説明

演出装置および当該演出装置を備えた遊技機

【課題】複数の部材を動作させる斬新な演出を、簡素な構造で実行することができる演出装置、および当該演出装置を備えた遊技機を提供する。
【解決手段】縦区画体33,34は、横移動モータ113によって往復移動する。第一横移動ガイド軸122は、縦区画体33,34の移動方向と平行に左右に延びる。装飾体35,36は、第一横移動ガイド軸122にガイドされて左右に往復移動することができる。コイルバネ130,131は、装飾体35,36を内側へ付勢する。接触部材120,121の爪部124,125は、縦区画体33,34が所定範囲内に位置している場合に装飾体35,36に接触する。装飾体35,36は、爪部124,125と離間している場合にコイルバネ130,131に付勢された状態で停止し、爪部124,125と接触している場合に縦区画体33,34と共に移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータの動力によって部材を移動させる演出を行う演出装置、および当該演出装置を備えた遊技機に関する。
【0002】
従来、遊技機に用いられる演出装置として、モータの動力によって部材を移動させることで演出を行う演出装置が知られている。モータを用いた演出装置では、演出内容の多様化が図られている。例えば、特許文献1が開示している演出装置は、1つの部材を直線上で移動させる動作と回動させる動作とを、1つのモータの動力によって実行させる。従って、2つの異なる動作が簡素な構造で実現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−301203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の演出装置では、1つのモータの動力によって1つの部材を動作させることはできるものの、複数の部材を動作させることは困難であった。従って、従来の演出装置では、複数の部材を動作させる斬新な演出を、簡素な構造で実行することは困難であった。
【0005】
本発明は、複数の部材を動作させる斬新な演出を、簡素な構造で実行することができる演出装置、および当該演出装置を備えた遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の態様に係る演出装置は、モータと、前記モータが駆動することによって、所定の第一位置と第二位置との間を直線状に往復移動する主移動体と、前記主移動体の移動方向と平行な方向に延びるガイド部材と、前記ガイド部材にガイドされて前記移動方向と平行な方向に往復移動することが可能な副移動体と、前記副移動体を、前記移動方向と平行な一方向に付勢する付勢手段と、前記主移動体が前記第一位置から前記第一位置と前記第二位置との間の第三位置までの間に位置している場合に前記副移動体から離間し、且つ、前記主移動体が前記第三位置から前記第二位置までの間に位置している場合に前記副移動体に接触する接触部材とを備え、前記副移動体は、前記接触部材と離間している場合に、前記付勢手段による付勢力によって付勢された状態で停止し、前記接触部材と接触している場合に、前記主移動体と共に前記移動方向に沿って移動することを特徴とする。
【0007】
第一の態様に係る演出装置では、1つのモータを駆動させるだけで、第一位置と第三位置との間で主移動体を移動させることができるだけでなく、第三位置と第二位置との間で主移動体と副移動体とを共に移動させることができる。従って、演出装置は、複数の部材を動作させる斬新な演出を簡素な構成で実行することができる。
【0008】
前記接触部材は、前記主移動体に固定され、且つ、摺動可能な状態で前記ガイド部材に嵌まり合うものであってもよい。この場合、ガイド部材は、副移動体に加えて主移動体の往復移動も案内することができる。従って、演出装置は、2つの移動体を簡素な構成で円滑に移動させることができる。
【0009】
前記演出装置は、前記ガイド部材と平行な方向に延び、前記主移動体の往復移動を案内する補助ガイド部材をさらに備えてもよい。この場合、主移動体は、ガイド部材および補助ガイド部材によってガイドされることでより円滑に移動することができる。さらに、ガイド部材が1つである場合とは異なり、主移動体がガイド部材を中心に揺動して不具合が生じることを防止することができる。
【0010】
前記演出装置は、前記モータの動力によって軸回りに回転する駆動プーリと、前記駆動プーリに架け渡され、前記移動方向と平行に延びるベルトと、前記ベルトのうち前記駆動プーリに架け渡される側の反対側が架け渡される従動プーリとをさらに備えてもよい。この場合、前記主移動体が前記ベルトに固定されるとよい。演出装置は、主移動体および副移動体を動作させる演出を、1組のモータおよびベルトを用いて容易且つ確実に実行することができる。
【0011】
前記主移動体は、第一主移動体と第二主移動体とを含み、前記第一移動体および前記第二移動体のそれぞれは、前記ベルトのうち前記駆動プーリと前記従動プーリとの間で互いに対向する一対の部分の各々に別々に接続してもよい。前記副移動体は、第一副移動体と第二副移動体とを含み、前記接触部材は、前記第一主移動体と共に移動して前記第一副移動体に接触する第一接触部材と、前記第二主移動体と共に移動して前記第二副移動体に接触する第二接触部材とを含んでもよい。
【0012】
この場合、演出装置は、第一主移動体および第二主移動体に対称な動作を実行させることができる。つまり、ベルトが回転することによって、第一主移動体および第二主移動体は、互いに接近する動作、および互いに離間する動作のいずれかの動作を行う。さらに、第一主移動体および第二主移動体が第三位置と第二位置との間に位置している場合、第一副移動体および第二副移動体にも対称な動作を実行させることができる。従って、演出装置は、1つの動力のみを用いて、4つの部材に斬新な動作を実行させることができる。
【0013】
本発明の第二の態様にかかる遊技機は、前記演出装置を備えている。従って、当該遊技機は、前記演出装置と同様の作用効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】パチンコ機1の正面図である。
