説明

炊飯器

【課題】簡単な構成であって、省エネルギー効果に優れた炊飯器を提供すること。加熱時、保温時に加熱、保温に要するエネルギーが少なくてすむ炊飯器を提供すること。
【解決手段】炊飯器本体2における鍋を収容する内ケース21の開口部の周囲縁に、熱絶縁性の弾性部材からなる放熱防止の突条19を設ける。突条は、鍋3のフランジ部31に当接するように炊飯器本体2の内ケースの開口部のフランジ21a周囲に環状に設けた溝の間に配置される。突条19は、シリコンゴムで作るのが好ましい。また、突条は、鍋の回転を防止する手段をも兼ねるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は炊飯器に係り、特に省エネルギー化を実現する炊飯器に係るものである。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化及び環境汚染の問題は地球規模において最優先課題として解決しなければならない時代に突入している。このうち、頻発する自然災害の一因が地球温暖化にあるとされていることから、地球温暖化の防止、すなわちCO排出量の数値目標が世界各国及び地域に設定されて、その目標達成に向けて様々な施策が打ち出され、我が国においても京都議定書での削減目標達成に向けた取り組みがなされている。かかる状況を踏えて、一般家庭で使用される電化製品もその対象となり、電気炊飯器も省エネルギー対策が急務となって、これまでさまざまな工夫がなされた炊飯器が特許文献で紹介されている(例えば、下記特許文献1〜3参照)。
【0003】
例えば、従来の炊飯器における省エネルギー対策は、特許文献1のように炊飯器の本体と蓋間の断熱を二重にしたり、特許文献2のように第1のシール蓋の外側に第2のシール蓋をもうけて鍋の鍔部からの放熱を少なくしたり、あるいはまた特許文献3のように鍋のフランジ部に弾性材料の部材を装着したりするものであった。
【0004】
特許文献3は、炊飯器の鍋のフランジ部にシリコンゴム等の弾性部材を着脱自在に装着し、弾性部材を介して鍋を炊飯器本体の上枠に載置し弾性部材を上枠の全周に当接するように構成したものである。鍋のフランジ部に弾性材料の部材を装着して保温性能を向上させ省エネ化するとともに、炊飯器本体内部に米粒や水が落下するのを防止する、またフランジ部を小さくすることにより、コンパクトな炊飯器を実現しようとするものである。
【特許文献1】特公平8−90号公報(段落[0007]、[0015]、図1)
【特許文献2】特開2003−428号公報(段落[0010]〜[0012]、図1)
【特許文献3】特許3663632号公報(段落[0007]〜[0009]、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来、炊飯時には鍋が高温になるので、図9に示したように、鍋を載置する炊飯器本体62の鍋63のフランジ63aとの当接は部分的に行なうように、炊飯器本体62の鍋収容部64の周縁64aに、鍋の支持台65として4箇所の耐熱性の硬質樹脂材料による成型部品からなる支持部が設けられていた。この鍋収容部64の周縁64aに設けた成型部品の支持台65は、硬質のため載置する鍋63と炊飯器本体62との間に気密性はなく、かつ、その当接部分以外は鍋収容部の周縁64aと鍋63との間に隙間があって、保温性能は必ずしも高くはなかった。また硬質であるため、載置した鍋63がご飯をよそうときに回転してしまったりするので、回転止めの部材66を鍋収容部64内に設けなければならなかった。そこで、このための部材費と組み立て費が多く必要とされていた。
【0006】
そして、この場合に、特許文献3のように、炊飯器の鍋のフランジ部にシリコンゴム等の弾性部材を装着し、鍋の縁取りをしても、支持台があるために炊飯器本体との間に隙間が生じるのは避けられない。また、鍋は使用する度ごとに洗わねばならないが、フランジ部のシリコンゴムは鍋を洗う際に邪魔になるのでその都度外して洗わねばならず、使い難いという問題があった。
【0007】
本願の発明者は、省エネルギー化の点から炊飯器の炊飯又は保温の熱の有効利用に着目し、上記の問題点を解決すべく種々検討を行った結果、鍋を収容する内ケース開口部の縁と鍋のフランジとの間の隙間を塞ぐ手段を採用したところ、熱エネルギーが有効活用できて損失が少なくてすみ、炊飯や保温に要するエネルギーが減少できることを見出し、本発明の炊飯器を完成するに至ったものである。
【0008】
すなわち、本発明は簡単な構成で省エネルギー効果に優れた炊飯器を提供することを目的とするものである。
【0009】
