説明

漂白剤含有洗剤または清浄剤

本発明は、亜鉛イオン、ベンゾトリアゾール、硝酸イオン、ホスホノカルボン酸、ホスホン酸、リン酸塩、ポリアスパラギン酸、脂肪族アミン、窒素含有頭部基を有する界面活性剤、およびそれらの混合物を含む群から選択される活性物質を含んでなる、粒子状フタルイミドペルオキシアルカン酸を含有する漂白剤含有洗浄剤または清浄剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、過酸微粒子および腐食阻害剤を含有する洗浄剤または清浄剤に関する。
【背景技術】
【0002】
フタルイミドペルオキシアルカン酸、例えば6−フタルイミドペルオキシヘキサン酸(PAP)は高効率漂白剤である。固体および液体洗浄剤または清浄剤におけるそれらの使用は、繰り返し提案されてきた。
【0003】
しかしながら、フタルイミドペルオキシアルカン酸を含有する洗浄剤処方を市販の一般的な洗濯機で使用すると、およそ少なくとも50回の洗濯周期で腐食の痕跡が見られる。これらの痕跡はしばしば、ニッケルめっきした材質を含むかどうかに関わらず、発熱体の取り付け具および発熱体自身に見られる。特に、ニッケルめっきされた加熱ロッドで、初めにクロミウム鋼またはステンレス鋼(例えばNirosta(登録商標)4301)製の取り付け具との直接的な接触点で、ニッケルめっきされた発熱体のNi層が取り除かれるということが起こり得る。おそらくは錆である茶色っぽい「ハロー(halo)」が、この接触点の周りに形成され得る。同様に、錆はしばしば、接触点のすぐ隣の発熱体取り付け具で生じる。発熱体自身は小さな茶色っぽい変色で覆われるが、通常、取り付け具との接触点のような他の部位ほど顕著ではない。そのような腐食現象が生じる場合、発熱体に早期故障を予期しなければならない。同様の腐食効果は、類似して食器洗浄機でも生じる。
【0004】
フタルイミドペルオキシアルカン酸非含有洗浄液により処理した鋼鉄片と、フタルイミドペルオキシアルカン酸含有洗浄液により処理した鋼鉄片での比較のためのEDX測定において、フタルイミドペルオキシアルカン酸含有溶液により処理した金属表面では窒素を検出し得る。このことから生じる結論は、フタルイミドペルオキシアルカン酸が金属表面に対する親和性を有し、そこへ吸着するということである。
【0005】
フタルイミドペルオキシアルカン酸含有洗浄浴中のニッケルと鋼鉄間の腐食電位は、時間依存性である。時間とともに電位におけるこの変化は、フタルイミドペルオキシアルカン酸の分解に起因すると考え得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この理論に制限されることなく、本発明においてフタルイミドペルオキシアルカン酸(酸化剤を構成する)は直接陰極の表面に高濃度で存在しているため、金属表面へのフタルイミドペルオキシアルカン酸の吸着はおそらく腐食作用の原因である。
【0007】
驚くべきことに、いかなる既知の腐食阻害剤の使用によっても、この問題が解決できないことがわかった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ここで解決策を作り出すことを意図とする本発明の対象は、粒子状フタルイミドペルオキシアルカン酸を含有する漂白剤含有洗浄剤または清浄剤であって、該薬剤はさらに、Znイオン、ベンゾトリアゾール、硝酸イオン、ホスホノカルボン酸、ホスホン酸、リン酸塩、ポリアスパラギン酸、脂肪アミン、窒素含有頭部基を有する界面活性剤およびそれらの混合物を含む群から選択される活性物質を含む。前記酸の代わりに、またはそれらに加えて、それらの塩、特にアンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、ヒドロキシアルキルアンモニウム塩および/またはアルカリ塩も使用し得る。
【0009】
前記活性物質の少なくとも1つと一緒にポリカルボン酸塩を組み合わせた使用、特にホスホン酸および/またはホスホノカルボン酸および/またはそれらの塩との併用は、極めて顕著な腐食の抑制をもたらす(上述した背景に対して);従って、本発明の好ましい実施態様は、付加的にポリカルボン酸塩を含有する本発明を構成する薬剤に関連する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
Znイオンは、例えば、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛および/または硫酸亜鉛のような水溶性Zn塩のかたちで導入される。本発明の好ましい実施態様において、これらは前述した他の活性物質の少なくとも1つと組み合わせられ、前記酸の場合には、該組み合わせは対応する亜鉛塩の使用により調製し得る。洗浄浴または清浄浴中の亜鉛塩濃度は、好ましくは1ppm〜500ppm、特に10ppm〜200ppmの範囲である。本発明の薬剤は、好ましくは0.05重量%〜4重量%、特に0.2重量%〜2重量%の亜鉛塩を含有する。
【0011】
硝酸は、本発明の薬剤中に、例えば前記硝酸亜鉛またはアルカリ塩、例えば硝酸ナトリウムを介して導入され得る。
【0012】
ホスホノカルボン酸は、1つまたはそれ以上のカルボン酸官能基を含み得る。それらはさらに、例えば酸化窒素、アミノ基および/またはヒドロキシ基のようなさらなる官能基を含有し得る。好ましいホスホノカルボン酸には、2−ヒドロキシホスホノ酢酸および2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸が含まれる。本発明の薬剤は、好ましくは10重量%までの、特に2重量%〜4重量%のホスホノカルボン酸を含有する。
【0013】
使用可能なホスホン酸は、例えば酸化窒素、アミノ基および/またはヒドロキシ基のようなさらなる官能基を含有し得る。好ましいホスホン酸には、(1−ヒドロキシエチリデン)ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)および/またはジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)ならびに前記窒素含有化合物の窒素酸化物が含まれる。本発明の薬剤は、好ましくは10重量%までの、特に2重量%〜4重量%のホスホン酸を含有する。適当なホスホン酸、ホスホン酸の混合物および/またはそれらの塩は、例えばZschimmer & Schwarz社(ドイツ)のCublen(登録商標)MAの名称のもと、またはAquapharm Chemical社(インド)のAquacid(登録商標)1084 EXの名称のもと購入し得る。
【0014】
好ましいリン酸塩には、オルトリン酸塩、ピロリン酸塩、トリリン酸塩およびポリリン酸塩が含まれる。これらは通常、対カチオン、好ましくはナトリウムおよび/またはカリウムのようなアルカリ金属イオンを含んでなる。本発明の薬剤は、好ましくは40重量%までの、特に2重量%〜20重量%の量のリン酸塩を含有する。ポリアスパラギン酸は、例えばBaypure(登録商標)CXの名称のもと購入し得る。
【0015】
