漏洩同軸ケーブル装置
【課題】製造コストを上昇させることなく、また、施設、移動及び交換等の際の工事費用を低廉に抑えることができる漏洩同軸ケーブル装置を提供する。
【解決手段】
中心導体、絶縁体、スロット部が形成された外部導体及び外被が同軸構造となされたLCX1と、このLCX1を収納した移動可能なケース2とを備えた。
【解決手段】
中心導体、絶縁体、スロット部が形成された外部導体及び外被が同軸構造となされたLCX1と、このLCX1を収納した移動可能なケース2とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、漏洩同軸ケーブル装置に関し、特に、特有の方法で収納された漏洩同軸ケーブルを備えた漏洩同軸ケーブル装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
漏洩同軸ケーブル(以下、「LCX」という。)は、図11に示すように、内部導体102、絶縁体103、外部導体104及び外被(シース)105を備えて同軸状に構成され、従来より、新幹線沿いに布設されて列車と地上との無線連絡のために使用されたり、あるいは、地下鉄構内や地下街に布設されて地上との消防無線や警察無線の連絡用に、使用されている。このようなLCXにおいては、同軸内部の電磁エネルギーを外部に漏洩させるために、外部導体104上に周期的なスロット部101が設けられている。
【0003】
すなわち、LCXの外部導体104には、ケーブル軸に対して一定周期毎に、一周期当たり複数の長孔状のスロット部101が設けられている。各スロット部101は、ケーブル軸に対していくらかの角度を持って傾斜されている。なお、各スロット部101間の間隔が使用周波数の半波長と一致したり、その半波長の整数倍となったときには、共振状態となる。この周波数を共振周波数と呼ぶ。
【0004】
このようなLCXは、工場出荷時においては、ドラムに巻かれていることが多い。また、短い場合には、ドラムを使用せず、束状に巻かれていることもある。このようなLCXを使用するときには、ドラムから外し、または、束から取り出すと、曲がり癖がついており、直線状にすることは容易ではない。
【0005】
そこで、LCXは、図12中の(a)に示すように、ケーブル専用の固定治具106により、設置場所に固定されて使用されている。LCXは、一般に、収納されること無く使用されるので、延線時に、使用場所に合わせて直線状、あるいは、直線状及び曲線状として、図12中の(b)に示すように、固定治具106及び取付けボルト107により固定して使用されていた。特許文献1には、ケーブル専用の支持具が記載されている。
【0006】
また、特許文献2、特許文献3及び特許文献4には、LCXの外被の形状を、布設場所に固定できる特殊な構造にすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−130543号公報
【特許文献2】実用新案登録第2521204号公報
【特許文献3】特開平8−223093号公報
【特許文献4】特開2003−229716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、前述のような固定治具106、または、特許文献1に記載された支持具を用いてLCXを固定する場合には、複数箇所において固定治具、または、支持具を使用しなければならず、固定作業に伴う人件費等が工事コストを上昇させている。また、一旦布設したLCXは、固定治具、または、支持具により強固に固定されてしまうので、移動する際や、老朽化や外傷のために交換する際の工事費は高額なものとなっている。
【0009】
また、特許文献2、特許文献3及び特許文献4に記載されたLCXにおいては、外被を特殊な形状に加工しなければならないため、LCXの製造コストの上昇が招来される。
【0010】
そこで、本発明は、前述の実情に鑑みて提案されるものであり、その目的は、製造コストを上昇させることなく、また、施設、移動及び交換等の際の工事費用を低廉に抑えることができる漏洩同軸ケーブル装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述の課題を解決し、前記目的を達成するため、本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置は、以下の構成のいずれか一を有するものである。
【0012】
〔構成1〕
中心導体と中心導体を被覆した絶縁体と絶縁体の外側を覆う外部導体とが同軸構造となされ外部導体に漏洩電磁界形成用の複数のスロット部が形成され外部導体が外被で覆われたLCXと、LCXを収納した移動可能なケースとを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
〔構成2〕
構成1を有する漏洩同軸ケーブル装置において、ケースは、直線状、または、湾曲した形状の筒状体であることを特徴とするものである。
【0014】
〔構成3〕
構成1を有する漏洩同軸ケーブル装置において、ケースは、直線状部分と湾曲した部分とが連続した筒状体であることを特徴とするものである。
【0015】
〔構成4〕
構成1乃至構成3のいずれか一を有する漏洩同軸ケーブル装置において、ケースは、誘電体からなることを特徴とするものである。
【0016】
〔構成5〕
構成1乃至構成4のいずれか一を有する漏洩同軸ケーブル装置において、LCXは、片端に外部通信機器と接続されるためのリード用ケーブルが接続されていることを特徴とするものである。
【0017】
〔構成6〕
