説明

炊飯器

【課題】鍋内で発生した「おねば」が循環ポンプ内に侵入することを防止することができる炊飯器を提供する。
【解決手段】内部に鍋収納部4が形成された炊飯器本体1と、炊飯器本体1の上部開口部を開閉可能な蓋体18と、鍋収納部4に収納される鍋6と、鍋6を加熱する鍋加熱装置7と、鍋6内で発生した蒸気を、吸引経路32Aを通じて吸引し、排出経路32Bを通じて鍋6内に排出する循環ポンプ32と、循環ポンプ32から排出される蒸気を加熱して過熱蒸気とする蒸気加熱装置27と、吸引経路32A内に設けられ、蒸気の通過を許容する一方でおねばの通過を阻止する弁とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過熱蒸気を用いた炊飯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の炊飯器は、循環ポンプを用いて鍋内の蒸気を吸引し、当該吸引した蒸気を加熱して過熱蒸気としたのち鍋内に戻す、蒸気循環動作を行うように構成されている。
【0003】
この蒸気循環動作により、鍋内に入れた米及び水を、鍋の周囲だけでなく鍋の上方からも加熱することができるとともに、鍋内の乾燥を抑制することができる。これにより、ご飯の食味を良好にすることができる。(例えば、特許文献1:特開2006−289117号公報参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−289117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の炊飯器においては、炊飯工程中に鍋内に発生する煮汁成分である、いわゆる「おねば」が循環ポンプ内に侵入して循環ポンプが詰まることがある。この場合、過熱蒸気の鍋内への供給(散布)ができなくなるため、鍋の上方からの熱供給が不足してご飯の食味が低下することになる。
【0006】
また、「おねば」により循環ポンプ内が汚れると、その除去清掃は非常に手間がかかる。
【0007】
したがって、本発明の目的は、上記問題を解決することあって、鍋内で発生した「おねば」が循環ポンプ内に侵入することを防止することができる炊飯器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、内部に鍋収納部が形成された略有底筒状の炊飯器本体と、
前記炊飯器本体の上部開口部を開閉可能な蓋体と、
前記鍋収納部に収納される鍋と、
前記鍋を加熱する鍋加熱装置と、
前記鍋内で発生した蒸気を、吸引経路を通じて吸引し、排出経路を通じて前記鍋内に排出する循環ポンプと、
前記循環ポンプから排出される蒸気を加熱して過熱蒸気とする蒸気加熱装置と、
前記吸引経路内に設けられ、前記鍋内で発生した蒸気の通過を許容する一方で、前記鍋内で発生したおねばの通過を阻止する弁と、
を備える炊飯器を提供する。
【0009】
本発明の第2態様によれば、前記弁は、切込みを入れた膜状部材で構成されている、第1態様に記載の炊飯器を提供する。
【0010】
本発明の第3態様によれば、前記弁は、膜状部材の中央部から放射状に切込みを入れて構成されている、第1態様に記載の炊飯器を提供する。
【0011】
本発明の第4態様によれば、内部に鍋収納部が形成された略有底筒状の炊飯器本体と、
前記炊飯器本体の上部開口部を開閉可能な蓋体と、
前記鍋収納部に収納される鍋と、
前記鍋を加熱する鍋加熱装置と、
前記鍋内で発生した蒸気を、吸引経路を通じて吸引し、排出経路を通じて前記鍋内に排出する循環ポンプと、
前記循環ポンプから排出される蒸気を加熱して過熱蒸気とする蒸気加熱装置と、
を備え、
前記循環ポンプは、前記鍋内で発生したおねばが侵入しないように気密型のポンプで構成されている、炊飯器を提供する。
【0012】
本発明の第5態様によれば、前記蓋体は、互いの間に前記排出経路の一部となる蒸気通路が形成されるように、前記蓋体の鍋側において互いに略平行に配置された蓋体側蓋板及び鍋側蓋板を備え、
前記蒸気加熱装置は、前記蓋体側蓋板及び鍋側蓋板の少なくとも一方を加熱して前記蒸気通路を通る蒸気を過熱蒸気とする、
第1〜4態様のいずれか1つに記載の炊飯器を提供する。
【0013】
本発明の第6態様によれば、前記蓋体側蓋板は、非磁性材で構成され、
前記鍋側蓋板は、磁性材で構成され、
前記蒸気加熱装置は、誘導加熱コイルを備え、
前記誘導加熱コイルは、当該誘導加熱コイルから発生する磁力線が前記蓋体側蓋板を通じて前記鍋側蓋板に供給されるように配置されている、
第5態様に記載の炊飯器を提供する。
【0014】
本発明の第7態様によれば、前記吸引経路が複数設けられている、第1〜6態様のいずれか1つに記載の炊飯器を提供する。
【0015】
