所定のレベルに減少させるために、除染及び滅菌された環境を触媒を通過させて、環境の相対湿度の減少を続ける工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生化(sanitation)を含む、滅菌と除染との少なくとも一方の方法、及び前記方法を使用する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
キッチン空間や病室のような閉鎖空間(enclosed space)を、その内部の空気や表面を汚染しているバクテリアやウイルスのような潜在的に有害な微生物を壊滅させるために、許容可能な時間スケールで、素早く、かつ効果的に滅菌及び衛生化する必要がある。
【0003】
オゾンの殺菌作用は、広く知られ、認められており、また、湿潤雰囲気中のオゾンの用意が殺菌の有効性を高めることも知られている。
【0004】
しかし、殺生物剤としてのオゾンの使用に関する問題は、居住者を戻す際に環境が安全であることを確実にするための、相対的にたいへん長い後処理プロセス、プロセス中において潜在的に環境にダメージを与える化学物質の使用、環境を衛生化する際のプロセスの全般的な効果のなさ、及び装置を素早くセットアップして使用する際の簡単さの全体的な不足を含んでいる。
【0005】
本出願人の以前の出願(欧州特許第1500404号、ステリトロックス社)は、湿潤雰囲気中でのオゾンの有益な効果が、残留雰囲気で利用されることができ、この残留雰囲気は、有用な時間スケール内で有害なオゾンの制約を受けない方法を説明している。この方法は、全ての残留オゾンと反応してこれら残留オゾンを除去するのに十分な量の2−ブテンのようなオレフィン化合物を雰囲気に追加することを含む。一方、このプロセスは、実質的な滅菌環境を与えるところで効率的であり、残留オゾンとオレフィン化合物との間の反応が、さまざまな化合物の生成につながることが認識されてきており、これらのいくつかは、雰囲気中で職業曝露レベル(OEL)(Occupational Exposure Level)として通例参照される所定の濃度よりも上にあるとき、有害な特性を有する。本発明に関する先入観なしで、さまざまな化合物は、例えば、アセトアルデヒド、酢酸、ホルムアルデヒド、ギ酸、メタノール、プロピオンアルデヒドなどを含むことができる。さらに、必要な湿度を達成するように与えられる大量の水は、ある種の欠点を有する。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、これらの問題に対する解決策を提供するものであり、特に、実質的に滅菌された領域において、許容可能な時間スケール内で有害な生成物を安全にすることが可能な、高度の滅菌と除染との少なくとも一方のプロセス及び装置を提供するものである。
【0007】
本発明の第1の態様に係われば、滅菌と、除染と、衛生化との少なくとも1つの方法が提供される。この方法は、
a) 周囲湿度よりも高い相対湿度を有する加湿された環境を生成する工程と、
b) 前記加湿された環境にオゾンを放出する工程と、
c) 前記加湿された環境の除染と、滅菌と、衛生化との少なくとも1つの必要な程度を達成する濃度でオゾンのレベルを維持する工程と、
d) 前記除染と、滅菌と、衛生化との少なくとも1つがされた環境の相対湿度を減少させる工程と、
e) オゾンの濃度を所定のレベルに減少させるために、実質的に、前記除染と、滅菌と、衛生化との少なくとも1つがされた環境を触媒を通過させて、環境の相対湿度の減少を続ける工程とを具備する。
【0008】
d)の工程の間に得られた水は、好ましくは、加湿された環境を生成する方法において収集されて再使用されることができ、これにより、プロセスで使用される水の量を減少させ、廃水の処理の必要性をなくすことができる。
【0009】
相対湿度の減少は、除湿工程の少なくとも1つによって果されることができ、除湿工程は、水分子を除去するために環境を水吸収剤を通過させることと、環境を加熱することによってとの少なくとも一方であることができる。好ましくは、本方法は、相対湿度を減少させるための全てのこれら工程を含む。
【0010】
