説明

濃度測定装置

【課題】低濃度でも正確に温度および圧力補正を行うことができる濃度測定装置を提供する。
【解決手段】受光器12で受光した光強度から、μcom5において、光強度信号比(Iabs/Iref)を算出して、測定対象の気体分子の温度に依存する吸収断面積σ(T)を算出し、そして、温度補正した濃度Cx(T)を算出してから濃度Cx(T)を補正して圧力補正後の濃度Cx,calibを算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素などの所定の気体の濃度を測定する濃度測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、二酸化炭素などの所定の気体の濃度を測定する濃度測定装置は、光源と、光源からの光を導く気体サンプル室(測定セル)と、気体サンプル室から導かれた光源からの光を受光するセンサが設けられた受光部と、気体サンプル室内に雰囲気を供給する供給部と、気体サンプル室内の雰囲気を排出する排出部と、センサが受光した光源からの光の強さに基づいて気体サンプル室内の予め定められた気体の濃度を算出する濃度算出部と、を備えている。
【0003】
光源は、例えば、赤外線を放射する。受光器は、赤外線センサと、前記赤外線センサと光源との間に配置されて所定の波長の赤外線のみを透過するフィルタとを備えている。フィルタを透過する赤外線の波長は、測定対象の気体の濃度により定められる。
【0004】
そして、濃度測定装置は、気体サンプル室内に雰囲気をポンプなどによって供給部から供給し、フィルタを介して赤外線センサが受光した光源からの赤外線の強さを測定することで、前記雰囲気中の前述した測定対象の気体の分子数を測定し、その分子数をBeer-Lambertの法則より濃度に換算することで濃度を測定する(例えば特許文献1を参照)。
【0005】
また、気体の分子数は、圧力によって変動するために、気体サンプル室内の圧力を測定してその圧力に基づいて濃度を補正する補正方法が特許文献2に記載されている。
【特許文献1】特開2007−212315号公報
【特許文献2】特開2003−14632号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した特許文献2に示された補正方法は、ボイル=シャルルの法則を適用して行っているために、低濃度(例えば二酸化炭素では数百ppm以下)では、正確に圧力補正を行うことができないという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、低濃度でも正確に温度および圧力補正を行うことができる濃度測定装置を提供すること課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、光源と、前記光源からの光を導く測定セルと、前記測定セルから導かれた前記光源からの光を受光するセンサが設けられた受光部と、前記測定セル内に雰囲気を供給する供給部と、前記測定セル内の雰囲気を排出する排出部と、前記センサが受光した光信号強度比に基づいて前記測定セル内の予め定められた気体の濃度を算出する濃度算出部と、を備えた濃度測定装置において、前記測定セル内の温度を測定する温度測定部と、前記測定セル内の圧力を測定する圧力測定部と、前記予め定められた気体の吸収断面積をσ(T)、前記測定セルのセル長をL、予め定められる係数をPc=0,T1、前記温度測定部が測定した前記測定セル内の温度をT、前記圧力測定部が測定した前記測定セル内の圧力をP、前記濃度算出部で算出された圧力補正前で温度補正した濃度をCx(T)としたときに、圧力補正後の濃度Cx,calibを数1によって算出する圧力補正部と、を備えたことを特徴とする濃度測定装置である。
【0009】
【数1】

【0010】
請求項1に記載された本発明によれば、濃度・温度試験を行って定めた係数と、測定セル内の温度や圧力を用いた数1によって測定した光信号強度比から算出した濃度を補正する補正部を備えているので、測定セルの温度や圧力に応じた補正を行うことができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記センサが受光した光信号強度比を(Iabs/Iref)、予め定められる係数を、Yc0(T)、Ac(T)としたときに、前記濃度算出部が、前記圧力補正前で温度補正後の濃度Cx(T)を数2によって算出することを特徴とするものである。
【0012】
【数2】

【0013】
請求項2に記載された本発明によれば、センサが受光した光信号強度比および予め定めた係数を式2に代入することによって温度補正後の濃度Cx(T)を算出することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、予め定められる係数をa0、a1、a2、a3、a4、a5としたときに、前記濃度算出部が、前記予め定められた気体の吸収断面積をσ(T)および前記予め定められる係数Yc0(T)、Ac(T)を数3によって算出することを特徴とすることを特徴とするものである。
【0015】
【数3】

