説明

潤滑油組成物および自動変速機の作動方法

【課題】広い滑り速度範囲で高い摩擦係数を示し、かつ実用的に充分なレベルの長期間のシャダー防止機能の維持を可能にする、特に自動変速機用潤滑油として有用性の高い潤滑油組成物およびその潤滑油組成物を用いる自動変速機の作動方法を提供する。
【解決手段】β位に分岐構造を有する2−アルケニル基で置換された無水コハク酸とアルキレンポリアミンとを反応させて得られるビス型のアルケニル置換コハク酸、または該アルケニル置換コハク酸を後処理して得られるアルケニル置換コハク酸誘導体からなる摩擦調整剤を含む潤滑油組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い摩擦係数を示し、かつ耐シャダー性も優れた潤滑油組成物、特に、自動変速機用の潤滑油として有用性の高い潤滑油組成物に関する。本発明はまた、上記潤滑油組成物を用いる自動変速機の作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車に搭載されているトルクコンバータ、歯車機構、湿式クラッチ、そして油圧機構を備える自動変速機(例えば、ステップもしくは無段の自動変速機、およびデュアルクラッチ変速機)の円滑な作動を助けるために自動変速機油と呼ばれる潤滑油が用いられている。近年の自動車では、省燃費機能の向上が図られており、自動変速機についても、省燃費のための小型化や軽量化が進められている。そして、自動変速機用潤滑油に対しては、小型化や軽量化が進んだ自動変速機の性能を高いレベルで維持するために、摩擦特性の一層の向上が求められている。また、自動変速機を搭載する自動車では、シャダーと呼ばれる振動現象が発生しやすいことが知られており、そのシャダーの発生の減少を実現するために、シャダー防止機能を長期間にわたって維持することができることも望まれている。
【0003】
特許文献1には、長期間優れたシャダー防止機能を維持することを可能にするα位に分岐構造を有するアルケニル基で置換された無水コハク酸とポリアミンとを反応させて得られるアルケニル置換コハク酸イミドからなる添加剤を含有する動力伝達装置流体が開示されている。
【0004】
特許文献2にも、α位に分岐構造を有するアルケニル基で置換された無水コハク酸とアミン化合物とを反応させて得られるアルケニル置換コハク酸イミドを含有する潤滑油組成物が記載されている。
【0005】
特許文献3には、潤滑油組成物の低温での粘度特性に悪影響を及ぼすことなく、潤滑油組成物に優れた摩擦調整機能を付与することのできる摩擦調整剤として有用な、新規なピロリジン化合物やスクシンイミド化合物が開示されている。
【0006】
非特許文献1には、低分子量のアルケニルスクシンイミドの耐シャダー特性の検討結果が開示されており、テスト化合物として多数の低分子量のアルケニルスクシンイミドと脂肪族アミド化合物が記載されている。その低分子量のアルケニルスクシンイミドの例として、2−ペンチル−2−トリデシルで置換された無水コハク酸とアミン化合物とを反応させて得られるビス型のアルケニル置換コハク酸イミドと2−ヘキシル−2−ヘキサデセニル基で置換された無水コハク酸とアミン化合物とを反応させて得られるビス型のアルケニル置換コハク酸イミドが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表平11−515034号公報(国際公開第97/14773号公報)
【特許文献2】特表2000−500790号公報(国際公開第97/14772号公報)
【特許文献3】国際公開第2008/157467号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】トライボロジー・オンライン,3,6(2008)328−332
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、潤滑油に優れた摩擦特性を付与することができる新規な摩擦調整剤を含有する潤滑油組成物、特に変速機用潤滑油組成物を提供することを目的とする。
【0010】
本発明はまた、上記の潤滑油組成物を用いる自動変速機の作動方法を提供することも、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一つの観点からは、本発明は、潤滑粘度の基油に、下記の添加剤を添加してなる潤滑油組成物を提供する。
【0012】
摩擦調整剤を0.1〜10質量%;
窒素含有無灰分散剤を0.05〜10質量%;
リン化合物を0.1〜10質量%;および
金属含有清浄剤を0.005〜4質量%、
【0013】
ただし、上記摩擦調整剤は、下記の摩擦調整剤(A)もしくは(B)のいずれかであり、
【0014】
摩擦調整剤(A)
下記式(I)で表わされるアルケニル置換コハク酸イミドまたは該アルケニル置換コハク酸イミドを後処理して得られるアルケニル置換コハク酸イミド誘導体からなる摩擦調整剤:
【0015】
【化1】

【0016】
但し、R1およびR1’は、互いに独立に、下記式(1)で表わされるβ位に分岐構造を有するアルケニル基であり、R2は、水素原子、炭素原子数が1〜12のアルキル基、炭素原子数が6〜12のアリール基、炭素原子数が7〜13のアルアルキル基、もしくは5〜8員環の複素環基であり、xは1〜6の整数であって、そしてyは0〜20の整数である;
【0017】
【化2】

【0018】
ただし、R3とR4は、共に脂肪族炭化水素基であるが、R3とR4の合計炭素原子数は3〜45の範囲にあって、R3の炭素原子数はR4の炭素原子数よりも3つ多いか、あるいはR3の炭素原子数はR4の炭素原子数よりも1つ少ない、
【0019】
摩擦調整剤(B)
下記式(II)で表わされるアルケニル置換コハク酸イミドまたは該アルケニル置換コハク酸イミドを後処理して得られるアルケニル置換コハク酸イミド誘導体からなる摩擦調整剤:
【0020】
【化3】

【0021】
ただし、R1およびR1’は、互いに独立に、炭素原子数が3〜24の範囲にある同一の線状α−オレフィンの二量体から得られたβ位に分岐構造を有する2−アルケニル基であり、Qは炭素原子数が1〜20で少なくとも両末端にアミノ基を有するアルキレンポリアミンの残基であり、そして
【0022】
金属含有清浄剤は、炭素原子数20〜24のアルキル基を有する過塩基化スルホネートと炭素原子数14〜18のアルキル基を有する過塩基化サリシレートとの質量比で1:4〜4:1との混合物を含む。
なお、上記摩擦調整剤(A)と(B)は共存していてもよい。
【0023】
別の観点からは、本発明は、本明細書で開示する潤滑油組成物の存在下で自動変速機を作動させる自動変速機(特に、有段の自動変速機、無段の自動変速機あるいはデュアルクラッチ変速機)の作動方法にも関する。
【発明の効果】
【0024】
本発明の潤滑油組成物は、摩擦特性が一層向上し、そしてその摩擦特性の安定性の向上、すなわち潤滑油組成物の長期の使用による摩擦特性の変動に起因するシャダートラブルが抑制されるため、変速機用潤滑油として特に有利に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の潤滑油組成物の好ましい態様を次に記載する。
(1)摩擦調整剤が上記摩擦調整剤(A)であって、式(1)におけるR3とR4が共に線状アルキル基であって、R3とR4の合計炭素原子数が13〜21の範囲にある。
(2)摩擦調整剤が上記摩擦調整剤(A)であって、式(I)におけるxが2で、yが1〜3の整数である。
(3)摩擦調整剤が上記摩擦調整剤(A)であって、式(I)におけるxが2で、yが1である。
(4)摩擦調整剤が上記摩擦調整剤(A)であって、式(I)のアルケニル置換コハク酸イミドの後処理が、ホウ酸、リン酸、カルボン酸もしくはエチレンカーボネートにより行なわれている。
【0026】
(5)摩擦調整剤が上記摩擦調整剤(B)であって、線状α−オレフィンの二量体が、炭素原子数8〜12の同一の線状α−オレフィンの二量体である。
(6)摩擦調整剤が上記摩擦調整剤(B)であって、線状α−オレフィンの二量体が、2−ヘキシル−1−デセン、2−オクチル−1−ドデセン、もしくは2−デシル−1−テトラデセンである。
(7)摩擦調整剤が上記摩擦調整剤(B)であって、線状α−オレフィンの二量体が2−オクチル−1−ドデセンである。
【0027】
(8)摩擦調整剤が上記摩擦調整剤(B)であって、アルキレンポリアミンが、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンもしくはトリエチレンテトラアミンである。
(9)摩擦調整剤が上記摩擦調整剤(B)であって、アルキレンポリアミンがジエチレントリアミンである。
【0028】
(10)摩擦調整剤が上記摩擦調整剤(B)であって、アルケニル置換コハク酸イミドの後処理が、ホウ酸、リン酸、カルボン酸もしくはエチレンカーボネートにより行なわれている。
【0029】
(11)金属含有清浄剤に含まれる過塩基化スルホネートのTBNが120〜400mgKOH/gの範囲(特に、260〜400mgKOH/gの範囲)にあり、過塩基化サリシレートのTBNが60〜330mgKOH/gの範囲(特に、150〜250mgKOH/gの範囲)にある。
【0030】
(12)潤滑油が自動変速機用の潤滑油である。
(13)自動変速機が、有段の自動変速機、無段の自動変速機あるいはデュアルクラッチ変速機である。
【0031】
(14)潤滑油組成物中の摩擦調整剤の含有量が、潤滑油組成物全体に対して、0.5〜5質量%の範囲(さらに好ましくは、1〜4質量%の範囲、特に好ましくは、1.5〜3質量%の範囲)にある。
(15)窒素含有無灰分散剤がポリイソブテニルコハク酸イミドもしくはその後処理物である。
(16)ポリイソブテニルコハク酸イミドの後処理物がホウ酸による後処理物である。