【図2】遊技盤2の正面図である。
【図3】演出装置30を右斜め上方手前側から見た斜視図である。
【図4】演出装置30の正面図である。
【図5】演出装置30の縦移動ユニット40を右斜め上方手前側から見た斜視図である。
【図6】右側縦移動機構41の構造を示す分解斜視図である。
【図7】図4のA−A線矢視方向断面図である。
【図8】図7における駆動プーリ53の近傍の拡大断面図である。
【図9】横移動ユニット110を右斜め上方手前側から見た斜視図である。
【図10】横移動ユニット110の上部の拡大斜視図である。
【図11】接触部材120、横移動ガイド軸122,123、および装飾体35の拡大斜視図である。
【図12】離間していた爪部124,125と装飾体35,36とが接触した瞬間の横移動ユニット110の斜視図である。
【図13】縦区画体33,34が終点位置にある状態の横移動ユニット110の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施の形態である演出装置30、および演出装置30を備えたパチンコ機1について、図面を参照して説明する。
【0016】
図1および図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられている。遊技盤2は略正方形であり(図2参照)、透明なガラス板を保持したガラス枠13によって前面を保護されている。遊技盤2の下方部には、発射機に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける上皿5が設けられている。上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。ガラス枠13の上部の左右の角にはスピーカ48がそれぞれ設けられている。
【0017】
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。遊技領域4の略中央には、LCDである表示装置28が設けられている。表示装置28の表示領域では、大当たり判定の結果を遊技者に報知するための報知演出、大当たり遊技中の演出等、様々な演出の映像が表示される。特に、報知演出では複数のデモ図柄の変動および停止が行われ、同一のデモ図柄が所定ライン上に確定表示されることで、大当たり判定の結果が当たりであることが遊技者に報知される。
【0018】
表示装置28の外縁を取り囲むように、各種演出を行う演出装置30(図3等参照)が設けられている。演出装置30は、表示装置28およびスピーカ48等と連動して、報知演出等の様々な演出を実行する。表示装置28の左方には、普通図柄始動ゲート12が設けられている。普通図柄始動ゲート12を遊技球が通過すると、普通当たり判定が行われる。表示装置28の下方には、特別図柄始動電動役物15が配設されている。特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞することを契機として、大当たり判定が行われる。特別図柄始動電動役物15の下方には、大入賞口16が設けられている。さらに、遊技盤2には、上記以外に各種の電飾ランプ、入賞口、風車、および遊技釘が設けられている。
【0019】
特別図柄始動電動役物15には開閉部材が設けられており、この開閉部材が開放されると、特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞が容易となる。特別図柄始動電動役物15の開閉部材は、普通当たり判定によって当たりと判定されることで開放される。大入賞口16にも開閉部材が設けられており、この開閉部材が開放された場合のみ、遊技球が大入賞口16に入賞可能となる。大入賞口16の開閉部材は、大当たり判定によって当たりと判定されることで開放される。各開閉部材は、ソレノイドによって電気的に開放される。特別図柄始動電動役物15および大入賞口16に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が払い出される。
【0020】
図示しないが、パチンコ機1の背面側には、各種基板を備えた制御部が設けられている。制御部の各基板はCPU、RAM、ROM等を備えており、パチンコ機1の各種動作を制御する。例えば、主基板は、普通当たり判定、大当たり判定等を行い、パチンコ機1の主制御を司る。サブ制御基板は、主基板で行われた制御結果に基づいて、後述する右側縦移動モータ50、左側縦移動モータ90、および横移動モータ113を制御し、演出装置30による演出を実行させる。
【0021】
以下、演出装置30について説明する。まず、図3および図4を参照して、演出装置30の概要について説明する。図3の紙面左斜め手前側および図4の紙面手前側を、演出装置30の正面側とする。図3の紙面右斜め奥側および図4の紙面奥側を、演出装置30の背面側とする。図3および図4の左側を演出装置30の左側とし、図3および図4の右側を演出装置30の右側とする。
【0022】
演出装置30は、表示装置28(図1および図2参照)の表示領域を複数の領域に区画するための4つの区画体31〜34を備える。詳細には、演出装置30は、第一横区画体31、第二横区画体32、第一縦区画体33、および第二縦区画体34を備える。第一横区画体31および第二横区画体32(以下、これらをまとめて「横区画体31,32」という。)は、表示装置28よりも正面側に配置される棒状体であり、正面視で表示装置28の表示領域を上下方向に仕切ることができる。第一縦区画体33および第二縦区画体34(以下、これらをまとめて「縦区画体33,34」という。)は、表示装置28よりも正面側に配置される棒状体であり、正面視で表示装置28の表示領域を左右方向に仕切ることができる。
【0023】
