潤滑装置およびシリンダ潤滑油を補給する方法
1つまたは複数のバルブ(220)を介して油圧オイル(262)およびシリンダ潤滑油(図示せず)の供給源に接続されたハウジングと、それぞれ油圧ピストン(6)を有し、油圧オイルによって加圧することができるいくつかの油圧シリンダとを備えた、シリンダ潤滑油を補給する油圧式潤滑装置(252)が記載されている。さらに、エンジン内のシリンダ(250)の数の倍数に対応し、補給ピストン(21)によってそれぞれの補給シリンダに接続された、いくつかの噴射ユニット(251)がある。また、一方側では補給ピストン(21)と接触し、そのもう一方側では油圧ピストン(6)と接触して、補給ピストンを作動させるように分配プレートを変位させる分配プレート(7)が設けられている。油圧ピストン(6)はグループで設けられており、各グループは、補給ピストンを作動させるために分配プレート(7)を独立して変位させるようになっており、各グループの油圧ピストンはそれぞれ、その個別のストロークを有する。このようにして、作動される油圧ピストンのグループによって、潤滑油の個別の定量調整を達成できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば船舶用エンジン内にシリンダ潤滑油を補給する油圧式潤滑装置であって、1つまたは複数のバルブを介して油圧オイルおよびシリンダ潤滑油の供給源に接続されているハウジングと、それぞれ油圧ピストンを有し、油圧オイルによって加圧することができるいくつかの油圧シリンダと、エンジン内のシリンダ数の倍数に対応し、補給ピストンで各補給シリンダに接続されているいくつかの噴射ユニットと、その一方側が補給ピストンと接触しており、そのもう一方側が油圧ピストンと接触して、補給ピストンを作動させるように分配プレートを変位させる分配プレートとを備えた装置に関する。
【0002】
さらに、本発明は、例えば船舶用エンジン内にシリンダ潤滑油を補給する方法であって、それぞれ油圧ピストンを有し、油圧オイルによって加圧された、いくつかの油圧シリンダを介した油圧オイルの供給ステップと、エンジン内のシリンダ数の倍数に対応するいくつかの噴射ユニットを介してシリンダ潤滑油を供給および噴射するステップであって、噴射ユニットは補給ピストンで各補給シリンダに接続されているステップとを含む方法において、分配プレートは、一方側が補給ピストンと接触させられ、そのもう一方側が、油圧ピストンと接触させられて、補給ピストンを作動させるように分配プレートを変位させる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
潤滑装置は従来、それぞれのシリンダに近接して取り付けられ、潤滑油用の供給リザーバ、およびシリンダ壁面の異なる点で油噴射ノズルの形で潤滑点に接続されているポンプ・ユニットとして設計されている。各ポンプ・ユニットは、様々な潤滑点に油を供給し、カムがその上に設けられた状態で共通の回転制御シャフトによって駆動された複数の往復動ポンプを備えている。シャフトの回転によって、押圧ヘッドを備えたカムは、制御シャフトに向かう方向にばね偏倚されたそれぞれの軸方向変位ピストンに作用し、それによってシャフトの回転の際にピストンは、往復移動を行い、往復動ポンプのピストンを作動させる。
【0004】
また、制御可能モータ、例えばステップ・モータによりポンプ・ストロークを調整することが提案されてきた。これは、点潤滑に使用されてきたが、従来の潤滑装置との接続を確立することは難しい。このようなシステムは、例えば国際特許公開第WO02/35068A1号に開示されている。
【0005】
さらに、ドイツ特許第DE2827626号から、シリンダ壁面内の開口部を通して所定の時間間隔で測定された量で供給された潤滑油をベースにした潤滑システムが知られている。ここでは、個別の潤滑点で行われる補給のステップレス制御のいずれの可能性も示されていない。
【0006】
さらに、英国特許第GB834533A号、デンマーク特許第DK173512B1号、またはスイス特許公開第CH673506A5号から、導入部に記載されたタイプのシステムが知られており、油圧シリンダは分配プレートまたは同様の構造を介して、複数の補給ピストンに作用する。これらの設計では、作動用の1つの油圧シリンダがある。ここで、シリンダ潤滑油の定量調整のための別個の調整手段の必要がある。
【0007】
本発明は、油圧ピストンを使用した油圧潤滑に基づくものであり、シリンダ潤滑油用の補給ピストンを備えた噴射ユニットに作用するように使用される、潤滑装置および方法の全ての種類に関して適用させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際特許公開WO 02/35068A1
【特許文献2】ドイツ特許第DE2827626号
【特許文献3】英国特許公開GB834533A
【特許文献4】デンマーク特許DK173512B1
【特許文献5】スイス特許公開CH673506A5
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、潤滑装置およびシリンダ潤滑油を補給する方法を指示することであり、シリンダ潤滑油の定量調整を単純な方法で確立することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によると、これは、油圧ピストンがグループで設けられており、各グループは補給ピストンを作動させるために分配プレートを独立して変位させるようになっており、油圧ピストンの各グループはそれぞれ個別のストロークを有することにおいて特有である、導入部で特定されたタイプの潤滑装置によって達成される。
【0011】
本発明による方法は、油圧ピストンがグループで設けられており、各グループは補給ピストンを作動させるために分配プレートを独立して変位させ、油圧ピストンの各グループはそれぞれ個別のストロークを有することにおいて特有である。
【0012】
有利な実施形態によると、この方法は、1つの油圧ピストンがグループ毎に使用されることにおいて特有である。
【0013】
このように、作動される油圧ピストンのグループによって、潤滑油の個別の定量調整を達成することができる。
【0014】
分配プレートは、1つまたは複数の分配ピストンを駆動させるために使用される。分配プレートは、システム圧力を供給する油圧システムによって油圧式に作動される。装置は、複数のグループの油圧ピストンがあるように作動し、各グループは他のものと独立して作動させることができる。したがって、潤滑装置内に含まれる油圧シリンダのグループの1つだけまたはいくつかを特定の場合に使用することができる。
【0015】
さらに別の実施形態によると、本発明による潤滑装置は、油圧ピストンがグループで設けられ、各グループは補給ピストンを作動させるように分配プレートを変位させるために配置され、油圧ピストンの各グループはそれぞれ個別のストロークを有し、それによって潤滑油の個別の定量調整が、作動される油圧ピストンのグループによって達成されることにおいて特有である。
【0016】
これは、油圧ピストンの各グループがその独自のストロークで作動し、それによって第1のグループのピストンが作動されると、第1のストローク長が生じ、第2のグループが作動されると、第2のストローク長が生じるように行うことができる。潤滑油の量はしたがって、アルゴリズムを作ることによって調節することができる。アルゴリズムは、2つ以上のストローク長の使用を組み合わせることによって、ほぼステップレスの定量調整がストロークの範囲内で達成されるように適応させることができる。
【0017】
この原理はしたがって、2つ以上のタイプの油圧ピストンが使用され、第1のグループの油圧ピストンを分配プレートを通して延ばすことができ、それによって分配プレートが極端位置まで移動するのを防ぐことができるという事実に基づいている。第2のピストン・グループが作動されると、分配プレートを極端位置まで移動させ、ベース・ブロックによって止めることができる。
【0018】
各グループの油圧ピストンは、1つの油圧ピストンを備えるために必要なだけであることに留意されたい。これによって、単純で小型な設計が達成される。油圧ピストンが、互いの中に配置されたいくつかのピストンと入れ子式で設けられている場合に、この設計は特に単純および小型である。
【0019】
入れ子式の油圧ピストンは、円筒形であり、同軸に配置されていることが好ましい。というのは、これによってシリンダ潤滑油の所望の排出のための入れ子式ピストン・ユニットの任意の延長によってシリンダ潤滑油の定量調整を可能にする特に単純な設計が達成されるからである。これは、電子制御ユニット/コンピュータ内のアルゴリズムによって制御することができる。
【0020】
別の実施形態によると、油圧ピストンの各グループ内には、2つ以上のピストンがある可能性がある。これによって、グループ内のあるピストンが故障した場合でも、分配プレートの変位が行われることが保証される。また、この実施形態では、互いの中に配置されたいくつかのピストンと入れ子式の油圧ピストンを設けることができる。
【0021】
別の実施形態によると、孔が分配プレート内に形成され、油圧ピストンの少なくともいくつかはこれらの孔を通して延びている。さらに、油圧ピストン用の接触表面としてハウジング内の、および分配面の上の表面を使用することが可能である。特に簡単な方法では、これによって、分配プレートの変位、したがって定量調整のための端部止め具が得られる。
