濁度測定装置
【課題】液体に含まれる気泡に影響されずに液体の濁度を正確に測定することが可能な濁度測定装置を提供する。
【解決手段】導出管152は、出口142を介してセル100に接続され、出口142からセル100の外部に流出した液体が流通する導出路154を形成する。細管155は気体流路156を形成する。気体流路156は、導出路154の流路断面積よりも小さい流路断面積を有し且つ導出路154と接続空間134とを接続する。発光部は、セル100の内部のうち流路空間132と接続空間135と流路空間133とのいずれかに向かって光を照射する。受光部は、発光部が発した光を受光する。
【解決手段】導出管152は、出口142を介してセル100に接続され、出口142からセル100の外部に流出した液体が流通する導出路154を形成する。細管155は気体流路156を形成する。気体流路156は、導出路154の流路断面積よりも小さい流路断面積を有し且つ導出路154と接続空間134とを接続する。発光部は、セル100の内部のうち流路空間132と接続空間135と流路空間133とのいずれかに向かって光を照射する。受光部は、発光部が発した光を受光する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、濁度測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光を照射する発光部と、発光部が発した光を受光する受光部とを備え、発光した光量に対して受光した光量を検出することによって液体の濁度を測定する装置が知られている。このような装置において特に濁度が小さい場合は、測定系内としての光路に気泡が進入した際に、濁質粒子と気泡とが同様に扱われてしまうことがある。このような場合には、液体の濁度を正確に測定することが困難である。
【0003】
このような濁度測定装置に対して、特開2009−31018号公報(以下では特許文献1という)に係る濁度測定装置、特開2008−232790号公報(以下では特許文献2という)に係る水質測定装置、または特開2005−334682号公報(以下では特許文献3という)に係る液中パーティクルカウンターの気泡除去装置が従来から知られている。
【0004】
特許文献1に係る濁度測定装置は、ガスに起因して液体中に発生する気泡よりも小さな径を有する光を液体に照射する光源部と、液体を透過した光源部からの光を受光する受光部と、受光部で受光された光量に基づいて液体の濁度を算出する算出部とを備えている。
【0005】
特許文献1に記載された濁度測定装置では、光が照射される位置に気泡が存在しない場合に、光源部が発光させた光が受光部に受光される。しかし、光が照射される位置に気泡が存在する場合には、光源部が発光させる光が気泡によって反射および散乱されることにより、受光部に光が受光されない。この気泡があることによって受光部に光が届かない場合は、濁質によって生じる減光と比べ、信号強度が大きく減少する。これらのデータを除外することにより、液体の正しい濁度を測定することができる。このように、算出部は、気泡の影響を受けずに受光部に受光された光量に基づき、液体の濁度を算出する。
【0006】
特許文献2に係る水質測定装置は、液体としての試料水が溜められるセルを備えている。セルは、複数の面で囲まれた領域を有している。また、セルは、試料水が当該領域に流入する流入部を複数の面のうちの床面に有し、試料水が当該領域から流出する流出部を天井面に有している。また、特許文献2に係る水質測定装置は、セルの当該領域に光を発する発光部と、発光部が発する光を受ける受光部とを備えている。流入部は、平面視において、流出部とは異なる位置且つ発光部から受光部までに至る光路の外の位置に配置されている。
【0007】
流入部からセルの領域に試料水とともに流入した気泡等は、発光部が発する光の光路に進入しないように、その浮力で上昇し、且つ、試料水の流れに乗って流出部から排出される。気泡等は、セルの領域を流れる際には、光路よりも上方を通ることによって光路に進入しない。このように、特許文献2に記載された水質測定装置は、発光部が発する光の光路に、流入部から流出部に向かう気泡等が進入しないように構成されている。
【0008】
一方、特許文献3に係る気泡除去装置は、所定の容積を有する槽を備えている。槽の内部に貯留された液体に含まれる気泡は、気泡が有する浮力によって液体を上昇する。液体の表面付近に浮遊する気体は、槽の上部に配置されたエア抜き弁により、槽の内部から外部に放出される。また、槽の液体を貯留する箇所には、少なくとも表面が疎水性材料によって形成された構造物が、少なくとも一以上設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−31018号公報
【特許文献2】特開2008−232790号公報
【特許文献3】特開2005−334682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載された濁度測定装置においては、光が照射される位置に気泡が進入することが除外されていない。このように、特許文献1に記載された濁度測定装置は、気泡が断続的に発生することが考慮されているとはいえない。
【0011】
また、特許文献2に記載された水質測定装置では、気泡等が浮力で領域内を上昇している間に試料水の流れに流されてしまう場合には、気泡等が光路へ進入することがある。このような場合には、液体の濁度を正確に測定することができない。
【0012】
さらに、特許文献3に記載された気泡除去装置は、液体の表面付近に溜められた気体を槽の外部を排出するためのエア抜き弁を備える必要がある。また、特許文献3に記載された気泡除去装置は、このエア抜き弁を適宜開閉するためには、滞留する気体の量を測る必要がある。そのため、特許文献3に記載された気泡除去装置は、このエア抜き弁を適宜開閉するための制御および構造を備える必要がある。これにより、この気泡除去装置の装置構成が非常に煩雑になってしまう。
【0013】
これらに鑑み、液体の濁度を正確に測定するためには、発光された光が照射される範囲に気泡が進入することを根本的に防ぐ手段が必要である。つまり、発光された光が照射される範囲に気泡が進入することを根本的に防ぐことができ、その結果、液体に含まれる気泡に影響されずに液体の濁度を正確に測定することが可能な濁度測定装置が望まれている。
【0014】
そこで、この発明の目的は、液体に含まれる気泡に影響されずに液体の濁度を正確に測定することが可能な濁度測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明に従った濁度測定装置は、液体を流入させる入口と、入口から流入した液体を流出させる出口とが形成されたセルを備えている。セルは、第1の流路空間と第2の流路空間と第3の流路空間と第1の接続空間と第2の接続空間とを有している。第1の接続空間は、第1の流路空間と第2の流路空間とを接続する。第2の接続空間は、第2の流路空間と第3の流路空間とを接続する。入口と出口と第1の流路空間と第2の流路空間と第3の流路空間と第1の接続空間と第2の接続空間とは、入口、第1の流路空間、第1の接続空間、第2の流路空間、第2の接続空間、第3の流路空間、および、出口の順に、液体が流れるように配置されている。第1の接続空間は、セルの上下方向に関してセルの内部の上端部に配置されている。
【0016】
さらに、この発明に従った濁度測定装置は、導出路と、接続流路と、発光部と、受光部とを備えている。導出路は、出口を介してセルに接続され、出口からセルの外部に流出した液体が流通する。接続流路は、導出路の流路断面積よりも小さい流路断面積を有し且つ導出路と第1の接続空間とを接続する。発光部は、セルの内部のうち第2の流路空間と第2の接続空間と第3の流路空間とのいずれかに向かって光を照射する。受光部は、発光部が発した光を受光する。
【0017】
この発明によれば、入口を介してセルの内部に液体が流入する。セルの内部に流入した液体は、第1の流路空間から第2の流路空間を経て第3の流路空間に流れていく。第1の流路空間と第2の流路空間とを接続する第1の接続空間は、セルの上下方向に関してセルの内部の上端部に配置されている。そのため、セルの内部に流入する液体に気泡または気体が含まれている場合は、第1の流路空間から第2の流路空間を経て第3の流路空間に至るまで液体が流れる際に、気泡が有する浮力により、気泡または気体が第1の接続空間に蓄積される。
【0018】
また、導出路が出口を介してセルに接続されている。導出路は、出口からセルの外部に流出した液体が流通する。導出路と第1の接続空間とは、接続流路によって接続されている。接続流路の流路断面積は、導出路の流路断面積よりも小さい。接続流路と導出路との接続部分では、接続流路と第1の接続空間との接続部分の圧力に対して負圧が発生するため、第1の接続空間に蓄積された気泡または気体は、接続流路を介して導出路に吸い込まれる。このように、入口からセルの内部に流通する液体に含まれる気泡または気体は、第1の接続空間から導出路に流出することにより、セルの内部から排出される。
【0019】
さらに、この発明によれば、発光部が、セルの内部のうち第2の流路空間と第2の接続空間と第3の流路空間とのいずれかに向かって光を発する。受光部は、発光部が発した光を受光する。つまり、発光部は、気泡が混入された液体が流通する第1の流路空間または気体が蓄積される第1の接続空間には光を発していない。このように、この発明に係る濁度測定装置は、発光部から受光部に向かって進行する光が形成する光路に、液体に含まれる気泡または気体が進入することが無いように構成されている。そのため、この発明によれば、液体に含まれる気泡の影響を受けずに液体の濁度を正確に測定することができる。
【0020】
この発明に従った濁度測定装置は、導入路をさらに備えていることが好ましい。導入路は、入口を介してセルに接続されていることが好ましい。導入路は、入口から第1の流路空間に向かう方向に液体を流通させるものである。さらに、この発明に従った濁度測定装置では、発光部は、照射される光が導入路または導出路に入射しないように配置され、セルの内部のうち第2の流路空間に向かって光を照射することが好ましい。
【0021】
この構成によれば、導入路は、導入路と第1の流路空間とが互いに接続されるようにセルに接続されている。また、導出路は、導出路と第3の流路空間とが互いに接続されるようにセルに接続されている。一方、発光部は、セルの内部のうち第2の流路空間に向かって光を照射することが可能なように、セルの近傍に配置される。つまり、発光部は、照射される光が導入路または導出路に入射しないような場所に配置されている。そのため、発光部と導入路と導出路との配置は、特別な光学設計によらずに比較的容易に設計される。これにより、セルの内部に溜められる液体の濁度を比較的容易に測定することができる。したがって、この発明によれば、液体に含まれる気泡の影響を受けずに液体の濁度を正確且つ比較的容易に測定することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、この発明によれば、液体に含まれる気泡に影響されずに液体の濁度を正確に測定することが可能な濁度測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す正面図である。
【図3】第1実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す側面図である。
【図4】(A)は図3のIV−IV線の断面図であり、(B)は(A)の一部拡大図ある。
【図5】第2実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す斜視図である。
【図6】第2実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す正面図である。
【図7】第2実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す側面図である。
【図8】(A)は図7のVIII−VIII線の断面図であり、(B)は(A)の一部拡大図ある。
【図9】第3実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す斜視図である。
【図10】第3実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す正面図である。
【図11】第3実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す側面図である。
【図12】(A)は図11のXII−XII線の断面図であり、(B)は(A)の一部拡大図ある。
【図13】第4実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す斜視図である。
【図14】第4実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す正面図である。
【図15】第4実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す側面図である。
【図16】図13に示す濁度測定装置のセルの天井壁の一部と一方の側面壁と正面壁とをセルから取り外した状態において、セルの内部を流通する液体の流れ方向を模式的に示す図である。
【図17】図16に示す矢XVIIが指す方向にて濁度測定装置を見るときのセルの内部を流通する液体の流れ方向を模式的に示す図である。
【図18】図16に示す矢XVIIIが指す方向にて濁度測定装置を見るときのセルの内部を流通する液体の流れ方向を模式的に示す図である。
【図19】図14のXIX−XIX線の断面図である。
【図20】第5実施形態に係る濁度測定装置の断面図である。
【図21】第6実施形態に係る濁度測定装置の断面図である。
【図22】第7実施形態に係る濁度測定装置の断面図である。
【図23】第8実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す斜視図である。
【図24】第8実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す正面図である。
【図25】第8実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す側面図である。
【図26】第9実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す斜視図である。
【図27】第9実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す正面図である。
【図28】第9実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す側面図である。
【図29】第10実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す斜視図である。
【図30】第10実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す正面図である。
【図31】第10実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
(第1実施形態)
濁度測定装置1は、対象の液体が溜められたセル100に光を照射することにより、照射された光の透過光または散乱光の強度から対象の液体の濁度を検知するものである。図1に示すように、濁度測定装置1は、濁度測定用のセル100と発光部121と受光部122とを備えている。
【0026】
図1に示すように、セル100は、正面側に正面壁101と正面壁102とを有している。セル100は、上面側に天井壁110と天井壁109と天井壁108とを有している。セル100は、一方の側の側面に側面壁103と側面壁105とを有している。また、図2に示すように、セル100は、他方の側面に側面壁104と側面壁106とを有している。図3に示すように、セル100は、背面側に背面壁107を有し、且つ、底面として、底面壁111と底面壁112とを有している。図3に示すように、セル100では、底面壁111と底面壁112とは、互いに略平行に延びている。また、図4(A)に示すように、天井壁110は、図4(A)の左右方向に延びている。さらに、天井壁110と天井壁108とは、互いに略平行に延びている。一方、天井壁109は、図4(A)の左右方向に対して傾斜している。
【0027】
側面壁103と側面壁105と側面壁104と側面壁106とは、互いに略平行に延びている。正面壁101と正面壁102と背面壁107とは、互いに略平行に延びている。天井壁110と底面壁111と底面壁112とは互いに略平行に延びている。
【0028】
セル100の内部には、空間が形成されている。図4(A)に示すように、セル100には、入口141と出口142とが形成されている。入口141は、セル100の外部から内部に液体を流入させるものである。出口142は、セル100の内部に流入した液体をセル100の外部に流出させるものである。入口141は底面壁112に形成された開口であり、出口142は天井壁110に形成された開口である。ただし、入口141は、側面壁105、正面壁101、または背面壁107に形成されていてもよい。このとき、入口141は、天井壁109よりも底面壁112に近い場所、すなわち、セル100の上下方向に関してセル100の中央よりも下方に配置されていることが好ましい。
【0029】
一方、出口142は、側面壁106、正面壁101、または背面壁107に形成されていてもよい。このとき、出口142は、底面壁112よりも天井壁109に近い場所、すなわち、セル100の上下方向に関してセル100の中央よりも上方に配置されていることが好ましい。
【0030】
導入管151と導出管152とは、セル100に接続されている。導入管151は、入口141を介してセル100に接続されている。導入管151は導入路153を形成している。セル100の外部からセル100の内部に流入する液体は、導入路153を流通する。導入路153を流通する液体は、入口141を介して流路空間131に流入する。導出管152は、出口142を介してセル100に接続されている。導出管152は導出路154(図4(B)参照)を形成している。出口142からセル100の外部に流出した液体は、導出路154を流通する。このように、セル100の内部の空間には液体が溜められる。
【0031】
セル100の内部の空間に溜められる液体には、濁質が含まれている。また、入口141からセル100の内部に流入する際または入口141よりも上流側を液体が流通している際等に、気体が液体に混入される場合がある。そのため、入口141からセル100の内部に流入した液体に、気泡が含まれていることがある。これらの気泡が発光部121と受光部122との間を結ぶ光路に進入する場合には、気泡によって生じる散乱の影響により、液体の濁度を正確に測定することができない。そのため、セル100は、セル100の内部に液体とともに流入した気泡または気体が光路に進入しないように構成されている。
【0032】
図4(A)に示すように、セル100の内部には、流路空間131と、流路空間132と、流路空間133と、流路空間131と流路空間132とを接続する接続空間134と、流路空間132と流路空間133とを接続する接続空間135とが形成されている。つまり、セル100は、流路空間131と流路空間132と流路空間133と接続空間134と接続空間135とを有している。入口141と出口142と流路空間131と流路空間132と流路空間133と接続空間134と接続空間135とは、入口141と流路空間131と接続空間134と流路空間132と接続空間135と流路空間133と出口142との順に液体が流れるように配置されている。
【0033】
図1から図4に示すように、第1の流路空間としての流路空間131は、天井壁109と底面壁112と側面壁105と区画壁113と正面壁101と背面壁107とに囲まれることにより、セル100の内部に形成されている。第3の流路空間としての流路空間133は、天井壁110と底面壁112と側面壁106と区画壁114と正面壁101と背面壁107とに囲まれることにより、セル100の内部に形成されている。
【0034】
第2の流路空間としての流路空間132は、天井壁109と、天井壁108と、底面壁112および底面壁111と、区画壁113および側面壁103と、区画壁114および側面壁104と、正面壁102と、天井壁108の上方の正面壁101の一部と、背面壁107とに囲まれることにより、セル100の内部に形成されている。つまり、流路空間132は、天井壁109と底面壁112と区画壁113と区画壁114と背面壁107とに覆われる空間と、天井壁108と底面壁111と側面壁104と側面壁103と正面壁102とに覆われる空間とを有している。流路空間132では、正面側が正面壁102によって区画され、背面側が背面壁107によって区画されている。流路空間132の正面側と背面側を区画する壁は、正面壁102と背面壁107とを除いてセル100に設けられていない。
【0035】
セル100では、流路空間132の正面側の端と背面側の端との間の寸法は、流路空間131のものと流路空間133のものとに比べて大きい。図1に示すように、流路空間132(図4(A)参照)のうち、天井壁108と底面壁111と側面壁104(図2参照)と側面壁103と正面壁102とに覆われる空間は、正面壁101と背面壁107(図3参照)と側面壁105と側面壁106(図2参照)と天井壁109および天井壁110と底面壁112とに覆われる空間、すなわち、流路空間131(図4(A)参照)と流路空間133(図4(A)参照)とを合わせた空間よりも正面側に突出している。このように、セル100では、流路空間131と流路空間132と流路空間133との幅方向(図4(A)の左右方向)の寸法が同一である場合に、流路空間132は、流路空間131の容積または流路空間133の容積よりも大きな容積を有している。
【0036】
流路空間132において、側面壁103と区画壁113(図4(A)参照)とは、一体であってもよく、別体であってもよい。また、流路空間132において、側面壁104と区画壁114(図4(A)参照)とは、一体であってもよく、別体であってもよい。
【0037】
流路空間132において、側面壁103と区画壁113とが一体であるか別体であるかにかかわらず、側面壁103と区画壁113とは、セル100の正面側から背面側に向かう方向に沿って互いに連続するように延びている。流路空間132において、側面壁104と区画壁114とが一体であるか別体であるかにかかわらず、側面壁104と区画壁114とは、セル100の正面側から背面側に向かう方向に沿って互いに連続するように延びている。
【0038】
また、流路空間132において、側面壁103と区画壁113とが一体であるか別体であるかにかかわらず、流路空間131と流路空間132とは、接続空間134のみによって互いに接続されている。一方、流路空間132において、側面壁104と区画壁114とが一体であるか別体であるかにかかわらず、流路空間132と流路空間133とは、接続空間135のみによって互いに接続されている。
【0039】