2つの横区画体31,32のそれぞれは、表示領域の中央部を中心として上下対称に縦移動することができる。横区画体31,32が可動範囲内の原点範囲にある状態(図1〜図4に示す状態)では、表示装置28の表示領域は、横区画体31,32によって略均等に3行に区画される。原点範囲にあった横区画体31,32のそれぞれが、互いに離間する方向に対称移動すると、3行に区画された領域のうちの中央の領域の面積が広がる。その後、横区画体31,32のそれぞれが可動範囲内の終点位置に到達すると、横区画体31,32は表示装置28の表示領域の上方および下方に位置し、表示領域の横方向の区画が解除される。
【0024】
2つの縦区画体33,34のそれぞれは、表示領域の中央部を中心として左右対称に横移動することができる。縦区画体33,34が可動範囲内の原点範囲にある状態(図1〜図4に示す状態)では、表示装置28の表示領域は、縦区画体33,34によって略均等に3列に区画される。原点範囲にあった縦区画体33,34のそれぞれが、互いに離間する方向(外側)に対称移動すると、3列に区画された領域のうちの中央の領域の面積が広がる。その後、縦区画体33,34のそれぞれが可動範囲内の終点位置に到達すると(図13参照)、縦区画体33,34は表示装置28の表示領域の右方および左方に位置する。その結果、表示領域の縦方向の区画が解除される。
【0025】
通常の報知演出中は、4つの区画体31〜34はいずれも原点範囲に位置する。その結果、表示装置28の表示領域は格子状に9個の領域に区画され、区画された9個の領域のそれぞれにデモ図柄が表示される。格子状の領域のうち、縦、横、斜めの合計8つのラインの少なくともいずれかに同一の図柄が表示されると、大当たり遊技が開始されて多数の遊技球が払い出される。少なくともいずれかのラインにおいて、1番目に停止したデモ図柄と2番目に停止したデモ図柄とが同一の図柄となれば、所謂リーチ演出が実行される。リーチ演出では、パチンコ機1は、区画体31〜34を移動させて9個の領域のそれぞれの大きさを変化させることができる。さらに、パチンコ機1は、区画体31〜34の全てを終点位置に移動させて区画を解除し、表示領域全体でリーチ演出を行うこともできる。大当たり遊技が開始されると、パチンコ機1は区画を解除し、表示領域全体で大当たり遊技中の演出を実行する。
【0026】
さらに、演出装置30は、第一装飾体35および第二装飾体36(以下、これらをまとめて「装飾体35,36」という。)を備える。装飾体35,36は、正面視略矩形の縦長部材であり、装飾が施されている。装飾体35,36は、4つの区画体31〜34よりもさらに正面側に配置される。通常の報知演出中には、第一装飾体35は、矩形の表示領域のうち、右側縁部から所定範囲を遮蔽する。また、第二装飾体36は、表示領域のうち左側縁部から所定範囲を遮蔽する。縦区画体33,34が原点範囲から外側の終点位置に向かって所定距離移動すると、縦区画体33,34に設けられた接触部材120,121の爪部124,125(図10参照、詳細は後述する)が、装飾体35,36に接触する。接触部材120,121と装飾体35,36とが接触している間、装飾体35,36は縦区画体33,34と共に横移動する。よって、縦区画体33,34が終点位置に向かって移動すると、装飾体35,36は互いに離間するように移動し、表示装置28の表示領域の右方および左方に位置する。その結果、表示領域のうち遊技者が視認できる領域が広がり、遊技者の興趣を強く惹き付けることができる。
【0027】
演出装置30は、横区画体31,32を縦移動させるための縦移動ユニット40(図5参照)を備える。また、演出装置30は、縦区画体33,34および装飾体35,36を横移動させるための横移動ユニット110(図9参照)を備える。
【0028】
図4から図8を参照して、横区画体31,32を縦移動させるための縦移動ユニット40について説明する。図5に示すように、縦移動ユニット40は、演出装置30(図3および図4参照)の右側に設けられた右側縦移動機構41と、左側に設けられた左側縦移動機構81とを備える。右側縦移動機構41の要部と左側縦移動機構81の要部とは同一であり、横区画体31,32との間の接続の構造のみが異なる。よって、以下では右側縦移動機構41について重点的に説明し、左側縦移動機構81の説明は簡略化する。
【0029】
図6および図7に示すように、右側縦移動機構41は、合成樹脂製の支持板42を備える。支持板42は、上下方向に延びる略板状の部材であり、右側縦移動機構41の全体を支持する。図6に示すように、支持板42には、板面の略中心から上端部近傍へかけて上下方向に延びる長孔43が形成されている。第一横区画体31の右端部44に固定される第一ベルト接続部45は、図7に示すように、背面側(図6の左側)に突出する凸部46を有する。凸部46は長孔43に挿入される。凸部46が長孔43に摺動することで、第一横区画体31の縦移動がガイドされ、且つ第一横区画体31の可動範囲(つまり、後述するタイミングベルト60の回転量)が適切に規制される。
【0030】
図6から図8に示すように、右側縦移動機構41は、ステップモータである右側縦移動モータ50を備える。右側縦移動モータ50は、略円板状のモータブラケット51に固定され、モータブラケット51は支持板42の上端部に固定される。右側縦移動モータ50の出力軸52は後方へ延びてモータブラケット51を貫通し、駆動プーリ53に固定される。駆動プーリ53は出力軸52の回転に伴って回転する。駆動プーリ53の外周面には凹凸状の歯部が形成されている。また、図6および図7に示すように、右側縦移動機構41は、下端部近傍に従動プーリ54を備える。従動プーリ54には回転軸55が挿入されており、この回転軸55の後端はプーリ保持部材56に保持される。プーリ保持部材56は、上方へ突出する円柱部57を備えており、この円柱部57にはコイルバネ58が巻回されている。円柱部57は、下方が開放された箱状の形状を成す円柱部保持部材59に下方から挿入されており、円柱部保持部材59は支持板42の正面側下端部に固定される。つまり、支持板42、円柱部保持部材59、プーリ保持部材56、およびコイルバネ58は、従動プーリ54を下方(駆動プーリ53から離間する方向)へ付勢した状態で回転可能に保持する。
【0031】
