説明

炊飯器

【課題】複数機種のプログラムを搭載した制御部を実装した基板を複数機種間で共用可能とすることにより、生産性の高い炊飯器を提供すること。
【解決手段】複数機種の制御プログラムを有する制御部8と、制御部8が実行するプログラムを選択する機種選択部11と、機種選択部11から出力を検出するために制御部8に具備された入力ポートを用いた第1の検出部12とを備え、制御部8を操作基板6に配置し機種選択部11を加熱基板7に配置することにより、操作基板6に接続する加熱基板7の組み合わせにより複数機種に対応できる構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数機種のプログラムを搭載した制御部を有する炊飯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の炊飯器は図4に示すように構成していた(例えば、特許文献1参照)。以下、その構成について説明する。
【0003】
図4は特許文献1に記載された従来の炊飯器の回路図を示すものである。図4に示すように、ヒータ133、134は、加熱手段を構成し、このヒータ133、134への通電を、リレー駆動手段129、130により駆動されるリレー131、132により制御している。制御手段120は、複数機種のプログラムを有し、キー入力手段125、126と、機器の情報を表示する表示手段128とを接続し、リレー駆動手段129、130を制御するよう構成している。
【0004】
プログラム切換手段121、122、123は、スイッチまたはジャンパー線により構成して制御手段120に接続し、プログラム切換手段121、122、123からの情報をプログラム切換検出手段P0、P1、P2より検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2−193612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の構成では、プログラム切換手段121、122、123が制御手段120を実装する基板上に設けられるため、複数機種のプログラムを有する制御手段120を実装した基板は、プログラム切換手段121、122、123の設定された機種の専用基板となる。このため同じ制御手段120が実装された基板であっても異なる機種間で共用することができない。したがって制御手段120が実装される基板は機種毎に生産・管理しなければならず、生産性ならびにコスト面においての問題を有していた。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、複数機種のプログラムを搭載した制御部を実装した基板を複数機種間で共用可能とすることにより、生産性の高い炊飯器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明の炊飯器は、複数機種の制御プログラムを有する制御部と、前記制御部が実行するプログラムを選択する機種選択部と、前記機種選択部から出力を検出するために前記制御部に具備された入力ポートを用いた検出部とを備え、前記制御部が実装される基板と異なる基板に前記機種選択部を実装したものである。
【0009】
これによって、制御部が実装されている基板と機種選択部が実装されている基板との組合せにより制御部は機種選択することが可能となるので、複数機種のプログラムを搭載した制御部を実装した基板は複数機種間で共用することができる。このことにより、複数機種のプログラムを搭載した制御部と機種選択部が同じ基板に実装されているがために機種毎の専用基板となる場合に比べ生産数量が増加し、このことにより低コスト化を図ることができる。さらに制御部を実装した基板は機種間で共用することができるので機種毎に存
在した基板の管理工数を削減することができ、生産性を高めることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の炊飯器は、複数機種のプログラムを搭載した制御部を実装し複数機種間で共用できる基板と機種選択部を備え機種毎に専用となる基板との組合せにより構成することで、生産性が高い炊飯器を提供することできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1,2における炊飯器の断面図
【図2】本発明の実施の形態1における炊飯器の一部ブロック化した要部回路図
【図3】本発明の実施の形態2における炊飯器の一部ブロック化した要部回路図
【図4】従来の炊飯器の一部ブロック化した要部回路図
【発明を実施するための形態】
【0012】