【0022】
潤滑装置は、以下の動作モードを有する。
【0023】
潤滑装置は、記載したように、2つの内蔵ソレノイド・バルブを有する。ポンプ・サイクルが開始すると、ソレノイド・バルブが開かれ、システム圧力(普通は40から120バールの間)が、装置内に供給され、油圧チャンバを加圧する。
【0024】
圧力を加えることによって、油圧ピストンが底部に移動され、このピストンと共に、潤滑油用の補給ピストンも底部に押し込まれ、補給ピストンの前の空間内の潤滑油は、ばね負荷で逆止め弁を通して押し出される。
【0025】
ソレノイド・バルブはその後、入口側で閉じ、規定の時間後、ソレノイド・バルブは出口側で開き、圧力が取り除かれる。ばねは、分配プレートを押しており、それによって油圧ピストンを原位置まで押し、同時に、新しい潤滑油は補給ユニットのシリンダ・チャンバ内に吸引される。
【0026】
補給ピストンによって運ばれるシリンダ潤滑油の量は、補給ピストンの所要の変位を行うために、分配プレートの正確な変位を保証する1つまたは複数の油圧ピストンを使用することによって調整される。
【0027】
各潤滑点は、通気ねじを有することができ、それによって補給ユニットのシリンダ・チャンバ内の可能性がある空気をこれによって取り除くことができる。
【0028】
任意のシステムまたは潤滑油がそれぞれのピストンを通して漏洩する場合、この漏洩油は集められ、潤滑装置から全体的に排出させることができる。
【0029】
本発明は、その内容をここに参照として援用する、本特許出願と同時に出願された「シリンダ潤滑油の補給システム用潤滑装置およびシリンダ潤滑油を補給する方法」という名称のデンマーク特許出願に記載されたタイプの補給システムで適用することができる。定量調整が行われる方法のみが変更される。
【0030】
本発明を、以下に添付の図面を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明による複数の潤滑装置を備えたシステムの略図である。
【図2】従来技術の潤滑装置の一実施形態の断面図である。
【図3】図2に示された潤滑装置の断面図である。
【図4】図2および3に示された潤滑装置の平面図である。
【図5】従来技術の潤滑装置の別の実施形態の断面図である。
【図6】図5に示された潤滑装置の変更形態に対応する、本発明による潤滑装置の部分断面図である。
【図7】本発明による潤滑装置の別の実施形態の部分断面図である。
【図8】様々な定量調整を示すための、図7に示された潤滑装置の部分断面図である。
【図9】様々な定量調整を示すための、図7に示された潤滑装置の部分断面図である。
【図10】様々な定量調整を示すための、図7に示された潤滑装置の部分断面図である。
【図11】本発明による潤滑装置の別の実施形態の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、4つのシリンダ250を略図的に示しており、各シリンダ上には、8つの噴射ノズル251がある。本発明による潤滑装置252は、普通は各単一の潤滑装置252では、局部制御ユニット254を備えた中央コンピュータ253に接続されている。
【0033】
中央コンピュータ253は、中央コンピュータのバックアップを構成する別の制御ユニット255と並列に結合されている。加えて、ポンプ(油圧ポンプまたは油圧ステーションであってもよい)を監視する監視ユニット256、負荷を監視する監視ユニット257、およびクランクシャフトの位置を監視する監視ユニット258が確立される。
【0034】
図1の上部には、油圧オイル用タンク262内にポンプ261を駆動するモータ260を備えた油圧ステーション259が示されている。油圧ステーション259はさらに、冷却装置263およびフィルタ264を備えている。システム油は、バルブ220を介して潤滑装置上に供給ライン265を通してポンプ輸送される。油圧ステーションはさらに、バルブを介して潤滑装置にも接続されている戻りライン266に接続されている。
【0035】
潤滑油は、潤滑油供給タンク(図示せず)からライン267を介して潤滑装置252に送られる。潤滑油は、潤滑装置からライン110を介して噴射ノズル251に送られる。
【0036】
図2は、本発明の利点を利用するために変更することができる知られている潤滑装置の断面を示している。
【0037】
番号1は、下からねじで締め付けられたセット・ピン4の取付けを可能にするパッキンを備えた底部プレートを示している。
【0038】
番号2は、いくつかの油圧ピストン6を備えたベース・ブロックを示している。
【0039】
番号3は、これによってDCモータ27を作動させることによってストロークを調節することができる偏心シャフトを示している。別の方法では、ストローク長はまた、スピンドルによって調節することができる。図8を参照のこと。
【0040】
番号4は、調節可能止め具として使用され、それによってセット・ピン4の変位が分配プレート7が停止する点を変更することができるので、ストロークを調節することができるセット・ピンを示している。
【0041】
番号5は、可能性のある漏洩油が偏心ハウジング内にまで下がらないことを保証する、セット・ピン4周りのパッキンを示している。示した設計でOリング5を省くこともでき、代わりに、可能性のある漏洩油を偏心シャフト3の周りのキャビティから離れるように移動させることができる。
【0042】
番号6は、一方側では分配プレート7を「押し」、他方側では、油圧システムからの圧力供給ダクト61および62それぞれからの油圧の作用を受ける油圧ピストンを示している。前記ダクトは互いに独立していることに留意されたい。示した設計は、2つのグループの油圧ピストンを有し、図示した設計では各グループは2つの油圧ピストンからなるが、1つのグループに3つ以上の油圧ピストンを有することも可能である。
【0043】
番号7は、一方側では油圧ピストン6によって押され、他方側では補給ピストン21に作用する分配プレートを示している。補給または油圧ピストンを遮断することによって、分配プレート7は反転する可能性があるが、反転の問題がなくなるように分配プレートを設計することが可能である。別の方法では、分配プレート7を直接的または間接的のいずれかで制御する必要があると考えることができる。
【0044】
番号8は、潤滑油をポンプ・ブロック17に案内し、ポンプ・ブロックのより可撓性のある締め付けを可能にするために主に使用される中間プレートを示している。最後に、中間プレートはまた、必要に応じて、漏洩を生じることなく、ポンプ・ブロックをいくつかの区分に分割することができることを保証する。
【0045】
番号9は、示した構成では戻りばねであるばねを示している。示した構成には共通の戻りばねが1つしかないが、原則として、全ての補給ピストンがその独自の戻りばねを有すると考えることもできる。
【0046】
番号10〜13は、潤滑油が補給ピストン21の前でポンプ・チャンバに供給される、二重吸引および圧力バルブを示している。個別の潤滑点が吸引から圧力ストロークに行くと、ピストン21の前のポンプ・チャンバ内の圧力が圧縮ばね14に打ち勝つのに十分なほど高い場合に、吸引バルブ10および11および圧力バルブ11および12が開かれる。
【0047】
番号14は、潤滑油の供給圧力は、正確な量の制御なしで装置から直接漏れる/流れることができないことを保証する圧力ばねを示している。いくつかの場合では、潤滑油の運搬時間をそれによって相対的にかなり少なくすることができるので、より強い圧縮ばねを使用するという利点がある可能性がある。通常、圧縮ばねは、潤滑油供給部267内の圧力レベルによって設計されるが、より速い潤滑ストローク性能が望ましい場合、逆止めバルブ13は有利には、より高い圧力が蓄積されて開き、それによって潤滑油がより迅速に運搬されるように設計することができる。
【0048】
番号15〜16は、パッキンを備えた通気ねじを示している。
【0049】
番号17は、1つまたは複数の潤滑点からなることができるポンプ・ブロックを示している。普通、この装置は6つ以上の潤滑点で作られている。可能性のある欠陥構成要素の置換がより容易になるので、ポンプ・ブロック17の区分化は必要である可能性がある。
【0050】
番号18は、圧力バルブ12および13および圧縮ばね14用ハウジングを示しており、同時に、供給パイプへの接続が可能になる。
【0051】
番号19は、ポンプ・チャンバと吸引バルブおよび圧力バルブの間の作動チャネルを閉じるブラインド・プラグを示している。
【0052】
番号20は、ポンプ・ピストン21が中に取り付けられるポンプ・シリンダを示している。
【0053】
番号21は、補給ピストン用のポンプ・ピストンを示している。
【0054】
番号22は、ポンプ・ブロック17と中間プレート8の間のパッキンを示している。
【0055】
番号23は、中間プレート8とベース・ブロック2の間のパッキンを示している。
【0056】
図3は、図2の従来技術による、スピンドルおよびDCモータによりストロークの調整を行う潤滑装置の断面を示している。
【0057】
番号3は、ストローク調整を可能にする偏心シャフトを示している。さらに、ベース・ブロック2の側部に目盛を取り付け、それによってストローク長を直接読むのに偏心シャフト位置を使用することによってストローク読取目盛を確立することが比較的簡単である。
