説明

炭焼窯、竹炭、竹炭含有コンクリート及び漆喰壁

【課題】安価にして耐熱性及び断熱性を向上させることができる炭焼窯及び、この炭焼窯により成形された竹炭を提供する。
【解決手段】竹材が収容されて炭化処理される炭窯本体11をベース10上に配置し、該炭窯本体11の周囲を囲むように、該炭窯本体11との間に間隙29を設けて外枠12を設置し、前記炭窯本体11と該外枠12との間に、断熱砂13を配置した炭焼窯。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、原料材から炭を成形する炭焼窯、この炭焼窯から成形された竹炭、竹炭含有コンクリート及び漆喰壁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からこの種のものとしては、特許文献1に記載されたようなものがある。
【0003】
すなわち、この特許文献1には、「炭焼窯は、前面壁と後面壁を有する筒形状の長尺な炉本体内に1乃至複数の炭化室形成用区分体を摺動自在なるように内装して炉体内が複数の室に区分し得るようになし、当該炉体の前面壁と後面壁を開閉自在にすると共に、当該前面壁には開口を介して外側に焚口部を配設し、当該後面壁には排煙部を設けてなり、前記炉体内には、前方から原料木材を完全に炭化処理をする仕上げ炭化室と、原料木材を不十分な状態に炭化処理をする中間炭化室と、必要に応じて主に原料木材を乾燥処理する予備処理室とが形成できるようにした。」旨記載されている。
【特許文献1】特開2006−77198号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来のものにあっては、炉本体が単なる筒状を呈しており、耐熱性及び断熱性を有する構成が必要であるため、炉本体自体が高価になるという問題がある。
【0005】
そこで、この発明は、安価にして耐熱性及び断熱性を向上させることができる炭焼窯及び、この炭焼窯により成形された竹炭を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を達成するために、請求項1に記載の発明は、原料材が収容されて炭化処理される炭窯本体をベース上に配置し、該炭窯本体の周囲を囲むように、該炭窯本体との間に間隙を設けて外枠を設置し、前記炭窯本体と該外枠との間に、断熱砂を配置した炭焼窯としたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記炭窯本体は、焚き口を有する予熱室と、前記原料材が収容される本窯とを有し、該本窯と前記予熱室とが熱風導入口を介して連通されると共に、前記本窯には煙突が接続され、更に、前記本窯には、前記原材料を収容又は炭化処理された炭を取り出す開口が形成されると共に、該開口を開閉する開閉蓋を設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記ベースは、断熱砂で構成されたことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一つに記載の構成に加え、前記断熱砂で、前記炭窯本体の側部及び上部の全体を覆ったことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一つに記載の構成に加え、前記断熱砂は、陶器を粉砕したものであることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一つに記載の構成に加え、前記断熱砂は、貝殻を粉砕したものであることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の何れか一つに記載の炭焼窯により成形された竹炭としたことを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、竹炭、陶器、プラスチックを粉砕した混合砂をセメントと混合して水を加えて攪拌して成形された竹炭含有コンクリートとしたことを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、水中に配置されて水質浄化及び微生物付着を行い、竹炭がコンクリートに対して所定の割合で混入された竹炭含有コンクリートとしたことを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の構成に加え、前記竹炭とセメントを重量比で3:7で混合し、水を加えて攪拌したことを特徴とする。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項8乃至10の何れか一つに記載の構成に加え、前記竹炭は、400℃以上で炭化したものであることを特徴とする。
