説明

潜熱回収型給湯器

【課題】潜熱熱交換室と連通し、潜熱熱交換室内の燃焼排気を排出するための排気筒が外部に開放している潜熱回収型給湯器において、前記排気筒から冷気が流入しても、潜熱熱交換室の吸熱パイプ群内の水の凍結を確実に防止する。
【解決手段】被加熱流体が流れる吸熱パイプ群12aが潜熱熱交換室12内に収容されており、潜熱熱交換室12は燃焼排気が送り込まれる排気入口40と、燃焼排気を外部へ排出する排気出口50とを有する。排気出口50は排気筒31と連通しており、排気出口50から排出される燃焼排気は、排気案内板25によって形成される幅狭な排気通路Raを通った後、排気筒31から外気へ放出される。排気通路Rの最下流部を形成するケーシング22の構成壁には、排気案内板25,27によって狭められた幅狭の排気通路Ra内の空気を暖める加熱装置Hが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潜熱熱交換室を備えた潜熱回収型給湯器の凍結防止に関する。
【背景技術】
【0002】
図3に示すように、コンデンシング形式の給湯器として、例えば、器具本体100内に燃焼室110、顕熱熱交換室111及び潜熱熱交換室112が配設され、この器具本体100の上部に給排気筒として排気筒131と給気筒132とからなる二重管130が突設されたものがある。
【0003】
燃焼室110内にはガス供給管113と接続されたガスバーナ119が配設され、燃焼室110の下板には給気ファン114が設けられている。顕熱熱交換室111には吸熱パイプ群111aが設けられ、潜熱熱交換室112には吸熱パイプ群112aが設けられている。潜熱熱交換室112の吸熱パイプ群112aの上流端には給水管117が接続され、吸熱パイプ群112aの下流端には顕熱熱交換室111の吸熱パイプ群111aの上流端が接続されている。吸熱パイプ群111aの下流端には出湯管118が接続されている。
【0004】
潜熱熱交換室112は、ドレン受け板160とケーシング102の構成壁との間に形成する排気入口140と、排気筒131が連接されたケーシング102の上部構成壁に形成する排気出口150とを有している。これにより、潜熱熱交換室112の内部には、顕熱熱交換室111内で顕熱が回収された後の燃焼排気が排気入口140から潜熱熱交換室112に供給され、潜熱熱交換室112内で潜熱が回収された後の燃焼排気が排気出口150を介して排気筒131に排出される排気通路が形成される。
【0005】
そして、給水管117からの冷水は、吸熱パイプ群112a及び吸熱パイプ群111aを通過する間に、潜熱熱交換室112及び顕熱熱交換室111で熱交換加熱されて温水となり、出湯管118から浴室や台所等のカラン等へ温水供給される。
【0006】
ところで、前記のような潜熱回収型給湯器は、非運転状態において、吸熱パイプ群111a,112a内に水が滞留するため、冬季において、吸熱パイプ群111a,112a内の水が凍結して器具が損傷する場合がある。この場合、排気筒131から冷気が侵入し、排気筒131と連通している潜熱熱交換室112の排気出口150に近接する吸熱パイプ群112aが最も冷却され得る。そのため、吸熱パイプ群112aに凍結防止のための加熱装置を配設することが好ましいが、潜熱熱交換室112内では、ドレンが生成するため、吸熱パイプ群112aに加熱装置を直接配設することができない。
【0007】
そこで、従来の潜熱回収型給湯器では、例えば、顕熱熱交換室111の吸熱パイプ群111aに加熱装置Haを配設して吸熱パイプ群111aを加熱し、吸熱パイプ群111aから吸熱パイプ群112aへ伝熱することにより、吸熱パイプ群111a,112a内に滞留した水の凍結を防いでいる(例えば、特許文献2)。
また、従来の他の潜熱回収型給湯器では、潜熱熱交換室のケーシングの壁部の外面部に加熱装置となるヒータを設け、潜熱熱交換室の吸熱パイプ群の支持体を、ケーシングの壁部のうちヒータによって加熱される箇所に一部分が接触し且つ他の一部分が吸熱パイプ群に接触する熱伝導部材として構成している(特許文献1)。これによれば、ヒータの熱がケーシングの壁部から支持体、支持体から吸熱パイプ群へ伝熱されることにより、潜熱熱交換室の吸熱パイプ群内に滞留した水の凍結を防ぐようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−151473号公報
【0009】
