説明

滑りブッシュ及びその製造方法

【課題】外径寸法が制約を受けるような条件でも低ばね化による十分な防振効果を得られる滑りブッシュを提供する。
【解決手段】例えば小型船舶の船体と、この小型船舶を推進させる船外機を互いに旋回可能に連結するスイベル機構に用いられる滑りブッシュ10であって、滑り軸受11と、この滑り軸受11の少なくとも軸方向一側に配置され内径が滑り軸受11の内径よりも大径の環状プレート12,13と、この環状プレート12,13と滑り軸受11の間を軸方向に連結するゴム状弾性材料からなるブッシュ本体14,15を備え、環状プレート12,13に、滑り軸受11の外周側へ向けて延びると共に環状又は筒状の外周部材110の内周面へ圧入される圧入部12a,13aが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば小型船舶の船体を推進させる船外機又は他の振動発生源の防振手段として適した滑りブッシュ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
小型船舶では、船体と、この船体を推進させる船外機とを互いに旋回可能に連結するスイベル機構に、滑りブッシュが装着されている。図7は、小型船舶における船外機の装着構造を概略的に示す説明図、図8は従来の滑りブッシュを図7の一部と共に示す断面図である。
【0003】
まず図7を参照すると、船外機100における機体101の上部にはエンジン102が収容され、下部にはプロペラ103が取り付けられ、エンジン102の駆動力が、ドライブシャフト104、ギヤ105及びプロペラシャフト106を介してプロペラ103に伝達されるようになっている。
【0004】
船体200への船外機100の取付部分は、船体200の船尾板201をクランプするクランプブラケット107と、このクランプブラケット107に軸心が略水平なチルト軸108を介して連結されたスイベルブラケット109を有する。スイベルブラケット109には上下方向に延びる管状のスイベルハウジング110が固定されており、このスイベルハウジング110内にはスイベル軸111が、滑りブッシュ115を介して回転可能に挿通されており、更にこのスイベル軸111の上端には、ハンドルブラケット112aを介してハンドル112が取り付けられている。
【0005】
また、ハンドルブラケット112aにおけるハンドル112と反対側の端部は、防振ゴムを備えるアッパーマウント113を介して機体101の上部に結合され、すなわちスイベル軸111の上端は、ハンドルブラケット112a及びアッパーマウント113を介して機体101の上部に結合され、スイベル軸111の下端部は、防振ゴムを備えるロアーマウント114を介して機体101の下部に結合されている。
【0006】
滑りブッシュ115は、図8に示されるように、スイベルハウジング110の上端部に嵌着されたアウタースリーブ115aと、その内周に同心的に配置されハンドルブラケット112aのボス部又はスイベル軸111の上端部が摺動可能に挿入された円筒状の滑り軸受115bとの間に、ゴム状弾性材料で一体的に加硫成形(加硫接着)されたブッシュ本体115cからなるものである。
【0007】
したがって、図7に示される船外機100は、チルト軸108を中心として俯仰角変位(チルトアップ及びチルトダウン)可能であると共に、プロペラ103の軸心(プロペラシャフト106)がほぼ水平になるようにチルトダウンした状態で、ハンドル112を操作することによって、スイベル軸111を中心として旋回し、これにより操舵を行うことができる。また、防振ゴムを備えるアッパーマウント113及びロアーマウント114と、滑りブッシュ115に設けられたブッシュ本体115cとの二重防振効果によって、エンジン102から船体200への振動伝達を低減するようになっている(例えば下記の特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−335605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、この種の小型船舶のスイベル機構に用いられる滑りブッシュ115は、その取付個所が設計領域的に制約を受けやすく、十分な防振効果を発揮できないことがある。そしてその多くは、スイベルハウジング110の外径が制約される結果、滑りブッシュ115のアウタースリーブ115aの外径が制約され、ゴム状弾性材料からなるブッシュ本体115cの十分な径方向肉厚が確保できず、このため防振に有効な低ばね化が図れないことに起因している。