駆動プーリ53および従動プーリ54には、無端状のタイミングベルト60が架け渡されている。タイミングベルト60の歯部は駆動プーリ53の歯部と噛み合うため、駆動プーリ53が回転するとタイミングベルト60も回転する。前述したように、従動プーリ54は下方へ付勢された状態で保持されているため、タイミングベルト60は適切なテンションが加えられた状態で駆動プーリ53および従動プーリ54に架け渡される。その結果、タイミングベルト60の歯部が駆動プーリ53の歯部から脱落して異なる歯間へ移動する現象(所謂「歯飛び」)が発生する可能性は低下する。
【0032】
図5および図6に示すように、右側縦移動機構41は縦移動ガイド軸63を備える。縦移動ガイド軸63は、支持板42の左上端から左下端へ上下方向に真っ直ぐに延びる。また、第一横区画体31の右端部44は、2つの螺子64,64によって第一ベルト接続部45に固定される。第一ベルト接続部45には縦移動ガイド軸63が貫通しているため、第一ベルト接続部45に固定された第一横区画体31の縦移動は、縦移動ガイド軸63によって適切に案内される。
【0033】
図5に示すように、第一ベルト接続部45の右端部は、タイミングベルト60のうち互いに対向する部分(右部61および左部62)の一方である右部61に接続される。換言すると、タイミングベルト60のうち、駆動プーリ53の右端から従動プーリ54の右端に延びる部分を右部61、駆動プーリ53の左端から従動プーリ54の左端に延びる部分を左部62とした場合に、第一ベルト接続部45は右部61に接続される。
【0034】
第二横区画体32の右端部65は、2つの螺子66によって第二ベルト接続部67に固定される。第二ベルト接続部67には縦移動ガイド軸63が貫通しているため、第二ベルト接続部67に固定された第二横区画体32の縦移動は、縦移動ガイド軸63によって適切に案内される。第二ベルト接続部67の右端部は、タイミングベルト60のうちの左部62に接続される。
【0035】
タイミングベルト60が左回りに回転すると、タイミングベルト60の右部61は上方へ移動し、左部62は下方へ移動する。従って、タイミングベルト60が左回りに回転すると、右部61に接続された第一横区画体31は上方へ移動し、左部62に接続された第二横区画体32は下方へ移動する。逆に、タイミングベルト60が右回りに回転すると、第一横区画体31は下方へ移動し、第二横区画体32は上方へ移動する。右部61と左部62の移動方向は反対であり、且つ移動量は同じであるため、第一横区画体31と第二横区画体32とは上下対称に移動することとなる。
【0036】
図4に示すように、右側縦移動機構41の上下方向中心部には、光学センサである右原点センサ68が配置されている。横区画体31,32が可動範囲内の原点範囲にある状態(図4に示す状態)では、第一ベルト接続部45の右下の端部から正面側に突出する被検出片47(図6参照)は、右原点センサ68の検出部に位置する。従って、パチンコ機1は、右原点センサ68が被検出片47を検出しているか否かによって、第一横区画体31の右端部44および第二横区画体32の右端部65が原点範囲内にあるか否かを検出することができる。
【0037】
また、図4に示すように、右原点センサ68よりもやや上方には、光学センサである右終点センサ69が配置されている。横区画体31,32が、可動範囲内の終点位置にある状態では、第一ベルト接続部45の被検出片47は、右終点センサ69の検出部に位置する。従って、パチンコ機1は、右終点センサ69が被検出片47を検出しているか否かによって、第一横区画体31の右端部44および第二横区画体32の右端部65が終点位置にあるか否かを検出することができる。
【0038】
駆動プーリ53を支持する構造について説明する。図8に示すように、駆動プーリ53の正面側(図8の右側)の中心には、右側縦移動モータ50の出力軸52が固定される。さらに、駆動プーリ53の背面側(図8の左側)の中心には、支持軸70が挿入される。つまり、駆動プーリ53の軸線上に出力軸52と支持軸70とが位置する。図6および図8に示すように、支持板42の上端部近傍には、円筒状の凹部である軸受け部71が形成されており、この軸受け部71には円筒状のブッシュ72が配置される。支持軸70の後端側がブッシュ72に挿入されることで、支持軸70は支持される。このように、駆動プーリ53の背面側には支持軸70が挿入されており、駆動プーリ53は支持軸70によって支持される。従って、タイミングベルト60から駆動プーリ53に伝わる力が出力軸52のみにかかることはなく、力は支持軸70にも分散される。よって、出力軸52にかかる力を減少させて、右側縦移動モータ50に脱調等の動作不良および故障が生じる可能性を低下させることができる。また、ギアを介して右側縦移動モータ50の回転を駆動プーリ53に伝える必要はない。従って、ギアを用いる場合に比べて容易にスペースを確保することができる。
【0039】
支持軸70は、駆動プーリ53に対して回転自在に配置される。さらに、支持軸70は、ブッシュ72に対して回転自在に配置される。従って、演出装置30は、駆動プーリ53の回転中に支持軸70に生じる摩擦力を低下させて、駆動プーリ53を円滑に回転させることができる。
【0040】
左側縦移動機構81について説明する。左側縦移動機構81の要部の構成は、右側縦移動機構41の構成と同一である。図5に示すように、左側縦移動機構81は、左側縦移動機構81の全体を支持する支持板82を備える。支持板82の上部には、左側縦移動モータ90がモータブラケット91を介して固定されている。左側縦移動モータ90の出力軸(図示せず)には駆動プーリ93が固定されている。駆動プーリ93の背面側は、右側縦移動機構41と同様に支持軸(図示せず)によって支持されている。支持板82の下部では、従動プーリ94がコイルバネ(図示せず)によって下方へ付勢された状態で保持されており、駆動プーリ93および従動プーリ94にはタイミングベルト100が架け渡されている。
【0041】