【特許文献2】特開2006−46866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、前者の従来の潜熱回収型給湯器(特許文献2)では、顕熱熱交換室111内の吸熱パイプ群111aから潜熱熱交換室112の排気出口150に近接する吸熱パイプ群112aまでは相当の距離があり、また加熱装置Haによる加熱は局所的なものに過ぎない。そのため、吸熱パイプ群111aに加熱装置Haを設けても、潜熱熱交換室112の排気出口150に近接する吸熱パイプ群112aに熱が伝熱するまで長時間を必要とし、吸熱パイプ群112a内の水の凍結を確実に防止することが困難であった。
【0011】
また、後者の従来の潜熱回収型給湯器(特許文献1)でも、ケーシングの壁部から支持体、この支持体からケーシング内の吸熱パイプ群へ伝熱させているので、潜熱熱交換室の排気出口に近接する吸熱パイプ群に熱が伝熱するまで長時間を必要とし、吸熱パイプ群内の水の凍結を確実に防止することが困難であった。
【0012】
特に、寒冷地においては、冬季に外気温がマイナス30度になることも珍しくない。従って、そのような寒冷地において、排気筒131に外気が逆流して潜熱熱交換室112に冷気が入り込んでしまう場合には、潜熱熱交換室112内の温度が急激、且つ著しく低下するため、加熱装置で局所的に加熱するだけでは、吸熱パイプ群112a内の水の凍結を防止することは困難であった。
【0013】
本発明は前記事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、潜熱熱交換室と連通し、潜熱熱交換室内の燃焼排気を排出するための排気筒が外部に開放している潜熱回収型給湯器において、前記排気筒から冷気が流入しても、潜熱熱交換室の吸熱パイプ群内の水の凍結を確実に防止できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る潜熱回収型給湯器は、
燃焼排気が供給される排気入口と前記燃焼排気が排気される排気出口とを有するケーシング、及び前記ケーシング内に設けられて前記排気入口と前記排気出口との間で形成される排気通路を前記燃焼排気が通過することにより前記燃焼排気との間で熱交換が行なわれる吸熱パイプ群を有する潜熱熱交換室と、
前記排気出口と連通し、前記排気出口から外部に前記燃焼排気を排気する排気筒とを備えた潜熱回収型給湯器であって、
前記潜熱熱交換室は、前記排気通路の最下流部である排気出口の近傍で前記排気通路を狭める排気案内板と、前記排気案内板によって狭められた幅狭の排気通路内の空気を暖めるため前記排気通路の最下流部を形成するケーシングの構成壁に設けた加熱装置とを有するものである。
【0015】
前記構成により、幅狭の排気通路内で効率的に排気筒から侵入してくる冷気を加熱することができる。これにより、冬季において、潜熱熱交換室と連通している排気筒から冷気が逆流することがあっても、加熱装置によって暖められた空気が潜熱熱交換室に侵入するため、最も凍結しやすい潜熱熱交換室の排気出口に近接する吸熱パイプ群内の水の凍結を防止することができる。
【0016】
前記潜熱回収型給湯器において、前記加熱装置は、前記ケーシングの構成壁の外面の幅方向略全域に渡って設置されていることが好ましい。
これによれば、前記加熱装置によって幅狭の排気通路内全体の空気を均一に暖めることができる。また、加熱装置が潜熱熱交換室を形成するケーシングの構成壁の外面に取り付けられているから、加熱装置が潜熱熱交換室内で生成されるドレンの影響を受けるおそれもない。
【0017】
前記潜熱回収型給湯器において、前記幅狭の排気通路内に排気整流板をさらに有し、前記加熱装置は、前記排気整流板によって狭められた幅狭の排気通路内の空気を暖める構成とすることが好ましい。
これによれば、排気整流板によってさらに狭められた幅狭の排気通路内の空気を暖めることができるから、より効率的に排気筒から侵入する冷気を加熱することができる。
【0018】
前記潜熱回収型給湯器において、前記排気筒は、前記排気筒内の温度を検知するための温度検知手段をさらに有し、前記加熱装置は、前記温度検知手段で検知された温度が所定の凍結防止温度以下になった場合に前記幅狭の排気通路内の空気を暖める構成とすることが好ましい。
