説明

炊飯器

【課題】外ケースと電線との間に絶縁性を有するカバー部材を設けることにより、電線に対して外部からのノイズ並びに静電気の影響を低減することを目的とする。
【解決手段】外ケースと、前記外ケース内に設けられる内ケースと、前記内ケース内に設けられる内鍋と、前記内鍋を加熱する電磁誘導コイルと、操作基板と、電源基板と、前記操作基板と前記電源基板とを接続する電線を有する炊飯器であって、前記外ケースと前記電線との間に絶縁性を有するカバー部材を有する炊飯器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、加熱手段として電磁誘導コイルを用いる炊飯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近の炊飯器は、多くの便利な機能が付加されている。例えば、加熱手段として電磁誘導コイル等からなる誘導加熱方式もその一つであり、効率的な炊飯制御並びにその後の長時間に亘る的確な保温制御を行うことができる等、非常に使い勝手の良い製品の一つとなっている。
【0003】
加熱手段として電磁誘導コイルからなる誘導加熱方式を採用する炊飯器は、多くの制御素子を有し、それらの素子を載置する基板も、例えば、液晶表示装置及び各種スイッチ等が載置される操作基板、及びIGBT等の各種制御素子が載置される電源基板を有し、これら基板間を電線であるジーゼル線及びフラットケーブル等で接続している。
【0004】
これら基板に載置される素子は、外部からのノイズにより影響を受け易い。このような弊害をなくすため、従来、図12に示すものが知られている。この炊飯器は、炊飯器本体1の側部に電源基板2を設け、電源基板2の外方に背面カバー3を設けるものである。
【0005】
そして、電源基板2と背面カバー3との間に絶縁部材4を設け、更にその外方を不燃性材料のバリア5と防水カバー6で覆い、一端が電源基板2に接続されるフラットケーブル7の他端を、背面カバー3と防水カバー6との間を通して上方に導き、操作基板8に接続している(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
ところで、フラットケーブル(FFC)は、絶縁皮膜が薄い。この絶縁皮膜が薄いフラットケーブルを炊飯器の外ケース近傍に配置されるもの(例えば、上記従来例のようなもの)で実験すると、外部からのノイズの影響を受け易く、フラットケーブルがノイズの影響を受けると回路素子に悪影響を及ぼすことが分かった。
【0007】
また、この外ケースが金属製の場合には、静電気の影響を受け易く、フラットケーブルが静電気の影響を受けると回路素子に悪影響を及ぼすことが分かった。そして、そのような弊害をなくすためには、フラットケーブル等の電線を外ケースより離して設ける必要が生ずるが、そのようにするとフラットケーブルが他の部材に当たり絶縁皮膜が破損したり、炊飯器が大型化するという問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−119823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本願発明の目的は、外ケースとフラットケーブル等の電線との間に絶縁性を有するカバー部材を設けることにより、電線に対して外部からのノイズ並びに静電気の影響を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本願発明は以下の構成を採用する。
【0011】
請求項1に係る発明では、外ケースと、前記外ケース内に設けられる内ケースと、前記内ケース内に設けられる内鍋と、前記内鍋を加熱する電磁誘導コイルと、操作基板と、電源基板と、前記操作基板と前記電源基板とを接続する電線を有する炊飯器であって、前記外ケースと前記電線との間に絶縁性を有するカバー部材を有する構成。
【0012】
請求項2に係る発明では、前記カバー部材は、前記電線を止めるための係止部を有する構成。
【0013】
請求項3に係る発明では、冷却ファンを有し、前記カバー部材は、前記冷却ファンまで伸び、前記冷却ファンからの冷却風を前記操作基板及び前記電源基板の方向にガイドする構成。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明では、外ケースと基板間を接続するフラットケーブル等の電線との間に絶縁性を有するカバー部材を設けることにより、フラットケーブル等の電線がノイズ或いは静電気の影響を受ける弊害を防止することができる。その結果、フラットケーブル等の電線を外ケース近傍に配置することができ、炊飯器を小型化できる。