第一横区画体31の左端部84は、第一ベルト接続部85に固定される。第一ベルト接続部85には、上下方向に延びる縦移動ガイド軸103が貫通している。よって、第一横区画体31の縦移動は、縦移動ガイド軸103によって適切に案内される。タイミングベルト100のうち、駆動プーリ93の右端から従動プーリ94の右端に延びる部分を右部101、駆動プーリ93の左端から従動プーリ94の左端に延びる部分を左部102とした場合に、第一ベルト接続部85の左端部は左部102に接続される。また、第二横区画体32の左端部105は、第二ベルト接続部107に固定される。第二ベルト接続部107には縦移動ガイド軸103が貫通しているため、第二横区画体32は円滑に縦移動する。第二ベルト接続部107の左端部は、タイミングベルト100のうちの右部101に接続される。従って、タイミングベルト100が右回りに回転すると、第一横区画体31と第二横区画体32とは互いに離間する方向(終点位置へ向かう方向)に対称移動する。タイミングベルト100が左回りに回転すると、第一横区画体31と第二横区画体32とは互いに接近する方向(原点範囲に向かう方向)に対称移動する。
【0042】
また、図4に示すように、左側縦移動機構81の上下方向中心部には、左原点センサ108が配置されている。左原点センサ108は、第一横区画体31の左端部84および第二横区画体32の左端部105が原点範囲内にあるか否かを検出することができる。左原点センサ108よりもやや上方には、左終点センサ109が配置されている。左終点センサ109は、第一横区画体31の左端部84および第二横区画体32の左端部105が終点位置にあるか否かを検出することができる。
【0043】
以上のように、演出装置30は、2つの移動機構(右側縦移動機構41および左側縦移動機構81)によって、第一横区画体31の左右の端部を同一方向に同一速度で移動させる。また、演出装置30は、第二横区画体32の左右の端部を同一方向に同一速度で移動させる。従って、横区画体31,32のそれぞれ一方の端部をタイミングベルト60,100の一方に接続させる場合に比べて、横区画体31,32のそれぞれの荷重を分散させて負荷を低下させることができる。特に、本実施の形態のように、横区画体31,32を上下方向に移動させる場合には、演出装置30には大きな負荷がかかる。しかし、横区画体31,32のそれぞれの左右の端部を上下方向に移動させることで、横区画体31,32の荷重による負荷を分散させて円滑に演出を行うことができる。また、演出装置30では、タイミングベルト60,100を用いて横区画体31,32を移動させる。従って、螺旋状の溝またはリブを外周面に有する溝カム等を用いる場合に比べて、素早く横区画体31,32を移動させることができる。さらに、演出装置30では、横区画体31,32のそれぞれが、右側のタイミングベルト60の異なる部分に接続され、且つ左側のタイミングベルト100の異なる部分に接続される。これにより、演出装置30は、右側縦移動機構41および左側縦移動機構81に大きな負荷をかけることなく、2つの横区画体31,32に対称な動作を実行させることができる。従って、2つの横区画体31,32を対称に移動させる斬新な演出を、簡易な構成で円滑に実行することができる。
【0044】
図9から図11を参照して、縦区画体33,34および装飾体35,36を横移動させるための横移動ユニット110について説明する。図9に示すように、横移動ユニット110は、上部支持体111と下部支持体112とを備える。上部支持体111は、左右方向に延びる合成樹脂製の部材であり、横移動ユニット110の各種部材を上部で支持する。下部支持体112は、上部支持体111と平行に左右に延びる合成樹脂製の部材であり、縦区画体33,34および装飾体35,36の下部を支持しつつ横移動を案内する。
【0045】
横移動ユニット110は、ステップモータである横移動モータ113を備える。横移動モータ113は、上部支持体111の右端上部に固定される。横移動モータ113の出力軸(図示せず)は下方へ真っ直ぐに延び、駆動プーリ115に固定される。駆動プーリ115は、横移動モータ113の出力軸の回転に伴って回転する。駆動プーリ115の外周面には凹凸状の歯部が形成されている。また、駆動プーリ115の下側は、前述した右側縦移動機構41の駆動プーリ53と同様に、支持軸(図示せず)によって支持されている。よって、外力が出力軸に集中することがないため、駆動プーリ115にかかる負荷の影響を低下させることができる。
【0046】
横移動ユニット110は、左上端部に従動プーリ116を備える。従動プーリ116は、前述した右側縦移動機構41の従動プーリ54と同様に、図示しないプーリ保持部材、コイルバネ、および円柱部保持部材によって上部支持体111に保持されている。つまり、従動プーリは、左方(駆動プーリ115から離間する方向)へ付勢された状態で回転可能に保持されている。
【0047】
駆動プーリ115および従動プーリ116にはタイミングベルト117が架け渡されている。タイミングベルト117の歯部は駆動プーリ115の歯部と噛み合うため、駆動プーリ115が回転するとタイミングベルト117も回転する。前述したように、従動プーリ116は左方へ付勢された状態で保持されているため、タイミングベルト117は適切なテンションが加えられた状態で駆動プーリ115および従動プーリ116に架け渡される。その結果、歯飛びが発生する可能性が低下する。
【0048】
図10に示すように、第一縦区画体33の上端部には第一接触部材120が固定されている。第一接触部材120は、タイミングベルト117のうち互いに対向する部分(前部118および後部119)の一方である後部119に接続される。換言すると、タイミングベルト117のうち、駆動プーリ115の前端から従動プーリ116の前端に延びる部分を前部118、駆動プーリ115の後端から従動プーリ116の後端に延びる部分を後部119とした場合に、第一接触部材120は後部119に接続される。第一縦区画体33は第一接触部材120に固定されているため、第一縦区画体33は第一接触部材120を介して後部119に接続することになる。また、第二縦区画体34の上端部には、第二接触部材121が固定されている。第二接触部材121は、タイミングベルト117のうちの前部118に接続される。