(17)リン化合物が、リン酸、リン酸エステル、亜リン酸、亜リン酸エステル、チオリン酸、もしくはチオリン酸エステルである。
【0032】
(18)さらに酸化防止剤を含有する。
(19)さらに腐食防止剤を含有する。
(20)さらに粘度指数向上剤を含有する。
(21)基油が、飽和成分90質量%以上、粘度指数120以上、硫黄分0.03質量%以下である。
【0033】
次に、本発明の潤滑油組成物に含まれる基油および添加剤成分について詳しく説明する。
【0034】
[摩擦調整剤]
本発明の潤滑油組成物に必須成分として含まれる摩擦調整剤は、前記式(I)もしくは(II)で表わされるアルケニル置換コハク酸イミド、または該アルケニル置換コハク酸イミドを後処理して得られるアルケニル置換コハク酸イミド誘導体からなる摩擦調整剤である。式(I)もしくは(II)のアルケニル置換コハク酸イミドは、β位に分岐構造を有するアルケニル基で置換された無水コハク酸とポリアミンとを反応させることにより得ることができる。
【0035】
β位に分岐構造を有するアルケニル基で置換された無水コハク酸は、無水マレイン酸と末端にビニリデン基を有するアルケン化合物との反応により得られる。この末端にビニリデン基を有するアルケン化合物は下記の式(2)により表わすことができる。
【0036】
【化4】

【0037】
ただし、上記の式(2)において、R5とR6は共に脂肪族炭化水素基(好ましくは直鎖もしくは分岐のアルキル基、特に好ましくは直鎖状アルキル基)であって、R5の炭素原子数とR6の炭素原子数との差は1(R5の炭素原子数<R6の炭素原子数の場合)、もしくは3(R5の炭素原子数>R6の炭素原子数の場合)である。
【0038】
上記の末端にビニリデン基を有するアルケン化合物の例としては、2−ヘキシル−1−デセン、2−オクチル−1−ドデセン、そして2−デシル−1−テトラデセンを挙げることができる。これらのアルケン化合物は、それぞれ、1−オクテン、1−デセン、そして1−ドデセンの二量化により得ることができる。
【0039】
上記の末端にビニリデン基を有するアルケン化合物およびその製造方法は、特開2006−225348号公報および特開2006−232672号公報に記載されている。
【0040】
本発明のアルケニル置換コハク酸イミドの製造に用いられるポリアミンの例としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンもしくはトリエチレンテトラアミンを挙げることができる。ジエチレントリアミンが最も好ましい。
【0041】
β位に分岐構造を有する2−アルケニル基で置換された無水コハク酸とポリアミンとの反応は、公知のアルケニル基で置換された無水コハク酸とポリアミンとの反応と同様に実施することができる。
【0042】
本発明の潤滑油組成物で用いる摩擦調整剤は、前記式(I)もしくは(II)のアルケニル置換コハク酸イミドそのものであってもよいが、このアルケニル置換コハク酸イミドを、ホウ酸、リン酸、カルボン酸もしくはエチレンカーボネートなどの公知のアルケニル置換コハク酸イミドの後処理剤により後処理が施された化合物でもよい。
【0043】
なお、反応条件によっては、β位に分岐構造を有する2−アルケニル基で置換された無水コハク酸とポリアミンとの反応により、前記式(I)もしくは(II)のビスタイプのアルケニル置換コハク酸イミドに加えて、少量の下記式(III)で表わされるモノタイプのアルケニル置換コハク酸イミドが生成することがあり、本発明の潤滑油組成物で用いる摩擦調整剤には、前記式(I)もしくは(II)のビスタイプのアルケニル置換コハク酸イミドに加えて、少量(20質量%以下)の下記式(III)で表わされるモノタイプのアルケニル置換コハク酸イミドが混在していてもよい。
【0044】
【化5】

【0045】
ただし、式(III)において、R1、R2、xそしてyのそれぞれは前述の意味を持ち、R7とR8とは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数が1〜12のアルキル基、炭素原子数が6〜12のアリール基、炭素原子数が7〜13のアルアルキル基、もしくは5〜8員環の複素環基を表わす。
【0046】
[基油]
本発明の潤滑油組成物における基油については特に限定はなく、これまでに自動変速機用潤滑油あるいは自動車エンジン(特にガソリンエンジン)用の潤滑油組成物の基油として用いられてきた種々の特性の潤滑油基油を用いることができる。たとえば、APIに規定されているグループ1から3までの鉱油、グループ4の合成油、そしてグループ5の基油(グループ1〜4に包含されない基油)が使用できる。好ましいのは、飽和成分が85質量%以上(好ましくは、90質量%以上)、粘度指数が100以上(さらに好ましくは、120以上)、そして硫黄含有量が0.03質量%以下(特に、0.001質量%以下)の鉱油及び/又は合成油である。