【0010】
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、外径寸法が制約を受けるような条件でも低ばね化による十分な防振効果を得られる滑りブッシュを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係る滑りブッシュは、滑り軸受と、この滑り軸受の少なくとも軸方向一側に配置され内径が前記滑り軸受の内径よりも大径の環状プレートと、この環状プレートと前記滑り軸受の間を軸方向に連結するゴム状弾性材料からなるブッシュ本体を備え、前記環状プレートに、前記滑り軸受の外周側へ向けて延びると共に環状又は筒状の外周部材の内周面へ圧入される圧入部が形成されたものである。なお、ゴム状弾性材料とは、ゴム材料又はゴム状弾性を有する合成樹脂材料をいう。
【0012】
請求項2の発明に係る滑りブッシュは、請求項1に記載の構成において、環状プレートが滑り軸受の軸方向両側に配置され、ブッシュ本体が前記滑り軸受とその軸方向両側の環状プレートを連結するものであり、双方の環状プレートに形成された圧入部が、前記滑り軸受の外周側で円周方向交互に並んでいるものである。
【0013】
請求項3の発明に係る滑りブッシュは、請求項1に記載の構成において、滑り軸受の外周面に、環状プレートの圧入部と径方向に対向するゴム状弾性材料からなる弾性凸部が形成されたものである。
【0014】
請求項4の発明に係る滑りブッシュは、請求項1に記載の構成において、ブッシュ本体の一部で環状プレートの内径縁が被われたものである。
【0015】
請求項5の発明に係る滑りブッシュの製造方法は、請求項2に記載の滑りブッシュを製造する方法であって、それぞれ外径方向へ放射状に延びる複数の凸片を有する一対の環状プレートを、双方の環状プレートの凸片が互いに軸方向へ重ならないようにして滑り軸受の軸方向両側に離間配置し、前記滑り軸受とその軸方向両側の環状プレートの間にゴム状弾性材料からなるブッシュ本体を一体に成形した後、前記凸片を前記滑り軸受の外周側へ屈曲させることによって軸方向両側の環状プレートから円周方向交互に延びる圧入部を形成するものである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明に係る滑りブッシュによれば、径方向の振動入力を、軸方向に対向する滑り軸受と環状プレートの間で、ブッシュ本体が剪断変形で受けるため、ブッシュ本体の十分な径方向肉厚が確保できない条件でも低ばね化が可能となり、優れた防振効果が実現される。
【0017】
請求項2の発明に係る滑りブッシュによれば、滑り軸受が軸方向両側のブッシュ本体により支持されるので、請求項1による効果が一層確実に実現される。しかも、軸方向両側の環状プレートの圧入部の位置関係によって、ブッシュ本体に適切な予圧縮を与えることができる。
【0018】
請求項3の発明に係る滑りブッシュによれば、請求項1による効果に加え、入力される径方向の振幅が増大した時に、滑り軸受の外周面に形成された弾性凸部が、環状プレートの圧入部と干渉することによって高ばねとなる二段の防振特性を得ることができる。
【0019】
請求項4の発明に係る滑りブッシュによれば、請求項1による効果に加え、入力される径方向の振幅が増大した時に、滑り軸受の内周に挿通された部材と環状プレートの内径縁が当接することによる打音の発生を防止することができる。
【0020】
請求項5の発明に係る滑りブッシュの製造方法によれば、請求項2に記載の滑りブッシュを容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る滑りブッシュの好ましい実施の形態を小型船舶の船外機のスイベル機構への装着状態で示す断面斜視図である。
【図2】図1の滑りブッシュを小型船舶の船外機のスイベル機構への装着状態で示す断面図である。
【図3】図1の滑りブッシュを未装着状態で示す断面斜視図である。
