説明

炭素−酸素間に多重結合を有する化合物の還元方法

【課題】様々な化合物を合成する原料となる等、工業的に非常に有用かつ重要な化合物を、入手が容易な化合物を原料として高い安全性で製造することができる方法を提供する。
【解決手段】炭素−酸素間に多重結合を有する化合物を還元する方法であって、該還元方法は、窒素及び水素を含む化合物を還元剤とする炭素−酸素間に多重結合を有する化合物の還元方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素−酸素間に多重結合を有する化合物の還元方法に関する。より詳しくは、炭素−酸素間に多重結合を有する化合物を原料として工業的に有用な各種の化合物を製造する方法に好適に用いることができる還元方法に関する。
【背景技術】
【0002】
炭素−酸素間に多重結合を有する化合物の還元方法は、原料となる炭素−酸素間に多重結合を有する化合物から他の有用な化合物を合成するために様々な化学分野において用いられる重要な反応方法、合成方法の1つである。このような還元には、一般的に水素による還元方法が用いられる。この方法は、種々の原料化合物に適用でき、比較的簡単な構造の化合物を出発原料として還元し、アルコール類等の汎用的に用いられる有用な化合物を合成することができる。
一方で、水素ガスが高圧・可燃ガスであり、工業的な使用には法的な制限を充分に考慮する必要がある。すなわち、水素ガスの使用においては、危険を伴うためその取り扱いには細心の注意が必要であり、装置もそれに準拠したものを用いなければならない。
【0003】
従来の還元方法に関して、低級アルコール、低級アルカン等の化合物の製造方法が開示されている。例えば、銅及び亜鉛からなる金属又は酸化物触媒の存在下、不活性溶媒中で、実質的に一酸化炭素を含まない二酸化炭素と水素とを反応させるメタノールの製造方法 (例えば、特許文献1参照。)や、銅及び亜鉛を主とする金属を加熱蒸発することにより得られる特定の粒径の微細粒子を不活性溶媒中に懸濁させて実質的に一酸化炭素を含まない二酸化炭素と水素とを反応させるメタノールの製造方法(例えば、特許文献2参照。)が開示されている。また、ニッケル、銅、銀触媒にランタノイド原子を添加したものを用い、アンモニアでアルケン又はアルキンを還元してアルカンやアレンを製造する方法について開示されている(例えば、非特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平3−258737号公報
【特許文献2】特開平3−258738号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】H. Imamura、Y. Miura、K. Fujita、Y. Sakata、S. Tsuchiya、「ジャーナル オブ モレキュラー キャタリシス A: ケミカル(Journal of Molecular Catalysis A: Chemical)」、(蘭国)、1999年、第140巻、p.81−90
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
化合物の還元方法においては、上記のように水素を還元剤として用いることが一般的であるが、その取り扱い性や輸送・生産設備上の問題点等の課題があった。特に、アルコール類等の汎用的に有用な化合物を工業的に生産する場合には、これらの課題が充分に解消されることが望まれるところである。また、還元方法に関して、アンモニアとアルケン又はアルキンとからアルカンやアレンを製造する方法が知られているが、原料がアルケン、アルキンであることから、より入手しやすい化合物を原料としてアルカン等の有用な化合物を製造できることが望ましい。
このように、従来から知られている方法は、化合物製造の簡便さや合成の原料となる化合物の点に課題を有しており、より簡便に、入手容易な化合物を原料として工業的に有用かつ重要な化合物を合成することができる還元方法の開発が求められるところであった。
【0007】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、様々な化合物を合成する原料となる等、工業的に有用かつ重要な化合物を、入手が容易な化合物を原料として高い安全性で製造することができる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、低級アルコールや低級アルカンをはじめとする、各種化合物合成の原料として用いられる工業的に有用かつ重要な化合物を入手容易な原料から得る方法について種々検討し、従来、一般に水素が用いられていた還元剤として他の化合物を適用することができないかという点に着目した。そして、窒素及び水素を含む化合物が還元剤として作用することを見出し、この還元剤を用い、炭素−酸素間に多重結合を有する化合物を反応原料として反応させると、メタノール、エタノール等の低級アルコールや、メタン、エタン等の低級アルカン、アセトニトリル等のニトリル、一酸化炭素等の工業的に有用な各種化合物を製造することができることを見出し、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