【0047】
鉱油系基油は、鉱油系潤滑油留分を溶剤精製あるいは水素化処理などの処理方法を適宜組み合わせて処理したものであることが望ましく、特に高度水素化精製油(水素化分解油とも云い、代表的には、粘度指数が120以上、蒸発損失(ASTM D5800)が15質量%以下、硫黄含有量が0.001質量%以下、芳香族含有量が10質量%以下である油)が好ましく用いられる。あるいは、このような水素化分解油を10質量%以上含有する混合油を用いることもできる。この水素化分解油には、鉱油系スラックワックス(粗ろう)あるいは天然ガスから合成された合成ワックスを原料として異性化および水素化分解のプロセスで作られる高粘度指数(例えば、粘度指数が140以上、特に140〜150)の油およびガスツーリキッド(GTL)基油も包含される。水素化分解油は、低硫黄分、低蒸発性、残留炭素分が少ないなどの点から、本発明の目的において好ましいものである。
【0048】
合成油(合成潤滑油基油)としては、例えば炭素原子数3〜12のα−オレフィンの重合体であるポリ−α−オレフィン、ジオクチルセバケートに代表されるセバシン酸、アゼライン酸、アジピン酸などの二塩基酸と炭素原子数4〜18のアルコールとのエステルであるジアルキルジエステル、1−トリメチロールプロパンやペンタエリスリトールと炭素原子数3〜18の一塩基酸とのエステルであるポリオールエステル、炭素原子数9〜40のアルキル基を有するアルキルベンゼンなどを挙げることができる。合成油は一般的に、実質的に硫黄分を含まず、酸化安定性、耐熱性に優れ、燃焼した場合に残留炭素や煤の生成が少ないので、本発明の潤滑油組成物には好ましい。特に、ポリ−α−オレフィンは、本発明の目的を考慮すると好ましい。
【0049】
鉱油系基油および合成系基油は、それぞれ単独で使用することができるが、所望により、二種以上の鉱油系基油、あるいは二種以上の合成系基油を組み合わせて使用することもできる。また、所望により、鉱油系基油と合成系基油とを任意の割合で組み合わせて用いることもできる。
【0050】
[窒素含有無灰分散剤]
本発明の潤滑油組成物に含まれる窒素含有無灰分散剤の代表例としては、ポリオレフィンから誘導されるアルケニルもしくはアルキルコハク酸イミドあるいはその誘導体を挙げることができる。代表的なコハク酸イミドは、高分子量のアルケニルもしくはアルキル基で置換されたコハク酸無水物と、1分子当り平均3〜10個(好ましくは4〜7個)の窒素原子を含むポリアルキレンポリアミンとの反応により得ることができる。高分子量のアルケニルもしくはアルキル基は、数平均分子量が約900〜5000のポリオレフィンであることが好ましく、特にポリブテンであることが好ましい。
【0051】
ポリブテンと無水マレイン酸との反応によりポリブテニルコハク酸無水物を得る工程では、多くの場合、塩素を用いる塩素化法が用いられている。しかし、この方法では、反応率は良いものの、コハク酸イミド最終生成物中に多量の塩素(例えば約2000ppm)が残留する結果となる。一方、塩素を用いない熱反応法を利用すれば、最終生成物中に残る塩素を極めて低いレベル(例えば40ppm以下)に抑えることができる。また、従来のポリブテン(β−オレフィン構造が主体である)に比べて、高反応性ポリブテン(少なくとも約50%がメチルビニリデン構造を有するもの)を用いると、熱反応法でも反応率が向上して有利である。反応率が高ければ、分散剤中の未反応のポリブテンが減るため、有効分(コハク酸イミド)濃度の高い分散剤を得ることができる。従って、高反応性ポリブテンを用いて熱反応法によりポリブテニルコハク酸無水物を得た後、このポリブテニルコハク酸無水物を、平均窒素原子数3〜10個(1分子当たり)のポリアルキレンポリアミンと反応させてコハク酸イミドを製造することが好ましい。コハク酸イミドは、更にホウ酸、アルコール、アルデヒド、ケトン、アルキルフェノール、環状カーボネート、有機酸等と反応させて、いわゆる変性コハク酸イミドにして用いることができる。特に、ホウ酸あるいはホウ素化合物との反応で得られるホウ素含有アルケニル(もしくはアルキル)コハク酸イミドは、熱・酸化安定性の面で有利である。コハク酸イミドとしては、1分子中のイミド構造の数に応じて、モノタイプ、ビスタイプ、およびポリタイプがあるが、本発明の目的で使用するコハク酸イミドとしては、ビスタイプ及びポリタイプのものが好ましい。
【0052】
窒素含有無灰分散剤の別の例としては、エチレン−α−オレフィンコポリマ−(例えば、分子量1000〜15000)から誘導されるポリマー性コハク酸イミド分散剤、およびアルケニルベンジルアミン系の無灰分散剤を挙げることができる。
【0053】
[金属含有清浄剤]