【0016】
請求項3に記載された本発明によれば、温度測定手段で測定した温度を数3に代入することによって温度補正後の吸収断面積σ(T)を算出することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように請求項1に記載の発明は、圧力補正部が、数1によって濃度算出部で算出した温度補正した濃度を圧力補正しているので、低濃度でも正確に温度および圧力補正を行うことができる。
【0018】
請求項2に記載の発明は、濃度算出部が、数2によって濃度を算出しているので、光信号強度比から温度補正した濃度を算出することができる。
【0019】
請求項3に記載の発明は、濃度算出部が、数3によって吸収断面積を算出しているので、測定セルの温度に基づいた温度補正した吸収断面積を算出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態に係る濃度測定装置を、図1乃至図14を参照して説明する。
【0021】
濃度測定装置1は、図1に示すように、濃度の測定対象の気体を含んだ雰囲気が充填される二酸化炭素モジュール2と、コントロールユニット42と、圧力補正ユニット43と、を備えている。
【0022】
二酸化炭素モジュール2は図1や図2に示すように、測定セル6と、発光部40と、受光部41と、供給部としてのINLET47と、排出部としてのOUTLET48と、を備えている。
【0023】
測定セル6は、円筒状に形成されて、後述する光源7からの赤外線を受光ユニット8に導くように形成されている。
【0024】
発光部40は、測定セル6の一端に備えられて例えば略箱状に形成され、内部に光源7が設けられている。光源7は、電圧が印加されることで、光としての赤外線を測定セル6の一端部から他端部に向かって放射する。光源として、例えば黒体炉、電球等が用いられる。また、光源7には、リフレクタ30が取り付けられている。リフレクタ30は、光源7から出射された光を反射させ、受光ユニット8へ平行光として向かわせる。
【0025】
受光部41は、測定セル6の他端に備えられて例えば略箱状に形成され、内部に受光ユニット8が設けられている。受光ユニット8は、図3及び図4に示すように、ユニット本体11と、複数の受光器12と、集光部材13と、を備えている。ユニット本体11は、箱状に形成されている。
【0026】
受光器12は、図示例では、2つ設けられている。受光器12は、それぞれ、センサとしての赤外線センサ14と、透過部材15とを備えている。赤外線センサ14は、ユニット本体11に取り付けられている。複数の受光器12の赤外線センサ14は、同一平面上に配置されている。赤外線センサ14は、光源7が発しかつ透過部材15を透過した赤外線を受光し、この赤外線の熱を電気エネルギーに変換する。赤外線センサ14は、赤外線の熱を電気エネルギーに変換して、センサ出力として後述するコントロールユニット42のμcom5に向かって出力する。赤外線センサ14として、例えばサーモパイル型のものが用いられる。
【0027】
透過部材15は、ユニット本体11に取り付けられて、赤外線センサ14と光源7との間に配置されている。複数の受光器12の透過部材15は、同一平面上に配置されている。透過部材15は、それぞれ、光源7からの赤外線のうち予め定められた波長の赤外線のみを透過して、当該透過した波長の赤外線を赤外線センサ14まで導く。複数の受光器12の透過部材15は、互いに透過する赤外線の波長が異なる。
【0028】
透過部材15は、その透過する赤外線の波長は、濃度測定装置1が濃度の測定対象とする気体に応じて定められる。透過部材15の透過する赤外線の波長は、濃度の測定対象の気体に対する透過率が小さな赤外線の波長にされる。図示例では、一方の受光器12は、基準として用いられ、その透過部材15が測定対象の気体により光強度が全く減衰しない波長(例えば4.0μm)の赤外線のみを透過する。他方の受光器12は、測定対称の気体の濃度を測定するために用いられ、その透過部材15が前述した測定対象の気体により光強度が減衰しやすい波長が(例えば4.3μm)付近の赤外線のみを透過する。
【0029】
集光部材13は、例えば300度などの所定の角度の範囲の赤外線を集光して、透過部材15つまり赤外線センサ14に集中させる。すると、光源7から直接入射する赤外線以外にも、測定セル6の外壁の内面で反射す赤外線も赤外線センサ14に集めることができるので、赤外線の受光効率を良くすることができる。なお、集光部材13として、フレーネルレンズ等を用いることができる。
【0030】
INLET47は、大気などの外部の雰囲気を二酸化炭素モジュール2内へ供給するための配管であり、筒状に形成され発光部40もしくは受光部41に接続されている。
【0031】
OUTLET48は、二酸化炭素モジュール2内の雰囲気を外部へ排出するための配管であり、筒状に形成され受光部41もしくは発光部40に接続されている。
【0032】
コントロールユニット42は、図2に示したように、制御回路部3と、受光回路部4と、濃度算出部としてのマイクロコンピュータ(以下、μcomと記載する)5と、を備えている。
【0033】
制御回路部3は、図2に示すように、発振器16、クロック分周回路17、定電圧回路18などを備えており、μcom5の命令とおりに、所定の周波数で光源7を点滅(パルス点灯)させる。
【0034】
受光回路部4は、図5に示すように、複数のアンプ19と、切り換え器20と、A/D変換器21と、を備えている。アンプ19は、それぞれ、赤外線センサ14と1対1に対応して設けられている。アンプ19は、対応する赤外線センサ14からの信号を増幅して、切り換え器20を介してA/D変換器21に向かって出力する。A/D変換器21は、赤外線センサ14からの信号をデジタル信号に変換して、μcom5に向かって出力する。
【0035】
μcom5は、制御回路部3及び受光回路部4と接続して、これらの動作を制御することで、濃度測定装置1全体の動作をつかさどる。μcom5は、予め定められたプログラムに従って動作するコンピュータである。このμcom5は、周知のように、予め定めたプログラムに従って各種の処理や制御などを行う中央演算処理装置(CPU)、CPUのためのプログラム等を格納した読み出し専用のメモリであるROM、各種のデータを格納するとともにCPUの処理作業に必要なエリアを有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM等を有して構成している。
【0036】
また、μcom5には、濃度測定装置1自体がオフ状態の間も記憶内容の保持が可能な電気的消去/書き換え可能な読み出し専用のメモリが接続している。そして、このメモリには、濃度の算出に必要な吸光係数、測定距離、濃度変換係数等の各種情報を記憶するとともに、算出した濃度を外部から読出可能に時系列的に記憶する。
【0037】
圧力補正ユニット43は、通信IC44と、μcom45と、圧力センサ46と、を備えている。
【0038】
通信IC44は、μcom5が算出した測定対象の気体の温度補正後の吸収断面積σ(T)、温度補正後の濃度Cx(T)と圧力センサ46から出力された測定セル6内の圧力Pとをμcom45へ出力する。
【0039】
圧力補正部としてのμcom45は、μcom5が算出した測定対象の気体の吸収断面積σ(T)、温度補正後の濃度Cx(T)と、圧力センサ46から出力された測定セル6内の圧力Pから圧力補正を行う。
【0040】
圧力測定部としての圧力センサ46は、測定セル6内の圧力を測定するセンサである。
【0041】
また、濃度測定装置1は、測定セル6内の温度を測定する図示しない温度測定部としての温度センサを備えている。
【0042】
前述した構成の濃度測定装置1は、光源7を点滅(パルス点灯)させて、この光源7からの赤外線を各赤外線センサ14で受光する。そして、濃度測定装置1のμcom5は、赤外線センサ14に受光した赤外線の強さなどに基づいて、予め定められた測定対象の気体(例えば二酸化炭素)の雰囲気中の濃度を測定する。具体的には、濃度測定装置1のμcom5は、基準として用いられる赤外線センサ14で受光した赤外線の強さと、測定対象の気体を測定するための赤外線センサ14で受光した赤外線の強さとを比較して(光信号強度比を求めて)、測定対象の気体の濃度を測定(後述する式により算出)する。また、μcom5は、測定した濃度(大気中の測定対象の気体の混合比)を後述する式によって温度補正を行う。
【0043】
次に、測定対象の気体の濃度を測定セルの圧力に基づいて補正する方法について説明する。
【0044】
まず、Beer-Lambertの法則は数4で表される。
【0045】
【数4】

