説明

滑り要素

【課題】軸受け要素を滑り特性の面で改善すること。
【解決手段】支持体と、支持体上に配置された滑り層と、場合によっては滑り層上に配置された軸受け層とを含む滑り要素であって、滑り層が、滑り材料が貯えられた空隙を有する支持構造によって形成されており、そして滑り層、又は場合によっては軸受け層が、支承しようとする構成要素のための軸受け面を形成し、軸受け面が、構成要素の回転方向に長手方向の延びを有している形式で、空隙は、滑り層の長手方向延び方向に延ばされて形成されているように、構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持体と、支持体上に配置された滑り層と、場合によっては滑り層上に配置された軸受け層とを含む滑り要素であって、滑り層が、滑り材料が貯えられた空隙を有する支持構造によって形成されており、そして滑り層、又は場合によっては軸受け層が、支承しようとする構成要素のための軸受け面を形成し、軸受け面が、構成要素の回転方向に長手方向の延びを有している形式の滑り要素、並びにこのような滑り要素を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このような形式の滑り要素は、特許文献1から公知である。このような滑り要素は、高い動的負荷可能性と相俟って、所望のトライボロジー特性、特に、良好な適合能力、及び粒子のための良好な埋め込み能力を有することになっている滑り層で被覆されている。滑り層は、滑り材料と組み合わされた、空隙を形成する支持構造から少なくとも部分的に形成されており、そして支持構造の材料は、滑り材料よりも高い強度を有している。支持構造は好ましくは金属から形成されており、金属は、例えば発泡によって、数多くの互いに結合された中空室を備えた骨格状構造を有する。支持構造は、格子状に形成されていてもよい。滑り層におけるこのような支持構造の容積比率は、好ましくは10%未満である。滑り材料は、好ましくは滑り金属、例えばホワイトメタルであるが、しかし、ポリマー材料も滑り材料として可能である。このような滑り材料は、流し込み法又は射出法で空隙内に充填される。支持構造の材料は、滑り材料よりも高い融点を有することになっている。
【0003】
特許文献2には、軽金属マトリックスから成る、運動させられる機械部分を案内して支持するための流し込み成形された滑り軸受けが記載されており、この滑り軸受け内には、マトリックス材料が浸透された中空室を有する、滑り面の部分を形成する、硬質材料から構成された成形体が流し込みにより形成されている。改善されたトライボロジー特性を達成するために、成形体の開放中空室にマトリックス金属が充填されており、滑り面内に位置する、成形体の硬質部分の大きさは、1つの軸において測定して、それぞれ≦0.1mmであり、そして滑り面内に位置する、成形体の硬質部分間の間隔は、1つの軸において測定して、それぞれ≦2mmとなっている。
【0004】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1538354号公報
【特許文献2】独国特許出願公開第4406191号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、このような軸受け要素を滑り特性の面で改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題は一方では、空隙(中間室)が、滑り層の長手方向延び方向に延ばされて形成されており、つまり空隙がこのような方向において、この方向に対して直角の方向における軸受け層平面内の幅よりも大きい長さを有する滑り要素によって解決され、また、空隙がローラによって長手方向延び方向で変形させられる、このような滑り要素の製造方法によって解決される。これにより、構成要素の滑り運動、特に回転運動のために、滑り材料上のより長い走行路が提供される。同時に、滑り層の強度は、支持構造全体にわたって依然として維持される。このような滑り要素は基本的には、種々様々な方法に従って、一例としては、例えば相応の金属格子を使用することによって、既に構成要素の回転運動方向に延ばされた中空室を有する支持構造が使用されることにより製造可能であるが、しかしこのような長手方向の延びは、ローラによって形成されるのが好ましい。それというのは、このことは、支持体上への滑り層のローラ被覆時に同時に行うことができるので、空隙の延びをどれくらい大きくしたいかに応じて、支持構造の半製品を加工し、そしてこの支持構造を所望の延びに応じて変形させることができるからである。つまりこれにより、在庫管理なども簡単になり、そのために、付加的な加工工程が必要になることはない。