構成1乃至構成4のいずれか一を有する漏洩同軸ケーブル装置において、ケースは、片端に外部に向けた接続用コネクタを有しており、接続用コネクタは、LCXの片端に取り付けられた接続ケーブルによるか、直接に該漏洩同軸ケーブルに電気的に接続されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
構成1を有する本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置においては、LCXと、このLCXを収納した移動可能なケースとを備えているので、無線通信環境がないエリアにもこの漏洩同軸ケーブル装置を持っていって置くだけで無線通信環境を構築することができる。
【0019】
構成2を有する本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置においては、ケースは、直線状、または、湾曲した形状の筒状体であるので、LCXを容易に直線状、または、湾曲状に保持することができる。
【0020】
構成3を有する本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置においては、ケースは、直線状部分と湾曲した部分とが連続した筒状体であるので、LCXを容易に直線状部分と湾曲した部分とを有する形状に保持することができる。
【0021】
構成4を有する本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置においては、ケースは、誘電体からなるので、LCXとケース外部空間との間の電磁波の授受が阻害されることがない。
【0022】
構成5を有する本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置においては、漏洩同軸ケーブルは、片端に外部通信機器と接続されるためのリード用ケーブルが接続されているので、LCXと外部通信機器との接続が容易に行える。
【0023】
構成6を有する本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置においては、ケースは、片端に外部に向けた接続用コネクタを有しており、
接続用コネクタは、LCXの片端に取り付けられた接続ケーブルによるか、直接に該漏洩同軸ケーブルに電気的に接続されているので、接続用コネクタを介して、LCXと外部通信機器との接続が容易に行える。
【0024】
すなわち、本発明は、製造コストを上昇させることなく、また、施設、移動及び交換等の際の工事費用を低廉に抑えることができる漏洩同軸ケーブル装置を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置を構成するLCXの構成を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置を構成するケースの本体部の形状を示す三面図である。
【図4】本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置を構成するケースのフタ部の形状を示す三面図である。
【図5】本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置を構成するケースにおける本体部とフタ部との係合状態の一例を示す断面図である。
【図6】漏洩同軸ケーブル装置の結合損失を測定する測定系を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置の結合損失を示すグラフである。
【図8】本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置を構成するケースの他の例を示す斜視図である。
【図9】本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置を構成するケースのさらに他の例を示す斜視図である。
【図10】本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置を構成するケースにコネクタを設けた構成を示す斜視図である。
【図11】LCXの構成を示す側面図である。
【図12】従来のLCXの布設状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0027】
図1は、本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置の構成を示す斜視図である。
【0028】
本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置は、図1中の(a)及び(b)に示すように、LCX1を備えて構成される。LCX1は、中心導体と、この中心導体を被覆した絶縁体と、この絶縁体の外側を覆う外部導体とが同軸構造となされ、外部導体が外被(シース)により覆われて構成されている。
【0029】
そして、この漏洩同軸ケーブル装置は、LCX1を収納した移動可能なケース2を備えている。ケース2は、図1中の(a)に示すように、直線状の筒状体(直方体状)とすることができる。また、ケース2は、図1中の(b)に示すように、湾曲した筒状体としてもよい。さらに、ケース2は、直線状部分と湾曲した部分とが連続した筒状体としてもよい。
【0030】
この漏洩同軸ケーブル装置において、LCX1は、ケース2に収納されることにより、たとえ曲がり癖が付いていても、ケース2の形状にあった直線状態や、曲線状態に保持される。例えば、ケース2が直線状のものであれば、LCX1は直線状になる。したがって、専用の固定治具を使うことなく、LCX1を所為の形状とすることができる。また、LCX1の外被も、固定のために特殊な形状にする必要がない。