【0049】
図11に示すように、横移動ユニット110は、第一横移動ガイド軸122および第二横移動ガイド軸123(以下、これらをまとめて「横移動ガイド軸122,123」という。)を上部に備える。第一横移動ガイド軸122および第二横移動ガイド軸123は、左右に平行に延びる。第一縦区画体33に固定された第一接触部材120には、第二横移動ガイド軸123が挿通されている。さらに、第一接触部材120には、正面側に突出する爪部124が形成されている。爪部124は、摺動可能な状態で第一横移動ガイド軸122を上下から挟み込むように配置されている。つまり、第一接触部材120の横移動は、2つの横移動ガイド軸122,123によって案内される。よって、第一接触部材120は、1つのガイド軸によって案内される場合に比べてより円滑に横移動することができる。また、第一接触部材120を1つのガイド軸によって案内する場合、第一接触部材120は、ガイド軸を中心として回転または揺動するおそれがある。本実施形態では、2つの横移動ガイド軸122,123によって第一接触部材120の横移動を案内することで、第一接触部材120が回転または揺動して不具合が生じることを防止することもできる。
【0050】
なお、第二縦区画体34に固定された第二接触部材121も、第一接触部材120と同様に、2つの横移動ガイド軸122,123によって案内される。つまり、第二接触部材121にも第二横移動ガイド軸123が挿通されており、第二接触部材121から正面側に突出する爪部125(図10参照)が第一横移動ガイド軸122に嵌まり合う。
【0051】
また、図9に示すように、下部支持体112の上面後部には、左右方向に延びる縦区画体ガイド溝126が形成されている。第一縦区画体33の下端部および第二縦区画体34の下端部は、縦区画体ガイド溝126に嵌まり込んで摺動する。従って、縦区画体33,34の下部の横移動は、縦区画体ガイド溝126によって適切に案内される。縦区画体ガイド溝126の左右方向の中心には、可動範囲規制ピン127が設けられている。2つの縦区画体33,34が互いに近づく方向に移動すると、第一縦区画体33の左下端部、および第二縦区画体34の右下端部が、可動範囲規制ピン127に接触する(図9に示す状態)。その結果、縦区画体33,34の可動範囲が適切に規制される。
【0052】
図10に示すように、第一装飾体35の上端部には、第一横移動ガイド軸122が挿通されている。さらに、第一装飾体35の上端部には第一補助ガイド部材128が固定されている。第一補助ガイド部材128は、第一装飾体35の上端部から左方へ延びる。第一補助ガイド部材128の左端部には、第一横移動ガイド軸122が挿通されている。つまり、第一装飾体35の横移動は、自身の上端部と第一補助ガイド部材128とによって適切に案内される。同様に、第二装飾体36の上端部には第一横移動ガイド軸122が挿通されており、且つ第二補助ガイド部材129が固定されている。第二補助ガイド部材129は、第二装飾体36の上端部から右方へ伸び、第二補助ガイド部材129の右端部には第一横移動ガイド軸122が挿通されている。第二装飾体36の横移動は、自身の上端部と第二補助ガイド部材129とによって適切に案内される。なお、上部支持体111の左右方向の中心には、図示しないピンが設けられている。第一装飾体35が左方へ移動すると、第一補助ガイド部材128の左端がピンに接触するため、第一装飾体35の移動量が適切に規制される。同様に、第二装飾体36が右方へ移動すると、第二補助ガイド部材129の右端がピンに接触するため、第二装飾体36の移動量は適切に規制される。
【0053】
第一横移動ガイド軸122には、右コイルバネ130および左コイルバネ131が巻回されている。右コイルバネ130は、第一横移動ガイド軸122の右端部に固定された右壁部141と、第一装飾体35の上端部との間に介在し、第一装飾体35を左方へ付勢する。左コイルバネ131は、第一横移動ガイド軸122の左端部に固定された左壁部142と、第二装飾体36の上端部との間に介在し、第二装飾体36を右方へ付勢する。
【0054】
上部支持体111の上端部における左右方向の中心には、光学センサである上原点センサ132が配置されている。縦区画体33,34が可動範囲内の原点範囲にある状態(図9および図10に示す状態)では、第一接触部材120の一部が上原点センサ132の検出部に位置する。従って、パチンコ機1は、上原点センサ132が第一接触部材120を検出しているか否かによって、縦区画体33,34が原点範囲内にあるか否かを検出することができる。また、上原点センサ132よりもやや右側には、上終点センサ133が配設されている。パチンコ機1は、上終点センサ133が第一接触部材120を検出しているか否かによって、縦区画体33,34が終点位置(図13に示す位置)にあるか否かを検出することができる。
【0055】
また、図9に示すように、下部支持体112には、上面右手前側に第一装飾体ガイド溝134が形成され、且つ上面左手前側に第二装飾体ガイド溝135が形成される。第一装飾体ガイド溝134および第二装飾体ガイド溝135は、共に左右方向に延びる。第一装飾体ガイド溝134には、第一装飾体35の下端部が嵌まり込んで摺動する。第二装飾体ガイド溝135には、第二装飾体36の下端部が嵌まり込んで摺動する。従って、装飾体35,36の下部の横移動は、第一装飾体ガイド溝134および第二装飾体ガイド溝135によって適切に案内される。
【0056】
図10、図12、および図13を参照して、縦区画体33,34および装飾体35,36の動作について説明する。図10に示すように、タイミングベルト117が平面視で右回り(時計回り)に回転すると、タイミングベルト117の後部119は右方へ移動し、前部118は左方へ移動する。従って、タイミングベルト117が平面視右回りに回転すると、後部119に接続された第一縦区画体33は右方へ移動し、前部118に接続された第二縦区画体34は左方へ移動する。前部118と後部119の移動方向は反対であり、且つ移動量は同じであるため、第一縦区画体33と第二縦区画体34とは左右対称に移動することとなる。つまり、1組の横移動モータ113およびタイミングベルト117のみを用いる簡易な構成で、2つの縦区画体33,34に対称な動作を実行させることができる。
