説明

濾過装置

【課題】
切粉搬送部材収容体と回転濾過ドラム収容体とを併設する濾過装置において、設置場所を可急的に小さくするとともに、濾過機能の優れた濾過装置を提供するものである。
【解決手段】
切粉搬送部材収容体に併設する回転濾過ドラム収容体の構造を回転濾過ドラム収容体の切粉搬送部材収容体側に延長するプレートの上辺に流入辺と邪魔板を形成し、前記流入辺と邪魔を切粉搬送部材収容体の切粉搬送方向に向かう方向の少なくとも片側の側壁に接続する構造とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属の切削加工を行う工場から排出される切粉を混入した使用済切削油の中から切粉を分離して処理済切削油として回収する濾過装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
金属の切削加工を行う工場からは切粉を混入した使用済切削油が排出される。この使用済切削油中から、切粉を除去してこれを切粉の混入しない処理済切削油を回収するために濾過装置が使われている。
【0003】
この濾過装置の構造形式にはいろいろな構造形式の装置があるが、一般的に用いられる装置の構造形式には、特開2003−145390号公報或いは特開平7−204427号公報に記載された発明の濾過装置のようなものがある。その濾過装置の本体は、本体の上流側には使用済切削油投入口を形成し、下流側は底板を傾斜立上り板とし、その傾斜立上り板の先端を切粉放擲部とし、前記投入口を形成した上流側と、傾斜立上り板の先端を切粉放擲部とした下流側にそれぞれスプロケットを配設し、そのスプロケットを跨いで投入口から投入された使用済切削油中に混入した切粉を搬送するスクレーバコンベア、或いはヒンジコンベアから成る切粉搬送部材を回動自在に懸架した構成とし、そのコンベアによる切粉搬送部材により、前記投入口から本体に投入された使用済切削油中に混入した切粉を、前記切粉放擲部まで搬送して、該切粉を前記切粉放擲部から本体外に放擲する働きをさせると言う構成としたものである。
そして、前記した本体に回動自在に懸架した前記コンベアによる切粉搬送部材で捕捉しきれずに本体内に残った使用済切削油中に混入した切粉は、前記本体内に胴周にフィルターを巻き付け状態で配設して成る回転濾過ドラムを回動自在に配設し、その回転濾過ドラムのフィルターにより、使用済切削油から切粉を捕捉して除去した処理済切削油として本体外に流出される構成とされている。
【0004】
また、特開平11−99308号公報に記載された発明の濾過装置のようにスクレーバコンベア収容した切粉搬送部材収容体と回転濾過ドラムを回転自在に収容した回転濾過ドラム収容体を別体に構成し、これを併設する構成とした構成形式の濾過装置もある。
【0005】
前記した特開2003−145390号、或いは特開平7−204427号に示す公報に記載された構成型式の濾過装置は、回転濾過ドラムを濾過槽中に配設するので濾過装置の背丈が高くなり、また、特開平11−99308号公報に示す公報に記載された型式の濾過装置は横幅が大きくなり、設置条件が制約されるという不都合が生じた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−145390号公報
【特許文献2】特開平7−204427号公報
【特許文献3】特開平11−99308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、金属加工工場から排出される切粉を混入した使用済切削油中から切粉を分離して、切粉を本体外に放擲する切粉搬送部材収容体と切粉を分離した処理済切削油として回収する回転濾過ドラム収容体とを併設する形式の濾過装置において、濾過装置の背丈の高くなるのをおさえ、設置面積の拡大するのをおさえ、小型化した使用済切削油からの切粉の分離と処理済切削油を効率よく行える濾過装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の濾過装置は、駆動源からの駆動力の伝達を受けて稼働するヒンジコンベア、スクレーバコンベア、スクリューコンベア等を切粉搬出部材として配設した切粉搬送部材収容体と、駆動源からの駆動力の伝達を受けて稼働する胴周にフィルターを巻き付けた状態で取り付けた回転濾過ドラムを配設した回転濾過ドラム収容体を併設して成るものとして構成したものである。