脂肪アミンは、脂肪アルコールの窒素類似体である。それらは、脂肪アルコールのアンモノリシスにより、または脂肪酸ニトリル段階を経て脂肪酸から工業的に製造される。選択される反応条件により、脂肪酸ニトリルの水素化は、1級脂肪アミンまたは対称2級脂肪アミンおよび3級脂肪アミンを生じる。
【0016】
窒素含有頭部基を有する界面活性剤の中でも、トリメチル脂肪アルキルアンモニウム化合物およびアルキルサルコシネートが特に好ましい。
【0017】
本発明の固形剤においては、前述した物質の分類とは別に、メルカプトベンゾチアゾールのようなメルカプト化合物の使用も適している。これらは、薬剤が別々に貯蔵される多数の副組成物で構成されている場合、およびそれらがフタルイミドペルオキシアルカン酸を含有しない組成物中に存在する場合、液状剤に使用し得る。
【0018】
本発明の薬剤が、0.05重量%〜10重量%、好ましくは0.1重量%〜5重量%、有利には0.2重量%〜4重量%、特に0.3重量%〜3重量%(「重量%」表示は全薬剤に基づく)の前記活性物質を含有する場合、これは特に好ましい実施態様に対応する。
【0019】
洗浄浴中の前記活性物質の濃度は、好ましくは少なくとも2ppmであり、有利には5ppm〜300ppm、さらに有利には10ppm〜250ppm、特に20ppm〜200ppmの範囲である。
【0020】
列挙された活性物質とは別に、好ましい実施態様において、本発明の薬剤はさらにポリカルボン酸塩を含有し得る。本薬剤中にポリカルボン酸塩は、好ましくは0.5重量%〜15重量%、特に好ましくは1重量%〜10重量%、有利には2重量%〜8重量%、特に3重量%〜6重量%(「重量%」は全薬剤に基づく)の量で含有され得る。
【0021】
洗浄浴中のポリカルボン酸塩の濃度は、好ましくは少なくとも40ppmであり、有利には50ppm〜500ppm、さらに有利には100ppm〜400ppm、特に150ppm〜300ppmの範囲である。
【0022】
適当なポリカルボン酸塩は、例えば、ポリアクリル酸またはポリメタクリル酸のアルカリ金属塩、例えば500〜70,000g/molの重量平均分子量Mを有するものであり、低分子量M、好ましくは40,000g/mol以下のポリカルボン酸塩が特に好ましい。
【0023】
本発明の好ましい実施態様によれば、40,000g/mol以下、有利には30,000g/mol以下、好ましくは20,000g/mol以下、好ましくは1000〜15,000g/mol、特に2000〜10,000g/molの重量平均分子量Mwを有するこれらのポリカルボン酸塩が好ましい。
【0024】
本明細書の意味に関して、ポリカルボン酸塩に対して示される分子量は、それぞれの酸形態の重量平均分子量Mであり、原則としてゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、UV検出器を用いて測定したものである。測定は、外部ポリアクリル酸標準に対して行われ、調査するポリマーとのその構造的類似性から実際の分子量値が得られる。これらの値は、標準としてポリスチレンスルホン酸を用いた分子量表示から著しく外れる。ポリスチレンスルホン酸に対して測定された分子量は、通常、本明細書において示される分子量よりもずっと高い。
【0025】
用語「ポリカルボン酸塩」は、共重合体のポリカルボン酸塩、特にアクリル酸とメタクリル酸の共重合体およびアクリル酸またはメタクリル酸とマレイン酸の共重合体ポリカルボン酸塩を含む。例えば、50〜90重量%のアクリル酸と50〜10重量%のマレイン酸を含有するアクリル酸とマレイン酸の共重合体が好適である。
【0026】
水溶性の向上のために、該ポリカルボン酸塩はアリルスルホン酸、例えばアリルオキシベンゼンスルホン酸およびメタアリルスルホン酸をモノマーとして含有し得る。
【0027】
また、例えばアクリル酸およびマレイン酸およびビニルアルコールまたはビニルアルコール誘導体のモノマー塩として、あるいはモノマーとして、アクリル酸の塩および2−アルキルアリルスルホン酸の塩、ならびに例えば糖誘導体を含有する2つ以上の異なるモノマー単位からなる生分解性ポリマーも使用できる。
【0028】
ポリアクリル酸塩(即ち、アクリル酸の単重合体および/または共重合体)が本発明の薬剤中にポリカルボン酸塩として含まれており、好ましくは40,000g/mol以下の範囲の、有利には30,000g/mol以下の、好ましくは20,000g/mol以下の、好ましくは1000〜15,000g/molの範囲の、特に2000〜10,000g/molの範囲の重量平均分子量M(分子量は、前述したゲル浸透クロマトグラフィーにより測定する)を有しているものが特に好ましい。これは、特に好ましい実施態様に相当する。適当なポリアクリル酸塩は、例えばいずれもBASF AGの製品であるSokalan(登録商標)PA 25 ClまたはSokalan(登録商標)PA 30 Clを購入可能である。
【0029】
本発明の薬剤中のフタルイミドペルオキシアルカン酸の含有量は、好ましくは0.5重量%〜25重量%、特に1重量%〜20重量%、特に好ましくは1.5重量%〜15重量%(「重量%」は全薬剤に基づく)である。
【0030】
洗浄浴中のフタルイミドペルオキシアルカン酸の濃度は、好ましくは少なくとも5ppm、しかし有利には10ppm〜400ppmの範囲、好ましくは20ppm〜300ppmの範囲、特に30ppm〜200ppmの範囲である。
【0031】
フタルイミドペルオキシアルカン酸は、不活性担体物質を用いて、既知の方法で粒子状に調製し得る;好ましくは包み込まれた状態で使用し得る。例えば、4−フタルイミドペルオキシブタン酸、5−フタルイミドペルオキシペンタン酸、6−フタルイミドペルオキシヘキサン酸、7−フタルイミドペルオキシヘプタン酸、N,N’−テレフタロイルジ−6−アミノペルオキシヘキサン酸およびそれらの混合物が使用可能である。中でも好ましいフタルイミドペルオキシアルカン酸は、6−フタルイミドペルオキシヘキサン酸(PAP)である。
【0032】
必要な場合、本発明の薬剤に含まれるフタルイミドペルオキシアルカン酸粒子は、被覆され得る。本発明において、薬剤の使用条件下(より高温、水での希釈によるpH変化など)で被覆材料が包み込まれたペルオキシカルボン酸を放出することが重要である。好ましい被覆材料は、少なくとも部分的に飽和されている脂肪酸からなるものである。脂肪酸の鎖長は、好ましくはC12より大きく;ステアリン酸が特に好ましい。さらに好ましい被覆材料はパラフィンである。
【0033】
包装材料が存在する場合、包装材料は、好ましくは、包み込まれたペルオキシカルボン酸が1重量%〜50重量%の包装材料からなるような量で粒子状ペルオキシカルボン酸に塗布される。包み込まれたペルオキシカルボン酸粒子の直径は、好ましくは100μm〜4000μmの範囲である;これは、対応するより細かい粒子状ペルオキシカルボン酸材料から生じ、それを包装材料で覆うことを含む。包み込まれるペルオキシカルボン酸の流動床に水またはスラリー、好ましくは水溶液あるいは包装物質の溶解物を噴霧する;溶解物またはスラリー物質(存在する場合)、好ましくは水、は蒸発により除去され、または溶解した包装材料は冷却により固化される;包み込まれたペルオキシカルボン酸粒子は、原則として通常の方法により流動床から排出されるような方法で進行することが好ましい。前述した脂肪酸および/またはパラフィンによる包装は、好ましくは溶解被覆である。