そして、好ましくは、炭素−炭素二重結合を含む炭化水素は、残留オゾンと優先的に反応するように、環境に取り入れられる。好ましくは、炭化水素は、環状オレフィンを含む、シス又はトランスの、2次のオレフィン(secondary olefin)を含む。除染及び滅菌された環境は、有害な生成物の濃度が安全レベルに下がるまで、触媒を通して循環処理(recycle)されることができる。
【0011】
加湿された環境は、好ましくは、周囲温度で90v/v%付近にあり、触媒を通過する前に、約30%の最小値に減少される。好ましくは、加湿された環境は、少なくとも5.00トル(約666.612パスカル)の水蒸気の分圧を有するが、これは、環境の温度によって決まる。例えば、6℃付近の温度を有する冷たい環境は、好ましくは、6.00トル(約799.934パスカル)の分圧であり、また、18℃付近の温度を有する比較的温かい環境は、好ましくは、13.9トル(約1853.181パスカル)付近の分圧である。
【0012】
さらに、本発明の第1の態様の好ましい特徴と付加的な特徴との少なくとも一方が、包括的に、請求項2ないし11に規定される。
【0013】
本発明の第2の態様に係われば、本発明の第1の態様に従う方法で使用する、滅菌と、除染と、衛生化との少なくとも1つの装置が提供される。この装置は、加湿器ユニットと、オゾン放出ユニットと、湿度減少手段と、オゾン除去触媒(ozone depletion catalyst)と、制御装置とを具備し、前記制御装置によって、前記加湿器ユニットと、湿度減少手段と、オゾン放出ユニットとの少なくとも1つが所定の条件に基づいて制御される。
【0014】
好ましくは、湿度減少手段は、収集された水が加湿器ユニットで再使用されることを可能にするように、循環処理手段を有することができる。
【0015】
本発明の第2の態様の好ましい特徴と付加的な特徴との少なくとも一方が、包括的に、請求項12ないし20に規定される。
【0016】
本発明は、特に、添付図面を参照して、単なる例によって説明される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明のプロセスを実行するための滅菌及び除染装置の一実施の形態の概略的な側断面図である。
【図2】図2は、図1に示される装置の概略的な正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のプロセス及び装置は、環境の滅菌及び除染のために、(一般的には、周囲温度で90%を超えている)高い湿度のレベルでオゾンを使用する。しかし、実際の相対湿度は、処理される環境の温度によって決まる。プロセス及び装置はまた、オゾンのレベル及び過酸化水素のような望ましくない副産物を最小時間で安全レベルに減少させるためのオゾン除去触媒を含み、これにより、部屋が占有されずに保たれなければならない時間を減少させる。しかし、特に、水が反応物質の1つでないとき、触媒が露点の近くで作用することはまれである。これは、水分子の膜によって覆われるようになる触媒の表面をもたらすことができ、かくして、必要な反応が抑制される。さらに、高い湿度のレベルが、滅菌/除染プロセスの完了の後、環境を非常に湿った状態にしておくことができる。本発明は、オゾンの除去のために触媒コンバータに入る前に、その相対湿度を好ましくは30%未満に減少させるために、雰囲気をプレ処理することによってこの問題を軽減する。
【0019】
本発明の一実施の形態では、環境の相対湿度は、触媒容器へのその取り入れの前に、空気を加熱することによって減少される。これは、露点からかなり離れた反応条件にし、これにより、水の吸収された膜の厚さを減少させる。
【0020】
本発明の代わりの実施の形態では、除湿器が、触媒の前に与えられる。この装置は、除湿器によって取り出された凝縮水が、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、酢酸及びギ酸のような、反応のいくつかの有機副産物を含むという点でさらなる効果を有する。残留過酸化水素も、このような手段によって部分的に除去される。
【0021】
本発明のさらなる実施の形態では、水は、例えば、分子ふるい又はシリカゲルを含む吸収トラップによって除去される。
【0022】