【0031】
ケース2は、LCX1を直線状態や曲線状態に保持するに十分な剛性を有し、容易には変形しないようになっている。ケース2の材質は、電磁波を反射する金属体ではなく、合成樹脂材料など、誘電体材料とすることが望ましい。ケース2を誘電体材料から形成することにより、LCX1とケース2の外部空間との電磁波の授受が阻害されることがない。ケース2を合成樹脂材料から形成する場合、例えば、押出成型法や射出成型法によって、容易にケース2を形成することができる。
【0032】
この漏洩同軸ケーブル装置は、使用場所に固定せずに使用することができる。したがって、所望の場所に持ち運んで使用することができる。無線通信環境がないエリアでも、この漏洩同軸ケーブル装置を持っていって置くだけで、無線通信環境を構築することができる。
【0033】
また、ケース2を誘電体材料から形成することにより、使用場所が金属の上であっても、また、付近に金属部材が存在する場合であっても、LCX1と金属との間をケース2が離隔するので、LCX1の送受信性能が劣化しない。
【0034】
ケース2は、分解可能としておけば、容易にLCX1の交換を行うことができる。例えば、ケース2を本体部とフタ部とから構成し、これら本体部とフタ部とを、接着剤により固定しておけばよい。また、これら本体部とフタ部とは、一般のネジ、あるいは、特殊ネジにより固定してもよい。いずれの場合も、通常の使用状態では分解しない程度の堅牢性を有し、必要な場合には、工具等を用いて分解することができる。
【0035】
また、LCX1は、片端に、外部通信機器と接続されるためのリード用ケーブル3を接続しておくことが望ましい。リード用ケーブル3は、ケース2の外方に引き出される。リード用ケーブル3の先端部には、コネクタ4を取付ける。
【0036】
さらに、ケース2には、片端に、外部に向けた接続用コネクタを設けてもよい。この接続用コネクタは、LCX1の片端に取り付けられた接続ケーブルを介して、LCX1と電気的に接続される。あるいは、接続用コネクタにLCX1のコネクタを直接接続してもよい。
【実施例】
【0037】
図2は、本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置を構成するLCXの構成を示す斜視図である。
【0038】
本発明の実施例として、図2に示すように、長さ1000mm、外径が7mm、結合損失75dB、インピーダンス50ΩのLCX1を用いて、漏洩同軸ケーブル装置を構成した。LCX1の両端部には、外径15mm、長さ30mmのコネクタ4を取り付けた。
【0039】
そして、LCX1の入力側には、LCX1と通信機器とを接続する外径3mm、長さ1mの一般の同軸ケーブルを接続した。そして、LCXの終端側には、終端部から不要な反射や漏洩が発生しないように、50Ωの終端器を接続した。
【0040】
図3は、本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置を構成するケースの本体部の形状を示す三面図である。
【0041】
ケース2の材質は、ポリエチレンとした。図3に示すように、ケース2の本体部2aは、直方体形状とし、長さ1170mm、横断面を19mm×19mmとした。本体部2aの中央部には、LCX1が収納される幅8mm、深さ8mmの溝5を設けた。溝5の両端側は、コネクタ部4が入るように、幅15mm、深さ15mmに拡径されている。
【0042】
図4は、本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置を構成するケースのフタ部の形状を示す三面図である。
【0043】
図4に示すように、ケース2のフタ部2bは、幅は本体と同じ19mmで、厚さは2mmの平板状のものとした。
【0044】
図5は、本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置を構成するケースにおける本体部とフタ部との係合状態の一例を示す断面図である。
【0045】
ケース2の本体部2aの端部には、図5に示すように、フタ部2bの端部に設けた係合片6が係合する係合凹部7を設けた。フタ部2bは、本体部2aに対して、圧入して係合片6を係合凹部7に係合させることによって固定することができ、また、専用工具で強い力を加えれば、外すことができるようになっている。
【0046】
図6は、漏洩同軸ケーブル装置の結合損失を測定する測定系を示す斜視図である。
【0047】
そして、図2に示したLCX1を、図3及び図4に示したケース2に収納して、漏洩同軸ケーブル装置を構成し、LCX1が正常に機能するかどうかを確認した。LCX1を収納したケース2は、図6に示すように、机8の上に設置した。そして、LCX1に、発信器9から2.4GHzの試験信号を電力Pin(W)で入力した。
【0048】
LCX1の上方1.5mの位置で、半波長標準ダイポールアンテナAをLCX1に沿って移動させ、その際のアンテナ出力Pout(W)を受信器10で測定した。
【0049】
Pin及びPoutから、LCX1の放射性能を表す結合損失Lcを測定した。結合損失Lcとは、LCX1ヘの入力電力Pinと、LCX1の外部に配置した半波長標準ダイポールアンテナAからの出力電力Poutとの比であり、Lc=−10log(Pout/Pin)(dB)で計算できる。すなわち、結合損失Lcは、LCX1からの電磁波の放射効率を示す。逆に、受信する場合は受信効率となり、数値は同じである。