また、本発明は簡単な構成で炊飯・保温時に炊飯器の鍋収容部と鍋間の熱エネルギーが漏れるのを防ぎ、炊飯や保温に要するエネルギーが少なくてすむ炊飯器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の炊飯器は、被炊飯物を入れる鍋と、前記鍋を収容する開口部及び該鍋内の被炊飯物を加熱する加熱手段並びに前記加熱手段を制御して被炊飯物の炊飯及び保温制御を行なう制御手段を有する炊飯器本体と、前記鍋及び前記炊飯器本体の開口部を塞ぐ蓋体と、を備えた炊飯器において、前記炊飯器本体の前記鍋を収容する内ケース開口部の周囲縁に、熱絶縁性の弾性部材からなる突条を設けたことを特徴とする炊飯器。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載の炊飯器において、前記突条は、前記鍋のフランジ下面に当接するように前記鍋を収容する内ケース開口部の周囲縁に環状に設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の炊飯器において、前記突条は、前記鍋を収容する内ケース開口部の周囲縁に設けた溝の間に配置され該溝から上部を突出させていることを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の炊飯器において、前記突条は、シリコンゴムからなることを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の炊飯器において、前記突条は、鍋の回転防止部材を兼ねたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は上記の構成を備えることにより、以下に示すような優れた効果を奏する。すなわち、請求項1の発明によれば、炊飯器本体の鍋を収容する内ケースの開口部の周囲縁に、熱絶縁性の弾性部材からなる突条を設け、鍋収容部と鍋間の熱エネルギーが鍋収容部の上部から漏れるのを防ぐことにより、炊飯器が炊飯時及び保温時に消費するエネルギーを著しく減少させることができる。また、鍋のフランジ部にシリコンゴム等の弾性部材を装着し、縁取りをしたばあいに比べ、使用後に鍋を洗うときにいちいち取り外す必要がなく手間が省ける。
【0016】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、突条は鍋のフランジの下面に当接するように鍋を収容する開口部の周囲縁に環状に設けたので、開口部の縁で鍋のフランジの略全周に当接して鍋収容部と鍋間の空隙を少なくすることができ、簡単な構成で、経済的に安価である。
【0017】
請求項3の発明によれば、請求項1又は2の発明の効果に加えて、突条は、鍋を収容する開口部の周囲縁に設けた溝の間に配置され溝から上部を突出させているので、基部の変形が少なく確実に保持され、また取り付けも容易である。
【0018】
請求項4の発明によれば、請求項1乃至3に記載の発明の効果に加えて、突条はシリコンゴムからなることにより、耐熱性、耐久性に優れたものが得られる。
【0019】
請求項5の発明によれば、請求項1乃至4に記載の発明の効果に加えて、突条は、省エネルギー化に役立つとともに鍋の回転を防止する機能を有し、鍋収容部内に特別に回転止めを設ける必要がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の最良の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための炊飯器を例示するものであって、本発明をこの炊飯器に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0021】
図1は、本発明の一実施例に係る炊飯器の断面図である。図2は、図1の実施例において蓋と鍋を取り外した炊飯器本体の平面図であり、図3は、図2において突状を取り外した炊飯器本体の平面図である。図4は図2の炊飯器に取り付けられる突条の一部断面図である。図5は、他の実施例において蓋と鍋を取り外した炊飯器本体の平面図であり、図6は、図5において突状を取り外した炊飯器本体の平面図である。図7は、図5の炊飯器に取り付けられる突条の一部断面図である。図8は、図5の炊飯器本体の斜視図である。
【0022】
本発明の実施例に係る炊飯器1は、図1に示すように、被炊飯物を入れる鍋3と、この鍋を着脱自在に収容する開口部及び鍋内の被炊飯物を加熱する誘導加熱コイル5等並びに器外へ連通する通気孔23a及び排気孔23bを有する炊飯器本体2と、鍋3及び炊飯器本体2の開口部を塞ぐ蓋体4と、誘導加熱コイル5及び側面ヒータ6等を制御して被炊飯物の炊飯及び保温を行なう制御手段とを備え、炊飯器本体2に、通気孔23a及び排気孔23bを開閉するシャッター機構25を設け、制御手段は炊飯器本体内部の温度が所定温度以上の期間は通気孔23a及び排気孔23bを開き、また所定温度以下の期間は通気孔23a及び排気孔23bを閉鎖するようにシャッター機構25を制御する構成となっている。
