説明

潤滑装置

【課題】オイルパン内のオイル量が少なくてもストレーナが十分にオイルを吸引することができ、暖機運転時には、より早く暖機運転を完了することが可能である潤滑装置を提供する。
【解決手段】オイルパンセパレータ11を有する2槽式のオイルパン10構造であって、オイルパンセパレータ11の凹み部20の底を深く形成しておき、ストレーナ12の吸い口に向かって、オイル落とし孔から戻ってきた温度が高く粘度の低いオイルを誘導する案内部26を設けることで、暖機運転時は潤滑後の高温のオイルを主として吸引させ、実質的に使われるオイル量を減らすことで暖機運転を効率的に行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オイルパン内にオイルパンセパレータを配置した2槽式オイルパンを有する潤滑装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内燃機関(以後「エンジン」ともいう)の各部にオイルを供給するために、内燃機関の最下層部には、オイルパンと呼ばれるオイル貯留部が設けられている。このオイルパンには、エンジンの各部に供給するための十分な量のオイルが貯留されている。
【0003】
エンジン内部で利用されるオイルは、高温状態で十分な潤滑性能を発揮するように設計されているが、車両が停止・放置されるような環境では、潤滑性を発揮しにくい高い粘度となっている。したがって、エンジンの始動時には、このオイルの温度を上げてやり、十分な潤滑性能を発揮できるようにするために暖機運転が推奨されている。
【0004】
一方、この暖機運転が速やかに完了できるような工夫も提案されている。オイルパンを2槽方式にする方法は、比較的低コストで実施でき、また高い効果が得られるという点で効果的な方法であるといえる(特許文献1参照)。
【0005】
図5には、従来の2槽式オイルパンの断面図を示す。オイルパン120はロアブロック110bを介してシリンダブロック110aに連結されている。オイルパン120には、オイルパン中を2部屋に分けるオイルパンセパレータ130が配置されている。オイルパンセパレータ130には、連通孔130dが形成されている。オイルは、冷えて粘度が高いうちは、この連通孔130dを通過することができないので、オイルパンセパレータの上側(主室)内のオイルだけでエンジン各部の潤滑が行われ、暖機運転は短時間で完了できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−222012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、エンジンに用いるオイル量は、所定の分量がメーカーによって決められているが、オイル量は使用に従って減少する。そのため、オイルパン内のオイル油面は変化する。オイル量が減っても、ストレーナは十分なオイルをエンジン各所に送油する必要があるので、オイルパンセパレータによって仕切られる第1室は底が深い方が望ましい。
【0008】
一方、第1室の底が深いと第1室の容量が増え、暖機運転で加熱するオイル量が増加する。また、結果、暖機運転には時間がかかり、暖機運転を効率的に行うために設けられた2槽式オイルパンの効果が少なくなるという課題がある。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みて想到されたもので、2槽式のオイルパン構造であって、通常運転時(暖機運転後)は、オイルパン内のオイル量が少なくてもストレーナが十分にオイルを吸引することができ、しかも、暖機運転時は、より早く暖機運転を完了することが可能であるオイルパンセパレータを有する潤滑装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
具体的に本発明の潤滑装置は、
内側の空間にオイルを貯留可能なオイルパンと、
上方に開口された状態で前記オイルパン内に配設された前記オイルパンを、互いに貫通路を有する2室に分離するオイルパンセパレータと、
前記オイルパンセパレータの凹み部に吸い口が配設されたストレーナと、
前記ストレーナを介してオイルを吸引しエンジン内の潤滑対象に前記オイルを供給するオイルポンプと、
前記潤滑対象が格納され下方に開口し、前記オイルパンの上方に配設されたシリンダブロックと、
前記シリンダブロックに穿設されオイルレベルゲージ孔を兼用されるオイル落とし孔を有する潤滑装置であって、
前記オイルパンセパレータは、
前記オイル落とし孔の下方に、前記オイル落とし孔から前記ストレーナの吸い口の方向に、前記オイルパンセパレータ表面からの高さが低くなるように延設された案内部と、