【0057】
縦区画体33,34が原点範囲から所定距離内にある場合、装飾体35,36は、コイルバネ130,131によって内側に付勢された状態で静止している。よって、この状態では、表示装置28(図1および図2参照)の表示領域のうち左右の端部から所定範囲内は、装飾体35,36によって遮蔽された状態となっている。
【0058】
縦区画体33,34が互いに離間する方向(外側)へ移動を続けると、第一接触部材120の爪部124が第一装飾体35の上端部左側に接触し、且つ第二接触部材121の爪部125が第二装飾体36の上端部右側に接触する。図12に、離間していた爪部124,125と装飾体35,36とが接触した状態(縦区画体33,34が本発明における「第三位置」にある状態)を示す。縦区画体33,34がさらに外側へ移動を続けると、爪部124,125と装飾体35,36とが接触しているため、装飾体35,36は縦区画体33,34と共に外側に移動する。図13に、縦区画体33,34が終点位置に達した状態を示す。縦区画体33,34が終点位置に達すると、装飾体35,36も最も外側に達し、表示装置28(図1および図2参照)の表示領域の全体を正面側から視認できる状態となる。
【0059】
逆に、縦区画体33,34が終点位置から原点位置へ向かって移動すると、爪部124,125と装飾体35,36とが接触している間は、装飾体35,36もコイルバネ130,131の付勢力によって内側へ移動する。爪部124,125と装飾体35,36とが離間すると、装飾体35,36は静止し、縦区画体33,34のみが内側へ移動を続ける。
【0060】
以上説明したように、本実施の形態に係る演出装置30は、横移動モータ113を駆動させるだけで縦区画体33,34を移動させることができる。さらに、爪部124,125と装飾体35,36とが接触している間、演出装置30は、横移動モータ113を駆動させるだけで、縦区画体33,34と装飾体35,36とを共に移動させることができる。従って、演出装置30は、複数の部材を移動させる斬新な演出を、簡素な構成で実行することができる。
【0061】
装飾体35,36の横移動を案内する第一横移動ガイド軸122は、縦区画体33,34に固定された接触部材120,121の横移動も案内することができる。よって、演出装置30は、複数の部材をより簡素な構成で円滑に移動させることができる。また、演出装置30は、第一横移動ガイド軸122と平行な方向に延びる第二横移動ガイド軸123を備える。接触部材120,121のそれぞれは、2つの横移動ガイド軸122,123にガイドされる。従って、接触部材120,121に固定された縦区画体33,34は、より円滑に移動することができる。さらに、ガイド軸が1つである場合とは異なり、縦区画体33,34がガイド軸を中心に揺動して不具合が生じることを防止することができる。
【0062】
演出装置30は、横移動モータ113、駆動プーリ115、従動プーリ116、およびタイミングベルト117を備えている。演出装置30は、タイミングベルト117を用いることで、螺旋状の溝またはリブを外周面に有する溝カム等を用いる場合に比べて素早く縦区画体33,34および装飾体35,36を移動させることができる。
【0063】
また、第一縦区画体33は、第一接触部材120を介してタイミングベルト117の後部119に接続する。第二縦区画体34は、第二接触部材121を介してタイミングベルト117の前部118に接続する。よって、タイミングベルト117を回転させるだけで、第一縦区画体33と第二縦区画体34とを対称移動させることができる。さらに、爪部124,125と装飾体35,36とが接触している間、縦区画体33,34だけでなく、第一装飾体35および第二装飾体36も対称移動させることができる。従って、演出装置30は、1つの動力のみを用いて4つの部材に斬新な動作を実行させることができる。
【0064】
なお、本実施の形態における横移動モータ113が本発明の「モータ」に相当する。第一縦区画体33が「第一主移動体」に相当し、第二縦区画体34が「第二主移動体」に相当する。縦区画体33,34の可動範囲内における原点範囲が本発明の「第一位置」に相当し、終点位置が「第二位置」に相当する。第一横移動ガイド軸122が「ガイド部材」に相当する。第一装飾体35が「第一副移動体」に相当し、第二装飾体36が「第二副移動体」に相当する。右コイルバネ130および左コイルバネ131が「付勢手段」に相当する。接触部材120,121の爪部124,125と装飾体35,36とが接触する瞬間の縦区画体33,34の位置が、本発明の「第三位置」に相当する。第二補助ガイド部材129が「補助ガイド部材」に相当する。タイミングベルト117が本発明の「ベルト」に相当する。
【0065】
本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。本実施の形態では、区画体31〜34を移動させるためのモータとしてステップモータが用いられている。しかし、本発明によれば、ステップモータ以外のモータを用いる場合でも、縦区画体33,34と装飾体35,36とを移動させる斬新な演出を簡易な構成で実現できる。タイミングベルト60,100,117の代わりにVベルト等の他のベルトを用いることも可能である。
【0066】
上記実施の形態の演出装置30は、縦区画体33,34と装飾体35,36とを左右方向(横方向)に移動させる。しかし、移動体の移動方向は左右方向に限られないことは言うまでもなく、上下方向、斜め方向に移動させる場合でも本発明は適用できる。また、上記実施の形態の演出装置30は、縦区画体33,34の上端部のみをタイミングベルト117に接続している。しかし、縦区画体33,34の2箇所以上をベルト等に接続させて移動させてもよい。例えば、横移動モータ113およびタイミングベルト117と同様の構成を演出装置30の下部に配置し、縦区画体33,34の下端部をベルトに接続して、縦区画体33,34の上下2箇所を平行に移動させてもよい。また、上記実施の形態では、装飾体35,36を付勢するコイルバネ130,131は装飾体35,36の上端部1箇所に設けられている。しかし、付勢手段の位置、個数等は適宜変更できる。付勢手段はコイルバネに限られず、板バネ等の他の付勢手段を用いてもよい。