【0023】
炊飯器本体2は、その内部に鍋3を収容する非金属材料で成形された有底筒状の内ケース21と、この内ケースを覆う外ケース22とを有し、内ケース21内に鍋3が着脱自在に収容されるようになっている。内ケース21は、その上端部に外周へ突出したフランジ21aが形成されている。鍋3は、その上端開口部に外方に張り出すフランジ部31が形成されており、このフランジ部31が内ケース21のフランジ21aに掛るように載置される。内ケース21は、その底部付近の外周囲に誘導加熱コイル5が配設される。この誘導加熱コイル5は、鍋3の外周面までの距離が一定になるように耐熱性樹脂材料で成形されたコイルカバー(図示省略)に支持されている。また、内ケース21には、上方開口部と誘導加熱コイル5との間の鍋の側面に対応する箇所に側面ヒータ6が配設されている。
【0024】
蓋体4は、枠体42の上下に表蓋41及び内蓋43が装着された構成を有し、炊飯器本体2の内ケース21の上方開口部を覆うように取り付けられている。その取り付けは、枠体42をヒンジ部材44と枢支ピン45とを用いて炊飯器本体2に軸支した構成となっている。また枠体42と内蓋43の間には、蓋カバー48に覆われて蓋ヒータ49が配設されるとともに、蓋温度センサ(図示省略)が設けられている。さらに、内蓋43には、炊飯器本体2内の圧力を調整する圧力調整弁4a及び安全弁4bが装着されている。蓋カバー48は枠体42に固定され、内蓋43は蓋カバー48を覆って枠体42に着脱自在に支持される。圧力調整弁4aは、図示しないソレノイドにより一連の炊飯工程のうち沸騰維持工程で作動される。表蓋41には、鍋内の炊飯物が吹きこぼれて一気に飛び出すのを防止する吹きこぼれ防止蓋4cが着脱自在に装着されている。
【0025】
内蓋43の外周囲には、鍋のフランジ部31と内蓋43をシールする鍋パッキン46が装着されている。また、ヒンジ部材44の反対側には、内ケース21の上端部に形成された係止部材47aが設けられ、枠体42に設けた係止レバー47bに係止されて蓋体4を閉じた状態に支持するようになっている。炊飯器本体2内に鍋3を収容して蓋体4で覆うと、鍋パッキン46が鍋3の開口縁部に圧接して鍋3が閉鎖される。
【0026】
炊飯器本体2は、外ケース22の前面に操作プレート7が装着されている。この操作プレート7には、電源スイッチ7a、炊飯スタートスイッチ、メニュー選択スイッチ、保温スイッチ(図示省略)等のスイッチ類の操作釦及び表示パネル7bが装着されており、これらの部品のうち、表示パネル7bは操作制御基板8に取り付けられた電子部品(図示省略)によって選択された炊飯メニュー等が表示される。
【0027】
炊飯器本体2には、誘導加熱コイル5、側面ヒータ6及び蓋体ヒータ49等へ電力を供給・制御する電源制御基板10が通気孔23aに近接した箇所に配設されている。この電源制御基板10には、半導体素子からなるインバータ、スイッチング素子、タイマー素子等の電子部品が装着されている。これらの電子部品のうち、特にインバータ9は作動時に発熱するのでヒートシンク、或いは冷却ファンによって冷却される。また、炊飯器本体2は、その底部23の中央部に鍋3の底面に接触するようにして鍋底温度センサ32が設けられている。さらに炊飯器本体2又は蓋体4のいずれかに外気温度を検知する外気温度センサ(図示省略)が設けられている。この外気温度センサの出力は、制御装置に入力されて、冷却ファン11或いはシャッター機構25が作動される。
【0028】
炊飯器本体2の底部23には、図1の左右に、空気を吸気する通気孔23a及び吸気された空気を排出する排気孔23bが形成され、通気孔23aに近接した位置に冷却ファン11が配設されている。この冷却ファンは、図示しないモータにより作動される。
【0029】
各通気孔23a及び排気孔23bは、底部23に所定の幅長及び長さを有する複数本の細溝、いわゆるスリットで形成されている。また、これらのスリットからなる通気孔23a及び排気孔23bは、それぞれのスリットを塞ぐ幅長及び長さを有する板状体からなる開閉扉、すなわちシャッター板23a’、23b’で開閉される。通気孔23a及び排気孔23bの開閉は、各シャッター板23a’、23b’が作動板24に連結されて、この作動板24がソレノイド12によって移動されることによってそれぞれ行われる。この作動板24は、炊飯器本体の底部23に設けたガイド機構(図示省略)でガイドされながら底部で摺動可能になっている。シャッター機構25は、各シャッター板23a’、23b’を有する作動板24と、この作動板を作動させるソレノイド12とで構成されている。