前記オイル落とし孔の下方に前記オイルレベルゲージを挿通するオイルレベルゲージ挿通孔を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の潤滑装置は、前記オイルパンセパレータは、前記オイルパンセパレータの縁の面からオイルレベルゲージ挿通孔に向けて狭くなるテーパ面を有し、前記テーパ面の一部に前記ストレーナの吸い口に向かって前記テーパ面を開口させたオイル流出部を設けたことを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明の潤滑装置は、前記オイルレベルゲージに前記オイルレベルゲージ挿通孔を塞ぐ栓部材を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の潤滑装置によれば、オイル落とし孔の下方にストレーナの吸い口に向かって延設された案内部を有するので、エンジン始動直後においては、シリンダブロックやシリンダヘッドで温められ、オイル落とし孔からオイルパンに戻ってきたオイルがストレーナに吸引されやすくなり、実質的に潤滑対象に供給されるオイル量は少なく、オイル温度も早く上昇する。
【0014】
特に、オイル落とし孔の下方にはオイルレベルゲージの挿通孔が穿設され、その挿通孔に向かってオイルパンセパレータ表面からテーパ面が形成され、そのテーパ面の一部には、ストレーナの吸い口に向かってテーパ面を開口したオイル流出部を設けたので、ストレーナの吸い口にはより一層戻ってきたオイルが集中しやすい。
【0015】
またオイルレベルゲージの先端にはオイルレベルゲージの挿通孔を塞ぐ栓部材を取り付けたので、通常オイルは、オイルレベルゲージの挿通孔を通ってオイルパンセパレータの上側室から下側室には行けない。したがって、オイル落とし孔から戻ってきたオイルは、挿通孔から下の部屋に落ちることがなく、案内部およびオイル流出部によってストレーナの吸い口にさらに集中させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の内燃機関の潤滑装置のオイルパン側の構造を例示する斜視図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図2の一部拡大図である。
【図4】図1のA−Aの断面図である。
【図5】従来の2槽式オイルパンの構造を例示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に図を用いて本発明の潤滑装置を説明する。なお、以後の説明では、エンジンのシリンダヘッド側を上方向(上側)と呼び、シリンダブロック側を下方向(下側)と呼ぶ。図1は、本発明の潤滑装置1のオイルパン部分の斜視図を示し、図2は潤滑装置1のオイルパン部分の平面図を示し、図3は図2の一部拡大図を示し、図4は図1のA−A断面を含む本発明の潤滑装置1を示す。図1ないし4を参照して、本発明の潤滑装置1は、オイルパン10と、オイルパンセパレータ11と、ストレーナ12と、オイルポンプ13と、シリンダブロック14と、シリンダブロック14中に穿設されたオイルレベルゲージ孔を兼務するオイル落とし孔15と、オイルレベルゲージ16を有する。
【0018】
オイルパン10は、エンジンのほぼ最下部に配置され、エンジン内の潤滑対象に送るオイルを貯留する場所である。凹みの周囲に接続用のフランジ10aが形成されており、フランジ10aには、ボルト締めの際に用いられるボルト孔10bが所定の数だけ形成されている。材質は主として金属が用いられるが、軽量化のために樹脂が用いられてもよく、また金属と樹脂を層構造にした合板構造などが好適に用いられる。
【0019】
オイルパンセパレータ11は、オイルパン10内に配置されて、オイルパン10内を少なくとも2室に分離する仕切りである。オイルパン10内の仕切り方は、特に限定されるものではないが、ここでは、上下の2室に分離させる仕切りとして説明を続ける。また、オイルパンセパレータ11の上面側を第1室11a、オイルパンセパレータとオイルパンで囲まれた空間を第2室11bと呼ぶ。
【0020】
第1室11aは、オイルパン10としてみれば上方に開口した構造である。しかし、オイルパン10自体が直接若しくは間接的にシリンダブロック14に結合するので、第1室11aは、オイルパンセパレータ11とシリンダブロック14の下面によって形成された空間といえる。
【0021】