【0050】
図7は、本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置の結合損失を示すグラフである。
【0051】
ここで使用したLCX1は、結合損失が75dBとなるように設計してある。図7に示すように、結合損失Lcは、幅10dB程度の変動はあるものの、平均値は75dBであり、LCX1が問題なく機能していることがわかった。また、ケース2による遮蔽などの悪影響もなかった。
【0052】
図8は、本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置を構成するケースの他の例を示す斜視図である。図8中の(a)に示すケース2は、円形(円環状)のケースである。図8中の(b)に示すケース2は、長方形環状のケースである。図8中の(c)に示すケース2は、波型のケースである。
【0053】
次に、各種形状のケース2にLCX1を収納して実験した。通信環境が、例えば、円形のテーブルを有する会議室などの場合は、図8中の(a)に示すように、円形(円環状)のケースが好適であった。また、テーブルの幅が広い場合には、テーブルの両側面に通信環境を提供するために、図8中の(b)及び(c)に示すように、長方形環状のケースや波型のケースが好適であった。
【0054】
なお、このようなケース2は、合成樹脂材料の押出成形、すなわち、モールド製法で製造することができる。
【0055】
図9は、本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置を構成するケースのさらに他の例を示す斜視図である。図9中の(a)に示すケース2は、フタ部2bと本体部2aとを接着剤で強固に固定したものである。図9中の(b)に示すケース2は、フタ部2bと本体部2aとを、一般のネジか、あるいは、特殊ネジで固定したものである。
【0056】
LCX1に傷をつけられたり、悪戯をされたりしないようにするために、本体部2aとフタ部2bとを強固に固定するには、図9中の(a)に示すように、これら本体部2aとフタ部2bとを接着剤で固定すればよい。また、図9中の(b)に示すように、これら本体部2aとフタ部2bとを、ツーホールネジ、トライウイングネジや、ワンサイドネジ等の特殊ネジ11で固定してもよい。
【0057】
図8中の(a)、(b)、(c)、図9中の(a)、(b)に示す各種ケースに対して、前述と同様のLCX1を収納し、漏洩同軸ケーブル装置を構成して、図6に示した実験系で測定したところ、すべて設計値どおりの結合損失75dBが得られ、問題がないことが確認された。
【0058】
図10は、本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置を構成するケースにコネクタを設けた構成(コネクタ接続型)を示す斜視図である。
【0059】
以上説明した構成では、通信機器ヘのLCX1の接続は、LCX1の入射側に取り付けたリード用ケーブル3を用いて行っていたが、図10に示すように、ケース2に接続用コネクタ12を取り付けてもよい。この接続用コネクタ12は、ケース2の内部において、LCX1の片端に取り付けられた内部接続ケーブル13を介して、LCX1と電気的に接続される。また、LCX1は、接続用コネクタに直接接続してもよい。
【0060】
このようにすれば、LCX1を収納したケース2から引き出されるケーブルがなくなり、持ち運びが容易となる。外部の通信機器との接続は、別途用意した両端コネクタ付同軸ケーブルで行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、漏洩同軸ケーブル装置に適用され、特に、特有の方法で収納された漏洩同軸ケーブルを備えた漏洩同軸ケーブル装置に適用される。
【符号の説明】
【0062】
1 スロット部
2 中心導体
3 絶縁体
4 外部導体
5 外被(シース)
【技術分野】
【0001】
本発明は、漏洩同軸ケーブル装置に関し、特に、特有の方法で収納された漏洩同軸ケーブルを備えた漏洩同軸ケーブル装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
漏洩同軸ケーブル(以下、「LCX」という。)は、図11に示すように、内部導体102、絶縁体103、外部導体104及び外被(シース)105を備えて同軸状に構成され、従来より、新幹線沿いに布設されて列車と地上との無線連絡のために使用されたり、あるいは、地下鉄構内や地下街に布設されて地上との消防無線や警察無線の連絡用に、使用されている。このようなLCXにおいては、同軸内部の電磁エネルギーを外部に漏洩させるために、外部導体104上に周期的なスロット部101が設けられている。
【0003】
すなわち、LCXの外部導体104には、ケーブル軸に対して一定周期毎に、一周期当たり複数の長孔状のスロット部101が設けられている。各スロット部101は、ケーブル軸に対していくらかの角度を持って傾斜されている。なお、各スロット部101間の間隔が使用周波数の半波長と一致したり、その半波長の整数倍となったときには、共振状態となる。この周波数を共振周波数と呼ぶ。
【0004】
このようなLCXは、工場出荷時においては、ドラムに巻かれていることが多い。また、短い場合には、ドラムを使用せず、束状に巻かれていることもある。このようなLCXを使用するときには、ドラムから外し、または、束から取り出すと、曲がり癖がついており、直線状にすることは容易ではない。
【0005】