なお、側面壁103と側面壁104とは、図2に示すように略鉛直方向に延びるものに限定されず、略鉛直方向から傾斜していてもよい。一方、区画壁113と区画壁114とは、図4(A)に示すように略鉛直方向に延びるものに限定されず、略鉛直方向から傾斜していてもよい。また、区画壁113と区画壁114とは、曲線状に上下方向に延びていてもよい。すなわち、セル100の内部の流路空間131と流路空間132と流路空間133とは、それぞれの単位流路長あたりの容積(物理量はmm3/mmである)、つまりそれぞれの断面積(物理量はmm2である)が一定でなくてもよい。
【0040】
図4(A)に示すように、セル100の上下方向に関して、接続空間134はセル100の内部の上端部10aに配置され、且つ、接続空間135はセル100の内部の下端部10bに配置されている。セル100の内部の上端部10aは、天井壁109の内面付近の空間のことであって、天井壁109の内面と区画壁113の上端113eとの間の空間を含んでいる。一方、セル100の内部の下端部10bは、底面壁112の内面付近の空間のことであって、底面壁112の内面と区画壁114の下端114eとの間の空間を含んでいる。なお、各壁の内面とは、セル100の内部に面した面であり、液体と接触する面のことである。
【0041】
接続空間134は、区画壁113の上端113eの上方と天井壁109の内面との間の空間を少なくとも含んでいる。一方、接続空間135は、区画壁114の下端114eの下方と底面壁112の内面との間の空間を少なくとも含んでいる。
【0042】
図3に示すように、区画壁113の上端113eは、図3の左右方向に延びるようにセル100の内部に配置されている。ただし、区画壁113の上端113eは、図3に示すものと異なり、図3の左右方向から傾斜していてもよい。また、区画壁113の上端113eの形状は、特に限定されない。図4(A)に示すように、区画壁113は、底面壁112から上方に向かって延びている。
【0043】
一方、図3に示すように、区画壁114の下端114eは、図3の左右方向に延びるようにセル100の内部に配置されている。ただし、区画壁114の下端114eは、図3に示すものと異なり、図3の左右方向から傾斜していてもよい。また、区画壁114の下端114eの形状は、特に限定されない。図4(A)に示すように、区画壁114は、天井壁110から下方に向かって延びている。
【0044】
セル100を形成する各壁の材質は、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル、ガラス、石英、ポリエチレン樹脂、またはオレフィン系樹脂等である。セル100の壁のうち、少なくとも天井壁108と底面壁111は、透明な材質、すなわち、可視光線を透過させることが可能な材質によって形成されている。
【0045】
図1に示すように、発光部121は、底面壁111の下方に配置されている。発光部121は、底面壁112の下方に配置されていてもよい。これらにより、発光部121は、セル100の内部のうち流路空間132(図4(A)参照)に向かって光を照射する。発光部121は、発光部121から照射される光が導入路153または導出路154に入射しないように、セル100の外部に配置されている。発光部121が照射する光は可視光領域の光である。発光部121が照射する光としては、波長が短い方が好ましく、例えば、青色の光が好ましい。また、発光部121が照射する光の広がり角は小さい方が好ましい。発光部121は、例えばレーザー光であることが好ましい。また、発光部121は、複数の波長の光を照射するものであってもよい。例えば、第1の波長の光として青色の光を照射し、第2の波長の光として赤色の光を照射していてもよい。
【0046】
受光部122は、発光部121が発した光を受光する。受光部122は、天井壁108の上方に配置されている。ただし、受光部122と発光部121との配置は、互いに入れ替わっていてもよい。つまり、受光部122が底面壁112の下方に配置され且つ発光部121が天井壁108の上方に配置されていてもよい。このように、濁度測定装置1では、いわゆる透過光が利用されている。すなわち、受光部122は、液体に含まれる濁質によって散乱されない光を受光する。図1および図2に示すように、受光部122は、発光部121が発する光が進行する方向と対向するように配置されている。
【0047】
なお、発光部121は、図2において、側面壁103の図2の右方に配置されていてもよく、または、側面壁104の左方に配置されていてもよい。発光部121が側面壁103の右方に配置される場合には、受光部122は側面壁104の左方に配置される。また、発光部121が側面壁104の左方に配置される場合には、受光部122は側面壁103の右方に配置される。これらのように、発光部121は、セル100の内部のうち流路空間132と接続空間135と流路空間133とのいずれかに向かって光を照射するものであればよく、且つ、受光部122は、発光部121が発する光が進行する方向と対向するように配置されていればよい。
【0048】
セル100の縦(高さ)の寸法は、セル100の横(幅)の寸法に比べて大きい。このような構成は、濁度測定装置1において透過光が利用されている場合には適している。ただし、濁度測定装置1において、少なくとも、流路空間132の上下方向の寸法が流路空間132の幅よりも大きければよい。
【0049】
ただし、濁度測定装置1では、いわゆる散乱光が利用されていてもよい。すなわち、受光部122は、液体に含まれる濁質によって散乱された光を受光するものであってもよい。この場合には、発光部121は、受光部122の配置に応じて、セル100の内部のうち流路空間132と接続空間135と流路空間133とのいずれかに向かって光を照射するものであればよい。図2に示すように、発光部121が底面壁111または底面壁112の下方に配置されている場合に、受光部122は、例えば側面壁103よりも図2の右方または側面壁104よりも図2の左方に配置されていてもよい。また、発光部121が底面壁111または底面壁112の下方に配置されている場合に、受光部122は、例えば正面壁102よりも図3の左方または背面壁107よりも図3の右方に配置されていてもよい。また、発光部121が底面壁111または底面壁112の下方に配置されている場合に、受光部122は、例えば底面壁112の下方に配置されていてもよい。これらのとき、セル100の各壁面に対して発光部121が取り付けられる角度と、セル100の各壁面に対して受光部122が取り付けられる角度とは、特に限定されず、発光部121が発する光の強度等に基づいて適宜決定されていてもよい。濁度測定装置1では、セル100の壁のうち、少なくとも、発光部121に面する壁と受光部122に面する壁とが、透明な材質、すなわち、可視光線を透過させることが可能な材質によって形成されていればよい。
【0050】
受光部122は、発光部121がセル100の内部に照射した光を受光することにより、演算部(図示しない)に信号を送信する。受光部122から信号を受信した演算部は、受光部122が受光した光の強度に基づいて、セル100の内部に溜められている液体の濁度を検知する。
【0051】
図4(A)および(B)に示すように、濁度測定装置1は、導出路154と接続空間134とを接続する細管155を備えている。細管155の内部は、接続流路としての気体流路156が形成されている。気体流路156では、後述するように液体から分離された気体が流通する。そのため、導出路154と接続空間134とは、詳細には気体流路156を介して互いに接続されている。また、細管155は、セル100の天井壁109と導出管152とに接続されている。細管155の内部の断面積、つまり、気体流路156の流路断面積は、導出路154の流路断面積よりも小さい。
【0052】
導出路154は、流路空間133の断面積よりも小さい流路断面積を有している。一方、導入路153は、流路空間131の断面積よりも小さい流路断面積を有している。導出路154の流路断面積とは、導出管152の内部の空間の断面積のことである。導入路153の流路断面積とは、導入管151の内部の空間の断面積のことである。導入管151は底面壁112に固定されている。導出管152は天井壁110に固定されている。
【0053】
以下では、セル100の内部等での液体の流れについて説明する。
図4(A)に示すように、入口141を介して導入路153からセル100の内部の流路空間131に流入した液体は、下方から上方に向かって流路空間131を流通する。流路空間131を流通する液体は、接続空間134を介して流路空間132に流入する。上方から下方に向かって流路空間132を流通した液体は、接続空間135を介して流路空間133に流入する。下方から上方に向かって流路空間133を流通した液体は、出口142を介してセル100の外部としての導出路154に流出する。
【0054】
導入路153から流路空間131に流入した液体に気泡が混入されている場合には、液体が流路空間131から流路空間132を流通する間に、気泡が有する浮力によって気泡または気体が接続空間134に集まる。天井壁109は、流路空間131から流路空間132に向かって、水平方向から上方に傾斜している。これにより、接続空間134には、液面よりも上方に気体が溜められるような空間が形成される。なお、天井壁108は、前後方向(図3の左右方向)から傾斜していてもよい。天井壁201が前後方向から傾斜していることにより、流路空間131から流路空間132を流通する液体に含まれる気体は、天井壁108の内面の下方に滞留することなく、接続空間134に集まる。
【0055】
細管155は、このような空間つまり接続空間134の上端部と導出路154とが互いに接続されるように、天井壁109と導出管152とに取り付けられている。気体流路156と導出路154との接続部分156b(図4(B)参照)では、接続空間134と気体流路156との接続部分156a(図4(B)参照)の圧力に対して負圧が発生する。そのため、接続空間134に蓄積された気体は、気体流路156を介して導出路154に吸い込まれる。導出路154に吸い込まれた気体は、液体とともに導出路154を流通する。
【0056】
なお、細管155のセル100と導出管152とへの取付の態様は、特に限定されない。また、導出管152では、液体または気体の流れ方向に関して接続部分156bよりも下流側の部分の内径が適宜絞られていてもよい。つまり、導出路154は、液体または気体の流れ方向に関して接続部分156bよりも下流側の部分の流路断面積が、接続部分156bよりも上流側の部分の流路断面積よりも小さいような部分を有していてもよい。
【0057】
以上のように、第1実施形態に係る濁度測定装置1は、液体を流入させる入口141と、入口141から流入した液体を流出させる出口142とが形成されたセル100を備えている。セル100は、流路空間131と流路空間132と流路空間133と接続空間134と接続空間135とを有している。接続空間134は、流路空間131と流路空間132とを接続する。接続空間135は、流路空間132と流路空間133とを接続する。入口141と出口142と流路空間131と流路空間132と流路空間133と接続空間134と接続空間135とは、入口141、流路空間131、接続空間134、流路空間132、接続空間135、流路空間133、および、出口142の順に、液体が流れるように配置されている。接続空間134は、セル100の上下方向に関してセル100の内部の上端部10aに配置されている。
【0058】
また、濁度測定装置1は、導出管152と、細管155と、発光部121と、受光部122とをさらに備えている。導出管152は、出口142を介してセル100に接続され、出口142からセル100の外部に流出した液体が流通する導出路154を形成する。細管155は気体流路156を形成する。気体流路156は、導出路154の流路断面積よりも小さい流路断面積を有し且つ導出路154と接続空間134とを接続する。発光部121は、セル100の内部のうち流路空間132と接続空間135と流路空間133とのいずれかに向かって光を照射する。受光部122は、発光部121が発した光を受光する。
【0059】
濁度測定装置1によれば、入口141を介してセル100の内部に液体が流入する。セル100の内部に流入した液体は、流路空間131から流路空間132を経て流路空間133に流れていく。流路空間131と流路空間132とを接続する接続空間134は、セル100の上下方向に関してセル100の内部の上端部10aに配置され、且つ、流路空間132と流路空間133とを接続する接続空間135は、セル100の上下方向に関してセル100の内部の下端部10bに配置されている。そのため、セル100の内部に流入する液体に気泡または気体が含まれている場合は、流路空間131から流路空間132を経て流路空間133に至るまで液体が流れる際に、気泡が有する浮力により、気泡または気体が接続空間134に蓄積される。
【0060】
また、導出管152が出口142を介してセル100に接続されている。導出管152は、出口142からセル100の外部に流出した液体が流通する導出路154を形成する。導出路154と接続空間134とは、気体流路156によって接続されている。気体流路156の流路断面積は導出路154の流路断面積よりも小さい。気体流路156と導出路154との接続部分156bでは、気体流路156と接続空間134との接続部分156aの圧力に対して負圧が発生するため、接続空間134に蓄積された気泡または気体は、気体流路156を介して導出路154に吸い込まれる。このように、入口141からセル100の内部に流通する液体に含まれる気泡または気体は、接続空間134から導出路154に流出することにより、セル100の内部から排出される。
【0061】
さらに、濁度測定装置1によれば、発光部121が、セル100の内部のうち流路空間132と接続空間135と流路空間133とのいずれかに向かって光を発する。受光部122は、発光部121が発した光を受光する。つまり、発光部121は、気泡が混入された液体が流通する流路空間131または気体が蓄積される接続空間134には光を発していない。このように、濁度測定装置1は、発光部121から受光部122に向かって進行する光が形成する光路に、液体に含まれる気泡または気体が進入することが無いように構成されている。そのため、濁度測定装置1によれば、液体に含まれる気泡の影響を受けずに液体の濁度を正確に測定することができる。
【0062】
濁度測定装置1は、導入管151をさらに備えている。導入管151は、入口141を介してセル100に接続されている。また、導入管151は、入口141から流路空間131に向かう方向に液体が流通する導入路153を形成している。さらに、濁度測定装置1では、発光部121は、照射される光が導入路153または導出路154に入射しないように配置され、セル100の内部のうち流路空間132に向かって光を照射する。
【0063】
この構成によれば、導入路153と流路空間131とが互いに接続されるように導入管151がセル100に接続されている。また、導出路154と流路空間133とが互いに接続されるように導出管152がセル100に接続されている。一方、発光部121は、セル100の内部のうち流路空間132に向かって光を照射することが可能なように、セル100の近傍に配置される。つまり、発光部121は、照射される光が導入管151または導出管152に入射しないような場所に配置されている。そのため、発光部121と導入管151と導出管152との配置は、特別な光学設計によらずに比較的容易に設計される。これにより、セル100の内部に溜められる液体の濁度を比較的容易に測定することができる。したがって、濁度測定装置1によれば、液体に含まれる気泡の影響を受けずに液体の濁度を正確且つ比較的容易に測定することができる。
【0064】
以上のように、濁度測定装置1は、液体に含まれる気泡の影響を受けずに液体の濁度を正確に測定することができる。
【0065】
(第2実施形態)
以下では、第2実施形態に係る濁度測定装置2について説明する。なお、第1実施形態に係る濁度測定装置1と同様の構成については、説明を省略する。
【0066】
図5に示すように、濁度測定装置2は、濁度測定用のセル200と発光部221と受光部222とを備えている。
【0067】
図6および図7に示すように、天井壁208は、図6の紙面表面にてセル200を見る場合に、天井壁208の表面が見えるように水平方向から傾斜している。側面壁203と側面壁205と側面壁204と側面壁206とは、互いに略平行に延びている。正面壁201と背面壁207とは、互いに略平行に延びている。天井壁210と底面壁211とは互いに略平行に延びている。図7に示すように、正面壁202は、図7の上下方向(つまり鉛直方向)に対して傾斜している。図7に示すように、正面壁202は、セル200の鉛直下方からセル200を見る場合に、正面壁202の表面が見えるように鉛直方向から傾斜している。正面壁201の下端の縁と正面壁202の下端の縁とは、底面壁211の縁と略一致している。
【0068】
図8(A)に示すように、セル200には、入口241と出口242とが形成されている。入口241は底面壁211に形成された開口であり、出口242は天井壁210に形成された開口である。導入管251と導出管252とは、セル100に接続されている。導入管251は導入路253を形成している。導入路253を流通する液体は、入口241を介して流路空間231に流入する。導出管252は導出路254(図8(B)参照)を形成している。出口242からセル200の外部に流出した液体は、導出路254を流通する。
【0069】
図8(A)に示すように、セル200の内部には、流路空間231と、流路空間232と、流路空間233と、流路空間231と流路空間232とを接続する接続空間234と、流路空間232と流路空間233とを接続する接続空間235とが形成されている。
【0070】
図5から図8に示すように、第1の流路空間としての流路空間231は、天井壁209と底面壁211と側面壁205と区画壁213と正面壁201と背面壁207とに囲まれることにより、セル200の内部に形成されている。第3の流路空間としての流路空間233は、天井壁210と底面壁211と側面壁206と区画壁214と正面壁201と背面壁207とに囲まれることにより、セル200の内部に形成されている。
【0071】
第2の流路空間としての流路空間232は、天井壁209と、天井壁208と、底面壁211と、区画壁213および側面壁203と、区画壁214および側面壁204と、正面壁202と、天井壁208の上方の正面壁201の一部と、背面壁207とに囲まれることにより、セル200の内部に形成されている。つまり、流路空間232は、天井壁208の上方の正面壁201の一部と、天井壁209と底面壁211と区画壁213と区画壁214と背面壁207とに覆われる空間と、天井壁208と底面壁211と側面壁204と側面壁203と正面壁202とに覆われる空間とを有している。
【0072】
セル200では、流路空間232の正面側の端と背面側の端との間の寸法は、流路空間232の下端を除いて流路空間231のものと流路空間233のものとに比べて大きい。図5に示すように、流路空間232のうち、天井壁208と側面壁204(図6参照)と側面壁203と正面壁202とに覆われる空間は、正面壁201と背面壁207(図7参照)と側面壁205と側面壁204(図6参照)と天井壁209および天井壁210と底面壁211とに覆われた空間、すなわち、流路空間231と流路空間233とを合わせた空間よりも正面側に突出している。
【0073】
流路空間232において、側面壁203と区画壁213とが一体であるか別体であるかにかかわらず、流路空間231と流路空間232とは、接続空間234のみによって互いに接続されている。一方、流路空間232において、側面壁204と区画壁214とが一体であるか別体であるかにかかわらず、流路空間232と流路空間233とは、接続空間235のみによって互いに接続されている。
【0074】
図8(A)に示すように、セル200の上下方向に関して、接続空間234はセル200の内部の上端部20aに配置され、且つ、接続空間235はセル200の内部の下端部20bに配置されている。セル200の内部の上端部20aは、天井壁209の内面付近の空間のことであって、天井壁209の内面と区画壁213の上端213eとの間の空間を含んでいる。一方、セル200の内部の下端部20bは、底面壁211の内面付近の空間のことであって、底面壁211の内面と区画壁214の下端214eとの間の空間を含んでいる。接続空間234は、区画壁213の上端213eの上方と天井壁209の内面との間の空間を少なくとも含んでいる。一方、接続空間235は、区画壁214の下端214eの下方と底面壁211の内面との間の空間を少なくとも含んでいる。
【0075】
図7に示すように、区画壁213の上端213eは、図7の左右方向から傾斜していてもよく、図7の左右方向に延びるようにセル200の内部に配置されていてもよい。また、区画壁213の上端213eの形状は、特に限定されない。
【0076】
図7に示すように、区画壁214の下端214eは、図7の左右方向から傾斜していてもよく、図7の左右方向に延びるようにセル100の内部に配置されていてもよい。また、区画壁214の下端214eの形状は、特に限定されない。
【0077】
図5と図6とに示すように、発光部221は、底面壁211のうち、セル200の左右方向に関して側面壁203と側面壁204とに挟まれた範囲の下方に配置されている。これにより、発光部221は、セル200の内部のうち流路空間232(図8(A)参照)に向かって光を照射する。受光部222は、液体に含まれる濁質によって散乱されない光を受光する。図5および図6に示すように、受光部222は、発光部221が発する光が進行する方向と対向するように配置されている。
【0078】
発光部221は、セル200の内部のうち流路空間232と接続空間235と流路空間233とのいずれかに向かって光を照射するものであればよく、且つ、受光部222は、発光部221が発する光が進行する方向と対向するように配置されていればよい。ただし、受光部222は、液体に含まれる濁質によって散乱された光を受光するものであってもよい。この場合には、発光部221は、受光部222の配置に応じて、セル200の内部のうち流路空間232と接続空間235と流路空間233とのいずれかに向かって光を照射するものであればよい。
【0079】
図8(A)および(B)に示すように、濁度測定装置2は、導出路254と接続空間234とを接続する細管255を備えている。細管255は、セル200の天井壁209と導出管252とに接続されている。細管255の内部の断面積、つまり、気体流路256の流路断面積は、導出路254の流路断面積よりも小さい。
【0080】
導入路253から流路空間231に流入した液体に気泡が混入されている場合には、液体が流路空間231から流路空間232を流通する間に、気泡が有する浮力によって気泡または気体が接続空間234に集まる。天井壁209は、流路空間231から流路空間232に向かって、水平方向から上方に傾斜している。これにより、接続空間234には、液面よりも上方に気体が溜められるような空間が形成される。また、図7に示すように天井壁208が左右方向から傾斜していることにより、流路空間231から流路空間232を流通する液体に含まれる気体は、天井壁208の内面の下方に滞留することなく、接続空間234に集まる。細管255は、接続空間234の上端部と導出路254とが互いに接続されるように、天井壁209と導出管252とに取り付けられている。気体流路256と導出路254との接続部分256b(図8(B)参照)では、接続空間234と気体流路256との接続部分256a(図8(B)参照)の圧力に対して負圧が発生する。そのため、接続空間234に蓄積された気体は、気体流路256を介して導出路254に吸い込まれる。導出路254に吸い込まれた気体は、液体とともに導出路254を流通する。