オイルパンセパレータ11には、下方に向かって突設された凹み部20が形成される。この凹み部20はストレーナ12の吸い口12aを設置するための凹みである。ストレーナ12はオイルパン10の底面10cから高い位置にあると、オイル量が減少した際にオイルを吸引しにくくなる。したがって、この凹み部20は、できるだけオイルパン10の底面に近い位置まで凹ませてある。
【0022】
凹み部20は、周辺から凹み部20の底に向かうに従って断面積が狭くなるよう形成されるのがよい。より具体的には、オイルパンセパレータ11の縁22から凹み部20に向かって傾斜面24が形成されている。第1室11aに貯留されるオイルが主として潤滑対象に送られるため、第1室11aの容量をできるだけ少なくするためである。なお、図2では傾斜面24を1箇所示したが、オイルパンセパレータ11の縁22から凹み部20に向かってはほぼ全周囲から傾斜面が形成される。
【0023】
また、オイルパンセパレータ11には、第1室11aから第2室11bに向かってオイルが行き来できるように貫通路11cが形成されている。この貫通路11cは、複数個設けてあってもよい。貫通路11cはストレーナ12の吸い口12aより上方に配置される。詳細は後述するが、第1室11aと第2室11bのオイルの循環をスムーズにするためである。
【0024】
また、オイルパンセパレータ11には、後述するシリンダブロック14に穿設されたオイル落とし孔15の下方の位置に、オイル落とし孔15から落ちてくるオイルをストレーナ12の吸い口12aが設置される凹み部20まで導く案内部26が設置される。案内部26の形状は特に限定されるものではなく、オイル落とし孔15から落ちたオイルがストレーナ12の吸い口12aに向かって流れる流路が形成されていればよい。
【0025】
図1、2および3には望ましい形状の1例を示す。案内部26は、オイルパンセパレータ11の上側表面からオイル落とし孔15に向かって延びる2枚の立壁26aによって形成されており、この2枚の立壁26aのオイルパンセパレータ11の外側に向かった面は、断面が略半円の壁26bが連続して形成されている。したがって、上面視で案内部26はU字状の形状をしている(図2、3参照)。
【0026】
また、案内部26はオイル落とし孔15から、ストレーナ12の吸い口12aが設置される凹み部20に向かって徐々に低くなるように形成されている。ここで、低くなるとは、オイルパンセパレータ11の上側表面からの立ち上り高さが低くなるということである。
【0027】
案内部26は上面視でU字状をしている(図2参照)が、そのUの字の底の部分に、オイルレベルゲージ挿通孔28が形成される。オイル落とし孔15は、オイルゲージが挿通されるオイルゲージ孔を兼用しているため、オイル落とし孔15の直下にはオイルレベルゲージ16の先端も降りてくるからである。オイルレベルゲージ16は通常使用されるオイルの油面より下まで先端を下ろす必要があるので、オイルパンセパレータ11を貫通する箇所が必要となるのである。
【0028】
オイルレベルゲージ挿通孔28は、オイルパンセパレータ11の縁22の面から下方に所定距離だけ凹んだ位置に形成されている。すなわち、オイルレベルゲージ挿通孔28が形成されている位置は、ストレーナ12の吸い口12aを配置する凹み部20のように、凹んでいる。ただし、凹み部20よりは上側に形成されている。凹み部20に向かってオイルを流せるようにするためである。そして、この凹みの側面をテーパ面29としている。このテーパ面29によってオイル落とし孔15から落ちてきたオイルは、確実にオイルレベルゲージ挿通孔28に向かって集められる。
【0029】
また、この凹みの周囲の一部には、ストレーナ12の吸い口12aを配置する凹み部20に向かってテーパ面29の一部が開放されたオイル流出部30が設けられている。したがって、オイル流出部30は、オイルレベルゲージ挿通孔28の周囲のテーパ面29を一部削除し、オイルレベルゲージ挿通孔28の形成位置から凹み部20へ向かう斜面を形成している。
【0030】
ストレーナ12は、オイルパン10に貯留されたオイルを吸い上げるためのノズルであり、基本的に筒である。なお、ストレーナ12の位置は変更できるようにされていてもよく、機動させるためのアームを接続させるためのブラケット12bが形成されていてもよい。図ではブラケット12bの一例を示した。オイルポンプ13は、ストレーナ12を介してオイルを吸い上げ、エンジン内の潤滑対象にオイルを送る。
【0031】
シリンダブロック14は、シリンダが形成されたエンジンの中心的なブロックの1つである。シリンダブロック14は、オイルパン10の上方に配設される。直接オイルパン10と連結されてもよいし、ロアブロック(図示せず)を介してオイルパン10と連結されてもよい。