【0034】
前述した活性物質およびペルオキシカルボン酸粒子に加えて、本発明の洗浄剤または清浄剤は、そのような薬剤の通常の全成分、例えば界面活性剤、ビルダー、酵素および防汚剤、増粘剤、染料および香料などのようなさらなる助剤を含有し得る。
【0035】
好ましい実施態様において、それは非イオン性界面活性剤ならびに、必要であれば、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤および両性界面活性剤を含有する。
【0036】
好ましくは、スルホン酸塩タイプの界面活性剤、アルキル(アルケニル)硫酸塩、アルコキシル化アルキル(アルケニル)硫酸塩、スルホン酸エステルおよび/または石鹸が陰イオン性界面活性剤として使用される。
【0037】
使用し得るスルホン酸塩タイプの界面活性剤は、好ましくはC9〜13アルキルベンゼンスルホン酸塩、例えば、三酸化硫黄ガスによるスルホン化およびその後のスルホン化生成物のアルカリまたは酸加水分解により、末端または内部二重結合を有するC12〜18モノオレフィンから得られるような、オレフィンスルホン酸塩、即ちアルケン−およびヒドロキシアルカンスルホン酸塩の混合物、ならびにジスルホン酸塩である。
【0038】
好ましいアルキル(アルケニル)硫酸塩の例は、例えばヤシ脂肪アルコール、獣脂脂肪アルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコールまたはステアリルアルコールのようなC12〜C18脂肪アルコールあるいはC10〜C20オキソアルコールの硫酸セミエステルのアルカリ塩、特にナトリウム塩、およびその鎖長の2級アルコールのセミエステルである。さらに、石油化学原料で製造される合成直鎖アルキル基を含有する前記鎖長のアルキル(アルケニル)硫酸塩が好ましい。洗浄技術の目的に対しては、C12〜C16アルキル硫酸塩およびC12〜C15アルキル硫酸塩、ならびにC14〜C15アルキル硫酸塩が好ましい。例えば、名称DAN(登録商標)の下Shell Oil Companyの商品として購入し得る2,3−アルキル硫酸塩も、適当な陰イオン性界面活性剤である。
【0039】
1〜6モルエチレンオキシドによりエトキシ化された直鎖状または分枝状C7〜21アルコールの硫酸モノエステル、例えば、平均3.5モルのエチレンオキシド(EO)を有する2−メチル−分枝状C9〜11アルコールまたは1〜4のEOを有するC12〜18脂肪アルコールも適当である。それらの高い発泡性のため、それらは比較的少量、例えば0〜5重量%の量で洗浄剤に使用される。
【0040】
α−スルホ脂肪酸のエステル(エステルスルホン酸塩)、例えば水素化ヤシ脂肪酸、パーム核脂肪酸または獣脂脂肪酸のα−スルホン化メチルエステルも適当である。
【0041】
適当なさらなる任意の界面活性成分は、石鹸である。ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、水素化エルカ酸およびベヘン酸の塩のような飽和脂肪酸石鹸、ならびに、特に天然脂肪酸(例えば、ヤシ脂肪酸、パーム核脂肪酸または獣脂脂肪酸)由来の石鹸混合物が適当である。50〜100重量%の飽和C12〜C24脂肪酸石鹸および0〜50重量%のオレイン酸石鹸からなるそれらの石鹸混合物が特に好ましい。
【0042】
陰イオン性界面活性剤のさらなる分類は、塩基性触媒の存在下、脂肪アルコールエトキシレートとクロロ酢酸ナトリウムの反応により得られるエーテルカルボン酸の分類である。それらは、一般式:RO−(CH−CH−O)−CH−COOH[式中、RはC〜C18であり、pは0.1〜20である]を有する。エーテルカルボン酸は水硬度に対して感度が低く、突出した界面活性特性を示す。
【0043】
陽イオン活性界面活性剤は、水溶液の解離において陽イオンの界面活性を支配する高分子量疎水基を含有する。陽イオン性界面活性剤の最も重要な典型は、一般式:(R)Xで表される4級アンモニウム化合物である。ここで、RはC〜Cのアルキル(アルケニル)基を表し、R〜Rは、互いに独立して、C2n+1−p−x−(Y(CO)R−(YH)[式中、nは0以外の整数、pおよびxは整数または0を表す。YおよびYは、互いに独立して、O、NまたはNHを表す。RはC〜C23のアルキル(アルケニル)鎖を表す。]であり、Xは、好ましくはアルキル硫酸塩およびアルキル炭酸塩の群から選択される対イオンである。含まれる窒素族が、2つの長鎖アシル基および2つの短鎖アルキル(アルケニル)基により置換された陽イオン性界面活性剤が、特に好ましい。
【0044】
両性(amphoteric、ampholytic)界面活性剤は、媒体の条件によって水溶液中でイオン化することができ、化合物に陰イオン性または陽イオン性の特性を与える複数の官能基を含んでなる。両性(amphoteric)界面活性剤は、等電点付近で内部塩を形成し、その結果それらは水に難溶性または不溶性となり得る。両性界面活性剤は、両性電解質およびベタインに細分され、後者は双性イオンとして溶液中に存在する。両性電解質(ampholytes)は両性の電解質(amphoteric electrolytes)、即ち、酸性および塩基性親水基のいずれをも有し、その結果、条件により、酸または塩基のいずれかとして機能する化合物である。「ベタイン」は、原子団R−CH−COOを有する化合物をいい、それらは典型的な双性イオン性の特性を示す。
【0045】
特に、好ましくは8〜18個の炭素原子を有し、かつアルコール1モルあたり平均1〜12モルのエチレンオキシド(EO)および/または1〜10モルのプロピレンオキシド(PO)を有するアルコキシル化および/またはプロポキシ化された1級アルコールを、非イオン性界面活性剤として好ましく用いる。C〜C16アルコールアルコキシレート、有利には2〜10の、好ましくは3〜8のエトキシ化度および/または1〜6の、好ましくは1.5〜5のプロポキシ化度を有するエトキシ化および/またはプロポキシ化されたC10〜C15アルコールアルコキシレート、特にC12〜C14アルコールアルコキシレートが、特に好ましい。表記されたエトキシ化度およびプロポキシ化度は統計的平均を示し、特定の生成物にとって整数または分数であってよい。好ましいアルコールエトキシレートおよびプロポキシレートは、制限された同族体分布(狭範囲エトキシレート/プロポキシレート、NRE/NRP)を示す。これらの非イオン性界面活性剤に加えて、12以上のEOを有する脂肪アルコールも使用し得る。これらの例は、14EO、16EO、20EO、25EO、30EOまたは40EOを有する(獣脂)脂肪アルコールである。
【0046】