【0058】
番号25は、可能性のある漏洩油が漏れることができないことを保証し、同時に汚れが入ることができないことを保証する密封リングを示している。
【0059】
番号26は、偏心シャフト24を制御する軸受を示している。
【0060】
番号27は、制御信号によって、偏心シャフトの位置24を変更する、ウォーム・ドライブを備えている可能性があるDCモータを示している。ストロークを制御するための符号器または他のシステムは、シャフト上に取り付けられている。この符号器は、示した図には示されていない。
【0061】
図4は、供給ブロックおよびDCモータを備えた、図2および3に示された潤滑装置の平面図を示している。図は、2つのグループに分割された4つの油圧ピストンがある一実施形態を示している。
【0062】
番号40は、ポンプ・ブロック17を中間プレート8に締め付けるための取付ねじを示している。
【0063】
番号41は、分配プレート7が上位置にある場合を検出するセンサを示している。センサは、ポンプ・ブロック17が置換される場合に迅速に取り外すことができるように接続金具43上に取り付けられている。
【0064】
番号42は、センサ/取付金具41および43を締め付けるためのねじを示している。
【0065】
番号43は、センサ41を取り付けるための取付金具を示している。
【0066】
番号44〜45は、それぞれソレノイド・バルブ47〜50に接続された、圧力および戻り側でのアキュミュレータを示している。
【0067】
番号46は、これを通して油圧オイルが供給/除去され、潤滑油がベース・ブロック2の上に案内される供給ブロックを示している。
【0068】
番号47は、油圧オイル圧力の戻り側用のソレノイド・バルブを示している。ソレノイド・バルブ48とグループである。
【0069】
番号48は、油圧オイル圧力の圧力側用のソレノイド・バルブを示している。ソレノイド・バルブ47とグループである。ソレノイド・バルブ47および48は、一方のグループの油圧ピストンを制御する。
【0070】
番号49は、油圧オイル圧力の戻り側用のソレノイド・バルブを示している。ソレノイド・バルブ50とグループである。
【0071】
番号50は、油圧オイル圧力の圧力側用のソレノイド・バルブを示している。ソレノイド・バルブ49とグループである。ソレノイド・バルブ49および50は、もう一方のグループの油圧ピストンを制御する。
【0072】
番号51は、ベース・ブロック2および中間プレート8を通してポンプ・ブロック17に案内される潤滑油を供給するねじ継手を示している。
【0073】
図5は、従来技術による潤滑装置の別の実施形態を示している。
【0074】
潤滑装置は、装置を作動させるソレノイド・バルブ115および116が取り付けられている、底部110で構成されている。底部110の側部には、ねじ継手が、システム油圧供給142およびタンクへのシステム油圧戻り143のために設けられている。
【0075】
駆動油を2つのソレノイド・バルブを通して供給することができ、バルブのうちの一方は一次ソレノイド・バルブ116であり、もう一方は二次ソレノイド・バルブ115である。
【0076】
初期位置では、動的であるのは一次ソレノイド・バルブ116である。駆動油はそれによって、関連する供給ねじ継手142から一次ソレノイド・バルブ116まで、および切換バルブ117を介して装置内の分配チャネル145を通して関連する油圧ピストンのグループまで案内される。この状況が、図15に示されている。
【0077】
一次ソレノイド・バルブ116が故障した場合、二次ソレノイド・バルブ115に自動的に接続することができる。このバルブは、二次ソレノイド・バルブ115を作動させることによって接続される。この状況が、図16に示されている。
【0078】
関連する分配チャネル146はこれによって加圧される。この圧力により、切換バルブ117が右側に変位され、それによって一次ソレノイド・バルブ116と関連する分配チャネル145の間の接続が遮断されることとなる。圧力はそれにより、このソレノイド・バルブ116に接続された油圧ピストンから取り除かれる。
【0079】
二次ソレノイド・バルブ115を作動させることによって、関連する分配チャネル146および関連する油圧ピストンが加圧される。これにより、分配プレート7はその後、二次ソレノイド・バルブ115を介して装置内に案内された油によって駆動される。
【0080】
切換バルブ117は、ばね119を備えることができる。二次ソレノイド・バルブを通る供給圧力が欠如している場合、ばねはしたがって、切換バルブ117を上記初期位置に自動的に戻す。
【0081】
切換バルブは、リストリクタを備えることができ、それによって切換バルブのこのような戻りを遅らせることができる。このようにして、切換バルブ117が作動の間で前後に行くのが防止される/制限される。図5では、排水ピン118と切換バルブ117の間に形成されたスロットによって制限が確定される。
【0082】
各ソレノイド・バルブが別個のグループの油圧ピストンに接続されている場合、ソレノイド・バルブ間の独立が保証される。一次ソレノイド・バルブ116と二次ソレノイド・バルブ115の間でシフトする場合、切換バルブ117は、圧力が一次グループの油圧ピストンから取り除かれることを保証し、それによって一次ソレノイド・バルブが遮断された場合でも、二次ソレノイド・バルブ115の動作が可能になる。
【0083】
番号121は、ブランキングねじを示している。
【0084】
番号122は、切換バルブ117の爪120用の端部止め具として部分的に働き、やはりパッキン(図示せず)を介した密封機能を部分的に有する、組み合わされたブランキングねじ/端部止め具を示している。
【0085】
油圧ピストン6の上には、分配プレート7がある。プレートはここでは、上部分配プレート部材125および下部分配プレート部材123を備えた2部品設計として示されている。補給ピストン21は、上部分配プレート部材125の中/上に取り付けられている。様々な油が駆動および潤滑のために使用される装置では、上部分配プレート部材と下部部内プレート部材の間にピストン・パッキン124がある。原則として、駆動油用と潤滑油用に1種類の油を使用することでも十分である可能性がある。
【0086】
補給ピストン21の周りには、油圧ピストン6上への供給圧力を停止した後に、ピストン21を戻す共通の戻りばね9がある。戻りばね9の周りには、ベース・ブロック111によって外部に画定された小さな潤滑油リザーバ147がある。潤滑油は、パッキン138および139を備えた別個のねじ継手を通して供給される。装置は任意選択では、パッキン15および16を有する通気ねじを備えることもできる。
【0087】
ベース・ブロック111の上には、シリンダ・ブロック112は、補給ピストン21がその往復動作のために配置されているところに置かれている。補給ピストン21の上には、ポンプ・チャンバ148がある。このチャンバ内には、ばね14によって偏倚された逆止めバルブ・ボール13を備えた出口がある。さらに、シリンダ壁面内で逆止めバルブ/SIPバルブと直接接続されたねじ継手128が設けられている。
【0088】
ストロークを調整するために、本実施形態では、セット・ピン/セットばね66上の位置を変えることによって、ウォーム・ホイール130を介してストロークを調整するウォーム・ドライブ131に結合されたモータ132を備えた装置が示されている。
【0089】
本実施形態では、ストローク停止の位置を変えることによってストロークを調整することが可能である。これは、元の固定点が使用され、ストロークがその後に調整された前の実施形態と異なる。
【0090】
実際のストローク長を制御するために、センサ/ピックアップ・ユニット114は、例えば符号器またはポテンショメータの形で、ストロークを検出するセット・ピン/セットねじ66と続けて取り付けられている。
【0091】
番号113は、セット・ピン/セットねじ装置用のハウジングを示している。
【0092】
番号124は、それぞれ底部では駆動油側で、上部では潤滑油で漏洩油が油圧ピストン6を迂回した状態で、2つの空間149と147の間のピストン・パッキン密封を示している。
【0093】
番号127は、ベース・ブロック111とシリンダ・ブロック112の間のOリング密封を示している。
【0094】
番号133は、ウォーム・ホイール130用の軸受ケースを締め付けるための締付ねじを示している。
【0095】
番号134は、底部プレート110とベース・ブロック111の間のOリング密封を示している。
【0096】
図6には、本発明による潤滑装置の一実施形態の部分断面が示されており、ここでは油圧ピストン6および150により定量およびシリンダ潤滑油の調整を確立することが可能である。
【0097】
本発明によるこの実施形態では、ウォーム装置131、133およびモータ132の形の設定手段なしで済ますことが可能である。
【0098】
ここで、潤滑油の量を調節するために異なるグループの油圧ピストンが使用される。示した実施形態には、2つの異なるタイプの油圧ピストン6および150が示されているが、異なるピストンを備えた複数のグループがあってもよい。
【0099】
各グループの油圧ピストンは、各ストローク長で動作する。1つのグループのピストン150が作動されると、その後、ストローク151がある。他のグループのピストン6が作動されると、その後、ストローク152がある。
【0100】