【0032】
シリンダブロック14にはオイルレベルゲージ16を収納するオイルレベルゲージ孔が穿設される。このオイルレベルゲージ孔は、通常エンジンが稼動している際には、シリンダブロックやシリンダヘッドへ供給されたオイルがオイルパン10に戻る帰り道としても兼用される。したがって、オイルレベルゲージ孔はオイル落とし孔15でもある。
【0033】
オイルレベルゲージ16は、エンジン内のオイル量が適切であるか否かを検査するロッド状の部材である。上方端には、円環状の把持部16aが形成され、下方端には目盛が形成された検出片16bが連結されている。オイル検出片16bの形状は特に限定されないが、平板状で目盛が刻印されているものが好適に利用することができる。
【0034】
オイルレベルゲージ16のエンジンへの差し込み口は、エンジンの最上部となるシリンダヘッドカバー、若しくはシリンダヘッド、シリンダブロックなどに設けることができる。
【0035】
オイルレベルゲージ16は上述したオイルパンセパレータ11のオイルレベルゲージ挿通孔28を通って、第2室11bの深部まで届く。オイルの残量を調べる必要があるからである。
【0036】
また、オイルレベルゲージ16は、収納された際にオイルパンセパレータ11の上側表面と接する位置にオイルレベルゲージ挿通孔28をふさぐ栓部材16cが配置されている。この栓部材16cは、オイルレベルゲージ16が収納された状態の時には、オイルレベルゲージ挿通孔28を液密に塞ぐ。
【0037】
栓部材16cの形状は特に限定されない。図4では、球状の栓部材16cが検出片16bの直上側に取り付け固定されている状態を示す。しかし、例えば、略円錐形状を倒立させた状態で、その円錐軸にオイルレベルゲージ16のロッドを貫通させて、栓部材16cとしてもよい。
【0038】
栓部材16cの材質も特に限定されるものではないが、硬いオイルパンセパレータ11に形成されたオイルレベルゲージ挿通孔28を液密に塞ぐので、オイルパンセパレータ11よりは柔らかい材料が好ましい。また、オイル落とし孔15から落ちてくるオイルが直接触れるので、ある程度の耐熱性を有する材料がよい。
【0039】
以上の構成を有する本発明の潤滑装置1の動作について説明する。エンジンの始動時には、第1室11aおよび第2室11bに貯留されているオイルは共に温度が低い。エンジンが始動し、オイルポンプ13が駆動すると、ストレーナ12の吸い口12aからオイルが吸引されエンジン内部の潤滑対象へと送られる。より具体的には、シリンダヘッドや、シリンダブロックなどに送られる。
【0040】
潤滑対象に供給されたオイルは各部に配置されたオイルの流路を通って、オイル落とし孔15に集まる。そしてオイル落とし孔15からオイルパン10に落ちる。オイル落とし孔15の下方では、オイル落とし孔15に近接するようにオイルパンセパレータ11に形成された案内部26が、落ちてくるオイルを迎え、案内部26の2枚の立壁26aの間にオイルを導く。
【0041】
オイル落とし孔15の直下にはオイルレベルゲージ挿通孔28が形成されているが、オイルレベルゲージ16の栓部材16cによって蓋がされているので、落下してきたオイルは第2室11b側に漏れることはない。また、オイルレベルゲージ挿通孔28の周囲にはテーパ面29が形成されているので、落下してきたオイルはほぼ確実に、塞がれたオイルレベルゲージ挿通孔28に向かって集まることとなる。
【0042】
ここで、オイルレベルゲージ挿通孔28の周囲のテーパ面29には一部が開口されたオイル流出部30が設けられているので、オイルレベルゲージ挿通孔28に向かって集まったオイルは、オイル流出部30から凹み部20に向かって流れ出す。このオイル流出部30の流れ出す先には、ストレーナ12の吸い口12aが設置されている。したがって、オイル落とし孔15から戻ってきた温度の高いオイルは直ちにまたストレーナ12を介してオイルポンプ13によって潤滑対象に送られる。
【0043】
次に第2室11bのオイルとの関係を説明する。第1室11aの凹み部20の底からストレーナ12を介してオイルが汲みだされるので、第1室11aのオイルの油面は下がる。すると、オイルパンセパレータ11の側壁に形成された貫通路11c等からオイルが第1室11a側に流入する。しかし、暖機運転開始直後の状態では、第2室11bのオイルはまだ温度が低いので、粘度が高く単位時間当たりの流入量は少ない。そのため、オイル落とし孔15から戻ってきた高温で粘度の低いオイルが主としてストレーナ12から吸入される。そのため、このサイクルで潤滑するオイルは短時間で温度が上がる。すなわち、粘度の低いオイルが主として選択的に吸引される。