【0007】
滑り層の滑り特性をさらに改善するために、空隙の、長手方向延び方向における長さと、長手方向延び方向に対して直角の方向における幅との平均軸比は、少なくとも1.1:1であってよい。
【0008】
特に、この軸比は、2:1、又は3:1、又は4:1であってよい。
【0009】
空隙の、長手方向の延びにおける長さ(μm)と、長手方向の延びに対して直角の高さ(μm)との比は、下限10:1及び上限50:1の範囲内にあってよい。これにより、滑り層の滑り特性が、やはり走行路が長くなることによって改善される。
【0010】
空隙の、長手方向の延びと高さとのこのような比は特に、下限15:1及び上限40:1の範囲内、好ましくは下限20:1及び上限30:1の範囲内にあってよい。
【0011】
滑り層における空隙の比率は、滑り層全体を基準として、少なくとも55%であってよい。これにより、より高い比率の滑り材料が提供され、そして滑り層の滑り特性を改善することができる。
【0012】
特に、滑り層における空隙の比率は、少なくとも60%、もしくは少なくとも70%であってよい。
【0013】
支持骨格が、少なくとも2.5%、特に少なくとも7.5%、好ましくは少なくとも10%の塑性最小変形能力を有する材料から形成されていると、より良好な変形能力のために有利である。
【0014】
支持構造は、より大きい空隙を形成しながら部分的に中断されていてよく、これにより、自由端を介して、滑り材料中の支持構造の改善された固定を行うことができ、特にこれらの自由端が少なくともほぼ曲げられている場合には、より大きい延びが達成され、ひいては滑り材料上の走行路が長くなる。
【0015】
支持構造は、支持体の領域で、少なくともほぼ完全に滑り材料内に埋め込まれていてよいので、支持体との結合は、専ら滑り材料を介して形成される。このような滑り材料は通常、支持構造よりも低い硬さを有するので、これにより、より良好な変形能力を、剥離のおそれなしに達成することができる。さらに、滑り層のより良好な弾性の他に、固体伝送音が支持構造のより硬質の材料を介しては支持体内に取り込まれないことにより、滑り要素の遮音特性も改善される。
【0016】
支持構造は、支持体上に金属もしくは合金を被着し、そしてその上で発泡させることにより、支持構造を形成することができる。このために、金属には少なくとも発泡剤、例えば水素化物が添加される。「その場(vor ort)」での発泡により、下地、すなわち支持体におけるより良好な付着が達成される。
【0017】
使用される、もしくは形成される発泡体は、好ましくは、滑り材料が充填される開放孔の他に、閉鎖孔をも有する。滑り材料が充填時には閉鎖孔内に侵入することはできず、従って、閉鎖孔は変形又は形状変化の前には充填されないので、これにより、滑り要素のより良好な変形能力が達成される。
【0018】
好ましくは、このような閉鎖孔の直径は、最大の開放孔の直径よりも小さいので、滑り材料による孔の充填度はさほど低くはない。
【0019】
開放孔の比率と比較した、このような「前材料(Vormaterial)」における閉鎖孔の比率は、好ましくは下限2%及び上限15%の範囲から選択され、特に下限5%及び上限10%の範囲から選択される。
【0020】
開放孔の他に閉鎖孔をこのように形成することは、より僅かな比率、例えば発泡させようとする金属に対して0.1%の比率の発泡剤を添加又は使用することによって達成することができる。
【0021】
発泡体における空隙の充填を容易にするために、発泡させようとする金属、もしくは発泡させようとする合金に、発泡前に滑り材料を添加することが可能である。このようにして、滑り材料が、妨害されない発泡を多かれ少なかれ妨げるので、発泡体における上記閉鎖孔が形成されることも同時に可能である。
【0022】
最後に、支持体上に支持構造を被着もしくは配置する前に、支持体上に、滑り材料から成る層が被着されることが可能であり、従って最終的には、既に上述したように、支持構造が支持体の領域で滑り材料内に埋め込まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明のよりよい理解のために、本発明を以下により詳しく説明する。
【0024】
本明細書中の値範囲に関する記載事項は全て、値範囲がその任意の部分領域及び全ての部分領域を一緒に含むように理解されるべきである。例えば「1〜10」という記載は、下限値1及び上限値10から出発する部分範囲全体が含まれるように、すなわち部分範囲全体が下限値1以上で始まり、そして上限値10以下で終わる、例えば1〜1.7、又は3.2〜8.1、又は5.5〜10であるように、理解されるべきである。