【0015】
請求項2に係る発明では、カバー部材にフラットケーブル等の電線を止めるための係止部を設けることにより、電線を位置決めすることができる。特に、フラットケーブルは他の部材、例えば、冷却フィン等に当たって絶縁皮膜が破損する恐れを防止或いは低減することができる。
【0016】
請求項3に係る発明では、カバー部材を冷却ファンまで伸ばして冷却ファンからの冷却風を基板の方向にガイドすることにより、回路素子等の冷却効果をより向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本願発明の炊飯器の全体断面図
【図2】本願発明の炊飯器の底面図
【図3】図2の前方側(図の左側)の一部拡大図
【図4】本願発明のカバー部材の正面図
【図5】本願発明のカバー部材の底面図
【図6】本願発明のカバー部材の背面図
【図7】本願発明の他のカバー部材の底面図
【図8】本願発明の他のカバー部材の背面図
【図9】本願発明の更に他のカバー部材の正面図
【図10】図9の背面図
【図11】本願発明の更に他のカバー部材を示す図3と同様の一部拡大図
【図12】従来例の炊飯器の断面図。
【実施例】
【0018】
図1は、炊飯器に本願発明を適用した断面図を示し、図2、3は、その底面図及び一部拡大図を示し、図4乃至図6は、カバー部材の正面図、底面図及び背面図を示す。なお、炊飯器は、基板側(図1の左側)を前方側とし、その反対側のヒンジ機構側(図1の右側)を後方側とする。
【0019】
炊飯器1は、図1に示すように大別して、容器本体2と、該容器本体2の上方に設けられる蓋部材3とを有する。前記蓋部材3は、ポリプロピレン(PP)等からなる樹脂製で、上部材4、下部材5及び内カバー6を有する。そして上部材4及び下部材5間に形成される内部空間には断熱材7が設けられる。
【0020】
また、蓋部材3の中央部には、調圧蓋8が設けられる。調圧蓋8内には弁部材9が設けられ、内部の圧力が所定以上になると、弁部材9が解放され、内部の蒸気を調圧蓋8内に形成される蒸気通路10を介して蒸気口11より外部に放出する。
【0021】
更に、蓋部材3の後方側には、既に公知のバネ材を内在したヒンジ機構12が設けられ、炊飯器1の前方側上部に設けられるロック部材13を施錠ないし開錠することにより蓋部材3を容器本体2に対して開閉自在にしている。
【0022】
前記容器本体2は、外壁を形成する外ケース15、該外ケース15内にあり内壁を形成する内ケース16、それら内外ケース15、16の上端部を形成する肩部材17、及び炊飯器1の底部を形成する底部材18を有している。
【0023】
前記外ケース15は、鋼板やステンレス等の金属製で、上下開口の円筒状からなり、炊飯器1の胴部を形成している。前記肩部材17は、樹脂製等からなり、容器本体2の上端部を形成するとともに、その後方側にはヒンジ機構12が設けられ、その外周側部には取手19が設けられる。
【0024】
容器本体2の内壁を形成する前記内ケース16は、内鍋25とほぼ同形状のW字状とされ、その底部中央には上方に突き出た突出部20が形成され、更に突出部20の中央には温度センサ21が突き出るためのセンサ貫通孔22が設けられる。
【0025】
また、内ケース16の外周上には、リング状の保温ヒータ23がアルミシートで張り付けられ、内部に収納される内鍋25を側部より保温する。そしてこれら外ケース15及び内ケース16は、肩部材17に対して図示しない係止片及び係止溝を用いた無理嵌め手段、及び図示しないビスによって強固に連結固定される。
【0026】
炊飯器1の底部を形成する底部材18は、内ケース16と同様の樹脂製で形成され、外ケース15に対して図示しない係止片及び係止溝を用いた無理嵌め手段によって取り付けられるとともに、その前方側には、複数の吸気口24が、その後方側には図示しない排気口が設けられる。
【0027】
内ケース16内には内鍋25が収納される。内鍋25は、内部に誘起される渦電流が大となる高磁性材料からなる鉄製、或いは磁性ステンレス等から形成するか、或いは、その全体を土鍋製とし、電磁誘導コイルの磁束が当たる底部にのみ表皮抵抗の大きい磁性ステンレスを圧着したり、鉄を溶着して形成したものを用いることができる。
【0028】
その全体は、内ケース16と同様の断面W字状を呈してなり、該内鍋25を内ケース16内に収納すると内鍋25の中央底面が、内ケース16の底部中央に形成されるセンサ貫通孔22を介して突出する温度センサ21の頂部を押圧する。すると該温度センサ21は、押し下げられ、制御回路を通電し、炊飯器1の加熱制御を可能にする。即ち、内鍋25を内ケース16内に収納しなければ、加熱制御が行われないように設定されている。