本発明の第8態様によれば、前記鍋内の蒸気を炊飯器の外部に排出するための蒸気排出経路が前記蓋体、前記蓋体側蓋板、及び前記鍋側蓋板を貫通するように設けられ、
前記それぞれの吸引経路が前記鍋内と連通する部分は、前記蒸気排出経路が前記鍋内と連通する部分から50mm以上離れて配置されている、第7態様に記載の炊飯器を提供する。
【0016】
本発明の第9態様によれば、前記それぞれの吸引経路が前記鍋内と連通する部分は、互いに50mm以上離れて配置されている、第7又は8態様に記載の炊飯器を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の炊飯器によれば、循環ポンプの吸引経路に蒸気の通過を許容する一方で「おねば」の通過を阻止する弁を設けているので、循環ポンプ内に「おねば」が侵入することが防止することができる。これにより、過熱蒸気の鍋内への供給を確実にすることができ、ご飯の食味の低下を抑えることができる。
【0018】
また、循環ポンプ内に「おねば」による汚れが付くことを防止できるので、メンテナンス面で有利である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる炊飯器の断面図である。
【図2】図1の炊飯器の一部拡大断面図である。
【図3】図1の炊飯器が備える循環ポンプの構成を示す断面図である。
【図4】図1の炊飯器が備える弁の平面図である。
【図5】本発明の第2実施形態にかかる炊飯器が備える循環ポンプの構成を示す断面図である。
【図6】本発明の第3実施形態にかかる炊飯器の断面図である。
【図7】図6の炊飯器が備える循環ポンプの構成を示す断面図である。
【図8】図6の炊飯器が備える内蓋の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態によって本発明を限定するものではない。以下の全ての図において、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0021】
《第1実施形態》
本発明の第1実施形態にかかる炊飯器の構成について説明する。図1は、本発明の第1実施形態にかかる炊飯器の断面図である。図2は、図1の炊飯器の一部拡大断面図である。図3は、図1の炊飯器が備える循環ポンプの構成を示す断面図である。
【0022】
図1〜3において、本第1実施形態にかかる炊飯器は、内部に鍋収納部4が形成された略有底筒状の炊飯器本体1と、鍋収納部4に着脱自在に収納される鍋6とを備えている。鍋収納部4は、筒状の保護枠胴2の下部に深皿状の保護枠3を取り付けた有底筒形状に構成されている。保護枠胴2は、例えば金属で構成され、保護枠3は、例えば合成樹脂などの非磁性部材で構成されている。炊飯器本体1と鍋収納部4とは、それらの上部が略リング状の枠体5で接続されている。
【0023】
鍋収納部4の保護枠3には、磁性部材で構成される鍋6を加熱(誘導加熱)する鍋加熱装置7,8と、鍋6の温度を検知する鍋温度検知部の一例である鍋温度センサ12とが取り付けられている。
【0024】
本第1実施形態において、鍋加熱装置7は、鍋収納部4を介して鍋6の底部の中央部周囲に対向するように配置された底内加熱コイルと、鍋収納部4を介して鍋6の底部のコーナー部に対向するように配置された底外加熱コイルとを備えている。鍋加熱装置7は、誘導加熱コイルである底内加熱コイル及び底外加熱コイルが通電されることで、鍋6を誘導加熱する。なお、厳密には、電磁誘導により鍋6自身を発熱させるため、「鍋加熱装置7が鍋6を加熱する」という表現は適確ではないが、ここでは、便宜上、「鍋加熱装置7が鍋6の自己発熱を促す」ことを「鍋加熱装置7が鍋6を加熱する」と表現している。
【0025】
鍋加熱装置8は、保護枠胴2を介して鍋6の上部の周壁と対向するように保護枠胴2の周りに配置された電気ヒータ線を備えている。この電気ヒータ線は、外周を断熱材9で覆われている。鍋加熱装置8は、通電されることにより発熱した電気ヒータ線で保護枠胴2を加熱する。この加熱により生じる保護枠胴2の輻射熱及び対流熱により、鍋6の上部の周壁が加熱される。なお、鍋加熱装置8は、必ずしも設ける必要はない。
【0026】
鍋加熱装置7の底内加熱コイル及び底外加熱コイルの外側周囲には、フェライト10及び遮蔽板11が配置されている。フェライト10は、鍋加熱装置7から発生する磁界(磁力線)を効率よく鍋6側へ集めるものである。このフェライト10により、鍋6の周辺に高密度の磁界が発生するため、より高効率に鍋6を加熱することができる。遮蔽板11は、高周波磁界が外部に漏れ出すのを防止し、周囲の機器に高周波磁界による影響を及ぼさないようにするためのものである。鍋加熱装置7の底内加熱コイル及び底外加熱コイルから外側へ放射される磁力線は、フェライト10で反射されるか、あるいは遮熱板11で遮断され、外部に漏洩しないようになっている。