そこで、LCXは、図12中の(a)に示すように、ケーブル専用の固定治具106により、設置場所に固定されて使用されている。LCXは、一般に、収納されること無く使用されるので、延線時に、使用場所に合わせて直線状、あるいは、直線状及び曲線状として、図12中の(b)に示すように、固定治具106及び取付けボルト107により固定して使用されていた。特許文献1には、ケーブル専用の支持具が記載されている。
【0006】
また、特許文献2、特許文献3及び特許文献4には、LCXの外被の形状を、布設場所に固定できる特殊な構造にすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−130543号公報
【特許文献2】実用新案登録第2521204号公報
【特許文献3】特開平8−223093号公報
【特許文献4】特開2003−229716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、前述のような固定治具106、または、特許文献1に記載された支持具を用いてLCXを固定する場合には、複数箇所において固定治具、または、支持具を使用しなければならず、固定作業に伴う人件費等が工事コストを上昇させている。また、一旦布設したLCXは、固定治具、または、支持具により強固に固定されてしまうので、移動する際や、老朽化や外傷のために交換する際の工事費は高額なものとなっている。
【0009】
また、特許文献2、特許文献3及び特許文献4に記載されたLCXにおいては、外被を特殊な形状に加工しなければならないため、LCXの製造コストの上昇が招来される。
【0010】
そこで、本発明は、前述の実情に鑑みて提案されるものであり、その目的は、製造コストを上昇させることなく、また、施設、移動及び交換等の際の工事費用を低廉に抑えることができる漏洩同軸ケーブル装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述の課題を解決し、前記目的を達成するため、本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置は、以下の構成のいずれか一を有するものである。
【0012】
〔構成1〕
中心導体と中心導体を被覆した絶縁体と絶縁体の外側を覆う外部導体とが同軸構造となされ外部導体に漏洩電磁界形成用の複数のスロット部が形成され外部導体が外被で覆われたLCXと、LCXを収納した移動可能なケースとを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
〔構成2〕
構成1を有する漏洩同軸ケーブル装置において、ケースは、直線状、または、湾曲した形状の筒状体であることを特徴とするものである。
【0014】
〔構成3〕
構成1を有する漏洩同軸ケーブル装置において、ケースは、直線状部分と湾曲した部分とが連続した筒状体であることを特徴とするものである。
【0015】
〔構成4〕
構成1乃至構成3のいずれか一を有する漏洩同軸ケーブル装置において、ケースは、誘電体からなることを特徴とするものである。
【0016】
〔構成5〕
構成1乃至構成4のいずれか一を有する漏洩同軸ケーブル装置において、LCXは、片端に外部通信機器と接続されるためのリード用ケーブルが接続されていることを特徴とするものである。
【0017】
〔構成6〕
構成1乃至構成4のいずれか一を有する漏洩同軸ケーブル装置において、ケースは、片端に外部に向けた接続用コネクタを有しており、接続用コネクタは、LCXの片端に取り付けられた接続ケーブルによるか、直接に該漏洩同軸ケーブルに電気的に接続されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
構成1を有する本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置においては、LCXと、このLCXを収納した移動可能なケースとを備えているので、無線通信環境がないエリアにもこの漏洩同軸ケーブル装置を持っていって置くだけで無線通信環境を構築することができる。
【0019】
構成2を有する本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置においては、ケースは、直線状、または、湾曲した形状の筒状体であるので、LCXを容易に直線状、または、湾曲状に保持することができる。
【0020】
構成3を有する本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置においては、ケースは、直線状部分と湾曲した部分とが連続した筒状体であるので、LCXを容易に直線状部分と湾曲した部分とを有する形状に保持することができる。
【0021】
構成4を有する本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置においては、ケースは、誘電体からなるので、LCXとケース外部空間との間の電磁波の授受が阻害されることがない。
【0022】
構成5を有する本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置においては、漏洩同軸ケーブルは、片端に外部通信機器と接続されるためのリード用ケーブルが接続されているので、LCXと外部通信機器との接続が容易に行える。
【0023】
構成6を有する本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置においては、ケースは、片端に外部に向けた接続用コネクタを有しており、