【図4】図1の滑りブッシュのばね特性を示す線図である。
【図5】図1の滑りブッシュの製造において、滑り軸受とその軸方向両側の環状プレートの間にゴム状弾性材料からなるブッシュ本体を一体に成形した状態を示す断面斜視図である。
【図6】図1の滑りブッシュの製造において、滑り軸受とその軸方向両側の環状プレートの間にゴム状弾性材料からなるブッシュ本体を一体に成形した状態を示す一部断面を表す側面図である。
【図7】小型船舶における船外機の装着構造を概略的に示す説明図である。
【図8】従来の滑りブッシュを図7の一部と共に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る滑りブッシュ及びその製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明に係る滑りブッシュの好ましい実施の形態を小型船舶の船外機のスイベル機構への装着状態で示す断面斜視図、図2は、同じく断面図、図3は、図1の滑りブッシュを未装着状態で示す断面斜視図である。
【0023】
まず図1及び図2において、参照符号110は、円筒状のスイベルハウジング、参照符号111は、このスイベルハウジング110に挿通されたスイベル軸で、小型船舶の船体と船外機を互いに旋回可能に連結するスイベル機構を構成するものである。なお、スイベルハウジング110は、請求項1に記載された環状又は筒状の外周部材に相当する。
【0024】
参照符号10は、本発明に係る滑りブッシュであって、滑り軸受11と、この滑り軸受11の軸方向両側に配置され内径が滑り軸受11の内径よりも大径の第一の環状プレート12及び第二の環状プレート13と、前記第一の環状プレート12と滑り軸受11と第二の環状プレート13の間を弾性的に連結するゴム状弾性材料からなるブッシュ本体14,15を備える。
【0025】
滑り軸受11は、第一の環状プレート12及び第二の環状プレート13の間に軸方向及び径方向へ変位可能な状態で配置されており、例えば銅系金属や、表面処理された鉄系金属、含油焼結金属、低摩擦合成樹脂などから選択された材料で成形され、円筒面状の内周面が、スイベル軸111の外周面に摺動可能に嵌合されるものである。
【0026】
第一の環状プレート12及び第二の環状プレート13は金属板からなるものであって、その外径の円周方向等配位置から滑り軸受11の外周側へ向けて延びると共にスイベルハウジング110の内周面へ圧入される圧入部12a,13aを備え、図3に明確に示されるように、第一の環状プレート12の圧入部12aと第二の環状プレート13の圧入部13aは、互いに適当な隙間を介して円周方向交互に並んでいる。
【0027】
ブッシュ本体14,15は、滑り軸受11とその軸方向両側の第一の環状プレート12及び第二の環状プレート13に加硫成形により一体化されたものであって、このブッシュ本体14,15の内径は、滑り軸受11の内径、言い換えればスイベル軸111の外径より適宜大径となっている。
【0028】
また、滑り軸受11の外周面には、ゴム状弾性材料からなる弾性凸部16が一体的に加硫接着されている。この弾性凸部16は、ブッシュ本体14,15の成形時に同時に成形されたものであって、すなわちブッシュ本体14,15と連続しており、第一の環状プレート12の圧入部12aの内周面及び第二の環状プレート13の圧入部13aの内周面と適当な隙間をもって径方向に対向している。
【0029】
第一の環状プレート12の内径縁はブッシュ本体14の一部からなる弾性膜部14aで被われており、第二の環状プレート13の内径縁はブッシュ本体15の一部からなる弾性膜部15aで被われている。また、この弾性膜部14a,15aの内径はブッシュ本体14,15の内径と同径であって、すなわち滑り軸受11の内径よりも適宜大径となっており、スイベル軸111の外周面と、適当な隙間をもって径方向に対向している。なお、弾性膜部14a,15aとスイベル軸111の外周面との対向隙間の大きさδは、弾性凸部16と圧入部12a,13aの内周面との対向隙間の大きさδよりも大きい。
【0030】