【0009】
その切粉搬送部材収容体は、上流側に金属切削作業を行う機械から排出される切粉を混入した使用済切削油の投入口を配し、下流側を立上り傾斜部とし、その先端を使用済切削油から分離した切粉を放擲する切粉放擲部とし、内側に上流側の使用済切削油の投入口から投入された使用済切削油中に混入された切粉を下流側の切粉放擲部に向かって搬送するスクリューコンベア、スクレーバコンベア、ヒンジコンベア等の切粉搬送部材を配設して成る構成とした。
【0010】
その切粉搬送部材収容体に併設する回転濾過ドラム収容体は、前記切粉搬送部材収容体の上流に設けた使用済切削油投入口から下流に設けた傾斜立上り板の立上り箇所に至る間の少なくとも片側壁の所望の箇所に隣接して併設するものとし、その回転濾過ドラム収容体は、該回転濾過ドラム収容体の内側に、軸芯を前記した切粉搬送部材収容体に配設された切粉搬送部材による切粉搬送方向に平行し、駆動源からの駆動の伝達を受けて回動する回転濾過ドラムを回転自在に配設して成り、回転濾過ドラムを収容する回転濾過ドラム収容体の底板は回転濾過ドラムの下弦部と相似形とするとともに底板の両側から立ち上る延長プレートの中の一方側の延長プレートの上辺には一方寄りに前記切粉搬送部材収容体の片側壁から使用済切削油を流入する流入辺として形成し、他方寄りを前記切粉搬送部材収容体から使用済切削油の流入を阻止する邪魔板を形成して成る構成とした。
前記した構成の回転濾過ドラム収容体は、前記した延長プレートの上辺の一方寄りに形成した流入辺を切粉搬送部材収容体の片側壁の所望箇所に接続し、他方寄りに形成した邪魔板を切粉搬送部材収容体の片側壁に覗かせて併設する。
【0011】
本発明の回転濾過ドラム収容体内に回転自在に収容された回転濾過ドラムは、切粉搬送部材収容体から回転濾過ドラム収容体内に流出した使用済切削油に混入している切粉を、回転濾過ドラムの胴周に巻き付け状態で配設したフィルターによって捕捉して取り除くだけでなく、回転濾過ドラム収容体内で回転濾過ドラムを回転させるため駆動源からの駆動力の伝達を受けて回動するスクレーバチェーンによっても回転濾過ドラム収容体の底板に沈澱した切粉を取り除くことができる構成とした。回転濾過ドラム収容体は、回転濾過ドラム収容体内で回動する回転濾過ドラムによって切粉を取り除かれた処理済切削油を流出できるように構成されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の濾過装置は、発明を実施するための形態に記載されたとおり、切粉搬送部材収容体と回転濾過ドラム収容体を併設したことにより、濾過装置の高さをおさえ、また、切粉搬送部材収容体の少なくとも一方の壁側に併設した回転濾過ドラム収容体を上記の構成とした濾過装置としたことにより、濾過装置の設置面積の広さをおさえることができる。また、回転濾過ドラム収容体内でスクレーバチェーンにより回転濾過ドラムを回動させることにより回転濾過ドラム収容体内の切粉分離効率を向上し、回転濾過ドラム収容体内で分離した切粉を切粉搬送部材収容体内に戻し、結果的に切粉分離効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】切粉搬送部材を配設した切粉搬出部材収容体の片側壁に回転濾過ドラム収容体を併設した濾過装置の平断面構成略図
【図2】図1に示す濾過装置の縦断面略図
【図3】図1に示す濾過装置に配設する回転濾過ドラム収容体の上流側の縦断面略図
【図4】図1に示す濾過装置に配設する回転濾過ドラム収容体の上流側の部分拡大縦断面略図
【図5】図1に示す濾過装置に配設する回転濾過ドラム収容体の下流側の縦断面略図
【図6】図1に示す濾過装置に配設する回転濾過ドラム収容体の下流側の部分拡大縦断面略図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の濾過装置は、図1、図2に図示するとおり、切粉搬送部材2を内設した切粉搬送部材収容体1と、該切粉搬送部材収容体1の上流側から下流側に向かった方向の少なくとも片側壁の所望箇所に、軸心を切粉搬送部材収容体1内に配設された切粉搬送部材によって搬送される切粉の搬送方向と平行に配した回転濾過ドラム6を回転自在に内設した回転濾過ドラム収容体5を併設した構成とする。