【0067】
上記実施の形態では、区画体31〜34の移動をガイドするガイド部材として、円柱状の軸である縦移動ガイド軸63,103、第一横移動ガイド軸122、および第二横移動ガイド軸123が用いられている。しかし、溝部、リブ、角柱等をガイド部材として用いることも可能である。
【0068】
上記実施の形態の演出装置30は、タイミングベルト60,100,117を用いることで、区画体31〜34および装飾体35,36を素早く移動させることができる。しかし、タイミングベルトの代わりに溝カム等を用いる演出装置に対しても、本発明は適用できる。
【0069】
上記実施の形態では、縦区画体33,34および装飾体35,36の横移動をガイドするために、2つのガイド部材(第一横移動ガイド軸122および第二横移動ガイド軸123)が設けられている。しかし、横移動をガイドするためのガイド軸が1つであっても本発明は実現可能である。また、上記実施の形態では、接触部材120,121の移動を2つのガイド部材によって案内することで、接触部材120,121が揺動することを防止しつつ、接触部材120,121を円滑に移動させる。しかし、接触部材120,121の移動を1つのガイド部材で行うことも可能である。接触部材120,121の移動と装飾体35,36の移動とを、異なるガイド部材で案内してもよい。第一接触部材120の移動と第二接触部材121の移動とを、異なるガイド部材で案内してもよい。
【0070】
支持軸70に生じる摩擦を考慮すると、支持軸70は、駆動プーリ53および軸受け部71に対して回転自在に配置されることが望ましい。しかし、支持軸70は、駆動プーリ53および軸受け部71のいずれか一方に固定することも可能である。また、上記実施の形態では、従動プーリ54を駆動プーリ53から離間する方向に付勢することで、歯飛びが生じる可能性を低下させている。しかし、本発明は、従動プーリ54を付勢する付勢手段を備えていない演出装置にも適用できる。
【符号の説明】
【0071】
1 パチンコ機
30 演出装置
31 第一横区画体
32 第二横区画体
33 第一縦区画体
34 第二縦区画体
35 第一装飾体
36 第二装飾体
40 縦移動ユニット
41 右側縦移動機構
50 右側縦移動モータ
52 出力軸
53 駆動プーリ
54 従動プーリ
60 タイミングベルト
70 支持軸
71 軸受け部
72 ブッシュ
81 左側縦移動機構
90 左側縦移動モータ
93 駆動プーリ
94 従動プーリ
100 タイミングベルト
110 横移動ユニット
113 横移動モータ
115 駆動プーリ
116 従動プーリ
117 タイミングベルト
118 前部
119 後部
120 第一接触部材
121 第二接触部材
122 第一横移動ガイド軸
123 第二横移動ガイド軸
124 爪部
125 爪部
130 右コイルバネ
131 左コイルバネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、
前記モータが駆動することによって、所定の第一位置と第二位置との間を直線状に往復移動する主移動体と、
前記主移動体の移動方向と平行な方向に延びるガイド部材と、
前記ガイド部材にガイドされて前記移動方向と平行な方向に往復移動することが可能な副移動体と、
前記副移動体を、前記移動方向と平行な一方向に付勢する付勢手段と、
前記主移動体が前記第一位置から前記第一位置と前記第二位置との間の第三位置までの間に位置している場合に前記副移動体から離間し、且つ、前記主移動体が前記第三位置から前記第二位置までの間に位置している場合に前記副移動体に接触する接触部材とを備え、
前記副移動体は、
前記接触部材と離間している場合に、前記付勢手段による付勢力によって付勢された状態で停止し、
前記接触部材と接触している場合に、前記主移動体と共に前記移動方向に沿って移動することを特徴とする演出装置。
【請求項2】
前記接触部材は、前記主移動体に固定され、且つ、摺動可能な状態で前記ガイド部材に嵌まり合うことを特徴とする請求項1に記載の演出装置。
【請求項3】
前記ガイド部材と平行な方向に延び、前記主移動体の往復移動を案内する補助ガイド部材をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載の演出装置。
【請求項4】
前記モータの動力によって軸回りに回転する駆動プーリと、
前記駆動プーリに架け渡され、前記移動方向と平行に延びるベルトと、
前記ベルトのうち前記駆動プーリに架け渡される側の反対側が架け渡される従動プーリとをさらに備え、
前記主移動体が前記ベルトに固定されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の演出装置。
【請求項5】
前記主移動体は、第一主移動体と第二主移動体とを含み、
前記第一移動体および前記第二移動体のそれぞれは、前記ベルトのうち前記駆動プーリと前記従動プーリとの間で互いに対向する一対の部分の各々に別々に接続し、
前記副移動体は、第一副移動体と第二副移動体とを含み
前記接触部材は、前記第一主移動体と共に移動して前記第一副移動体に接触する第一接触部材と、前記第二主移動体と共に移動して前記第二副移動体に接触する第二接触部材とを含むことを特徴とする請求項4に記載の演出装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の演出装置を備えた遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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