したがって、アルゴリズムを2つのストローク150および151の使用と組み合わせることによって、潤滑油の量を調節することができる。したがって、ストローク151および152の範囲内で潤滑油の量のほぼ無段階での調整を確立することができる。
【0101】
示した原理は、ピン150’が分配プレート7内の孔を通して延びている状態で、1つのグループのピストン150内のピストンが延ばされ、それによって分配プレート7がその極端位置に行かないようにされているように作動する。第2のピストン・グループ6のピストンが作動されると、分配プレート7は、極端位置まで移動し、ベース・ブロック111によって止められる。
【0102】
図7は、分配プレート7が2つのグループの油圧ピストン155および168によって作動され、各グループがそれぞれその独自のソレノイド・バルブによって作動させることができる2つの油圧ピストンを有する一実施形態を示している。一方のピストン155は、部分的に断面図で示されているが、もう一方のピストン168は側面図で示されている。2つのピストン155および168は同一である。分配プレート7によって作動される補給ピストンは、図7には示されていない。
【0103】
本実施形態では、ピストン155、168は、3つの異なるストロークを行うことができる。これは、いくつかのピストン部を備えた油圧ピストン155、168を作ることによって可能になる。油圧ピストン/分配プレートはその後、3つの可能性のある位置に設けられる。
【0104】
図8には、供給圧力によってチャネル157を通してどのように油圧オイルが供給されるのかが示されている。最上ピストン部169はそれによって、ボルト162が最上ピストン部169の上側を打つまで分配プレート7を変位させるのと同時に変位させることができる。
【0105】
図9には、供給圧力によってチャネル158を通してどのように油圧オイルが供給されるのかが示されている。最下ピストン部156はそれによって、変位させることができる。これは、ボルト162が潤滑装置のハウジングの一部であるベース・ブロック111内の面170を打つまで、最上ピストン部169を変位させるのと同時に起こる。
【0106】
図10には、油圧オイルがどのように供給圧力によって両方のチャネル157および158を通して、したがって両方のピストン部156および169に供給されるのかが示されている。分配プレート7はそれによって、その示された極端位置まで右側に変位させることができる。
【0107】
上記は、それぞれ1つまたは複数のピストンからなる油圧ピストンのグループがどのように異なるストロークを行うことができるのかを示している。示した実施例では、分配プレート7の3つの可能性のある位置が可能である。
【0108】
図11は、それぞれ所与のストローク173、174および172を有する、3つの独立したピストン163、164および171によって駆動することができる分配プレート7を示している。
【0109】
チャネル166を介して油圧オイルを供給することによって、油圧ピストン171は、分配プレートがベース・ブロック111を打つまで、分配プレート7を持ち上げる。ここで、最大ストローク172が行われ、それによって分配プレート7によって作動される補給ピストンによって最大量のシリンダ潤滑油を運ぶ。
【0110】
代わりにチャネル165を通して油圧オイルを供給することによって、油圧ピストン163は分配プレートを持ち上げるが、このピストンが分配プレート7内の孔176を通して延びる延長部175を有するので、このピストン163は分配プレート7をピストン171まで移動させることができないだろう。したがって、より短いストローク172が行われ、それによってより少量のシリンダ潤滑油が、分配プレート7によって作動される補給ピストンによって運ばれる。
【0111】
代わりにチャネル167を通して油圧オイルを供給することによって、油圧ピストン164は分配プレート7を持ち上げる。しかし、このピストン164は分配プレート7内の孔178を通して延びるより長い延長部177を有するので、このピストン164はその後同様に、その延長部がベース・ブロック111に当たる前に、分配プレート7をさらに小さく移動させる。したがって、さらに短いストローク174が行われ、それによってさらに少量のシリンダ潤滑油が、分配プレート7によって作動される補給ピストンによって運ばれる。
【0112】
分配プレート7について述べたが、各グループに1つのピストンしかない場合、これはアクチュエータとも呼ぶことができる。
【0113】
分配プレート7は、油圧システムがシステム圧力を供給するように油圧式に作動される。装置は、複数のグループの油圧ピストンあるように動作し、各グループは他のものとは独立して作動させることができる。油圧ピストン6は分配プレート7を駆動させ、それによって補給ピストンは変位され、潤滑ストロークを行う。
【0114】
普通、このタイプのシステム内で補給されるシリンダ油の量は、ストローク自体を調節すること、または潤滑頻度を変えることのいずれかによって調節される。本発明は、独立したピストンのグループを使用することに基づいており、各グループはそれぞれ、異なるストロークを有する潤滑装置を提供するように設計されている。どのグループが作動されるのかを制御するための制御アルゴリズムを使用することによって、無段階潤滑油調節を実際に行うことができる。
【0115】
一部のシステムのユーザは、各エンジン・ストロークでの潤滑油の運搬を好むが、その他は1つまたは複数のエンジン・ストロークを省いても問題がないと考えている。必要に応じて、本発明は、潤滑油の量を0mmから所与の最大ストロークまで調節することが可能であり、この範囲内で、潤滑油の量の調節は無段階である。
【符号の説明】
【0116】
6 油圧ピストン; 7 分配プレート; 20 補給シリンダ; 21 補給ピストン
220 バルブ; 250 シリンダ; 251 噴射ユニット; 潤滑装置252。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば船舶用エンジン内にシリンダ潤滑油を補給する油圧式潤滑装置であって、1つまたは複数のバルブを介して油圧オイルおよびシリンダ潤滑油の供給源に接続されているハウジングと、それぞれ油圧ピストンを有し、油圧オイルによって加圧することができるいくつかの油圧シリンダと、エンジン内のシリンダ数の倍数に対応し、補給ピストンで各補給シリンダに接続されているいくつかの噴射ユニットと、その一方側が補給ピストンと接触しており、そのもう一方側が油圧ピストンと接触して、補給ピストンを作動させるように分配プレートを変位させる分配プレートとを備えた装置に関する。
【0002】
さらに、本発明は、例えば船舶用エンジン内にシリンダ潤滑油を補給する方法であって、それぞれ油圧ピストンを有し、油圧オイルによって加圧された、いくつかの油圧シリンダを介した油圧オイルの供給ステップと、エンジン内のシリンダ数の倍数に対応するいくつかの噴射ユニットを介してシリンダ潤滑油を供給および噴射するステップであって、噴射ユニットは補給ピストンで各補給シリンダに接続されているステップとを含む方法において、分配プレートは、一方側が補給ピストンと接触させられ、そのもう一方側が、油圧ピストンと接触させられて、補給ピストンを作動させるように分配プレートを変位させる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
潤滑装置は従来、それぞれのシリンダに近接して取り付けられ、潤滑油用の供給リザーバ、およびシリンダ壁面の異なる点で油噴射ノズルの形で潤滑点に接続されているポンプ・ユニットとして設計されている。各ポンプ・ユニットは、様々な潤滑点に油を供給し、カムがその上に設けられた状態で共通の回転制御シャフトによって駆動された複数の往復動ポンプを備えている。シャフトの回転によって、押圧ヘッドを備えたカムは、制御シャフトに向かう方向にばね偏倚されたそれぞれの軸方向変位ピストンに作用し、それによってシャフトの回転の際にピストンは、往復移動を行い、往復動ポンプのピストンを作動させる。
【0004】
また、制御可能モータ、例えばステップ・モータによりポンプ・ストロークを調整することが提案されてきた。これは、点潤滑に使用されてきたが、従来の潤滑装置との接続を確立することは難しい。このようなシステムは、例えば国際特許公開第WO02/35068A1号に開示されている。
【0005】
さらに、ドイツ特許第DE2827626号から、シリンダ壁面内の開口部を通して所定の時間間隔で測定された量で供給された潤滑油をベースにした潤滑システムが知られている。ここでは、個別の潤滑点で行われる補給のステップレス制御のいずれの可能性も示されていない。
【0006】
さらに、英国特許第GB834533A号、デンマーク特許第DK173512B1号、またはスイス特許公開第CH673506A5号から、導入部に記載されたタイプのシステムが知られており、油圧シリンダは分配プレートまたは同様の構造を介して、複数の補給ピストンに作用する。これらの設計では、作動用の1つの油圧シリンダがある。ここで、シリンダ潤滑油の定量調整のための別個の調整手段の必要がある。
【0007】
本発明は、油圧ピストンを使用した油圧潤滑に基づくものであり、シリンダ潤滑油用の補給ピストンを備えた噴射ユニットに作用するように使用される、潤滑装置および方法の全ての種類に関して適用させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際特許公開WO 02/35068A1