例えば化合物として、好ましくは陰イオン性界面活性剤とともに、一般式RO(G)[式中、Rは、8〜22個の、好ましくは12〜18個の炭素原子を有する1級直鎖またはメチル分枝状(特に2位におけるメチル分枝)脂肪族基を表し;Gは5または6個の炭素原子を有するグリコース単位、好ましくはグルコースを表す表記である]のアルキルグリコシドも、さらなる非イオン性界面活性剤として使用し得る。モノグリコシドとオリゴ
グリコシドの分布を表すオリゴマー化度xは、1〜10までの任意の数であり;好ましくは、xは1.1〜1.4である。
【0047】
単一の非イオン性界面活性剤としてまたは他の非イオン性界面活性剤(特にアルコキシル化脂肪アルコールおよび/またはアルキルグリコシド)との組み合わせにおいて使用される、好ましい種類のさらなる非イオン性界面活性剤の分類は、アルコキシル化、好ましくはエトキシ化またはエトキシ化およびプロポキシ化脂肪酸アルキルエステル(好ましくはアルキル鎖に1〜4個の炭素原子を有する)であり、特に脂肪酸メチルエステルである。平均3〜15のEOを有する、特に平均して5〜12のEOを有するC12〜C18脂肪酸メチルエステルが、特に好ましい。
【0048】
アミンオキシドタイプの非イオン性界面活性剤、例えば、N−ココアルキル−N,N−ジメチルアミンオキシドおよびN−獣脂アルキル−N,N−ジヒドロキシエチルアミンオキシド、ならびに脂肪酸アルカノールアミドも適当である。これらの非イオン性界面活性剤の量は、好ましくはエトキシ化脂肪アルコールの量以下であり、特に半分以下であることが好ましい。
【0049】
使用し得るさらなる界面活性剤は、いわゆるジェミニ界面活性剤である。これらは、一般的に、1分子中に2つの親水基と2つの疎水基を有する化合物として理解される。これらの基は、通常、いわゆる「スペーサー」により互いに分離される。このスペーサーは、通常、炭素鎖であり、親水基が互いに独立して機能できるように十分な間隔を有する十分に長い炭素鎖であるべきである。この種の界面活性剤は、一般的に異常に低い臨界ミセル濃度および水の界面張力を大きく減少させる能力を特徴とする。しかしながら、例外的な場合には、用語「ジェミニ界面活性剤」は、二量体界面活性剤のみでなく、三量体界面活性剤をも意味すると理解される。
【0050】
適当なジェミニ界面活性剤は、例えば、硫酸化ヒドロキシ混合エーテルまたは二量体アルコールビス硫酸および三量体アルコールトリ硫酸およびエーテル硫酸塩である。末端キャップされた二量体および三量体混合エーテルは、特にそれらの二官能性および多官能性により特徴付けられる。例えば、上述した末端キャップされた界面活性剤は、良好な湿潤性を有し、泡立ちも少ないため、それらは自動洗浄または清浄方法における使用に特に適当である。ジェミニポリヒドロキシ脂肪酸アミドまたはポリポリヒドロキシ脂肪酸アミドも使用し得る。
【0051】
本発明の薬剤中の界面活性剤の含有量は、好ましくは0.1重量%〜50重量%、特に10重量%〜40重量%、特に好ましくは20重量%〜70重量%である。好ましくは、陰イオン性および非イオン性界面活性剤を使用する。
【0052】
特に適当な酵素は、加水分解酵素の分類の、例えば、プロテアーゼ、エステラーゼ、リパーゼまたは脂肪分解活性酵素、アミラーゼ、セルラーゼおよび他のグリコシル加水分解酵素ならびに前述した酵素の混合物である。すべてのこれらの加水分解酵素は、洗濯において、タンパク質汚れ、脂肪汚れまたはデンプンを含む汚れの除去および灰色化の除去に貢献する。セルラーゼおよび他のグリコシル加水分解酵素は、色の保持ならびに、ピリングおよび微小繊維を除去することにより布地の柔軟性の向上に貢献し得る。酸化還元酵素も、漂白および色移りの防止のために使用し得る。
【0053】
例えば、Bacillus subtilis、Bacillus licheniformis、Streptomyceus griseusおよびHumicola insolensのような細菌株または真菌から得られる酵素活性物質は、特に好ましい。スブチリシンタイプのプロテアーゼ、特にBacillus lentusから得られるプロテアーゼを好ましく使用する。例えば、プロテアーゼおよびアミラーゼまたはプロテアーゼおよびリパーゼまたは脂肪分解活性酵素あるいはプロテアーゼおよびセルラーゼの酵素混合物、セルラーゼおよびリパーゼまたは脂肪分解活性酵素の酵素混合物、プロテアーゼ、アミラーゼおよびリパーゼまたは脂肪分解活性酵素あるいはプロテアーゼ、リパーゼまたは脂肪分解活性酵素およびセルラーゼの酵素混合物、特にプロテアーゼおよび/またはリパーゼ含有混合物または脂肪分解活性酵素を含む混合物が、本発明において興味深い。そのような脂肪分解活性酵素の例は、既知のクチナーゼである。ペルオキシダーゼまたはオキシダーゼが、特定の場合に適当であることがわかってきた。適当なアミラーゼには、特にα−アミラーゼ、イソアミラーゼ、プルラナーゼおよびペクチナーゼが含まれる。セロビオヒドロラーゼ、エンドヌクレアーゼおよびセロビアーゼとも言われるβ−グルコシダーゼならびにそれらの混合物は、セルラーゼとして好ましく使用し得る。異なるタイプのセルラーゼは、それらのCMCaseおよびアビセラーゼ活性に関して異なるため、セルラーゼの調整混合物を用いて望ましい活性を調整することができる。
【0054】
酵素または酵素混合物の割合は例えば、約0.1〜5重量%、好ましくは0.1〜約3重量%と同等であり得る。本発明の薬剤において、これらは好ましくは粒子状で使用される。
【0055】
ビルダー、共ビルダー、防汚剤、アルカリ塩ならびに抑泡剤、錯化剤、酵素安定化剤、灰色化防止剤(graying inhibitors)、光学的光沢剤およびUV吸収剤を、さらなる洗浄剤成分として含有し得る。
【0056】
結合水含有の微細結晶性合成ゼオライト、好ましくはゼオライトAおよび/またはゼオライトPを、ビルダーとして使用し得る。例えばゼオライトMAP(登録商標)(Crosfield Co.の製品)が、ゼオライトPとして特に好ましい。しかしながら、ゼオライトXならびにA、Xおよび/またはPの混合物も適当である。VEGOBOND AX(登録商標)(Condea社の製品)として購入し得る、ゼオライトXおよびゼオライトAの共結晶化ナトリウム/カリウムアルミニウムシリケートも特に興味深い。ゼオライトは、好ましくは、噴霧乾燥粉末として使用され得る。ゼオライトを懸濁液として使用する場合には、その懸濁液は、安定化剤として微量の非イオン性界面活性剤、例えば、ゼオライトに基づき1〜3重量%の、2〜5個のエチレンオキシド基を有するエトキシ化C12〜C18脂肪アルコール、4〜5個のエチレンオキシド基を有するC12〜C14脂肪アルコールまたはエトキシ化イソトリデカノールを含有し得る。好ましいゼオライトは、10μm未満(体積分布;測定方法:コールターカウンター)の平均粒径を示し、好ましくは18〜22重量%、特に20〜22重量%の結合水を含有する。さらにビルダー物質として、リン酸塩も使用し得る。
【0057】
リン酸塩およびゼオライトの適当な代替物または部分代替物は、一般式:NaMSi2x+1・yHO[式中、Mはナトリウムまたは水素を意味し、xは1.9〜4の数であり、yは0〜20の数であり、xの好ましい値は2、3または4である。]の結晶性層状ケイ酸ナトリウムである。示した式を有する好ましい結晶性層状ケイ酸塩は、Mがナトリウムであり、xが2または3の値を有するものである。β−およびδ−二ケイ酸ナトリウムNaSi・yHOの両方が、特に好ましい。