【0017】
請求項12に記載の発明は、粉状の漆喰に、粉砕して粉状にした竹炭、水、スサ、糊を混ぜて塗られて固化された漆喰壁としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
上記発明によれば、炭窯本体の周囲を囲むように、炭窯本体との間に間隙を設けて外枠を設置し、炭窯本体と外枠との間に、断熱砂を配置したため、安価な断熱砂で、断熱性を向上させることができ、熱効率を向上させることができる。しかも、枠形状の外枠を配設して、炭窯本体との間に、断熱砂を配設するだけで良いため、簡単な構造にできる。
【0019】
この断熱砂としては、陶器や貝殻を粉砕したものを使用することにより、廃棄された陶器や貝殻を用いることにより、廃棄物の再利用ができる。
【0020】
また、竹炭は、比表面積が大きくなるため、外界からの栄養分を取り入れ易く、微生物が住み付き易く、繁殖し易い環境となっている。また、竹炭は、ミネラルを豊富に含んでおり、これが着生した微生物を一層住み易くしていると共に、特に有機物(臭いや汚れの成分)の分解を得意とする放線菌が良く繁殖することが、実験により明らかになった。
【0021】
従って、テトラポット、排水溝や漆喰壁に、竹炭を用いることにより、この竹炭の孔を住居とする微生物が、吸着した臭いや汚れの成分を分解処理することにより、水や空気をきれいにする。
【0022】
また、竹炭は、硬質で砕け難く、水の流れを阻害することがないので、河川や生活雑排水の水質浄化にも硬化を発揮する。
【0023】
さらに、テトラポット等に竹炭を混入した場合には、表面は竹炭の効果により、一般的なコンクリートの強アルカリ性(pH13程度)が弱アルカリ性(pH10程度)に弱められ、表面に藻や微生物等が付着し易いことから、沿岸の生物環境を良好とすることができる。
【0024】
さらにまた、400℃以上で炭化した竹炭は、実験の結果、200℃で炭化した竹炭より比表面積が大きくなった。また、より望ましくは800℃程度で炭化した竹炭の比表面積が最大となった。従って、かかる比表面積が大きい竹炭を用いることにより、吸着した臭いや汚れの成分をより一層分解処理するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
【0026】
図1乃至図5には、この発明の実施の形態を示す。
【0027】
まず構成を説明すると、この実施の形態の炭焼窯は、図1及び図2に示すように、ベース10上に配置されて「原料材」である竹材が収容されて炭化処理される炭窯本体11と、この炭窯本体11の周囲を囲むように、この炭窯本体11との間に間隙を設けて設置された外枠12と、この炭窯本体11と外枠12との間に断熱砂13が配置されている。炭焼時には、この断熱砂13は、炭窯本体11上にも配置されるようになっている。
【0028】
この炭窯本体11は、鉄板により成形され、図2及び図3に示すように、全長が1800mm程度、幅が600mm程度、高さが600mm程度の大きさの略直方体形状に形成されている。
【0029】
そして、この炭窯本体11は、焚き口15を有する予熱室16と、竹材(原料材)が収容される本窯17とを有している。
【0030】
この予熱室16は、本窯17より小さな直方体形状に形成され、この予熱室16の前壁18に四角形の前記焚き口15が形成され、この焚き口15が四角形の板状の焚き口蓋19により開閉されるようになっている。この予熱室16内で、余剰竹や端材等が燃焼されるようになっている。
【0031】
この予熱室16の前壁18には、四角形の焚き口15の両側縁部20に、上下方向に沿ってガイド部材21が配設され、この両ガイド部材21のガイド溝21aに焚き口蓋19が上方から挿入されて案内されて焚き口15が閉じられ、この閉じた状態から焚き口蓋19を上方に持ち上げることにより、焚き口15が開けられるようになっている。
【0032】
また、この予熱室16と本窯17との間には、この両者の間を仕切る隔壁22が配設され、この隔壁22の上部側には、本窯17と予熱室16との間を連通させる熱風導入口23が形成されている。
【0033】
さらに、本窯17は、予熱室16より大きな直方体形状を呈し、上面部及び下面部が開放されて、上面部には長方形の開口24が形成されている。この開口24が開閉蓋25を介して開閉され、この開口24を介して、本窯17内に竹材を収容、又は炭化処理された炭を取り出すことができるようになっている。また、下面部の開口はベース10により閉じられている。
【0034】
さらにまた、この本窯17には、予熱室16側と反対側の壁部の下端部に略L字状の煙突27の下端部が接続され、この煙突27の上端開口28が、本窯17上面より上方まで延長されている。