以上の構成において、スイベルハウジング110は、先に説明した図7に示されるように、スイベルブラケット109、チルト軸108及びクランプブラケット107を介して船体200の船尾板201に取り付けられ、船外機100は、チルト軸108を中心として俯仰角変位(チルトアップ及びチルトダウン)可能、かつスイベルハウジング110に挿通されたスイベル軸111を中心として旋回可能となっている。また、本発明に係る滑りブッシュ10は、滑り軸受11の円筒面状の内周面が、スイベル軸111の外周面に摺動可能に嵌合されると共に、第一の環状プレート12及び第二の環状プレート13に形成された圧入部12a,13aがスイベルハウジング110の内周面に圧入されることによって、スイベルハウジング110とスイベル軸111の間に介在されている。
【0031】
そして船外機100のエンジン102からの径方向の振動がスイベル軸111に入力されると、滑りブッシュ10のブッシュ本体14,15は、スイベル軸111側の滑り軸受11とスイベルハウジング110側の環状プレート12,13との間で、この入力振動を剪断変形で受けるため、振動による径方向変位δが弾性凸部16と圧入部12a,13aとの対向隙間の大きさδより小さい場合、すなわち弾性凸部16が環状プレート12,13の圧入部12a,13aの内周面と接触しない程度の小振幅の場合は、図4に示されるように、ばね定数kが低く、したがってスイベルハウジング110側(船体200側)への振動伝達を有効に絶縁することができる。
【0032】
また、入力される径方向振動による変位δが共振などによってδを超えると、滑り軸受11の外周面に形成された弾性凸部16が、環状プレート12,13の圧入部12a,13aの内周面と接触することによって圧縮変形で受けるため、図4に示されるように、ばね定数kが高くなり、ブッシュ本体14,15の変形が抑制される。
【0033】
そして弾性凸部16が環状プレート12,13の圧入部12a,13aの内周面と接触した後も変位δがさらに増大して、図2に示される弾性膜部14a,15aとスイベル軸111の外周面との対向隙間の大きさδに達した場合は、スイベル軸111の外周面が、第一の環状プレート12の内径縁に被着された弾性膜部14a及び第二の環状プレート13の内径縁に被着された弾性膜部15aに接触することによって、図4に示されるように、ばね定数kがさらに高くなるので、ブッシュ本体14,15の変形が確実に規制される。また、前記弾性膜部14a,15aが、環状プレート12,13の内径縁とスイベル軸111の外周面の金属接触を防止するため、打音の発生が有効に防止される。
【0034】
また、滑りブッシュ10(環状プレート12,13の圧入部12a,13a)をスイベルハウジング110の内周面に圧入する際には、圧入に用いる治具によって、環状プレート12,13間の軸方向相対距離を任意に設定することができる。このため、第一の環状プレート12と滑り軸受11の間に介在するブッシュ本体14、及び第二の環状プレート13と滑り軸受11の間に介在するブッシュ本体15に適切な予圧縮を与えてその耐久性を向上させ、あるいはばね定数を任意に設定することができる。
【0035】
図5は、滑りブッシュ10の製造において、滑り軸受11とその軸方向両側の第一及び第二の環状プレート12,13の間にブッシュ本体14,15を一体に成形した状態を示す断面斜視図、図6は、同じく一部断面を表す側面図である。
【0036】
すなわち、上述のように構成された滑りブッシュ10の製造に際しては、図5及び図6に示されるような形状の凸片付きの環状プレート12,13を、金属板の打ち抜き等によって製作する。この環状プレート12,13は、それぞれその外径部における円周方向等配位置から外径方向へ放射状に延びる複数の凸片12a’,13a’を有するものであって、互いに同形同大である。また、各凸片12a’(13a’)の間の相対的な切欠部12b(13b)の円周方向の幅は、凸片12a’(13a’)の幅よりも大きい。
【0037】
次に、この環状プレート12,13と、別途製作された滑り軸受11を、不図示のゴム成形金型内に位置決め設置し、型締めする。このとき、環状プレート12,13は、滑り軸受11と互いに軸方向に対向すると共に、凸片12a’,13a’が互いに軸方向へ重ならないようにして、言い換えれば、一方の環状プレート12の凸片12a’が他方の環状プレート13の切欠部13bと互いに互いに軸方向へ重なり、他方の環状プレート13の凸片13a’が一方の環状プレート12の切欠部12bと互いに軸方向へ重なるようにして、滑り軸受11の軸方向両側に離間配置した状態とする。