本発明の潤滑剤組成物で用いる金属含有清浄剤としては、炭素原子数20〜24のアルキル基を有する過塩基化スルホネートと炭素原子数14〜18のアルキル基を有する過塩基化サリシレートとの質量比で1:4〜4:1との混合物を含む金属含有清浄剤組成物が好ましい。金属含有清浄剤に含まれる過塩基化スルホネートのTBNは120〜400mgKOH/gの範囲(好ましくは、260〜400mgKOH/gの範囲)にあり、過塩基化サリシレートのTBNが60〜330mgKOH/gの範囲(好ましくは、150〜250mgKOH/gの範囲)にある。
なお、本発明の潤滑油組成物で用いる金属含有清浄剤は、上記の過塩基化スルホネートと過塩基化サリシレートとの混合物量に比べて相対的に少ない量の他の金属含有清浄剤(例、過塩基化度の高いもしくは低いフェネート、あるいはアルキルカルボキシレート)を含むこともできる。
【0054】
[リン化合物]
本発明の潤滑油組成物で用いるリン化合物としては、潤滑油添加用の耐摩耗剤として一般的に使用されているリン化合物が用いられ、その例としては、リン酸、リン酸エステル、亜リン酸、亜リン酸エステル、チオリン酸、もしくはチオリン酸エステルを挙げることができる。また、リン化合物としては、リン酸エステルのアミン塩、亜リン酸エステルのアミン塩などのアミン塩も用いることができる。
【0055】
[酸化防止剤]
本発明の潤滑油組成物はさらに酸化防止剤を含むことができる。酸化防止剤としては、従来より知られているフェノール酸化防止剤およびアミン酸化防止剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の酸化防止剤を用いることが好ましい。酸化防止剤は、潤滑油組成物中に0.1〜5質量%(特に、0.5〜3質量%)の範囲の量で含有させることが好ましい。
【0056】
フェノール系酸化防止剤としては一般的にヒンダードフェノール化合物が用いられ、アミン系酸化防止剤としては一般的にジアリールアミン化合物が用いられる。
【0057】
ヒンダードフェノール酸化防止剤の具体例としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−t−ブチル−o−クレゾール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクチル、3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸オクタデシル、そして3−(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸オクチルを挙げることができる。
【0058】
ジアリールアミン酸化防止剤の具体例としては、炭素原子数が4〜9の混合アルキルジフェニルアミン、p,p’−ジオクチルジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、アルキル化−α−ナフチルアミン、そしてアルキル化−フェニル−α−ナフチルアミンを挙げることができる。
【0059】
ヒンダードフェノール酸化防止剤とジアリールアミン酸化防止剤とは、それぞれ単独で使用することができるが、所望により組合せて使用することもできる。また、これら以外の油溶性酸化防止剤を併用してもよい。
【0060】
本発明の潤滑油組成物は、さらに各種の潤滑油添加剤を含むことができる。そのような潤滑油添加剤の例としては、粘度指数向上剤(例、非分散型あるいは分散型の粘度指数向上剤)、腐食防止剤(例、チアゾール化合物、トリアゾール化合物、およびチアジアゾール化合物などの銅腐食防止剤)、シール膨潤剤(例、アジピン酸、アゼライン酸、セバンイン酸、あるいはフタル酸などの二塩基酸の油溶性ジアルキルエステル)、染料(例、赤色染料)、消泡剤、そして流動点降下剤(例、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミド)を挙げることができる。
【実施例】
【0061】
[合成例1]本発明の潤滑油組成物で用いる摩擦調整剤(ビスタイプのβ−分岐第一級2−アルケニルコハク酸イミド)の合成
2−オクチル−1−ドデセン(1モル)、無水マレイン酸(1モル)、そして酸化防止剤である2,2−チオジエチルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオナート](0.003モル)を混合し、200℃で4時間反応させる。
この反応により得られた第一級アルケニルコハク酸無水物(1モル)にジエチレントリアミン(0.5モル)を加え、160℃で2時間反応させ、次いで減圧下にて30分間脱水乾燥することにより、反応生成物を得た。なお、この反応生成物は、IRスペクトルにより、目的のビス型のβ−分岐第一級2−アルケニルコハク酸イミド(二個のアルケニルコハク酸イミド基がジエチレントリアミン残基により連結された化合物、窒素含有量:4.9質量%)であることを確認した。
【0062】
[合成例2]本発明の潤滑油組成物で用いる摩擦調整剤(ビスタイプのβ−分岐第一級2−アルケニルコハク酸イミド)の合成