【0035】
さらに、この本窯17には、その煙突27が接続された壁部の近傍に、垂下壁26が配設され、この垂下壁26の下端と、本窯17の底面部の間には、隙間29が形成されている。本窯17内の垂下壁26より、図2中左側(予熱室16側)に、竹材が収容されるようになっている。
【0036】
一方、外枠12は、鉄板製で、図1に示すように、煙突27側に配置される枠壁30と、炭窯本体11の長手方向に沿った一対の枠壁31とで平面視において略コ字状に形成され、これら一対の枠壁31の予熱室16側の端部からそれぞれ、枠壁32が図1(c)に示すように斜めに延長されている。この枠壁32の先端部が、予熱室16の側壁に当接するように配置されることにより、炭窯本体11の周囲が外枠12で囲まれるようになっている。
【0037】
また、断熱砂13は、廃棄された陶器(800℃〜1200℃程度で焼かれた陶器)が径が5mm以下の大きさに粉砕されたものであり、この断熱砂13が、炭焼き時に炭窯本体11と外枠12との間、開閉蓋25上に配置されるようになっている。
【0038】
さらに、前記ベース10は、それと同様の断熱砂13で構成され、本窯17の開口を上述のように閉成するようにしている。
【0039】
次に、かかる炭焼窯を用いて炭焼を行う場合について説明する。
【0040】
まず、開閉蓋25を外した状態で、本窯17に開口24から竹材を収容した後、開閉蓋25を閉じる。その後、断熱砂13で開閉蓋25の上方を覆う。炭窯本体11と外枠12との間には、予め、断熱砂13が充填されている。
【0041】
次いで、焚き口15から竹等の端材を予熱室16に入れて燃焼させる。すると、この予熱室16から熱風導入口23を介して熱風が本窯17に流入し、最初は竹材が乾燥処理させられて煙突27から白い煙が出る。
【0042】
そして、口焚きを続けると、炭化による熱分解が活発となり、焦げ臭い煙(70〜75℃)が勢い良く立ち昇る。そうなったら、焚き口15を塞ぎ、煙突27を開くようにすると、熱分解が安定して行われる。次に、煙突27を次第に狭くして焼火により炭化を進めるようにする。すると、炭化が進み、それにつれて煙の温度が上昇(90〜150℃)して褐色を帯びてくる。やがて、煙の量は少なくなるが、ゆっくりと時間をかけて炭化させるようにする。そして、タールの白い煙(200℃)になり、さらに青色(230〜300℃)となる。煙が青色に変わり、温度が230〜300℃になったら煙突27の上端開口28と焚き口15を再び明けて、炭のガス分を抜く精錬を行い、青い煙が切れたところで、煙突27の上端開口28と焚き口15とを閉塞する。これにより、良質の炭が焼き上がる。徐々に温度を下げるようにし、本窯17内の温度を100℃以下にまで下げてから外気にふれさせ、冷却し、炭出しを行う。
【0043】
このように、火入れ当初の乾燥処理に始まり、焼火による中間の熱分解炭化処理、後半の高温熱分解と精錬による仕上げ炭化処理という一連の作業が行われて、炭材が完成する。
[実施例]
【0044】
次に、実施例について説明する。
【0045】
炭焼の仕様について説明すると、炭窯本体11は、4.5mmの鉄板を使用し、窯内容量が0.6mで、投入竹材(水分含有量によって変化)が生竹約140Kg、乾燥竹約80Kg、出来上がり竹炭が約20Kg、窯周囲使用の断熱砂13が約3.7m、加熱用燃料が余剰竹及び端材を活用する。
【0046】
かかる仕様で炭焼を行った場合の異なる3種の竹材の炭化時間について説明する。
(1)約2ヶ月乾燥竹材の場合
【0047】
約2ヶ月の間、乾燥させた竹材の場合の炭化時間は、17〜18時間程度である。この場合、焚き付けを2時間程度、炭化を15時間程度行う。その後、約3日間放置する。
(2)立ち枯れ竹材の場合
【0048】
立ち枯れた竹材の場合の炭化時間は、15〜16時間程度である。この場合、焚き付けを2時間程度、炭化を13時間程度行う。その後、約3日間放置する。
(3)生竹材の場合
【0049】
生竹材の場合の炭化時間は、48〜50時間程度である。この場合、焚き付けを2時間程度、薫しを33時間(丸切薪材を7〜8時間毎に投入)程度、炭化を13時間程度行う。その後、約3日間放置する。
【0050】
このような炭焼窯にあっては、炭窯本体11の周囲を囲むように、炭窯本体11との間に間隙を設けて外枠12を設置し、炭窯本体11と外枠12との間に、断熱砂13を配置したため、安価な断熱砂13で、断熱性を向上させることができ、熱効率を向上させることができる。しかも、枠形状の外枠12を配設して、炭窯本体11との間に、断熱砂13を配設するだけで良いため、簡単な構造にできる。
【0051】