【0030】
本発明の炊飯器1は、蓋体と鍋を取り除いた炊飯器本体2の平面図である図2に示したように、炊飯器本体2に設けた鍋を収容する内ケース21のフランジ21aの開口部周囲に、ゴムなどの熱絶縁性の弾性部材によって堤状に放熱防止の突条19を設けるものである。図2では鍋3のフランジ部31に当接して鍋を支持する炊飯器本体2の耐熱性の硬質樹脂材料による鍋の支持台21b、21b’を挟んで、内ケース21のフランジ21aに開口部を取り囲むように2分割した放熱防止の突条19が設けられている。放熱防止の突条19は、開口部フランジ21aの周囲に沿って開口部の縁に所定の間隔をおいて設けた2列の突起14a、14bによって形成された溝14cと取り付け孔14dとによって堤状に固定され、溝から突条の上部を突出させている。
【0031】
図2から突条19を取り外した状態を示す図3に示したように、炊飯器本体2の縁の溝14cの両端とその中間部分に取り付け孔14dを何箇所か設ける。弾性体で形成した放熱防止の突条19は取付け孔の対応箇所に設けているアンカー部19aをその取付け孔14dに係合することにより、溝14cに取り付けられる。アンカー部19aは、図4に示したように、フランジ21aの上下に係止される上下の鍔19b、19cを備えており、その下端19eは取付け孔14dに挿入しやすいように先細に形成されている。
【0032】
放熱防止の突条19は、鍋3のフランジ部31の略全周に当接するように、炊飯器本体2の内ケース21のフランジ21aに開口部の周囲の縁に略環状をなすように設けられる。したがって、ゴムの堤が鍋3のフランジ部31下面に当接し、鍋3と炊飯器本体2との間の隙間を密閉して熱がこの部分から漏れるのを防ぎ、これによって、炊飯時、保温時の熱の利用効率を向上させる。放熱防止の突条19は、耐久性、耐熱性に優れているシリコンゴムから形成するのが好ましい。シリコンゴムは、鍋3のフランジ部31に縁取りとして取り付けた場合と異なり、鍋を洗う際の邪魔にはならない。しかも、放熱防止の突条19は、鍋3のフランジ部31との摩擦により、鍋3の回転を防止することができるので、従来例のような回転止めの部材は不要となる。
【0033】
図5は、本発明の他の実施例における、蓋と鍋を取り除いた炊飯器本体2の平面図である。図に示したように、炊飯器本体2に設けた鍋を収容する開口部の周囲の内ケース21のフランジ21aには、ゴムなどの熱絶縁性の弾性部材によって堤状に放熱防止の突条19が設けられている。図5では、鍋3のフランジ部31と当接する炊飯器本体2の耐熱性の硬質樹脂材料による鍋の支持台21b、21b’を挟んで、内ケース21のフランジ21aに内ケース開口部を取り囲むように2分割した放熱防止の突条19が設けられている。放熱防止の突条19は、内ケース21のフランジ21aに開口部の周囲に沿ってその縁に設けた所定の間隔を隔てた2列の突起14a’、14b’によって形成された溝14c’と取付け孔14d’とによって堤状に固定される。この実施例においては、取付け孔14d’の部分も突起14a’、14b’は連続していて、取付け孔14d’は溝14c’の中に設けられる。
【0034】
図5から放熱防止の突条19を取り外した状態を図6に示したように、炊飯器本体2の内ケース21のフランジ21aに設けた溝14c’の内部の両端とその中間部分に取付け孔14d’を数箇所設けて、弾性体で形成した放熱防止突条19は、取付け孔14d’の対応箇所に設けているアンカー部19a’をその取付け孔14d’に係合することによって取り付けられる。アンカー部19a’は、図7(b)に示したように、枠体の下部に係止されて抜けないようにする下鍔を備えている。取付け孔14d’のない部分は、図7(a)のように溝14c’の中で動かないように保持されている。
【0035】
図8に示すように、放熱防止の突条19は、鍋の支持台21b、21b’に当接する部分を除き、鍋3のフランジ部31の残り全周に当接するように、炊飯器本体2の鍋を収容する内ケース21のフランジ21aの開口部周囲に略環状に設けられる。したがって、ゴムの堤が鍋3のフランジ部31の下面に当接し、鍋3と炊飯器本体2との間の隙間を密閉して熱が上部から漏れるのを防ぎ、これによって、炊飯時、保温時の熱の利用効率を向上させる。放熱防止突条19は、耐久性、耐熱性に優れているシリコンゴムから形成するのが好ましい。
【0036】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。
【0037】