【0025】
本発明による滑り要素は、滑り軸受け半シェルの形態を有することができる。この他に、本発明による滑り要素を、軸受けブシュ、軸受け全シェル、摩耗リングとして形成するか、もしくは、更なる構成要素、例えば軸、シリンダが、軸受け要素に対して相対運動可能に、特に相対回転可能に支承される、一般に軸受け要素の形態で形成することも可能である。本発明の範囲内でアキシャル軸受けもしくはラジアル軸受けとして滑り要素を構成することが可能である。
【0026】
最も簡単な実施態様の場合、滑り要素は、支持体と、支持体上に配置された滑り層とから成る二層軸受けの形態で形成されている。支持体は、例えば鋼、黄銅、又はこれに類するものから成るストリップ、又は半シェル、すなわち滑り要素に作用する負荷の除去に役立ち、そしてこのような課題を満たすことができる材料によって形成されていてよい。滑り要素を構成要素の直接被覆によって形成することによって、支持体がこのような構成要素自体によって形成されていることも可能である。
【0027】
このような中間層構成の他に、支持体と滑り層との間に、少なくとも1つの別の層が配置されることも、本発明の範囲内でさらに可能である。このような別の層は、例えば拡散遮断層、又は結合剤層であってよい。結合剤層は、例えばアルミニウム、又はアルミニウム合金、例えばAlSc3から形成することができる。
【0028】
拡散層を、同様にアルミニウムもしくはアルミニウム合金から、又はニッケル層によって形成することができる。
【0029】
さらに、滑り層上に、すなわち、支承しようとする構成要素に向いた表面上に、いわゆる慣らし層が、例えば薄い錫又は鉛層として形成されることも可能である。その代わりに、滑りラッカー層を慣らし層として使用することもできる。
【0030】
支持体は、滑り要素の材料複合体総厚の下限最小20%及び上限最大95%を有する範囲から選択された層厚を有することができる。
【0031】
滑り層は、滑り要素の材料複合体総厚の下限最小2.5%及び上限最大50%を有する範囲から選択された層厚を有することができる。
【0032】
拡散層もしくは結合剤層は、滑り層厚の下限5%及び上限100%を有する範囲から選択された層厚を有することができる。
【0033】
慣らし層は、滑り層厚の下限5%及び上限250%を有する範囲から選択された層厚を有することができる。
【0034】
本発明による滑り層は、空隙を有する三次元骨格構造を画定する支持構造から成っており、これらの空隙は少なくとも大部分が互いに接続している。
【0035】
支持構造は、例えば、金属又は金属合金から成る発泡体の形態を有することもできる。同様に、支持構造が網状もしくは格子状に形成されていることも可能である。その他に、このような支持構造が金属繊維によってフリース状に、つまり例えば鋼綿状に構成されるような構成も可能である。
【0036】
このような支持構造のための材料としては、鋼、銅、又はアルミニウム、もしくは、特にそれぞれ150MPaを上回る最小降伏点を有するこれらの合金を含む群から選択される金属もしくは金属合金が使用される。
【0037】
滑り層における支持構造の比率は、下限2体積%及び上限20体積%の範囲から、特に下限5体積%及び上限10体積%の範囲から、好ましくは下限6体積%及び上限9体積%の範囲から選択されていてよい。
【0038】
100体積パーセントに対する残りを、このような空隙内に貯えられる滑り材料が形成する。滑り材料のための材料としては、錫、鉛、ビスマス、インジウム、ホワイトメタル、又は試験力10kPにおいてHV150のビッカースに基づく最大微小硬さを有する、滑り特性に関して類似したものを含む群から選択された金属もしくは金属合金が使用される。
【0039】
場合によっては、支持構造自体も滑り特性を有することが可能である。このために、支持体は、より硬質のコアとより軟質の被覆体とを有するように、例えばPTFE、亜鉛めっき滑り層、例えばMoS2及び/又はグラファイトと混合されたポリイミド、特にポリアミドイミドを基剤とする滑りラッカーから製造された被覆体から、多層状に形成されていてよい。例えば、滑りラッカーから成るこのような被覆体は、32±10重量%のPAI、45±10重量%のMoS2、23±10重量%のグラファイトの組成を有することができる。さらに、滑りラックから製造された被覆体は、少なくとも1種の別の内容物、例えば繊維、例えば硬質材料のような充填材、又は炭素ナノチューブを含有することができる。
【0040】