【特許文献2】ドイツ特許第DE2827626号
【特許文献3】英国特許公開GB834533A
【特許文献4】デンマーク特許DK173512B1
【特許文献5】スイス特許公開CH673506A5
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、潤滑装置およびシリンダ潤滑油を補給する方法を指示することであり、シリンダ潤滑油の定量調整を単純な方法で確立することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によると、これは、油圧ピストンがグループで設けられており、各グループは補給ピストンを作動させるために分配プレートを独立して変位させるようになっており、油圧ピストンの各グループはそれぞれ個別のストロークを有することにおいて特有である、導入部で特定されたタイプの潤滑装置によって達成される。
【0011】
本発明による方法は、油圧ピストンがグループで設けられており、各グループは補給ピストンを作動させるために分配プレートを独立して変位させ、油圧ピストンの各グループはそれぞれ個別のストロークを有することにおいて特有である。
【0012】
有利な実施形態によると、この方法は、1つの油圧ピストンがグループ毎に使用されることにおいて特有である。
【0013】
このように、作動される油圧ピストンのグループによって、潤滑油の個別の定量調整を達成することができる。
【0014】
分配プレートは、1つまたは複数の分配ピストンを駆動させるために使用される。分配プレートは、システム圧力を供給する油圧システムによって油圧式に作動される。装置は、複数のグループの油圧ピストンがあるように作動し、各グループは他のものと独立して作動させることができる。したがって、潤滑装置内に含まれる油圧シリンダのグループの1つだけまたはいくつかを特定の場合に使用することができる。
【0015】
さらに別の実施形態によると、本発明による潤滑装置は、油圧ピストンがグループで設けられ、各グループは補給ピストンを作動させるように分配プレートを変位させるために配置され、油圧ピストンの各グループはそれぞれ個別のストロークを有し、それによって潤滑油の個別の定量調整が、作動される油圧ピストンのグループによって達成されることにおいて特有である。
【0016】
これは、油圧ピストンの各グループがその独自のストロークで作動し、それによって第1のグループのピストンが作動されると、第1のストローク長が生じ、第2のグループが作動されると、第2のストローク長が生じるように行うことができる。潤滑油の量はしたがって、アルゴリズムを作ることによって調節することができる。アルゴリズムは、2つ以上のストローク長の使用を組み合わせることによって、ほぼステップレスの定量調整がストロークの範囲内で達成されるように適応させることができる。
【0017】
この原理はしたがって、2つ以上のタイプの油圧ピストンが使用され、第1のグループの油圧ピストンを分配プレートを通して延ばすことができ、それによって分配プレートが極端位置まで移動するのを防ぐことができるという事実に基づいている。第2のピストン・グループが作動されると、分配プレートを極端位置まで移動させ、ベース・ブロックによって止めることができる。
【0018】
各グループの油圧ピストンは、1つの油圧ピストンを備えるために必要なだけであることに留意されたい。これによって、単純で小型な設計が達成される。油圧ピストンが、互いの中に配置されたいくつかのピストンと入れ子式で設けられている場合に、この設計は特に単純および小型である。
【0019】
入れ子式の油圧ピストンは、円筒形であり、同軸に配置されていることが好ましい。というのは、これによってシリンダ潤滑油の所望の排出のための入れ子式ピストン・ユニットの任意の延長によってシリンダ潤滑油の定量調整を可能にする特に単純な設計が達成されるからである。これは、電子制御ユニット/コンピュータ内のアルゴリズムによって制御することができる。
【0020】
別の実施形態によると、油圧ピストンの各グループ内には、2つ以上のピストンがある可能性がある。これによって、グループ内のあるピストンが故障した場合でも、分配プレートの変位が行われることが保証される。また、この実施形態では、互いの中に配置されたいくつかのピストンと入れ子式の油圧ピストンを設けることができる。
【0021】
別の実施形態によると、孔が分配プレート内に形成され、油圧ピストンの少なくともいくつかはこれらの孔を通して延びている。さらに、油圧ピストン用の接触表面としてハウジング内の、および分配面の上の表面を使用することが可能である。特に簡単な方法では、これによって、分配プレートの変位、したがって定量調整のための端部止め具が得られる。
【0022】
潤滑装置は、以下の動作モードを有する。
【0023】
潤滑装置は、記載したように、2つの内蔵ソレノイド・バルブを有する。ポンプ・サイクルが開始すると、ソレノイド・バルブが開かれ、システム圧力(普通は40から120バールの間)が、装置内に供給され、油圧チャンバを加圧する。
【0024】
圧力を加えることによって、油圧ピストンが底部に移動され、このピストンと共に、潤滑油用の補給ピストンも底部に押し込まれ、補給ピストンの前の空間内の潤滑油は、ばね負荷で逆止め弁を通して押し出される。
【0025】
ソレノイド・バルブはその後、入口側で閉じ、規定の時間後、ソレノイド・バルブは出口側で開き、圧力が取り除かれる。ばねは、分配プレートを押しており、それによって油圧ピストンを原位置まで押し、同時に、新しい潤滑油は補給ユニットのシリンダ・チャンバ内に吸引される。
【0026】
補給ピストンによって運ばれるシリンダ潤滑油の量は、補給ピストンの所要の変位を行うために、分配プレートの正確な変位を保証する1つまたは複数の油圧ピストンを使用することによって調整される。
【0027】
各潤滑点は、通気ねじを有することができ、それによって補給ユニットのシリンダ・チャンバ内の可能性がある空気をこれによって取り除くことができる。
【0028】
任意のシステムまたは潤滑油がそれぞれのピストンを通して漏洩する場合、この漏洩油は集められ、潤滑装置から全体的に排出させることができる。
【0029】
本発明は、その内容をここに参照として援用する、本特許出願と同時に出願された「シリンダ潤滑油の補給システム用潤滑装置およびシリンダ潤滑油を補給する方法」という名称のデンマーク特許出願に記載されたタイプの補給システムで適用することができる。定量調整が行われる方法のみが変更される。
【0030】
本発明を、以下に添付の図面を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明による複数の潤滑装置を備えたシステムの略図である。
【図2】従来技術の潤滑装置の一実施形態の断面図である。
【図3】図2に示された潤滑装置の断面図である。
【図4】図2および3に示された潤滑装置の平面図である。
【図5】従来技術の潤滑装置の別の実施形態の断面図である。
【図6】図5に示された潤滑装置の変更形態に対応する、本発明による潤滑装置の部分断面図である。
【図7】本発明による潤滑装置の別の実施形態の部分断面図である。
【図8】様々な定量調整を示すための、図7に示された潤滑装置の部分断面図である。
【図9】様々な定量調整を示すための、図7に示された潤滑装置の部分断面図である。
【図10】様々な定量調整を示すための、図7に示された潤滑装置の部分断面図である。
【図11】本発明による潤滑装置の別の実施形態の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、4つのシリンダ250を略図的に示しており、各シリンダ上には、8つの噴射ノズル251がある。本発明による潤滑装置252は、普通は各単一の潤滑装置252では、局部制御ユニット254を備えた中央コンピュータ253に接続されている。
【0033】
中央コンピュータ253は、中央コンピュータのバックアップを構成する別の制御ユニット255と並列に結合されている。加えて、ポンプ(油圧ポンプまたは油圧ステーションであってもよい)を監視する監視ユニット256、負荷を監視する監視ユニット257、およびクランクシャフトの位置を監視する監視ユニット258が確立される。
【0034】
図1の上部には、油圧オイル用タンク262内にポンプ261を駆動するモータ260を備えた油圧ステーション259が示されている。油圧ステーション259はさらに、冷却装置263およびフィルタ264を備えている。システム油は、バルブ220を介して潤滑装置上に供給ライン265を通してポンプ輸送される。油圧ステーションはさらに、バルブを介して潤滑装置にも接続されている戻りライン266に接続されている。
【0035】
潤滑油は、潤滑油供給タンク(図示せず)からライン267を介して潤滑装置252に送られる。潤滑油は、潤滑装置からライン110を介して噴射ノズル251に送られる。
【0036】
図2は、本発明の利点を利用するために変更することができる知られている潤滑装置の断面を示している。
【0037】
番号1は、下からねじで締め付けられたセット・ピン4の取付けを可能にするパッキンを備えた底部プレートを示している。
【0038】
番号2は、いくつかの油圧ピストン6を備えたベース・ブロックを示している。