本発明の還元方法では、還元剤として危険性の高い水素に代えてアンモニア等の窒素及び水素を含む化合物を還元剤として使用するものであり、また、反応原料として炭素−酸素間に多重結合を有する化合物を用いるものであって、二酸化炭素も反応原料として使用することが可能である。このように、本発明の還元方法は、従来行われてきた低級アルコールや低級アルカン等の化合物の製造方法に比べ、より安全な化合物を還元剤として使用することから安全性が高く、還元反応を行う装置等の制約が少ない点において優れる方法であるだけでなく、入手容易ではあるものの非常に安定な化合物であって、化合物合成の原料として使用することが難しかった二酸化炭素を反応原料として、一段階の反応で低級アルコールや低級アルカン等の工業的に有用かつ重要な化合物を得る方法を見出した点においても技術的意義が大きく、工業的に非常に有用な方法であるといえる。
【0009】
すなわち本発明は、炭素−酸素間に多重結合を有する化合物を還元する方法であって、上記還元方法は、窒素及び水素を含む化合物を還元剤とすることを特徴とする炭素−酸素間に多重結合を有する化合物の還元方法である。
以下に本発明を詳述する。
【0010】
本発明の炭素−酸素間に多重結合を有する化合物の還元方法は、窒素及び水素を含む化合物を還元剤として還元する工程を含む限り、その他の工程を含んでいてもよい。
以下においては、本発明の炭素−酸素間に多重結合を有する化合物の還元方法を単に本発明の還元方法ともいう。
【0011】
上記炭素−酸素間に多重結合を有する化合物としては、二酸化炭素、一酸化炭素や、ケトン、アルデヒドといったカルボニル化合物等の1種又は2種以上を用いることができる。ケトン、アルデヒドといったカルボニル化合物としては、炭素数1〜12の化合物が好ましく、炭素数1〜8の化合物がより好ましい。更に好ましくは、炭素数1〜6の化合物である。具体的には、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ペンタナール、ヘキサナール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。これらの中でも、入手が容易である点で二酸化炭素が最も好ましい。また、近年は、工場等から排出される二酸化炭素等の温室効果が問題視され、排出量の低減が求められていることから、排出される二酸化炭素を有用な化合物に転換することができれば、環境問題への対応の点からも好ましい。特に世界的な二酸化炭素排出量規制の問題に対して、本発明は極めて重要な技術的意義を有するものである。このように、炭素−酸素間に多重結合を有する化合物として二酸化炭素を用いることは、本発明の好適な実施形態の1つである。
【0012】
本発明の還元方法は、これまで一般に還元剤として用いられてきた水素に比べて安全性が高い窒素及び水素を含む化合物を還元剤として用いるものであるが、還元剤として用いる窒素及び水素を含む化合物としては、アンモニア、ヒドラジン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、カルバミン酸メチル、カルバミン酸エチル、尿素、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミン類・アミド類;カルバミン酸、カルバミン酸アンモニウム、カルバミン酸炭酸水素二アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、シュウ酸アンモニウム等のカルバミン酸やアンモニウム塩類等の1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、アンモニア、ヒドラジン、尿素、カルバミン酸、カルバミン酸アンモニウム、カルバミン酸炭酸水素二アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、シュウ酸アンモニウムが好ましい。より好ましくは、アンモニア、尿素、カルバミン酸アンモニウムであり、特に好ましくはアンモニアである。上記窒素及び水素を含む化合物は、下記記載の触媒の選定により、系内で水素を発生し、該水素が還元剤として働くこともでき、また、炭素−酸素間に多重結合を有する化合物が還元されて発生する一酸化炭素やアルカン等も、増炭反応や還元反応に寄与することができる。この場合、反応は一段であってもよく、多段であってもよい。
【0013】