接続用コネクタは、LCXの片端に取り付けられた接続ケーブルによるか、直接に該漏洩同軸ケーブルに電気的に接続されているので、接続用コネクタを介して、LCXと外部通信機器との接続が容易に行える。
【0024】
すなわち、本発明は、製造コストを上昇させることなく、また、施設、移動及び交換等の際の工事費用を低廉に抑えることができる漏洩同軸ケーブル装置を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置を構成するLCXの構成を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置を構成するケースの本体部の形状を示す三面図である。
【図4】本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置を構成するケースのフタ部の形状を示す三面図である。
【図5】本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置を構成するケースにおける本体部とフタ部との係合状態の一例を示す断面図である。
【図6】漏洩同軸ケーブル装置の結合損失を測定する測定系を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置の結合損失を示すグラフである。
【図8】本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置を構成するケースの他の例を示す斜視図である。
【図9】本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置を構成するケースのさらに他の例を示す斜視図である。
【図10】本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置を構成するケースにコネクタを設けた構成を示す斜視図である。
【図11】LCXの構成を示す側面図である。
【図12】従来のLCXの布設状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0027】
図1は、本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置の構成を示す斜視図である。
【0028】
本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置は、図1中の(a)及び(b)に示すように、LCX1を備えて構成される。LCX1は、中心導体と、この中心導体を被覆した絶縁体と、この絶縁体の外側を覆う外部導体とが同軸構造となされ、外部導体が外被(シース)により覆われて構成されている。
【0029】
そして、この漏洩同軸ケーブル装置は、LCX1を収納した移動可能なケース2を備えている。ケース2は、図1中の(a)に示すように、直線状の筒状体(直方体状)とすることができる。また、ケース2は、図1中の(b)に示すように、湾曲した筒状体としてもよい。さらに、ケース2は、直線状部分と湾曲した部分とが連続した筒状体としてもよい。
【0030】
この漏洩同軸ケーブル装置において、LCX1は、ケース2に収納されることにより、たとえ曲がり癖が付いていても、ケース2の形状にあった直線状態や、曲線状態に保持される。例えば、ケース2が直線状のものであれば、LCX1は直線状になる。したがって、専用の固定治具を使うことなく、LCX1を所為の形状とすることができる。また、LCX1の外被も、固定のために特殊な形状にする必要がない。
【0031】
ケース2は、LCX1を直線状態や曲線状態に保持するに十分な剛性を有し、容易には変形しないようになっている。ケース2の材質は、電磁波を反射する金属体ではなく、合成樹脂材料など、誘電体材料とすることが望ましい。ケース2を誘電体材料から形成することにより、LCX1とケース2の外部空間との電磁波の授受が阻害されることがない。ケース2を合成樹脂材料から形成する場合、例えば、押出成型法や射出成型法によって、容易にケース2を形成することができる。
【0032】
この漏洩同軸ケーブル装置は、使用場所に固定せずに使用することができる。したがって、所望の場所に持ち運んで使用することができる。無線通信環境がないエリアでも、この漏洩同軸ケーブル装置を持っていって置くだけで、無線通信環境を構築することができる。
【0033】
また、ケース2を誘電体材料から形成することにより、使用場所が金属の上であっても、また、付近に金属部材が存在する場合であっても、LCX1と金属との間をケース2が離隔するので、LCX1の送受信性能が劣化しない。
【0034】
ケース2は、分解可能としておけば、容易にLCX1の交換を行うことができる。例えば、ケース2を本体部とフタ部とから構成し、これら本体部とフタ部とを、接着剤により固定しておけばよい。また、これら本体部とフタ部とは、一般のネジ、あるいは、特殊ネジにより固定してもよい。いずれの場合も、通常の使用状態では分解しない程度の堅牢性を有し、必要な場合には、工具等を用いて分解することができる。
【0035】
また、LCX1は、片端に、外部通信機器と接続されるためのリード用ケーブル3を接続しておくことが望ましい。リード用ケーブル3は、ケース2の外方に引き出される。リード用ケーブル3の先端部には、コネクタ4を取付ける。
【0036】
さらに、ケース2には、片端に、外部に向けた接続用コネクタを設けてもよい。この接続用コネクタは、LCX1の片端に取り付けられた接続ケーブルを介して、LCX1と電気的に接続される。あるいは、接続用コネクタにLCX1のコネクタを直接接続してもよい。
【実施例】
【0037】