また、熱効率が良いことから、竹等の端材を燃焼させた熱量でも、竹炭を良好に成形できる。従って、不要となった陶器や端材を使用することにより、廃棄する必要がないと共に、里山に悪影響を与える竹を竹炭として成形することにより、里山を取り戻すことができ、環境上極めて効果的である。
【0052】
さらに、この断熱砂13は、不要となった時には、外枠12を外して、この砂を簡単に取り除き、再度、外枠12を配置し、新しい断熱砂13を炭窯本体11との間に配置することで、容易に断熱砂13を交換できる。そして、この不要となった砂は、セメントの骨材の砂として使用できる。
【0053】
さらにまた、この断熱砂13は、陶器を粉砕したもので成形したため、陶器は高温(800℃〜1200℃程度)で焼いたものであることから、熱に強く、耐久性を向上させることができる。しかも、その陶器は廃棄されたものであるため、廃棄物の有効利用を図ることができる。陶器以外に実を採って廃棄された貝殻を粉砕して断熱砂13として利用することもできる。
【0054】
また、そのベース10も陶器を粉砕した断熱砂13で成形されているため、このベース10上で竹炭を成形する場合でも、陶器は熱を掛けても不純物が出るのが少ないことから、良質な竹炭を成形できると共に、熱効率の向上を図ることができる。
【0055】
かかる炭焼窯で成形された竹炭は、以下のような用途に用いることができる。
(1)400℃以上で炭化して粉砕した竹炭とセメントとを重量比で3:7で混合し、水を加えて攪拌することにより、竹炭含有コンクリートを成形する。
【0056】
また、400℃以上で炭化して粉砕した竹炭、廃棄された陶器を粉砕したもの(上述の使用済みの断熱砂13)、廃棄されたプラスチックを粉砕したものの混合砂を、セメントと混合して水を加えて攪拌することにより、竹炭含有コンクリートを成形することもできる。
【0057】
このような竹炭含有コンクリートにより、図4に示すようなテトラポット、図5に示すような排水溝を成形する。また、他のものとして、ボックス溝、河川・湖沼の壁面・底面ブロック等にも用いることができる。
(2)400℃以上で炭化して粉砕した竹炭、粉状の漆喰、水、スサ、糊を混ぜて塗られて固化することにより漆喰壁を成形する。
【0058】
詳しくは、漆喰の原材料である石灰岩や貝殻は「炭酸石灰(炭酸カルシウム)」で、これを1000℃くらいの高温で焼くと「生石灰(酸化カルシウム)」になり、さらに、これに水を加えると「消石灰(水酸化カルシウム)」に変化する。これが純粋な粉状の漆喰である。
【0059】
現場で、その粉状の漆喰に、粉砕して粉状にした竹炭、水、スサ、糊などを混ぜて塗られる。その塗られた漆喰は空気中の二酸化炭素と反応して「炭酸石灰(炭酸カルシウム)」になり、固まる。これにより、漆喰壁が形成されるものである。
【0060】
ところで、竹炭は、孔の表面がサッカーボールのような外観を呈し、ハニカム(蜂の巣状の六角形)構造となっており、これら無数に存在する孔の径は均一でなく、1千万分の1ミリ(ミクロン)単位のものまで、大小さまざまに分布している。
【0061】
因みに、孔の内部表面積は、竹炭1グラム(大人の指先位の容量)当たり300平方メートル以上もあり、これは畳二百畳以上の広さに相当し、小さめのバナナ1本分の丸炭でも、その表面積は東京ドームがすっぽり納まってしまうくらいの広い表面積となる。
【0062】
これに対して、備長炭のように約1000℃の高温で炭化され、そのまま炭窯の外で冷却されるものは表面の組織が良くしまった硬質の炭に焼き上がり、表面積も小さくなる。
【0063】
このように竹炭は、比表面積が大きくなるため、外界からの栄養分を取り入れ易く、微生物が住み付き易く、繁殖し易い環境となっている。また、竹炭は、ミネラルを豊富に含んでおり、これが着生した微生物を一層住み易くしていると共に、特に有機物(臭いや汚れの成分)の分解を得意とする放線菌が良く繁殖することが、実験により明らかになった。
【0064】
従って、テトラポット、排水溝や漆喰壁に、竹炭を用いることにより、この竹炭の孔を住居とする微生物が、吸着した臭いや汚れの成分を分解処理することにより、水や空気をきれいにする。
【0065】
また、竹炭は、硬質で砕け難く、水の流れを阻害することがないので、河川や生活雑排水の水質浄化にも硬化を発揮する。
【0066】
さらに、テトラポット等に竹炭を混入した場合には、表面は竹炭の効果により、一般的なコンクリートの強アルカリ性(pH13程度)が弱アルカリ性(pH10程度)に弱められ、表面に藻や微生物等が付着し易いことから、沿岸の生物環境を良好とすることができる。
【0067】
さらにまた、400℃以上で炭化した竹炭は、実験の結果、200℃で炭化した竹炭より比表面積が大きくなった。また、より望ましくは800℃程度で炭化した竹炭の比表面積が最大となった。従って、かかる比表面積が大きい竹炭を用いることにより、吸着した臭いや汚れの成分をより一層分解処理するものである。