【0027】
保護枠3の底部の中央部分には開口が設けられている。当該開口部分には、鍋6の温度を測定するための鍋温度検知部の一例である鍋温度センサ12が、鍋収納部4に収納された鍋6の底部に当接可能に配置されている。鍋温度センサ12が検知した鍋6の温度を示す温度信号は、炊飯制御部の一例であるマイコン(マイクロコンピュータ)13に送信される。
【0028】
マイコン13は、鍋温度センサ12の温度信号に基づいて炊飯器本体1内に設けられた加熱電力送出部14を制御し、鍋加熱装置7へ供給する高周波電流、及び鍋加熱装置8へ供給する電流を可変する。これにより、マイコン13は、鍋6の温度を炊飯・保温時に適温になるように制御する。
【0029】
加熱電力送出部14は、鍋加熱装置7の各加熱コイルに高周波電流を供給する際、電気抵抗ロス及び高周波発生時のスイッチングロスで自己発熱する。これにより、加熱電力送出部14が許容温度以上に自己発熱すると、加熱電力送出部14が破壊するおそれがある。このため、炊飯器本体1内に設けられたファンモータ15の送風路に、アルミニウム、又はアルミダイキャストなどで形成されたヒートシンク16を設けるようにしている。ファンモータ15の駆動によりヒートシンク16が冷却されることで、加熱電力送出部14の冷却を効率的に行うことができる。
【0030】
炊飯器本体1の後方上部(図1の右上側)には、ヒンジ軸17が取り付けられている。このヒンジ軸17には、当該ヒンジ軸17を回転中心として回動自在に蓋体18が取り付けられている。蓋体18は、ヒンジ軸17を回転中心として回動することで鍋6の上部開口を開閉する。
【0031】
図3のように、蓋体18は、合成樹脂製の筐体である蓋カバー19と、蓋カバー19の底壁(隔壁ともいう)26に隙間を空けて取り付けられた上蓋板20と、上蓋板20よりもさらに外側で蓋カバー19の底壁26に隙間を空けて取り付けられた下蓋板21とを備えている。蓋本体18は、前方下部に設けられたフック22が蓋本体3の前方上部に設けられたフック1aに係合することで、鍋6の上部開口を閉じた状態を維持する。
【0032】
ヒンジ軸17の周りには、ねじりコイルバネなどのスプリング23が装着されている。このスプリング23は、ヒンジ軸17を回転中心として蓋体18が炊飯器本体1から離れる方向に回転するように付勢している。したがって、蓋体18のフック22と炊飯器本体1のフック1aとの係合が解除されたとき、スプリング23の付勢力によって蓋体18が自動的に回転して閉状態から開状態になる。炊飯器本体1又は蓋体18には、この蓋体18が開状態になる動作を制動するように制動手段(図示せず)が設けられている。
【0033】
蓋体18の上蓋板20は、厚さ0.4mm以下のオールステナイト系ステンレスなどの非磁性材の薄板で構成されている。蓋体18の下蓋板21は、鉄板又はフェライト系ステンレス板などの磁性材で構成されている。上蓋板20と下蓋板21とは、蓋カバー19の底壁19に対してそれぞれ略平行に配置されている。上蓋板20と下蓋板21との間の隙間は、後述する排出経路32Bの一部である蒸気通路25となる。
【0034】
蓋カバー19の底壁26の内面には、蒸気加熱装置27が配置されている。
【0035】
本第1実施形態において、蒸気加熱装置27は、リング状の誘導加熱コイルで構成されている。蒸気加熱装置27の誘導加熱コイルから放射される磁力線は、ほとんどが上蓋板20を透過して下蓋板21を誘導加熱(発熱)する。一方、上蓋板20を透過しなかった磁力線は、上蓋板20を誘導加熱(発熱)する。
【0036】
したがって、蒸気通路25内が高温となる。このため、蒸気通路25内を流れる蒸気は、更に加熱されて100℃以上の蒸気、いわゆる過熱蒸気となる。なお、上蓋板20と下蓋板21との発熱比は、蒸気加熱装置27からの距離、材料物性などに応じて任意に設定することができる。
【0037】
図2に示すように、蒸気加熱装置27の一部と隔壁26との間には、温度ヒューズ28が設けられている。また、蒸気加熱装置27の上方には、反射板29が設けられている。これらの温度ヒューズ28及び反射板29により、蒸気加熱装置27の誘導加熱コイルから発生する高周波磁界が炊飯器の外部に漏れ出すことが防止されている。
【0038】
下蓋板21の外周部には、下蓋板21と鍋6のフランジ部6aとの間をシールする環状のパッキン30が取り付けられている。これにより、鍋6内が水密にシールされている。また、上蓋板20と下蓋板21との間には、環状のパッキン31が配置され、当該パッキン31により、蒸気通路25がシールされている。蓋体18の内部には、シロッコ型などの循環ポンプ32が装備されている。
【0039】