上記本発明の還元工程においては、炭素−酸素間に多重結合を有する化合物1モルに対して、還元剤となる窒素及び水素を含む化合物を0.001〜1000モルの割合で用いて還元反応を行うことが好ましい。炭素−酸素間に多重結合を有する化合物1モルに対して、還元剤となる窒素及び水素を含む化合物が0.001モルより少ないと、還元反応が充分に進行しないおそれがあり、1000モルより多くしても、還元反応で生成する化合物の収率はそれ以上大きく向上せず、還元剤の有効利用の点から好ましくない。より好ましくは、炭素−酸素間に多重結合を有する化合物1モルに対して、還元剤となる窒素及び水素を含む化合物を0.1〜100モルの割合で用いることであり、更に好ましくは、還元剤となる窒素及び水素を含む化合物を1〜10モルの割合で用いることである。
なお、炭素−酸素間に多重結合を有する化合物及び還元剤となる窒素及び水素を含む化合物を用いて気相反応で還元を行う場合には、このようなモル比となるような割合でそれぞれの化合物を流通させて反応を行うことができる。未反応の炭素−酸素間に多重結合を有する化合物や還元剤となる窒素及び水素を含む化合物は、回収・再利用することも可能である。
【0014】
上記還元工程における反応が気相反応である場合、炭素−酸素間に多重結合を有する化合物、還元剤となる窒素及び水素を含む化合物とともに、不活性ガスを流通させて反応を行ってもよい。炭素−酸素間に多重結合を有する化合物として二酸化炭素、還元剤となる窒素及び水素を含む化合物としてアンモニアを用いた場合、反応系内でカルバミン酸アンモニウムや尿素等が生成し、反応管が閉塞する場合がある。このように、炭素−酸素間に多重結合を有する化合物、還元剤となる窒素及び水素を含む化合物の種類によっては、固体の生成物が生成して反応管を閉塞することがあるが、炭素−酸素間に多重結合を有する化合物、還元剤となる窒素及び水素を含む化合物とともに、不活性ガスを流通させることで反応管の閉塞を防止することができる。不活性ガスは流通量を適宜設定して流通させることができる。不活性ガスとしては、空気、窒素、ヘリウム、アルゴン、メタン、水蒸気等が好ましい。また、反応管を加熱することによりカルバミン酸アンモニウムや尿素等を分解し、閉塞を防ぐことも可能である。
【0015】
本発明の還元方法における還元工程は、原料としての水の存在量が炭素−酸素間に多重結合を有する化合物に対し、等モル未満の条件下で還元反応を行う工程であることが好ましい。還元反応の系内の水の存在量を一定量以下にすることで、触媒の失活を効果的に抑制することができる。水の存在量は、より好ましくは、炭素−酸素間に多重結合を有する化合物1モルに対して0.9モル以下であり、更に好ましくは、0.8モル以下である。
【0016】
上記本発明の還元反応工程は、20〜1000℃で行われることが好ましい。このような温度で行うことで、還元反応によって得られる化合物の収率を高めることができる。還元工程は、100〜900℃で行われることがより好ましく、200〜800℃で行われることが更に好ましい。炭素−酸素間に多重結合を有する化合物として二酸化炭素を用いた場合、200〜800℃で反応を行うことで、アルコール及び/又はニトリルの収率を高めることができる。さらにこの温度域で反応温度を変化させることで、希望のアルコール、ニトリル、一酸化炭素、アルカン類を得ることが出来る。アルコール類を製造する際の反応温度は200〜300℃が好ましく、ニトリルやメタン等のアルカン、一酸化炭素を製造する際の反応温度は、250〜800℃が好ましい。
また、上記本発明の還元反応工程は、0.1〜20MPaの圧力下で行われることが還元反応によって得られる化合物の収率を高める点から好ましい。より好ましくは、0.1〜10MPaの圧力下で行われることであり、更に好ましくは、0.1〜8MPaの圧力下で行われることである。
また、上記本発明の還元反応工程の時間は、使用する炭素−酸素間に多重結合を有する化合物の量によって適宜設定すればよいが、10分以上行うことが好ましい。10分より短いと、還元反応が充分に進行せず、還元反応によって得られる化合物の収率が低くなるおそれがある。本発明の還元反応工程は、下記のように触媒を用いて行うことが好ましいが、気相流通反応を行う場合には、触媒が劣化するまで連続的に反応を行うことができ、適宜劣化した触媒の再生を実施することも可能である。
【0017】
上記還元工程は、触媒を用いて行われるものであることが好ましい。還元工程における反応を促進する作用を発揮する触媒を用いることで、還元反応で生成する化合物の収率を高めることができ、還元剤として窒素及び水素を含む化合物を用いることと相まって、本発明の作用効果を相乗的に際立って優れたものとすることができる。