このような滑り要素を製造するために、支持体上に、つまり例えば鋼ストリップ上に、上記のように形成された支持構造を載置し、そして続いて空隙に、溶融された滑り材料を流し込みにより充填することが可能であり、空隙の少なくとも大部分が「開放孔(Offenporig)」状に形成された後、滑り材料を介して支持体に対する付着が発生する。このことを支援するために、支持構造の載置前に、滑り材料から成る層、又は結合材層が堆積又は被着されることが可能である。
【0041】
予め製造された金属発泡体も使用可能である、既に予め製造された支持構造の被着の他に、その都度の金属又は金属合金に発泡剤を添加することにより、支持体上に金属発泡体を直接的に形成することが、本発明の範囲内で可能である。発泡剤は好ましくは、水素化物、例えば水素化チタン又は水素化ジルコニウム、もしくは一般に加熱によりガスを形成する添加剤を含む群から選択されている。発泡剤/金属混合物における発泡剤の比率は、完成した発泡体の多孔率をどの程度にしたいかに応じて、下限0.5重量%及び上限5重量%の範囲から選択されていてよい。
【0042】
粉末冶金法により製造された層を発泡剤と共に有する半製品を使用することも可能である。
【0043】
加熱は、好ましくは、発泡させようとする金属もしくは金属合金の融点まで行われる。金属、好ましくはアルミニウム又はアルミニウム合金の加熱及び発泡後、通常の場合、発泡体構造を凍結させるために、急冷が行われる。
【0044】
しかし、発泡は、別の試薬を添加することにより、化学反応を引き起こすことによって行うこともできる。
【0045】
場合によっては、発泡剤が金属もしくは合金に化学的に結合されるか、又は接着されており、そして発泡のためにこれから形成されることが可能である。
【0046】
さらに、金属溶融物(ここでも合金が含まれる)を通して、気体、例えば空気、又は非酸化性気体が吹き付けられるように、又は金属発泡体が金属蒸気から形成されるように、金属発泡体を製造することも可能である。
【0047】
なお、原則的には、金属発泡体の製造はすでに公知であるので、方法に関しては、関連文献を参照されたい。
【0048】
発泡は、孔サイズもしくは空隙の大きさを規定するために、加圧下で行うこともでき、もしくは、金属発泡体の改善された変形能力のために、発泡体が上述のように所定の比率の閉鎖孔を有するように、発泡体を形成することが可能である。圧力はこの場合、下限0.1バール及び上限10バールの範囲から選択されていてよい。
【0049】
金属発泡体の代わりに、無機材料、例えば、場合によってはBaO、例えば5重量%のBaOと混合されたAl23から成る発泡体を使用することもできる。
【0050】
発泡が金属もしくは金属合金溶融体の流し込みによって後から行われる実施態様の他に、溶融しようとする金属もしくは溶融しようとする金属合金に滑り材料を既に添加し、これにより実質的に、溶融しようとする金属もしくは溶融しようとする金属合金から、支持構造を滑り材料中で製造することが可能である。
【0051】
滑り材料としての金属もしくは金属合金の代わりに、従来技術から公知であるような合成樹脂、例えば滑りラッカーによって滑り材料を形成することも、本発明の範囲内で可能である。このような滑りラッカーは、溶融物として、もしくは分散体又はエマルジョンの形態で流し込み、塗布、噴霧などによって、空隙内に導入することができる。
【0052】
滑りラッカーとしては特に、既に上記したように、合成樹脂マトリックスとしてのポリイミド、好ましくはポリアミドイミドを基剤とするものが使用される。
【0053】
このような滑りラッカーには一般に、やはり公知であるように、少なくとも1種の固体潤滑剤、例えば二硫化モリブデン又はグラファイトが添加されていてよい。
【0054】
支持体と、支持体上に形成もしくは配置された本発明による滑り層とから成る、このように製造されたこの半製品は、続いて加圧下で変形させられるので、空隙は、支承される構成要素の回転方向に長手方向の延びを有し、ひいては、滑り材料上により長い走行路を提供する。変形は例えばローラによって行うことができ、この場合、滑り材料が充填された滑り層を予め製造し、そして続いてこの前製品に、支持体もしくは場合によっては別の層をローラ被覆し、そしてこのときに空隙の変形が行われることも可能である。
【0055】
発泡体は、これが、本発明の意味における長手方向の延びを有する空隙の好ましい方向を有するように製造されることも、本発明の範囲内で考えられる。
【実施例】
【0056】
下記の実施例を行った。これらの実施例は、本発明の権利範囲を限定するものではない。滑りラッカーとして、次の組成が使用された:32重量%のPAI、45重量%のMoS2、23重量%のグラファイト。硬度値は、それぞれの組成物の変化実施例全体に関する個々の測定値から得られた範囲を再現した。
【0057】