循環ポンプ32の吸引経路32Aは、蓋体18の底壁26、上蓋板20、及び下蓋板21を貫通して、鍋2内と連通している。具体的には、吸引経路32Aは、吸引管33と、ゴムなどの弾性体で構成された環状のパッキン34と、下蓋板21の一部に設けられた蒸気吸引口35とで形成されている。吸引管33は、一端部が循環ポンプ32の吸引部に接続され、他端部が蓋体18の底壁26及び上蓋板20を貫通して上蓋板20と下蓋板21との間の空間と連通している。パッキン34は、吸引管33の端部開口と蒸気吸引口35とを接続するように配置されている。
【0040】
循環ポンプ32の排出経路32Bは、蓋体18の底壁26を貫通し、蒸気通路25を通じて鍋2内と連通している。具体的には、排出経路32Bは、吐出管36と、ゴムなどの弾性体で構成された環状のパッキン38と、上蓋板20の一部に設けられた蒸気吐出口37と、蒸気通路25と、下蓋板21の一部に設けられた蒸気放出口39とで形成されている。吐出管36は、一端部が循環ポンプ32の吐出部に接続され、他端部が蓋体18の底壁26を貫通して底壁26と上蓋板20との間の空間と連通している。パッキン38は、吐出管36の端部開口と蒸気吐出口37とを接続するように配置されている。
【0041】
鍋6の内部で発生した蒸気は、循環ポンプ32が駆動することにより、吸引経路32A、ポンプ32の本体、排出経路32Bの順に流動し、鍋6の内部に戻る。本第1実施形態においては、吸引経路32A、ポンプ32の本体、排出経路32Bにより、蒸気循環路24が構成されている。
【0042】
また、図2に示すように、蓋体18には、下蓋板21の温度を検知する蓋センサ40が蓋カバー19の底壁26を貫通するように取り付けられている。蓋センサ40は、蓋カバー19内に設けられたセンサバネ41により、下蓋板21に当接するように付勢されている。
【0043】
パッキン34,38には、図4に示すような弁42,43が一体的に形成されている。これら弁42,43は、膜状部材に、その中心から放射状に切込み44,45を入れて構成されている。弁42,43の材質としては、例えばシリコンゴムを用いることができる。弁42,43の厚さは、例えば0.5mmである。
【0044】
したがって、蒸気のような気体は、切込み44,45を通じて容易に弁42,43を通過する一方で、「おねば」のような粘性を有する液体は、表面張力などの作用により弁42,43を通過することが阻止されるようになっている。
【0045】
また、図2に示すように、蓋カバー19の内部には、前述したマイコン13が実装された操作基板48が設置されている。操作基板48は、蒸気加熱装置27などからの熱が伝達されないように基板カバー49で覆われている。基板カバー49は、その一部が蓋カバー19に設けられた基板カバーシール用のリブ56を挟持することで、蓋カバー19に取り付けられている。基板カバー49とリブ56との間には、基板カバー用のパッキン55が設けられている。このパッキン55により、基板カバー49とリブ56との間が水密にシールされ、蓋カバー19内に蒸気が侵入した場合であっても、操作基板48には結露が生じないようになっている。
【0046】
操作基板48の上方には、炊飯器の設定状態又は動作状態などを表示する表示部の一例である液晶50が配置されている。蓋カバー19の液晶50と対向する部分は、透明な樹脂47で構成されている。蓋カバー19の外表面は、フィルム51で一体的に覆われている。蓋カバー19の外表面の一部には、フィルム51のみの部分からなるエンボス部52が設けられている。
【0047】
エンボス部52は、フィルム51の厚み方向に撓むことができるように構成されている。エンボス部52の下方には、キートップ53と、キートップ53に取り付けられたタクトスイッチ54とで構成される操作部46が配置されている。したがって、エンボス部52が使用者に押圧されて下方に撓んだとき、キートップ53を介してタクトスイッチ54が押圧されるようになっている。タクトスイッチ54は、操作基板48に実装されている。
【0048】
また、蓋体18には、鍋6内で発生した蒸気を炊飯器の外部に排出するための蒸気排出経路59が、蓋カバー19及び上蓋板20を略中央部を厚み方向に貫通するように設けられている。下蓋板21には、蒸気排出経路59と鍋6内とを連通する蒸気通過用孔21aが1つ以上設けられている。また、上蓋板20と下蓋板21との間には、蒸気排出経路59と蒸気通路25とが連通しないように水密にシールする環状のパッキン63が設けられている。蒸気排出経路59には、排出筒58が蓋カバー19の外側から着脱自在に取り付けられている。
【0049】