例えば、上述の例は、鍋収容部枠体の開口部周囲縁に、ゴムなどの熱絶縁性の弾性部材によって堤状に突条19を設け熱の放散を防いだが、さらにこれに加えて、炊飯器の炊飯器本体2内に設けた電源制御基板10を冷却する冷却ファン11のための通気孔23a及び排気孔23bを、シャッター機構25によって、炊飯時には開き、保温時には閉ざされるようにしてもよい。図1に示したように、シャッター機構25は、炊飯器本体2の底面部や側面部に設けた格子状の通気孔23a及び排気孔23bと、通気孔23a及び排気孔23b部分に摺動可能に設けられた、例えば、通気孔及び排気孔に重なる孔とその孔を塞ぐ部分を交互に設けた格子状の作動板と、プランジャーによって作動板の一部に結合し、スイッチのオン・オフでシャッターを閉状態から開状態に、また、開状態から閉状態に駆動するソレノイド12などを含み、作動板24の位置をずらすことによって、通気孔23a及び排気孔23bを開閉する。このシャッター機構25と冷却ファン11は、炊飯スイッチと保温スイッチに連動していて、冷却ファン11のスイッチやソレノイド12が駆動される。そうすれば、突条19と相俟って保温状態における熱損失が少なくなり、所要の温度が維持され、炊飯や保温の熱エネルギーを、より一層節減することができる。
【0038】
本発明によれば、炊飯器本体の鍋収容部に収めた鍋のフランジ周りの隙間を塞ぐ放熱防止の突条を採用したので、炊飯時、保温時に、熱エネルギーが有効活用できて、熱損失が少なくてすみ省エネルギー化に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は本発明の一実施例に係る炊飯器の断面図である。
【図2】図2は図1の実施例において蓋と鍋を取り外した炊飯器本体の平面図である。
【図3】図3は図2において突状を取り外した炊飯器本体の平面図である。
【図4】図4は図2の炊飯器に取り付けられる突条の一部断面図である。
【図5】図5は他の実施例において蓋と鍋を取り外した炊飯器本体の平面図である。
【図6】図6は図5において突状を取り外した炊飯器本体の平面図である。
【図7】図7は図5の炊飯器に取り付けられる突条の一部断面図である。
【図8】図8は図5の炊飯器本体の斜視図である。
【図9】図9は従来の炊飯器の一例を示すものである。
【符号の説明】
【0040】
2 炊飯器本体
3 鍋
4 蓋体
5 誘導加熱コイル
6 側面ヒータ
7 操作プレート
8 操作制御基板
9 インバータ
10 電源制御基板
11 冷却ファン
12 ソレノイド
14a、14b、14a’、14b’ 突起
14c、14c’ 溝
14d、14d’ 取付け孔
19 突条
19a、19a’ アンカー部
19b、19c 上下の鍔
21 内ケース
21a、 フランジ
21b、21b’ 鍋の支持台
22 外ケース
23 底部
23a 通気孔
23b 排気孔
23a’、23b’ シャッター板
24 作動板
25 シャッター機構
31 鍋のフランジ部
41 表蓋
42 枠体
43 内蓋
46 鍋パッキン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被炊飯物を入れる鍋と、前記鍋を収容する開口部及び該鍋内の被炊飯物を加熱する加熱手段並びに前記加熱手段を制御して被炊飯物の炊飯及び保温制御を行なう制御手段を有する炊飯器本体と、前記鍋及び前記炊飯器本体の開口部を塞ぐ蓋体と、を備えた炊飯器において、前記炊飯器本体の前記鍋を収容する内ケース開口部の周囲縁に、熱絶縁性の弾性部材からなる突条を設けたことを特徴とする炊飯器。
【請求項2】
前記突条は、前記鍋のフランジ下面に当接するように前記鍋を収容する内ケース開口部の周囲縁に環状に設けたことを特徴とする請求項1に記載の炊飯器。
【請求項3】
前記突条は、前記鍋を収容する内ケース開口部の周囲縁に設けた溝の間に配置され該溝から上部を突出させていることを特徴とする請求項1又は2に記載の炊飯器。
【請求項4】
前記突条は、シリコンゴムからなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の炊飯器。
【請求項5】
前記突条は、鍋の回転防止部材を兼ねたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の炊飯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−282868(P2007−282868A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−113966(P2006−113966)
【出願日】平成18年4月18日(2006.4.18)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】