添付図面は、本発明の好ましい実施の形態を示している。この実施の形態は、雰囲気の湿度を減少させるための複数の手段、即ち、除湿器ユニットと、分子ふるいの形態の吸収トラップと、ヒータとを有する。この特定の組み合わせは、雰囲気中にある水のレベルを許容可能なレベルに減少させる際に特に有益であることがわかっており、かくして、触媒の非活性化のレベルを減少させるのを助ける。プロセスに必要な大量の水は、分子ふるいのような、吸収トラップのみが、すぐに飽和されるようになり、ふるいの頻繁な交換又は再生を必要とすることを意味する。対照的に、除湿器の用意は、雰囲気からバルクの水を除去し、一方、吸収トラップは、水のレベルを非常に低い値にさらに減少させ、これにより、再生ステージの前に、触媒の潜在的な寿命を延ばす。触媒へのその取り入れの前に空気を加熱することは、トラップを再生するのを助けるだけでなく、触媒に対するオゾンの分解の速度を増加させる。
【0023】
本発明の方法を実行するための滅菌及び除染装置10の一例は、開かれることができる移動式の閉鎖容器(enclosure)12を有し、この閉鎖容器は、使用の際、オゾンの有害な影響から閉鎖容器内に含まれる感知装置(sensitive device)を保護するために、内部に正圧を発生させることができる。しかし、代わりの手段が、内部の感知性の構成要素をオゾンによって与えられるダメージから保護するために設けられることができることが理解される。閉鎖容器12は、ホイール14を有し、加湿された空気の出口17を有する加湿器ユニット16、オゾンの放出出口20を有するオゾン放出ユニット18、除湿器90、水分吸収ユニット92、ヒータ94、オゾン触媒70を含む容器、オゾン触媒ファン71、炭化水素放出出口24を有する炭化水素放出ユニット22、及び制御ユニット26を収容している。
【0024】
図示される例での加湿器ユニット16は、加湿器28と、湿度(humidistat)センサ30と、温度センサ31と、水リザーバ34とを有する。超音波加湿器が使用されるのであれば、圧縮空気供給器もまた、例えば、閉鎖容器12内に収容された圧縮空気タンク32又はコンテナの形態で設けられる必要がある。圧縮空気タンクは、水リザーバ34及び加湿器28に接続されている。5ミクロン(マイクロメートル)未満の、好ましくは2ないし3ミクロン(マイクロメートル)の直径を有する水滴が、雰囲気への水の蒸発の速度を高めるように空気に取り入れられる。
【0025】
オゾン放出ユニット18は、オゾン発生器36と、オゾン検出センサ38と、オゾン発生器36に酸素を供給するための酸素供給器56とを有する。酸素は、空気にオゾンを発生させるのに好まれる。なぜならば、これは、窒素の有毒な酸化物の形成を避けて、オゾンの必要な濃度の割合が達成され、オゾンの収率もまた高めるからである。
【0026】
除湿器ユニット90、水分吸収装置92及びヒータ94は、一緒に湿度減少手段を形成している。
【0027】
オゾン触媒70は、雰囲気からオゾンを除去することができる適切な触媒である。触媒は、オゾンの触媒作用の分解で活性化されることが知られたさまざまな商標物質から選択されることができる。このような触媒は、好ましくは、白金の族の金属、マンガン酸化物、及び促進効果を有することができる他の物質を含むことができる。
【0028】
炭化水素放出ユニット22は、ブテンのような、揮発性不飽和炭化水素を含むタンク又はコンテナの形態の炭化水素供給部42を有する。好ましくは、ブテンは、2−ブテンである。しかし、炭化水素は、後の記載から明らかであるような理由により、炭素−炭素二重結合を含む適切な炭化水素であることができる。炭化水素の選択は、オゾンとの反応の速度及びその崩壊生成物の毒性に基づいている。
【0029】
制御ユニット26は、装置10を制御し、少なくとも1つの滅菌及び除染ルーチンでプレセットされる。制御ユニット26は、制御装置46と、ユーザインタフェース48とを有し、このユーザインタフェースによってユーザが装置10への命令を入力することができる。
【0030】