ジエチレントリアミンをトリエチレンテトラアミンに変えた以外は、合成例1に記載の反応操作を行なって、目的のビス型のβ−分岐第一級2−アルケニルコハク酸イミド(二個のアルケニルコハク酸イミド基がトリエチレンテトラアミン残基により連結された化合物)を得た。
【0063】
[合成例3]比較用の摩擦調整剤(ビスタイプのα−分岐第二級2−アルケニルコハク酸イミド)の合成
線状1−オクタデセンを異性化(内部オレフィン化)して得られるオクタデセンと無水マレイン酸との反応により得たイソオクタデセニルコハク酸無水物(1モル)にジエチレントリアミン(0.5モル)を加え、160℃で2時間反応させ、次いで減圧下にて30分間脱水乾燥することにより、反応生成物を得た。なお、この反応生成物は、IRスペクトルにより、目的のビス型のα−分岐第二級2−アルケニルコハク酸イミド(窒素含有量:5.2質量%)であることを確認した。
【0064】
[実施例]および[参考例]と[比較例]
<潤滑油組成物の製造>
所定の基油に、窒素含有無灰分散剤、摩擦調整剤、金属含有清浄剤、酸化防止剤、腐食防止剤、リン化合物、粘度指数向上剤、流動点降下剤、シール膨潤剤および消泡剤を下記の処方により添加して、潤滑油組成物を調製した。
【0065】
(1)基油(79.50質量%)
パラフィン系高度精製鉱油
(2)窒素含有無灰分散剤(3.80質量%)
ホウ酸変性ポリイソブテニルコハク酸イミド
(3)摩擦調整剤1(2.50質量%)
前記合成例1もしくは2で合成した摩擦調整剤(実施例)または前記合成例3で合成した摩擦調整剤(参考例)
(4)摩擦調整剤2(0.20質量%)
既知のアミン系摩擦調整剤とエステル系摩擦調整剤の混合物
(5)金属含有清浄剤(0.60質量%)
過塩基化カルシウムスルホネート(アルキル基の炭素原子数:20〜24、TBN:約300mgKOH/g)と過塩基化カルシウムサリシレート(アルキル基の炭素原子数:14〜18、TBN:約200mgKOH/g)の混合物(混合比率(質量比):1/1)
(6)酸化防止剤(1.20質量%)
アミン系酸化防止剤とフェノール系酸化防止剤との混合物
(7)腐食防止剤(0.07質量%)
チアジアゾール系腐食防止剤とベンゾトリアゾール系腐食防止剤との混合物
(8)リン化合物(0.30質量%)
アルキル亜リン酸エステル
(9)粘度指数向上剤(11.00質量%)
分散型ポリメタクリレート粘度指数向上剤
(10)流動点降下剤(0.20質量%)
ポリメタクリレート系流動点降下剤
(11)シール膨潤剤(0.60質量%)
スルホラン系シール膨潤剤
(12)消泡剤(0.03質量%)
シリコン系消泡剤
【0066】
<市販の潤滑油組成物>
比較のために、市販の変速機用潤滑油(CVTF)−市販油A、市販油B−を入手した。
【0067】
<潤滑油組成物の評価方法>
(1)摩擦係数の測定
JASO M358:2005ベルト式CVT油の金属間摩擦特性試験方法に準拠し、ブロックオンリング試験機により金属間摩擦係数を測定した。試験方法の概要を次に記載する。
・試験条件
リング:Falex S−10 Test Ring(SAE4620 Steel)
ブロック:Falex H−60 Test Block(SAE01 Steel)
・油量:150mL
・ならし条件:
油温:110℃
荷重:890Nで5分間保持後、1112Nで25分間保持
滑り速度:0.5m/sで5分間保持後、1.0m/sで25分間保持
・本試験条件:
油温:110℃
荷重:1112N
滑り速度:1.0、0.5、0.25、0.125、0.075、0.025m/sの順で各5分間保持
摩擦係数:滑り速度変更前の30秒間の摩擦係数を測定
【0068】
(2)シャダー防止性能の持続性の測定
JASO M−349:2001 自動車−自動変速機油のシャダー防止性能試験方法に従って、低速滑り摩擦試験機を用いて測定した。試験条件の概要を次に記す。
・試験条件:
摩擦材:セルロース系ディスク/スチールプレート
油量:150mL
・ならし条件:
面圧:1MPa
油温:80℃
滑り速度:0.6m/秒
時間:30分
・μ−V特性試験条件:
面圧:1MPa
油温:40、80、120℃
滑り速度:0から1.5m/秒までを連続的に加減速
・耐久試験条件
面圧:1MPa
油温:120℃
滑り速度:0.9m/秒
滑り時間:30分
休止時間:1分
性能測定:0時間以降、24時間おきにμ−V特性を測定
なお、シャダー防止寿命の評価は、0.9m/秒でのdμ/dVが0になるまでの時間で評価する。その時間が長い程、シャダー防止性能の維持性が高いことを意味する。
【0069】
<潤滑油組成物の評価結果>
摩擦調整剤として合成例1、2で得た化合物を用いて調製した潤滑油組成物(実施例1〜4)、摩擦調整剤として合成例3で得た化合物を用いて調製した潤滑油組成物(参考例)、そして市販油AおよびB(比較例1、2)について測定した摩擦係数とシャダー防止性能の持続性を下記の表1と2に記載する。