【0039】
番号3は、これによってDCモータ27を作動させることによってストロークを調節することができる偏心シャフトを示している。別の方法では、ストローク長はまた、スピンドルによって調節することができる。図8を参照のこと。
【0040】
番号4は、調節可能止め具として使用され、それによってセット・ピン4の変位が分配プレート7が停止する点を変更することができるので、ストロークを調節することができるセット・ピンを示している。
【0041】
番号5は、可能性のある漏洩油が偏心ハウジング内にまで下がらないことを保証する、セット・ピン4周りのパッキンを示している。示した設計でOリング5を省くこともでき、代わりに、可能性のある漏洩油を偏心シャフト3の周りのキャビティから離れるように移動させることができる。
【0042】
番号6は、一方側では分配プレート7を「押し」、他方側では、油圧システムからの圧力供給ダクト61および62それぞれからの油圧の作用を受ける油圧ピストンを示している。前記ダクトは互いに独立していることに留意されたい。示した設計は、2つのグループの油圧ピストンを有し、図示した設計では各グループは2つの油圧ピストンからなるが、1つのグループに3つ以上の油圧ピストンを有することも可能である。
【0043】
番号7は、一方側では油圧ピストン6によって押され、他方側では補給ピストン21に作用する分配プレートを示している。補給または油圧ピストンを遮断することによって、分配プレート7は反転する可能性があるが、反転の問題がなくなるように分配プレートを設計することが可能である。別の方法では、分配プレート7を直接的または間接的のいずれかで制御する必要があると考えることができる。
【0044】
番号8は、潤滑油をポンプ・ブロック17に案内し、ポンプ・ブロックのより可撓性のある締め付けを可能にするために主に使用される中間プレートを示している。最後に、中間プレートはまた、必要に応じて、漏洩を生じることなく、ポンプ・ブロックをいくつかの区分に分割することができることを保証する。
【0045】
番号9は、示した構成では戻りばねであるばねを示している。示した構成には共通の戻りばねが1つしかないが、原則として、全ての補給ピストンがその独自の戻りばねを有すると考えることもできる。
【0046】
番号10〜13は、潤滑油が補給ピストン21の前でポンプ・チャンバに供給される、二重吸引および圧力バルブを示している。個別の潤滑点が吸引から圧力ストロークに行くと、ピストン21の前のポンプ・チャンバ内の圧力が圧縮ばね14に打ち勝つのに十分なほど高い場合に、吸引バルブ10および11および圧力バルブ11および12が開かれる。
【0047】
番号14は、潤滑油の供給圧力は、正確な量の制御なしで装置から直接漏れる/流れることができないことを保証する圧力ばねを示している。いくつかの場合では、潤滑油の運搬時間をそれによって相対的にかなり少なくすることができるので、より強い圧縮ばねを使用するという利点がある可能性がある。通常、圧縮ばねは、潤滑油供給部267内の圧力レベルによって設計されるが、より速い潤滑ストローク性能が望ましい場合、逆止めバルブ13は有利には、より高い圧力が蓄積されて開き、それによって潤滑油がより迅速に運搬されるように設計することができる。
【0048】
番号15〜16は、パッキンを備えた通気ねじを示している。
【0049】
番号17は、1つまたは複数の潤滑点からなることができるポンプ・ブロックを示している。普通、この装置は6つ以上の潤滑点で作られている。可能性のある欠陥構成要素の置換がより容易になるので、ポンプ・ブロック17の区分化は必要である可能性がある。
【0050】
番号18は、圧力バルブ12および13および圧縮ばね14用ハウジングを示しており、同時に、供給パイプへの接続が可能になる。
【0051】
番号19は、ポンプ・チャンバと吸引バルブおよび圧力バルブの間の作動チャネルを閉じるブラインド・プラグを示している。
【0052】
番号20は、ポンプ・ピストン21が中に取り付けられるポンプ・シリンダを示している。
【0053】
番号21は、補給ピストン用のポンプ・ピストンを示している。
【0054】
番号22は、ポンプ・ブロック17と中間プレート8の間のパッキンを示している。
【0055】
番号23は、中間プレート8とベース・ブロック2の間のパッキンを示している。
【0056】
図3は、図2の従来技術による、スピンドルおよびDCモータによりストロークの調整を行う潤滑装置の断面を示している。
【0057】
番号3は、ストローク調整を可能にする偏心シャフトを示している。さらに、ベース・ブロック2の側部に目盛を取り付け、それによってストローク長を直接読むのに偏心シャフト位置を使用することによってストローク読取目盛を確立することが比較的簡単である。
【0058】
番号25は、可能性のある漏洩油が漏れることができないことを保証し、同時に汚れが入ることができないことを保証する密封リングを示している。
【0059】
番号26は、偏心シャフト24を制御する軸受を示している。
【0060】
番号27は、制御信号によって、偏心シャフトの位置24を変更する、ウォーム・ドライブを備えている可能性があるDCモータを示している。ストロークを制御するための符号器または他のシステムは、シャフト上に取り付けられている。この符号器は、示した図には示されていない。
【0061】
図4は、供給ブロックおよびDCモータを備えた、図2および3に示された潤滑装置の平面図を示している。図は、2つのグループに分割された4つの油圧ピストンがある一実施形態を示している。
【0062】
番号40は、ポンプ・ブロック17を中間プレート8に締め付けるための取付ねじを示している。
【0063】
番号41は、分配プレート7が上位置にある場合を検出するセンサを示している。センサは、ポンプ・ブロック17が置換される場合に迅速に取り外すことができるように接続金具43上に取り付けられている。
【0064】
番号42は、センサ/取付金具41および43を締め付けるためのねじを示している。
【0065】
番号43は、センサ41を取り付けるための取付金具を示している。
【0066】
番号44〜45は、それぞれソレノイド・バルブ47〜50に接続された、圧力および戻り側でのアキュミュレータを示している。
【0067】
番号46は、これを通して油圧オイルが供給/除去され、潤滑油がベース・ブロック2の上に案内される供給ブロックを示している。
【0068】
番号47は、油圧オイル圧力の戻り側用のソレノイド・バルブを示している。ソレノイド・バルブ48とグループである。
【0069】
番号48は、油圧オイル圧力の圧力側用のソレノイド・バルブを示している。ソレノイド・バルブ47とグループである。ソレノイド・バルブ47および48は、一方のグループの油圧ピストンを制御する。
【0070】
番号49は、油圧オイル圧力の戻り側用のソレノイド・バルブを示している。ソレノイド・バルブ50とグループである。
【0071】
番号50は、油圧オイル圧力の圧力側用のソレノイド・バルブを示している。ソレノイド・バルブ49とグループである。ソレノイド・バルブ49および50は、もう一方のグループの油圧ピストンを制御する。
【0072】
番号51は、ベース・ブロック2および中間プレート8を通してポンプ・ブロック17に案内される潤滑油を供給するねじ継手を示している。
【0073】
図5は、従来技術による潤滑装置の別の実施形態を示している。
【0074】
潤滑装置は、装置を作動させるソレノイド・バルブ115および116が取り付けられている、底部110で構成されている。底部110の側部には、ねじ継手が、システム油圧供給142およびタンクへのシステム油圧戻り143のために設けられている。
【0075】
駆動油を2つのソレノイド・バルブを通して供給することができ、バルブのうちの一方は一次ソレノイド・バルブ116であり、もう一方は二次ソレノイド・バルブ115である。
【0076】
初期位置では、動的であるのは一次ソレノイド・バルブ116である。駆動油はそれによって、関連する供給ねじ継手142から一次ソレノイド・バルブ116まで、および切換バルブ117を介して装置内の分配チャネル145を通して関連する油圧ピストンのグループまで案内される。この状況が、図15に示されている。
【0077】
一次ソレノイド・バルブ116が故障した場合、二次ソレノイド・バルブ115に自動的に接続することができる。このバルブは、二次ソレノイド・バルブ115を作動させることによって接続される。この状況が、図16に示されている。
【0078】
関連する分配チャネル146はこれによって加圧される。この圧力により、切換バルブ117が右側に変位され、それによって一次ソレノイド・バルブ116と関連する分配チャネル145の間の接続が遮断されることとなる。圧力はそれにより、このソレノイド・バルブ116に接続された油圧ピストンから取り除かれる。
【0079】
二次ソレノイド・バルブ115を作動させることによって、関連する分配チャネル146および関連する油圧ピストンが加圧される。これにより、分配プレート7はその後、二次ソレノイド・バルブ115を介して装置内に案内された油によって駆動される。
【0080】
切換バルブ117は、ばね119を備えることができる。二次ソレノイド・バルブを通る供給圧力が欠如している場合、ばねはしたがって、切換バルブ117を上記初期位置に自動的に戻す。
【0081】