装置10は、内蔵バッテリ50を有することができるか、主電源に接続可能であることができるかの少なくとも一方であることができる。内蔵バッテリ50の場合には、バッテリは、好ましくは、充電可能である。主操作装置が設けられるのであれば、これは、主電源が故障したときにマシンの安全装置が作動する(フェールセーフにする)ことが可能であるように、バッテリバックアップシステムを有することができる。
【0031】
装置10はまた、代表的には、システムの故障のときにスタートアップ又はシャットダウンを開始するのを防ぐように、安全センサのような、他の安全機能、及びソフトウェアルーチンを含むことができる。
【0032】
使用の際、装置10は、まず、滅菌及び除染される領域に位置される。装置10への電源のスイッチがオンにされて、制御ユニット26が初期の安全チェックを受ける。安全チェックに合格しなければ、装置10は動作せず、警告灯52を使用して適切な表示を出力する。プロセス中、安全チェックが連続してなされ、システムの故障のときには、システムが安全モードに戻る。
【0033】
加湿された空気の温度は、環境の露点よりも上にあり、従って、凝縮は起こらない。
【0034】
制御装置46は、オゾンのレベル、湿度センサ30による相対湿度、及び熱電対による周囲温度をモニタし続ける。所定の時間間隔、例えば10分の後、計算された相対湿度レベルと必要なオゾンのレベルとの少なくとも一方が達せられていなければ、制御装置46は、滅菌及び除染ルーチンを強制終了して、適切な表示を与える。
【0035】
酸素がオゾン発生器36に供給されて、オゾンが発生される。そして、発生されたオゾンが、放出している加湿された空気流に供給される。制御装置46は、オゾン発生器36が動作していることを示す適切な表示を与え、オゾン検出センサ38により周囲のオゾンのレベルをモニタする。
【0036】
検出されるオゾン及び水蒸気の濃度の両方が変更されることができる。しかし、代表的な設定は、25ppmv/v又はオゾン及び13.6トル(約1813.185パスカル)である。プレセットされたオゾン及び水蒸気のレベルが割り当てられた間隔内で検出されると、制御装置46は、ドエルタイム(“dwell time”)として知られたタイミングフェーズに入る。
【0037】
ドエルタイムはまた、例えば、1時間に変更されることができ、与えられる除染/滅菌の程度及びタイプによって決まる。例えば、クロストリジウム・ディフィシルのような、スポア又はかびによる汚染は、一般的に、リステリア菌及びメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)のような、バクテリアによる汚染よりも長いドエルタイムを必要とする。
【0038】
ドエルタイムの間、オゾンの濃度及び相対湿度は、連続してモニタされる。オゾンのレベルが所定の閾値よりも下に下がれば、オゾン放出ユニット18は、オゾンのレベルを補給するように再活性化される。相対湿度レベルが計算された値よりも下に下がれば、加湿器ユニット16は、水蒸気のレベルを回復するように再活性化される。
【0039】
再び、再活性化期間の間、オゾンの濃度又は相対湿度は、例えば10分である設定時間間隔内で、上で述べられた所定の最小値に達しなければ、制御装置46は、滅菌及び除染ルーチンを強制終了して、適切な表示を出力する。
【0040】
ドエルタイムが経過した後、制御装置46は、圧縮空気弁54及び酸素供給弁60を閉じて、加湿器ユニット16及びオゾン放出ユニット18のスイッチがオフにされる。そして、ポンプ71が、除湿器ユニット90、水分除去ユニット92及びヒータ94を通って雰囲気を送り動かす。これは、雰囲気から実質的な水の量を除去し、そして、オゾンのレベルを減少させるように、触媒70を通過させる。このとき、オゾンのレベルが連続してモニタされる。オゾンの濃度が、8ppmv/v付近のような必要なレベルに下がってきたとき、オレフィンは、炭化水素放出ユニット22の炭化水素放出弁58によって取り入れられる。オゾンの濃度は、連続してモニタされ、許容可能なレベルに下がるまで観測される。触媒70は、オゾンの濃度がそのOELよりも下に下がるまで連続して配備されることができる。
【0041】