【0081】
以上のように、濁度測定装置2は、液体に含まれる気泡の影響を受けずに液体の濁度を正確に測定することができる。
【0082】
(第3実施形態)
以下では、第3実施形態に係る濁度測定装置3について説明する。なお、第1実施形態に係る濁度測定装置1と同様の構成については、説明を省略する。
【0083】
図9に示すように、濁度測定装置3は、濁度測定用のセル300と発光部321と受光部322とを備えている。
【0084】
図9に示すように、セル300は、正面側に正面壁301と正面壁302と正面壁312とを有している。図11に示すように、正面壁301は、セル300の鉛直上方からセル300を見る場合に、正面壁301の表面が見えるように図11の上下方向(つまり鉛直方向)から傾斜している。一方、正面壁302と正面壁312とは略鉛直方向に延びている。また、背面壁307は、セル300の鉛直下方からセル300を見る場合に、背面壁307の表面が見えるように鉛直方向から傾斜している。
【0085】
正面壁301の下端の縁と正面壁302の下端の縁とは、底面壁311の縁と略一致している。天井壁310と底面壁311と天井壁308とは互いに略平行に延びている。一方、図12(A)に示すように、天井壁309は、水平方向に対して傾斜している。
【0086】
図12(A)に示すように、セル300には、入口341と出口342とが形成されている。入口341は底面壁311に形成された開口であり、出口342は天井壁310に形成された開口である。導入管351と導出管352とは、セル300に接続されている。導入管351は導入路353を形成している。導入路353を流通する液体は、入口341を介して流路空間331に流入する。導出管352は導出路354を形成している。出口342からセル300の外部に流出した液体は、導出路354を流通する。
【0087】
セル300の内部には、流路空間331と、流路空間332と、流路空間333と、流路空間331と流路空間332とを接続する接続空間334と、流路空間332と流路空間333とを接続する接続空間335とが形成されている。
【0088】
図9から図12に示すように、第1の流路空間としての流路空間331は、天井壁309と底面壁311と側面壁305と区画壁313と正面壁301と背面壁307とに囲まれることにより、セル300の内部に形成されている。第3の流路空間としての流路空間333は、天井壁310と底面壁311と側面壁306と区画壁314と正面壁301と背面壁307とに囲まれることにより、セル300の内部に形成されている。
【0089】
第2の流路空間としての流路空間332は、天井壁309と、天井壁308と、底面壁311と、区画壁313および側面壁303と、区画壁314および側面壁304と、正面壁302と、正面壁312と、背面壁307とに囲まれることにより、セル300の内部に形成されている。つまり、流路空間332は、天井壁308の上方の正面壁301の一部と、天井壁309と底面壁311と区画壁313と区画壁314と背面壁307とに覆われる空間と、天井壁308と底面壁311と側面壁304と側面壁303と正面壁302とに覆われる空間とを有している。
【0090】
セル300では、流路空間332の正面側の端と背面側の端との間の寸法は、流路空間332の下端を除いて流路空間331のものと流路空間333のものとに比べて大きい。図9または図11に示すように、流路空間332(図12(A)参照)のうち、天井壁308と側面壁304と側面壁303と正面壁302とに覆われる空間は、正面壁312および正面壁301と背面壁307と側面壁305と側面壁306と天井壁309および天井壁310と底面壁311とに覆われた空間、すなわち、流路空間331と流路空間333とを合わせた空間よりも正面側に突出している。
【0091】
流路空間332において、側面壁303と区画壁313とが一体であるか別体であるかにかかわらず、流路空間331と流路空間332とは、接続空間334のみによって互いに接続されている。一方、流路空間332において、側面壁304と区画壁314とが一体であるか別体であるかにかかわらず、流路空間332と流路空間333とは、接続空間335のみによって互いに接続されている。
【0092】
図12(A)に示すように、セル300の上下方向に関して、接続空間334はセル300の内部の上端部30aに配置され、且つ、接続空間335はセル300の内部の下端部30bに配置されている。セル300の内部の上端部30aは、天井壁309の内面付近の空間のことであって、天井壁309の内面と区画壁313の上端313eとの間の空間を含んでいる。一方、セル300の内部の下端部30bは、底面壁311の内面付近の空間のことであって、底面壁311の内面と区画壁314の下端314eとの間の空間を含んでいる。接続空間334は、区画壁313の上端313eの上方と天井壁309の内面との間の空間を少なくとも含んでいる。一方、接続空間335は、区画壁314の下端314eの下方と底面壁311の内面との間の空間を少なくとも含んでいる。
【0093】
図9と図10とに示すように、発光部321は、底面壁311のうち、セル300の左右方向に関して側面壁303と側面壁304とに挟まれた範囲の下方に配置されている。これにより、発光部321は、セル300の内部のうち流路空間332に向かって光を照射する。受光部322は、液体に含まれる濁質によって散乱されない光を受光する。図9および図10に示すように、受光部322は、発光部321が発する光が進行する方向と対向するように配置されている。
【0094】
発光部321は、セル300の内部のうち流路空間332と接続空間335と流路空間333とのいずれかに向かって光を照射するものであればよく、且つ、受光部322は、発光部321が発する光が進行する方向と対向するように配置されていればよい。ただし、受光部322は、液体に含まれる濁質によって散乱された光を受光するものであってもよい。この場合には、発光部321は、受光部322の配置に応じて、セル300の内部のうち流路空間332と接続空間335と流路空間333とのいずれかに向かって光を照射するものであればよい。
【0095】
図12(A)に示すように、濁度測定装置3は、導出路354と接続空間334とを接続する細管355を備えている。細管355は、セル300の天井壁309と導出管352とに接続されている。細管355の内部の断面積、つまり、気体流路356の流路断面積は、導出路354の流路断面積よりも小さい。
【0096】
導入路353から流路空間331に流入した液体に気泡が混入されている場合には、液体が流路空間331から流路空間332を流通する間に、気泡が有する浮力によって気泡または気体が接続空間334に集まる。天井壁309は、流路空間331から流路空間332に向かって、水平方向から上方に傾斜している。これにより、接続空間334には、液面よりも上方に気体が溜められるような空間が形成される。なお、天井壁308は、前後方向(図11の左右方向)から傾斜していてもよい。天井壁308が前後方向から傾斜していることにより、流路空間331から流路空間332を流通する液体に含まれる気体は、天井壁308の内面の下方に滞留することなく、接続空間334に集まる。細管355は、接続空間334の上端部と導出路354とが互いに接続されるように、天井壁309と導出管352とに取り付けられている。気体流路356と導出路354との接続部分356b(図12(B)参照)では、接続空間334と気体流路356との接続部分356a(図12(B)参照)の圧力に対して負圧が発生する。そのため、接続空間334に蓄積された気体は、気体流路356を介して導出路354に吸い込まれる。導出路354に吸い込まれた気体は、液体とともに導出路354を流通する。
【0097】
以上のように、濁度測定装置3は、液体に含まれる気泡の影響を受けずに液体の濁度を正確に測定することができる。
【0098】
(第4実施形態)
以下では、第4実施形態に係る濁度測定装置4について説明する。なお、第1実施形態に係る濁度測定装置1と同様の構成については、説明を省略する。
【0099】
図13に示すように、濁度測定装置4は、濁度測定用のセル400と発光部421と受光部422とを備えている。
【0100】
図13〜15に示すように、セル400は、正面側に正面壁401を有し、且つ、上面側に天井壁405と天井壁406とを有している。セル400は、一方の側の側面に側面壁403を有し、且つ、他方の側面に側面壁404を有している。セル400は、背面側に背面壁407を有し、且つ、底面として底面壁408を有している。また、図14に示すように、天井壁406は、水平方向に延びている。一方、天井壁405は、水平方向に対して傾斜している。
【0101】
セル400の内部には、空間が形成されている。図16に示すように、セル400には、入口441と出口442とが形成されている。入口441は底面壁408に形成された開口であり、出口442は天井壁406に形成された開口である。ただし、入口441は、側面壁403(図13参照)または背面壁407に形成されていてもよい。このとき、入口441は、セル400の上下方向に関してセル400の中央よりも下方に配置されていることが好ましい。一方、出口442は、正面壁401または側面壁403に形成されていてもよい。このとき、出口442は、セル400の上下方向に関してセル400の中央よりも上方に配置されていることが好ましい。
【0102】
図16に示すように、導入管451と導出管452とは、セル400に接続されている。導入管451は、入口441を介してセル400に接続されている。導入管451は導入路453を形成している。セル400の外部からセル400の内部に流入する液体は、導入路453を流通する。導入路453を流通する液体は、入口441を介して流路空間431に流入する。導出管452は、出口442を介してセル400に接続されている。導出管452は導出路454を形成している。出口442からセル400の外部に流出した液体は、導出路454を流通する。このように、セル400の内部の空間には液体が溜められる。
【0103】
セル400の内部には、流路空間431と、流路空間432と、流路空間433(図17または図18参照)と、流路空間431と流路空間432とを接続する接続空間434と、流路空間432と流路空間433とを接続する接続空間435とが形成されている。入口441と出口442と流路空間431と流路空間432と流路空間433と接続空間434と接続空間435とは、入口441と流路空間431と接続空間434と流路空間432と接続空間435と流路空間433と出口442との順に液体が流れるように配置されている。
【0104】
図13と図16と図18とに示すように、第1の流路空間としての流路空間431は、天井壁405と、底面壁408と、側面壁403と、区画壁411と、背面壁407と、天井壁406の上方の正面壁402の一部と、に囲まれることにより、セル400の内部に形成されている。第3の流路空間としての流路空間433は、天井壁406と底面壁408と側面壁403と区画壁412と区画壁413と正面壁401とに囲まれることにより、セル400の内部に形成されている。
【0105】
第2の流路空間としての流路空間432は、天井壁406および天井壁405と、底面壁408と、区画壁411および区画壁412と、側面壁404と、正面壁402と、天井壁406の上方の正面壁402の一部と、背面壁407とに囲まれることにより、セル400の内部に形成されている。つまり、流路空間432は、天井壁405と底面壁408と区画壁411と側面壁404と背面壁407とに覆われる空間と、天井壁406と底面壁408と側面壁404と区画壁412と正面壁401とに覆われる空間とを有している。このように、セル400では、流路空間431と流路空間432と流路空間433との幅方向(図17の左右方向)の寸法が同一である場合に、流路空間432は、流路空間431の容積または流路空間433の容積よりも大きな容積を有している。
【0106】
図18に示すように、区画壁411と区画壁412と側面壁403と側面壁404とは、略平行に略鉛直方向に延びている。区画壁413と正面壁401と背面壁407とは、略平行に略鉛直方向に延びている。
【0107】
図16に示すように、セル400において、区画壁413と区画壁411とは、一体であってもよく、別体であってもよい。また、背面壁407と区画壁411とは、一体であってもよく、別体であってもよい。また、区画壁413と区画壁411とは、一体であってもよく、別体であってもよい。セル400において、正面壁402と区画壁413と天井壁406とは、一体であってもよく、別体であってもよい。区画壁412と天井壁406とは、一体であってもよく、別体であってもよい。また、区画壁413と底面壁408とは、一体であってもよく、別体であってもよい。
【0108】
なお、区画壁411と区画壁412と区画壁413とは、図16に示すように略鉛直方向に延びるものに限定されず、略鉛直方向から傾斜していてもよく、曲線状に上下方向に延びていてもよい。
【0109】
セル400において、流路空間431と流路空間432とは、接続空間434のみによって互いに接続されている。一方、セル400において、流路空間432と流路空間433とは、接続空間435のみによって互いに接続されている。
【0110】
図16と図18とに示すように、セル400の上下方向に関して、接続空間434はセル400の内部の上端部40aに配置され、且つ、接続空間435はセル400の内部の下端部40bに配置されている。セル400の内部の上端部40aは、天井壁405(図13参照)の内面付近の空間のことであって、天井壁405の内面と区画壁411の上端411eとの間の空間を含んでいる。一方、セル400の内部の下端部40bは、底面壁408の内面付近の空間のことであって、底面壁408の内面と区画壁412の下端412eとの間の空間を含んでいる。接続空間434は、区画壁411の上端411eの上方と天井壁405(図13参照)の内面との間の空間を少なくとも含んでいる。一方、接続空間435は、区画壁412の下端412eの下方と底面壁408の内面との間の空間を少なくとも含んでいる。
【0111】
図18に示すように、区画壁411の上端411eは、図18の左右方向に延びるようにセル400の内部に配置されている。ただし、区画壁411の上端411eは、図18の左右方向から傾斜していてもよい。また、区画壁411の上端411eの形状は、特に限定されない。区画壁411は、底面壁408から上方に向かって延びている。
【0112】
一方、図18に示すように、区画壁412の下端412eは、図18の左右方向に延びるようにセル400の内部に配置されている。ただし、区画壁412の下端412eは、図18の左右方向から傾斜していてもよい。また、区画壁412の下端412eの形状は、特に限定されない。区画壁412は、天井壁406から下方に向かって延びている。一方、図13と図16と図18とを参照するように、区画壁413は、天井壁406から底面壁408まで延びている。
【0113】
セル400の壁のうち、少なくとも天井壁406と底面壁408とは、透明な材質、すなわち、可視光線を透過させることが可能な材質によって形成されている。
【0114】
図13に示すように、発光部421は、底面壁408の下方に配置されている。これにより、発光部421は、セル400の内部のうち流路空間432に向かって光を照射する。受光部422は、液体に含まれる濁質によって散乱されない光を受光する。図13〜図15に示すように、受光部422は、発光部421が発する光が進行する方向と対向するように配置されている。
【0115】
発光部421は、セル400の内部のうち流路空間432と接続空間435と流路空間433とのいずれかに向かって光を照射するものであればよく、且つ、受光部422は、発光部421が発する光が進行する方向と対向するように配置されていればよい。ただし、受光部422は、液体に含まれる濁質によって散乱された光を受光するものであってもよい。この場合には、発光部421は、受光部422の配置に応じて、セル400の内部のうち流路空間432と接続空間435と流路空間433とのいずれかに向かって光を照射するものであればよい。
【0116】
図13に示すように、濁度測定装置4は細管455を備えている。図17に示すように、細管455の内部は、液体から分離された気体が流通する気体流路456が形成されている。そのため、導出路454と接続空間434とは、気体流路456を介して互いに接続されている。図13に示すように、細管455は、セル400の天井壁406と導出管452とに接続されている。細管455の内部の断面積、つまり、気体流路456の流路断面積は、導出路454の流路断面積よりも小さい。
【0117】
以下では、セル400の内部等での液体の流れについて説明する。
図16に示すように、入口441を介して導入路453からセル400の内部の流路空間431に流入した液体は、下方から上方に向かって流路空間431を流通する。流路空間431を流通する液体は、接続空間434を介して流路空間432に流入する。上方から下方に向かって流路空間432を流通した液体は、接続空間435を介して流路空間433に流入する。下方から上方に向かって流路空間433を流通した液体は、出口442を介してセル100の外部としての導出路454に流出する。
【0118】
導入路453から流路空間431に流入した液体に気泡が混入されている場合には、液体が流路空間431から流路空間432を流通する間に、気泡が有する浮力によって気泡または気体が接続空間434に集まる。図14に示すように、天井壁406は、流路空間431(図16参照)から流路空間432(図16参照)に向かって、水平方向から上方に傾斜している。これにより、接続空間434には、液面よりも上方に気体が溜められるような空間が形成される。
【0119】
図17に示すように、細管455は、このような空間つまり接続空間434の上端部と導出路454とが互いに接続されるように、天井壁406と導出管452とに取り付けられている。気体流路456と導出路454との接続部分456bでは、接続空間434と気体流路456との接続部分456aの圧力に対して負圧が発生する。そのため、接続空間434に蓄積された気体は、気体流路456を介して導出路454に吸い込まれる。導出路454に吸い込まれた気体は、液体とともに導出路454を流通する。
【0120】
なお、図18と図19とにおいて、図中の二重丸の記号は、液体が紙面の裏面から表面に向かって流れていることを示し、図中のX印を丸で囲った記号は、液体が紙面の表面から裏面に向かって流れていることを示すものである。
【0121】
なお、細管455のセル400と導出管452とへの取付の態様は、特に限定されない。また、導出路454は、液体または気体の流れ方向に関して接続部分456bよりも下流側の部分の流路断面積が、接続部分456bよりも上流側の部分の流路断面積よりも小さいような部分を有していてもよい。
【0122】
以上のように、濁度測定装置4は、液体に含まれる気泡の影響を受けずに液体の濁度を正確に測定することができる。
【0123】
(第5実施形態)
以下では、第5実施形態に係る濁度測定装置5について説明する。なお、第1実施形態に係る濁度測定装置1と同様の構成については、説明を省略する。
【0124】
図20に示すように、濁度測定装置5は、濁度測定用のセル500と図示しない発光部と受光部とを備えている。濁度測定装置5は、対象の液体が溜められたセル500に光を照射することにより、照射された光の透過光または散乱光の強度から対象の液体の濁度を検知するものである。
【0125】
濁度測定装置5は、セル500の内部に、第1の流路空間と第2の流路空間を区画する壁と、第2の流路空間と第3の流路空間を区画する壁とを有していない。そのため、濁度測定装置5では、セル500の内部において第1の流路空間と第2の流路空間と第3の流路空間とが一体である。
【0126】
第1の流路空間としての流路空間531は、略水平方向に延びるようにセル500の内部の上部に配置されている。第3の流路空間としての流路空間533は、略水平方向に延びるようにセル500の内部の下部に配置されている。第2の流路空間としての流路空間532は、セル500の内部の上端から下端を略鉛直方向に延びている。セル500は、流路空間531と流路空間532とを接続する接続空間534と、流路空間532と流路空間533とを接続する接続空間535とを有している。
【0127】
セル500は、正面側に正面壁501を有し、且つ、背面側に背面壁502を有している。セル500は、上面側に天井壁503を有し、且つ、底面として底面壁504を有している。セル500の上部には、背面壁502から背面方(図20の右方)に突出した突出部511が配置されている。また、セル500の下部には、正面壁501から正面方(図20の左方)に突出した突出部512が配置されている。
【0128】
これら突出部511の奥行きの寸法(図20の左右方向の寸法)と突出部512の奥行きの寸法とは、特に限定されない。突出部511の奥行きの寸法と突出部512の奥行きの寸法とは、互いに同一でもよく、それぞれ異なっていてもよい。また、突出部511の幅の寸法(図20の表裏方向の寸法)と突出部512の幅の寸法とは、特に限定されない。突出部511と突出部512とのそれぞれの幅の寸法は、正面壁501の幅の寸法(図20の表裏方向の寸法)と同一でもよく、正面壁501の幅の寸法より大きくてもよく、または正面壁501の幅の寸法より小さくてもよい。
【0129】
なお、セル500の上部とは、セル500の上下方向(図20の上下方向)に関して、中央よりも上方の部分のことである。セル500の下部とは、セル500の上下方向に関して、中央よりも下方の部分のことである。
【0130】
セル500には、入口541と出口542とが形成されている。入口541は突出部511の底面壁513に形成された開口であり、出口542は突出部512の上面壁514に形成された開口である。導入管551と導出管552とは、セル500に接続されている。導入管551は導入路553を形成している。導入路553を流通する液体は、入口541を介して流路空間531に流入する。導出管552は導出路554を形成している。出口542からセル500の外部に流出した液体は、導出路554を流通する。
【0131】
セル500の上下方向に関して、接続空間534はセル500の内部の上端部50aに配置され、且つ、接続空間535はセル500の内部の下端部50bに配置されている。セル500の内部の上端部50aとは、天井壁503の内面付近の空間のことである。一方、セル500の内部の下端部50bとは、底面壁504の内面付近の空間のことである。
【0132】
発光部は、セル500の内部のうち流路空間532と接続空間535と流路空間533とのいずれかに向かって光を照射するものであればよい。一方、受光部は、液体に含まれる濁質によって散乱されない光を受光するものであってもよく、液体に含まれる濁質によって散乱された光を受光するものであってもよい。
【0133】
濁度測定装置5は、導出路554と接続空間534とを接続する細管555を備えている。細管555は、セル500の天井壁503と導出管552とに接続されている。細管555の内部の断面積、つまり、気体流路556の流路断面積は、導出路554の流路断面積よりも小さい。