【0046】
ここでIabsは測定対象の気体により減衰させられた光強度である。同様にIrefは測定対象の気体の非吸収波長における光強度である。nxは測定対象の気体分子の数密度であり、単位はmolecules cm-3,すなわち単位体積1立方センチメートルに存在する測定対象の気体の分子数である。σabsは吸収断面積,σscatは散乱断面積であり、単位はいずれもcm2 molecules-1である。それぞれ1個の測定対象の気体分子が光を吸収または散乱させる断面積を表している。Lは光路長であり、単位はcmである。
【0047】
吸収断面積σabsおよび散乱断面積σscatは測定対象の気体分子の光損失能率を表している。そこで数5のように測定対象の気体分子の光損失能率σを規定できる。
【0048】
【数5】

【0049】
従って数4は,数6で表すことができる。
【0050】
【数6】

【0051】
測定対象の気体分子の数密度nxと濃度Cxは,空気の数密度naを用いると、次のように表される。なお空気の数密度naは、空気1立方センチメートルに存在する空気分子数(molecules cm-3)である。
【0052】
【数7】

【0053】
圧力P(Pa),温度T(K)において、Nモルの空気を含んでいる体積V(m3)の空気は、数8の理想気体の状態方程式で関係づけられることがわかっている。
【0054】
【数8】

【0055】
ここでRは気体定数であり、R=8.314Jmol-1-1である。またアボガドロ定数Av=6.022×1023molecules mol-1を用いると、空気の数密度naはモル数Nと体積Vcm3(cm3)と数9で関係づけることができる。
【0056】
【数9】