排出筒58には、ヒンジ軸17から遠ざかるに従い下方に傾斜する通路であるガイド部60が設けられている。ガイド部60には、球状のマグネット61が転がって動けるように配置されている。マグネット61は、蓋体18が閉められた時にはヒンジ軸17から遠い位置(図2の左側)に位置し、蓋体18が閉められた時にはガイド部60に沿って転がり、ヒンジ軸17に近い位置(図2の右側)に移動する。蓋体18の内部において前記遠い位置の近傍には、リードスイッチ62が設置されている。リードスイッチ62は、蓋体18の開閉によってマグネット61がガイド部60に沿って転がって、前記遠い位置から離れたり近付いたりすることにより、ON、OFFする。このリードスイッチ62のON、OFFにより、蓋体18の開閉状態を検知することができる。
【0050】
また、マグネット61とリードスイッチ62とは、蓋体18の開閉検知部として機能するだけでなく、鍋6内の調理物のふきこぼれを検知するふきこぼれ検知部としても機能する。すなわち、鍋6内の調理物がふきこぼれるとき、その際に生じる圧力によりマグネット61がガイド部60に沿ってヒンジ軸17に近づく側に転がり、リードスイッチ62がONからOFFに切り替わる。これを検知することで、鍋6内の調理物のふきこぼれを検知することができる。
【0051】
次に、本発明の第1実施形態にかかる炊飯器の動作を説明する。
【0052】
まず、使用者により、蓋体18が開けられ、炊飯を行う米とその米量に対応する水とが入れられた鍋6が鍋収納部4にセットされる。
【0053】
なお、このとき、蓋体18が開状態であるため、マグネット61はリードスイッチ62から離れて位置し、リードスイッチ62はOFFになっている。米と水を入れた鍋6を鍋収納部4がセットされた後、蓋体18が閉められると、マグネット61がヒンジ軸17から遠ざかる側にガイド部60に沿って転がり、リードスイッチ62がOFFからONに切り替わる。この切り替わりを検知することにより、蓋体18の開閉状態を検知することができる。
【0054】
蓋体18が閉められた状態で、使用者により操作部46が操作されて炊飯開始の指示がマイコン13に入力されると、マイコン13の制御により、炊飯工程が開始される。ここで「炊飯工程」とは、浸水工程(前炊き工程ともいう)と、昇温工程と、沸騰維持工程と、むらし工程の主として4つの工程で構成されるものである。これらの工程の間に米の糊化が進められて米が炊飯される。なお、昇温工程及び沸騰維持工程をまとめて、炊き上げ工程ということもある。炊飯工程が開始されると、まず、前炊き工程が開始される。
【0055】
なお、炊飯工程中においては、液晶50に炊飯器の動作状態が表示される。使用者は、透明な樹脂47を通じて液晶50を目視することで、炊飯器の動作状態を知ることができる。
【0056】
浸水工程は、以降の工程において、米の中心部まで十分に糊化できるように、糊化温度よりも低温の水に米を浸して、予め米に吸水させる工程である。この浸水工程において、マイコン13は、鍋6内の水の温度を米の糊化が始まる温度(約60℃)近くまで昇温させた後、当該昇温後の温度を維持するように、鍋温度センサ12の検知温度に基づいて鍋加熱装置8の鍋加熱動作を制御する。これにより、米の吸水が促進される。この前炊き工程においては、水が重量比で例えば約30wt%の割合になるまで米に吸水させる。浸水工程の開始から予め設定された時間(例えば20分)経過すると、昇温工程に移行する。
【0057】
昇温工程は、鍋6を強火で一気に加熱して、鍋6内の水を沸騰状態(約100℃)にする工程である。この昇温工程において、マイコン13は、鍋加熱装置7,8、及び蒸気加熱装置27を制御して、鍋6をその周囲全体から加熱し、鍋6内の水を沸騰状態にする。昇温工程の実施により、鍋温度センサ12の検知温度が約100℃になると、沸騰維持工程に移行する。
【0058】
沸騰維持工程は、鍋6内の水の沸騰状態を維持して、米の澱粉を糊化させ、糊化度を50%〜60%程度まで引き上げる工程である。この沸騰維持工程において、マイコン13は、鍋6内の水の沸騰状態を維持するように鍋加熱装置7,8、及び蒸気加熱装置27を制御する。より具体的には、マイコン13は、鍋加熱装置7,8、及び蒸気加熱装置27の駆動(ON)、駆動停止(OFF)を一定時間間隔で繰り返すデューティー制御を行い、鍋6を間欠加熱する。
【0059】
なお、昇温工程及び沸騰維持工程においては、米の芯まで熱を伝えることが重要である。本第1実施形態においては、鍋6を加熱する方式として誘導加熱方式を採用しているので、熱板によって加熱する方式に比べて高火力で鍋6を加熱することができ、ご飯の食味を高めることができる。
【0060】
沸騰維持工程においては、連続的に水を沸騰させるため、粘性のある煮汁である「おねば」及び蒸気が大量に発生する。前記発生した「おねば」及び蒸気は、下蓋板21の蒸気通過用孔(図示せず)を通じて排出筒58内に流れ込み、マグネット61をガイド部60に沿ってヒンジ軸17に近づくように移動させる。これにより、マグネット61がリードスイッチ62から離れ、リードスイッチ62がONからOFFに切り替わる。