【0015】
切粉搬送部材収容体1は次の構造として構成する。即ち、上流側には金属切削加工を行う工場から排出される切粉を混入した使用済切削油を投入する使用済切削投入部3を設ける。
下流側は傾斜立上り部とし、傾斜立上り部の先端を切粉放擲部4とし、使用済切削油投入部3側から切粉放擲部4まで、使用済切削油投入口3から投入された使用済切削油中に混入した切粉を搬送するための切粉搬送部材2を配設する構成とする。
【0016】
この切粉搬送部材収容体1内に配設される切粉搬送部材2は、特開2003−145390号公報に記載されたようなヒンジコンベアであることもあり、特開平7−204427号公報に記載されたようなスクレーバコンベアであることもあり、また、特開平11−000848号公報に記載されたようなスクリューコンベアであることもある。
【0017】
上記した切粉搬送部材収容体1に配設される切粉搬送部材2の駆動源とその駆動力を伝達する装置はそれぞれの切粉搬送部材2がヒンジコンベア、スクレーバコンベア、スクリューコンベアであるかによって、前記各公開公報に図示実施例として図示されているようにそれぞれの切粉搬送部材を駆動させるのに適する駆動源とその駆動力を伝達する装置を用いることは改めて説明するまでもない。
【0018】
該切粉搬送部材収容本体1の上流側から下流側に向かった方向の少なくとも一方の側壁の所望箇所に回転濾過ドラム収容体5を併設する。その回転濾過ドラム収容体5には、フィルターを胴周に巻き付け状態でし、軸心を切粉搬送部材収容体1内に配設した切粉搬送部材2による使用済切削油中に混入する切粉の搬送方向と平行にして回転濾過ドラム6を回転自在に配設してある。その回転濾過ドラム6の胴周に巻き付け状態で配設したフィルターは切粉搬送部材収容体1から回転濾過ドラム収容体5に流れ込んだ使用済切削油中に混入した切粉が回転濾過ドラム6の胴体中に入るのを阻止し、このフィルターによって切粉を取り除いて回転濾過ドラム6の胴体内には処理済切削油として流入し、その流入した処理済切粉油を、回転濾過ドラム6の胴体の少なくとも一方側の横腹から流出する機構を形成した回転濾過ドラム6が回転自在に収容されている。
【0019】
その回転濾過ドラム収容体5に回転自在に収容される回転濾過ドラム6の回転軸は、例えば、回転濾過ドラム6の一方側は回転濾過ドラム6の横腹の開口を塞ぐ円板の中心に回転棒として取り付けた構成とするか、他方側の回転軸には回転濾過ドラム6の胴体中に流入した処理済切削油を回転濾過ドラム6内から該ドラム外に流出するための開口を形成して成る構成とする。例えば、その機構を環状回転軸として構成する。両側を環状回転軸とすることもある。回転濾過ドラム6の回転軸を環状回転軸としたときは、回転濾過ドラム収容体5に設ける回転軸受は、当然環状回転軸受となる。
【0020】
切粉搬送部材収容体1の片側壁の所望箇所に併設する回転濾過ドラム収容体5は、図3、図4、図5、図6に図示する構造として構成されることに特徴がある。即ち、回転濾過ドラム収容体5の底板7は回転濾過ドラム収容体5に回転自在に収容する回転濾過ドラム6の下弦部と相似形の円弧状に形成されている。その底板7には回転濾過ドラム6を収容するため円弧状の底板の上方に延びる立ち上り延長プレートである側壁8、9が延長されて形成されている。切粉搬送部材収容体1の上流側から下流側に向かう方向の片側壁に併設する回転濾過ドラム収容体5の一方側の延長プレートである側壁8には、その上辺の一方寄りに切粉搬送部材収容体1内で切粉搬送部材2により切粉搬送部材収容体1の上流側から下流側に向かって搬送される切粉を混入した使用済切削油が溢れて回転濾過ドラム収容体5内に流れ込む流入辺10を形成し、また、他方寄りに前記切粉搬送部材収容体1内に流れる切粉を混入した使用済切削油が必要以上に回転濾過ドラム収容体5に流れ込むのを阻止する邪魔板11を突出させて形成したことにある。
【0021】