触媒の使用量としては、炭素−酸素間に多重結合を有する化合物100モル%に対して99〜0.00001モル%であることが好ましい。使用量が0.00001モル%より少ないと、充分な触媒性能を発揮することができないおそれがあり、99モル%より多くしても、それ以上還元反応によって得られる化合物の収率を大きく向上することはできず、触媒の有効利用の点から好ましくない。より好ましくは、炭素−酸素間に多重結合を有する化合物100モル%に対して50〜0.0001モル%であり、更に好ましくは、20〜0.0005モル%である。
流通系の気相反応を行う場合、毎時空間速度(SV)は特に制限はないが、1hr−1以上、100,000hr−1以下の条件が通常用いられる。毎時空間速度(SV)とは、毎時反応器を通過する原料の体積(cm/hr)/反応容器中の触媒体積(cm)で定義される値であり、1hr−1以上、100,000hr−1以下となるように、炭素−酸素間に多重結合を有する化合物及び窒素及び水素を含む化合物及び触媒の量を決定すればよい。
【0018】
上記触媒の使用形態としては、触媒を液相に溶解させて行う均一系の形態、若しくは、触媒を液相に懸濁させたり、あるいは、触媒を固相として反応を行う不均一系の形態が挙げられ、また、不均一系の形態としては、液相反応、気相反応のいずれの形態であっても良い。均一系の形態を取る場合には、後述する周期律表の3〜12族の元素を少なくとも1種の元素を含む触媒や周期律表の1〜2族及び/又は13〜17族元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む助触媒となる酸化物、窒化物、硫化物、フッ化物、塩化物、臭化物、硝酸塩化合物、硫酸塩化合物、酢酸塩化合物、アルカリ金属塩化合物、アルカリ土類金属塩化合物、アンモニウム塩化合物、カルボニル化合物、アセチルアセトナート化合物、シュウ酸化合物、リン配位子含有化合物、窒素配位子含有化合物、カルベン配位子含有化合物等が反応溶媒である水または有機溶媒または水含有有機溶媒に溶解すればよい。不均一の形態を取る場合には、触媒の回収・再生・再利用が容易になるばかりでなく、特に気相反応の場合、反応後の気体を回収して再利用することも容易に可能である。
【0019】
本発明の還元方法において、触媒を用いる場合、炭素−酸素間に多重結合を有する化合物を還元する工程に用いる前に、あらかじめ触媒を還元及び/又は窒化することが好ましい。このようにすることで、本発明の還元反応に適した触媒活性種を構築することができる。
触媒を還元及び/又は窒化する方法としては特に制限されないが、アルカン、水素及びアンモニアの少なくとも1種を含むガスを用いて還元及び/又は窒化することが好ましい。アルカン、水素及びアンモニアの少なくとも1種を含むガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン、メタン、水蒸気等との混合ガスを用いることができ、アルカン、水素及びアンモニアの少なくとも1種を含むガス/不活性ガスを100/1〜0.01/100の割合で含むガスを用いることが好ましい。より好ましくは、水素及びアンモニアの少なくとも1種を含むガス/不活性ガスを50/1〜0.1/100の割合で含むガスである。
還元及び/又は窒化に用いるアルカン、水素及びアンモニアの少なくとも1種を含むガスの量は、触媒100モル%に対して、水素及び/又はアンモニアが0.1〜100000モル%となる量であることが好ましい。より好ましくは、触媒100モル%に対して、水素及び/又はアンモニアが0.5〜10000モル%となる量である。未反応のアルカン及び/又は水素及び/又はアンモニアは回収して再利用することも可能である。
また、触媒の還元及び/又は窒化は、20〜1000℃で行うことが好ましい。より好ましくは、100〜700℃であり、特に好ましくは、100〜600℃である。
触媒を還元及び/又は窒化する時間は、10〜1440分が好ましい。より好ましくは、30〜720分であり、特に好ましくは、60〜300分である。
流通系の気相反応を行う場合、還元及び/又は窒化する毎時空間速度(SV)は特に制限はないが、1hr−1以上、100,000hr−1以下の条件が通常用いられ、該SV値をもって本発明の還元反応に適した触媒活性種を構築できるまで触媒の還元及び/又は窒化を行えばよい。
【0020】
上記本発明の還元工程は、周期律表の3〜12族の元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素を有する化合物を触媒として用いて行われることが好ましい。このような触媒の存在下で反応を行うことで、還元反応によって得られる化合物の収率を充分に高めることができる。これらの中でも、触媒としては、周期律表の4〜12族の元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素を有する化合物がより好ましい。更に好ましくは、周期律表の5〜12族の元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素を有する化合物である。触媒は、1種又は2種以上を用いることができる。