【0061】
沸騰維持工程においてリードスイッチ62がONからOFFになったとき、マイコン13は、加熱電力送出部14を制御して、鍋加熱装置7,8,及び蒸気加熱装置27の通電量を低減する。これにより、「おねば」のふきこぼれを抑制できるので、「おねば」のふきこぼれが発生しない限界の火力で鍋6を加熱することができ、ご飯の食味を高めることができる。
【0062】
一方、沸騰維持工程においては、循環ポンプ32を駆動しない。このため、前記発生した「おねば」及び蒸気の一部は、吸気経路32A又は排気経路32Bを通じて循環ポンプ32に流れ込もうとする。しかしながら、本第1実施形態においては、パッキン34,38に弁42,43が一体的に形成されているので、蒸気は弁42,43の切込み44,45を通じて蒸気循環路24を円滑に循環流動する一方で、「おねば」は、その粘性、表面張力などの作用で蒸気循環路24への循環流動が阻止される。
【0063】
したがって、「おねば」が蒸気循環路24、特にポンプ32内で詰まり、蒸気循環が阻害されることを未然に防ぐことができる。なお、ここでは、吸気経路32A及び排気経路32Bの両方に弁を設けたが、「おねば」は吸引経路32Aから循環ポンプ32に流れ込みやすいので、吸引経路32Aのみに弁を設けてもよい。
【0064】
沸騰維持工程が進行することにより、鍋6内のほとんどの水がなくなると、鍋6の底面の温度が水の沸点以上に上昇する。鍋温度センサ12が鍋6の底面の温度が沸点以上(例えば130℃)に到達したことを検知すると、むらし工程に移行する。なお、このとき、鍋6内の水分はすべて蒸発した訳ではなく、鍋6の底部の水分が減少しただけである。すなわち、鍋6内は大量の水分が残った状態にある。
【0065】
むらし工程は、予熱を利用して余分な水分を蒸発させ、米の糊化度を100%近くまで引き上げる工程である。このむらし工程おいて、マイコン13は、鍋6の底面付近のご飯が乾燥したりこげたりしないように、鍋6の温度が一定温度以下に下がる毎に、鍋6を加熱するように鍋加熱装置7を制御する。
【0066】
また、マイコン13は、鍋加熱装置7の通電量を低下させるのに伴い、ファンモータ15の回転数を低下又は停止させる。
【0067】
さらに、マイコン13は、循環ポンプ32を駆動させて、鍋6の内部で発生した蒸気を、吸引経路32A、ポンプ32、排出経路32B、蒸気通路25の順に流動させ、蒸気放出口39を通じて鍋6の内部に戻す。
【0068】
鍋6内で発生した蒸気が蒸気通路25を流動するとき、蒸気加熱装置27により蒸気通路25が加熱されているので、前記蒸気は更に加熱されて100℃以上の過熱蒸気となる。本第1実施形態においては、この過熱蒸気を鍋6内に導入するので、鍋6内のご飯の乾燥を防ぐことができる。また、過熱蒸気は、米澱粉の糊化を進行させるのに必要なエネルギーを有するので、糊化を促進して炊飯性能を向上させることができる。
【0069】
また、本第1実施形態においては、上蓋板20と下蓋板21の両方から蒸気通路25を流動する蒸気を加熱するようにしているので、瞬時に且つ効率良く前記蒸気の温度を上げることができる。したがって、ご飯の食味を高めることができる。なお、蒸気吐出口37と蒸気放出口39とは、できる限り互いに離れた位置に形成することが好ましい。これにより、蒸気通路25を流動する蒸気の温度を確実に上昇させることができる。
【0070】
また、本第1実施形態において、下蓋板21は、100℃以上の高温になるので、炊飯工程終了後において下蓋板21の表面に結露等が発生することはない。
【0071】
なお、鍋6内で過剰に発生した蒸気は、蒸気排出経路59の排出筒58を通じて炊飯器の外部に排出される。
【0072】
むらし工程の開始から、炊飯量に応じて予め設定された時間(例えば12分)経過すると、むらし工程を終了(すなわち、炊飯工程を終了)する。
【0073】
本第1実施形態にかかる炊飯器によれば、循環ポンプ32の吸引経路32A及び排出経路32Bに、蒸気の通過を許容する一方で「おねば」の通過を阻止する弁42,43を設けているので、循環ポンプ32内に「おねば」が侵入することを防止することができる。これにより、過熱蒸気の鍋6内への供給を確実にすることができ、ご飯の食味の低下を抑えることができる。
【0074】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、前記では、弁42,43は、膜状部材に、その中心から放射状に切込み44,45を入れて構成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、弁42,43は、膜状部材に孔などの隙間を設けて、当該隙間を塞ぐように前記膜状部材上に、吸引管33の直径よりも幅寸法が小さい錘を載置するようにしてもよい。この場合、蒸気のような気体は、圧力により錘を押し上げることで前記隙間を通じて、前記弁42,43を通過することができる。一方、「おねば」のような粘性を有する液体は、自重が重いため、錘に遮られて弁42,43を通過することができない。