第1の発明は、複数機種の制御プログラムを有する制御部と、前記制御部が実行するプログラムを選択する機種選択部と、前記機種選択部から出力を検出するために前記制御部に具備された入力ポートを用いた検出部とを備え、前記制御部が実装される基板と異なる基板に前記機種選択部を実装することにより、前記制御部が実装されている基板と前記機種選択部が実装されている基板との組合せにより前記制御部は機種選択することが可能となるので、複数機種のプログラムを搭載した制御部を実装した基板は複数機種間で共用することができる。このことにより、複数機種のプログラムを搭載した制御部と機種選択部が同じ基板に実装されているがために機種毎の専用基板となる場合に比べ生産数量が増加するので低コスト化を図ることができる。さらに制御部を実装した基板は機種間で共用することができるので機種毎に存在した基板の管理工数を削減することができ、生産性を高めることができる。
【0013】
第2の発明は、特に、第1の発明の検出部を制御部に具備されたAD入力ポートを用いて構成することにより、1入力ポートあたり3機種以上の機種判定が可能となる。
【0014】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、制御部がプログラム選択判定を少なくとも電磁誘導加熱方式により加熱する加熱部が停止しているときに行うようにしたことにより、検出部は加熱部動作中に発生するノイズの影響を受けないので、検出部が加熱部からのノイズによる誤動作を防止することができる。
【0015】
第4の発明は、特に、第1または第2の発明において、制御部がプログラム選択判定を少なくともリセット解除時に行うようにしたことにより、リセット解除直後からから機種設定に応じた動作をすることができる。
【0016】
第5の発明は、特に、第1または第2の発明において、制御部がプログラム選択判定を少なくとも停電復帰時に行うようにしたことにより、機器が使用可能となる度に機種判定をすることができるので、機種判別の信頼性を高めることができる。
【0017】
第6の発明は、特に、第1または第2の発明において、制御部がプログラム選択判定を少なくとも炊飯開始時に行うようにしたことにより、使用者が炊飯を開始する度に機種判別をすることができ、より信頼性の高い機種判別を行うことが可能となる。
【0018】
第7の発明は、特に、第1または第2の発明において、制御部がプログラム選択判定を所定の周期で行うようにしたことにより、何らかの原因で機種認識が変化しても所定の周期で正しい機種設定に戻すことが可能となり信頼性を高めることができる。
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0020】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における炊飯器の断面図を示すものである。なお、図面を簡潔にするために、電気的接続のためのリード線等は省略している。
【0021】
図1において、炊飯器本体1は、内部に米と水を入れる鍋2を着脱自在に収納可能な鍋収納部3を備え、炊飯器本体1の上面開口部には、鍋2を着脱可能なように開閉自在な外蓋4を備えている。鍋2は磁束を通す金属を複数用いた積層体で構成されており、上端開口部に外側にせり出したフランジを有し、このフランジを鍋収納部3の上端から浮き上がった状態で載置することにより、鍋収納部3に着脱自在に収納される。加熱部5の一構成要素である加熱コイル5aは、鍋収納部3の外側には鍋2の底面部に対向するように渦巻状に巻かれたコイルで、鍋2底部の中心略真下に中心を有するよう配置されている。鍋2と加熱コイル5aとは磁気的に結合しており、鍋2は加熱コイル5aから発生する高周波磁界により誘導加熱される。外蓋4の内部には操作基板6を配置し、炊飯器本体1の下方部には加熱基板7を配置している。この操作基板6と加熱基板7とは着脱可能な接続部(図示せず)を介して電気的に接続されている。
【0022】
操作基板6上には、複数機種の制御プログラムを搭載したマイクロコンピュータなどからなる制御部8を配置するとともに炊飯器を操作するための操作部9や炊飯器の状態を表示するための表示部10などを配置している。
【0023】
一方、加熱基板7上には、加熱部5の一構成要素であるインバータ回路5bが配置されている。このインバータ回路5bは共振用コンデンサ5cやIGBTなどの半導体スイッチング素子5dや半導体スイッチング素子5dの駆動回路部5eなどで構成されており、制御部8からの駆動信号に基づき加熱コイル5aに高周波電流を供給するものである。さらに加熱基板7上にはインバータ回路5bや制御部8が搭載している複数機種の制御プログラムの中から実行すべきプログラムを選択するための機種選択部11などを配置している。この機種選択部11は制御部8に具備された第1の検出部12と接続されている。第1の検出部12は入力電圧に応じてHiとLoとの2値を得る入力ポートP0である。
【0024】
図2は、本発明の実施の形態1における炊飯器の一部ブロック化した要部回路図を示すものである。