【0029】
温度センサ21は、公知のもので内鍋25の温度を検知するサーミスタ等を有する。そして、内ケース16内に飯米等の内容物を入れた内鍋25を収納し、その上方開口を蓋部材3で閉蓋し、電磁誘導コイルによる誘導加熱が行われる。
【0030】
前記内ケース16の下面底部及び側部には、それぞれ底部コイル26及びコーナーコイル27からなる電磁誘導コイルが配置され、これら底部コイル26及びコーナーコイル27はコイル台28により固定される。
【0031】
炊飯器1の前方側上方には、操作パネル29が設けられ、操作パネル29の下方近傍には、各種スイッチボタン30及び表示装置31等が配置され、基板保持具32aに取付けられる操作基板32が設けられる。
【0032】
また、炊飯器1の前方側下方には、電源基板33が立設する形態で取り付けられる。この電源基板33には、誘導加熱に必要なパワートランジスタ(IGBT)、各種駆動回路等の各種電子回路素子が取り付けられている。これら各種電子回路素子には、例えば前記IGBT等のように発熱する素子がある。そのため、電源基板33には、これら発熱素子の放熱を助けるためのヒートシンクとしての冷却フィン34及び該冷却フィン34を冷却するための冷却ファン35が取り付けられる。
【0033】
そしてこれらの操作装置、並びに各種電子回路素子により、前記底部コイル26、コーナーコイル27及び保温ヒータ23が制御され、最適な炊飯並びに保温制御が行われる。
【0034】
前記冷却ファン35は、各種電子回路素子等を最適な温度に維持するためのもので、底部材18の前方で冷却フィン34の下方に水平に設けられ、その下方の吸気口24から空気を吸引し、上方並びに側方に排出して操作基板32、電源基板33、底部コイル26及びコーナーコイル27等を冷却する。
【0035】
ところで、操作基板32と電源基板33は、電線であるジーゼル線及びフラットケーブル37(FFC)等で接続されるが、その接続箇所は外ケース15の近傍であるとともに、特に、フラットケーブル37は絶縁皮膜が薄い。そのため、フラットケーブル37は、外部からのノイズの影響を受け易く、また、この外ケース15が金属製の場合には、静電気の影響を受け易い。
【0036】
そのため、図1等に示すように、外ケース15の近傍に、外ケース15の内壁に沿う形態でカバー部材40を設けている。このカバー部材40は、本体部41及び取付部48を一体形成した絶縁性を有する樹脂製部材である。なお、絶縁性能は、電安法やIEC規格を満たすものがよい。
【0037】
本体部41は、1つの中央垂直壁部41a、2つの側部垂直壁部41b、41b、2つの前後方向垂直壁部41c、41c、1つの中央水平壁部41d及び2つの側部水平壁部41e、41eを有する。
【0038】
中央垂直壁部41aは、外ケース15の前方側の内壁に対向して設けられる部分で、正面視矩形状で、図4に示すようにその下方右側には矩形状の切欠き42が設けられる。この切欠き42は、フラットケーブル37を棒状突起44に係止し易くするためのものである。
【0039】
前記側部垂直壁部41b、41bは、中央垂直壁部41aの左右端に外ケース15の内壁に沿って設けられる部分で、図4に示すように正面視矩形状である。この側部垂直壁部41b、41bは、図5に示すように中央垂直壁部41aに対して同じ鈍角の角度で折れ曲がったような形態で一体形成される。しかし、外ケース15の内壁に沿うように円弧状の形態で形成してもよい。
【0040】
前記前後方向垂直壁部41c、41cは、側部垂直壁部41b、41bの左右端から後方側に延設される部分で、側面視矩形状であり、その上端には取付部48が一体に形成される。
【0041】
前記中央水平壁部41dは、中央垂直壁部41aの下方内壁から後方側に延設する形態で設けられる部分で、その両端には、スリット45、45が形成される。このスリット45、45は、カバー部材40の左右方向の動きを許容し、カバー部材40を取り付ける際の取付誤差を吸収するとともに、軽量化に寄与する。
【0042】
前記側部水平壁部41e、41eは、中央水平壁部41dの両端に中央水平壁部41dより若干高い位置に一体に設けられ、更には中央垂直壁部41a及び側部垂直壁部41bから後方側に延設し、且つ前後方向垂直壁部41cから左右方向に延設する形態で一体に設けられる部分であり、カバー部材40の強度を高めている。
【0043】