【0058】
好ましいビルダー物質にはNaO:SiOの比率が1:2〜1:3.3、好ましくは1:2〜1:2.8、特に1:2〜1:2.6である非晶質ケイ酸ナトリウムが含まれ、それは遅延溶解特性および二次的洗浄特性を有する。通常の市販非晶質ケイ酸ナトリウムと比較して遅延した溶解は、表面処理、配合(compounding)、圧縮/緻密化または過乾燥のような様々な方法でもたらされ得る。本発明において、用語「非晶質」とは、「X線非晶質」をも意味すると理解される。言い換えれば、X線回折実験において、ケイ酸塩は結晶性物質に典型的な鋭いX線反射を生じないが、回折角度の数度単位の幅を有する散乱X線放射の最大値を1つ以上生じる。しかしながら、特に良好なビルダー特性は、電子線回折実験においてケイ酸塩粒子が不明瞭なまたは鋭い回折最大値を生じる場合にさえ、非常に容易に得ることができる。これは、生成物が10〜数百nmサイズの、好ましくは最大50nmまでの、特に最大20nmまでのサイズの微結晶領域を有することを意味すると解される。緻密化/圧縮非結晶質ケイ酸塩、複合非結晶ケイ酸塩および過乾燥X線非結晶質ケイ酸塩が、特に好ましい。
【0059】
使用できる有機ビルダー物質は、例えば、ナトリウム塩のかたちで使用し得るポリカルボン酸である。「ポリカルボン酸」は、2つ以上の酸官能基を有するカルボン酸であると理解される。それらは、例えば、クエン酸、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、フタル酸、糖酸、アミノカルボン酸、ニトリロ三酢酸(NTA)およびそれらの誘導体ならびにそれらの混合物である。好ましい塩は、クエン酸、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、酒石酸、糖酸のようなポリカルボン酸およびそれらの混合物である。
【0060】
酸自体も使用することができる。酸は、通常、そのビルダー効果だけでなく、酸性化成分の特性を有するので、洗浄剤または清浄剤のpHをより低く、より穏やかにするのに役立つ。特に本発明においては、クエン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、グルコン酸およびそれらの任意の混合物が挙げられる。他の使用可能な酸性化剤は、重炭酸ナトリウムおよび重硫酸ナトリウムのような既知のpH調整剤である。
【0061】
重合体ポリカルボン酸塩もビルダーとして適している;例えば、ポリアクリル酸またはポリメタクリル酸のアルカリ金属塩、例えば500〜70,000g/molの相対分子量を有するものである。
【0062】
重合体ポリカルボキシレートに関して示された分子量は、すでに説明したように、各々の酸形態の重量平均分子量Mであり、原則としてゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、UV検出器を用いて測定したものである。測定は、外部ポリアクリル酸標準に対して行われ、調査するポリマーとのその構造的類似性から実際の分子量値が得られる。これらの値は、標準としてポリスチレンスルホン酸を用いた分子量表示から著しく外れる。ポリスチレンスルホン酸に対して測定された分子量は、通常、本明細書において示される分子量よりもずっと高い。
【0063】
特に、ビルダーとして適当なポリマーは、好ましくは2000〜20,000g/molの分子量を有するポリアクリル酸塩である。それらの高い溶解性のため2000〜10,000g/molの分子量を有する短鎖ポリアクリル酸塩が好ましく、3000〜5000g/molの分子量を有するものが特に好ましい。
【0064】
適当なポリマーは、ビニルアルコールまたはその誘導体の部分的または完全な構成単位からなる物質も包含し得る。
【0065】
共重合体ポリカルボン酸塩、特に、アクリル酸とメタクリル酸との共重合体、アクリル酸またはメタクリル酸とマレイン酸との共重合体も、ビルダーとして適当である。50〜90重量%のアクリル酸および50〜10重量%のマレイン酸を含む、アクリル酸とマレイン酸との共重合体が特に適していることが分かっている。それらの相対分子量は、遊離酸に基づいて、一般に2,000〜70,000g/mol、好ましくは20,000〜50,000g/mol、特に30,000〜40,000g/molである。(共)重合体ポリカルボン酸塩は、粉末または水溶液のいずれかで使用し得る。
【0066】
水溶性向上のために、ポリマーはモノマーとして、例えばアリルオキシベンゼンスルホン酸およびメタリルスルホン酸のようなアリルスルホン酸を含むこともできる。
【0067】
3個以上の異なったモノマー単位からなる生物分解性ポリマーは特に好ましく、例えば、モノマーとしてアクリル酸およびマレイン酸の塩ならびにビニルアルコールまたはビニルアルコール誘導体を含むもの、またはモノマーとしてアクリル酸および2−アルキルアリルスルホン酸の塩並びに糖誘導体を含むものが好ましい。
【0068】
ビルダーとして適当な他の共重合体は、モノマーとして好ましくはアクロレインおよびアクリル酸/アクリル酸塩またはアクロレインおよび酢酸ビニルを含むものである。
【0069】
他の適当なビルダー物質はポリアセタールであり、このポリアセタールは、ジアルデヒドと、5〜7個の炭素原子および少なくとも3つのヒドロキシ基を有するポリカルボン酸との反応により得ることができる。好ましいポリアセタールは、例えばグリオキサール、グルタルアルデヒド、テレフタルアルデヒドおよびそれらの混合物のようなジアルデヒドから、並びに例えばグルコン酸および/またはグルコヘプトン酸のようなポリオールカルボン酸から得られる。
【0070】
他の適当な有機ビルダー物質は、デキストリン、例えばデンプンの部分的加水分解により得ることができる炭水化物のオリゴマーまたはポリマーである。この加水分解は、酸触媒法または酵素触媒法のような一般的な方法により実施することができる。それらは好ましくは、400〜500,000g/molの範囲の平均分子量を有する加水分解生成物である。デキストロース当量(DE)が0.5〜40、特に2〜30の範囲である多糖類が好ましく、ここで、DEは、DEが100であるデキストロースと比較する多糖類の還元効果の一般的な指標である。DEが3〜20であるマルトデキストリンおよびDEが20〜37である乾燥グルコースシロップを使用でき、2000〜30,000g/molの範囲のより高い分子量を有する、いわゆる黄色デキストリンおよび白色デキストリンも使用できる。
【0071】
そのようなデキストリンの酸化誘導体は、糖環の少なくとも1つのアルコール官能基をカルボン酸官能基へと酸化することができる酸化剤によるデキストリンの反応生成物である。それらは、糖環のC/Cでの開環によりCで酸化された生成物である。糖環のCで酸化された生成物が特に有利であり得る。
【0072】