回転濾過ドラム6を回転自在に収容する回転濾過ドラム収容体5は、回転濾過ドラム収容体5の左右側板の内の少なくとも一方側の側板は、回転濾過ドラム収容体5内に回転自在に収容した回転濾過ドラム6の左右側板の内の少なくとも一方の側板の中心に取り付けた回転軸を回転棒としたときは、その回転棒である回転軸を支持する軸受けを設け、その軸受けによって前記回転棒の回転軸を軸支し、他方の側板は回転濾過ドラム6の回転軸を環状軸としたときは、その環状軸を支持する環状軸受けを配してその環状軸受けによって前記環状軸を軸支し、この軸支による仕方によって前記回転濾過ドラム6を回転濾過ドラム収容体5内に回転自在に軸支する構成として形成する。回転濾過ドラム6に配設する回転軸を両側共環状回転軸としたときは、回転濾過ドラム収容体5に配設する回転軸受も両側共環状回転軸受とすることは言うまでもない。
【0022】
回転濾過ドラム収容体5の底板7は、回転濾過ドラム収容体5に回転自在に収容された回転濾過ドラム6の下弦部の湾曲と相似形の湾曲に形成されている。その回転濾過ドラム6の下弦部と回転濾過ドラム収容体5の底板7の間には駆動源からの駆動力の伝達を受けて回動するスクレーバチェーン12のスクレーバが底板7面に沿って回動する隙間が形成されている。
【0023】
回転濾過ドラム収容体5内での回転濾過ドラム6の回動は、回転濾過ドラム収容体5外に設けたモーター等の駆動源30からの駆動力の伝達を受けて回動するスクレーバコンベア12からの動力伝達を受けて回動するようになっている。
【0024】
回転濾過ドラム収容体5内に切粉搬送部材収容体1から溢出した使用済切削油が流入した状態で、回転する回転濾過ドラム6の胴周に巻き付けた状態で取り付けたフィルターの内側には、回転濾過ドラム6のフィルターに付着した切粉を回転濾過ドラムの内側から回転濾過ドラムの外側に吹き落とす空気或いは液を噴射するノズル21をもったノズル管20を配設している。
【0025】
回転濾過ドラム収容体5内には、切粉搬送部材収容体1から使用済切削油が図1に図示したとおり矢印Aの通りに流れ込む。この溢れて流れ込んだ使用済切削油が、回転濾過ドラム収容体5内で回転する回転濾過ドラム6の中に回転濾過ドラム6の胴周に配設されたフィルターを通って回転濾過ドラム6の胴体内に通過する時に使用済切削油中に混入された切粉は、回転濾過ドラムの胴周に配設されたフィルターにより、その通過を阻止されてフィルターにより切粉が除去された処理済切削油として入り込むことになる。
【0026】
回転濾過ドラム収容体5に回転自在に配設された回転濾過ドラム6の胴周に巻き付け状態で配設されたこのフィルターにより回転濾過ドラム6中に入り込むのを阻止された切粉は前記フィルター面に付着する。
このフィルター面に付着した切粉は、回転濾過ドラム6の体内に覗かせて配したノズル管20のノズル21から噴射する空気或いは液体によりフィルター面からフィルター外に向かって吹き飛ばされ回転濾過ドラム収容体5内に落とされる。
回転濾過ドラム収容体5内に吹き落とされた切粉は回転濾過ドラム収容体5内に切粉搬送部材収容体1から溢れ出た使用済切削油に混じることになり、この切粉は回転ドラム収容体5内で回動するスクレーバコンベア12によって掻き集められる。
【0027】
この回転濾過ドラム6の胴周に巻き付けた状態で配設されたフィルターにより切粉を捕捉されて取り除かれて回転濾過ドラム6内に流れ込んだ処理済切削油は、回転濾過ドラム6の両側或いは少なくとも一方側の側板に例えば環状軸として形成された回転軸を、回転濾過ドラム収容体5の両側或いは一方側の側板に回転濾過ドラム6の側板に形成された環状軸を支持する軸受けとして形成された例えば環状軸受けに回転自在に支持することによって、回転濾過ドラムの環状軸と回転濾過ドラム収容体の環状軸受けからなる処理済切削油の排出口が形成され、該排出口から回転濾過ドラム収容体内に収容された回転濾過ドラムによって、使用済切削油中の切粉を取り除かれた処理済切削油が回転濾過ドラム収容体5外に排出される
【0028】
回転濾過ドラム収容体5内に流入した切粉を混入した使用済切削油中の切粉は、上記したように回転濾過ドラム6の胴周に配設されたフィルターに付着して回転濾過ドラム6内に入り込むのを阻止されるが、回転濾過ドラム6内に入り込まない使用済切削油中に混入した切粉は、回転濾過ドラム収容体5内で回転する回転濾過ドラム6と回転濾過ドラム収容体5の底板7の間を通過する過程で回転濾過ドラム6を回転させるスクレーバコンベア12により図5、図6に示すとおり回転濾過ドラム収容体5の底板7から掻き上げられて、回転濾過ドラム収容体5の底板7を延長した延長プレートによる側壁8の上辺に設けた邪魔板11上に押出されて邪魔板から切断搬送部材収容体1内に押出される。そして、その切粉は切粉搬送部材収容体1内で稼働する切粉搬送部材2により、切粉放擲部4まで搬送され、切粉放擲部4から切粉搬送部材収容体1外に放擲される。