図2は、本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置を構成するLCXの構成を示す斜視図である。
【0038】
本発明の実施例として、図2に示すように、長さ1000mm、外径が7mm、結合損失75dB、インピーダンス50ΩのLCX1を用いて、漏洩同軸ケーブル装置を構成した。LCX1の両端部には、外径15mm、長さ30mmのコネクタ4を取り付けた。
【0039】
そして、LCX1の入力側には、LCX1と通信機器とを接続する外径3mm、長さ1mの一般の同軸ケーブルを接続した。そして、LCXの終端側には、終端部から不要な反射や漏洩が発生しないように、50Ωの終端器を接続した。
【0040】
図3は、本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置を構成するケースの本体部の形状を示す三面図である。
【0041】
ケース2の材質は、ポリエチレンとした。図3に示すように、ケース2の本体部2aは、直方体形状とし、長さ1170mm、横断面を19mm×19mmとした。本体部2aの中央部には、LCX1が収納される幅8mm、深さ8mmの溝5を設けた。溝5の両端側は、コネクタ部4が入るように、幅15mm、深さ15mmに拡径されている。
【0042】
図4は、本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置を構成するケースのフタ部の形状を示す三面図である。
【0043】
図4に示すように、ケース2のフタ部2bは、幅は本体と同じ19mmで、厚さは2mmの平板状のものとした。
【0044】
図5は、本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置を構成するケースにおける本体部とフタ部との係合状態の一例を示す断面図である。
【0045】
ケース2の本体部2aの端部には、図5に示すように、フタ部2bの端部に設けた係合片6が係合する係合凹部7を設けた。フタ部2bは、本体部2aに対して、圧入して係合片6を係合凹部7に係合させることによって固定することができ、また、専用工具で強い力を加えれば、外すことができるようになっている。
【0046】
図6は、漏洩同軸ケーブル装置の結合損失を測定する測定系を示す斜視図である。
【0047】
そして、図2に示したLCX1を、図3及び図4に示したケース2に収納して、漏洩同軸ケーブル装置を構成し、LCX1が正常に機能するかどうかを確認した。LCX1を収納したケース2は、図6に示すように、机8の上に設置した。そして、LCX1に、発信器9から2.4GHzの試験信号を電力Pin(W)で入力した。
【0048】
LCX1の上方1.5mの位置で、半波長標準ダイポールアンテナAをLCX1に沿って移動させ、その際のアンテナ出力Pout(W)を受信器10で測定した。
【0049】
Pin及びPoutから、LCX1の放射性能を表す結合損失Lcを測定した。結合損失Lcとは、LCX1ヘの入力電力Pinと、LCX1の外部に配置した半波長標準ダイポールアンテナAからの出力電力Poutとの比であり、Lc=−10log(Pout/Pin)(dB)で計算できる。すなわち、結合損失Lcは、LCX1からの電磁波の放射効率を示す。逆に、受信する場合は受信効率となり、数値は同じである。
【0050】
図7は、本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置の結合損失を示すグラフである。
【0051】
ここで使用したLCX1は、結合損失が75dBとなるように設計してある。図7に示すように、結合損失Lcは、幅10dB程度の変動はあるものの、平均値は75dBであり、LCX1が問題なく機能していることがわかった。また、ケース2による遮蔽などの悪影響もなかった。
【0052】
図8は、本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置を構成するケースの他の例を示す斜視図である。図8中の(a)に示すケース2は、円形(円環状)のケースである。図8中の(b)に示すケース2は、長方形環状のケースである。図8中の(c)に示すケース2は、波型のケースである。
【0053】
次に、各種形状のケース2にLCX1を収納して実験した。通信環境が、例えば、円形のテーブルを有する会議室などの場合は、図8中の(a)に示すように、円形(円環状)のケースが好適であった。また、テーブルの幅が広い場合には、テーブルの両側面に通信環境を提供するために、図8中の(b)及び(c)に示すように、長方形環状のケースや波型のケースが好適であった。
【0054】
なお、このようなケース2は、合成樹脂材料の押出成形、すなわち、モールド製法で製造することができる。
【0055】
図9は、本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置を構成するケースのさらに他の例を示す斜視図である。図9中の(a)に示すケース2は、フタ部2bと本体部2aとを接着剤で強固に固定したものである。図9中の(b)に示すケース2は、フタ部2bと本体部2aとを、一般のネジか、あるいは、特殊ネジで固定したものである。
【0056】
LCX1に傷をつけられたり、悪戯をされたりしないようにするために、本体部2aとフタ部2bとを強固に固定するには、図9中の(a)に示すように、これら本体部2aとフタ部2bとを接着剤で固定すればよい。また、図9中の(b)に示すように、これら本体部2aとフタ部2bとを、ツーホールネジ、トライウイングネジや、ワンサイドネジ等の特殊ネジ11で固定してもよい。