そして、図6に示すように左側の側部水平壁部41eの下面には、中央水平壁部41dと側部水平壁部41e、41eとの高さの差の長さのリブ43が垂下する形態で左右方向に形成されるとともに、リブ43の中央より若干スリット45寄りには、柱状の棒状突起44がリブ43を跨ぐようにリブ43と一体で形成される。
【0044】
この棒状突起44は、リブ43より長く下方に垂下する形態で設けられる。このように、棒状突起44をリブ43から垂下する形態で一体に設けることにより、棒状突起44の強度を高めている。そして、棒状突起44には、フラットケーブル37が係止される。
【0045】
図5に示すように、中央垂直壁部41aと、中央水平壁部41d及び側部水平壁部41eとの間には、2つの貫通孔46、46が設けられる。この貫通孔46、46は、平面視細長い矩形状であり、フラットケーブル37が上下方向に挿通され、フラットケーブル37を外ケース15の近傍で、外ケース15に接触することなく係止する。この貫通孔46、46は、請求項の係止部に相当する。なお、この2つの貫通孔46、46は、お互い連通し、1つの細長い貫通孔46であってもよい。
【0046】
前記取付部48は、図4に示すように本体部41の両端の上端部に左右方向に張り出す形態で一体に設けられる部分で、水平壁部48a、左右方向垂直リブ48b及び前後方向垂直リブ48cを有する。
【0047】
前記水平壁部48a、48aは、前後方向垂直壁部41c、41cの上端部に左右方向に水平に張り出す形態で一体に設けられる部分で、その前方寄りにはそれぞれビス穴49、49が設けられる。このビス穴49、49は、カバー部材40を基板保持具32a、或いは肩部材17にビス止めする際にビスが嵌入する。
【0048】
前記左右方向垂直リブ48b、48b及び前後方向垂直リブ48c、48cは、水平壁部48aの上方に直交する形態で設けられる部分で、一種のリブに相当し、取付部48の強度を高めている。
【0049】
カバー部材40は、上記のような形状をしており、取付部48のビス穴49、49の下方からビスを挿入し、そのビスを基板保持具32a或いは肩部材17のビスネジに螺合することにより取付けられる。カバー部材40が取付けられると、カバー部材40は外ケース15とフラットケーブル37との間に介在することになる。
【0050】
図3に示すように、フラットケーブル37の一端を電源基板33に取付けられるコネクタ部38に接続し、その他端を貫通孔46に挿入して上方に導出する。上方に導出したフラットケーブル37の他端は、操作基板32に設けられる図示しないコネクタ部に接続されることになる。即ち、フラットケーブル37は、貫通孔46により位置決めされる。
【0051】
このようにフラットケーブル37は、中央垂直壁部41aの内側を沿うように上下に伸びることになり、距離的には外ケース15の近傍に位置することになるが、中央垂直壁部41aは絶縁部材であるため、外部からのノイズ、或いは静電気による悪影響が防止される。
【0052】
このような形態にすると、フラットケーブル37と底部コイル26及びコーナーコイル27との間の距離が長くなるため、フラットケーブル37は、底部コイル26及びコーナーコイル27から発生する雑音の影響を受け難くなる。
【0053】
また、電源基板33のコネクタ部38から伸びるフラットケーブル37は、貫通孔46に挿入されるが、貫通孔46に入るの前に、図3に示すように棒状突起44に係止される形態で貫通孔46挿入される。
【0054】
このようにフラットケーブル37の一部分を棒状突起44で係止してフラットケーブル37を貫通孔46に挿入することにより、フラットケーブル37が弛んで他の部材、例えば、冷却フィン34等に当たってその絶縁被膜が破損する恐れをより低減することができる。即ち、棒状突起44も貫通孔46と同様に係止部に相当する。なお、貫通孔46のみの係止でも上記の作用を奏するが、棒状突起44を介在させた棒状突起44との二重係止形態にすればその効果はより高まる。
【0055】
図7及び図8に棒状突起44の変形例を示す。なお、図1乃至図6に示すものと共通なものは同じ符号で示す。この例は、棒状突起44に変えて、棒状突起44の高さと同じ高さを有する平板状部材50を用いるものである。図7にその底面図を示し、図8にその背面図を示す。このような平板状部材50を用いることにより、フラットケーブル37をより電源基板33のコネクタ部38の近傍に寄せて配置することができるため、フラットケーブル37の弛みをより低減することができる。
【0056】
図9及び図10にカバー部材40の変形例を示す。なお、図1乃至図6に示すものと共通なものは同じ符号で示す。このカバー部材60は、本体部41の1つの中央垂直壁部41aと、2つの側部垂直壁部41b、41bとの下端に冷却風ガイド部材61を一体に設けたものである。図9にその正面図を示し、図8にその背面図を示す。