【0029】
本発明を構成する濾過装置の特徴について説明する。本発明の濾過装置は、切粉搬送部材2を収容する上記した構成から成る切粉搬送部材収容体1の上流側から下流側に向かう方向の少なくとも片側壁の所望の箇所に、切粉搬送部材収容体1内に収容された切粉搬送部材2による切粉の搬送方向と平行に軸心を配設した回転濾過ドラム6を収容した回転濾過ドラム収容体5を併設する構成としたものである。その回転濾過ドラム収容体5の構成は、上記したように回転濾過ドラム収容体5内に回転自在に収容した回転濾過ドラム6の下弦部と相似形に底板7を形成し、その弧状底板7を延長した延長プレート8、9の中、切粉搬送部材収容体1に併設する側に延長する延長プレート8の上辺を、併設する切粉搬送部材収容体1の前記片側壁の所望の箇所に接続するのに、一方寄りには該切粉搬送部材収容体1の片側壁の上流側寄りに位置して切粉搬送部材収容体1からの切粉を混入した使用済切削油を流入する流入辺10を設け、他方寄りに該片側壁の下流側寄りに位置して切粉搬送部材収容体からの使用済切削油の流入を阻止する邪魔板11を設けた構成としたことに特徴がある。
【0030】
上記した構成の回転濾過ドラム収容体5を切粉搬送部材収容体1の前記片側壁に併設するのには、切粉搬送部材収容体1の前記片側壁に回転濾過ドラム収容体5の前記延長プレートである側壁8の上辺の流入辺10形成部を切粉搬入部材収容体1の前記片側壁の所望の箇所の上流側に図3、図4に図示するように、切粉搬送部材収容体1の片側壁の側板と該流入辺を接して接続し、邪魔板11形成部を切粉搬送部材収容体1の前記片側壁の所望の箇所の下流側に図4、図5のように切粉搬送部材収容体5の片側壁の側板から切粉搬送部材収容体5内に突出させて接続することにより、前記流入辺10の位置する箇所からは切粉搬送部材収容体1の前記片側辺から切粉搬送部材収容体1内に投入された切粉を混入した使用済切削油が回転濾過ドラム収容体内に流れ込むようにする。また、前記邪魔板11が位置する箇所からは切粉搬出部材収容体1の前記片側辺からは前記使用済切削油が流れ込まないようにする。
【0031】
回転濾過ドラム収容体5の切粉搬送部材収容体1側に位置する延長プレートである側壁8を上記の構成としたことにより、該延長プレートの側壁に形成した流入辺10から回転濾過ドラム収容体5内に流れ込む使用済切削油は、その流入圧により、該使用済切削油中に混入した切粉を該延長プレートである側壁8に形成した邪魔板11側に押しやる現象を呈することになる。この現象を呈することによって後記するスクレーバコンベア12による邪魔板11側の切粉掻き集め効率を良行にすることになる。即ち、回転濾過ドラム収容体5内のスクレーバコンベアによる切粉掻き集め効率を向上させることになる。
【0032】
即ち、回転濾過ドラム収容体5に前記流入辺10から流入した切粉搬送部材収容体1からの使用済切削油は、回転濾過ドラム収容体5内に広がって充満し、回転濾過ドラム収容体5内に配設する回転濾過ドラム6のフィルターによって、使用済切削油は、使用済切削油中に混入された切粉を捕捉されるようになり、切粉を除去された処理済切削油として回転濾過ドラム6の胴体内に流入し、この処理済切削油が回転濾過ドラム6の排出口である環状軸と回転濾過ドラム収容体5の排出口である環状軸受けから回転濾過ドラム収容体5外に排出される。
【0033】
従って、切粉搬送部材収容体1側から回転濾過ドラム収容体5内に流入する使用済切削油の回転濾過ドラム収容体5内では、回転濾過ドラム収容体5の処理済切削油排出口側に向かう流れを生じる。
それだけでなく、回転濾過ドラム収容体の延長プレート(側壁)の上辺には図5、図6に示すとおり切粉搬送部材収容体から、切粉を混入した使用済切削油の流入を阻止する邪魔板11が形成されている。
この前記邪魔板11を形成した回転濾過ドラム収容体5の下流側は、切粉搬送部材収容体1から回転濾過ドラム収容体5内に流入した使用済切削油中に切粉を前記流入圧によって邪魔板11形成部側に分散した状態となる流れを生じることになる。