切換バルブは、リストリクタを備えることができ、それによって切換バルブのこのような戻りを遅らせることができる。このようにして、切換バルブ117が作動の間で前後に行くのが防止される/制限される。図5では、排水ピン118と切換バルブ117の間に形成されたスロットによって制限が確定される。
【0082】
各ソレノイド・バルブが別個のグループの油圧ピストンに接続されている場合、ソレノイド・バルブ間の独立が保証される。一次ソレノイド・バルブ116と二次ソレノイド・バルブ115の間でシフトする場合、切換バルブ117は、圧力が一次グループの油圧ピストンから取り除かれることを保証し、それによって一次ソレノイド・バルブが遮断された場合でも、二次ソレノイド・バルブ115の動作が可能になる。
【0083】
番号121は、ブランキングねじを示している。
【0084】
番号122は、切換バルブ117の爪120用の端部止め具として部分的に働き、やはりパッキン(図示せず)を介した密封機能を部分的に有する、組み合わされたブランキングねじ/端部止め具を示している。
【0085】
油圧ピストン6の上には、分配プレート7がある。プレートはここでは、上部分配プレート部材125および下部分配プレート部材123を備えた2部品設計として示されている。補給ピストン21は、上部分配プレート部材125の中/上に取り付けられている。様々な油が駆動および潤滑のために使用される装置では、上部分配プレート部材と下部部内プレート部材の間にピストン・パッキン124がある。原則として、駆動油用と潤滑油用に1種類の油を使用することでも十分である可能性がある。
【0086】
補給ピストン21の周りには、油圧ピストン6上への供給圧力を停止した後に、ピストン21を戻す共通の戻りばね9がある。戻りばね9の周りには、ベース・ブロック111によって外部に画定された小さな潤滑油リザーバ147がある。潤滑油は、パッキン138および139を備えた別個のねじ継手を通して供給される。装置は任意選択では、パッキン15および16を有する通気ねじを備えることもできる。
【0087】
ベース・ブロック111の上には、シリンダ・ブロック112は、補給ピストン21がその往復動作のために配置されているところに置かれている。補給ピストン21の上には、ポンプ・チャンバ148がある。このチャンバ内には、ばね14によって偏倚された逆止めバルブ・ボール13を備えた出口がある。さらに、シリンダ壁面内で逆止めバルブ/SIPバルブと直接接続されたねじ継手128が設けられている。
【0088】
ストロークを調整するために、本実施形態では、セット・ピン/セットばね66上の位置を変えることによって、ウォーム・ホイール130を介してストロークを調整するウォーム・ドライブ131に結合されたモータ132を備えた装置が示されている。
【0089】
本実施形態では、ストローク停止の位置を変えることによってストロークを調整することが可能である。これは、元の固定点が使用され、ストロークがその後に調整された前の実施形態と異なる。
【0090】
実際のストローク長を制御するために、センサ/ピックアップ・ユニット114は、例えば符号器またはポテンショメータの形で、ストロークを検出するセット・ピン/セットねじ66と続けて取り付けられている。
【0091】
番号113は、セット・ピン/セットねじ装置用のハウジングを示している。
【0092】
番号124は、それぞれ底部では駆動油側で、上部では潤滑油で漏洩油が油圧ピストン6を迂回した状態で、2つの空間149と147の間のピストン・パッキン密封を示している。
【0093】
番号127は、ベース・ブロック111とシリンダ・ブロック112の間のOリング密封を示している。
【0094】
番号133は、ウォーム・ホイール130用の軸受ケースを締め付けるための締付ねじを示している。
【0095】
番号134は、底部プレート110とベース・ブロック111の間のOリング密封を示している。
【0096】
図6には、本発明による潤滑装置の一実施形態の部分断面が示されており、ここでは油圧ピストン6および150により定量およびシリンダ潤滑油の調整を確立することが可能である。
【0097】
本発明によるこの実施形態では、ウォーム装置131、133およびモータ132の形の設定手段なしで済ますことが可能である。
【0098】
ここで、潤滑油の量を調節するために異なるグループの油圧ピストンが使用される。示した実施形態には、2つの異なるタイプの油圧ピストン6および150が示されているが、異なるピストンを備えた複数のグループがあってもよい。
【0099】
各グループの油圧ピストンは、各ストローク長で動作する。1つのグループのピストン150が作動されると、その後、ストローク151がある。他のグループのピストン6が作動されると、その後、ストローク152がある。
【0100】
したがって、アルゴリズムを2つのストローク150および151の使用と組み合わせることによって、潤滑油の量を調節することができる。したがって、ストローク151および152の範囲内で潤滑油の量のほぼ無段階での調整を確立することができる。
【0101】
示した原理は、ピン150’が分配プレート7内の孔を通して延びている状態で、1つのグループのピストン150内のピストンが延ばされ、それによって分配プレート7がその極端位置に行かないようにされているように作動する。第2のピストン・グループ6のピストンが作動されると、分配プレート7は、極端位置まで移動し、ベース・ブロック111によって止められる。
【0102】
図7は、分配プレート7が2つのグループの油圧ピストン155および168によって作動され、各グループがそれぞれその独自のソレノイド・バルブによって作動させることができる2つの油圧ピストンを有する一実施形態を示している。一方のピストン155は、部分的に断面図で示されているが、もう一方のピストン168は側面図で示されている。2つのピストン155および168は同一である。分配プレート7によって作動される補給ピストンは、図7には示されていない。
【0103】
本実施形態では、ピストン155、168は、3つの異なるストロークを行うことができる。これは、いくつかのピストン部を備えた油圧ピストン155、168を作ることによって可能になる。油圧ピストン/分配プレートはその後、3つの可能性のある位置に設けられる。
【0104】
図8には、供給圧力によってチャネル157を通してどのように油圧オイルが供給されるのかが示されている。最上ピストン部169はそれによって、ボルト162が最上ピストン部169の上側を打つまで分配プレート7を変位させるのと同時に変位させることができる。
【0105】
図9には、供給圧力によってチャネル158を通してどのように油圧オイルが供給されるのかが示されている。最下ピストン部156はそれによって、変位させることができる。これは、ボルト162が潤滑装置のハウジングの一部であるベース・ブロック111内の面170を打つまで、最上ピストン部169を変位させるのと同時に起こる。
【0106】
図10には、油圧オイルがどのように供給圧力によって両方のチャネル157および158を通して、したがって両方のピストン部156および169に供給されるのかが示されている。分配プレート7はそれによって、その示された極端位置まで右側に変位させることができる。
【0107】
上記は、それぞれ1つまたは複数のピストンからなる油圧ピストンのグループがどのように異なるストロークを行うことができるのかを示している。示した実施例では、分配プレート7の3つの可能性のある位置が可能である。
【0108】
図11は、それぞれ所与のストローク173、174および172を有する、3つの独立したピストン163、164および171によって駆動することができる分配プレート7を示している。
【0109】
チャネル166を介して油圧オイルを供給することによって、油圧ピストン171は、分配プレートがベース・ブロック111を打つまで、分配プレート7を持ち上げる。ここで、最大ストローク172が行われ、それによって分配プレート7によって作動される補給ピストンによって最大量のシリンダ潤滑油を運ぶ。
【0110】
代わりにチャネル165を通して油圧オイルを供給することによって、油圧ピストン163は分配プレートを持ち上げるが、このピストンが分配プレート7内の孔176を通して延びる延長部175を有するので、このピストン163は分配プレート7をピストン171まで移動させることができないだろう。したがって、より短いストローク172が行われ、それによってより少量のシリンダ潤滑油が、分配プレート7によって作動される補給ピストンによって運ばれる。
【0111】
代わりにチャネル167を通して油圧オイルを供給することによって、油圧ピストン164は分配プレート7を持ち上げる。しかし、このピストン164は分配プレート7内の孔178を通して延びるより長い延長部177を有するので、このピストン164はその後同様に、その延長部がベース・ブロック111に当たる前に、分配プレート7をさらに小さく移動させる。したがって、さらに短いストローク174が行われ、それによってさらに少量のシリンダ潤滑油が、分配プレート7によって作動される補給ピストンによって運ばれる。
【0112】
分配プレート7について述べたが、各グループに1つのピストンしかない場合、これはアクチュエータとも呼ぶことができる。
【0113】