【0075】
《第2実施形態》
図5は、本発明の第2実施形態にかかる炊飯器の一部拡大断面図である。本第2実施形態の炊飯器が前記第1実施形態の炊飯器と異なる点は、弁42,43,及び循環ポンプ32に代えて、気密型の循環ポンプ64を備えている点である。
【0076】
本第2実施形態にかかる炊飯器によれば、循環ポンプ64が気密型であるので、「おねば」の侵入を抑えることができる。
【0077】
また、「おねば」の侵入を防止する弁42,43を設ける必要がないので、構成の簡素化を促進でき、その分、低コスト化を図ることができる。
【0078】
《第3実施形態》
図6は、本発明の第3実施形態にかかる炊飯器の断面図である。図7は、図6の炊飯器が備える循環ポンプの構成を示す断面図である。図8は、図6の炊飯器が備える内蓋の平面図である。本第3実施形態の炊飯器が上記第1実施形態の炊飯器と異なる点は、下蓋板21及び循環ポンプ32に代えて、2つの蒸気吸引口35,35が設けられた下蓋板21Aと、2つの吸引経路132Aa,132Abを備える循環ポンプ132とを有している点である。なお、その他の点については同様であるので、添付図面において同様の部品については同じ参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0079】
ご飯の食味を良好にするには、より多くの過熱蒸気を鍋6内に供給することが効果的と考えられる。より多くの過熱蒸気を鍋6内に供給するには、単純には循環ポンプの排出流量を多くすればよいと考えられる。
【0080】
しかしながら、実験により検証したところ、循環ポンプの排出流量を1.7L/Minに設定したとき、鍋6内に導入される過熱蒸気の量が3gであるのに対して、循環ポンプの排出流量を2.0L/Minに設定したとき、鍋6内に導入される過熱蒸気の量は3.1gであった。また、循環ポンプの排出流量を2.2L/Minに設定したとき、鍋6内に導入される過熱蒸気の量は3.2gであった。すなわち、循環ポンプの排出流量を多くしても、鍋6内への過熱蒸気の導入量は僅かしか増加しなかった。なお、前記過熱蒸気の量のデータは、吸引経路の断面積を7.1mmとし、吸引流体の流速を0.3m/secとしたときのデータである。
【0081】
これに対して、吸引経路を2つとして循環ポンプの排出流量を2.2L/Minに設定したとき、鍋6内に導入される過熱蒸気の量は3.8gであった。すなわち、循環ポンプの排出流量を多くすることに比べて吸引経路を2つにすることの方が、鍋6内への過熱蒸気の導入量を増加させるのに効果的であることが分かった。なお、前記過熱蒸気の量のデータは、2つの吸引経路の断面積をそれぞれ7.1mmとし、吸引流体の流速を0.3m/sとし、2つの蒸気吸引口35,35を互いに75mm離して配置したときのデータである。
【0082】
吸引経路を2つにすることが過熱蒸気の導入量を増加させるのに効果的であることの理由は、以下のように推察される。
【0083】
循環ポンプの流量は、吸引流体の流速と吸引経路の断面積との積で決まる。従って、循環ポンプの排出流量及び吸引経路の断面積を同一とした場合において、吸引経路を1つとしたときの吸引流体の流速をVとすると、吸引経路を2つとしたときの吸引流体の流速はV/2となる。すなわち、吸引経路を2つとした場合、吸引経路1つの当たりの吸引流体の流速は遅くなり、鍋6内で発生した蒸気をゆっくり吸引することになる。循環ポンプが鍋6内の蒸気を吸引したとき、蒸気吸引口35の近傍の鍋6内の空間の絶対湿度は低下する。吸引経路を2つとした場合、鍋6内で発生した蒸気をゆっくり吸引するので、前記絶対湿度の低下を抑えることができる。これにより、結果として、循環ポンプが吸引する蒸気の量が多くなり、半閉鎖空間20に導入される過熱蒸気の量が多くなる。
【0084】
従って、本第3実施形態にかかる炊飯器によれば、循環ポンプ132が2つの吸引経路132Aa,132Abを備えているので、鍋6内に導入される過熱蒸気の量を多くすることができる。これにより、ご飯の食味をより良好にすることができる。
【0085】
なお、蒸気排出経路59の一部である蒸気通過用孔21aの近傍の鍋2内の空間は、他の鍋2内の空間に比べて絶対湿度が低くなるので、蒸気吸引口35は、蒸気通過用孔21aから50mm以上離して設けることが好ましい。また、2つの蒸気吸引口35,35も、同様の理由により、互いに50mm以上離して設けることが好ましい。
【0086】