【0070】
表1
────────────────────────────────────
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4
────────────────────────────────────
摩擦調整剤化合物 合成例1 合成例1 合成例2 合成例2
摩擦調整剤の添加量 2.5% 1.5% 2.5% 1.5%
────────────────────────────────────
各滑り速度での摩擦係数
1m/s 0.084 0.097 0.096 0.103
0.5m/s 0.114 0.114 0.116 0.117
0.25m/s 0.128 0.129 0.127 0.129
0.125m/s 0.137 0.135 0.134 0.134
0.075m/s 0.140 0.139 0.137 0.138
0.025m/s 0.144 0.141 0.140 0.141
────────────────────────────────────
平均摩擦係数 0.125 0.126 0.125 0.127
────────────────────────────────────
シャダー防止寿命(時間) 504 288 288 264
────────────────────────────────────
注:「%」は「質量%」である。
【0071】
表2
────────────────────────────────────
参考例 比較例1 比較例2
(市販油A) (市販油B)
────────────────────────────────────
摩擦調整剤化合物 合成例3 不明 不明
摩擦調整剤の添加量 2.5% 不明 不明
────────────────────────────────────
各滑り速度での摩擦係数
1m/s 0.072 0.077 0.085
0.5m/s 0.098 0.102 0.105
0.25m/s 0.117 0.123 0.118
0.125m/s 0.129 0.133 0.125
0.075m/s 0.134 0.137 0.128
0.025m/s 0.139 0.141 0.138
────────────────────────────────────
平均摩擦係数 0.115 0.119 0.117
────────────────────────────────────
シャダー防止寿命(時間) 456 192 96
────────────────────────────────────
注:「%」は「質量%」である。
【0072】
表1と表2に示した各滑り速度の摩擦係数の値から明らかなように、実施例1〜4の潤滑油組成物の摩擦係数は各滑り速度で高く、また1m/s〜0.025m/sの範囲での摩擦係数の変動も少なく、上記範囲での平均摩擦係数も高い。さらに、実施例1〜4の潤滑油組成物のシャダー防止寿命も長い。一方、市販のCVTFである市販油A(比較例1)では、摩擦係数が相対的に低く、シャダー防止寿命が相対的に短い。また、同じく市販のCVTFである市販油Bでも、摩擦係数が相対的に低く、シャダー防止寿命はさらに短い。参考例の潤滑油組成物(合成例3で得た化合物を添加した潤滑油組成物)は、シャダー寿命は長いものの、摩擦係数が相対的に低い。
従って、本発明の摩擦調整剤を用いた潤滑油組成物は特に変速機用潤滑油として優れた特性を示すことが明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潤滑粘度の基油に、下記の添加剤を添加してなる潤滑油組成物:
摩擦調整剤を0.1〜10質量%;
窒素含有無灰分散剤を0.05〜10質量%;
リン化合物を0.1〜10質量%;および
金属含有清浄剤を0.005〜4質量%、
ただし、上記摩擦調整剤は、下記の摩擦調整剤(A)または(B)のいずれかであって、
摩擦調整剤(A)
下記式(I)で表わされるアルケニル置換コハク酸イミドまたは該アルケニル置換コハク酸イミドを後処理して得られるアルケニル置換コハク酸イミド誘導体からなる摩擦調整剤:
【化1】

ただし、R1およびR1’は、互いに独立に、下記式(1)で表わされるβ位に分岐構造を有するアルケニル基であり、R2は、水素原子、炭素原子数が1〜12のアルキル基、炭素原子数が6〜12のアリール基、炭素原子数が7〜13のアルアルキル基、もしくは5〜8員環の複素環基であり、xは1〜6の整数であって、そしてyは0〜20の整数である;
【化2】

ただし、R3とR4は、共に脂肪族炭化水素基であるが、R3とR4の合計炭素原子数は3〜45の範囲にあって、R3の炭素原子数はR4の炭素原子数よりも3つ多いか、あるいはR3の炭素原子数はR4の炭素原子数よりも1つ少ない、
摩擦調整剤(B)