なお、ここでいう「族」は、18族長周期型周期律表における族を意味する。
【0021】
本発明における触媒が有する元素としては、上記周期律表の3〜12族の元素の中でも、ランタノイド、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛、カドミウムからなる群より選択される少なくとも1種の元素が好ましい。より好ましくは、ランタノイド、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、最も好ましくは、ランタノイド、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種の元素である。ランタノイド、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種の元素を有する化合物を触媒として用いると、還元反応によって得られる化合物として、工業的に有用な化合物であるアルコールやニトリルを特に高い収率で得ることができる。
【0022】
また、本発明の還元工程においては、上記周期律表の1〜2族及び/又は13〜17族元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素を助触媒として使用し、更に触媒活性を高めることもできる。助触媒とは、主成分である周期律表の3〜12族の元素が示す触媒作用を強化する作用を持つ補助成分を指す。上記周期律表の1〜2族及び/又は13〜17族元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、ゲルマニウム、錫、鉛、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマス、硫黄、セレン、テルル、フッ素、塩素、臭素からなる群より選択される少なくとも1種の元素が好ましい。より好ましくは、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、ゲルマニウム、錫、鉛、リン、アンチモン、ビスマス、硫黄、セレン、テルル、フッ素、塩素からなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、最も好ましくは、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、ゲルマニウム、錫、鉛、アンチモン、ビスマス、硫黄、セレン、テルル、フッ素からなる群より選択される少なくとも1種の元素である。
本発明においては、使用する触媒や助触媒によって、得られる化合物の収率や選択率がかわるため、求められる化合物の種類に合わせて、使用する触媒や助触媒を選択することができる。触媒性能が劣化した場合には焼成や上記還元及び/又は窒化等の操作により再生することが可能である。また、気相流通反応の場合、出口ガスを回収し、それを原料として反応を行うこともできる。また、使用する触媒によっては水素も副生することがあるが、水素自体も有用な物質として回収、利用することができる。
【0023】
上記触媒は、触媒に占める周期律表の3〜12族の元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素の含有量が触媒全体100質量%に対して99〜0.001質量%であることが好ましい。周期律表の3〜12族の元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素の含有量が0.001質量%より少ないと、充分な触媒性能を発揮することができないおそれがあり、また99質量%より多くても、還元反応によって得られる化合物の収率を大きく向上することはできず、また経済的にも不利となる。より好ましくは、周期律表の3〜12族の元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素の含有量が触媒全体100質量%に対して50〜0.01質量%であり、更に好ましくは、20〜0.05質量%である。
なお、ここでいう触媒全体とは、下記のように触媒活性種が担体(特に多孔質担体)に担持されたものである場合は、担体も含んだ全体を意味する。
【0024】
上記触媒は、触媒活性種が担体、特に多孔質担体に担持されたものであってもよい。