【0057】
数7および数8、数9より、数10が得られる。
【0058】
【数10】

【0059】
NDIR式(赤外線吸収式)ガスセンサ(すなわち濃度測定装置1)の目的は、測定対象の気体分子の大気中の濃度Cxを計測することである。そこで数10を数6へ代入すると数11が得られる。
【0060】
【数11】

【0061】
数11は吸光度の圧力・温度依存性を表している。数11より,濃度Cxは、数12で得られることがわかる。
【0062】
【数12】

【0063】
なお、これまでは式の展開が簡単になるようSI単位を用いていたので、温度Tはケルビン単位(K)であり、圧力Pもパスカル単位(Pa)で定義していた。従って、通常、使用する場合には摂氏温度Tc(℃)およびキロパスカルPk(kPa)単位を使用できように、数12を変換すると数13のように表すことができる。
【0064】
【数13】

【0065】
次に、本発明者らが開発中の二酸化炭素(以下CO2とする)センサを用いて圧力試験を行った。試験により得られた結果を用いてCO2センサ出力の圧力依存性を調査し、CO2センサによって得られる濃度Cxの温度および圧力補正を行う方法を考案した。
【0066】
チャンバー内をまず20kPaまで減圧し、CO2/N2標準ガス(CO2806ppm)ボンベを用いて、CO2/N2標準ガス(CO2806ppm)に置換した。次に、再度チャンバーを20kPaまで減圧し、徐々にCO2806ppmガスを加えて圧力を変化させた。その時のCO2センサおよび圧力センサ(横河電機製FP101A)、温度センサ(ナショナルセミコンダクター製LM35)の出力を測定した結果を図6に示した。図6において、(a) がCO2センサ内蔵温度センサの温度出力、(b)がCO2吸収波長における光強度Iabs出力、(c)がCO2非吸収波長における光強度Iref出力、(d)がCO2センサによる圧力補正をしていない濃度出力、(e)が4.3μmにおける信号強度および4.0μmにおける信号強度の強度比(Iabs/Iref)、(f)が温度センサLM35の出力である。
【0067】
その結果、各センサ出力は圧力に依存していることがわかった。特に光信号強度比(Iabs/Iref)は圧力に対して線形に比例することがわかった。しかし数11で考えると、信号強度比(Iabs/Iref)は圧力に対し、指数減衰関数で表される。
【0068】
CO2/N2標準ガス(CO2806ppm)ボンベを用いて、チャンバー内をCO2806ppmガス1atmで満たし、温度および圧力が安定した条件で測定を行った結果を図7に示した。図7において、(a)はCO2センサ内蔵温度センサの出力、(b)がCO2吸収波長における光強度Iabs出力、(c)がCO2非吸収波長における光強度Iref出力、(d)がCO2センサによる圧力補正をしていない濃度出力、(e)が圧力センサFP101Aの出力、(f)が圧力を連続的に加圧した時の圧力−CO2センサ濃度出力プロットである。
【0069】
図7(a)、(e)より温度および圧力は、概ね安定している。図7(d)を見ると、実験に使用したCO2センサは、1atmにおいて806ppmを出力するように検量線を作成しているはずであるが、約1000ppmの濃度値を出力している。別途、測定した図7(f)に示したCO2センサの圧力−濃度プロットを見ると、0.86atmにおいて約800ppmを出力している。すなわち実験に使用したCO2センサは0.86atmにおいて濃度・温度試験を行い、検量線が作成されたことがわかった。
【0070】
濃度の異なるCO2/N2標準ガス(CO2200.1、399、599、806ppm)を用いて,圧力に対するCO2センサ出力の変化を測定した。その結果を図8に示した。図8において、(a)は200、400、600、800ppm における圧力に対する信号強度比(Iabs/Iref)のプロット、(b)は各濃度を横軸とし各濃度に対する数14に基づく1次回帰解析を行った結果、得られた傾きを縦軸としたプロットである。図8(a)より、これまでと同様に信号強度比(Iabs/Iref)は圧力に線形に比例することがわかった。よって圧力Pと信号強度比(Iabs/Iref)は、1次回帰式で関係づけられるので、数14のように表すことができる。また異なる濃度Cxでは1次回帰解析の結果、得られたオフセットYp0値は、ほぼ同じであった。また傾きApは濃度Cxにより異なっていた。
【0071】
【数14】

【0072】
次に1次回帰解析の結果、得られた濃度Cxに対する傾きApをプロットした結果を図8(b)に示した。図8(b)より、濃度に対して、傾きApは指数減衰的に比例することがわかった。ゆえに濃度Cxに対する傾きApは数15で表すことができる。
【0073】
【数15】