【0134】
導入路553から流路空間531に流入した液体に気泡が混入されている場合には、液体が流路空間531から流路空間532を流通する間に、気泡が有する浮力によって気泡または気体が接続空間534に集まる。細管355は、接続空間534の上端部と導出路554とが互いに接続されるように、天井壁503と導出管552とに取り付けられている。気体流路556と導出路554との接続部分556bでは、接続空間534と気体流路556との接続部分556aの圧力に対して負圧が発生する。そのため、接続空間534に蓄積された気体は、気体流路556を介して導出路554に吸い込まれる。導出路554に吸い込まれた気体は、液体とともに導出路554を流通する。
【0135】
なお、細管555のセル500と導出管552とへの取付の態様は、特に限定されない。また、導出路554は、液体または気体の流れ方向に関して接続部分556bよりも下流側の部分の流路断面積が、接続部分556bよりも上流側の部分の流路断面積よりも小さいような部分を有していてもよい。
【0136】
以上のように、濁度測定装置5は、液体に含まれる気泡の影響を受けずに液体の濁度を正確に測定することができる。
【0137】
(第6実施形態)
以下では、第6実施形態に係る濁度測定装置6について説明する。なお、第1実施形態に係る濁度測定装置1と第5実施形態に係る濁度測定装置5と同様の構成については、説明を省略する。
【0138】
図21に示すように、濁度測定装置6は、濁度測定用のセル600と図示しない発光部と受光部とを備えている。濁度測定装置6は、対象の液体が溜められたセル600に光を照射することにより、照射された光の透過光または散乱光の強度から対象の液体の濁度を検知するものである。
【0139】
セル600の上部には、背面壁602から背面方(図21の右方)に突出した突出部611が配置されている。また、セル600の下部には、正面壁601から正面方(図21の左方)に突出した突出部612が配置されている。
【0140】
セル600には、入口641と出口642とが形成されている。入口641は突出部611の背面壁615に形成された開口であり、出口642は突出部612の正面壁616に形成された開口である。導入管651は導入路653を形成している。導出管652は導出路654を形成している。
【0141】
セル600は、第1の流路空間としての流路空間631と第2の流路空間としての流路空間632と第3の流路空間としての流路空間633とを有している。セル600の上下方向に関して、接続空間634はセル600の内部の上端部60aに配置され、且つ、接続空間635はセル600の内部の下端部60bに配置されている。セル600の内部の上端部60aとは、天井壁603の内面付近の空間のことである。一方、セル600の内部の下端部60bとは、底面壁604の内面付近の空間のことである。
【0142】
発光部は、セル600の内部のうち流路空間632と接続空間635と流路空間633とのいずれかに向かって光を照射するものであればよい。発光部は、セル600の内部のうちの上端部60aを含む上部を除いた位置に向かって、光を照射することが好ましい。一方、受光部は、液体に含まれる濁質によって散乱されない光を受光するものであってもよく、液体に含まれる濁質によって散乱された光を受光するものであってもよい。
【0143】
濁度測定装置6は、導出路654と接続空間634とを接続する細管655を備えている。細管655の内部の断面積、つまり、気体流路656の流路断面積は、導出路654の流路断面積よりも小さい。気体流路656と導出路654との接続部分656bでは、接続空間634と気体流路656との接続部分656aの圧力に対して負圧が発生する。そのため、接続空間634に蓄積された気体は、気体流路656を介して導出路654に吸い込まれる。
【0144】
(第7実施形態)
以下では、第7実施形態に係る濁度測定装置7について説明する。なお、第1実施形態に係る濁度測定装置1と第5実施形態に係る濁度測定装置5と同様の構成については、説明を省略する。
【0145】
図22に示すように、濁度測定装置7は、濁度測定用のセル700と図示しない発光部と受光部とを備えている。濁度測定装置7は、対象の液体が溜められたセル700に光を照射することにより、照射された光の透過光または散乱光の強度から対象の液体の濁度を検知するものである。
【0146】
濁度測定装置7では、セル700の内部において第1の流路空間と第2の流路空間と第3の流路空間とが一体である。また、第1の流路空間の一部は、導入路753の一部によって形成されている。すなわち、導入路753の一部は、第1の流路空間を兼ねている。また、第3の流路空間の一部は、導出路754の一部によって形成されている。すなわち、導出路754の一部は、第3の流路空間を兼ねている。
【0147】
第1の流路空間としての流路空間731は、セル700の内部の上部に配置された部分のうち、少なくとも一部が略水平方向に延びた空間である。第3の流路空間としての流路空間733は、セル700の内部の下部に配置された部分のうち、少なくとも一部が略水平方向に延びた空間である。第2の流路空間としての流路空間742は、セル700の内部の上部から下部を略鉛直方向に延びている。セル700は、流路空間731と流路空間732とを接続する接続空間734と、流路空間732と流路空間733とを接続する接続空間735とを有している。セル700の上下方向に関して、接続空間734はセル700の内部の上端部70aに配置され、且つ、接続空間735はセル700の内部の下端部70bに配置されている。
【0148】
セル700は、正面側に正面壁701を有し、且つ、背面側に背面壁702を有している。セル700は、上面側に天井壁703を有し、且つ、底面として底面壁704を有している。少なくとも流路空間732は、セル700の奥行き方向(図22の左右方向)に関して、正面壁701と背面壁702とに囲まれている。
【0149】
入口741は背面壁702に形成された開口であり、出口742は正面壁701に形成された開口である。導入管751は導入路753を形成している。導入路753を流通する液体は、入口741を介して流路空間731に流入する。導出管752は導出路754を形成している。出口742からセル700の外部に流出した液体は、導出路754を流通する。
【0150】
発光部は、セル700の内部のうち流路空間732と接続空間735と流路空間733とのいずれかに向かって光を照射するものであればよく、セル700の内部のうちの上部を除いた位置に向かって光を照射するものであることが好ましい。受光部は、液体に含まれる濁質によって散乱されない光を受光するものであってもよく、液体に含まれる濁質によって散乱された光を受光するものであってもよい。
【0151】
導入路753から流路空間731に流入した液体に気泡が混入されている場合には、液体が流路空間731から流路空間732を流通する間に、気泡が有する浮力によって気泡または気体が接続空間734に集まる。細管755は、接続空間734の上端部と導出路754とが互いに接続されるように、天井壁703と導出管752とに取り付けられている。気体流路756と導出路754との接続部分756bでは、接続空間734と気体流路756との接続部分756aの圧力に対して負圧が発生する。そのため、接続空間734に蓄積された気体は、気体流路756を介して導出路754に吸い込まれる。導出路754に吸い込まれた気体は、液体とともに導出路754を流通する。
【0152】
なお、細管755のセル700と導出管752とへの取付の態様は、特に限定されない。また、導出路754は、液体または気体の流れ方向に関して接続部分756bよりも下流側の部分の流路断面積が、接続部分756bよりも上流側の部分の流路断面積よりも小さいような部分を有していてもよい。
【0153】
(第8実施形態)
以下では、第8実施形態に係る濁度測定装置8について説明する。以下に説明するように、濁度測定装置8は、発光部821がセル800の内部のうちの流路空間833に向かって光を照射するものである。なお、第1実施形態に係る濁度測定装置1と同様の構成については、説明を省略する。
【0154】
図23に示すように、濁度測定装置8は、濁度測定用のセル800と発光部821と受光部822とを備えている。セル800は、正面壁801と正面壁802とを有している。図25に示すように、正面壁801と正面壁802と背面壁807とは、略鉛直方向に延びている。正面壁801の下端の縁と正面壁802の下端の縁とは、底面壁812の縁と底面壁811の縁と略一致している。天井壁810と天井壁808と底面壁811と底面壁812とは互いに略平行に延びている。図24に示すように、天井壁809は、図24の左右方向に対して傾斜している。
【0155】
図24に示すように、セル800には、入口841と出口842とが形成されている。セル800の内部には、流路空間831と、流路空間832と、流路空間833と、流路空間831と流路空間832とを接続する接続空間834と、流路空間832と流路空間833とを接続する接続空間835とが形成されている。導入管851は導入路853を形成している。導入路853を流通する液体は、入口841を介して流路空間831に流入する。導出管852は導出路854を形成している。出口842からセル800の外部に流出した液体は、導出路854を流通する。
【0156】
図23〜図25に示すように、第1の流路空間としての流路空間831は、天井壁809と底面壁812と側面壁805と区画壁813と正面壁801と背面壁807とに囲まれることにより、セル800の内部に形成されている。第2の流路空間としての流路空間832は、天井壁809と底面壁812と区画壁813と区画壁814と正面壁801と背面壁807とに囲まれることにより、セル800の内部に形成されている。
【0157】
第3の流路空間としての流路空間833は、天井壁810と、天井壁808と、底面壁811と、底面壁812と、区画壁814および側面壁803と、側面壁806と、正面壁802と、天井壁808の上方の正面壁801の一部と、背面壁807とに囲まれることにより、セル800の内部に形成されている。つまり、流路空間833は、天井壁810と底面壁812と側面壁806の一部と区画壁814と背面壁807とに覆われる空間と、天井壁808と底面壁811と側面壁806の他の一部と側面壁803と正面壁802とに覆われる空間とを有している。流路空間833において、側面壁803と区画壁814とが一体であるか別体であるかにかかわらず、流路空間832と流路空間833とは、接続空間835のみによって互いに接続されている。
【0158】
図24に示すように、濁度測定装置8は、導出路854と接続空間834とを接続する細管855を備えている。細管855の内部は、接続流路としての気体流路が形成されている。なお、濁度測定装置8の気体流路の図示は省略する。細管855の内部の断面積、つまり、気体流路の流路断面積は、導出路854の流路断面積よりも小さい。
【0159】
図25に示すように、セル800の上下方向に関して、接続空間834はセル800の内部の上端部80aに配置され、且つ、接続空間835はセル800の内部の下端部80bに配置されている。接続空間834は、区画壁813の上端813eの上方と天井壁809の内面との間の空間を少なくとも含んでいる。一方、接続空間835は、区画壁814の下端814eの下方と底面壁812の内面との間の空間を少なくとも含んでいる。
【0160】
図25に示すように、発光部821は、底面壁811の下方に配置されている。発光部821は、底面壁812の下方に配置されていてもよい。発光部821は、セル800の内部のうち流路空間833(図24参照)に向かって光を照射する。一方、受光部822は、天井壁808の上方に配置されている。受光部822と発光部821との配置は、互いに入れ替わっていてもよい。受光部822は、液体に含まれる濁質によって散乱されない光を受光する。
【0161】
発光部821は、セル800の内部のうち流路空間833に向かって光を照射するものであればよく、且つ、受光部822は、発光部221が発する光が進行する方向と対向するように配置されていればよい。ただし、受光部822は、液体に含まれる濁質によって散乱された光を受光するものであってもよい。この場合には、発光部821は、受光部822の配置に応じて、セル800の内部のうち流路空間832と接続空間835と流路空間833とのいずれかに向かって光を照射するものであればよい。
【0162】
(第9実施形態)
以下では、第9実施形態に係る濁度測定装置9について説明する。以下に説明するように、濁度測定装置9は、発光部921が流路空間932と流路空間933と接続空間935とのうちの少なくとも接続空間935に向かって光を照射するものである。なお、第1実施形態に係る濁度測定装置1と同様の構成については、説明を省略する。
【0163】
図26に示すように、濁度測定装置9は、濁度測定用のセル900と発光部921と受光部922とを備えている。セル900は、正面壁901と正面壁902とを有している。図28に示すように、正面壁901と正面壁902と背面壁907とは、略鉛直方向に延びている。正面壁901の下端の縁と正面壁902の下端の縁とは、底面壁912の縁と底面壁911の縁と略一致している。天井壁910と天井壁908と底面壁911と底面壁912とは互いに略平行に延びている。図27に示すように、天井壁909は、図27の左右方向に対して傾斜している。
【0164】
図27に示すように、セル900には、入口941と出口942とが形成されている。セル900の内部には、流路空間931と、流路空間932と、流路空間933と、流路空間931と流路空間932とを接続する接続空間934と、流路空間932と流路空間933とを接続する接続空間935とが形成されている。導入管951は導入路953を形成している。導入路953を流通する液体は、入口941を介して流路空間931に流入する。導出管952は導出路954を形成している。出口942からセル900の外部に流出した液体は、導出路954を流通する。
【0165】
図26〜図28に示すように、第1の流路空間としての流路空間931は、天井壁909と底面壁912と側面壁905と区画壁913と正面壁901と背面壁907とに囲まれることにより、セル900の内部に形成されている。第2の流路空間としての流路空間932は、天井壁909と底面壁912と区画壁913と区画壁914と正面壁901と背面壁907とに囲まれた部分と、天井壁908と底面壁911と側面壁903と側面壁906と正面壁902と背面壁907とに囲まれた部分とを有している。
【0166】
第3の流路空間としての流路空間933は、天井壁910と底面壁912と側面壁906と区画壁914と正面壁901と背面壁907とに囲まれた部分と、天井壁908と底面壁911と側面壁903と側面壁906と正面壁902と背面壁907とに囲まれた部分とを有している。
【0167】
図28に示すように、セル900の上下方向に関して、接続空間934はセル900の内部の上端部90aに配置され、且つ、接続空間935はセル900の内部の下端部90bに配置されている。接続空間934は、区画壁913の上端913eの上方と天井壁909の内面との間の空間を少なくとも含んでいる。一方、接続空間935は、区画壁914の下端914eの下方と底面壁912の内面との間の空間を少なくとも含んでいる。接続空間935は、セル900の内部のうち、天井壁908と底面壁911および底面壁912と面壁903と側面壁906と正面壁902と背面壁907とに覆われる部分に形成される空間に配置されている。
【0168】
図27に示すように、濁度測定装置9は、導出路954と接続空間934とを接続する細管955を備えている。細管955の内部は、接続流路としての気体流路が形成されている。なお、濁度測定装置9の気体流路の図示は省略する。細管955の内部の断面積、つまり、気体流路の流路断面積は、導出路954の流路断面積よりも小さい。
【0169】
図27に示すように、発光部921は、側面壁903の右方に配置されている。一方、受光部922は、側面壁906の左方に配置されている。なお、発光部921は、底面壁911または底面壁912の下方に配置されていてもよい。受光部922は、天井壁908の上方に配置されていてもよい。発光部921は、流路空間932と流路空間933と接続空間935とのうちの少なくとも接続空間935に向かって光を照射するものであればよい。
【0170】
受光部922は、液体に含まれる濁質によって散乱されない光を受光する。受光部822は、発光部221が発する光が進行する方向と対向するように配置されていればよい。受光部922と発光部921との配置は、互いに入れ替わっていてもよい。
【0171】
受光部922は、液体に含まれる濁質によって散乱された光を受光するものであってもよい。この場合には、発光部921は、受光部922の配置に応じて、セル900の内部のうち流路空間932と接続空間935と流路空間933とのいずれかに向かって光を照射するものであればよい。
【0172】
(第10実施形態)
以下では、第10実施形態に係る濁度測定装置10について説明する。以下に説明するように、濁度測定装置10は、発光部1021が流路空間1033と接続空間1035とに向かって光を照射するものである。なお、第1実施形態に係る濁度測定装置1と同様の構成については、説明を省略する。
【0173】
図29に示すように、濁度測定装置10は、濁度測定用のセル1000と発光部1021と受光部1022とを備えている。
【0174】
図29〜31に示すように、セル1000は、正面側に正面壁1001を有し、背面側に背面壁1007を有し、上面側に天井壁1009と天井壁1010とを有し、一方の側面側に側面壁1005を有し、他方の側面側に側面壁1006を有し、且つ、下面側に底面壁1011を有している。図31に示すように、正面壁1001と背面壁1007とは、略鉛直方向に延びている。正面壁1001の下端の縁は、底面壁1011の縁と略一致している。天井壁1010と底面壁1011とは互いに略平行に延びている。図30に示すように、天井壁1009は、図30の左右方向に対して傾斜している。
【0175】
図30に示すように、セル1000には、入口1041と出口1042とが形成されている。セル1000の内部には、流路空間1031と、流路空間1032と、流路空間1033と、流路空間1031と流路空間1032とを接続する接続空間1034と、流路空間1032と流路空間1033とを接続する接続空間1035とが形成されている。導入管1051は導入路1053を形成している。導入路1053を流通する液体は、入口1041を介して流路空間1031に流入する。導出管1052は導出路1054を形成している。出口1042からセル1000の外部に流出した液体は、導出路1054を流通する。
【0176】
図29〜図31に示すように、第1の流路空間としての流路空間1031は、天井壁1009と底面壁1011と側面壁1005と区画壁1013と正面壁1001と背面壁1007とに囲まれることにより、セル1000の内部に形成されている。第2の流路空間としての流路空間1032は、天井壁1009と底面壁1011と区画壁1013と区画壁1014と正面壁1001と背面壁1007とに囲まれることにより、セル1000の内部に形成されている。第3の流路空間としての流路空間1033は、天井壁1010と底面壁1011と区画壁1014と側面壁1006と正面壁1001と背面壁1007とに囲まれることにより、セル1000の内部に形成されている。
【0177】
図31に示すように、セル1000の上下方向に関して、接続空間1034はセル1000の内部の上端部100aに配置され、且つ、接続空間1035はセル1000の内部の下端部100bに配置されている。接続空間1034は、区画壁1013の上端1013eの上方と天井壁1009の内面との間の空間を少なくとも含んでいる。一方、接続空間1035は、区画壁1014の下端1014eの下方と底面壁1012の内面との間の空間を少なくとも含んでいる。
【0178】
図30に示すように、濁度測定装置10は、導出路1054と接続空間1034とを接続する細管1055を備えている。細管1055の内部は、接続流路としての気体流路が形成されている。なお、濁度測定装置10の気体流路の図示は省略する。細管1055の内部の断面積、つまり、気体流路の流路断面積は、導出路1054の流路断面積よりも小さい。
【0179】
図30および31に示すように、発光部1021は、底面壁1011の下方に配置されている。発光部1021は、セル1000の内部のうち流路空間1033と接続空間1035とに向かって光を照射する。一方、受光部1022は、側面壁1006の左方であって、発光部1021が発する光が進行する方向と対向するように配置されている。なお、受光部1022と発光部1021との配置は、互いに入れ替わっていてもよい。
【0180】
受光部1022は、液体に含まれる濁質によって散乱されない光を受光する。ただし、受光部1022は、液体に含まれる濁質によって散乱された光を受光するものであってもよい。この場合には、発光部1021は、受光部1022の配置に応じて、セル1000の内部のうち流路空間1032と接続空間1035と流路空間1033とのいずれかに向かって光を照射するものであればよい。
【0181】
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものである。
【符号の説明】
【0182】
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10:濁度測定装置、10a:(セルの内部の)上端部、10b:(セルの内部の)下端部、100:セル、121:発光部、122:受光部、131:流路空間、132:流路空間、133:流路空間、134:接続空間、135:接続空間、141:入口、142:出口、151:導入管、152:導出管、153:導入路、154:導出路、155:細管、156:気体流路
【技術分野】
【0001】
この発明は、濁度測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光を照射する発光部と、発光部が発した光を受光する受光部とを備え、発光した光量に対して受光した光量を検出することによって液体の濁度を測定する装置が知られている。このような装置において特に濁度が小さい場合は、測定系内としての光路に気泡が進入した際に、濁質粒子と気泡とが同様に扱われてしまうことがある。このような場合には、液体の濁度を正確に測定することが困難である。
【0003】
このような濁度測定装置に対して、特開2009−31018号公報(以下では特許文献1という)に係る濁度測定装置、特開2008−232790号公報(以下では特許文献2という)に係る水質測定装置、または特開2005−334682号公報(以下では特許文献3という)に係る液中パーティクルカウンターの気泡除去装置が従来から知られている。
【0004】
特許文献1に係る濁度測定装置は、ガスに起因して液体中に発生する気泡よりも小さな径を有する光を液体に照射する光源部と、液体を透過した光源部からの光を受光する受光部と、受光部で受光された光量に基づいて液体の濁度を算出する算出部とを備えている。
【0005】