分配プレート7は、油圧システムがシステム圧力を供給するように油圧式に作動される。装置は、複数のグループの油圧ピストンあるように動作し、各グループは他のものとは独立して作動させることができる。油圧ピストン6は分配プレート7を駆動させ、それによって補給ピストンは変位され、潤滑ストロークを行う。
【0114】
普通、このタイプのシステム内で補給されるシリンダ油の量は、ストローク自体を調節すること、または潤滑頻度を変えることのいずれかによって調節される。本発明は、独立したピストンのグループを使用することに基づいており、各グループはそれぞれ、異なるストロークを有する潤滑装置を提供するように設計されている。どのグループが作動されるのかを制御するための制御アルゴリズムを使用することによって、無段階潤滑油調節を実際に行うことができる。
【0115】
一部のシステムのユーザは、各エンジン・ストロークでの潤滑油の運搬を好むが、その他は1つまたは複数のエンジン・ストロークを省いても問題がないと考えている。必要に応じて、本発明は、潤滑油の量を0mmから所与の最大ストロークまで調節することが可能であり、この範囲内で、潤滑油の量の調節は無段階である。
【符号の説明】
【0116】
6 油圧ピストン; 7 分配プレート; 20 補給シリンダ; 21 補給ピストン
220 バルブ; 250 シリンダ; 251 噴射ユニット; 潤滑装置252。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶用などのエンジン内にシリンダ潤滑油を補給する油圧式潤滑装置(252)であって、
1つまたは複数のバルブ(220)を介して油圧オイルおよびシリンダ潤滑油の供給源(262)に接続されているハウジングと、
それぞれ油圧ピストン(6)を有し、油圧オイルによって加圧することができるいくつかの油圧シリンダと、
前記エンジン内のシリンダ数の倍数に対応し、補給ピストン(21)で各補給シリンダ(20)に接続されているいくつかの噴射ユニット(251)と、
分配プレート(7)であって、その一方側が前記補給ピストン(21)と接触しており、そのもう一方側が前記油圧ピストン(6)と接触して、前記補給ピストン(21)を作動させるように変位する、分配プレート(7)とを備えた装置において、
前記油圧ピストン(6)はグループで設けられており、各グループは前記補給ピストン(21)を作動させるために、前記分配プレート(7)を独立して変位させるようになっており、油圧ピストン(6)の各グループはそれぞれ個別のストロークを有する
ことを特徴とする潤滑装置。
【請求項2】
各グループは1つの油圧ピストン(6)を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の潤滑装置。
【請求項3】
油圧ピストン(6)の各グループには、2つ以上のピストンがあることを特徴とする、請求項1に記載の潤滑装置。
【請求項4】
前記油圧ピストン(6)は、互いの内部に配置されたいくつかのピストンと入れ子式で設けられていることを特徴とする、請求項2または3に記載の潤滑装置。
【請求項5】
孔が前記分配プレート(7)内に形成され、前記油圧ピストン(6)の少なくともいくつかがこれらの孔を通して延びていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかの請求項に記載の潤滑装置。
【請求項6】
表面(170)が、前記ハウジング内および前記分配プレート(7)の上に設けられており、この表面(170)は前記油圧ピストン(6)に対する接触表面として使用されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかの請求項に記載の潤滑装置。
【請求項7】
例えば船舶用エンジン内にシリンダ潤滑油を補給する方法であって、
それぞれ油圧ピストン(6)を有し、前記油圧オイルによって加圧された、いくつかの油圧シリンダを介した油圧オイルの供給ステップと、
前記エンジン内のシリンダ数の倍数に対応するいくつかの噴射ユニット(151)を介してシリンダ潤滑油を供給および噴射するステップであって、前記噴射ユニットは補給ピストン(21)で各補給シリンダ(20)に接続されているステップとを含む方法にあって、
前記分配プレート(7)は、その一方側が前記補給ピストン(21)と接触させられ、そのもう一方側が、前記油圧ピストン(6)と接触させられて、前記補給ピストン(21)を作動させるように変位し、
前記油圧ピストン(6)はグループで設けられており、各グループは前記補給ピストン(21)を作動させるために、前記分配プレート(7)を独立して変位させ、油圧ピストン(6)の各グループはそれぞれ個別のストロークを有することを特徴とする方法。
【請求項8】
1つの油圧ピストン(6)だけが各グループに使用されていることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項1】
船舶用などのエンジン内にシリンダ潤滑油を補給する油圧式潤滑装置(252)であって、
1つまたは複数のバルブ(220)を介して油圧オイルおよびシリンダ潤滑油の供給源(262)に接続されているハウジングと、
それぞれ油圧ピストン(6)を有し、油圧オイルによって加圧することができるいくつかの油圧シリンダと、
前記エンジン内のシリンダ数の倍数に対応し、補給ピストン(21)で各補給シリンダ(20)に接続されているいくつかの噴射ユニット(251)と、
分配プレート(7)であって、その一方側が前記補給ピストン(21)と接触しており、そのもう一方側が前記油圧ピストン(6)と接触して、前記補給ピストン(21)を作動させるように変位する、分配プレート(7)とを備えた装置において、
前記油圧ピストン(6)はグループで設けられており、各グループは前記補給ピストン(21)を作動させるために、前記分配プレート(7)を独立して変位させるようになっており、油圧ピストン(6)の各グループはそれぞれ個別のストロークを有する
ことを特徴とする潤滑装置。
【請求項2】
各グループは1つの油圧ピストン(6)を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の潤滑装置。
【請求項3】
油圧ピストン(6)の各グループには、2つ以上のピストンがあることを特徴とする、請求項1に記載の潤滑装置。
【請求項4】
前記油圧ピストン(6)は、互いの内部に配置されたいくつかのピストンと入れ子式で設けられていることを特徴とする、請求項2または3に記載の潤滑装置。
【請求項5】
孔が前記分配プレート(7)内に形成され、前記油圧ピストン(6)の少なくともいくつかがこれらの孔を通して延びていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかの請求項に記載の潤滑装置。
【請求項6】
表面(170)が、前記ハウジング内および前記分配プレート(7)の上に設けられており、この表面(170)は前記油圧ピストン(6)に対する接触表面として使用されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかの請求項に記載の潤滑装置。
【請求項7】
例えば船舶用エンジン内にシリンダ潤滑油を補給する方法であって、
それぞれ油圧ピストン(6)を有し、前記油圧オイルによって加圧された、いくつかの油圧シリンダを介した油圧オイルの供給ステップと、
前記エンジン内のシリンダ数の倍数に対応するいくつかの噴射ユニット(151)を介してシリンダ潤滑油を供給および噴射するステップであって、前記噴射ユニットは補給ピストン(21)で各補給シリンダ(20)に接続されているステップとを含む方法にあって、
前記分配プレート(7)は、その一方側が前記補給ピストン(21)と接触させられ、そのもう一方側が、前記油圧ピストン(6)と接触させられて、前記補給ピストン(21)を作動させるように変位し、
前記油圧ピストン(6)はグループで設けられており、各グループは前記補給ピストン(21)を作動させるために、前記分配プレート(7)を独立して変位させ、油圧ピストン(6)の各グループはそれぞれ個別のストロークを有することを特徴とする方法。
【請求項8】
1つの油圧ピストン(6)だけが各グループに使用されていることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2010−527425(P2010−527425A)
【公表日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508705(P2010−508705)
【出願日】平成20年5月16日(2008.5.16)
【国際出願番号】PCT/DK2008/050111
【国際公開番号】WO2008/141650
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(501173704)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月16日(2008.5.16)
【国際出願番号】PCT/DK2008/050111
【国際公開番号】WO2008/141650
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(501173704)
【Fターム(参考)】
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