【0074】
濃度Cxは圧力と温度に依存する。そのため信号強度比(Iabs/Iref)は濃度と圧力、温度に依存する。前述した圧力試験において、信号強度比(Iabs/Iref)の圧力依存性を調べてきた結果、信号強度比(Iabs/Iref)は圧力Pに比例することがわかった。しかし前述した理想気体の状態式より導かれる数11で考えれば、信号強度比(Iabs/Iref)は圧力Pに対して、指数減衰関数で表される。
【0075】
信号強度比(Iabs/Iref)が数11で示した指数減数関数で表せた場合は、見かけの濃度Cx,pが圧力に比例するということである。すなわちガスセンサが出力した見かけの濃度Cx,pと真の濃度Cxとの関係は,次の数16で表すことができる。
【0076】
【数16】

【0077】
ここでPstandardとは、検量線を作成するための濃度・温度試験を行ったときの基準圧力である。なお数16は、数17に示した特許文献2の補正式と全く同じである。
【0078】
【数17】

【0079】
前述したように、濃度Cxは圧力と温度に依存する。そのため信号強度比(Iabs/Iref)は濃度と圧力、温度に依存する。前述した圧力試験において、信号強度比(Iabs/Iref)の圧力依存性を調べた。その結果、信号強度比(Iabs/Iref)は圧力Pに比例することがわかった。また濃度依存性であるが、これまで行ってきた試験の結果から、Beer-Lambertの法則に則り、信号強度比(Iabs/Iref)が濃度Cxの指数関数で表される。
【0080】
次に信号強度比(Iabs/Iref)の温度依存性を次の図9に示した。図9において、(a)はセル長20mm、(b)はセル長37mmである。
【0081】
図9より信号強度比(Iabs/Iref)は温度に比例することがわかった。以上の結果を式で表すと、数18のようになる。数18(a)は信号強度比の圧力依存性、数18(b)は信号強度比の濃度依存性、数18(c)は信号強度比の温度依存性をそれぞれ表す。
【0082】
【数18】

【0083】
ガスセンサの目的は,信号強度比(Iabs/Iref)から濃度Cxを求めることである。そこで数18(b)の係数σ(T)、 Yc0(T)及びAc(T)の温度依存性を、図10に示した。図10において、(a)はセル長20mm、(b)はセル長37mmである。
【0084】
図10より、σ(T)、 Yc0(T)及び{Yc0(T)+Ac(T)}は温度Tに比例することが分かった。式で表すと数19のようになる。
【0085】
【数19】

【0086】
ここでa0、a1、a2、a3、a4、a5は濃度・温度試験から得ることができる。数19を数18(b)に代入すれば、温度補正を行った濃度と信号強度比(Iabs/Iref)の関係が得られる。
【0087】
次に圧力補正方法について説明する。信号強度比(Iabs/Iref)は圧力Pによって変化する。ここで濃度・温度試験を行った時の圧力Pstandardを基準圧力とする。数18(a)より圧力Pにおいて測定した信号強度比(Iabs/Iref)を基準圧力Pstandardにおける信号強度比(Iabs/Irefstandardに換算する数20が得られる。
【0088】
【数20】

【0089】
数20より、信号強度比(Iabs/Iref)の圧力補正を行うためには YP0(T)値が必要であるが、係数 YP0(T)を求めるために濃度・温度試験とは別に圧力依存試験を行う必要はない。数18(a)より係数 YP0(T)は、測定セル6内を真空(0atm)にした時の信号強度比(Iabs/Irefp=0に等しい。従って一度、真空条件下で信号強度測定を行えば、係数YP0(T)を求めることができる。
【0090】
【数21】

【0091】
さらに係数YP0(T)を得るためには真空試験すら行う必要がない。YP0(T)は圧力Pが0atmにおける信号強度比(Iabs/Irefp=0であり、測定対象の分子が完全に存在しないとした時の信号強度比に等しい。完全に測定対象の分子が存在しないと考えた時の信号強度比とは、数18(b)より濃度Cxが0ppmの時の信号強度比(Iabs/Irefc=0に等しい。
【0092】
数18(b)より濃度Cxが0の時、信号強度比(Iabs/Irefc=0は数22で表すことができる。
【0093】
【数22】

【0094】
従って数22より圧力補正のための1次回帰式の係数 YP0(T)は、数23より得ることができる。
【0095】
【数23】

【0096】
数23より係数 YP0(T)は温度依存性を有していることがわかるが、濃度・温度試験は必ず行われるので、温度依存性を考慮した Yc0(T)およびAc(T)を得ることができる。以上のようにして、信号強度比(Iabs/Iref)は数20を用いれば圧力補正を行うことが可能である。また数20で用いられる係数 YP0(T)を求めるために、数18(a)の圧力依存に基づく検量線の作成や、数21に基づく真空試験を行う必要はない。
【0097】
数20および数23により圧力補正を行った信号強度比(Iabs/Irefstandardの数値を数18(b)を変形した数24に代入すれば,温度および圧力補正を行った濃度Cx,calibを求めることができる。
【0098】
【数24】