本発明の反応形態に用いられる触媒の中には、担体に担持された形態となることによって、本発明の作用効果を発揮する又は際立って発揮するものがあるため、触媒を担体に担持された形態とすることは、本発明の好ましい実施形態の1つであるといえる。特に、触媒の種類によって担体に担持された形態を選択することが好ましい。例えば、ランタノイド、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウム、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛等は、担体に担持された形態とすることによって、本発明において触媒作用が充分に発揮されることになる。
【0025】
上記多孔質担体に担持されたものである場合、多孔質担体としては、酸化物、窒化物、硫化物等特に限定はされないが、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、ゼオライト、メソ多孔体、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ランタノイド、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化亜鉛、酸化錫、ポリオキソメタレート、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、リン酸バナジウム、リン酸ランタノイド、ハイドロタルサイト、アパタイト、セピオライト、モンモリロナイト、珪藻土、粘土化合物等に代表される酸化物や複合酸化物及び/又はその窒化物や硫化物、活性炭、イオン交換樹脂、有機無機複合化合物等が好適であり、これらの1種又は2種以上を用いることができる。担体を構成する元素は、触媒、助触媒成分と同じであってもよいし異なっていてもよいが、異なる元素であることがより好ましい。担体の形態としては、微粉状、粉状、粒状、顆粒状、ペレット状、押し出し形状、リング状、ハニカム状等どの形態でもよく、担持形態も均一担持、外層担持、内層担持、中心担持等いずれの形態でもよい。
【0026】
上記担体に担持する方法は、沈殿法、共沈法、混錬法、ゲル化法、沈着法、含浸法(平衡吸着法・蒸発乾固法)、イオン交換法、溶融法、展開法、水熱合成法、合金化法、ナノ粒子化法、蒸着法等が挙げられる。例えば、含浸法等で担持に溶媒を用いる場合、触媒活性種となる元素を含む触媒前駆体と担体とを溶媒中で混合し、焼成することにより調製することができる。溶媒は水でも有機溶媒でも水含有有機溶媒でもよく、触媒前駆体を溶解できればよい。触媒調製溶媒やpH、調製圧力、調製温度は、多孔質担体や触媒前駆体の種類等により適宜設定すればよいが、水溶液を使用する場合には、好ましくは、pHを0.5〜14の間に設定した水溶媒もしくは水含有有機溶媒を使用し、0.5〜0.0001MPaにて10〜100℃で調製を行うことである。
焼成温度は、100〜1000℃が好ましい。より好ましくは、200〜900℃である。また、焼成時間は、10〜2880分であることが好ましい。より好ましくは、30〜1440分である。
また、焼成中の気相雰囲気は、空気、窒素、アルゴン、酸素等特に限定されるものではなく、空気中で行ってもよく、水素/窒素を100/1〜0.1/100の割合で含むガス雰囲気下で行ってもよい。
【0027】
上記触媒前駆体としては、上記周期律表の3〜12族の元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素等のような触媒活性を発揮する元素の酸化物、窒化物、硫化物、フッ化物、塩化物、臭化物、硝酸塩化合物、硫酸塩化合物、酢酸塩化合物、アルカリ金属塩化合物、アルカリ土類金属塩化合物、アンモニウム塩化合物、カルボニル化合物、アセチルアセトナート化合物、シュウ酸化合物、リン配位子含有化合物、窒素配位子含有化合物、カルベン配位子含有化合物等を用いることが好ましい。これらの中でも、酸化物、窒化物、フッ化物、硝酸塩化合物、硫酸塩化合物、酢酸塩化合物、アルカリ金属塩化合物、アルカリ土類金属塩化合物、アンモニウム塩化合物、カルボニル化合物、アセチルアセトナート化合物、シュウ酸化合物等がより好ましい。
【0028】
本発明の還元方法において、炭素−酸素間に多重結合を有する化合物が還元されて生成する化合物は、アルコール、ニトリル、アルカン及び一酸化炭素からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。本発明の還元方法において、反応原料として用いられる化合物は、炭素−酸素間に多重結合を有するものである限り特に制限されず、還元によって生成する化合物も原料として用いられる化合物によって異なるが、アルコール、ニトリル、アルカン及び一酸化炭素は、いずれも様々な化合物の反応原料になる等、工業的に非常に有用かつ重要な化合物であることから、これらの少なくとも1種を得ることができる方法は、工業的に非常に有用な還元方法であるということができる。これらの中でも、アルコール、ニトリル及び一酸化炭素からなる群より選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。更に好ましくは、アルコール及び/又はニトリルを含むことである。すなわち、炭素−酸素間に多重結合を有する化合物が還元されて生成する化合物にアルコールが含まれることは、本発明の還元方法の好適な実施形態の1つであり、炭素−酸素間に多重結合を有する化合物が還元されて生成する化合物にニトリルが含まれることもまた、本発明の還元方法の好適な実施形態の1つである。