オキシジスクシネートおよび他のジスクシネート誘導体、好ましくは、エチレンジアミンジスクシネートもまた、他の適当な共ビルダーである。エチレンジアミン−N,N’−ジスクシネート(EDDS)を、そのナトリウム塩またはマグネシウム塩の形で使用することが好ましい。本発明において、グリセロールジスクシネートおよびグリセロールトリスクシネートも好ましい。ゼオライト含有および/またはケイ酸塩含有処方における適当な使用量は、3〜15重量%である。
【0073】
他の使用可能な有機共ビルダーは、例えば、アセチル化ヒドロキシカルボン酸またはそれらの塩であり、それらは、場合によって、ラクトン形態で存在していてもよく、少なくとも4個の炭素原子および少なくとも1つのヒドロキシ基ならびに最大でも2つの酸性基を含有する。
【0074】
薬剤は、布地から油および油脂を洗い落とす能力にプラスに作用する成分(いわゆる防汚剤)を含むこともできる。この効果は、特に、汚れた布地が、この油溶解成分および脂肪溶解成分を含む本発明の洗浄剤または清浄剤により既に数回洗浄された布地である場合に現れる。好ましい油溶解成分および油脂溶解成分は、例えば、メチルセルロースおよび、いずれの場合にも非イオン性セルロースエーテルに基づいて15〜30重量%のメトキシ基および1〜15重量%のヒドロキシプロピル基を有するメチルヒドロキシプロピルセルロースのような非イオン性セルロースエーテル、ならびに従来技術で既知の、フタル酸および/またはテレフタル酸のポリマーおよびそれらの誘導体、特にエチレンテレフタレートおよび/またはポリエチレングリコールテレフタレートのポリマーあるいはそれらの陰イオン性および/または非イオン性変性誘導体を包含する。それらのうち、フタル酸ポリマーおよびテレフタル酸ポリマーのスルホン化誘導体が特に好ましい。
【0075】
自動洗浄法で使用するため、薬剤に通常の抑泡剤を添加することが有利となり得る。適当な抑泡剤は、例えば、高い割合のC18〜C24脂肪酸を有する天然または合成由来の石鹸である。適当な非界面活性抑泡剤は、例えば、オルガノポリシロキサンおよび場合によりシラン化された超微粒子のケイ酸ならびにパラフィン、ワックス、マイクロクリスタリンワックスとの混合物、およびシラン化ケイ酸またはビステアリルエチレンジアミドとの混合物である。種々の抑泡剤の混合物、例えばシリコーン、パラフィンまたはワックスの混合物も有利に使用される。
【0076】
本発明の薬剤は、固定または液体であり得る。液状剤は含水状のものが好ましい。本発明の液状剤のpHは、好ましくは2〜6、特に3〜5.5、特に好ましくは3.5〜5である。必要な場合、本発明の薬剤中に水は90重量%までの量で、特に20重量%〜75重量%までの量で含まれていてよい;しかしながら、場合により、この値はこれらの範囲以上または以下になってもよい。好ましい液状剤は、0.5〜2.0g/cm、特に0.7〜1.5g/cmの密度を有する。フタルイミドペルオキシアルカン酸粒子と薬剤の液相との間の密度差は、好ましくは2つのうちの1つの密度の10%以下、特にフタルイミドペルオキシアルカン酸粒子と、好ましくは本薬剤中に含まれ得る他の固形粒子が液相中に浮遊するほど極めて小さい。
【0077】
本発明の液状剤においては、特にポリジオール、エーテル、アルコール、ケトン、アミドおよび/またはエステルを有機溶媒として、80重量%までの量で、好ましくは0.1〜70重量%、特に0.1〜60重量%の量で使用し得る。例えば、メタノール、エタノール、炭酸プロピレン、アセトン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、酢酸エチル、2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルおよびジメチルホルムアミドのような低分子量極性物質ならびにそれらの混合物が好ましい。
【0078】
灰色化防止剤の目的は、繊維から分離した汚れを洗濯浴中に懸濁して維持することであり、それにより汚れが再付着することを防止する。例えば、(共)重合体カルボン酸の水溶性塩、陶砂、ゼラチン、デンプンまたはセルロースのエーテルカルボン酸塩またはエーテルスルホン酸塩、あるいは、セルロースまたはデンプンの酸性硫酸エステル塩のような、通常有機性である水溶性コロイドが灰色化防止剤として適当である。酸性基を含む水溶性ポリアミドもこの目的にとって適当である。上記した以外に、可溶性デンプン調整物およびデンプン製品、例えばデンプン分解物、アルデヒドデンプンなども使用することができる。ポリビニルピロリドンも使用可能である。しかしながら、セルロースエーテル、例えばカルボキシメチルセルロース(ナトリウム塩)、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、および混合エーテル、例えばメチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、ならびにそれらの混合物、そして、ポリビニルピロリドンを、例えば該薬剤に基づいて0.1〜5重量%の量で使用することも好ましい。
【0079】
該薬剤は光学的光沢剤を含むことができ、その例は、ジアミノスチルベンスルホン酸誘導体および/またはそれらのアルカリ金属塩である。例えば、4,4’−ビス(2−アニリノ−4−モルホリノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ)スチルベン−2,2’−ジスルホン酸の塩、またはモルホリノ基の代わりにジエタノールアミノ基、メチルアミノ基、アニリノ基または2−メトキシエチルアミノ基を有する類似構造化合物である。置換ジフェニルスチリル型の光沢剤も存在でき、その例は、4,4’−ビス(2−スルホスチリル)ジフェニル、4,4’−ビス(4−クロロ−3−スルホスチリル)ジフェニルまたは4−(4−クロロスチリル)−4’−(2−スルホスチリル)ジフェニルのアルカリ塩である。上記光沢剤の混合物も使用できる。
【0080】
さらに、紫外線吸収剤も使用し得る。紫外線吸収剤は、紫外線に対する顕著な吸収能力を有する化合物であり、それらは光保護剤(紫外線安定剤)であり、染料、顔料および布地繊維の耐光性の向上に寄与し、また、布地製品の着用者の皮膚を、布地を貫通する紫外線から保護する。一般に、無放射失活により作用するこれらの化合物は、通常2位および/または4位で(ヒドロキシ基および/またはアルコキシ基のような置換基で)置換されたベンゾフェノンの誘導体である。さらに、置換ベンゾトリアゾール、必要に応じて2位にシアノ基を有していてよい3位でフェニル基置換されたアクリレート(桂皮酸誘導体)、サリチレート、有機ニッケル錯体、並びにウンベリフェロンおよび内因性ウロカニン酸のような天然物質も適当である。好ましい実施態様において、紫外線吸収剤は、UV−A線およびUV−B線、必要に応じてUV−C線を吸収し、青色光の波長を放出するので、これらは光学的光沢剤の効果も有する。好ましい紫外線吸収剤としては、例えば、ヒドロキシアリール−1,3,5−トリアジン、スルホン化1,3,5−トリアジン、o−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールおよび2−アリール−2H−ベンゾトリアゾールのようなトリアジン誘導体、並びにビス(アニリノトリアジニルアミノ)スチルベンジスルホン酸およびその誘導体である。二酸化チタンのような紫外線を吸収する顔料も、紫外線吸収剤として使用し得る。