【0099】
数23および信号強度比(Iabs/Iref)より圧力補正を行った信号強度比(Iabs/Irefstandardから圧力補正を行った濃度Cx,calibを得るためには、圧力Pだけではなく、σ(T)、Yc0(T)、Ac(T)の数値が必要であるが,各数値は必ず行われる濃度・温度試験および数19によって得ることができる。数20を数18(b)に代入すると、数25が得られる。
【0100】
【数25】

【0101】
数25より信号強度比(Iabs/Iref)と温度および圧力補正した濃度Cx,calibとの関係は、数26で表すことができる。数26を用いることにより測定した信号強度比(Iabs/Iref)から温度および圧力補正を行った濃度Cx,calibを算出できる。
【0102】
【数26】

【0103】
数18(b)と数20より数27を得ることができる。
【0104】
【数27】

【0105】
数27を用いれば、ガスセンサで測定した濃度Cxの圧力補正を行うことができる。この時、信号強度比(Iabs/Iref)の圧力補正とは異なり、YP0(T)は不要であるが、σ(T)は必要である。
【0106】
前記数20よりガスセンサによって測定した信号強度比(Iabs/Iref)の圧力補正を行うことができる。
【0107】
数20により信号強度比(Iabs/Iref)を基準圧力Pstandardにおける信号強度比(Iabs/Irefstandardに補正した結果を図11に示した。図11より、補正結果の精度は各測定におけるガスセンサ精度とほぼ等しかった。
【0108】
次に圧力補正を行った信号強度比(Iabs/Irefstandardの数値を数24に代入すると濃度Cx,standardを得ることができるが、そのためには、σ(T)、Yc0(T)、Ac(T)が必要である。
【0109】
ここで温度20度における濃度・温度試験の結果を解析した結果を図12(a)に示した。図12(a)より、σ(T)、Yc0(T)、Ac(T)を得て,数20および数24に代入した。以上により圧力補正された濃度Cx,calibを得た結果を図12(b)に示した。図12(b)より±20ppmの精度で圧力補正を行った濃度Cx, standardを得ることができた。±20ppmの精度は使用したガスセンサの精度とほぼ等しかった。
【0110】
数27を用いればガスセンサからの圧力補正していない濃度Cx値を直接、圧力補正を行うことができる。
【0111】
数27よりガスセンサの濃度Cx出力を圧力補正した結果を図13(c)に示した。図13において、(a)は20℃における圧力に対する信号強度比(Iabs/Iref)のプロット。(b)は圧力に対してガスセンサが出力した濃度Cxのプロット。(c)は数27によりガスセンサが出力した濃度Cxを圧力補正した結果である。
【0112】
図13(c)からわかるように、±20ppmの精度で圧力補正を行った濃度Cx,calibを得ることができた。±20ppmの精度は使用したガスセンサの精度とほぼ等しかった。
【0113】
ガスセンサの目的は、測定対象の分子の濃度Cxを測定することである。そこで温度および圧力の補正を行った濃度Cxを得るための手順を考案した。
【0114】
ガスセンサで測定した濃度Cxを温度センサおよび圧力センサで得られた温度Tおよび圧力Pにより補正を行うためには、まず濃度・温度試験を行う必要がある。濃度・温度試験を行い解析した結果、得られた検量線係数により、ガスセンサで測定した濃度Cxを温度補正および圧力補正を行うことが可能である。以下に検量線を得る手順を示す。
【0115】
(検量線1)圧力Pc=0を一定にし、ある温度T1において、濃度Cx=0ppmにおける信号強度比(Iabs/Icalibc=0を測定する。また圧力センサにより、その時の圧力Pc=0, T1を測定する。この時、得られた信号強度比(Iabs/Icalibc=0をYP0(T1)とする。
【0116】
(検量線2)圧力Pnを一定にし、ある温度T1において、別の濃度Cx,1、Cx,2、…、Cx,nにおける信号強度比(Iabs/Icalibc=nを測定する。圧力Pnを圧力センサにより測定する。手順(検量線1)で得られたYP0(T1)および数28により圧力補正を行い,(Iabs/Irefc=n,pを得る。これにより圧力Pnが手順(検量線1)の圧力Pc=0と異なっても補正することができる。
【0117】
【数28】

【0118】
(検量線3)手順(検量線1)、(検量線2)における濃度Cx,nおよび信号強度比(Iabs/Irefc=0と(Iabs/Irefc=n,pより数29を用いて、指数減衰回帰計算を行い、σ(T1)、Yc0(T1)、Ac(T1)を得る。
【0119】
【数29】