特許文献1に記載された濁度測定装置では、光が照射される位置に気泡が存在しない場合に、光源部が発光させた光が受光部に受光される。しかし、光が照射される位置に気泡が存在する場合には、光源部が発光させる光が気泡によって反射および散乱されることにより、受光部に光が受光されない。この気泡があることによって受光部に光が届かない場合は、濁質によって生じる減光と比べ、信号強度が大きく減少する。これらのデータを除外することにより、液体の正しい濁度を測定することができる。このように、算出部は、気泡の影響を受けずに受光部に受光された光量に基づき、液体の濁度を算出する。
【0006】
特許文献2に係る水質測定装置は、液体としての試料水が溜められるセルを備えている。セルは、複数の面で囲まれた領域を有している。また、セルは、試料水が当該領域に流入する流入部を複数の面のうちの床面に有し、試料水が当該領域から流出する流出部を天井面に有している。また、特許文献2に係る水質測定装置は、セルの当該領域に光を発する発光部と、発光部が発する光を受ける受光部とを備えている。流入部は、平面視において、流出部とは異なる位置且つ発光部から受光部までに至る光路の外の位置に配置されている。
【0007】
流入部からセルの領域に試料水とともに流入した気泡等は、発光部が発する光の光路に進入しないように、その浮力で上昇し、且つ、試料水の流れに乗って流出部から排出される。気泡等は、セルの領域を流れる際には、光路よりも上方を通ることによって光路に進入しない。このように、特許文献2に記載された水質測定装置は、発光部が発する光の光路に、流入部から流出部に向かう気泡等が進入しないように構成されている。
【0008】
一方、特許文献3に係る気泡除去装置は、所定の容積を有する槽を備えている。槽の内部に貯留された液体に含まれる気泡は、気泡が有する浮力によって液体を上昇する。液体の表面付近に浮遊する気体は、槽の上部に配置されたエア抜き弁により、槽の内部から外部に放出される。また、槽の液体を貯留する箇所には、少なくとも表面が疎水性材料によって形成された構造物が、少なくとも一以上設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−31018号公報
【特許文献2】特開2008−232790号公報
【特許文献3】特開2005−334682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載された濁度測定装置においては、光が照射される位置に気泡が進入することが除外されていない。このように、特許文献1に記載された濁度測定装置は、気泡が断続的に発生することが考慮されているとはいえない。
【0011】
また、特許文献2に記載された水質測定装置では、気泡等が浮力で領域内を上昇している間に試料水の流れに流されてしまう場合には、気泡等が光路へ進入することがある。このような場合には、液体の濁度を正確に測定することができない。
【0012】
さらに、特許文献3に記載された気泡除去装置は、液体の表面付近に溜められた気体を槽の外部を排出するためのエア抜き弁を備える必要がある。また、特許文献3に記載された気泡除去装置は、このエア抜き弁を適宜開閉するためには、滞留する気体の量を測る必要がある。そのため、特許文献3に記載された気泡除去装置は、このエア抜き弁を適宜開閉するための制御および構造を備える必要がある。これにより、この気泡除去装置の装置構成が非常に煩雑になってしまう。
【0013】
これらに鑑み、液体の濁度を正確に測定するためには、発光された光が照射される範囲に気泡が進入することを根本的に防ぐ手段が必要である。つまり、発光された光が照射される範囲に気泡が進入することを根本的に防ぐことができ、その結果、液体に含まれる気泡に影響されずに液体の濁度を正確に測定することが可能な濁度測定装置が望まれている。
【0014】
そこで、この発明の目的は、液体に含まれる気泡に影響されずに液体の濁度を正確に測定することが可能な濁度測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明に従った濁度測定装置は、液体を流入させる入口と、入口から流入した液体を流出させる出口とが形成されたセルを備えている。セルは、第1の流路空間と第2の流路空間と第3の流路空間と第1の接続空間と第2の接続空間とを有している。第1の接続空間は、第1の流路空間と第2の流路空間とを接続する。第2の接続空間は、第2の流路空間と第3の流路空間とを接続する。入口と出口と第1の流路空間と第2の流路空間と第3の流路空間と第1の接続空間と第2の接続空間とは、入口、第1の流路空間、第1の接続空間、第2の流路空間、第2の接続空間、第3の流路空間、および、出口の順に、液体が流れるように配置されている。第1の接続空間は、セルの上下方向に関してセルの内部の上端部に配置されている。
【0016】
さらに、この発明に従った濁度測定装置は、導出路と、接続流路と、発光部と、受光部とを備えている。導出路は、出口を介してセルに接続され、出口からセルの外部に流出した液体が流通する。接続流路は、導出路の流路断面積よりも小さい流路断面積を有し且つ導出路と第1の接続空間とを接続する。発光部は、セルの内部のうち第2の流路空間と第2の接続空間と第3の流路空間とのいずれかに向かって光を照射する。受光部は、発光部が発した光を受光する。
【0017】
この発明によれば、入口を介してセルの内部に液体が流入する。セルの内部に流入した液体は、第1の流路空間から第2の流路空間を経て第3の流路空間に流れていく。第1の流路空間と第2の流路空間とを接続する第1の接続空間は、セルの上下方向に関してセルの内部の上端部に配置されている。そのため、セルの内部に流入する液体に気泡または気体が含まれている場合は、第1の流路空間から第2の流路空間を経て第3の流路空間に至るまで液体が流れる際に、気泡が有する浮力により、気泡または気体が第1の接続空間に蓄積される。
【0018】
また、導出路が出口を介してセルに接続されている。導出路は、出口からセルの外部に流出した液体が流通する。導出路と第1の接続空間とは、接続流路によって接続されている。接続流路の流路断面積は、導出路の流路断面積よりも小さい。接続流路と導出路との接続部分では、接続流路と第1の接続空間との接続部分の圧力に対して負圧が発生するため、第1の接続空間に蓄積された気泡または気体は、接続流路を介して導出路に吸い込まれる。このように、入口からセルの内部に流通する液体に含まれる気泡または気体は、第1の接続空間から導出路に流出することにより、セルの内部から排出される。
【0019】
さらに、この発明によれば、発光部が、セルの内部のうち第2の流路空間と第2の接続空間と第3の流路空間とのいずれかに向かって光を発する。受光部は、発光部が発した光を受光する。つまり、発光部は、気泡が混入された液体が流通する第1の流路空間または気体が蓄積される第1の接続空間には光を発していない。このように、この発明に係る濁度測定装置は、発光部から受光部に向かって進行する光が形成する光路に、液体に含まれる気泡または気体が進入することが無いように構成されている。そのため、この発明によれば、液体に含まれる気泡の影響を受けずに液体の濁度を正確に測定することができる。
【0020】
この発明に従った濁度測定装置は、導入路をさらに備えていることが好ましい。導入路は、入口を介してセルに接続されていることが好ましい。導入路は、入口から第1の流路空間に向かう方向に液体を流通させるものである。さらに、この発明に従った濁度測定装置では、発光部は、照射される光が導入路または導出路に入射しないように配置され、セルの内部のうち第2の流路空間に向かって光を照射することが好ましい。
【0021】
この構成によれば、導入路は、導入路と第1の流路空間とが互いに接続されるようにセルに接続されている。また、導出路は、導出路と第3の流路空間とが互いに接続されるようにセルに接続されている。一方、発光部は、セルの内部のうち第2の流路空間に向かって光を照射することが可能なように、セルの近傍に配置される。つまり、発光部は、照射される光が導入路または導出路に入射しないような場所に配置されている。そのため、発光部と導入路と導出路との配置は、特別な光学設計によらずに比較的容易に設計される。これにより、セルの内部に溜められる液体の濁度を比較的容易に測定することができる。したがって、この発明によれば、液体に含まれる気泡の影響を受けずに液体の濁度を正確且つ比較的容易に測定することができる。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、この発明によれば、液体に含まれる気泡に影響されずに液体の濁度を正確に測定することが可能な濁度測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す正面図である。
【図3】第1実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す側面図である。
【図4】(A)は図3のIV−IV線の断面図であり、(B)は(A)の一部拡大図ある。
【図5】第2実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す斜視図である。
【図6】第2実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す正面図である。
【図7】第2実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す側面図である。
【図8】(A)は図7のVIII−VIII線の断面図であり、(B)は(A)の一部拡大図ある。
【図9】第3実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す斜視図である。
【図10】第3実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す正面図である。
【図11】第3実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す側面図である。
【図12】(A)は図11のXII−XII線の断面図であり、(B)は(A)の一部拡大図ある。
【図13】第4実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す斜視図である。
【図14】第4実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す正面図である。
【図15】第4実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す側面図である。
【図16】図13に示す濁度測定装置のセルの天井壁の一部と一方の側面壁と正面壁とをセルから取り外した状態において、セルの内部を流通する液体の流れ方向を模式的に示す図である。
【図17】図16に示す矢XVIIが指す方向にて濁度測定装置を見るときのセルの内部を流通する液体の流れ方向を模式的に示す図である。
【図18】図16に示す矢XVIIIが指す方向にて濁度測定装置を見るときのセルの内部を流通する液体の流れ方向を模式的に示す図である。
【図19】図14のXIX−XIX線の断面図である。
【図20】第5実施形態に係る濁度測定装置の断面図である。
【図21】第6実施形態に係る濁度測定装置の断面図である。
【図22】第7実施形態に係る濁度測定装置の断面図である。
【図23】第8実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す斜視図である。
【図24】第8実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す正面図である。
【図25】第8実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す側面図である。
【図26】第9実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す斜視図である。
【図27】第9実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す正面図である。
【図28】第9実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す側面図である。
【図29】第10実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す斜視図である。
【図30】第10実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す正面図である。
【図31】第10実施形態に係る濁度測定装置の全体を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
(第1実施形態)
濁度測定装置1は、対象の液体が溜められたセル100に光を照射することにより、照射された光の透過光または散乱光の強度から対象の液体の濁度を検知するものである。図1に示すように、濁度測定装置1は、濁度測定用のセル100と発光部121と受光部122とを備えている。
【0026】
図1に示すように、セル100は、正面側に正面壁101と正面壁102とを有している。セル100は、上面側に天井壁110と天井壁109と天井壁108とを有している。セル100は、一方の側の側面に側面壁103と側面壁105とを有している。また、図2に示すように、セル100は、他方の側面に側面壁104と側面壁106とを有している。図3に示すように、セル100は、背面側に背面壁107を有し、且つ、底面として、底面壁111と底面壁112とを有している。図3に示すように、セル100では、底面壁111と底面壁112とは、互いに略平行に延びている。また、図4(A)に示すように、天井壁110は、図4(A)の左右方向に延びている。さらに、天井壁110と天井壁108とは、互いに略平行に延びている。一方、天井壁109は、図4(A)の左右方向に対して傾斜している。
【0027】
側面壁103と側面壁105と側面壁104と側面壁106とは、互いに略平行に延びている。正面壁101と正面壁102と背面壁107とは、互いに略平行に延びている。天井壁110と底面壁111と底面壁112とは互いに略平行に延びている。
【0028】
セル100の内部には、空間が形成されている。図4(A)に示すように、セル100には、入口141と出口142とが形成されている。入口141は、セル100の外部から内部に液体を流入させるものである。出口142は、セル100の内部に流入した液体をセル100の外部に流出させるものである。入口141は底面壁112に形成された開口であり、出口142は天井壁110に形成された開口である。ただし、入口141は、側面壁105、正面壁101、または背面壁107に形成されていてもよい。このとき、入口141は、天井壁109よりも底面壁112に近い場所、すなわち、セル100の上下方向に関してセル100の中央よりも下方に配置されていることが好ましい。
【0029】
一方、出口142は、側面壁106、正面壁101、または背面壁107に形成されていてもよい。このとき、出口142は、底面壁112よりも天井壁109に近い場所、すなわち、セル100の上下方向に関してセル100の中央よりも上方に配置されていることが好ましい。
【0030】
導入管151と導出管152とは、セル100に接続されている。導入管151は、入口141を介してセル100に接続されている。導入管151は導入路153を形成している。セル100の外部からセル100の内部に流入する液体は、導入路153を流通する。導入路153を流通する液体は、入口141を介して流路空間131に流入する。導出管152は、出口142を介してセル100に接続されている。導出管152は導出路154(図4(B)参照)を形成している。出口142からセル100の外部に流出した液体は、導出路154を流通する。このように、セル100の内部の空間には液体が溜められる。
【0031】
セル100の内部の空間に溜められる液体には、濁質が含まれている。また、入口141からセル100の内部に流入する際または入口141よりも上流側を液体が流通している際等に、気体が液体に混入される場合がある。そのため、入口141からセル100の内部に流入した液体に、気泡が含まれていることがある。これらの気泡が発光部121と受光部122との間を結ぶ光路に進入する場合には、気泡によって生じる散乱の影響により、液体の濁度を正確に測定することができない。そのため、セル100は、セル100の内部に液体とともに流入した気泡または気体が光路に進入しないように構成されている。
【0032】
図4(A)に示すように、セル100の内部には、流路空間131と、流路空間132と、流路空間133と、流路空間131と流路空間132とを接続する接続空間134と、流路空間132と流路空間133とを接続する接続空間135とが形成されている。つまり、セル100は、流路空間131と流路空間132と流路空間133と接続空間134と接続空間135とを有している。入口141と出口142と流路空間131と流路空間132と流路空間133と接続空間134と接続空間135とは、入口141と流路空間131と接続空間134と流路空間132と接続空間135と流路空間133と出口142との順に液体が流れるように配置されている。
【0033】
図1から図4に示すように、第1の流路空間としての流路空間131は、天井壁109と底面壁112と側面壁105と区画壁113と正面壁101と背面壁107とに囲まれることにより、セル100の内部に形成されている。第3の流路空間としての流路空間133は、天井壁110と底面壁112と側面壁106と区画壁114と正面壁101と背面壁107とに囲まれることにより、セル100の内部に形成されている。
【0034】
第2の流路空間としての流路空間132は、天井壁109と、天井壁108と、底面壁112および底面壁111と、区画壁113および側面壁103と、区画壁114および側面壁104と、正面壁102と、天井壁108の上方の正面壁101の一部と、背面壁107とに囲まれることにより、セル100の内部に形成されている。つまり、流路空間132は、天井壁109と底面壁112と区画壁113と区画壁114と背面壁107とに覆われる空間と、天井壁108と底面壁111と側面壁104と側面壁103と正面壁102とに覆われる空間とを有している。流路空間132では、正面側が正面壁102によって区画され、背面側が背面壁107によって区画されている。流路空間132の正面側と背面側を区画する壁は、正面壁102と背面壁107とを除いてセル100に設けられていない。
【0035】
セル100では、流路空間132の正面側の端と背面側の端との間の寸法は、流路空間131のものと流路空間133のものとに比べて大きい。図1に示すように、流路空間132(図4(A)参照)のうち、天井壁108と底面壁111と側面壁104(図2参照)と側面壁103と正面壁102とに覆われる空間は、正面壁101と背面壁107(図3参照)と側面壁105と側面壁106(図2参照)と天井壁109および天井壁110と底面壁112とに覆われる空間、すなわち、流路空間131(図4(A)参照)と流路空間133(図4(A)参照)とを合わせた空間よりも正面側に突出している。このように、セル100では、流路空間131と流路空間132と流路空間133との幅方向(図4(A)の左右方向)の寸法が同一である場合に、流路空間132は、流路空間131の容積または流路空間133の容積よりも大きな容積を有している。
【0036】
流路空間132において、側面壁103と区画壁113(図4(A)参照)とは、一体であってもよく、別体であってもよい。また、流路空間132において、側面壁104と区画壁114(図4(A)参照)とは、一体であってもよく、別体であってもよい。
【0037】
流路空間132において、側面壁103と区画壁113とが一体であるか別体であるかにかかわらず、側面壁103と区画壁113とは、セル100の正面側から背面側に向かう方向に沿って互いに連続するように延びている。流路空間132において、側面壁104と区画壁114とが一体であるか別体であるかにかかわらず、側面壁104と区画壁114とは、セル100の正面側から背面側に向かう方向に沿って互いに連続するように延びている。
【0038】
また、流路空間132において、側面壁103と区画壁113とが一体であるか別体であるかにかかわらず、流路空間131と流路空間132とは、接続空間134のみによって互いに接続されている。一方、流路空間132において、側面壁104と区画壁114とが一体であるか別体であるかにかかわらず、流路空間132と流路空間133とは、接続空間135のみによって互いに接続されている。
【0039】
なお、側面壁103と側面壁104とは、図2に示すように略鉛直方向に延びるものに限定されず、略鉛直方向から傾斜していてもよい。一方、区画壁113と区画壁114とは、図4(A)に示すように略鉛直方向に延びるものに限定されず、略鉛直方向から傾斜していてもよい。また、区画壁113と区画壁114とは、曲線状に上下方向に延びていてもよい。すなわち、セル100の内部の流路空間131と流路空間132と流路空間133とは、それぞれの単位流路長あたりの容積(物理量はmm3/mmである)、つまりそれぞれの断面積(物理量はmm2である)が一定でなくてもよい。
【0040】
図4(A)に示すように、セル100の上下方向に関して、接続空間134はセル100の内部の上端部10aに配置され、且つ、接続空間135はセル100の内部の下端部10bに配置されている。セル100の内部の上端部10aは、天井壁109の内面付近の空間のことであって、天井壁109の内面と区画壁113の上端113eとの間の空間を含んでいる。一方、セル100の内部の下端部10bは、底面壁112の内面付近の空間のことであって、底面壁112の内面と区画壁114の下端114eとの間の空間を含んでいる。なお、各壁の内面とは、セル100の内部に面した面であり、液体と接触する面のことである。
【0041】
接続空間134は、区画壁113の上端113eの上方と天井壁109の内面との間の空間を少なくとも含んでいる。一方、接続空間135は、区画壁114の下端114eの下方と底面壁112の内面との間の空間を少なくとも含んでいる。
【0042】
図3に示すように、区画壁113の上端113eは、図3の左右方向に延びるようにセル100の内部に配置されている。ただし、区画壁113の上端113eは、図3に示すものと異なり、図3の左右方向から傾斜していてもよい。また、区画壁113の上端113eの形状は、特に限定されない。図4(A)に示すように、区画壁113は、底面壁112から上方に向かって延びている。
【0043】
一方、図3に示すように、区画壁114の下端114eは、図3の左右方向に延びるようにセル100の内部に配置されている。ただし、区画壁114の下端114eは、図3に示すものと異なり、図3の左右方向から傾斜していてもよい。また、区画壁114の下端114eの形状は、特に限定されない。図4(A)に示すように、区画壁114は、天井壁110から下方に向かって延びている。
【0044】
セル100を形成する各壁の材質は、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル、ガラス、石英、ポリエチレン樹脂、またはオレフィン系樹脂等である。セル100の壁のうち、少なくとも天井壁108と底面壁111は、透明な材質、すなわち、可視光線を透過させることが可能な材質によって形成されている。