【0081】
本発明の液状剤は、必要に応じて、増粘剤および沈降防止剤並びに粘度調整剤、例えば、ポリアクリレート、ポリカルボン酸、多糖類およびそれらの誘導体、ポリウレタン、ポリビニルピロリドン、ヒマシ油誘導体、第四級化および/またはエトキシ化ヘキサメチレンジアミンのようなポリアミン誘導体、並びにそれらの任意の混合物を含有し得る。好ましい液状剤は、増粘剤としてキサンタンガムを含有し、ブルックフィールド粘度計を用いて20℃の温度、20/分の剪断速度で測定した場合に、100〜10,000mPa・sの粘度を含有する。
【0082】
本発明の液状剤は、Znイオン、ベンゾトリアゾール、硝酸イオン、ホスホノカルボン酸、ホスホン酸、リン酸塩、ポリアスパラギン酸、脂肪アミン、窒素含有頭部基を有する界面活性剤およびそれらの混合物を含む群から選択される活性物質を含有する粒子状フタルイミドペルオキシアルカン酸の水含有分散体が第1室に存在し、完成した洗浄剤または清浄剤の他の成分が第2室またはそれ以上の室内に存在させるようにして、多室容器内に別々に存在し別々に保持された少なくとも2つの、好ましくはちょうど2つの副組成物からなる。特に、腐食阻害活性物質も第2室に含有し得る。即ち、粒子状フタルイミドペルオキシアルカン酸の分散体を含有する室内と同じ室内とはしない。
【0083】
薬剤は、香料および/または染料のような他の典型的な洗浄剤成分または洗浄剤成分を含むことができ、洗浄される布地を全く着色しないか、または無視できる程度にしか着色しない染料が好ましい。使用する染料全体の好ましい量の範囲は、薬剤に基づいて1重量%未満、好適には0.1重量%未満である。薬剤は必要な場合には、TiOのような白色顔料を含有し得る。
【0084】
本発明のさらなる課題は、例えば、特に液状洗浄剤または清浄剤の製造での、ポリカルボン酸塩ならびに有機ホスホン酸および/またはそれらの塩を含有する粒子状フタルイミドペルオキシアルカン酸の水含有分散体の使用である。
【0085】
本発明のさらなる課題は、粒子状フタルイミドペルオキシアルカン酸およびポリカルボン酸塩ならびに有機ホスホン酸および/またはそれらの塩を含有する漂白剤含有洗浄剤または清浄剤を用いる自動洗濯機による布地の洗浄方法であって、
(a)洗浄浴中に少なくとも40ppm、有利には50ppm〜500ppm、好ましくは100ppm〜400ppm、特に150ppmから300ppmの濃度でポリカルボン酸塩を存在させ、かつ、
(b)洗浄浴中に少なくとも2ppm、有利には5ppm〜300ppm、好ましくは10ppm〜250ppm、特に20ppm〜200ppmの濃度で有機ホスホン酸および/またはその塩を存在させ、かつ、
(c)洗浄浴中に少なくとも5ppm、有利には10ppm〜400ppm、好ましくは20ppm〜300ppm、特に30ppm〜200ppmの濃度で粒子状フタルイミドペルオキシアルカン酸を存在させる方法である。
【0086】
本発明のさらなる課題は、Znイオン、ベンゾトリアゾール、硝酸イオン、ホスホノカルボン酸、ホスホン酸、リン酸塩、ポリアスパラギン酸、脂肪アミン、窒素含有頭部基を有する界面活性剤およびそれらの混合物を含む群から選択される活性物質を含んでなる粒子状フタルイミドペルオキシアルカン酸の水含有分散体の使用であって、必要に応じてさらにポリカルボン酸塩を含有する、特に液体洗浄剤または清浄剤の製造のための使用である。
【0087】
本発明のさらなる課題は、Znイオン、ベンゾトリアゾール、硝酸イオン、ホスホノカルボン酸、ホスホン酸、リン酸塩、ポリアスパラギン酸、脂肪アミン、窒素含有頭部基を有する界面活性剤およびそれらの混合物を含む群から選択される活性物質の使用であり、必要に応じてさらにポリカルボン酸塩を混合する、フタルイミドペルオキシアルカン酸含有洗浄剤を使用する自動洗濯機による布地洗濯に関連する機械部品の腐食現象を抑制するための使用である。
【実施例】
【0088】
実施例1:本発明の薬剤E1およびE2
本発明の液状剤E1は、pH5.0、界面活性剤(陰イオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤)の総量を約27重量%に調整した着臭剤および界面活性剤含有液状洗浄剤であった。さらにE1は、2.5重量%PAP粒子(Eureco(登録商標)、Solvay)、ならびに2重量%のヒドロキシホスホノ酢酸(バイオラボ水付加物)を含有した(「重量%」はそれぞれ全薬剤に基づく)。さらにE1は、水に加えて硫酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムおよび錯化剤ならびに抑泡剤および増粘剤を含有した。含有するPAP粒子以外の他の漂白剤は含有しない。
【0089】
本発明の液状剤E2は、pH5.0、界面活性剤(陰イオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤)の総量を約27重量%に調整した着臭剤および界面活性剤含有液状洗浄剤であった。さらにE2は、2.5重量%PAP粒子(Eureco(登録商標)、Solvay)、ならびに0.6重量%のホスホン酸(Aquacid 1084 EX、Aquapharm Chemical、インド)および3重量%のM4000g/molのポリアクリル酸ナトリウム塩(Sokalan PA 25 CL、BASF)を含有した(「重量%」はそれぞれ全薬剤に基づく)。さらにE2は、水に加えて硫酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムおよび錯化剤ならびに抑泡剤および増粘剤を含有した。含有するPAP粒子以外の他の漂白剤は含有しない。
【0090】
実施例2:比較例V1およびV2
薬剤V1は薬剤E1に対応し、V1がホスホン酸を含んでいない点でE1と異なる。薬剤V2は薬剤E2に対応し、V2がホスホン酸もポリアクリル酸塩も含んでいない点でE2と異なる。これらの含有されない成分は水に置き換えた。
【0091】
実施例3:比較例V3
薬剤V3は薬剤V2に対応し、V3がPAP粒子を含んでいない点でV2と異なる。この成分は水に置き換えた。
【0092】
実施例4:腐食試験の実施
腐食試験は、15lの水あたり80gの上述した生成物V1、V2、V3、E1およびE2を用いて、下記の方法で行った。
【0093】
実質的実験:BSH製洗濯機において、50洗浄周期(60℃)着色洗浄プログラムを3.5kgの洗濯物を使用して行った;その後、発熱体およびその取り付け具を外し、腐食の痕跡を視覚的に調べた。発熱体はニッケル層で被覆されたNirosta(登録商標)4301ステンレス鋼でできている、取り付け具も同様にNirosta(登録商標)4301でできている。
【0094】