オゾン検出センサ38がオゾンの濃度のレベルが所定の値未満、例えば0.2ppm未満であることを検出したとき、制御装置46は、炭化水素放出弁58を閉じて、滅菌及び除染ルーチンが完了したことを示す表示を出力する。滅菌及び除染される領域のサイズによるが、0.2ppmのオゾンのレベルは、通常、3ないし4分以内に達成される。この装置は、環境に加えられた炭化水素の量を決定するためにフィードバックオゾン測定システム(図示されない)を有することができ、これにより、炭化水素の取り入れ過剰の可能性及び関連する潜在的な有毒の問題を低減させる。
【0042】
オゾン検出センサ38が、例えば、10分である所定の時間間隔内で、オゾンの所定の安全レベルが達せられたことを示さなければ、制御装置46は、室内の潜在的に危険なオゾンのレベルの表示警告を出力する。制御装置は、部屋が再占有される可能性があることをアナウンスする前に、オゾンの標準的な半減期を過ぎる時間間隔を与えるようにプログラムされることができる。
【0043】
滅菌と除染との少なくとも一方の装置が、領域の一部として一体的に形成されることができるか、単に部分的に移動式であることができることが考察される。例えば、圧縮空気供給部と酸素供給部との少なくとも一方が、規則的に滅菌及び除染される領域の一部として一体的に形成されることができる。代わって、構成要素は、装置の閉鎖容器内に収容されることができる。この場合には、必要な供給部は、着脱可能な接続管を介して装置に連結されることができる。マシンはまた、メインユニット及びワイヤレス接続の遠隔制御装置からなり、必要なプレセットされたルーチンが、滅菌と除染との少なくとも一方をされる領域の外部からユーザによって遠隔的に開始されることができる。
【0044】
酸素供給部は、代表的には、少なくとも1つの酸素タンク又はシリンダの形態であることができるが、商業的に入手可能な酸素濃縮器が使用されることができる。
【0045】
装置は、加湿された空気、オゾン及び炭化水素を循環させるためのガス移動装置として電気ファン72を使用する。しかし、特定のアプリケーションに関して、空気ムーバが電気ファンに代わって使用されることができる。
【0046】
上で説明された装置は、人工的な高いレベルの非凝縮の湿度を生成して、高濃度のオゾンを適所に発生させる方法を利用する。
【0047】
装置の材料は、オゾンの腐食作用及び炭化水素の溶解作用に対して耐性がある。
【0048】
全ての弁の状態は、制御装置に接続された、一体的に組み込まれたセンサを使用してモニタされる。弁には、ユーザの安全性がいつでも維持されるように、閉位置のような適切な位置に安全装置が設けられている。制御装置はまた、使用、時間、日付、動作の成功/失敗及びマシンの性能を評価するのに必要な他のパラメータをモニタするために、改ざん防止記録システムを組み込むことができる。
【0049】
本発明のさらなる実施の形態(図示されない)では、除湿器から収集された水は、元の水コンテナ、水リザーバ、又は個々のコンテナへと導かれて、後の処理で再使用されることができる。これは、プロセスで使用される水の量及び廃水の処理の必要性を減少させるというさらなる効果を有する。
【0050】
このように、早く、かつ効果的で、オゾン触媒の頻繁な交換を必要としない滅菌と除染との少なくとも一方を与える方法が提供されることが可能である。さらに、装置は、分離でき、移動式であることができる。本方法は、有害な副産物から環境への影響なく、領域の99.99%よりよい有効な滅菌及び除染を提供することができる。かくして、汚染領域の迅速な再使用が実現されることができる。
【0051】
上に説明された実施の形態は、単なる例によって与えられ、他の変更が添付の特許請求の範囲によって規定されるような本発明の範囲から逸脱することなくなされることは、当業者に明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉鎖環境を滅菌と、衛生化と、除染との少なくとも1つをする方法であって、
a) 周囲湿度よりも高い相対湿度を有する加湿された環境を生成する工程と、
b) 前記加湿された環境にオゾンを放出する工程と、
c) 前記加湿された環境の除染と、滅菌と、衛生化との少なくとも1つの必要な程度を達成する濃度でオゾンのレベルを維持する工程と、
d) 前記除染と、滅菌と、衛生化との少なくとも1つがされた環境の相対湿度を減少させる工程と、