これによれば、潜熱熱交換室と連通する排気筒の内部に温度検知手段が設けられており、前記温度検知手段で検知された温度が所定の凍結防止温度以下になった場合に、前記加熱装置が幅狭の排気通路内の空気を暖めるから、最も凍結しやすい潜熱熱交換室の排気出口に近接する吸熱パイプ群を冷却する冷気の温度を確実に検知することができ、それによって排気通路内に侵入する冷気を迅速、且つ確実に加熱することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明によれば、冬季において、外部に露出している排気筒から冷気が侵入しても、該冷気は排気通路の最下流部に形成された幅狭の排気通路内で加熱装置によって効率的に加熱される。これにより、最も凍結しやすい潜熱熱交換室の排気出口に近接する吸熱パイプ群の冷却を防止することができる。よって、寒冷地にて極端に温度が低下した外気が排気筒内に逆流して来ても、潜熱熱交換室内の吸熱パイプ群内の水の凍結を確実に防止することができ、器具の損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態の潜熱回収型給湯器の一例を示す概略正面図である。
【図2】本発明の実施の形態の潜熱回収型給湯器の一例を示す概略縦断面図である。
【図3】従来の潜熱回収型給湯器を示す概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本実施の形態の潜熱回収型給湯器について、給気ファンの作動により屋外の外気を給気して、ガスバーナで燃焼された燃焼排気を屋外に排出する強制給排気式(FF式)の給湯器を例に挙げて説明する。図1は、本実施の形態の潜熱回収型給湯器の一例を示す概略正面図であり、図2は、図1の概略縦断面図である。この潜熱回収型給湯器は、室内設置型の強制給排気式(FF式)の給湯器であり、図1及び図2に示すように、器具本体1は、屋内の内壁4などに取り付けられており、器具本体1の上方からは、給排気筒を構成する排気筒31と給気筒32とからなる二重管30が突設され、この二重管30の開放端(図示せず)は、内壁4を貫通して屋外に開放されている。二重管30の排気筒31が内筒であり、給気筒32が外筒であり、排気筒31の内側面には、排気筒31内の雰囲気温度を検知するための温度検知手段として温度センサ33が配設されている。この温度センサ33は、図示しない制御装置と接続されており、制御装置により排気筒31内の温度がモニタされている。そして、制御装置は、温度センサ33の検知温度が凍結防止温度(例えば、4℃)以下となった場合に後述するヒータHを作動させ、その後、温度センサ33の検知温度が停止温度(例えば、7℃)となるとヒータHを作動停止させる。
【0022】
器具本体1内には、下方から順に、燃焼室10、顕熱熱交換室11、及び潜熱熱交換室12が収容されている。排気筒31は潜熱熱交換室12に連通すると共に、給気筒32は、燃焼室10、顕熱熱交換室11、及び潜熱熱交換室12の周壁を形成するケーシング20,21,22と器具本体1との間の空間16に連通している。また、燃焼室10の下方には、給気筒32から器具本体1内に燃焼用空気を取り込み、取り込まれた燃焼用空気を燃焼室10内に供給するための給気ファン14が取り付けられている。顕熱熱交換室11及び潜熱熱交換室12の内部にはそれぞれ、銅製の吸熱パイプ群11aと、耐食性を有するステンレス製の吸熱パイプ群12aとが収容されている。そして、吸熱パイプ群12aの上流端は給水管17と、吸熱パイプ群12aの下流端は吸熱パイプ群11aの上流端と接続され、吸熱パイプ群11aの下流端は図示しないカランなどの給湯端末を有する出湯管18と接続されている。さらに、潜熱熱交換室12の底部には、潜熱熱交換室12内で燃焼排気から潜熱が吸収されるときに生成するドレンを回収するためのドレン受け板60が配設されている。このドレン受け板60は、ケーシング22の前壁22aに向かって降下するように形成されている。また、ドレン受け板60の降下端には、溝状のドレン受け61が設置されている。これにより、潜熱熱交換室12内で発生し、吸熱パイプ群12aに付着したドレンは、ドレン受け板60上に滴下した後、前壁22a側へ流されてドレン受け61に集められ、ドレン排出管62を介してドレン中和室63内に回収される。そして、ドレンは、ドレン中和室63内で中和処理された後、器具本体1の外へ排出される。
【0023】