モデル実験:BSH製の制御装置を備えた発熱体(発熱体はニッケル層で被覆されたNirosta(登録商標)4301ステンレス鋼からなり;XPS分析によると、取り付け具はニッケルフリーのクロムステンレス鋼でできている)は、対応する取り付け具とともに、17リットルの水を保持し、攪拌装置を有するステンレス鋼容器の底近くの水平位置に取り付けられた。この容器に1時間につき50回、試験される生成物のそれぞれ新しい洗浄液を充填した。発熱体を使用して温度を70℃まで上げ、一定に保った。その後、取り付け具とともに発熱体を取り外し、腐食の痕跡を視覚的に調べた。
【0095】
洗浄浴のpHは、それぞれ7.0であった。
【0096】
結果:
比較処方V1またはV2を使用した場合、茶色の輪状(ハロー)の検出可能な腐食跡が、発熱体取り付け具のニッケル/ステンレス鋼の接触点あたりで、すでに10洗浄周期後のモデル実験において明らかとなった。50周期後、実質的実験およびモデル実験において、発熱体取り付け具のあたりで発熱体のニッケル層は剥がれ、ホルダーは明らかに錆びた。さらに、小さな錆の跡が発熱体の他の部分でも検出可能であった。モデル実験において、明確な茶色の腐食およびでこぼこ面がニッケル/ステンレス鋼接触点のあたりで現れた。
【0097】
比較処方V3の使用によって、腐食は全く検出されなかった。実質的実験およびモデル実験において、50洗浄周期後も発熱体は十分にまだ輝いていた。
【0098】
モデル実験および実質的実験において、本発明の処方E1またはE2の使用による50洗浄周期後、ニッケル/ステンレス鋼接触点に腐食の痕跡は完全になかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Znイオン、ベンゾトリアゾール、硝酸イオン、ホスホノカルボン酸、ホスホン酸、リン酸塩、ポリアスパラギン酸、脂肪族アミン、窒素含有頭部基を有する界面活性剤、およびそれらの混合物を含む群から選択される活性物質を含んでなる、粒子状フタルイミドペルオキシアルカン酸を含有する漂白剤含有洗浄または清浄剤。
【請求項2】
0.5重量%〜25重量%、特に1重量%〜20重量%のフタルイミドペルオキシアルカン酸を含有する、請求項1に記載の薬剤。
【請求項3】
フタルイミドペルオキシアルカン酸が6−フタルイミドペルオキシヘキサン酸(PAP)である、請求項1または2に記載の薬剤。
【請求項4】
0.05重量%〜4重量%、特に0.2重量%〜2重量%の亜鉛塩を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の薬剤。
【請求項5】
10重量%までの、特に2重量%〜4重量%のホスホノカルボン酸を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の薬剤。
【請求項6】
10重量%までの、特に2重量%〜4重量%のホスホン酸を含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の薬剤。
【請求項7】
さらに、0.5重量%〜15重量%、好ましくは1重量%〜10重量%、有利には2重量%〜8重量%、特に3重量%〜6重量%のポリカルボン酸塩を含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の薬剤。
【請求項8】
ポリアクリル酸塩を、好ましくは40,000g/mol以下の、有利には30,000g/mol以下の、好ましくは20,000g/mol以下の範囲の、特に1000〜15,000g/molの範囲のゲル浸透クロマトグラフィーにより測定される重量平均分子量Mを有するポリカルボン酸塩として含有する、請求項7に記載の薬剤。
【請求項9】
0.1重量%〜50重量%の、特に10重量%〜40重量%の界面活性剤を含有する、請求項1〜8のいずれかに記載の薬剤。
【請求項10】
陰イオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤の混合物を含有する、請求項1〜9のいずれかに記載の薬剤。
【請求項11】
液状であり、2〜6のpH、特に3〜5.5の範囲のpHを有する、請求項1〜10のいずれかに記載の薬剤。
【請求項12】
フタルイミドペルオキシアルカン酸粒子密度と薬剤の液相密度との差が10%以下である、請求項11に記載の薬剤。
【請求項13】
液状であり、Znイオン、ベンゾトリアゾール、硝酸イオン、ホスホノカルボン酸、ホスホン酸、リン酸塩、ポリアスパラギン酸、脂肪アミン、窒素含有頭部基を有する界面活性剤およびそれらの混合物を含む群から選択される活性物質を含有する粒子状フタルイミドペルオキシアルカン酸の水含有分散体が第1室に存在し、完成した洗浄剤または清浄剤の他の成分が第2室またはそれ以上の室内に存在するようにして、多室容器中に別々に存在し別々に保持された少なくとも2つの、好ましくはちょうど2つの副組成物から構成される、請求項1〜12のいずれかに記載の薬剤。
【請求項14】
粒子状フタルイミドペルオキシアルカン酸およびポリカルボン酸塩ならびに有機ホスホン酸および/またはその塩を含有する漂白剤含有洗浄剤または清浄剤を用いる自動洗濯機における布地の洗浄方法であって、
(a)洗浄浴中に少なくとも40ppm、有利には50ppm〜500ppm、好ましくは100ppm〜400ppm、特に150ppm〜300ppmの濃度でポリカルボン酸塩を存在させ、かつ、
(b)洗浄浴中に少なくとも2ppm、有利には5ppm〜300ppm、好ましくは10ppm〜250ppm、特に20ppm〜200ppmの濃度で有機ホスホン酸および/またはその塩を散在させ、かつ、
(c)洗浄浴中に少なくとも5ppm、有利には10ppm〜400ppm、好ましくは20ppm〜300ppm、特に30ppm〜200ppmの濃度で粒子状フタルイミドペルオキシアルカン酸を存在させる方法。
【請求項15】
Znイオン、ベンゾトリアゾール、硝酸イオン、ホスホノカルボン酸、ホスホン酸、リン酸塩、ポリアスパラギン酸、脂肪アミン、窒素含有頭部基を有する界面活性剤およびそれらの混合物を含む群から選択される活性物質を含んでなる粒子状フタルイミドペルオキシアルカン酸の水含有分散体の、特に液体洗浄剤または清浄剤の製造のための使用。
【請求項16】
Znイオン、ベンゾトリアゾール、硝酸イオン、ホスホノカルボン酸、ホスホン酸、リン酸塩、ポリアスパラギン酸、脂肪アミン、窒素含有頭部基を有する界面活性剤およびそれらの混合物を含む群から選択される活性物質の使用であって、フタルイミドペルオキシアルカン酸含有洗浄剤を使用する自動洗濯機による布地洗濯に関連する機械部品の腐食現象を抑制するための使用。

【公表番号】特表2010−523748(P2010−523748A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−501460(P2010−501460)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際出願番号】PCT/EP2008/053003
【国際公開番号】WO2008/122478
【国際公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】