【0025】
機種選択部11は、抵抗器11aと抵抗器11bにより構成しており、抵抗器11aと抵抗器11bとは互いに接続するとともに、抵抗器11aの一端はDC電源(図示せず)に接続し、抵抗器11aの一端はGNDに接続している。抵抗器11aと抵抗器11bとの接続点は第1の検出部12に接続されている。制御部8には機種Aと機種Bの2つの機種のプログラムが搭載されており、制御部8に機種Aのプログラムを選択させる場合、機種選択部11は抵抗器11aのみとする。このことにより第1の検出部12である入力ポートはHiとなるので、制御部8は機種Aのプログラムを選択し、機種Aのプログラムに基づいて加熱部5を駆動させる。制御部8に機種Bのプログラムを選択させる場合、機種選択部11は抵抗器11bのみとする。このことにより第1の検出部12である入力ポートはLoとなるので、制御部8は機種Bのプログラムを選択し、機種Bのプログラムに基づいて加熱部5を駆動させる。
【0026】
機種Aと機種Bとの相違点としては、例えば炊飯容量、炊飯コース、鍋2の形状や鍋2に用いられる材料、消費電力などがある。炊飯容量が違う場合おいては、少なくとも鍋2の内容量が異なってくる。鍋2の内容量が異なると内容量に応じた火力(消費電力)が必
要になるとともに炊飯プログラムについても異なったシーケンスで炊飯する必要が生じる。このため炊飯容量に応じたプログラムを制御部8に搭載し、これを炊飯容量にあわせて切り換えることで美味しいご飯が炊ける炊飯器を実現している。また、炊飯コースが異なる場合においては、ユーザが選択できる炊飯コースに違いを設けたり、あるいは機種毎にユーザが選択できる炊飯コース数に違いを設けたりしている。このため複数機種のプログラムを搭載した制御部8は機種選択を行った上で動作する必要がある。鍋2の形状や鍋2に用いられる材料が異なる場合においては、鍋2と加熱コイル5aとの磁気的な結合状態に違いが生じるので、インバータ回路5bを構成する部品(共振用コンデンサ5cの静電容量や半導体スイッチング素子5dの耐圧など)を鍋2の形状や材料に応じて変更している。このため、制御部8は機種選択を行った上でインバータ回路5bに合わせた駆動信号を出力する必要がある。
【0027】
以上のように、本実施の形態においては、複数機種の制御プログラムを有する制御部8と、制御部8が実行するプログラムを選択する機種選択部11と、機種選択部11から出力を検出するために制御部8に具備された入力ポートを用いた第1の検出部12とを備え、制御部8と機種選択部11とが組合せ可能な操作基板6と加熱基板7にそれぞれ実装する構成とすることにより、制御部8が実装される操作基板6を複数機種間で共用することができるので、操作基板6が機種毎の専用基板である場合に比べ制御部8が実装される操作基板6の生産数量が増加し、このことにより低コスト化を図ることができる。さらに制御部8が実装される操作基板6を機種間で共用することができるので機種毎に存在した操作基板の管理工数を削減することができ、生産性を高めることができる。
【0028】
さらに、本実施の形態における制御部8の行うプログラム選択は、加熱部5が停止しているとき、あるいはリセット解除時、あるいは停電復帰時、あるいは待機状態から炊飯や保温など加熱部5が動作開始するとき、あるいは例えば所定の周期で行ってもよく、またこれらを組み合わせたタイミングで実施してよい。
【0029】
加熱部5が停止しているときに制御部8がプログラム選択を行うようにすれば、第1の検出部12は加熱部5動作中に発生するノイズの影響を受けないので、第1の検出部12が加熱部5からのノイズによる誤動作することを防止することができる。
【0030】
また、リセット解除時に制御部8がプログラム選択を行うようにすれば、制御部8はリセット解除直後からから機種設定に応じた動作をすることができる。
また、停電復帰時に制御部8がプログラム選択を行うようにすれば、停電復帰により機器が使用可能となる度に機種判定をすることができるので、機種判別の信頼性を高めることができる。
【0031】
また、待機状態から炊飯状態や保温状態となり加熱部5が動作開始するときに制御部8がプログラム選択を行うようにすれば、機器が動作開始する度に機種判別をすることができ、より信頼性の高い機種判別を行うことが可能となる。
【0032】
また、所定の周期で制御部8がプログラム選択を行うようにすれば、何らかの原因で機種認識が変化しても所定の周期で正しい機種設定に戻すことが可能となり信頼性を高めることができる。
【0033】
なお、本実施の形態における炊飯器の基板を操作基板6と加熱基板7との2種類で構成したが、特にこの限りでなくともよく、3種類以上の基板で構成してもよい。
【0034】
また、本実施の形態における機種選択部11を加熱基板7上に配置したが、特にこの限りでなくともよく、機種選択部11を制御部と組合せ可能な異なる基板に実装すればよい。