【0120】
(検量線4)別の温度T2、T3、…、Tnにおいて手順(検量線1)、(検量線2)、(検量線3)を行い,各温度におけるσ(Tn)、Yc0(Tn)、Ac(Tn)を得る。なお手順(検量線4)において圧力補正を行う時、数28に代入する圧力Pc=0は温度T1における圧力Pc=0,T1を代入する。各温度Tnにおいて濃度Cx=0ppmの信号強度比(Iabs/Irefc=0,Tnを測定した時の圧力Pc=0,Tnではないことに注意する。
【0121】
(検量線5)手順(検量線4)で得た各温度におけるσ(Tn)、Yc0(Tn),Ac(Tn)を数30(a)(b)(c)に代入して、1次回帰を行い、{a0,a1}、{a2,a3}、{a4,a5}を得る。
【0122】
【数30】

【0123】
以上のようにして得た検量線係数a0、a1、a2、a3、a4、a5により、ガスセンサで測定した濃度Cxを温度および圧力補正した濃度Cx,calibに変換する手順を以下に示す。
【0124】
(補正1)ガスセンサにより信号強度比(Iabs/Iref)、温度T, 圧力Pを測定する。
【0125】
(補正2)手順(補正1)で得られた温度Tおよび手順(検量線1)〜(検量線5)によって得た{a0,a1}、{a2,a3}、{a4,a5}を数30(a)(b)(c)に代入して、σ(T)、 Yc0(T)、Ac(T)を計算する。
【0126】
(補正3)手順(補正1)で測定した信号強度比(Iabs/Iref)および手順(補正2)で計算したσ(T)、 Yc0(T)、Ac(T)を数29に代入して、温度補正した濃度Cx(T)を計算する。
【0127】
(補正4)手順(補正3)で算出した温度補正した濃度Cx(T)および手順(補正2)で算出したσ(T)、手順(補正1)で得られた圧力Pを数31に代入し、温度および圧力補正を行った濃度Cx,calibを計算する。
【0128】
【数31】