下記式(II)で表わされるアルケニル置換コハク酸イミドまたは該アルケニル置換コハク酸イミドを後処理して得られるアルケニル置換コハク酸イミド誘導体からなる摩擦調整剤:
【化3】

ただし、R1およびR1’は、互いに独立に、炭素原子数が3〜24の範囲にある同一の線状α−オレフィンの二量体から得られたβ位に分岐構造を有する2−アルケニル基であり、Qは炭素原子数が1〜20で少なくとも両末端にアミノ基を有するアルキレンポリアミンの残基であり、そして
金属含有清浄剤は、炭素原子数20〜24のアルキル基を有する過塩基化スルホネートと炭素原子数14〜18のアルキル基を有する過塩基化サリシレートとの質量比で1:4〜4:1との混合物を含む。
【請求項2】
摩擦調整剤が上記摩擦調整剤(A)であって、式(1)におけるR3とR4が共に線状アルキル基であって、R3とR4の合計炭素原子数が13〜21の範囲にある請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項3】
摩擦調整剤が上記摩擦調整剤(A)であって、式(I)におけるxが2で、yが1〜3の整数である請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項4】
摩擦調整剤が上記摩擦調整剤(A)であって、式(I)におけるxが2で、yが1である請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項5】
摩擦調整剤が上記摩擦調整剤(A)であって、式(I)のアルケニル置換コハク酸イミドの後処理が、ホウ酸、リン酸、カルボン酸もしくはエチレンカーボネートにより行なわれている請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項6】
摩擦調整剤が上記摩擦調整剤(B)であって、線状α−オレフィンの二量体が、炭素原子数8〜12の同一の線状α−オレフィンの二量体である請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項7】
摩擦調整剤が上記摩擦調整剤(B)であって、線状α−オレフィンの二量体が、2−ヘキシル−1−デセン、2−オクチル−1−ドデセン、もしくは2−デシル−1−テトラデセンである請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項8】
摩擦調整剤が上記摩擦調整剤(B)であって、線状α−オレフィンの二量体が2−オクチル−1−ドデセンである請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項9】
摩擦調整剤が上記摩擦調整剤(B)であって、アルキレンポリアミンが、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンもしくはトリエチレンテトラアミンである請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項10】
摩擦調整剤が上記摩擦調整剤(B)であって、アルキレンポリアミンがジエチレントリアミンである請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項11】
摩擦調整剤が上記摩擦調整剤(B)であって、アルケニル置換コハク酸イミドの後処理が、ホウ酸、リン酸、カルボン酸もしくはエチレンカーボネートにより行なわれている請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項12】
金属含有清浄剤に含まれる過塩基化スルホネートのTBNが120〜400mgKOH/gの範囲にあり、過塩基化サリシレートのTBNが60〜330mgKOH/gの範囲にある請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項13】
自動変速機用の潤滑油である請求項1に記載の潤滑油組成物。
【請求項14】
自動変速機が、有段の自動変速機、無段の自動変速機あるいはデュアルクラッチ変速機である請求項13に記載の潤滑油組成物。
【請求項15】
請求項1乃至13の内のいずれかの項に記載の潤滑油組成物の存在下で自動変速機を作動させる自動変速機の作動方法。
【請求項16】
自動変速機が、有段の自動変速機、無段の自動変速機あるいはデュアルクラッチ変速機である請求項15に記載の自動変速機の作動方法。

【公開番号】特開2012−158721(P2012−158721A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−21118(P2011−21118)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(391050525)シェブロンジャパン株式会社 (26)
【Fターム(参考)】