e) オゾンの濃度を所定のレベルに減少させるために、前記除染と、滅菌と、衛生化との少なくとも1つがされた環境を触媒を通過させて、環境の相対湿度の減少を続ける工程とを具備する方法。
【請求項2】
前記放出されたオゾンと優先的に反応するために、2次のオレフィンの炭素−炭素二重結合を含む炭化水素を前記環境に取り入れる工程をさらに具備する請求項1の方法。
【請求項3】
オゾン及び過酸化水素の濃度が安全レベルに下がるまで、前記除染と、衛生化と、滅菌との少なくとも1つがされた環境を前記触媒を通して循環処理する工程をさらに具備する請求項2の方法。
【請求項4】
d)の工程から得られた水を循環処理して、a)の工程で前記水を再使用する工程をさらに具備する請求項1ないし3のいずれか1の方法。
【請求項5】
前記相対湿度の減少は、除湿工程によって果される請求項1ないし4のいずれか1の方法。
【請求項6】
前記相対湿度の減少は、水分子を除去するために前記環境を水吸収剤を通過させることよって果される請求項1ないし4のいずれか1の方法。
【請求項7】
前記相対湿度の減少は、前記環境を加熱することによって果される請求項1ないし4のいずれか1の方法。
【請求項8】
前記相対湿度の減少は、前記環境を水吸収剤を通過させて前記環境を加熱させるのに続いて、除湿工程によって果される請求項1ないし4のいずれか1の方法。
【請求項9】
c)の工程で維持されるオゾンのレベルは、1ないし100ppmv/vの範囲にある請求項1ないし8のいずれか1の方法。
【請求項10】
d)の工程は、前記オゾンのレベルを職業曝露レベル(OEL)未満に減少させる請求項1ないし9のいずれか1の方法。
【請求項11】
前記相対湿度は、周囲条件に基づいて約30%に減少される請求項1ないし10のいずれか1の方法。
【請求項12】
加湿器ユニットと、
オゾン放出ユニットと、
湿度減少手段と、
オゾン除去触媒と、
制御装置とを具備し、
前記制御装置によって、前記加湿器ユニットと、前記オゾン放出ユニットと、前記湿度減少手段との少なくとも1つが、所定の条件に基づいて制御される請求項1ないし11のいずれか1の方法で使用する滅菌及び除染装置。
【請求項13】
前記湿度減少手段によって得られた水を循環処理するための循環処理手段をさらに具備する請求項12の装置。
【請求項14】
前記湿度減少手段は、除湿器ユニットを有する請求項12又は13の装置。
【請求項15】
前記湿度減少手段は、水分吸収ユニットを有する請求項12又は13の装置。
【請求項16】
前記水分吸収ユニットは、シリカゲルを含む請求項15の装置。
【請求項17】
前記水分吸収ユニットは、分子ふるいを含む請求項15の装置。
【請求項18】
前記湿度減少手段は、ヒータを有する請求項12又は13の装置。
【請求項19】
前記湿度減少手段は、除湿器ユニットと、水分吸収ユニットと、ヒータとを有する請求項12又は13の装置。
【請求項20】
前記触媒を通過する前後の両方に、相対湿度及びオゾンの濃度をモニタするセンサをさらに具備する請求項12ないし19のいずれか1の装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−520104(P2012−520104A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−553520(P2011−553520)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【国際出願番号】PCT/GB2010/000471
【国際公開番号】WO2010/103296
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(511222319)ステリトロックス・リミテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】Steritrox Limited
【住所又は居所原語表記】The Old Stables, Upper End, Birlingham, Pershore, Worcestershire, WR10 3AA, United Kingdom
【Fターム(参考)】