【0044】
一方、オイル落とし孔15から戻ってきたオイルは、十分温度が高いので、オイルパン10自体の温度を上げる。したがって、第2室11bのオイルも除々に温度が上がる。オイルパン10全体のオイルの温度が上がると、第2室11bのオイルの温度も上がり、粘度も下がる。結果、オイルパンセパレータ11に形成された貫通路11cを通って、第2室11bから第1室11aに容易にオイルの流動が生じる。すなわち、ストレーナ12の吸引によって下がった第1室11aの油面をただちに補うスピードでオイルが第1室11aに供給される。この状態になると、オイル落とし孔15から戻ってきたオイルと貫通路11cを通ってきたオイルは区別されることなく混合されてストレーナ12から吸引される。
【0045】
以上のように、本発明の潤滑装置1では、オイル落とし孔15から戻ってきたオイルをストレーナ12の吸い口12aまで導くオイル流出部30を設けたので、エンジン始動直後は、オイル落とし孔15から戻ってきた温度の高い(粘度の低い)オイルがストレーナ12を介して吸引されやすく、実質的に少ないオイルが潤滑対象に供給されるので、短い時間で暖機を完了させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、内燃機関の潤滑装置に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 潤滑装置
10 オイルパン
10a フランジ
10b ボルト孔
10c オイルパンの底面
11 オイルパンセパレータ
11a 第1室
11b 第2室
11c 貫通路
12 ストレーナ
12a 吸い口
12b ブラケット
13 オイルポンプ
14 シリンダブロック
15 オイル落とし孔
16 オイルレベルゲージ
16a 把持部
16b 検出片
16c 栓部材
20 凹み部
22 (オイルパンセパレータの)縁
24 (オイルパンセパレータの)傾斜面
26 案内部
26a 立壁
26b 略半円の壁
28 オイルレベルゲージ挿通孔
29 テーパ面
30 オイル流出部
110a シリンダブロック
110b ロアブロック
120 オイルパン
130 オイルパンセパレータ
130d 連通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側の空間にオイルを貯留可能なオイルパンと、
上方に開口された状態で前記オイルパン内に配設された前記オイルパンを、互いに貫通路を有する2室に分離するオイルパンセパレータと、
前記オイルパンセパレータの凹み部に吸い口が配設されたストレーナと、
前記ストレーナを介してオイルを吸引しエンジン内の潤滑対象に前記オイルを供給するオイルポンプと、
前記潤滑対象が格納され下方に開口し、前記オイルパンの上方に配設されたシリンダブロックと、
前記シリンダブロックに穿設されオイルレベルゲージ孔を兼用されるオイル落とし孔を有する潤滑装置であって、
前記オイルパンセパレータは、
前記オイル落とし孔の下方に、前記オイル落とし孔から前記ストレーナの吸い口の方向に、前記オイルパンセパレータ表面からの高さが低くなるように延設された案内部と、
前記オイル落とし孔の下方に前記オイルレベルゲージを挿通するオイルレベルゲージ挿通孔を有することを特徴とする潤滑装置。
【請求項2】
前記オイルパンセパレータは、前記オイルパンセパレータの縁の面からオイルレベルゲージ挿通孔に向けて狭くなるテーパ面を有し、前記テーパ面の一部に前記ストレーナの吸い口に向かって前記テーパ面を開口させたオイル流出部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の潤滑装置。
【請求項3】
前記オイルレベルゲージに前記オイルレベルゲージ挿通孔を塞ぐ栓部材を設けたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の潤滑装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−57559(P2012−57559A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−202476(P2010−202476)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(000002967)ダイハツ工業株式会社 (2,560)
【出願人】(390026538)ダイキョーニシカワ株式会社 (492)
【Fターム(参考)】