【0045】
図1に示すように、発光部121は、底面壁111の下方に配置されている。発光部121は、底面壁112の下方に配置されていてもよい。これらにより、発光部121は、セル100の内部のうち流路空間132(図4(A)参照)に向かって光を照射する。発光部121は、発光部121から照射される光が導入路153または導出路154に入射しないように、セル100の外部に配置されている。発光部121が照射する光は可視光領域の光である。発光部121が照射する光としては、波長が短い方が好ましく、例えば、青色の光が好ましい。また、発光部121が照射する光の広がり角は小さい方が好ましい。発光部121は、例えばレーザー光であることが好ましい。また、発光部121は、複数の波長の光を照射するものであってもよい。例えば、第1の波長の光として青色の光を照射し、第2の波長の光として赤色の光を照射していてもよい。
【0046】
受光部122は、発光部121が発した光を受光する。受光部122は、天井壁108の上方に配置されている。ただし、受光部122と発光部121との配置は、互いに入れ替わっていてもよい。つまり、受光部122が底面壁112の下方に配置され且つ発光部121が天井壁108の上方に配置されていてもよい。このように、濁度測定装置1では、いわゆる透過光が利用されている。すなわち、受光部122は、液体に含まれる濁質によって散乱されない光を受光する。図1および図2に示すように、受光部122は、発光部121が発する光が進行する方向と対向するように配置されている。
【0047】
なお、発光部121は、図2において、側面壁103の図2の右方に配置されていてもよく、または、側面壁104の左方に配置されていてもよい。発光部121が側面壁103の右方に配置される場合には、受光部122は側面壁104の左方に配置される。また、発光部121が側面壁104の左方に配置される場合には、受光部122は側面壁103の右方に配置される。これらのように、発光部121は、セル100の内部のうち流路空間132と接続空間135と流路空間133とのいずれかに向かって光を照射するものであればよく、且つ、受光部122は、発光部121が発する光が進行する方向と対向するように配置されていればよい。
【0048】
セル100の縦(高さ)の寸法は、セル100の横(幅)の寸法に比べて大きい。このような構成は、濁度測定装置1において透過光が利用されている場合には適している。ただし、濁度測定装置1において、少なくとも、流路空間132の上下方向の寸法が流路空間132の幅よりも大きければよい。
【0049】
ただし、濁度測定装置1では、いわゆる散乱光が利用されていてもよい。すなわち、受光部122は、液体に含まれる濁質によって散乱された光を受光するものであってもよい。この場合には、発光部121は、受光部122の配置に応じて、セル100の内部のうち流路空間132と接続空間135と流路空間133とのいずれかに向かって光を照射するものであればよい。図2に示すように、発光部121が底面壁111または底面壁112の下方に配置されている場合に、受光部122は、例えば側面壁103よりも図2の右方または側面壁104よりも図2の左方に配置されていてもよい。また、発光部121が底面壁111または底面壁112の下方に配置されている場合に、受光部122は、例えば正面壁102よりも図3の左方または背面壁107よりも図3の右方に配置されていてもよい。また、発光部121が底面壁111または底面壁112の下方に配置されている場合に、受光部122は、例えば底面壁112の下方に配置されていてもよい。これらのとき、セル100の各壁面に対して発光部121が取り付けられる角度と、セル100の各壁面に対して受光部122が取り付けられる角度とは、特に限定されず、発光部121が発する光の強度等に基づいて適宜決定されていてもよい。濁度測定装置1では、セル100の壁のうち、少なくとも、発光部121に面する壁と受光部122に面する壁とが、透明な材質、すなわち、可視光線を透過させることが可能な材質によって形成されていればよい。
【0050】
受光部122は、発光部121がセル100の内部に照射した光を受光することにより、演算部(図示しない)に信号を送信する。受光部122から信号を受信した演算部は、受光部122が受光した光の強度に基づいて、セル100の内部に溜められている液体の濁度を検知する。
【0051】
図4(A)および(B)に示すように、濁度測定装置1は、導出路154と接続空間134とを接続する細管155を備えている。細管155の内部は、接続流路としての気体流路156が形成されている。気体流路156では、後述するように液体から分離された気体が流通する。そのため、導出路154と接続空間134とは、詳細には気体流路156を介して互いに接続されている。また、細管155は、セル100の天井壁109と導出管152とに接続されている。細管155の内部の断面積、つまり、気体流路156の流路断面積は、導出路154の流路断面積よりも小さい。
【0052】
導出路154は、流路空間133の断面積よりも小さい流路断面積を有している。一方、導入路153は、流路空間131の断面積よりも小さい流路断面積を有している。導出路154の流路断面積とは、導出管152の内部の空間の断面積のことである。導入路153の流路断面積とは、導入管151の内部の空間の断面積のことである。導入管151は底面壁112に固定されている。導出管152は天井壁110に固定されている。
【0053】
以下では、セル100の内部等での液体の流れについて説明する。
図4(A)に示すように、入口141を介して導入路153からセル100の内部の流路空間131に流入した液体は、下方から上方に向かって流路空間131を流通する。流路空間131を流通する液体は、接続空間134を介して流路空間132に流入する。上方から下方に向かって流路空間132を流通した液体は、接続空間135を介して流路空間133に流入する。下方から上方に向かって流路空間133を流通した液体は、出口142を介してセル100の外部としての導出路154に流出する。
【0054】
導入路153から流路空間131に流入した液体に気泡が混入されている場合には、液体が流路空間131から流路空間132を流通する間に、気泡が有する浮力によって気泡または気体が接続空間134に集まる。天井壁109は、流路空間131から流路空間132に向かって、水平方向から上方に傾斜している。これにより、接続空間134には、液面よりも上方に気体が溜められるような空間が形成される。なお、天井壁108は、前後方向(図3の左右方向)から傾斜していてもよい。天井壁201が前後方向から傾斜していることにより、流路空間131から流路空間132を流通する液体に含まれる気体は、天井壁108の内面の下方に滞留することなく、接続空間134に集まる。
【0055】
細管155は、このような空間つまり接続空間134の上端部と導出路154とが互いに接続されるように、天井壁109と導出管152とに取り付けられている。気体流路156と導出路154との接続部分156b(図4(B)参照)では、接続空間134と気体流路156との接続部分156a(図4(B)参照)の圧力に対して負圧が発生する。そのため、接続空間134に蓄積された気体は、気体流路156を介して導出路154に吸い込まれる。導出路154に吸い込まれた気体は、液体とともに導出路154を流通する。
【0056】
なお、細管155のセル100と導出管152とへの取付の態様は、特に限定されない。また、導出管152では、液体または気体の流れ方向に関して接続部分156bよりも下流側の部分の内径が適宜絞られていてもよい。つまり、導出路154は、液体または気体の流れ方向に関して接続部分156bよりも下流側の部分の流路断面積が、接続部分156bよりも上流側の部分の流路断面積よりも小さいような部分を有していてもよい。
【0057】
以上のように、第1実施形態に係る濁度測定装置1は、液体を流入させる入口141と、入口141から流入した液体を流出させる出口142とが形成されたセル100を備えている。セル100は、流路空間131と流路空間132と流路空間133と接続空間134と接続空間135とを有している。接続空間134は、流路空間131と流路空間132とを接続する。接続空間135は、流路空間132と流路空間133とを接続する。入口141と出口142と流路空間131と流路空間132と流路空間133と接続空間134と接続空間135とは、入口141、流路空間131、接続空間134、流路空間132、接続空間135、流路空間133、および、出口142の順に、液体が流れるように配置されている。接続空間134は、セル100の上下方向に関してセル100の内部の上端部10aに配置されている。
【0058】
また、濁度測定装置1は、導出管152と、細管155と、発光部121と、受光部122とをさらに備えている。導出管152は、出口142を介してセル100に接続され、出口142からセル100の外部に流出した液体が流通する導出路154を形成する。細管155は気体流路156を形成する。気体流路156は、導出路154の流路断面積よりも小さい流路断面積を有し且つ導出路154と接続空間134とを接続する。発光部121は、セル100の内部のうち流路空間132と接続空間135と流路空間133とのいずれかに向かって光を照射する。受光部122は、発光部121が発した光を受光する。
【0059】
濁度測定装置1によれば、入口141を介してセル100の内部に液体が流入する。セル100の内部に流入した液体は、流路空間131から流路空間132を経て流路空間133に流れていく。流路空間131と流路空間132とを接続する接続空間134は、セル100の上下方向に関してセル100の内部の上端部10aに配置され、且つ、流路空間132と流路空間133とを接続する接続空間135は、セル100の上下方向に関してセル100の内部の下端部10bに配置されている。そのため、セル100の内部に流入する液体に気泡または気体が含まれている場合は、流路空間131から流路空間132を経て流路空間133に至るまで液体が流れる際に、気泡が有する浮力により、気泡または気体が接続空間134に蓄積される。
【0060】
また、導出管152が出口142を介してセル100に接続されている。導出管152は、出口142からセル100の外部に流出した液体が流通する導出路154を形成する。導出路154と接続空間134とは、気体流路156によって接続されている。気体流路156の流路断面積は導出路154の流路断面積よりも小さい。気体流路156と導出路154との接続部分156bでは、気体流路156と接続空間134との接続部分156aの圧力に対して負圧が発生するため、接続空間134に蓄積された気泡または気体は、気体流路156を介して導出路154に吸い込まれる。このように、入口141からセル100の内部に流通する液体に含まれる気泡または気体は、接続空間134から導出路154に流出することにより、セル100の内部から排出される。
【0061】
さらに、濁度測定装置1によれば、発光部121が、セル100の内部のうち流路空間132と接続空間135と流路空間133とのいずれかに向かって光を発する。受光部122は、発光部121が発した光を受光する。つまり、発光部121は、気泡が混入された液体が流通する流路空間131または気体が蓄積される接続空間134には光を発していない。このように、濁度測定装置1は、発光部121から受光部122に向かって進行する光が形成する光路に、液体に含まれる気泡または気体が進入することが無いように構成されている。そのため、濁度測定装置1によれば、液体に含まれる気泡の影響を受けずに液体の濁度を正確に測定することができる。
【0062】
濁度測定装置1は、導入管151をさらに備えている。導入管151は、入口141を介してセル100に接続されている。また、導入管151は、入口141から流路空間131に向かう方向に液体が流通する導入路153を形成している。さらに、濁度測定装置1では、発光部121は、照射される光が導入路153または導出路154に入射しないように配置され、セル100の内部のうち流路空間132に向かって光を照射する。
【0063】
この構成によれば、導入路153と流路空間131とが互いに接続されるように導入管151がセル100に接続されている。また、導出路154と流路空間133とが互いに接続されるように導出管152がセル100に接続されている。一方、発光部121は、セル100の内部のうち流路空間132に向かって光を照射することが可能なように、セル100の近傍に配置される。つまり、発光部121は、照射される光が導入管151または導出管152に入射しないような場所に配置されている。そのため、発光部121と導入管151と導出管152との配置は、特別な光学設計によらずに比較的容易に設計される。これにより、セル100の内部に溜められる液体の濁度を比較的容易に測定することができる。したがって、濁度測定装置1によれば、液体に含まれる気泡の影響を受けずに液体の濁度を正確且つ比較的容易に測定することができる。
【0064】
以上のように、濁度測定装置1は、液体に含まれる気泡の影響を受けずに液体の濁度を正確に測定することができる。
【0065】
(第2実施形態)
以下では、第2実施形態に係る濁度測定装置2について説明する。なお、第1実施形態に係る濁度測定装置1と同様の構成については、説明を省略する。
【0066】
図5に示すように、濁度測定装置2は、濁度測定用のセル200と発光部221と受光部222とを備えている。
【0067】
図6および図7に示すように、天井壁208は、図6の紙面表面にてセル200を見る場合に、天井壁208の表面が見えるように水平方向から傾斜している。側面壁203と側面壁205と側面壁204と側面壁206とは、互いに略平行に延びている。正面壁201と背面壁207とは、互いに略平行に延びている。天井壁210と底面壁211とは互いに略平行に延びている。図7に示すように、正面壁202は、図7の上下方向(つまり鉛直方向)に対して傾斜している。図7に示すように、正面壁202は、セル200の鉛直下方からセル200を見る場合に、正面壁202の表面が見えるように鉛直方向から傾斜している。正面壁201の下端の縁と正面壁202の下端の縁とは、底面壁211の縁と略一致している。
【0068】
図8(A)に示すように、セル200には、入口241と出口242とが形成されている。入口241は底面壁211に形成された開口であり、出口242は天井壁210に形成された開口である。導入管251と導出管252とは、セル100に接続されている。導入管251は導入路253を形成している。導入路253を流通する液体は、入口241を介して流路空間231に流入する。導出管252は導出路254(図8(B)参照)を形成している。出口242からセル200の外部に流出した液体は、導出路254を流通する。
【0069】
図8(A)に示すように、セル200の内部には、流路空間231と、流路空間232と、流路空間233と、流路空間231と流路空間232とを接続する接続空間234と、流路空間232と流路空間233とを接続する接続空間235とが形成されている。
【0070】
図5から図8に示すように、第1の流路空間としての流路空間231は、天井壁209と底面壁211と側面壁205と区画壁213と正面壁201と背面壁207とに囲まれることにより、セル200の内部に形成されている。第3の流路空間としての流路空間233は、天井壁210と底面壁211と側面壁206と区画壁214と正面壁201と背面壁207とに囲まれることにより、セル200の内部に形成されている。
【0071】
第2の流路空間としての流路空間232は、天井壁209と、天井壁208と、底面壁211と、区画壁213および側面壁203と、区画壁214および側面壁204と、正面壁202と、天井壁208の上方の正面壁201の一部と、背面壁207とに囲まれることにより、セル200の内部に形成されている。つまり、流路空間232は、天井壁208の上方の正面壁201の一部と、天井壁209と底面壁211と区画壁213と区画壁214と背面壁207とに覆われる空間と、天井壁208と底面壁211と側面壁204と側面壁203と正面壁202とに覆われる空間とを有している。
【0072】
セル200では、流路空間232の正面側の端と背面側の端との間の寸法は、流路空間232の下端を除いて流路空間231のものと流路空間233のものとに比べて大きい。図5に示すように、流路空間232のうち、天井壁208と側面壁204(図6参照)と側面壁203と正面壁202とに覆われる空間は、正面壁201と背面壁207(図7参照)と側面壁205と側面壁204(図6参照)と天井壁209および天井壁210と底面壁211とに覆われた空間、すなわち、流路空間231と流路空間233とを合わせた空間よりも正面側に突出している。
【0073】
流路空間232において、側面壁203と区画壁213とが一体であるか別体であるかにかかわらず、流路空間231と流路空間232とは、接続空間234のみによって互いに接続されている。一方、流路空間232において、側面壁204と区画壁214とが一体であるか別体であるかにかかわらず、流路空間232と流路空間233とは、接続空間235のみによって互いに接続されている。
【0074】
図8(A)に示すように、セル200の上下方向に関して、接続空間234はセル200の内部の上端部20aに配置され、且つ、接続空間235はセル200の内部の下端部20bに配置されている。セル200の内部の上端部20aは、天井壁209の内面付近の空間のことであって、天井壁209の内面と区画壁213の上端213eとの間の空間を含んでいる。一方、セル200の内部の下端部20bは、底面壁211の内面付近の空間のことであって、底面壁211の内面と区画壁214の下端214eとの間の空間を含んでいる。接続空間234は、区画壁213の上端213eの上方と天井壁209の内面との間の空間を少なくとも含んでいる。一方、接続空間235は、区画壁214の下端214eの下方と底面壁211の内面との間の空間を少なくとも含んでいる。
【0075】
図7に示すように、区画壁213の上端213eは、図7の左右方向から傾斜していてもよく、図7の左右方向に延びるようにセル200の内部に配置されていてもよい。また、区画壁213の上端213eの形状は、特に限定されない。
【0076】
図7に示すように、区画壁214の下端214eは、図7の左右方向から傾斜していてもよく、図7の左右方向に延びるようにセル100の内部に配置されていてもよい。また、区画壁214の下端214eの形状は、特に限定されない。
【0077】
図5と図6とに示すように、発光部221は、底面壁211のうち、セル200の左右方向に関して側面壁203と側面壁204とに挟まれた範囲の下方に配置されている。これにより、発光部221は、セル200の内部のうち流路空間232(図8(A)参照)に向かって光を照射する。受光部222は、液体に含まれる濁質によって散乱されない光を受光する。図5および図6に示すように、受光部222は、発光部221が発する光が進行する方向と対向するように配置されている。
【0078】
発光部221は、セル200の内部のうち流路空間232と接続空間235と流路空間233とのいずれかに向かって光を照射するものであればよく、且つ、受光部222は、発光部221が発する光が進行する方向と対向するように配置されていればよい。ただし、受光部222は、液体に含まれる濁質によって散乱された光を受光するものであってもよい。この場合には、発光部221は、受光部222の配置に応じて、セル200の内部のうち流路空間232と接続空間235と流路空間233とのいずれかに向かって光を照射するものであればよい。
【0079】
図8(A)および(B)に示すように、濁度測定装置2は、導出路254と接続空間234とを接続する細管255を備えている。細管255は、セル200の天井壁209と導出管252とに接続されている。細管255の内部の断面積、つまり、気体流路256の流路断面積は、導出路254の流路断面積よりも小さい。
【0080】
導入路253から流路空間231に流入した液体に気泡が混入されている場合には、液体が流路空間231から流路空間232を流通する間に、気泡が有する浮力によって気泡または気体が接続空間234に集まる。天井壁209は、流路空間231から流路空間232に向かって、水平方向から上方に傾斜している。これにより、接続空間234には、液面よりも上方に気体が溜められるような空間が形成される。また、図7に示すように天井壁208が左右方向から傾斜していることにより、流路空間231から流路空間232を流通する液体に含まれる気体は、天井壁208の内面の下方に滞留することなく、接続空間234に集まる。細管255は、接続空間234の上端部と導出路254とが互いに接続されるように、天井壁209と導出管252とに取り付けられている。気体流路256と導出路254との接続部分256b(図8(B)参照)では、接続空間234と気体流路256との接続部分256a(図8(B)参照)の圧力に対して負圧が発生する。そのため、接続空間234に蓄積された気体は、気体流路256を介して導出路254に吸い込まれる。導出路254に吸い込まれた気体は、液体とともに導出路254を流通する。
【0081】
以上のように、濁度測定装置2は、液体に含まれる気泡の影響を受けずに液体の濁度を正確に測定することができる。
【0082】
(第3実施形態)
以下では、第3実施形態に係る濁度測定装置3について説明する。なお、第1実施形態に係る濁度測定装置1と同様の構成については、説明を省略する。
【0083】
図9に示すように、濁度測定装置3は、濁度測定用のセル300と発光部321と受光部322とを備えている。
【0084】
図9に示すように、セル300は、正面側に正面壁301と正面壁302と正面壁312とを有している。図11に示すように、正面壁301は、セル300の鉛直上方からセル300を見る場合に、正面壁301の表面が見えるように図11の上下方向(つまり鉛直方向)から傾斜している。一方、正面壁302と正面壁312とは略鉛直方向に延びている。また、背面壁307は、セル300の鉛直下方からセル300を見る場合に、背面壁307の表面が見えるように鉛直方向から傾斜している。
【0085】
正面壁301の下端の縁と正面壁302の下端の縁とは、底面壁311の縁と略一致している。天井壁310と底面壁311と天井壁308とは互いに略平行に延びている。一方、図12(A)に示すように、天井壁309は、水平方向に対して傾斜している。
【0086】
図12(A)に示すように、セル300には、入口341と出口342とが形成されている。入口341は底面壁311に形成された開口であり、出口342は天井壁310に形成された開口である。導入管351と導出管352とは、セル300に接続されている。導入管351は導入路353を形成している。導入路353を流通する液体は、入口341を介して流路空間331に流入する。導出管352は導出路354を形成している。出口342からセル300の外部に流出した液体は、導出路354を流通する。
【0087】
セル300の内部には、流路空間331と、流路空間332と、流路空間333と、流路空間331と流路空間332とを接続する接続空間334と、流路空間332と流路空間333とを接続する接続空間335とが形成されている。
【0088】