【0034】
この状態で回転濾過ドラム収容体5内で回転する回転濾過ドラム6のフィルターで切粉を付着させることになるので、その付着効率を上昇する機能を発揮することになる。
【0035】
従って、切粉を混入した使用済切削油は、回転濾過ドラム収容体内5で回転濾過ドラム収容体5の一方側に開設された流出口側に片寄った側により多くの切粉を片寄って混入した状態を生じることになる。その結果、前記回転濾過ドラム6の環状回転軸と回転濾過ドラム収容体5の環状回転軸受とから成る処理済切削油を流出する開口側で比較的多くの切粉を回転濾過ドラム6を回動するように配置されたスクレーバコンベア12により掻き取ることになる。
【0036】
この切粉は図5、図6に図示するように回転濾過ドラム6を回動する装置に懸架されたスクレーバコンベア12によって、前記回転濾過ドラム収容体の延長プレートである側壁8に形成された邪魔板11上に矢印Bに示すように押し出され、この押し出しの連続によってこれから切粉搬送部材収容体1内に入り込むことになる。回転濾過ドラム6のフィルター面に付着した内に配設された噴射ノズル21から噴射される噴射油によって回転濾過ドラム収容体5内に落下されることになる。
邪魔板11方向に押し出された切粉は邪魔板11上に順次押し出される切粉によって切粉搬送部材2を収納した切粉搬送部材収容体1内に落下し、前記切粉搬送部材収容体1内に配設された切粉搬送部材2によって切粉放擲部4に向かって搬送され、切粉放擲部4から切粉搬送部材収容体1外に放擲される。
【符号の説明】
【0037】
1 切粉搬送部材収容体
2 切粉搬送部材
3 使用済切削油投入口
4 切粉放擲部
5 回転濾過ドラム収容体
6 回転濾過ドラム
7 回転濾過ドラム収容体の底板
8 回転濾過ドラム収容体の底板から切粉搬送部材収容体側に延長した延長プレート
9 回転濾過ドラム収容体の底板からの延長プレート
10 底板延長プレートの上辺の上流側位置に形成した流入辺
11 底板延長プレートの上辺の下流側位置に形成した邪魔板
12 回転濾過ドラムを回動するスクレーバコンベア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流側に使用済切削油投入口を設け、下流側を立ち上がり傾斜部とし、その先端を切粉放擲部とし、内側には使用済切削油投入口を配した上流側から下流側の立ち上がり傾斜部の先端に配した切粉放擲部に向かって前記使用済切削油投入口から投入された使用済切削油に混入した切粉を搬送する動力源から動力の伝達を受けて稼働する切粉搬送部材を内装した切粉搬送部材収容体と、その切粉搬送部材収容体の切粉搬送方向に向かう方向の少なくとも片側の側壁の所望の箇所に、回転濾過ドラムを回動自在に収容した回転濾過ドラム収容体を併設する濾過装置において、その回転濾過ドラム収容体を軸心を前記切粉搬送部材収容体内で搬送される切粉の搬送方向に平行とする回転濾過ドラムとして収容し、底板を回転濾過ドラムの下弦部と相似形の円弧板とし、前記底板から回転濾過ドラムの胴周面側を包囲する側に延びる延長プレートの内、切粉搬送部材収容体側に延びる延長プレートである側壁の上辺には流入辺と邪魔板を形成し、前記回転濾過ドラムは、動力源からの動力伝達を受けて回動するスクレーバコンベアを、前記底板に沿って摺動し、そのスクレーバコンベアが回転濾過ドラムを回動するよう回転濾過ドラムの周縁に懸架した構成とし、該回転濾過ドラム収容体の前記延長プレートの側壁の上辺に形成した前記流入辺を前記切粉搬送部材収容体の側壁の所望の箇所の上辺の上流側に位置させるとともに、前記邪魔板を下流側に位置させて該位置から切粉搬送部材収容体内に突出させて接続して切粉搬送収容体に回転濾過ドラム収容体を併設したことを特徴とする濾過装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−143833(P2012−143833A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−3596(P2011−3596)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(500562422)モスニック株式会社 (13)
【Fターム(参考)】