【表1】

【0058】
充填済支持構造をそれぞれ、支持体としての鋼ストリップ上に被着した。それぞれの発泡体を個別の製造し、これを金属接着剤で支持体と接着させ、そしてその後、それぞれの充填材をこれに充填した。これに対する変化実施例において、発泡体構造を鋼ストリップ上で直接的に形成し、そしてこれに充填材を充填した。変形はローラによって冷間で行った。
【0059】
言うまでもなく、通常の方法工程、例えば支持体上の被着前、もしくは充填材による充填前の、通常の有機溶剤及び/又は界面活性剤による発泡体の脱脂が行われるという可能性が、本発明の範囲内で存在する。このような手段は従来技術から公知であるので、さらなる考察は必要でない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と、該支持体上に配置された滑り層と、場合によっては該滑り層上に配置された軸受け層とを含む滑り要素であって、該滑り層が、滑り材料が貯えられた空隙を有する支持構造によって形成されており、そして該滑り層、又は場合によっては軸受け層が、支承しようとする構成要素のための軸受け面を形成し、該軸受け面が、該構成要素の回転方向に長手方向の延びを有している滑り要素において、該空隙が、該滑り層の長手方向延び方向に延ばされて形成されていることを特徴とする、滑り要素。
【請求項2】
該空隙の、該長手方向延び方向における長さと、該長手方向延び方向に対して直角の方向における幅との平均軸比が、少なくとも1.1:1であることを特徴とする、請求項1に記載の滑り要素。
【請求項3】
該空隙の、長手方向の延びにおける長さ(μm)と、該長手方向の延びに対して直角の高さ(μm)との比が、下限10:1及び上限50:1の範囲内にあることを特徴とする、請求項1又は2に記載の滑り要素。
【請求項4】
該滑り層における該空隙の比率が、該滑り層全体を基準として、少なくとも55%であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の滑り要素。
【請求項5】
該支持骨格が、少なくとも2.5%の塑性最小変形能力を有する材料から形成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の滑り要素。
【請求項6】
該支持構造が、より大きい空隙を形成しながら部分的に中断されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の滑り要素。
【請求項7】
該支持構造が、該支持体の領域で、少なくともほぼ完全に滑り材料内に埋め込まれていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の滑り要素。
【請求項8】
支持体と、該支持体上に配置された滑り層と、場合によっては該滑り層上に配置された軸受け層とを含む滑り要素を製造する方法であって、該滑り層、又は場合によっては該軸受け層が、支承しようとする構成要素のための軸受け面を形成し、該軸受け面が、該構成要素の回転方向に長手方向の延びを有しており、該構成要素に応じて、該滑り層が、滑り材料が貯えられる空隙を有する支持構造から製造される方法において、該空隙がローラによって該長手方向延び方向で変形させられることを特徴とする、滑り要素を製造する方法。
【請求項9】
該支持構造が金属の発泡によって該支持体上に形成されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
該発泡体が、閉鎖孔又は開放孔を有するように製造されることを特徴とする、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
該発泡させようとする金属に、発泡前に該滑り材料が添加されることを特徴とする、請求項8〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
該支持体上に該支持構造を被着又は配置する前に、該支持体上に、該滑り材料から成る層が被着されることを特徴とする、請求項8〜11のいずれか1項に記載の方法。

【公開番号】特開2008−304060(P2008−304060A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−143543(P2008−143543)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(504101245)ミーバ グライトラガー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (16)
【Fターム(参考)】