【0035】
また、本実施の形態における操作基板6を外蓋4の内部に配置したが、特にこの限りでなくともよく、例えば操作基板6を炊飯器本体1の下方部に配置してもよい。
【0036】
また、本実施の形態における機種選択部11は、固定抵抗器により構成したが、特にこの限りでなくともよく、スイッチまたはジャンパー線で構成してもよい。
【0037】
また、本実施の形態においては機種選択部11と第1の検出部12を1組での入出力で構成したため、制御部8は2機種間での選択となったが、特にこの限りでなくともよく、機種選択部11と第1の検出部12を複数組の入出力で構成し、2機種以上の機種選択ができる構成としてもよい。
【0038】
(実施の形態2)
図1は本発明の実施の形態2における炊飯器の断面図を示すものである。なお、図面を簡潔にするために、電気的接続のためのリード線等は省略している。
【0039】
図3は、本発明の実施の形態2における炊飯器の一部ブロック化した要部回路図を示すものである。
【0040】
図3において、第2の検出部13は制御部8に具備されたアナログ−デジタル変換入力ポート(以下、AD入力ポートという)AD0を用いたものである。また、基準電圧部14は制御部8に具備され第2の検出部13のアナログ−デジタル変換用基準電圧を入力するポートである。
【0041】
他の構成は上記実施の形態1と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0042】
機種選択部11は、抵抗器11aと抵抗器11bにより構成しており、抵抗器11aと抵抗器11bとは互いに接続するとともに、抵抗器11aの一端は基準電圧部14と同じDC(図示せず)に接続し、抵抗器11aの一端はGNDに接続している。抵抗器11aと抵抗器11bとの接続点は第2の検出部13に接続されている。制御部8には機種Aと機種Bと機種Cの3つの機種のプログラムが搭載されており、制御部8に機種Aのプログラムを選択させる場合、第2の検出部13への入力電圧が基準電圧部14の2/3以上の電圧となるように抵抗器11aと抵抗器11bの抵抗値を選定する。制御部8に機種Bのプログラムを選択させる場合、第2の検出部13への入力電圧が基準電圧部14の1/3以上2/3未満の電圧となるように抵抗器11aと抵抗器11bの抵抗値を選定する。制御部8に機種Cのプログラムを選択させる場合、第2の検出部13への入力電圧が基準電圧部14の1/3未満の電圧となるように抵抗器11aと抵抗器11bの抵抗値を選定する。制御部8は第2の検出部13の入力電圧に応じて機種を選定し、選定した機種のプログラムに基づいて加熱部5を駆動させる。
【0043】
機種間での相違点としては、例えば炊飯容量、炊飯コース、鍋2の形状や鍋2に用いられる材料、消費電力などがある。炊飯容量が違う場合おいては、少なくとも鍋2の内容量が異なってくる。鍋2の内容量が異なると内容量に応じた火力(消費電力)が必要になるとともに炊飯プログラムについても異なったシーケンスで炊飯する必要が生じる。このため炊飯容量に応じたプログラムを制御部8に搭載し、これを炊飯容量にあわせて切り換えることで美味しいご飯が炊ける炊飯器を実現している。また、炊飯コースが異なる場合においては、ユーザが選択できる炊飯コースに違いを設けたり、あるいは機種毎にユーザが選択できる炊飯コース数に違いを設けたりしている。このため複数機種のプログラムを搭載した制御部8は機種選択を行った上で動作する必要がある。鍋2の形状や鍋2に用いら
れる材料が異なる場合においては、鍋2と加熱コイル5aとの磁気的な結合状態に違いが生じるので、インバータ回路5bを構成する部品(例えば共振用コンデンサ5cの静電容量や半導体スイッチング素子5dの耐圧など)を鍋2の形状や材料に応じて変更している。このため、制御部8は機種選択を行った上でインバータ回路5bに合わせた駆動信号を出力する必要がある。
【0044】
以上のように、本実施の形態においては、複数機種の制御プログラムを有する制御部8と、制御部8が実行するプログラムを選択する機種選択部11と、機種選択部11から出力を検出するために制御部8に具備されたAD入力ポートを用いた第2の検出部13とを備え、制御部8と機種選択部11とが組合せ可能な操作基板6と加熱基板7にそれぞれ実装する構成とすることにより、制御部8が実装される操作基板6を複数機種間で共用することができるので、操作基板6が機種毎の専用基板である場合に比べ制御部8が実装される操作基板6の生産数量が増加し、このことにより低コスト化を図ることができる。さらに制御部8が実装される操作基板6を機種間で共用することができるので機種毎に存在した操作基板の管理工数を削減することができ、生産性を高めることができる。
【0045】