【0057】
この冷却風ガイド部材61は、本体部41の1つの中央垂直壁部41aと、2つの側部垂直壁部41b、41bとの下端部からそれぞれ同じ長さだけ垂下する形態で一体に形成される絶縁性の部分であり、図1で破線で示すように、冷却ファン35の近傍まで垂下する形態で伸びており、冷却ファン35からの冷却風を操作基板32及び電源基板33方向にガイドする。また、上記したように、冷却風ガイド部材61は絶縁性を有しており、フラットケーブル37等に対するノイズ又は静電気の影響をより低減することができる。
【0058】
図11にカバー部材40の更なる変形例を示す。なお、図1乃至図6に示すものと共通なものは同じ符号で示す。このカバー部材70は、中央垂直壁部41aの両端の側部垂直壁部41b、41bから、電源基板33の近傍にまで外ケース15の内面に沿って側部部材71、71を左右方向に伸ばしたものである。即ち、この側部部材71、71は、側部垂直壁部41b、41bの両端に一体に形成される絶縁性の部分である。
【0059】
このように、カバー部材70を外ケース15の前方の幅広い領域に広げて設けることにより、フラットケーブル37等の電線への弊害だけでなく、他の部品へのノイズ又は静電気による弊害をも低減することができる。
【0060】
また、このカバー部材70に、図9及び図10に示すものと同様な冷却風ガイド部材61を下方に垂下する形態で一体に形成してもよい。このような形態にすることにより、冷却風を操作基板32及び電源基板33方向により効率的にガイドすることができる。
【0061】
なお、このようなカバー部材40、60、70を、基板保持具32a又は肩部材17から垂下するようにしてもよく、更には、底部材18から立設するように形成してもよい。
【0062】
本願発明は、上記実施例の構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能である。
【符号の説明】
【0063】
1…炊飯器 2…容器本体
3…蓋部材 4…上部材
5…下部材 6…内カバー
7…断熱材 8…調圧蓋
9…弁部材 10…蒸気通路
11…蒸気口 12…ヒンジ機構
13…ロック部材 15…外ケース
16…内ケース 17…肩部材
18…底部材 19…取手
20…突出部 21…温度センサ
22…センサ貫通孔 23…保温ヒータ
24…吸気口 25…内鍋
26…底部コイル 27…コーナーコイル
28…コイル台 29…操作パネル
30…スイッチボタン 31…表示装置
32…操作基板 32a…基板保持具
33…電源基板 34…冷却フィン
35…冷却ファン 37…フラットケーブル
38…コネクタ部 40…カバー部材
41…本体部 41a…中央垂直壁部
41b…側部垂直壁部 41c…前後方向垂直壁部
41d…中央水平壁部 41e…側部水平壁部
42…切欠き 43…リブ
44…棒状突起 45…スリット
46…貫通孔 48…取付部
48a…水平壁部 48b…左右方向垂直リブ
48c…前後方向垂直リブ 49…ビス穴
50…平板状部材 60…カバー部材
61…冷却風ガイド部材 70…カバー部材
71…側部部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外ケースと、前記外ケース内に設けられる内ケースと、前記内ケース内に設けられる内鍋と、前記内鍋を加熱する電磁誘導コイルと、操作基板と、電源基板と、前記操作基板と前記電源基板とを接続する電線を有する炊飯器であって、
前記外ケースと前記電線との間に絶縁性を有するカバー部材を有することを特徴とする炊飯器。
【請求項2】
前記カバー部材は、前記電線を止めるための係止部を有することを特徴とする請求項1記載の炊飯器。
【請求項3】
冷却ファンを有し、前記カバー部材は、前記冷却ファンまで伸び、前記冷却ファンからの冷却風を前記操作基板及び前記電源基板の方向にガイドすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の炊飯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−228358(P2012−228358A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98158(P2011−98158)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000003702)タイガー魔法瓶株式会社 (509)
【Fターム(参考)】