【0029】
上記アルコール、ニトリル、アルカンには、各種アルコール、ニトリルやアルカンが含まれるが、これらの中でも、炭素数1〜12のアルコールやアルカン、炭素数1〜12のニトリルであることが好ましい。このようなアルコール、ニトリル、アルカン及び一酸化炭素からなる群より選択される少なくとも1種を含む化合物を還元により得る方法であることは、本発明の好適な実施形態の1つである。より好ましくは、炭素数1〜6のアルコールやアルカン、炭素数1〜6のニトリルであり、更に好ましくは、炭素数1〜4のアルコールやアルカン、炭素数1〜4のニトリルであり、特に好ましくは、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、メタン、エタン、プロパン、ブタン、アセトニトリルであり、最も好ましくは、メタノール、エタノール、アセトニトリルである。
【発明の効果】
【0030】
本発明の炭素−酸素間に多重結合を有する化合物の還元方法は、上述の構成よりなり、入手が容易で、かつ、排出量の削減が求められている二酸化炭素をはじめとする炭素−酸素間に多重結合を有する化合物を原料とし、更に還元剤として、これまで一般に用いられてきた水素よりも安全性が高く、輸送及び取扱いの容易な窒素及び水素を含む化合物を用いてアルコール、ニトリル、アルカン、一酸化炭素等の工業的に非常に有用な化合物を得ることができる方法であることから、技術的意義が大きく、非常に有用な還元方法である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味するものとする。
【0032】
触媒の調製例1(10%Ru/Al
γ−アルミナ(住友化学株式会社製)を950℃で10時間焼成処理した後、0.6−1.0mmに粉砕、篩分けした。このアルミナ20gに、ルテニウム含有率4.4%の硝酸ルテニウム水溶液50gを混合し、これを湯浴上で蒸発乾固した後、乾燥機にて120℃で1晩乾燥し、空気中400℃で2時間焼成して10%Ru/Alを得た。
【0033】
触媒の調製例2(5%Ru/ZnO)
酸化亜鉛(関東化学社製)20.0gとルテニウム含有率4.4%の硝酸ルテニウム水溶液25gを加え、ロータリーエバポレーターを用いて水を蒸発させ乾固した。得られた固体を空気雰囲気下、120で一晩乾燥後、空気中400℃で3時間焼成した。得られた粉体をプレス機で圧縮した後破砕し、粒径0.7〜1.0mmに整粒して5%Ru/ZnOを得た。
【0034】
触媒の調製例3(5%Ru/La
調製例2において、酸化亜鉛(関東化学社製)20.0gを酸化ランタン(関東化学社製)20.0gとした以外は同様に調製を行い5%Ru/Laを得た。
【0035】
触媒の調製例4(5%Ru/ZrO
調製例3において、酸化ランタン(関東化学社製)20.0gを酸化ジルコニウム(関東化学社製)20.0gとした以外は同様に調製し、5%Ru/ZrOを得た。
【0036】
触媒の調製例5(5%Ru/SnO
調製例4において、酸化ジルコニウム(関東化学社製)20.0gを酸化スズ(関東化学社製)20.0gとした以外は同様に調製し、5%Ru/SnOを得た。
【0037】
触媒の調製例6(5%Rh/Al
調製例1において、ルテニウム含有率4.4%の硝酸ルテニウム水溶液55gを、ロジウム含有率4.45%の硝酸ロジウム水溶液24gとした以外は同様に調製し、5%Rh/Alを得た。
【0038】
触媒の調製例7(5%Rh−0.5%Cs/Al
調製例1において、ルテニウム含有率4.4%の硝酸ルテニウム水溶液55gを、ロジウム含有率4.45%の硝酸ロジウム水溶液24g、硝酸セシウム(和光純薬工業社製)0.236gとした以外は同様に調製し、5%Rh−0.5%Cs/Alを得た。
【0039】
触媒の調製例8(10%Rh/SiO
SiO(富士シリシア社製:CARiACT−Q6)20.0gに、ロジウム含有率4.45%の硝酸ロジウム水溶液48gを混合し、これを湯浴上で蒸発乾固した後、乾燥機にて120℃で1晩乾燥し、空気中400℃で2時間焼成して10%Rh/SiOを得た。
【0040】
触媒の調製例9(5%Rh/MgO)
塩基性炭酸マグネシウム(関東化学社製)を500℃で焼成した得た粉体20.0gに、ロジウム含有率4.45%の硝酸ロジウム水溶液24gを混合し、これを湯浴上で蒸発乾固した後、乾燥機にて120℃で1晩乾燥し、空気中400℃で2時間焼成して5%Rh/MgOを得た。