さらに、本実施の形態における制御部8の行うプログラム選択は、加熱部5が停止しているとき、あるいはリセット解除時、あるいは停電復帰時、あるいは待機状態から炊飯や保温など加熱部5が動作開始するとき、あるいは例えば所定の周期で行ってもよく、またこれらを組み合わせたタイミングで実施してよい。
【0046】
加熱部5が停止しているときに制御部8がプログラム選択を行うようにすれば、第1の検出部12は加熱部5動作中に発生するノイズの影響を受けないので、第1の検出部12が加熱部5からのノイズによる誤動作することを防止することができる。
【0047】
また、リセット解除時に制御部8がプログラム選択を行うようにすれば、制御部8はリセット解除直後からから機種設定に応じた動作をすることができる。
【0048】
また、停電復帰時に制御部8がプログラム選択を行うようにすれば、停電復帰により機器が使用可能となる度に機種判定をすることができるので、機種判別の信頼性を高めることができる。
【0049】
また、待機状態から炊飯状態や保温状態となり加熱部5が動作開始するときに制御部8がプログラム選択を行うようにすれば、機器が動作開始する度に機種判別をすることができ、より信頼性の高い機種判別を行うことが可能となる。
【0050】
また、所定の周期で制御部8がプログラム選択を行うようにすれば、何らかの原因で機種認識が変化しても所定の周期で正しい機種設定に戻すことが可能となり信頼性を高めることができる。
【0051】
なお、本実施の形態における炊飯器の基板を操作基板6と加熱基板7との2種類で構成したが、特にこの限りでなくともよく、3種類以上の基板で構成してもよい。
【0052】
また、本実施の形態における機種選択部11を加熱基板7上に配置したが、特にこの限りでなくともよく、機種選択部11を制御部と組合せ可能な異なる基板に実装すればよい。
【0053】
また、本実施の形態における操作基板6を外蓋4の内部に配置したが、特にこの限りでなくともよく、例えば操作基板6を炊飯器本体1の下方部に配置してもよい。
【0054】
また、本実施の形態における機種選択部11は、固定抵抗器のみにより構成したが、特にこの限りでなくともよく、スイッチまたはジャンパー線を含めて構成してもよい。
【0055】
また、本実施の形態においては機種選択部11と第2の検出部13とを1組の入出力で構成したが、特にこの限りでなくともよく、入出力の構成を複数組としてもよい。
【0056】
また、第2の検出部13で選択できる機種数を3機種としたが、特にこの限りでなくともよい。
【産業上の利用可能性】
【0057】
以上のように、本発明にかかる炊飯器は、複数の基板で構成される炊飯器における生産性を高めることが可能であり、炊飯器のみならず、自動製パン機など他の熱調理機器にも適用できる。
【符号の説明】
【0058】
1 炊飯器本体
2 鍋
3 鍋収納部
4 外蓋
5 加熱部
5a 加熱コイル
5b インバータ回路
5c 共振用コンデンサ
5d 半導体スイッチング素子
6e 駆動回路部
6 操作基板
7 加熱基板
8 制御部
9 操作部
10 表示部
11 機種選択部
12 第1の検出部
13 第2の検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数機種の制御プログラムを有する制御部と、前記制御部が実行するプログラムを選択する機種選択部と、前記機種選択部から出力を検出するために前記制御部に具備された入力ポートを用いた検出部とを備え、前記制御部が実装される基板と異なる基板に前記機種選択部を実装した炊飯器。
【請求項2】
前記検出部は前記制御部に具備されたAD入力ポートである請求項1記載の炊飯器。
【請求項3】
電磁誘導加熱方式により加熱する加熱部を備え、前記制御部はプログラム選択判定を少なくとも前記加熱部が停止しているときに行うようにした請求項1または2に記載の炊飯器。
【請求項4】
前記制御部はプログラム選択判定を少なくともリセット解除時に行うようにした請求項1または2に記載の炊飯器。
【請求項5】
前記制御部はプログラム選択判定を少なくとも停電復帰時に行うようにした請求項1または2に記載の炊飯器。
【請求項6】
前記制御部はプログラム選択判定を少なくとも炊飯開始時に行うようにした請求項1または2に記載の炊飯器。
【請求項7】
前記制御部はプログラム選択判定を所定の周期で行うようにした請求項1または2に記載の炊飯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−104262(P2011−104262A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−265043(P2009−265043)
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】