図9から図12に示すように、第1の流路空間としての流路空間331は、天井壁309と底面壁311と側面壁305と区画壁313と正面壁301と背面壁307とに囲まれることにより、セル300の内部に形成されている。第3の流路空間としての流路空間333は、天井壁310と底面壁311と側面壁306と区画壁314と正面壁301と背面壁307とに囲まれることにより、セル300の内部に形成されている。
【0089】
第2の流路空間としての流路空間332は、天井壁309と、天井壁308と、底面壁311と、区画壁313および側面壁303と、区画壁314および側面壁304と、正面壁302と、正面壁312と、背面壁307とに囲まれることにより、セル300の内部に形成されている。つまり、流路空間332は、天井壁308の上方の正面壁301の一部と、天井壁309と底面壁311と区画壁313と区画壁314と背面壁307とに覆われる空間と、天井壁308と底面壁311と側面壁304と側面壁303と正面壁302とに覆われる空間とを有している。
【0090】
セル300では、流路空間332の正面側の端と背面側の端との間の寸法は、流路空間332の下端を除いて流路空間331のものと流路空間333のものとに比べて大きい。図9または図11に示すように、流路空間332(図12(A)参照)のうち、天井壁308と側面壁304と側面壁303と正面壁302とに覆われる空間は、正面壁312および正面壁301と背面壁307と側面壁305と側面壁306と天井壁309および天井壁310と底面壁311とに覆われた空間、すなわち、流路空間331と流路空間333とを合わせた空間よりも正面側に突出している。
【0091】
流路空間332において、側面壁303と区画壁313とが一体であるか別体であるかにかかわらず、流路空間331と流路空間332とは、接続空間334のみによって互いに接続されている。一方、流路空間332において、側面壁304と区画壁314とが一体であるか別体であるかにかかわらず、流路空間332と流路空間333とは、接続空間335のみによって互いに接続されている。
【0092】
図12(A)に示すように、セル300の上下方向に関して、接続空間334はセル300の内部の上端部30aに配置され、且つ、接続空間335はセル300の内部の下端部30bに配置されている。セル300の内部の上端部30aは、天井壁309の内面付近の空間のことであって、天井壁309の内面と区画壁313の上端313eとの間の空間を含んでいる。一方、セル300の内部の下端部30bは、底面壁311の内面付近の空間のことであって、底面壁311の内面と区画壁314の下端314eとの間の空間を含んでいる。接続空間334は、区画壁313の上端313eの上方と天井壁309の内面との間の空間を少なくとも含んでいる。一方、接続空間335は、区画壁314の下端314eの下方と底面壁311の内面との間の空間を少なくとも含んでいる。
【0093】
図9と図10とに示すように、発光部321は、底面壁311のうち、セル300の左右方向に関して側面壁303と側面壁304とに挟まれた範囲の下方に配置されている。これにより、発光部321は、セル300の内部のうち流路空間332に向かって光を照射する。受光部322は、液体に含まれる濁質によって散乱されない光を受光する。図9および図10に示すように、受光部322は、発光部321が発する光が進行する方向と対向するように配置されている。
【0094】
発光部321は、セル300の内部のうち流路空間332と接続空間335と流路空間333とのいずれかに向かって光を照射するものであればよく、且つ、受光部322は、発光部321が発する光が進行する方向と対向するように配置されていればよい。ただし、受光部322は、液体に含まれる濁質によって散乱された光を受光するものであってもよい。この場合には、発光部321は、受光部322の配置に応じて、セル300の内部のうち流路空間332と接続空間335と流路空間333とのいずれかに向かって光を照射するものであればよい。
【0095】
図12(A)に示すように、濁度測定装置3は、導出路354と接続空間334とを接続する細管355を備えている。細管355は、セル300の天井壁309と導出管352とに接続されている。細管355の内部の断面積、つまり、気体流路356の流路断面積は、導出路354の流路断面積よりも小さい。
【0096】
導入路353から流路空間331に流入した液体に気泡が混入されている場合には、液体が流路空間331から流路空間332を流通する間に、気泡が有する浮力によって気泡または気体が接続空間334に集まる。天井壁309は、流路空間331から流路空間332に向かって、水平方向から上方に傾斜している。これにより、接続空間334には、液面よりも上方に気体が溜められるような空間が形成される。なお、天井壁308は、前後方向(図11の左右方向)から傾斜していてもよい。天井壁308が前後方向から傾斜していることにより、流路空間331から流路空間332を流通する液体に含まれる気体は、天井壁308の内面の下方に滞留することなく、接続空間334に集まる。細管355は、接続空間334の上端部と導出路354とが互いに接続されるように、天井壁309と導出管352とに取り付けられている。気体流路356と導出路354との接続部分356b(図12(B)参照)では、接続空間334と気体流路356との接続部分356a(図12(B)参照)の圧力に対して負圧が発生する。そのため、接続空間334に蓄積された気体は、気体流路356を介して導出路354に吸い込まれる。導出路354に吸い込まれた気体は、液体とともに導出路354を流通する。
【0097】
以上のように、濁度測定装置3は、液体に含まれる気泡の影響を受けずに液体の濁度を正確に測定することができる。
【0098】
(第4実施形態)
以下では、第4実施形態に係る濁度測定装置4について説明する。なお、第1実施形態に係る濁度測定装置1と同様の構成については、説明を省略する。
【0099】
図13に示すように、濁度測定装置4は、濁度測定用のセル400と発光部421と受光部422とを備えている。
【0100】
図13〜15に示すように、セル400は、正面側に正面壁401を有し、且つ、上面側に天井壁405と天井壁406とを有している。セル400は、一方の側の側面に側面壁403を有し、且つ、他方の側面に側面壁404を有している。セル400は、背面側に背面壁407を有し、且つ、底面として底面壁408を有している。また、図14に示すように、天井壁406は、水平方向に延びている。一方、天井壁405は、水平方向に対して傾斜している。
【0101】
セル400の内部には、空間が形成されている。図16に示すように、セル400には、入口441と出口442とが形成されている。入口441は底面壁408に形成された開口であり、出口442は天井壁406に形成された開口である。ただし、入口441は、側面壁403(図13参照)または背面壁407に形成されていてもよい。このとき、入口441は、セル400の上下方向に関してセル400の中央よりも下方に配置されていることが好ましい。一方、出口442は、正面壁401または側面壁403に形成されていてもよい。このとき、出口442は、セル400の上下方向に関してセル400の中央よりも上方に配置されていることが好ましい。
【0102】
図16に示すように、導入管451と導出管452とは、セル400に接続されている。導入管451は、入口441を介してセル400に接続されている。導入管451は導入路453を形成している。セル400の外部からセル400の内部に流入する液体は、導入路453を流通する。導入路453を流通する液体は、入口441を介して流路空間431に流入する。導出管452は、出口442を介してセル400に接続されている。導出管452は導出路454を形成している。出口442からセル400の外部に流出した液体は、導出路454を流通する。このように、セル400の内部の空間には液体が溜められる。
【0103】
セル400の内部には、流路空間431と、流路空間432と、流路空間433(図17または図18参照)と、流路空間431と流路空間432とを接続する接続空間434と、流路空間432と流路空間433とを接続する接続空間435とが形成されている。入口441と出口442と流路空間431と流路空間432と流路空間433と接続空間434と接続空間435とは、入口441と流路空間431と接続空間434と流路空間432と接続空間435と流路空間433と出口442との順に液体が流れるように配置されている。
【0104】
図13と図16と図18とに示すように、第1の流路空間としての流路空間431は、天井壁405と、底面壁408と、側面壁403と、区画壁411と、背面壁407と、天井壁406の上方の正面壁402の一部と、に囲まれることにより、セル400の内部に形成されている。第3の流路空間としての流路空間433は、天井壁406と底面壁408と側面壁403と区画壁412と区画壁413と正面壁401とに囲まれることにより、セル400の内部に形成されている。
【0105】
第2の流路空間としての流路空間432は、天井壁406および天井壁405と、底面壁408と、区画壁411および区画壁412と、側面壁404と、正面壁402と、天井壁406の上方の正面壁402の一部と、背面壁407とに囲まれることにより、セル400の内部に形成されている。つまり、流路空間432は、天井壁405と底面壁408と区画壁411と側面壁404と背面壁407とに覆われる空間と、天井壁406と底面壁408と側面壁404と区画壁412と正面壁401とに覆われる空間とを有している。このように、セル400では、流路空間431と流路空間432と流路空間433との幅方向(図17の左右方向)の寸法が同一である場合に、流路空間432は、流路空間431の容積または流路空間433の容積よりも大きな容積を有している。
【0106】
図18に示すように、区画壁411と区画壁412と側面壁403と側面壁404とは、略平行に略鉛直方向に延びている。区画壁413と正面壁401と背面壁407とは、略平行に略鉛直方向に延びている。
【0107】
図16に示すように、セル400において、区画壁413と区画壁411とは、一体であってもよく、別体であってもよい。また、背面壁407と区画壁411とは、一体であってもよく、別体であってもよい。また、区画壁413と区画壁411とは、一体であってもよく、別体であってもよい。セル400において、正面壁402と区画壁413と天井壁406とは、一体であってもよく、別体であってもよい。区画壁412と天井壁406とは、一体であってもよく、別体であってもよい。また、区画壁413と底面壁408とは、一体であってもよく、別体であってもよい。
【0108】
なお、区画壁411と区画壁412と区画壁413とは、図16に示すように略鉛直方向に延びるものに限定されず、略鉛直方向から傾斜していてもよく、曲線状に上下方向に延びていてもよい。
【0109】
セル400において、流路空間431と流路空間432とは、接続空間434のみによって互いに接続されている。一方、セル400において、流路空間432と流路空間433とは、接続空間435のみによって互いに接続されている。
【0110】
図16と図18とに示すように、セル400の上下方向に関して、接続空間434はセル400の内部の上端部40aに配置され、且つ、接続空間435はセル400の内部の下端部40bに配置されている。セル400の内部の上端部40aは、天井壁405(図13参照)の内面付近の空間のことであって、天井壁405の内面と区画壁411の上端411eとの間の空間を含んでいる。一方、セル400の内部の下端部40bは、底面壁408の内面付近の空間のことであって、底面壁408の内面と区画壁412の下端412eとの間の空間を含んでいる。接続空間434は、区画壁411の上端411eの上方と天井壁405(図13参照)の内面との間の空間を少なくとも含んでいる。一方、接続空間435は、区画壁412の下端412eの下方と底面壁408の内面との間の空間を少なくとも含んでいる。
【0111】
図18に示すように、区画壁411の上端411eは、図18の左右方向に延びるようにセル400の内部に配置されている。ただし、区画壁411の上端411eは、図18の左右方向から傾斜していてもよい。また、区画壁411の上端411eの形状は、特に限定されない。区画壁411は、底面壁408から上方に向かって延びている。
【0112】
一方、図18に示すように、区画壁412の下端412eは、図18の左右方向に延びるようにセル400の内部に配置されている。ただし、区画壁412の下端412eは、図18の左右方向から傾斜していてもよい。また、区画壁412の下端412eの形状は、特に限定されない。区画壁412は、天井壁406から下方に向かって延びている。一方、図13と図16と図18とを参照するように、区画壁413は、天井壁406から底面壁408まで延びている。
【0113】
セル400の壁のうち、少なくとも天井壁406と底面壁408とは、透明な材質、すなわち、可視光線を透過させることが可能な材質によって形成されている。
【0114】
図13に示すように、発光部421は、底面壁408の下方に配置されている。これにより、発光部421は、セル400の内部のうち流路空間432に向かって光を照射する。受光部422は、液体に含まれる濁質によって散乱されない光を受光する。図13〜図15に示すように、受光部422は、発光部421が発する光が進行する方向と対向するように配置されている。
【0115】
発光部421は、セル400の内部のうち流路空間432と接続空間435と流路空間433とのいずれかに向かって光を照射するものであればよく、且つ、受光部422は、発光部421が発する光が進行する方向と対向するように配置されていればよい。ただし、受光部422は、液体に含まれる濁質によって散乱された光を受光するものであってもよい。この場合には、発光部421は、受光部422の配置に応じて、セル400の内部のうち流路空間432と接続空間435と流路空間433とのいずれかに向かって光を照射するものであればよい。
【0116】
図13に示すように、濁度測定装置4は細管455を備えている。図17に示すように、細管455の内部は、液体から分離された気体が流通する気体流路456が形成されている。そのため、導出路454と接続空間434とは、気体流路456を介して互いに接続されている。図13に示すように、細管455は、セル400の天井壁406と導出管452とに接続されている。細管455の内部の断面積、つまり、気体流路456の流路断面積は、導出路454の流路断面積よりも小さい。
【0117】
以下では、セル400の内部等での液体の流れについて説明する。
図16に示すように、入口441を介して導入路453からセル400の内部の流路空間431に流入した液体は、下方から上方に向かって流路空間431を流通する。流路空間431を流通する液体は、接続空間434を介して流路空間432に流入する。上方から下方に向かって流路空間432を流通した液体は、接続空間435を介して流路空間433に流入する。下方から上方に向かって流路空間433を流通した液体は、出口442を介してセル100の外部としての導出路454に流出する。
【0118】
導入路453から流路空間431に流入した液体に気泡が混入されている場合には、液体が流路空間431から流路空間432を流通する間に、気泡が有する浮力によって気泡または気体が接続空間434に集まる。図14に示すように、天井壁406は、流路空間431(図16参照)から流路空間432(図16参照)に向かって、水平方向から上方に傾斜している。これにより、接続空間434には、液面よりも上方に気体が溜められるような空間が形成される。
【0119】
図17に示すように、細管455は、このような空間つまり接続空間434の上端部と導出路454とが互いに接続されるように、天井壁406と導出管452とに取り付けられている。気体流路456と導出路454との接続部分456bでは、接続空間434と気体流路456との接続部分456aの圧力に対して負圧が発生する。そのため、接続空間434に蓄積された気体は、気体流路456を介して導出路454に吸い込まれる。導出路454に吸い込まれた気体は、液体とともに導出路454を流通する。
【0120】
なお、図18と図19とにおいて、図中の二重丸の記号は、液体が紙面の裏面から表面に向かって流れていることを示し、図中のX印を丸で囲った記号は、液体が紙面の表面から裏面に向かって流れていることを示すものである。
【0121】
なお、細管455のセル400と導出管452とへの取付の態様は、特に限定されない。また、導出路454は、液体または気体の流れ方向に関して接続部分456bよりも下流側の部分の流路断面積が、接続部分456bよりも上流側の部分の流路断面積よりも小さいような部分を有していてもよい。
【0122】
以上のように、濁度測定装置4は、液体に含まれる気泡の影響を受けずに液体の濁度を正確に測定することができる。
【0123】
(第5実施形態)
以下では、第5実施形態に係る濁度測定装置5について説明する。なお、第1実施形態に係る濁度測定装置1と同様の構成については、説明を省略する。
【0124】
図20に示すように、濁度測定装置5は、濁度測定用のセル500と図示しない発光部と受光部とを備えている。濁度測定装置5は、対象の液体が溜められたセル500に光を照射することにより、照射された光の透過光または散乱光の強度から対象の液体の濁度を検知するものである。
【0125】
濁度測定装置5は、セル500の内部に、第1の流路空間と第2の流路空間を区画する壁と、第2の流路空間と第3の流路空間を区画する壁とを有していない。そのため、濁度測定装置5では、セル500の内部において第1の流路空間と第2の流路空間と第3の流路空間とが一体である。
【0126】
第1の流路空間としての流路空間531は、略水平方向に延びるようにセル500の内部の上部に配置されている。第3の流路空間としての流路空間533は、略水平方向に延びるようにセル500の内部の下部に配置されている。第2の流路空間としての流路空間532は、セル500の内部の上端から下端を略鉛直方向に延びている。セル500は、流路空間531と流路空間532とを接続する接続空間534と、流路空間532と流路空間533とを接続する接続空間535とを有している。
【0127】
セル500は、正面側に正面壁501を有し、且つ、背面側に背面壁502を有している。セル500は、上面側に天井壁503を有し、且つ、底面として底面壁504を有している。セル500の上部には、背面壁502から背面方(図20の右方)に突出した突出部511が配置されている。また、セル500の下部には、正面壁501から正面方(図20の左方)に突出した突出部512が配置されている。
【0128】
これら突出部511の奥行きの寸法(図20の左右方向の寸法)と突出部512の奥行きの寸法とは、特に限定されない。突出部511の奥行きの寸法と突出部512の奥行きの寸法とは、互いに同一でもよく、それぞれ異なっていてもよい。また、突出部511の幅の寸法(図20の表裏方向の寸法)と突出部512の幅の寸法とは、特に限定されない。突出部511と突出部512とのそれぞれの幅の寸法は、正面壁501の幅の寸法(図20の表裏方向の寸法)と同一でもよく、正面壁501の幅の寸法より大きくてもよく、または正面壁501の幅の寸法より小さくてもよい。
【0129】
なお、セル500の上部とは、セル500の上下方向(図20の上下方向)に関して、中央よりも上方の部分のことである。セル500の下部とは、セル500の上下方向に関して、中央よりも下方の部分のことである。
【0130】
セル500には、入口541と出口542とが形成されている。入口541は突出部511の底面壁513に形成された開口であり、出口542は突出部512の上面壁514に形成された開口である。導入管551と導出管552とは、セル500に接続されている。導入管551は導入路553を形成している。導入路553を流通する液体は、入口541を介して流路空間531に流入する。導出管552は導出路554を形成している。出口542からセル500の外部に流出した液体は、導出路554を流通する。
【0131】
セル500の上下方向に関して、接続空間534はセル500の内部の上端部50aに配置され、且つ、接続空間535はセル500の内部の下端部50bに配置されている。セル500の内部の上端部50aとは、天井壁503の内面付近の空間のことである。一方、セル500の内部の下端部50bとは、底面壁504の内面付近の空間のことである。
【0132】
発光部は、セル500の内部のうち流路空間532と接続空間535と流路空間533とのいずれかに向かって光を照射するものであればよい。一方、受光部は、液体に含まれる濁質によって散乱されない光を受光するものであってもよく、液体に含まれる濁質によって散乱された光を受光するものであってもよい。
【0133】
濁度測定装置5は、導出路554と接続空間534とを接続する細管555を備えている。細管555は、セル500の天井壁503と導出管552とに接続されている。細管555の内部の断面積、つまり、気体流路556の流路断面積は、導出路554の流路断面積よりも小さい。
【0134】
導入路553から流路空間531に流入した液体に気泡が混入されている場合には、液体が流路空間531から流路空間532を流通する間に、気泡が有する浮力によって気泡または気体が接続空間534に集まる。細管355は、接続空間534の上端部と導出路554とが互いに接続されるように、天井壁503と導出管552とに取り付けられている。気体流路556と導出路554との接続部分556bでは、接続空間534と気体流路556との接続部分556aの圧力に対して負圧が発生する。そのため、接続空間534に蓄積された気体は、気体流路556を介して導出路554に吸い込まれる。導出路554に吸い込まれた気体は、液体とともに導出路554を流通する。
【0135】
なお、細管555のセル500と導出管552とへの取付の態様は、特に限定されない。また、導出路554は、液体または気体の流れ方向に関して接続部分556bよりも下流側の部分の流路断面積が、接続部分556bよりも上流側の部分の流路断面積よりも小さいような部分を有していてもよい。
【0136】
以上のように、濁度測定装置5は、液体に含まれる気泡の影響を受けずに液体の濁度を正確に測定することができる。
【0137】
(第6実施形態)
以下では、第6実施形態に係る濁度測定装置6について説明する。なお、第1実施形態に係る濁度測定装置1と第5実施形態に係る濁度測定装置5と同様の構成については、説明を省略する。
【0138】
図21に示すように、濁度測定装置6は、濁度測定用のセル600と図示しない発光部と受光部とを備えている。濁度測定装置6は、対象の液体が溜められたセル600に光を照射することにより、照射された光の透過光または散乱光の強度から対象の液体の濁度を検知するものである。
【0139】
セル600の上部には、背面壁602から背面方(図21の右方)に突出した突出部611が配置されている。また、セル600の下部には、正面壁601から正面方(図21の左方)に突出した突出部612が配置されている。
【0140】
セル600には、入口641と出口642とが形成されている。入口641は突出部611の背面壁615に形成された開口であり、出口642は突出部612の正面壁616に形成された開口である。導入管651は導入路653を形成している。導出管652は導出路654を形成している。
【0141】