図2を参照して、ドレン受け板60の上昇端とケーシング22の後壁22bとの間には、顕熱熱交換室11から潜熱熱交換室12へ燃焼排気を送り込むための排気入口40が開口されている。また、ケーシング22の前壁22aの上部は、後壁22b側へ折り曲げられた第1排気案内板27が形成され、また、ケーシング22の上壁22cの前部は、前壁22aに向かって降下して前壁22aの第1排気案内板27の下方へ潜り込ませてその先端部と前壁22aとの間に隙間を設けた第2排気案内板25が形成されている。この第1排気案内板27の先端部と第2排気案内板25の基端部とにより燃焼排気を排気するための排気出口50が開口されており、排気出口50が排気筒31と連通されている。これにより、潜熱熱交換室12の排気出口50近傍では、第1排気案内板27と第2排気案内板25との間で排気通路が狭められて潜熱熱交換室12内の排気通路Rの最下流部に幅狭の排気通路Raが形成される。従って、潜熱熱交換室12と排気筒31とは、比較的上下幅の狭い幅狭の排気通路Raを介して連通されており、この幅狭の排気通路Raを通って燃焼排気が排気筒31から外部へ排出される。また、第2排気案内板25には、排気時に燃焼排気を整流するための排気整流板26が第2排気案内板25から第1排気案内板27に向かって垂設されており、この排気整流板26と第1排気案内板27との間でさらに排気通路Raが狭められている。そして、幅狭の排気通路Ra内の空気を暖めるための加熱装置であるヒータHが、その加熱面が幅狭の排気通路Raに向かうように、幅狭の排気通路Raの一部を構成する第1排気案内板27の外面に配設されている。このヒータHは、図1に示すように、横方向に3つ並べて設置されている。そして、ヒータHは、図示しない制御装置と接続されており、既述した排気筒31内の温度センサ33で検知される温度が凍結防止温度以下となった場合、制御装置からの信号によってヒータHがオンされて、幅狭の排気通路Raの一部を構成する第1排気案内板27を横方向略全域に渡って加熱する。
【0024】
この潜熱回収型給湯器では、使用者がカラン(図示せず)を開けると、給水管17への給水が開始される。そして、水量センサSが水流を検知すると、給気ファン14が作動して、図2の破線矢印に示すように、給気筒32から外気が空間16内へ取り込まれ、燃焼室10内に燃焼用空気が送り込まれる。これにより、燃焼室10内のガスバーナ19が燃焼し、燃焼排気が生成され、給気ファン14によって燃焼排気が上方の顕熱熱交換室11、さらには、潜熱熱交換室12に送られる。
【0025】
顕熱熱交換室11に燃焼排気が送り込まれると、燃焼排気が顕熱熱交換室11を通過する間に燃焼排気と吸熱パイプ群11aとの間で熱交換が行なわれ、顕熱が回収される。また、顕熱熱交換室11で顕熱が回収され燃焼排気は、さらに潜熱熱交換室12の排気入口40から潜熱熱交換室12内に供給され、燃焼排気が吸熱パイプ群12a間及び吸熱パイプ群12aとケーシング22の構成壁とによって形成される排気通路Rを経由して排気出口50から排気される間に燃焼排気と吸熱パイプ群12aとの間で熱交換が行なわれ、潜熱が回収される。このように、燃焼排気は、その顕熱を顕熱熱交換室11の吸熱パイプ群11a、さらには、潜熱を潜熱熱交換室12の吸熱パイプ群12aに与えることによって、顕熱熱交換室11の吸熱パイプ群11a、及び潜熱熱交換室12の吸熱パイプ群12aが加熱され、吸熱パイプ群11a,12a内を流れる水が温水となってカラン等の給湯端末から温水が出湯される。
【0026】
前記給湯器は、室内設置型ではあるが、排気筒31は給気筒32と共に、外気に開放しているため、非運転時には、排気筒31及び給気筒32内の空気は外気温の影響を直接受ける。このため、冬季において、外気温が低下した場合、冷気が排気筒31から侵入し、排気筒31と連通している排気出口50から潜熱熱交換室12に入り込み、排気出口50に近接する吸熱パイプ群12aを冷却して、吸熱パイプ群12a内の水が凍結しやすくなる。特に、室内で換気扇や暖房の使用することにより器具本体1内が負圧になったり、外気が排気筒31に吹き込んできたりする場合には、図2の実線矢印に示すように、排気筒31を外気Cが逆流し、それによって排気筒31内の雰囲気温度が低下し、潜熱熱交換室12内の吸熱パイプ群12aが冷却され得る。
【0027】
ところが、前記本実施の形態の潜熱回収型給湯器では、潜熱熱交換室12には排気通路Rの最下流部である排気出口50の近傍で排気通路Rを狭める第1排気案内板27及び第2排気案内板25が設けられ、この幅狭の排気通路Rの最下流部を形成する前壁22aの第1排気案内板27の外面には幅方向略全域に渡ってヒータHが設けられている。そして、このヒータHは、排気筒31内に設けられた温度センサ33で検知される温度が凍結防止温度以下になった際に作動するから、排気筒31から排気出口50を介して冷気が潜熱熱交換室12に侵入してきても、ヒータHによって幅狭の排気通路Raが加熱され、この幅狭の排気通路Ra内の冷気を効率的に加熱することができる。特に、前記ヒータHの加熱面は、排気整流板26によってさらに狭められた幅狭の排気通路Raに向かっているから、排気整流板26と第1排気案内板27との間を冷気が通過する際に、この冷気を加熱することができる。よって、排気筒31内に冷気が逆流して来ても、冷気は幅狭の排気通路Raを通過する時点でヒータHによって加熱されて暖かい空気となるから、潜熱熱交換室12の吸熱パイプ群12a内の水の凍結を防止することができる。そして、ヒータHは、潜熱熱交換室12を形成するケーシング22の前壁22aの第1排気案内板27の外面に取り付けられているから、ヒータHが潜熱熱交換室12内で生成されるドレンの影響を受けるおそれがない。