また、本第3実施形態においては、吸引経路を2つ設けたが、3つ以上設けてもよい。この場合、吸引経路を2つとする場合よりも更に、鍋6内に導入される過熱蒸気の量を多くして、ご飯の食味をより良好にすることができる。
【0087】
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明にかかる炊飯器は、「おねば」が循環ポンプ内に侵入することを防止して、ご飯の食味を向上させるとともにメンテナンスを容易にすることができるので、一般家庭用及び業務用の炊飯器等として有用である。
【符号の説明】
【0089】
1 炊飯器本体
2 保護枠胴
3 保護枠
4 鍋収納部
5 枠体
6 鍋
7,8 鍋加熱装置
9 断熱材
10 フェライト
11 遮蔽板
12 鍋温度センサ
13 マイコン
14 加熱電力送出部
15 ファンモータ
16 ヒートシンク
17 ヒンジ軸
18 蓋体
19 蓋カバー
20 上蓋板
21 下蓋板
22 フック
23 スプリング
24 蒸気循環路
25 蒸気通路
26 底壁(隔壁)
27 蒸気加熱装置
28 温度ヒューズ
29 反射板
30,31,34,38,55 パッキン
32,64 循環ポンプ
32A,64A 吸引経路
32B,64B 排出経路
33 吸引管
35 蒸気吸引口
36 吐出管
37 蒸気吐出口
39 蒸気放出口
40 蓋センサ
41 センサバネ
42,43 弁
44,45 切込み
46 操作部
47 透明な樹脂
48 操作基板
49 基板カバー
50 液晶
51 フィルム
52 エンボス部
53 キートップ
54 タクトスイッチ
56 リブ
58 排出筒
59 蒸気排出経路
61 マグネット
62 リードスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に鍋収納部が形成された略有底筒状の炊飯器本体と、
前記炊飯器本体の上部開口部を開閉可能な蓋体と、
前記鍋収納部に収納される鍋と、
前記鍋を加熱する鍋加熱装置と、
前記鍋内で発生した蒸気を、吸引経路を通じて吸引し、排出経路を通じて前記鍋内に排出する循環ポンプと、
前記循環ポンプから排出される蒸気を加熱して過熱蒸気とする蒸気加熱装置と、
前記吸引経路内に設けられ、前記鍋内で発生した蒸気の通過を許容する一方で、前記鍋内で発生したおねばの通過を阻止する弁と、
を備える、炊飯器。
【請求項2】
前記弁は、切込みを入れた膜状部材で構成されている、請求項1に記載の炊飯器。
【請求項3】
前記弁は、膜状部材の中央部から放射状に切込みを入れて構成されている、請求項1に記載の炊飯器。
【請求項4】
内部に鍋収納部が形成された略有底筒状の炊飯器本体と、
前記炊飯器本体の上部開口部を開閉可能な蓋体と、
前記鍋収納部に収納される鍋と、
前記鍋を加熱する鍋加熱装置と、
前記鍋内で発生した蒸気を、吸引経路を通じて吸引し、排出経路を通じて前記鍋内に排出する循環ポンプと、
前記循環ポンプから排出される蒸気を加熱して過熱蒸気とする蒸気加熱装置と、
を備え、
前記循環ポンプは、前記鍋内で発生したおねばが侵入しないように気密型のポンプで構成されている、炊飯器。
【請求項5】
前記蓋体は、互いの間に前記排出経路の一部となる蒸気通路が形成されるように、前記蓋体の鍋側において互いに略平行に配置された蓋体側蓋板及び鍋側蓋板を備え、
前記蒸気加熱装置は、前記蓋体側蓋板及び鍋側蓋板の少なくとも一方を加熱して前記蒸気通路を通る蒸気を過熱蒸気とする、
請求項1〜4のいずれか1つに記載の炊飯器。
【請求項6】
前記蓋体側蓋板は、非磁性材で構成され、
前記鍋側蓋板は、磁性材で構成され、
前記蒸気加熱装置は、誘導加熱コイルを備え、
前記誘導加熱コイルは、当該誘導加熱コイルから発生する磁力線が前記蓋体側蓋板を通じて前記鍋側蓋板に供給されるように配置されている、
請求項5に記載の炊飯器。
【請求項7】
前記吸引経路が複数設けられている、請求項1〜6のいずれか1つに記載の炊飯器。
【請求項8】
前記鍋内の蒸気を炊飯器の外部に排出するための蒸気排出経路が前記蓋体、前記蓋体側蓋板、及び前記鍋側蓋板を貫通するように設けられ、
前記それぞれの吸引経路が前記鍋内と連通する部分は、前記蒸気排出経路が前記鍋内と連通する部分から50mm以上離れて配置されている、請求項7に記載の炊飯器。
【請求項9】
前記それぞれの吸引経路が前記鍋内と連通する部分は、互いに50mm以上離れて配置されている、請求項7又は8に記載の炊飯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−119832(P2010−119832A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−209275(P2009−209275)
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】