セル600は、第1の流路空間としての流路空間631と第2の流路空間としての流路空間632と第3の流路空間としての流路空間633とを有している。セル600の上下方向に関して、接続空間634はセル600の内部の上端部60aに配置され、且つ、接続空間635はセル600の内部の下端部60bに配置されている。セル600の内部の上端部60aとは、天井壁603の内面付近の空間のことである。一方、セル600の内部の下端部60bとは、底面壁604の内面付近の空間のことである。
【0142】
発光部は、セル600の内部のうち流路空間632と接続空間635と流路空間633とのいずれかに向かって光を照射するものであればよい。発光部は、セル600の内部のうちの上端部60aを含む上部を除いた位置に向かって、光を照射することが好ましい。一方、受光部は、液体に含まれる濁質によって散乱されない光を受光するものであってもよく、液体に含まれる濁質によって散乱された光を受光するものであってもよい。
【0143】
濁度測定装置6は、導出路654と接続空間634とを接続する細管655を備えている。細管655の内部の断面積、つまり、気体流路656の流路断面積は、導出路654の流路断面積よりも小さい。気体流路656と導出路654との接続部分656bでは、接続空間634と気体流路656との接続部分656aの圧力に対して負圧が発生する。そのため、接続空間634に蓄積された気体は、気体流路656を介して導出路654に吸い込まれる。
【0144】
(第7実施形態)
以下では、第7実施形態に係る濁度測定装置7について説明する。なお、第1実施形態に係る濁度測定装置1と第5実施形態に係る濁度測定装置5と同様の構成については、説明を省略する。
【0145】
図22に示すように、濁度測定装置7は、濁度測定用のセル700と図示しない発光部と受光部とを備えている。濁度測定装置7は、対象の液体が溜められたセル700に光を照射することにより、照射された光の透過光または散乱光の強度から対象の液体の濁度を検知するものである。
【0146】
濁度測定装置7では、セル700の内部において第1の流路空間と第2の流路空間と第3の流路空間とが一体である。また、第1の流路空間の一部は、導入路753の一部によって形成されている。すなわち、導入路753の一部は、第1の流路空間を兼ねている。また、第3の流路空間の一部は、導出路754の一部によって形成されている。すなわち、導出路754の一部は、第3の流路空間を兼ねている。
【0147】
第1の流路空間としての流路空間731は、セル700の内部の上部に配置された部分のうち、少なくとも一部が略水平方向に延びた空間である。第3の流路空間としての流路空間733は、セル700の内部の下部に配置された部分のうち、少なくとも一部が略水平方向に延びた空間である。第2の流路空間としての流路空間742は、セル700の内部の上部から下部を略鉛直方向に延びている。セル700は、流路空間731と流路空間732とを接続する接続空間734と、流路空間732と流路空間733とを接続する接続空間735とを有している。セル700の上下方向に関して、接続空間734はセル700の内部の上端部70aに配置され、且つ、接続空間735はセル700の内部の下端部70bに配置されている。
【0148】
セル700は、正面側に正面壁701を有し、且つ、背面側に背面壁702を有している。セル700は、上面側に天井壁703を有し、且つ、底面として底面壁704を有している。少なくとも流路空間732は、セル700の奥行き方向(図22の左右方向)に関して、正面壁701と背面壁702とに囲まれている。
【0149】
入口741は背面壁702に形成された開口であり、出口742は正面壁701に形成された開口である。導入管751は導入路753を形成している。導入路753を流通する液体は、入口741を介して流路空間731に流入する。導出管752は導出路754を形成している。出口742からセル700の外部に流出した液体は、導出路754を流通する。
【0150】
発光部は、セル700の内部のうち流路空間732と接続空間735と流路空間733とのいずれかに向かって光を照射するものであればよく、セル700の内部のうちの上部を除いた位置に向かって光を照射するものであることが好ましい。受光部は、液体に含まれる濁質によって散乱されない光を受光するものであってもよく、液体に含まれる濁質によって散乱された光を受光するものであってもよい。
【0151】
導入路753から流路空間731に流入した液体に気泡が混入されている場合には、液体が流路空間731から流路空間732を流通する間に、気泡が有する浮力によって気泡または気体が接続空間734に集まる。細管755は、接続空間734の上端部と導出路754とが互いに接続されるように、天井壁703と導出管752とに取り付けられている。気体流路756と導出路754との接続部分756bでは、接続空間734と気体流路756との接続部分756aの圧力に対して負圧が発生する。そのため、接続空間734に蓄積された気体は、気体流路756を介して導出路754に吸い込まれる。導出路754に吸い込まれた気体は、液体とともに導出路754を流通する。
【0152】
なお、細管755のセル700と導出管752とへの取付の態様は、特に限定されない。また、導出路754は、液体または気体の流れ方向に関して接続部分756bよりも下流側の部分の流路断面積が、接続部分756bよりも上流側の部分の流路断面積よりも小さいような部分を有していてもよい。
【0153】
(第8実施形態)
以下では、第8実施形態に係る濁度測定装置8について説明する。以下に説明するように、濁度測定装置8は、発光部821がセル800の内部のうちの流路空間833に向かって光を照射するものである。なお、第1実施形態に係る濁度測定装置1と同様の構成については、説明を省略する。
【0154】
図23に示すように、濁度測定装置8は、濁度測定用のセル800と発光部821と受光部822とを備えている。セル800は、正面壁801と正面壁802とを有している。図25に示すように、正面壁801と正面壁802と背面壁807とは、略鉛直方向に延びている。正面壁801の下端の縁と正面壁802の下端の縁とは、底面壁812の縁と底面壁811の縁と略一致している。天井壁810と天井壁808と底面壁811と底面壁812とは互いに略平行に延びている。図24に示すように、天井壁809は、図24の左右方向に対して傾斜している。
【0155】
図24に示すように、セル800には、入口841と出口842とが形成されている。セル800の内部には、流路空間831と、流路空間832と、流路空間833と、流路空間831と流路空間832とを接続する接続空間834と、流路空間832と流路空間833とを接続する接続空間835とが形成されている。導入管851は導入路853を形成している。導入路853を流通する液体は、入口841を介して流路空間831に流入する。導出管852は導出路854を形成している。出口842からセル800の外部に流出した液体は、導出路854を流通する。
【0156】
図23〜図25に示すように、第1の流路空間としての流路空間831は、天井壁809と底面壁812と側面壁805と区画壁813と正面壁801と背面壁807とに囲まれることにより、セル800の内部に形成されている。第2の流路空間としての流路空間832は、天井壁809と底面壁812と区画壁813と区画壁814と正面壁801と背面壁807とに囲まれることにより、セル800の内部に形成されている。
【0157】
第3の流路空間としての流路空間833は、天井壁810と、天井壁808と、底面壁811と、底面壁812と、区画壁814および側面壁803と、側面壁806と、正面壁802と、天井壁808の上方の正面壁801の一部と、背面壁807とに囲まれることにより、セル800の内部に形成されている。つまり、流路空間833は、天井壁810と底面壁812と側面壁806の一部と区画壁814と背面壁807とに覆われる空間と、天井壁808と底面壁811と側面壁806の他の一部と側面壁803と正面壁802とに覆われる空間とを有している。流路空間833において、側面壁803と区画壁814とが一体であるか別体であるかにかかわらず、流路空間832と流路空間833とは、接続空間835のみによって互いに接続されている。
【0158】
図24に示すように、濁度測定装置8は、導出路854と接続空間834とを接続する細管855を備えている。細管855の内部は、接続流路としての気体流路が形成されている。なお、濁度測定装置8の気体流路の図示は省略する。細管855の内部の断面積、つまり、気体流路の流路断面積は、導出路854の流路断面積よりも小さい。
【0159】
図25に示すように、セル800の上下方向に関して、接続空間834はセル800の内部の上端部80aに配置され、且つ、接続空間835はセル800の内部の下端部80bに配置されている。接続空間834は、区画壁813の上端813eの上方と天井壁809の内面との間の空間を少なくとも含んでいる。一方、接続空間835は、区画壁814の下端814eの下方と底面壁812の内面との間の空間を少なくとも含んでいる。
【0160】
図25に示すように、発光部821は、底面壁811の下方に配置されている。発光部821は、底面壁812の下方に配置されていてもよい。発光部821は、セル800の内部のうち流路空間833(図24参照)に向かって光を照射する。一方、受光部822は、天井壁808の上方に配置されている。受光部822と発光部821との配置は、互いに入れ替わっていてもよい。受光部822は、液体に含まれる濁質によって散乱されない光を受光する。
【0161】
発光部821は、セル800の内部のうち流路空間833に向かって光を照射するものであればよく、且つ、受光部822は、発光部221が発する光が進行する方向と対向するように配置されていればよい。ただし、受光部822は、液体に含まれる濁質によって散乱された光を受光するものであってもよい。この場合には、発光部821は、受光部822の配置に応じて、セル800の内部のうち流路空間832と接続空間835と流路空間833とのいずれかに向かって光を照射するものであればよい。
【0162】
(第9実施形態)
以下では、第9実施形態に係る濁度測定装置9について説明する。以下に説明するように、濁度測定装置9は、発光部921が流路空間932と流路空間933と接続空間935とのうちの少なくとも接続空間935に向かって光を照射するものである。なお、第1実施形態に係る濁度測定装置1と同様の構成については、説明を省略する。
【0163】
図26に示すように、濁度測定装置9は、濁度測定用のセル900と発光部921と受光部922とを備えている。セル900は、正面壁901と正面壁902とを有している。図28に示すように、正面壁901と正面壁902と背面壁907とは、略鉛直方向に延びている。正面壁901の下端の縁と正面壁902の下端の縁とは、底面壁912の縁と底面壁911の縁と略一致している。天井壁910と天井壁908と底面壁911と底面壁912とは互いに略平行に延びている。図27に示すように、天井壁909は、図27の左右方向に対して傾斜している。
【0164】
図27に示すように、セル900には、入口941と出口942とが形成されている。セル900の内部には、流路空間931と、流路空間932と、流路空間933と、流路空間931と流路空間932とを接続する接続空間934と、流路空間932と流路空間933とを接続する接続空間935とが形成されている。導入管951は導入路953を形成している。導入路953を流通する液体は、入口941を介して流路空間931に流入する。導出管952は導出路954を形成している。出口942からセル900の外部に流出した液体は、導出路954を流通する。
【0165】
図26〜図28に示すように、第1の流路空間としての流路空間931は、天井壁909と底面壁912と側面壁905と区画壁913と正面壁901と背面壁907とに囲まれることにより、セル900の内部に形成されている。第2の流路空間としての流路空間932は、天井壁909と底面壁912と区画壁913と区画壁914と正面壁901と背面壁907とに囲まれた部分と、天井壁908と底面壁911と側面壁903と側面壁906と正面壁902と背面壁907とに囲まれた部分とを有している。
【0166】
第3の流路空間としての流路空間933は、天井壁910と底面壁912と側面壁906と区画壁914と正面壁901と背面壁907とに囲まれた部分と、天井壁908と底面壁911と側面壁903と側面壁906と正面壁902と背面壁907とに囲まれた部分とを有している。
【0167】
図28に示すように、セル900の上下方向に関して、接続空間934はセル900の内部の上端部90aに配置され、且つ、接続空間935はセル900の内部の下端部90bに配置されている。接続空間934は、区画壁913の上端913eの上方と天井壁909の内面との間の空間を少なくとも含んでいる。一方、接続空間935は、区画壁914の下端914eの下方と底面壁912の内面との間の空間を少なくとも含んでいる。接続空間935は、セル900の内部のうち、天井壁908と底面壁911および底面壁912と面壁903と側面壁906と正面壁902と背面壁907とに覆われる部分に形成される空間に配置されている。
【0168】
図27に示すように、濁度測定装置9は、導出路954と接続空間934とを接続する細管955を備えている。細管955の内部は、接続流路としての気体流路が形成されている。なお、濁度測定装置9の気体流路の図示は省略する。細管955の内部の断面積、つまり、気体流路の流路断面積は、導出路954の流路断面積よりも小さい。
【0169】
図27に示すように、発光部921は、側面壁903の右方に配置されている。一方、受光部922は、側面壁906の左方に配置されている。なお、発光部921は、底面壁911または底面壁912の下方に配置されていてもよい。受光部922は、天井壁908の上方に配置されていてもよい。発光部921は、流路空間932と流路空間933と接続空間935とのうちの少なくとも接続空間935に向かって光を照射するものであればよい。
【0170】
受光部922は、液体に含まれる濁質によって散乱されない光を受光する。受光部822は、発光部221が発する光が進行する方向と対向するように配置されていればよい。受光部922と発光部921との配置は、互いに入れ替わっていてもよい。
【0171】
受光部922は、液体に含まれる濁質によって散乱された光を受光するものであってもよい。この場合には、発光部921は、受光部922の配置に応じて、セル900の内部のうち流路空間932と接続空間935と流路空間933とのいずれかに向かって光を照射するものであればよい。
【0172】
(第10実施形態)
以下では、第10実施形態に係る濁度測定装置10について説明する。以下に説明するように、濁度測定装置10は、発光部1021が流路空間1033と接続空間1035とに向かって光を照射するものである。なお、第1実施形態に係る濁度測定装置1と同様の構成については、説明を省略する。
【0173】
図29に示すように、濁度測定装置10は、濁度測定用のセル1000と発光部1021と受光部1022とを備えている。
【0174】
図29〜31に示すように、セル1000は、正面側に正面壁1001を有し、背面側に背面壁1007を有し、上面側に天井壁1009と天井壁1010とを有し、一方の側面側に側面壁1005を有し、他方の側面側に側面壁1006を有し、且つ、下面側に底面壁1011を有している。図31に示すように、正面壁1001と背面壁1007とは、略鉛直方向に延びている。正面壁1001の下端の縁は、底面壁1011の縁と略一致している。天井壁1010と底面壁1011とは互いに略平行に延びている。図30に示すように、天井壁1009は、図30の左右方向に対して傾斜している。
【0175】
図30に示すように、セル1000には、入口1041と出口1042とが形成されている。セル1000の内部には、流路空間1031と、流路空間1032と、流路空間1033と、流路空間1031と流路空間1032とを接続する接続空間1034と、流路空間1032と流路空間1033とを接続する接続空間1035とが形成されている。導入管1051は導入路1053を形成している。導入路1053を流通する液体は、入口1041を介して流路空間1031に流入する。導出管1052は導出路1054を形成している。出口1042からセル1000の外部に流出した液体は、導出路1054を流通する。
【0176】
図29〜図31に示すように、第1の流路空間としての流路空間1031は、天井壁1009と底面壁1011と側面壁1005と区画壁1013と正面壁1001と背面壁1007とに囲まれることにより、セル1000の内部に形成されている。第2の流路空間としての流路空間1032は、天井壁1009と底面壁1011と区画壁1013と区画壁1014と正面壁1001と背面壁1007とに囲まれることにより、セル1000の内部に形成されている。第3の流路空間としての流路空間1033は、天井壁1010と底面壁1011と区画壁1014と側面壁1006と正面壁1001と背面壁1007とに囲まれることにより、セル1000の内部に形成されている。
【0177】
図31に示すように、セル1000の上下方向に関して、接続空間1034はセル1000の内部の上端部100aに配置され、且つ、接続空間1035はセル1000の内部の下端部100bに配置されている。接続空間1034は、区画壁1013の上端1013eの上方と天井壁1009の内面との間の空間を少なくとも含んでいる。一方、接続空間1035は、区画壁1014の下端1014eの下方と底面壁1012の内面との間の空間を少なくとも含んでいる。
【0178】
図30に示すように、濁度測定装置10は、導出路1054と接続空間1034とを接続する細管1055を備えている。細管1055の内部は、接続流路としての気体流路が形成されている。なお、濁度測定装置10の気体流路の図示は省略する。細管1055の内部の断面積、つまり、気体流路の流路断面積は、導出路1054の流路断面積よりも小さい。
【0179】
図30および31に示すように、発光部1021は、底面壁1011の下方に配置されている。発光部1021は、セル1000の内部のうち流路空間1033と接続空間1035とに向かって光を照射する。一方、受光部1022は、側面壁1006の左方であって、発光部1021が発する光が進行する方向と対向するように配置されている。なお、受光部1022と発光部1021との配置は、互いに入れ替わっていてもよい。
【0180】
受光部1022は、液体に含まれる濁質によって散乱されない光を受光する。ただし、受光部1022は、液体に含まれる濁質によって散乱された光を受光するものであってもよい。この場合には、発光部1021は、受光部1022の配置に応じて、セル1000の内部のうち流路空間1032と接続空間1035と流路空間1033とのいずれかに向かって光を照射するものであればよい。
【0181】
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものである。
【符号の説明】
【0182】
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10:濁度測定装置、10a:(セルの内部の)上端部、10b:(セルの内部の)下端部、100:セル、121:発光部、122:受光部、131:流路空間、132:流路空間、133:流路空間、134:接続空間、135:接続空間、141:入口、142:出口、151:導入管、152:導出管、153:導入路、154:導出路、155:細管、156:気体流路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を流入させる入口と、前記入口から流入した液体を流出させる出口と、が形成されたセルを備え、
前記セルは、第1の流路空間と、第2の流路空間と、第3の流路空間と、前記第1の流路空間と前記第2の流路空間とを接続する第1の接続空間と、前記第2の流路空間と前記第3の流路空間とを接続する第2の接続空間と、を有し、
前記入口と前記出口と前記第1の流路空間と前記第2の流路空間と前記第3の流路空間と前記第1の接続空間と前記第2の接続空間とは、前記入口、前記第1の流路空間、前記第1の接続空間、前記第2の流路空間、前記第2の接続空間、前記第3の流路空間、および、前記出口の順に、液体が流れるように配置され、
前記第1の接続空間は、前記セルの上下方向に関して前記セルの内部の上端部に配置され、さらに、
前記出口を介して前記セルに接続され、前記出口から前記セルの外部に流出した液体が流通する導出路と、
前記導出路の流路断面積よりも小さい流路断面積を有し且つ前記導出路と前記第1の接続空間とを接続する接続流路と、
前記セルの内部のうち前記第2の流路空間と前記第2の接続空間と前記第3の流路空間とのいずれかに向かって光を照射する発光部と、
前記発光部が発した光を受光する受光部と、を備えた、
濁度測定装置。
【請求項2】
前記入口を介して前記セルに接続され、前記入口から前記第1の流路空間に向かう方向に液体を流通させる導入路をさらに備え、
前記発光部は、照射される光が前記導入路または前記導出路に入射しないように配置され、前記セルの内部のうち前記第2の流路空間に向かって光を照射する、
請求項1に記載の濁度測定装置。
【請求項1】
液体を流入させる入口と、前記入口から流入した液体を流出させる出口と、が形成されたセルを備え、
前記セルは、第1の流路空間と、第2の流路空間と、第3の流路空間と、前記第1の流路空間と前記第2の流路空間とを接続する第1の接続空間と、前記第2の流路空間と前記第3の流路空間とを接続する第2の接続空間と、を有し、
前記入口と前記出口と前記第1の流路空間と前記第2の流路空間と前記第3の流路空間と前記第1の接続空間と前記第2の接続空間とは、前記入口、前記第1の流路空間、前記第1の接続空間、前記第2の流路空間、前記第2の接続空間、前記第3の流路空間、および、前記出口の順に、液体が流れるように配置され、
前記第1の接続空間は、前記セルの上下方向に関して前記セルの内部の上端部に配置され、さらに、
前記出口を介して前記セルに接続され、前記出口から前記セルの外部に流出した液体が流通する導出路と、
前記導出路の流路断面積よりも小さい流路断面積を有し且つ前記導出路と前記第1の接続空間とを接続する接続流路と、
前記セルの内部のうち前記第2の流路空間と前記第2の接続空間と前記第3の流路空間とのいずれかに向かって光を照射する発光部と、
前記発光部が発した光を受光する受光部と、を備えた、
濁度測定装置。
【請求項2】
前記入口を介して前記セルに接続され、前記入口から前記第1の流路空間に向かう方向に液体を流通させる導入路をさらに備え、
前記発光部は、照射される光が前記導入路または前記導出路に入射しないように配置され、前記セルの内部のうち前記第2の流路空間に向かって光を照射する、
請求項1に記載の濁度測定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公開番号】特開2012−132750(P2012−132750A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284199(P2010−284199)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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