【0057】
図8中の(a)、(b)、(c)、図9中の(a)、(b)に示す各種ケースに対して、前述と同様のLCX1を収納し、漏洩同軸ケーブル装置を構成して、図6に示した実験系で測定したところ、すべて設計値どおりの結合損失75dBが得られ、問題がないことが確認された。
【0058】
図10は、本発明に係る漏洩同軸ケーブル装置を構成するケースにコネクタを設けた構成(コネクタ接続型)を示す斜視図である。
【0059】
以上説明した構成では、通信機器ヘのLCX1の接続は、LCX1の入射側に取り付けたリード用ケーブル3を用いて行っていたが、図10に示すように、ケース2に接続用コネクタ12を取り付けてもよい。この接続用コネクタ12は、ケース2の内部において、LCX1の片端に取り付けられた内部接続ケーブル13を介して、LCX1と電気的に接続される。また、LCX1は、接続用コネクタに直接接続してもよい。
【0060】
このようにすれば、LCX1を収納したケース2から引き出されるケーブルがなくなり、持ち運びが容易となる。外部の通信機器との接続は、別途用意した両端コネクタ付同軸ケーブルで行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、漏洩同軸ケーブル装置に適用され、特に、特有の方法で収納された漏洩同軸ケーブルを備えた漏洩同軸ケーブル装置に適用される。
【符号の説明】
【0062】
1 スロット部
2 中心導体
3 絶縁体
4 外部導体
5 外被(シース)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心導体と、この中心導体を被覆した絶縁体と、この絶縁体の外側を覆う外部導体とが同軸構造となされ、前記外部導体に漏洩電磁界形成用の複数のスロット部が形成され、前記外部導体が外被で覆われた漏洩同軸ケーブルと、
前記漏洩同軸ケーブルを収納した移動可能なケースと
を備えたことを特徴とする漏洩同軸ケーブル装置。
【請求項2】
前記ケースは、直線状、または、湾曲した形状の筒状体である
ことを特徴とする請求項1記載の漏洩同軸ケーブル装置。
【請求項3】
前記ケースは、直線状部分と湾曲した部分とが連続した筒状体である
ことを特徴とする請求項1記載の漏洩同軸ケーブル装置。
【請求項4】
前記ケースは、誘電体からなる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の漏洩同軸ケーブル装置。
【請求項5】
前記漏洩同軸ケーブルは、片端に、外部通信機器と接続されるためのリード用ケーブルが接続されている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の漏洩同軸ケーブル装置。
【請求項6】
前記ケースは、片端に、外部に向けた接続用コネクタを有しており、
前記接続用コネクタは、前記漏洩同軸ケーブルの片端に取り付けられた接続ケーブルによるか、直接に該漏洩同軸ケーブルに電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の漏洩同軸ケーブル装置。
【請求項1】
中心導体と、この中心導体を被覆した絶縁体と、この絶縁体の外側を覆う外部導体とが同軸構造となされ、前記外部導体に漏洩電磁界形成用の複数のスロット部が形成され、前記外部導体が外被で覆われた漏洩同軸ケーブルと、
前記漏洩同軸ケーブルを収納した移動可能なケースと
を備えたことを特徴とする漏洩同軸ケーブル装置。
【請求項2】
前記ケースは、直線状、または、湾曲した形状の筒状体である
ことを特徴とする請求項1記載の漏洩同軸ケーブル装置。
【請求項3】
前記ケースは、直線状部分と湾曲した部分とが連続した筒状体である
ことを特徴とする請求項1記載の漏洩同軸ケーブル装置。
【請求項4】
前記ケースは、誘電体からなる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の漏洩同軸ケーブル装置。
【請求項5】
前記漏洩同軸ケーブルは、片端に、外部通信機器と接続されるためのリード用ケーブルが接続されている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の漏洩同軸ケーブル装置。
【請求項6】
前記ケースは、片端に、外部に向けた接続用コネクタを有しており、
前記接続用コネクタは、前記漏洩同軸ケーブルの片端に取り付けられた接続ケーブルによるか、直接に該漏洩同軸ケーブルに電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の漏洩同軸ケーブル装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−204846(P2012−204846A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64380(P2011−64380)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【出願人】(311004647)プラネックスコミュニケーションズ株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【出願人】(311004647)プラネックスコミュニケーションズ株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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