【0129】
以上により、温度・圧力補正を行った濃度Cx,calibを得ることができる。
【0130】
分子の吸光・発光スペクトルにおいて、圧力によりピーク幅に広がりが生じることが知られている。そこでHITRANデータを用いて、30〜110kPaにおける圧力広がりを考慮したCO2の吸収スペクトルのシミュレーションを行った。また、シミュレーション結果を用いて,NDIR式CO2センサのバンドパスフィルターが透過する帯域における信号強度比(Iabs/Iref)の計算を行った。その結果の1つであるNDIR式CO2センサの測定セル6のセル長が120mmとした時の計算結果を図14に示した。
【0131】
図14(a)は30kPa(≒0.3atm)における信号強度比(Iabs/Iref)を縦軸にしたスペクトルであり、図14(b)は110kPa(≒1.1atm)におけるスペクトルである。図14(a)及び(b)を比べると、110kPaでは圧力広がりによりピーク幅が広がっていることがわかる。次に図14(a)、(b)で示したような各圧力における各信号強度比(Iabs/Iref)スペクトルの各ピーク面積を積分し、その総和を計算した。各圧力における信号強度比(Iabs/Iref)の積分値を縦軸にしたプロットが図14(c)である。図14(c)を見ると、信号強度比(Iabs/Iref)の積分値は圧力に対して、線形に比例していることがわかる。
【0132】
NDIR式CO2センサは、バンドパスフィルターの透過帯域全ての信号光の積分値を信号強度として得る。そのためレーザーのような狭帯域の光源を用いた場合と異なり、圧力広がりによる信号強度の減少が大きく影響する。そのため信号強度比(Iabs/Iref)の圧力依存性は、Beer-Lambertの法則およびボイル=シャルルの法則の2つだけを考えただけでは不足であり、圧力広がりを考慮する必要があることがわかった。また圧力広がりを考慮すれば、圧力に対して信号強度比(Iabs/Iref)が比例するという圧力試験の結果を説明できることがわかった。
【0133】
NDIR式であることに起因する信号強度比(Iabs/Iref)が圧力Pに比例する場合、通常これまで考えられてきた特許文献2で書かれたような補正方法では、圧力補正を行うことはできない。しかし今回、前記において提案した圧力補正方法を用いれば、信号強度比(Iabs/Iref)が圧力Pに比例するような場合でも、ガスセンサが出力する濃度Cxの温度圧力補正が可能である。すなわち,ガスセンサにより実際に測定対象の気体分子の濃度計測を行う際、同時に温度および圧力を測定していれば、濃度・温度試験で得た検量線により常に温度および圧力の補正を可能にすることができる。
【0134】
ただし補正を行うためには,検量線を求めるための濃度・温度試験において,次の3つの条件を必ず満たす必要がある。
・最初の濃度・温度試験において、温度Tおよび圧力Pが一定に保持される。
・全ての濃度・温度試験において、定めた温度Tが一定に保持される。
・全ての濃度・温度試験の測定中において、圧力Pを測定する。
【0135】
以上の2つの条件を満たした装置で濃度・温度試験を行えば、濃度Cxの温度補正および圧力補正を行うための検量線係数を得ることができる。また、得られた各係数を用いることにより、濃度Cxの温度および圧力の補正が可能である。
【0136】
本実施形態によれば、受光器12で受光した光強度から、μcom5において、光強度信号比(Iabs/Iref)を算出し、数30で測定対象の分子の吸収断面積σ(T)を算出し、数29で温度補正した濃度Cx(T)を算出して、数31で算出した濃度Cx(T)を圧力補正して補正後の濃度Cx,calibを算出しているので、低濃度でも正確に温度および圧力補正を行うことができる。
【0137】
また、本実施形態では、光強度信号比(Iabs/Iref)は、4.3μmと4.0μmとしていたが、それに限定するものではない。
【0138】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】本発明の一実施形態にかかる濃度測定装置の構成を示す説明図である。
【図2】図1に示された二酸化炭素モジュールとコントロールユニットの構成を示す説明図である。
【図3】図2に示された二酸化炭素モジュールの受光ユニットの正面を模式的に示す説明図である。
【図4】図3中のVI−VI線の断面を模式的に示す説明図である。
【図5】図1に示された濃度測定装置の受光回路の構成を示す説明図である。
【図6】温度26〜27℃において圧力を変化させた時のセンサ出力の変化を示すグラフである。
【図7】CO2/N2標準ガス(806ppm)、圧力1atm、温度26〜27℃における各センサ出力の経時変化を示すグラフである。
【図8】温度26〜27℃において、異なるCO2濃度における圧力依存性の変化を示すグラフである。
【図9】温度に対するCO2センサの信号強度比(Iabs/Iref)プロットである。
【図10】温度に対するCO2センサの信号強度比(Iabs/Iref)プロットである。
【図11】数19により測定した信号強度比(Iabs/Iref)を1atm(101.325kPa)における信号強度比(Iabs/Irefstandardに換算した結果のプロットである。
【図12】20℃における濃度・温度試験の結果およびは圧力補正された濃度Cx,calibを得た結果である。
【図13】20℃における濃度・温度試験の結果およびは圧力に対して出力した濃度Cxのプロット並びに圧力試験より得た濃度Cxを圧力補正した結果である。
【図14】CO2センサのセル長を120mmとした時の、圧力広がりを考慮したCO2分子の4.3μm帯における吸収スペクトルおよび信号強度比(Iabs/Iref)の変化のシミュレーション結果である。
【符号の説明】
【0140】
1 濃度測定装置
2 二酸化炭素モジュール
5 μcom(濃度算出部)
6 測定セル
7 光源
14 赤外線センサ(センサ)
40 発光部
41 受光部
47 INLET(供給部)
48 OURLET(排出部)
45 μcom(圧力補正部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、前記光源からの光を導く測定セルと、前記測定セルから導かれた前記光源からの光を受光するセンサが設けられた受光部と、前記測定セル内に雰囲気を供給する供給部と、前記測定セル内の雰囲気を排出する排出部と、前記センサが受光した光信号強度比に基づいて前記測定セル内の予め定められた気体の濃度を算出する濃度算出部と、を備えた濃度測定装置において、
前記測定セル内の温度を測定する温度測定部と、
前記測定セル内の圧力を測定する圧力測定部と、
前記予め定められた気体の吸収断面積をσ(T)、前記測定セルのセル長をL、予め定められる係数をPc=0,T1、前記温度測定部が測定した前記測定セル内の温度をT、前記圧力測定部が測定した前記測定セル内の圧力をP、前記濃度算出部で算出された圧力補正前で温度補正した濃度をCx(T)としたときに、圧力補正後の濃度Cx,calibを数1によって算出する圧力補正部と、
を備えたことを特徴とする濃度測定装置。
【数1】

【請求項2】
前記センサが受光した光信号強度比を(Iabs/Iref)、予め定められる係数をYc0(T)、Ac(T)としたときに、前記濃度算出部が、前記圧力補正前で温度補正後の濃度Cx(T)を数2によって算出することを特徴とする請求項1に記載の濃度測定装置。
【数2】

【請求項3】
予め定められる係数をa0、a1、a2、a3、a4、a5としたときに、前記濃度算出部が、前記予め定められた気体の吸収断面積をσ(T)および前記予め定められる係数Yc0(T)、Ac(T)を数3によって算出することを特徴とする請求項1または2に記載の濃度測定装置。
【数3】


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−66209(P2010−66209A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−234833(P2008−234833)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】