(3)竹炭を粉砕して粉末状にして糊等により固めて板状にすることにより、竹炭からなる板材を成形する。この竹炭板材を敷いて暖め、この上に人間が横たわることにより、岩盤浴を行うことができる。
【0068】
このように竹炭板材を用いて岩盤浴を行うことにより、マイナスイオンが発生し、ストレスを緩和させ、気分を穏やかにする効果が得られる。
【0069】
なお、上記実施の形態では、「原料材」として竹材を使用したが、これに限らず、木材等、他の材料等でも良い。また、「断熱砂」として陶器を粉砕したものを使用したが、他の砂でも良いことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】この発明の実施の形態に係る炭焼窯を示す図で、(a)は正面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(b)の右側面図である。
【図2】同実施の形態に係る炭窯本体を示す斜視図である。
【図3】同実施の形態に係る炭窯本体を示す図で、(a)は正面図、(b)は(a)の平面図、(c)は(b)の右側面図である。
【図4】同実施の形態に係るテトラポッドを示す正面図である。
【図5】同実施の形態に係る排水溝を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0071】
10 ベース
11 炭窯本体
12 外枠
13 断熱砂
15 焚き口
16 予熱室
17 本窯
19 焚き口蓋
25 開閉蓋
27 煙突
29 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料材が収容されて炭化処理される炭窯本体をベース上に配置し、該炭窯本体の周囲を囲むように、該炭窯本体との間に間隙を設けて外枠を設置し、前記炭窯本体と該外枠との間に、断熱砂を配置したことを特徴とする炭焼窯。
【請求項2】
前記炭窯本体は、焚き口を有する予熱室と、前記原料材が収容される本窯とを有し、該本窯と前記予熱室とが熱風導入口を介して連通されると共に、前記本窯には煙突が接続され、更に、前記本窯には、前記原材料を収容又は炭化処理された炭を取り出す開口が形成されると共に、該開口を開閉する開閉蓋を設けたことを特徴とする請求項1に記載の炭焼窯。
【請求項3】
前記ベースは、断熱砂で構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の炭焼窯。
【請求項4】
前記断熱砂で、前記炭窯本体の側部及び上部の全体を覆ったことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載の炭焼窯。
【請求項5】
前記断熱砂は、陶器を粉砕したものであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一つに記載の炭焼窯。
【請求項6】
前記断熱砂は、貝殻を粉砕したものであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一つに記載の炭焼窯。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一つに記載の炭焼窯により成形されたことを特徴とする竹炭。
【請求項8】
竹炭、陶器、プラスチックを粉砕した混合砂をセメントと混合して水を加えて攪拌して成形されたことを特徴とする竹炭含有コンクリート。
【請求項9】
水中に配置されて水質浄化及び微生物付着を行い、竹炭がコンクリートに対して所定の割合で混入されたことを特徴とする竹炭含有コンクリート。
【請求項10】
前記竹炭とセメントを重量比で3:7で混合し、水を加えて攪拌したことを特徴とする請求項9に記載の竹炭含有コンクリート。
【請求項11】
前記竹炭は、400℃以上で炭化したものであることを特徴とする請求項8乃至10の何れか一つに記載の竹炭含有コンクリート。
【請求項12】
粉状の漆喰に、粉砕して粉状にした竹炭、水、スサ、糊を混ぜて塗られて固化されたことを特徴とする漆喰壁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−106175(P2008−106175A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−291322(P2006−291322)
【出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(504472248)
【Fターム(参考)】