【0028】
(その他の実施の形態)
(1)前記実施の形態では、温度検知手段である温度センサ33は排気筒31内に設けられているが、その配設位置は特に限定されない。例えば、前記強制給排気式の給湯器では、外部から燃焼用空気を給気するため給気筒32も外部と連通しているため、給気筒32内に温度検知手段を設けてもよい。
【0029】
(2)前記実施の形態では、ヒータHは、潜熱熱交換室12を形成するケーシング22の前壁22aの第1排気案内板27に設けられているが、排気通路Rの最下流部を形成するケーシングの構成壁に設けられていれば、その配設位置は特に限定されない。例えば、加熱装置となるヒータHは、ケーシング22の上壁22cの第2排気案内板25の外面に設けられてもよい。また、加熱装置となるヒータHは、ケーシング22の構成壁である前壁22aと上壁22cの両方に設けられてもよい。
【0030】
(3)前記実施の形態では、排気筒31と給気筒32とからなる二重管30が設けられているが、排気筒31と給気筒32とが別個に突設されている2本管を使用してもよい。また、本発明は、FF式の給湯器に限定されず、潜熱熱交換室が排気筒を通して外気で冷却され得る給湯器に適用することができる。
【符号の説明】
【0031】
10 燃焼室
11 顕熱熱交換室
12 潜熱熱交換室
12a 吸熱パイプ群
14 送風ファン
22 ケーシング
22a 構成壁(前壁)
25 第2排気案内板
26 排気整流板
27 第1排気案内板
31 排気筒
33 温度センサ
50 排気出口
40 排気入口
H 加熱装置(ヒータ)
R 排気通路
Ra 幅狭の排気通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼排気が供給される排気入口と前記燃焼排気が排気される排気出口とを有するケーシング、及び前記ケーシング内に設けられて前記排気入口と前記排気出口との間で形成される排気通路を前記燃焼排気が通過することにより前記燃焼排気との間で熱交換が行なわれる吸熱パイプ群を有する潜熱熱交換室と、
前記排気出口と連通し、前記排気出口から外部に前記燃焼排気を排気する排気筒とを備えた潜熱回収型給湯器であって、
前記潜熱熱交換室は、前記排気通路の最下流部である排気出口の近傍で前記排気通路を狭める排気案内板と、前記排気案内板によって狭められた幅狭の排気通路内の空気を暖めるため前記排気通路の最下流部を形成するケーシングの構成壁に設けた加熱装置とを有する潜熱回収型給湯器。
【請求項2】
請求項1に記載の潜熱回収型給湯器において、
前記加熱装置は、前記ケーシングの構成壁の外面の幅方向略全域に渡って設置されている潜熱回収型給湯器。
【請求項3】
請求項1に記載の潜熱回収型給湯器において、
前記幅狭の排気通路内に排気整流板をさらに有し、
前記加熱装置は、前記排気整流板によって狭められた幅狭の排気通路内の空気を暖める構成とする潜熱回収型給湯器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の潜熱回収型給湯器において、
前記排気筒は、前記排気筒内の温度を検知するための温度検知手段をさらに有し、
前記加熱装置は、前記温度検知手段で検知された温度が所定の凍結防止温度以下になった場合に前記幅狭の排気通路内の空気を暖める構成とする潜熱回収型給湯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−281495(P2010−281495A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−134788(P2009−134788)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(000115854)リンナイ株式会社 (1,534)
【Fターム(参考)】