【0038】
次に、型締めによって金型の内面と軸受11及び環状プレート12,13との間に画成された成形用キャビティ内へ、未加硫ゴム材料を充填し、このゴム材料を加熱・加圧して架橋硬化させることによって、ゴム状弾性材料からなるブッシュ本体14,15、弾性膜部14a,15a及び弾性凸部16を、軸受11及び環状プレート12,13と一体に成形する。
【0039】
成形後は、環状プレート12,13から放射状に延びる凸片12a’,13a’を、軸受11(弾性凸部16)の外周側へ屈曲させる。具体的には、図6に示されるように、例えば環状プレート13の凸片13a’を屈曲させるには、上側の環状プレート12の切欠部12bから押さえ治具20を挿入して凸片13a’の根元を押さえながら、不図示の折り曲げ治具によって凸片13a’を図6における上側へ折り曲げれば良い。反対側の凸片12a’の屈曲も同様にして行うことができる。そしてこのような作業によって、先に説明した図3のような圧入部12a,13aが形成され、製作が完了する。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の滑りブッシュは、例えば小型船舶の船体と、この小型船舶を推進させる船外機を互いに旋回可能に連結するスイベル機構に用いられる防振手段として有用であり、他の振動発生源の防振手段としても利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
10 滑りブッシュ
11 滑り軸受
12 第一の環状プレート
13 第二の環状プレート
12a,13a 圧入部
12a’,13a’ 凸片
12b,13b 切欠部
14,15 ブッシュ本体
14a,15a 弾性膜部
16 弾性凸部
20 押さえ治具
110 スイベルハウジング(外周部材)
111 スイベル軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
滑り軸受と、この滑り軸受の少なくとも軸方向一側に配置され内径が前記滑り軸受の内径よりも大径の環状プレートと、この環状プレートと前記滑り軸受の間を軸方向に連結するゴム状弾性材料からなるブッシュ本体を備え、前記環状プレートに、前記滑り軸受の外周側へ向けて延びると共に環状又は筒状の外周部材の内周面へ圧入される圧入部が形成されたことを特徴とする滑りブッシュ。
【請求項2】
環状プレートが滑り軸受の軸方向両側に配置され、ブッシュ本体が前記滑り軸受とその軸方向両側の環状プレートを連結するものであり、双方の環状プレートに形成された圧入部が、前記滑り軸受の外周側で円周方向交互に並んでいることを特徴とする請求項1に記載の滑りブッシュ。
【請求項3】
滑り軸受の外周面に、環状プレートの圧入部と径方向に対向するゴム状弾性材料からなる弾性凸部が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の滑りブッシュ。
【請求項4】
ブッシュ本体の一部で環状プレートの内径縁が被われたことを特徴とする請求項1に記載の滑りブッシュ。
【請求項5】
請求項2に記載の滑りブッシュを製造する方法であって、それぞれ外径方向へ放射状に延びる複数の凸片を有する一対の環状プレートを、双方の環状プレートの凸片が互いに軸方向へ重ならないようにして滑り軸受の軸方向両側に離間配置し、前記滑り軸受とその軸方向両側の環状プレートの間にゴム状弾性材料からなるブッシュ本体を一体に成形した後、前記凸片を前記滑り軸受の外周側へ屈曲させることによって軸方向両側の環状プレートから円周方向交互に延びる圧入部を形成することを特徴とする滑りブッシュの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−62989(P2012−62989A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209256(P2010−209256)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000004385)NOK株式会社 (1,527)
【Fターム(参考)】