【0041】
触媒の調製例10(5%Pd/Al
調製例1において、ルテニウム含有率4.4%の硝酸ルテニウム水溶液55gを、パラジウム含有率8.36%の硝酸パラジウム水溶液12.6gとした以外は同様に調製し、5%Pd/Alを得た。
【0042】
触媒の調製例11(5%Ir/Al
調製例1において、ルテニウム含有率4.4%の硝酸ルテニウム水溶液55gを、イリジウム含有率4.5%の硝酸イリジウム水溶液23.4gとした以外は同様に調製し、5%Ir/Alを得た。
【0043】
実施例1
5/8インチ径のステンレス製反応管の中央部に、触媒として10%Ru/Alを5ml充填、触媒層の両端をガラスウールで固定し、残りの空間部分には石英砂を詰めた。触媒層部分には1/16インチ管に入った熱電対を差し込み、触媒層温度を測定できるようにした。上記反応管を電気炉にセットし、常圧で10体積%水素(窒素バランス)100mL/分を流通させながら400℃まで昇温し、同温度で2時間保持して触媒の前処理還元処理を行った。前処理還元終了後、水素の流通を止め、250℃まで降温した後、アンモニア:二酸化炭素:窒素=62.5:6.3:31.2(モル比)の反応ガス350mL/分を1時間流通して反応を行った(SV=4200h−1)。反応管出口から出てくる気体は、純水100mLの入った市ノ瀬式洗浄瓶、次に30%硫酸水溶液に通した後、ガスサンプラーにより捕集した。TCD型ガスクロマトグラフで分析したところ、水素1.0mmol、一酸化炭素0.3mmolが検出された。また市ノ瀬式洗浄瓶内の純水をFID型ガスクロマトグラフで分析したところ、メタノールが0.6μmol検出された。
【0044】
実施例2
触媒を5%Ru/ZnOとした以外は実施例1に従って反応を実施した。
【0045】
実施例3
触媒を5%Ru/Laとした以外は実施例1に従って反応を実施した。
【0046】
実施例4
触媒を5%Ru/ZrOとした以外は実施例1に従って反応を実施した。
【0047】
実施例5
触媒を5%Ru/SnOとした以外は実施例1に従って反応を実施した。
【0048】
実施例6
触媒を5%Rh/Alとした以外は実施例1に従って反応を実施した。
【0049】
実施例7
触媒を5%Rh−0.5%Cs/Alとした以外は実施例1に従って反応を実施した。
【0050】
実施例8
実施例7において、反応温度を400℃にした以外は実施例7と同様の反応を実施した。
【0051】
実施例9
触媒を10%Rh/SiOとした以外は実施例1に従って反応を実施した。
【0052】
実施例10
触媒を5%Rh/MgOとした以外は、実施例1に従って反応を実施した。
【0053】
実施例11
触媒を5%Pd/Alとした以外は、実施例1に従って反応を実施した。
【0054】
実施例12
触媒を5%Ir/Alとした以外は、実施例1に従って反応を実施した。
実施例1〜12の結果を表1に示す。
【0055】
【表1】

【0056】
表1の結果から、アンモニアを還元剤として、常圧で二酸化炭素を還元して、アルコール、ニトリル、アルカンや一酸化炭素を得ることが可能であることが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素−酸素間に多重結合を有する化合物を還元する方法であって、
該還元方法は、窒素及び水素を含む化合物を還元剤とする
ことを特徴とする炭素−酸素間に多重結合を有する化合物の還元方法。
【請求項2】
前記還元方法は、炭素−酸素間に多重結合を有する化合物として二酸化炭素を用いることを特徴とする請求項1に記載の炭素−酸素間に多重結合を有する化合物の還元方法。
【請求項3】
前記還元工程は、周期律表の3〜12族の元素からなる群より選択される少なくとも1種の元素を有する化合物を触媒として用いて行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭素−酸素間に多重結合を有する化合物の還元方法。
【請求項4】
前記炭素−酸素間に多重結合を有する化合物が還元されて生成する化合物は、アルコール、ニトリル、アルカン及び一酸化炭素からなる群より選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の炭素−酸素間に多重結合を有する化合物の還元方法。

【公開番号】特開2011−225543(P2011−225543A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68057(P2011−68057)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000004628)株式会社日本触媒 (2,292)
【Fターム(参考)】